JP2003098304A - 反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法 - Google Patents

反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法

Info

Publication number
JP2003098304A
JP2003098304A JP2001293225A JP2001293225A JP2003098304A JP 2003098304 A JP2003098304 A JP 2003098304A JP 2001293225 A JP2001293225 A JP 2001293225A JP 2001293225 A JP2001293225 A JP 2001293225A JP 2003098304 A JP2003098304 A JP 2003098304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
antireflection
film
layer
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001293225A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Suzuki
智之 鈴木
Arimichi Ito
有道 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2001293225A priority Critical patent/JP2003098304A/ja
Publication of JP2003098304A publication Critical patent/JP2003098304A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光反射低減、及び表示視認性向上ができる、
微細凹凸による反射防止加工を、生産性良く低コストで
出来る様にする。 【解決手段】 反射防止転写フィルム10として、離型
面Eに特定の微細凹凸2Aを有する離型性基材フィルム
1上に、転写層3として透明樹脂層4、或いは更に接着
剤層5を積層した転写フィルムとする。微細凹凸2Aの
形状は、微細凹凸の最凹部に於ける周期をPMAXを、可
視光の波長帯域の真空中に於ける最小波長λMIN以下、
水平断面内での離型性基材フィルム材料部分の断面積占
有率が、微細凹凸の最凹部から最凸部に行くに従って連
続的に漸次減少して行く様な形状とする。反射防止加工
は、この転写フィルムで基材に転写層を転写する。転写
はローラ転写法、ホットスタンプ法、射出成形同時転写
法等で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、携帯電話
機の液晶表示部等に用いる各種物品へ、反射防止機能を
付与する為の反射防止転写フィルムと、それを用いた反
射防止加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示ディスプレイ(LCD)
等を表示部に利用した携帯電話機等の各種機器の普及に
は目覚しいものがある。そして、この様な表示部を有す
る場合、その表示をより確実にし、また高機能なものと
する為に、各種工夫が成されることが多い。例えば、携
帯電話機等では、その表示部を、水、塵、外力等から保
護するために、LCD等による表示パネルを露出させ
ず、外側に透明プラスチック板等による窓材を設けた構
成として保護する事が多い(特開平7−66859号公
報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表示パ
ネルを保護する等の為に、その前方に窓材等を設ける
と、窓材の表裏両面で外光が反射し、表示の視認性が低
下するという問題があった。また、表示パネルの低消費
電力化が重要な要素である携帯電話機等では、表示の視
認性低下の他に更に、窓材の反射によって、表示パネル
からの光の一部が表示パネル側に戻される為に、表示パ
ネルの光の利用効率が低下し、その分、無駄な電力が消
費されているという問題もあった。
【0004】そこで、反射防止が必要な各種物品に対し
て、例えば、蒸着、スパッタリング、或いは塗工等の手
法によって単層或いは低屈折率層と高屈折率層との多層
膜からなる反射防止層を設ける(特開2001−127
852号公報等参照)等の技術が提案されている。しか
し、蒸着、スパッタリング等による反射防止層は、1回
又は多数回のバッチ処理により、屈折率を制御した薄膜
を形成する必要があるので、製品の安定性、良品率等に
問題がある上、バッチ式生産となるので、生産性が低
い。更に、前記した窓材を例にとれば、一旦射出成形で
成形品を作製してから、この成形品に蒸着等で反射防止
層を形成する為に、製造が2工程となる点でも生産性が
低かった。この為、反射防止加工は、生産コストが高い
という問題もあった。或いはまた、反射防止処理として
は、梨地処理によって鏡面反射による光反射を低減する
方法もあるが、この方法では光を拡散させる点で、光の
利用効率を上げることはできない、という問題があっ
た。
【0005】そこで、本出願人は、これら従来技術に於
ける問題点を解決すべく、特開昭50−70040号公
報に開示された、極めて微細な微細凹凸を表面に設ける
ことによって表面反射率を減少させる技術を、応用する
ことを試みた。但し、同号公報に開示された技術は、表
面反射を減らすべきレンズ等の光学部品に対して、その
表面にフォトレジスト等を塗布し、露光し、現像する等
して、該表面に一品毎度に直接、微細凹凸を作製する方
法であるので、作業能率が悪く、前記した携帯電話機の
窓材等の大量生産品に対しては、工業生産に必要な生産
性(量産性)は得られない。この為、本出願人は、微細
凹凸を、一旦、原版(マザー版)とするガラス基材上に
作製してから、このマザー版から、コンパクトディスク
の製造ライン等で用いられているニッケル電鋳法を利用
して、金属製の(賦形型)マスター版を作製し、このマ
スター版を、射出成形機の金型内に取りつけて、透明樹
脂を射出成形することで、透明な窓材の射出成形と同時
に、窓材の裏面に所望の反射防止性能を有する微細凹凸
を作製する事に成功した(特願2001−185965
号:本特許出願時未公開)。この方法によれば、窓材の
作製後に、追加的に反射防止加工処理を行う事も無く、
成形と反射防止加工とが1工程で行え、しかも大量生産
可能な生産性も備えた方法となる。
【0006】しかし、更なる生産性向上を考えた場合、
解決が望ましい次の様な課題が残った。すなわち、それ
は、賦形型は入れ子等として金型に組み込む関係上、金
型自体の一部であり、作業中に賦形型の表面が傷付いて
損傷した場合等では、金型交換が必要であり、その間は
生産が停止してしまい、しかも、金型交換は時間もかか
るという問題があった。従って、連続生産性が必ずしも
良い方法ではなかった。また、交換用の金型を製造する
為には、費用、時間とも多大なものとなると言う問題点
があった。また、該微細凹凸は光の波長以下の微細な寸
法の為、射出した熔融樹脂を賦形型の微細凹凸内に完全
に充填し、該微細凹凸形状を忠実に再現することは難し
い。その為、射出温度、圧力、時間、ゲート形状等の賦
形条件の最適値を成形品、及び微細凹凸形状毎に見出す
必要が有り、且つその最適条件をバラツキ無く維持し無
ければならない。
【0007】すなわち、本発明の課題は、光の無駄な反
射を減らし、表示の視認性を向上させると共に、表示光
の光の利用効率も上げられる微細凹凸による反射防止加
工を、連続生産に適して生産性が良く、低コストで出来
る反射防止転写フィルムと、それを用いた反射防止加工
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明による反射防止転写フィルムは、離型性
フィルムの離型面に反射防止用の微細凹凸が形成され、
該離型面上に転写層として透明樹脂層が積層されて成る
反射防止転写フィルムであって、該離型性フィルムの微
細凹凸は、可視光の波長帯域の真空中に於ける最小波長
をλMIN、該微細凹凸の最凹部に於ける周期をPMAXとし
たときに、 PMAX≦λMIN なる関係を有し、且つ該微細凹凸をその凹凸方向と直交
する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける離型
性フィルムの材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の
最凹部から最凸部に行くに従って連続的に漸次減少して
行く様な凹凸である構成とした。
【0009】この様な構成の反射防止転写フィルムとす
ることで、この転写フィルムを用いて転写層として透明
樹脂層を転写すれば、基材上に微細凹凸を賦形できる。
その結果、所望の反射防止機能を付与した反射防止物品
が得られる。しかも、その反射防止機能は、表示の視認
性を向上させると共に、表示光の光の利用効率も上げら
れる。また、基材への微細凹凸の賦形は、離型性フィル
ムがいわば内在的賦形型となっている転写フィルムから
の転写による為に、既に内在的に賦形済みの転写層の転
写移行という形式で行える。この為、転写フィルムに於
いて転写層に内在された状態での微細凹凸は、転写時ま
では離型性フィルムによって保護されている為に、該微
細凹凸が傷付く事も無い。従って、例えば、賦形面が露
出している入れ子等のブロック状、板状の賦形型を使っ
て物品を賦形する場合で起こり得る、賦形面の傷付によ
る賦形型の取り替えや、作り変え等の面倒な作業は生じ
ない。但し、反射防止転写フィルムによる賦形では、再
使用も可能な通常の賦形型とは異なり、物品の一品毎に
新しい転写フィルムを使う「使い捨て(切り)」の使用
となるが、安価なフィルム形態である上、該転写フィル
ムは連続帯状で使用する事もできる為、使い回しも良く
物品一品毎の供給も容易である。従って、反射防止加工
を生産性(量産性)良く低コストで実施できる。
【0010】また、本発明の反射防止転写フィルムは、
上記構成に於いて、転写層として、透明樹脂層上に更に
透明接着剤層が積層されて成る構成とした。
【0011】この様な構成とする事で、転写層としての
透明樹脂層の材料が、基材に接着させ難い場合でも、透
明接着剤層によって容易に接着させて転写できる。ま
た、転写後の透明樹脂層表面の微細凹凸の形状維持とい
う点で、透明樹脂層は表面強度が強い事が好ましいが、
その表面強度と接着性(転写性)とを、透明樹脂層の一
層で賄う必要が無くなり、透明接着剤層側で接着性を確
保する事で、透明樹脂層はもっぱら表面強度に重点を置
いた材料選定が可能となる。従って、表面強度と共に接
着性(転写性)も良好にする事が容易となる。
【0012】また、本発明の反射防止加工方法では、上
記いずれかの本発明の反射防止転写フィルムから、その
転写層を基材に転写することで、該基材面に微細凹凸に
よる反射防止機能を付与する様にした。
【0013】この様な反射防止加工方法とすることで、
基材の表面に、所望の反射防止機能が付与された反射防
止物品が容易に得られる。しかも、その反射防止機能
は、表示の視認性を向上させると共に、表示光の光の利
用効率も上げられる。また、賦形型として、離型性フィ
ルムを内在的賦形型とする転写フィルムを使用するの
で、上記反射防止転写フィルムによる作用効果で述べた
如く、反射防止加工を生産性(量産性)良く低コストで
実施できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】〔概要〕先ず、図1(A)は、本発明の反
射防止転写フィルム10の一形態を例示する断面図であ
る。図1(A)に例示する本発明の反射防止転写フィル
ム10は、離型性フィルム1の離型面Eに、これらか詳
述する本発明特有の微細凹凸2Aが形成され、該離型面
上に転写層3として透明樹脂層4が積層された構成の転
写フィルムである。上記微細凹凸2Aは、光波長以上の
大きさの凹凸によるマット面(艶消し)を利用して光を
散乱(拡散反射)させる方式の従来公知の反射防止処理
乃至は防眩処理とは異なり、可視光線の波長以下の大き
さの本発明特有の形状の凹凸である。なお、転写層3
は、少なくとも透明樹脂層4から構成されるが、図1
(B)に例示する反射防止転写フィルム10の如く、転
写層3として更に、透明樹脂層4上に透明接着剤層5を
積層した構成は、基材(被転写体)との接着性を出し易
い点でより好ましい。
【0016】なお、本発明の説明では、微細凹凸につい
て、離型性フィルム上のものと転写層上のものとを含め
て言及する場合は別として、離型性フィルム上のものは
微細凹凸2A、該微細凹凸2Aとは逆凹凸形状となる転
写層上のもの、すなわち、転写後に転写層表面に露出し
顕在化する凹凸形状は微細凹凸2として、符号の違いで
区別して使用する。
【0017】そして、物品の反射防止加工として、この
様な本発明の反射防止転写フィルム10から、その転写
層3を基材に転写することで、図1(C)に示す如く、
基材6上の転写後の転写層3(より具体的には透明樹脂
層4)表面に、上記微細凹凸2Aとは逆凹凸関係の微細
凹凸2が形成(賦形)された、反射防止物品20が得ら
れる。なお、反射防止転写フィルムから、その転写層を
基材表面に転写するには、ローラ転写法、ホットスタン
プ法、射出成形同時転写法等の従来公知の各種転写法を
適宜採用すれば良い。
【0018】〔微細凹凸〕反射防止転写フィルム10の
離型性フィルム1が有する微細凹凸2Aから、その逆凹
凸形状として、基材6上に転写された転写層3の表面、
つまり透明樹脂層4の表面が有する微細凹凸2が、反射
防止効果を有するのは、次の様な理由による。すなわ
ち、該微細凹凸2によって、物品表面を構成する透明樹
脂層4と、外界(空気)との間の急激で不連続な屈折率
変化を、連続的で漸次変化する屈折率変化に変えること
が可能となるからである。それは、光の反射は、物質界
面の不連続な急激な屈折率変化によって生じる現象であ
るから、物品表面に於ける屈折率変化を、空間的に連続
的に変化する様にすることによって、該物品面に於ける
光反射が減るのである。
【0019】以下、離型性フィルムが有する微細凹凸2
Aから、転写後の透明樹脂層4表面に与えられる微細凹
凸2が、反射防止効果を有する理由について詳述する。
【0020】図2〜図4は、反射防止物品の表面に賦形
された微細凹凸2によって得られる屈折率分布を、該物
品の表面を構成する事になる転写後の転写層3の最表面
層となる透明樹脂層4の部分のみに注目して、概念的に
説明する概念図である。先ず、図2は、微細凹凸2が表
面に付与された透明樹脂層4について、該透明樹脂層4
が、Z≦0の部分の空間を占め、該透明樹脂層の表面、
すなわちZ=0に於けるXY平面上に、Z軸方向を凹凸
方向とする多数の微細凹凸2が配置された状態を示す。
【0021】そして、本発明が離型性フィルム1上の微
細凹凸2Aを、その最凹部に於ける周期をPMAXとした
ときに、このPMAXが、可視光の波長帯域の真空中に於
ける最小波長をλMIN以下としてあるのは、該微細凹凸
2Aから、転写後の透明樹脂層表面に付与される微細凹
凸2は、逆凹凸形状となるので、該微細凹凸2につい
て、図2の如く、その最凸部2tに於ける周期をPMAX
としたときに、このPMAXが、可視光の波長帯域の真空
中に於ける最小波長をλMIN以下となる様にする為であ
る。微細凹凸2Aをこの様な形状としてある為、それと
逆凹凸形状となる微細凹凸2を有する面への到達光に対
しては、媒質(透明樹脂層、及び空気)の屈折率に空間
的な分布があっても、それは注目する波長以下の大きさ
の分布である為に、その分布がそのまま直接に光に作用
せず、それが平均化されたものとして作用する。従っ
て、平均化された後の屈折率(有効屈折率)が光が進行
するに従って連続的に変化する様な分布にしておけば、
光の反射を防げるのである。
【0022】なお、本発明に於いて、(微細凹凸2Aに
於ける)最凹部(すなわち、図2で示す微細凹凸2での
最凸部2tに該当。)に於ける周期PMAXとは、隣接す
る微細凹凸2Aの最凹部間の距離のうち最大の距離であ
って、個々の微細凹凸2Aが規則的に配置され周期性を
有する(隣接する微細凹凸2A同士間の距離が同一)構
成でも良いが、周期性が無い(隣接する微細凹凸2A同
士間の距離が不揃い)構成でも良い。
【0023】そして、図2では、直交座標系として、転
写後の透明樹脂層4の表面の包絡面に立てた法線方向に
Z軸を、また、それと直交する平面内にX軸、Y軸をと
る。そして、今、光が表面側から透明樹脂層に入光し
て、該透明樹脂層内部を進み、該透明樹脂層の表面近傍
をZ軸の負方向に向かって進行しつつあり、丁度、Z軸
座標がzのところに存在するとする。
【0024】すると、ここのZ=zに居る光にとって
は、媒体の屈折率は透明樹脂層4表面が特定の微細凹凸
2をなす為、厳密には、Z=zに於いてZ軸と直交する
XY平面(横断面:水平断面)内に於いて、分布f
(x,y,z)を持つ様に見える。すなわち、XY平面
内に於いて、透明樹脂層4の断面部分は屈折率n
b(1.5程度)、其の他の部分、具体的には空気aの
部分は屈折率na(=1.0程度)となる(図3参
照)。ところが実際には、光にとっては、その波長(反
射防止の対象とする光の波長が分布を有する場合は、そ
の波長帯域の最小波長λMINを考えれば良い。)よりも
小さな空間的スケールの屈折率分布は、平均化されたも
のとして作用する結果、平均化された結果の有効屈折率
は、前記XY平面内に於いて、屈折率分布f(x,y,
z)をXY平面内に於いて積分したもの、
【0025】
【数1】
【0026】となる。その結果、有効屈折率(nef)の
分布はzのみの関数nef(z)となる(図4参照)。
【0027】よって、もしも、微細凹凸2に於ける透明
樹脂層の凸部の断面積が、凹部に向かって連続的に増大
する様な形状であれば(XY平面内に於ける)透明樹脂
層部分と空気部分との面積比がZ軸方向に向かって連続
的に変化する為、有効屈折率nef(z)はzに付いての
連続関数になる。
【0028】一方、屈折率n0の媒質から、屈折率n1
媒質に光が入射する場合を考える。今、簡単の為に、入
射角θ=0°(垂直入射)を考える。但し、入射角は入
射面の法線に対する角度とする。この場合、媒質界面で
の反射率Rは、偏光、及び入射角には依存せず、下記の
〔式2〕となる。
【0029】
【数2】
【0030】従って、(有効)屈折率のZ方向への変化
が連続関数であるということは、Z方向(光の進行方
向)に微小距離Δz隔てた2点、Z=zに於ける屈折率
をnef(z)=n0、Z=z+Δzに於ける屈折率nef
(z+Δz)をn1、としたときに、
【0031】Δz→0 ならば、 n1→n0
【0032】となり(連続関数の定義より)、よって、
〔式2〕より、
【0033】R→0
【0034】となる。
【0035】なお、ここで、より厳密に言うと、物体中
での光の波長は、真空中の波長をλ、物体の屈折率をn
としたときに、λ/nとなり、λよりは一般に或る程度
小となる。但し、物体が空気の場合の屈折率はn≒1の
為、λ/n≒λと考えて良い。但し、アクリル樹脂等の
透明樹脂層に使われる材料は、通常1.5前後の屈折率
である為、屈折率nbの透明樹脂層中の波長(λ/nb
は、0.7λ程度となる。この点を考慮すると、微細凹
凸2の部分に於いて、空気の側の部分(微細凹凸2の凹
部)について見れば、
【0036】PMAX≦λMIN
【0037】の条件を満たすとき、屈折率平均化による
反射率低減効果が期待出来る。但し、
【0038】λMIN/nb≦PMAX≦λMIN
【0039】である場合は、透明樹脂層の部分(微細凹
凸2の凸部)の寄与について見れば、屈折率平均化によ
る反射率低減効果は、少なくとも完全には期待出来ない
ことになる。しかし、それでも、空気部分に於ける寄与
の為、全体としては反射防止効果を有する。そして、
【0040】PMAX≦λMIN/nb
【0041】の条件までも満たす場合は、空気部分、透
明樹脂層部分とも、周期PMAXが、最短波長よりも小さ
いと言う条件が完全に満たされる為、屈折率平均化によ
る反射防止効果は、より完全となる。具体的には、λ
MINを可視光波長帯域の下限380nm、nbを仮に1.
5とすれば、λMIN/nbは250nm、つまりPMAX
250nm以下とすれば良い。
【0042】次に、転写後の透明樹脂層4の表面形状で
ある微細凹凸2の形状は、微細凹凸2をその凹凸方向と
直交する面(XY平面)で切断したと仮定したときの断
面(水平断面)内に於ける透明樹脂層の材料部分の断面
積占有率が、該微細凹凸2の最凸部(頂上)から最凹部
(谷底)に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状
とする。特に、好ましくは、最凸部に於いて完全に0に
収束し、且つ最凹部に於いて完全に1に収束する形状と
する。具体的には例えば、図5(B)、図5(C)の如
き形状が挙げられる。但し、図5(D)、或いは図5
(E)の如く、最凸部に於いては、ほぼ0に漸近した形
状、或いは、最凹部に於いてほぼ1に漸近する様な形状
であれば、或る程度の効果は得られる。微細凹凸2の形
状は、この様な条件を満たせば、どんな形状でも良い。
【0043】従って、この様な微細凹凸2を転写形成す
る為の離型性フィルム上での微細凹凸2Aの形状として
は、微細凹凸2Aをその凹凸方向と直交する面(XY平
面)で切断したと仮定したときの断面(水平断面)内に
於ける離型性フィルムの材料部分の断面積占有率が、該
微細凹凸2Aの最凹部から最凸部に行くに従って連続的
に漸次減少して行き、少なくとも最凹部でほぼ1に漸近
するか、或いは、最凸部に於いてほぼ0に漸近する様な
形状であれば、どんな形状でも良い。特に、好ましいの
は、最凸部に於いて完全に0に収束し、且つ最凹部に於
いて完全に1に収束する断面積占有率を有する形状であ
る。
【0044】この為には、離型性フィルム上での微細凹
凸2Aの形状を、賦形後の形状である微細凹凸2の形状
で捉えれば、該微細凹凸2の山は少なくともその一部の
側面が斜めの斜面を有するものとすれば良いが、下記す
る図5(C)の様に斜面と共に垂直側面がある形状の微
細凹凸2でも良い。
【0045】例えば、個々の微細凹凸2の垂直断面形状
は、図5(A)の如き正弦波等の曲線のみによる波状の
形状〔図2も参照〕、図5(B)及び図5(C)の如き
三角形等の直線のみによる形状、或いは、図5(D)の
如き三角形の最凸部が平坦面を成す形状である台形の形
状、図5(E)の如き隣接する三角形間の最凹部が平坦
面を成す形状等である。但し、図5(D)や図5(E)
の如く、最凸部或いは最凹部に平坦面を有する形状で
は、最凸部或いは最凹部の平坦面の部分で、その平坦面
の占める面積割合が大きい程、有効屈折率の変化がより
大きく不連続となる。その点で性能的には劣るものとな
る。しかし、この場合でも、微細凹凸2の最凸部から最
凹部に行くに従って有効屈折率を連続的に変化させるこ
とは出来る。従って、反射防止性能の点では、最凸部或
いは最凹部の平坦面の面積割合は少ない程好ましい。な
お、もちろんだが、これら微細凹凸2の形状は、その形
状の逆凹凸形状とした微細凹凸2Aを、離型性フィルム
の離型面の凹凸形状とすれば良い。
【0046】また、有効屈折率nef(z)を空気中から
透明樹脂層中に向かうZ方向の関数として、naからnb
に連続的に変化する様にする為には、微細凹凸2の最凸
部に於いて、透明樹脂層の断面積占有率が0に収束する
図5(B)或いは図5(C)の如き形状(すなわち、尖
った形状)で且つ最凹部に於いて該断面積占有率が連続
的に1に収束する形状が最も好ましい。
【0047】次に、賦形で形成すべき微細凹凸2につい
て、個々の微細凹凸2の水平断面形状は、円形(例えば
図2)、楕円形、三角形、四角形、長方形、六角形、其
の他多角形等任意である。なお、水平断面形状は、微細
凹凸2の最凸部から最凹部の全てにわたって同じである
必要は無い。従って、微細凹凸2の立体形状は、例え
ば、水平断面形状が円形で垂直断面形状が正三角形の場
合の微細凹凸2の立体形状は円錐に、水平断面形状が円
形で垂直断面形状が三角形の場合の微細凹凸2の立体形
状は斜円錐に、水平断面形状が三角形で垂直断面形状が
正三角形の場合の微細凹凸2の立体形状は三角錐に、水
平断面形状が四角形で垂直断面形状が三角形の場合の微
細凹凸2の立体形状は四角錐になる。
【0048】また、微細凹凸2の、水平面内に於ける配
置は、図2で例示した如く二次元的配置の他に、図6
(A)の斜視図で例示の直線溝状の微細凹凸2の如く、
一次元的配置でも良く、どちらも効果は得られる。但
し、一次元的配置の場合は、光の波の振幅方向との関係
で、反射防止効果が得られる方向と得られない方向とが
出る、異方性が発生する。従って、図2の斜視図や図6
(B)及び(C)の平面図で例示の様な二次元的配置の
方が、方向性が全く無い点で好ましい。
【0049】なお、個々の微細凹凸2の立体形状は全て
同一でも良いが、全て同一で無くても良い。また、個々
の微細凹凸2を二次元配置する場合に、周期は、個々の
微細凹凸2に於いて全て同一でも良いが、全て同一で無
くても良い。
【0050】また、微細凹凸2の高さHは、希望する反
射率の低減効果と透明樹脂層表面に入射する可視光帯域
の最大波長に応じて決定する。例えば、特開昭50−7
0040号公報(特にその第3図)記載の反射率、微細
凹凸の高さ、及び光波長との関係を基に設計する場合、
例えば、可視光帯域での反射率を、2%(未処理硝子の
半分)以下に低減させることを目標とするならば、その
最小高さHMINが0.2λMAX以上、すなわち、
【0051】HMIN≧0.2λMAX
【0052】また、可視光帯域での反射率を0.5%以
下にまで低減させることを目標とするならば、
【0053】HMIN≧0.4λMAX
【0054】とするのが好ましい。なお、ここで、λ
MAXは、可視光波長帯域の真空中に於ける最大波長であ
る。微細凹凸2の高さHは、ゼロから高くなるに従って
反射率が低下して行くが、上記不等号条件を満足させる
高さまで達すると、有為な効果が得られる様になる。具
体的には、例えば、発光スペクトルの最大波長が、λ
MAX=640nmの蛍光灯を用いたとすれば、HMIN
0.2λMAX=128nmとかなる。すなわち、HMIN
128nm以上とすれば良い。また、スペクトルの最大
波長がλMAX=780nmの太陽光線を考えるならば、
MIN≧0.2λMAX=156nm、すなわち、HMIN
156nm以上とすれば良い。また、最小高さHMIN
周期PMAXとの関係では、最小高さHMIN/周期PMAX
比を、1/2〜4/1程度とする。
【0055】ここで、転写後の形状である微細凹凸2
で、その具体的形状及び大きさを例示すれば、形状は垂
直断面が正弦波状で水平断面が円形の円錐状の形状のも
のを多数、二次元的に規則的配置した集合体であり、周
期期PMAXが50〜250nm、最小高さHMINを前記周
期PMAXの1.5倍としたもの等がある。
【0056】〔離型性フィルムとその微細凹凸2Aの形
成法〕離型性フィルム1に上述微細凹凸2Aを持たせる
方法は、特に限定は無い。但し、工業的生産性、コスト
を考慮すると、先ず、微細凹凸の原版(マザー版)を作
製し、この原版から直接或いは多段の複製工程を経て本
版(マスター版)を作成し、この本版を用いて、離型性
フィルムに所望の微細凹凸2Aを形成するのが好まし
い。
【0057】原版の作製は、微細凹凸2Aとなる凹凸形
状を最初に造形する工程であり、その作製方法として
は、半導体分野等に於ける微細加工技術を流用できる。
但し、半導体の場合は、凹凸形状はその側面が通常垂直
面で良く、本発明の如く斜面にする必要は特に無いた
め、本発明では、斜面が形成できる様にして微細加工す
る。
【0058】上記の如き微細加工技術としては、電子線
描画法を利用できる。この方法では、先ず、ガラス基板
の上にレジスト層を形成した後、電子線描画法により該
レジスト層を露光し現像してパターニングしてレジスト
パターン層とする。この後、腐蝕マスクに該レジストパ
ターン層を利用してガラス基板をドライエッチング法等
により腐蝕することで、ガラス基板に微細凹凸形状が形
成される。この際、エッチング時にサイドエッチングさ
せて、斜面を形成する。また、ガラス基板腐蝕時の腐蝕
マスクとしてはレジストパターン層自体を直接用いても
良いが、斜面を有する深い凹凸形状を形成するには、好
ましくは、ガラス基板上にクロム等による金属層を設け
た後、レジスト膜を形成してレジストパターン層を得、
前記金属層をこのレジストパターン層を利用して金属パ
ターン層としてたものを、腐蝕マスクとして用いるのが
良い。
【0059】また、レジスト膜へのパターン形成に際し
ては、電子線描画法の他に、レーザー描画法も利用でき
る。レーザ描画法では、ホログラム、回折格子等の作製
等に利用されているレーザ干渉法が利用できる。回折格
子の場合は、一次元的配置であるが、角度を変えて多重
露光すれば、二次元配置も可能となる。但し、レーザ干
渉法では、得られる微細凹凸は、通常規則的配置となる
が、電子線描画法では、予め所定の描画パターン情報を
記憶装置にデジタルデータとして記憶しておき、該描画
パターン情報により、走査する電子線のON、OFF、
乃至は強弱を変調する。その為、規則配置の他にも、不
規則配置も可能である。また、レーザー描画法及び電子
線描画法には各々長所、短所が有る為、設計諸元、目
的、生産性等を考慮の上、適宜な手法及び条件を選択す
る。
【0060】次に、上記原版(マザー版)から本版(マ
スター版)を作製する方法には、公知の方法、例えば、
マザー版にニッケル等の金属めっきを行って、めっき層
を剥がし金属マスター版を作製する(電鋳法)。或い
は、このマスター版にもう一度めっきして、再度複製し
た型をマスター版としても良い。この際、本版は、原版
から直接或いは多段複製工程を経て得られたプレート状
のニッケル電鋳版を、中空円筒状の鉄等による金属シリ
ンダー表面に貼り込んだ円筒状の版を本版とする事によ
って、連続帯状の離型性フィルムも容易に製造出来る様
になる。
【0061】そして、以上の様にして得られた本版を用
いて、離型性フィルム表面に微細凹凸2Aを持たせるこ
とができる。この様な離型性フィルムの作製方法は特に
限定は無いが、次に詳述する、円筒状の原版上(成形版
胴)で樹脂硬化する方法(以降、「成形版胴法」と呼称
する)等が量産性、形状再現性等の点で好適である他、
その他の公知の複製方法、例えば、2P法(Photo
Polymer法)、熱エンボス法等でも作製でき
る。なお、成形版胴法は、賦形型に特に円筒状の型を用
いる形式の2P法と言える方法である。また、2P法で
は、必要に応じ適宜、フォトポリマーに揮発溶剤を添加
した組成物を使用しても良い。また、熱エンボス法の場
合は、転写時は高温に加熱されない反射防止転写フィル
ムの利用方法とするか、加熱されたとしてもそれに耐え
得る耐熱性を備えた樹脂を使うと良い。
【0062】成形版胴法では、図7に示す如く、素材フ
ィルム11に微細凹凸2Aを形成して離型性フィルム1
を作製する。この為に、フォトポリマーとして液状の電
離放射線硬化性樹脂(の未硬化物)を、成形版胴(ロー
ル凹版、賦形版とも呼称される)50の少なくとも凹部
に充填させると共に該樹脂に素材フィルムを接触させ、
該樹脂が素材フィルムと成形版胴との間に保持されてい
る状態で電離放射線を照射して該樹脂を硬化させて微細
凹凸とする事で、素材フィルム11に微細凹凸2Aを賦
形する。この結果、微細凹凸2Aが素材フィルム11の
表面に形成された離型性フィルム1が作製される。但
し、図7に於いては、図示の便宜上、微細凹凸2Aの寸
法を実際よりも大幅に拡大して図示してある。なお、こ
の様な成形版胴法による凹凸形成方法は、特開昭57−
87318号公報、特公昭57−22755号公報、特
公昭63−50066号公報、特開平7−32476号
公報等に開示されるものであって、成形版胴の凹凸形状
を忠実に電離放射性硬化性樹脂の硬化物(微細凹凸)と
して素材フィルムに賦形する方法である。この方法は基
本的には、以下の工程からなる(図7参照)。
【0063】(1)表面に目的とする微細凹凸2Aの凹
凸形状と同形状且つ逆凹凸の凹凸形状(微細凹凸2と同
形状)40を形成した円筒形状の成形版胴50を用意
し、これを軸芯60の回りに回転させる。 (2)連続帯状の素材フィルム11を、該成形版胴50
の周速度と同速度で供給する。 (3)該素材フィルム11と該成形版胴50とを、その
間に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物70を介
して重ね合わせて密着させ、該液状組成物が該成形版胴
の少なくとも凹部を完全に充填する様にする。 (4)その状態のままで電離放射線照射装置80から電
離放射線81を照射して、該液状組成物を架橋、硬化さ
せる。 (5)而る後に、素材フィルム11を、それに接着し且
つ成形版胴上の凹凸形状40が賦形された電離放射線硬
化性樹脂の硬化物からなる微細凹凸2Aと共に、成形版
胴から剥離除去する。この結果、微細凹凸2Aが素材フ
ィルム11に接着した構成で離型性フィルム1が得られ
る。
【0064】以上の方法に於いて、成形版胴50として
は、公知の凹版、グラビア版、エンボス版と基本的に
は、同様の材料、同様の構造、同様の製法によるものを
用いれば良い。成形版胴の材料としては、通常は鉄、銅
等の金属が用いられる。但し、成形版胴内部から紫外線
或いは可視光線を照射する場合には、硝子、石英等の透
明な材料を用いる。成形版胴の軸芯の回りの回転駆動
は、通常の輸転式グラビア印刷機、輪転式エンボス機等
と同様な機構、方法を用いれば良い。素材フィルムの成
形版胴への密着の為には、ゴム、金属等の圧着ローラ9
0で圧着する。又素材フィルムの成形版胴からの剥離に
もゴム、金属等の剥離ローラ100で押さえて剥離す
る。素材フィルムは連続帯状のものを用いる。此の様な
素材フィルムは巻出ロール(供給ロール)から巻き出し
て、微細凹凸2Aの形成後は巻取りロール(排紙ロー
ル)で巻き取る。
【0065】素材フィルムと成形版胴とを、その間に電
離放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物を介して重ね合
わせて密着させる態様としては、次の(1)〜(3)が
ある。 (1)先ず素材フィルム上に液状組成物を塗布し、次い
で該塗布面が成形版胴表面に向くようにして、該素材フ
ィルムを該成形版胴に重ね合わせる。 (2)図7の如く先ず成形版胴50上に液状組成物70
をTダイ等の塗液供給装置200を用いて塗布し、次い
で該成形版胴上の塗布面に素材フィルム11を重ね合わ
せる。 (3)先ず成形版胴上と素材フィルム上との各々に液状
組成物を塗布し、次いで該素材フィルムと該成形版胴と
を各々の塗布面が対向する様にして重ね合わせる。
【0066】成形版胴と素材フィルム間にある未硬化液
状組成物への電離放射線の照射の態様としては、次の
(A)と(B)がある。 (A)図7の如く電離放射線に対して透明な素材フィル
ムを選び(例えば紫外線に対してポリエチレンテレフタ
レートフィルムを選択)、素材フィルム側から照射す
る。 (B)電離放射線に対して透明な成形版胴を選び(例え
ば、紫外線に対して石英の成形版胴を選択)、成形版胴
の内部から照射する。
【0067】素材フィルム11の材料は、電離放射線の
照射が上記(A)の態様が可能である樹脂シートが代表
的である。すなわち、素材フィルムの材料としては、 (イ)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)等の熱可塑性樹脂ポリエステル樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、
オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリオレフ
ィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスル
ホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)等の樹脂シート、 (ロ)薄葉紙、上質紙、コート紙等の紙、 (ハ)アルミニウム、鉄、銅等の金属箔 等がある。なお、上記(ロ)及び(ハ)は、透明な成形版
胴内からの紫外線照射、又は電子線等の高透過性放射線
の場合のみ可能である。また、素材フィルムの厚さは通
常20〜200μm程度のものを用いる。また、素材フ
ィルムとしては、反射防止転写フィルムの転写時は、ロ
ーラ転写法、ホットスタンプ法、射出成形同時転写法等
と、通常は熱が加わることが多いので、この様な場合を
想定すると、伸縮したり凹凸形状が変形しない様に耐熱
性を有するものが好ましい。耐熱性に優れたものとして
は、上記に列記の材料のうち、例えば、樹脂材料として
はPET、PEN、PES、PEEK等があり、また、
金属等も優れているが、素材フィルム側から電離放射線
照射が可能である等、樹脂の方が使い易い点で好まし
い。
【0068】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等の重合性不飽和結合、又は、エポキシ基等のカチオ
ン重合性官能基を有するプレポリマー、モノマー、又は
ポリマーを、1種のみ又は2種以上適宜混合した組成物
を用いる。或いは、ポリエンとポリチオールとの組み合
わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーからな
る組成物も用いることができる。組成物は、未硬化時に
液状のものを用いる。
【0069】前記分子中に重合性不飽和結合を有するプ
レポリマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価ア
ルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等
の(メタ)アクリレート類がある〔尚、本明細書では
(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリ
レートの意味で用いる。以下同様〕。前記分子中に重合
性不飽和結合を有するモノマーの例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ブトキシエチル等の単官能(メタ)アク
リル酸エステル類、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸−2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル
酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)
アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル
等の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、(メ
タ)アクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド等があ
る。
【0070】また、分子中にカチオン重合性官能基を有
するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹
脂等、脂肪環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族
系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン
系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニ
ルエーテル系樹脂、環状エーテル系樹脂、スピロ系化合
物等のプレポリマー等がある。
【0071】また、ポリエン/チオール系のプレポリマ
ーとしては、分子中に2個以上のメルカプト基を有する
ポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチ
オプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コール等がある。一方、ポリエンとしては、ジオールと
ジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルア
ルコールを付加したもの等がある。
【0072】電離放射線硬化性樹脂としては、以上の化
合物を必要に応じ1種もしくは2種以上混合して用いる
が、樹脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前
記プレポリマー又はオリゴマーを5質量%以上、前記モ
ノマー及び/又はポリチオールを95質量%以下とする
ことが好ましい。また、硬化物の可撓性、表面硬度、剥
離性等の物性を調節する為に前記電離放射線硬化性樹脂
に対して、以下の様な電離放射線非硬化性樹脂を1〜7
0質量%程度混合して用いることができる。電離放射線
非硬化性樹脂としてはウレタン系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹
脂を用いることができる。
【0073】また、離型性を向上させる為は、電離放射
線非硬化性樹脂としてシリコーン樹脂、ポリオレフィン
樹脂等の樹脂の他に、ワックス等を用いても良い。これ
らは1種又は2種以上を用いて離型性を調整する。
【0074】なお、紫外線で硬化させる場合には前記電
離放射線硬化性樹脂に光重合開始剤を添加する。分子中
にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物に対して
は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン
類等がある。分子中にカチオン重合性官能基を有する化
合物に対しては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホ
ニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、
ベンゾインスルホン酸エステル、ジアリルヨードシル塩
等がある。又、必要に応じて更に、光増感剤としてn−
ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホ
スフィン等を混合して用いることもできる。
【0075】以上の電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状
組成物を成形版胴、或いは素材フィルムに塗工するには
公知の各種方法、例えば、ロールコート、カーテンフロ
ーコート、Tダイコート(図7)等の方法を用る。特に
成形版胴への塗工の場合はインキパン中の液状組成物
に、回転する成形版胴を浸漬させる(所謂ドブ浸け)も
可能である。
【0076】尚、ここで電離放射線としては、電磁波又
は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー
を有するものを意味し、紫外線、可視光線、X線、電子
線、α線等があるが、通常紫外線、又は電子線が用いら
れる。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライトラン
プ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。電子
線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラ
フト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直
線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速
器を用い、100〜1000keV、好ましくは、10
0〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するも
のが使用される。
【0077】以上の様な成形版胴法で作製された離型性
フィルム1は、図8に例示の如く、素材フィルム11上
に、表面に微細凹凸2Aを有する賦形層12を電離放射
線硬化性樹脂の硬化物として積層した構成の2層構成と
なる。なお、賦形層12は微細凹凸2Aの個々の凹凸が
分離独立しその凹部にて素材フィルム11が露出したも
のでも、個々の凹凸が連続したもの(図8はこの様に描
いてある)でもどちらでも良い。この様に、離型性フィ
ルム1は単層以外に多層構成でも良い。なお、単層構成
の離型性フィルムの例としては、熱可塑性樹脂フィルム
に熱エンボス法で微細凹凸2Aを形成して得られるもの
等がある〔図1(A)参照〕。
【0078】なお、上述成形版胴法は、離型性フィルム
を、連続帯状の素材フィルム11上に賦形層12を電離
放射線硬化性樹脂の硬化物として形成して作製できる方
法であるが、素材フィルム11上に、表面に微細凹凸2
Aを有する賦形層12を設けた構成の離型性フィルム1
としては、この他の方法で作製したものでも良い。例え
ば、電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂、つまり、フォト
ポリマー以外の樹脂を用いて作製したものでも良い。例
えば、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂、或いは、賦形時の熱に耐えうる様な耐熱
性を有する熱可塑性樹脂等を賦形層として使用したもの
でも良い。この際、素材フィルムは、上記成形版胴法で
列記したもの等が使用できる。但し、賦形層12には、
電離放射線硬化性樹脂を用いるのが、耐熱性も容易に得
られる上、硬化が瞬間的に短時間で終了するので、成形
版胴等と円筒状の成形型の採用により連続的に樹脂硬化
できるので生産性に優れ、また、形状再現性が良い点で
も好ましい。
【0079】なお、離型性フィルムの離型面Eの離型性
向上が必要な場合には、賦形層12、或いは離型性フィ
ルム1とする樹脂中には、シリコーン樹脂、ワックス等
の公知の離型剤を添加しても良い。また、離型性フィル
ムは、透明でも不透明でも良い。
【0080】〔透明樹脂層〕透明樹脂層4は、転写後の
転写層3の最表面を構成し、離型性フィルム1が有する
微細凹凸2Aに対応した逆凹凸形状の微細凹凸2を、透
明樹脂層が転写された基材上に付与する事で、該基材に
微細凹凸2を賦形する層となる。透明樹脂層4の樹脂と
しては、透明な樹脂であると共に、上記離型性フィルム
の微細凹凸2A表面から剥離(離型)可能なものを選
ぶ。また好ましくは、微細凹凸2の形状維持の点から表
面強度を有するものが良い。
【0081】従って、透明樹脂層に用いる透明樹脂とし
ては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、紫外線や
電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が挙げられ
る。なお、上記電離放射線硬化性樹脂としては、前述
「成形版胴法」で列記した如き電離放射線硬化性樹脂が
使用できる。
【0082】なお、熱可塑性樹脂、或いは反射防止転写
フィルムの基材への少なくとも積層時は熱可塑性を呈す
る樹脂(前記硬化性樹脂でも完全硬化前として使用の場
合等)では、上記積層時の加熱で熱接着性を発現させ
て、透明接着剤層無しで、透明樹脂層を直接に基材に接
着し積層して、転写させることもできる。しかし、使用
する樹脂の熱接着性が期待できない場合は、透明接着剤
層を更に設ければ良い。或いは、基材自体が接着性を発
現する場合(例えば、基材の成形と同時に転写する射出
成形同時転写法による場合等)、基材側に接着剤を施す
場合等では、透明樹脂層を直接基材に転写する事もでき
る。
【0083】また、上記電離放射線硬化性樹脂として
は、転写までは未硬化或いは不完全硬化状態として、転
写後に電離放射線照射で完全硬化させる様な樹脂でも良
い。この際、未硬化又は不完全硬化状態で粘着性がある
と、転写フィルムが取り扱い難いので、常温で非粘着固
体の樹脂を使うと良い。なお、常温とは、転写フィルム
の離型性フィルムの剥離作業を行う雰囲気温度を意味す
る。具体的値は、気候や作業環境によって異るが、通常
は10〜40℃の範囲、より一般的には15〜25℃の
範囲である。この様な樹脂を使用するすれば、転写後は
加熱により熱接着性を発現させて、透明接着剤層無しで
透明樹脂層を直接に基材に接着させて転写させ、転写後
は完全硬化させて、表面強度が強い透明樹脂層とでき
る。
【0084】上記の如き常温で非粘着固体の電離放射線
硬化性樹脂としては、例えば、次の(I)や(II)の
電離放射線硬化性樹脂を使用できる。
【0085】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1)又は(2)の2種類の樹脂。 (1)ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の(1-1)〜(1-8)を重合、もしくは共重合させたものに対
し、後述する方法(a)〜(d)によりラジカル重合性不飽和
基を導入したものを用いることができる。なお、以下に
おいて、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート
又はメタクリレートの意味で用いる。 (1-1)水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レートなど。 (1-2)カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシ
ネートなど。 (1-3)エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メ
タ)アクリレートなど。 (1-4)アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジ
ニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプ
ロピオン酸アリルなど。 (1-5)アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルア
ミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートなど。 (1-6)スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 (1-7)イソシアネート基を有するモノマー;2,4−ト
ルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの1モル対1モルの付加物などのジイ
ソシアネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマ
ーとの付加物など。 (1-8)上記(1-1)〜(1-7)のモノマーと共重合可能で上記
(1-1)〜(1-7)以外のモノマー;このモノマーは得られる
共重合体のガラス転移温度や物性を調節する共重合成分
として使用する。例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ter
t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど。
【0086】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a)〜(d)により反応さ
せてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a)水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述した(1-2)の(メタ)アクリル酸などのカ
ルボキシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b)カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述(1-1)の水酸基を
有するモノマーを縮合反応させる。 (c)エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述(1-1)の水酸基を有するモノマーもしくは前述
(1-2)のカルボキシル基を有するモノマーを付加反応さ
せる。 (d)水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述(1-3)のエポキシ
基を有するモノマーあるいは前述(1-4)のアジリジニル
を有するモノマーあるいは前述(1-7)のジイソシアネー
ト化合物と水酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの
1モル対1モルの付加物等のイソシアネート基を有する
モノマーを、付加反応させる。なお、上記反応を行うに
は、微量のハイドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾
燥空気を送りながら行うことが望ましい。
【0087】(2)融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、トリ
アジン(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、トリアクリルイソシアヌレート、シクロヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、スピログリコー
ルジアクリレート、スピログリコール(メタ)アクリレ
ートなどである。
【0088】また、上記(1)及び(2)を混合して用いるこ
ともできる。更に、上記(1)又は(2)、又は(1)及び(2)の
混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重合性モ
ノマーを加えることもできる。このラジカル重合性モノ
マーは、電離放射線照射による架橋密度を上げて表面強
度を向上させる。該モノマーとしては、例えば、前述の
(1-1)〜(1-8)のモノマーの他に、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)ア
クリレート、ポレエチレングリコールジグリシジルエー
テルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテト
ラ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。配
合量は、前記(1)又は(2)の単独又は混合物の樹脂100
質量部に対して、0.1〜100質量部で用いることが
好ましい。また、後述(ロ)の非架橋型樹脂を加えること
もできる。
【0089】(II)常温で液状の電離放射線硬化性樹
脂に、常温で熱可塑性固体である非架橋型樹脂を混合し
て得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ)常温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シ
リコーン(メタ)アクリレートなどである。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モ
ノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレートなどがある。また、多官能モノマ
ーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどがある。カチオン重合性官能基を有するプ
レポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、
脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等の
ビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
【0090】(ロ)非架橋型樹脂は、電離放射線による架
橋硬化反応に寄与しない常温固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、或いは、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹脂で
ある。例えば、アクリル樹脂は、そのモノマーとして、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロ
ピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アク
リル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)アクリル酸
−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、
(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸−2−クロルエチ
ル、(メタ)アクリル酸−3−クロルプロピル等の(メ
タ)アクリル酸ハロゲン化アルキル、(メタ)アクルル
酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシプロピル等の水酸基を持つ(メタ)アクリル
酸エステル、α−クロル(メタ)アクリル酸メチル、α
−クロル(メタ)アクリル酸エチルなどのハロゲン化
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクルル酸−1
−クロル−2−ヒドロキシエチルなどの水酸基を持つα
−アルキル(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)
アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマー
の1種又は2種以上からなる単独重合体又は共重合体で
ある。また、これらのアクリル樹脂は、平均分子量が5
0,000〜600,000、ガラス転移温度が50〜
130℃のものを用いることが好ましい。平均分子量及
びガラス転移温度が、共にこれら数値範囲にあると、常
温で液状の電離放射線硬化性樹脂の常温での流動性を消
失させる効果、及び反射防止転写フィルム上に於ける透
明樹脂層の可撓性を兼ね備えることが出来、好適であ
る。
【0091】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記(I)又は(II)の電離放射線硬化性
樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。光重合開始剤
は、前述、離型性フィルムの成形版胴法による作製法で
述べた如き化合物を用いることができる。また、電離放
射線としては、通常、紫外線又は電子線であるが、この
他、可視光線、X線、イオン線等を用いる事も可能であ
る。
【0092】なお、上述の如き透明樹脂による透明樹脂
層を、離型性フィルムの離型面に形成するには、従来公
知のグラビアロールコート等による塗工法によれば良
い。また、透明樹脂層の厚みは通常1〜10μm程度で
ある。
【0093】また、前記常温非粘着固体の電離放射線硬
化性樹脂、或いは熱硬化性樹脂を、反射防止転写フィル
ム上に於いて不完全硬化状態で用いる場合には、その完
全硬化の時期は、反射防止転写フィルムが基材表面に積
層され透明樹脂層を含む転写層が基材と接着した後であ
れば、離型性フィルムの剥離除去前でも後でもよい。剥
離除去前であれば、透明樹脂層は強固な層となっている
ので、剥離除去時に透明樹脂層が凝集破壊することもな
く、また転写工程と同時にできる点で好ましい。剥離除
去前に透明樹脂層を完全硬化させるには、透明樹脂層が
電離放射線硬化性樹脂ならば電離放射線照射で速やかに
行える。また、透明樹脂層が熱硬化性樹脂の場合でも、
転写後の加熱で完全とまでは行かないまでも、硬化を進
めておくことができ、離型性フィルムの剥離除去後の加
熱も少なくできる。この様に、透明樹脂層に硬化性樹脂
をしようする場合に、転写フィルム上では完全硬化前と
した構成とすれば、転写後の透明樹脂層の表面強度を向
上する為に該層を硬質としても、転写フィルムの可撓性
が損なわれず、表面強度と転写フィルム可撓性とを両立
できる。
【0094】なお、当然ではあるが、透明樹脂層は、そ
れを転写させる基材との屈折率差が極力小さくするのが
好ましい。本発明では透明樹脂層の表面に本発明特有の
微細凹凸2が付与されるので、透明樹脂層の表面での光
反射は低減できるが、透明樹脂層と基材との界面(透明
接着剤層が介在する場合は、これらの層の界面となる)
での光反射は、該界面に接する2層間の屈折率差が大き
い程、大きいからである。従って、透明樹脂層は、或い
は更に透明接着剤層も、その屈折率は、基材の屈折率と
同値或いは近い値とするのが好ましい。もっとも、密な
物質である透明樹脂層と、空気との屈折率差(約1.5
程度)に比べると、互いに密な物質である透明樹脂層及
び透明接着剤層と、基材との屈折率差は、0コンマ以下
とオーダー的に小さい。従って、屈折率差を意識しなく
ても、元々の光反射はオーダー的に小さい。
【0095】〔透明接着剤層〕透明接着剤層5は、透明
樹脂層4と基材6とが直接には接着し難い場合、或いは
接着はするが透明樹脂層4の表面強度が弱い場合等に、
設けるのが好ましい。透明接着剤層に用いる接着剤とし
ては、透明で透明樹脂層と基材とに接着性を有するもの
であれば特に制限はない。通常、接着性は加熱発現する
熱接着による為、接着剤としては代表的には熱可塑性樹
脂を用いる。但し、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹
脂等でも、反射防止転写フィルム上では、完全硬化前の
熱可塑性を呈する状態としておけば、熱接着も可能であ
る。従って、この様な熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性
樹脂も使用できる。なお、基材との屈折率差を極力小さ
くするのが好ましい事は、前記した如くである。
【0096】上記の如き透明接着剤層に用いる接着剤と
して、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂、或いは、紫外線や電子線で硬化する
電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。なお、上記電離
放射線硬化性樹脂としては、上述透明樹脂層で述べた如
き電離放射線硬化性樹脂が使用できる。
【0097】なお、透明接着剤層を、透明樹脂層上に更
に形成するには、従来公知のグラビアロールコート等に
よる塗工法によれば良い。また、透明接着剤層の厚みは
通常1〜10μm程度である。
【0098】〔反射防止転写フィルムの形態など〕とこ
ろで、本発明の反射防止転写フィルムは、枚葉のシート
状でも良いが、連続帯状とすれば、反射防止転写フィル
ムを容易に連続使用できるので、生産性の点で好まし
い。連続帯状の反射防止転写フィルムに必要な連続帯状
の離型性フィルムは、前述した成形版胴法によって容易
に作製できる。
【0099】〔反射防止加工方法〕また、本発明の反射
防止転写フィルムを用いて、物品に反射防止加工する際
の転写方法としては、特に限定は無く、用途に応じた従
来公知の各種転写方法を採用すれば良い。例えば、
(1)ローラ圧で加圧するローラ転写法、(2)平板状
に加圧するホットスタンプ法、(3)射出圧で加圧する
射出成形同時転写法等を採用すれば良い。(3)の転写
方法は、特開平6−315950号公報、特公平2−4
2080号公報等に開示される如く基材成形と同時に転
写が出来る反射防止加工方法であるが、複雑形状の反射
防止物品を得られる点で好適であり、また、基材成形と
転写とが1工程で出来る為に生産性が良い点でも好適で
ある。一方、(1)と(2)の転写方法は、既に形状を
成す基材に対して行う方法であり、(3)が基材の材料
が樹脂に限定されるのに対して、ガラス等の射出成形に
は向かない材料も可能な転写方法である。なお、転写は
通常、圧以外に更に熱も加えて行う。
【0100】図9は、これらの転写方法を適宜採用した
反射防止加工方法を概念的に示す概念図である。先ず、
図9(A)は、前述本発明の反射防止転写フィルム10
であり、離型面に本発明特有の微細凹凸2Aを有する離
型性フィルム1上に、該離型性フィルムに接する透明樹
脂層を少なくとも有する転写層3が積層された構成であ
る。そして、図9(B)の如く、反射防止転写フィルム
10を基材6に積層し接着後、図9(C)の如く、反射
防止転写フィルムの離型性フィルム1を剥離すれば、基
材6上には転写層3のみが積層された状態となり転写が
完了する。その結果、基材6が転写層3による微細凹凸
2で賦形された、反射防止物品20が得られる。
【0101】なお、基材6の材料としては、特に限定は
無いが、通常、透明性及び機械的強度を有するものが使
用される。例えば、基材6としては、熱可塑性樹脂が代
表的であり、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、
ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メ
チル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル
樹脂〔但し、(メタ)アクリルとはアクリル、或いはメ
タクリルを意味する。〕、ポリカーボネート樹脂、ポリ
プロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高
分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等があるが、例え
ば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオノア」、JS
R株式会社製の「アートン」等がある)等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン
共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、
セルロース系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリウレタン等が挙げられる。特に転写方
法が射出成形同時転写法による場合には、熱可塑性樹脂
が使用される。また、転写方法がローラ転写法やホット
スタンプ法等の既に形状を成した基材に対して行う方法
による場合には、ガラス等でも良い。
【0102】なお、転写方法に射出成形同時転写法を採
用する場合について更に説明すれば、次の様になる。射
出成形同時転写法による場合は、上述した如き反射防止
転写フィルムを、その転写層側が基材となる樹脂と接す
る向きにして一対の射出成形型(雌雄両型)内に配置
し、両射出成形型を係合して型締めし、流動状態の樹脂
を両型間に形成されるキャビティ内に射出し充填し、射
出樹脂を転写層と接触させた後、該樹脂を固化させ、而
る後、両型を型開きし、離型性フィルムを固化した樹脂
から剥離することで、固化した該樹脂からなる基材面
に、微細凹凸2Aとは逆凹凸形状の微細凹凸2を有する
転写層のみを基材上に転写形成して反射防止物品を得
る。この様にして、該微細凹凸2による反射防止機能が
基材の成形と同時に付与される。この転写方法によれ
ば、反射防止物品が生産性良く得られる。
【0103】射出成形同時転写法は、反射防止転写フィ
ルムを枚葉では無く特に連続帯状として使用すること
で、射出成形型内に、射出成形の1ショット毎に新しい
反射防止転写フィルムを連続的に供給し、また排出(離
型後の離型性フィルムとして)する事が、容易に出来る
様になる。この様な、連続帯状フィルムの射出成形型へ
の供給・排出方法については、樹脂成形品の加飾技術分
野にて、例えば、前記特開平6−315950号公報等
に開示された技術を利用できる。
【0104】なお、反射防止転写フィルムによる反射防
止加工では、図9(C)で示す離型性フィルム1の剥離
は、図9(B)の如く反射防止転写フィルム10を基材
6に積層した後に直ちに剥離せずに、該離型性フィルム
を保護フィルムとして残しておいても良い。残しておい
た離型性フィルムは、転写形成された転写層の完全硬化
後、反射防止物品の使用直前等の適宜なときに、剥離す
る。
【0105】〔反射防止物品〕本発明を利用して得られ
る反射防止物品20は、図1(C)の断面図で例示した
如く、少なくとも、基材6上に、本発明特有の微細凹凸
2を有する転写層3が積層される事で該微細凹凸2が賦
形されたものであるが、基材6は、用途により適宜前述
の如き各種材料が使用され得る。また、反射防止物品2
0の形状は、フィルム(或いはシート)、板、三次元形
状等、これも用途により各種形状のものとなり得る。ま
た、基材6は、用途に応じて、多層構造や、その他構成
要素を有する構造等、用途に応じた物となる。
【0106】〔本発明の用途〕本発明によって得られる
反射防止物品は、形状は、フィルム(或いはシート)、
板、三次元形状等任意であり、用途も特に限定れるもの
では無い。但し、転写される微細凹凸2は、極めて微細
であるが故に汚れや傷に対して保護する意味で、微細凹
凸は外面には露出させず、内面に設けられる用途、或い
は、装置内部に設けられる用途等が好適である。なお、
本発明が適用し得る用途は、これから例示される用途に
限定されるものではない。
【0107】例えば、携帯電話等の各種機器に於ける表
示部の窓材である。これら表示部では、LCD等の表示
パネルの前面に、板や成形品等となった樹脂製の窓材が
配置される。窓材としての反射防止物品は、外側は露出
する為に傷や汚れへの耐性の点で本発明特有の微細凹凸
は設けず、内側の裏面に側に該微細凹凸を設けたものと
すると良い。なお、表示部は、LCD等の表示パネル以
外に、時計に代表される機械式アナログメータ等の様な
機械的手段で表示するものでもよく、これらの窓材でも
良い。なお、窓材は、平板状もあるが、組み付けやデザ
イン上の観点から周囲に突起等有するものもあり、この
様な複雑形状のものは、転写法には射出成形同時転写法
で基材成形と同時に反射防止加工できる。
【0108】なお、上記の様な窓付き表示部を有する機
器としては、携帯電話、時計の外にも、パソコン、電子
手帳等のPDA乃至は携帯情報端末、電卓、或いは、C
Dプレーヤー、DVDプレーヤ、MDプレーヤ、半導体
メモリ方式音楽プレーヤ等の各種携帯型音楽プレーヤ、
或いは、ビデオテープレコーダ、ICレコーダ、ビデオ
カメラ、デシタルカメラ、ラベルプリンタ等の電子機
器、或いは、電気炊飯器、電子ポット、洗濯機等の電気
製品等がある。
【0109】また、フィルム(或いはシート)や板状の
反射防止物品に於いては、透明タッチパネル等に使用す
る、透明電極フィルムや透明板等の透明基材が挙げられ
る。透明タッチパネルは、表示部に入力機能を付加する
ものであるが、該製品組立上、LCD、CRT等の表示
パネルと別部品として組み付けるので、表示パネルと透
明タッチパネル間に空隙が残り、光反射が生じる。そこ
で、透明タッチパネルの裏面側を成す透明基材を、その
裏面を本発明特有の微細凹凸を設けた反射防止物品とす
れば、光反射が防げる。
【0110】なお、透明タッチパネルは、例えば、電子
手帳等のPDA乃至は携帯情報端末(機器)、或いは、
カーナビゲーションシステム、POS(販売時点情報管
理)端末、携帯型オーダー入力端末、ATM(現金自動
預金支払兼用機)、ファクシミリ、固定電話端末、携帯
電話機、デシタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、パ
ソコン用ディスプレイ、テレビジョン受像機、テレビ用
モニターディスプレイ、券売機、計測機器、電卓、電子
楽器等の電子機器、複写機、ECR(金銭登録機)等の
事務器、或いは、洗濯機、電子レンジ等の電気製品に使
用される。
【0111】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0112】〔実施例1〕厚さ3mmのガラス基板上に
スピンコート法により感光性樹脂(SipleyC
o., Inc.製、商品名「Microposit
S1805」)の厚さ600nmのレジスト層を形成
し、レーザ干渉露光装置により、アルゴンイオンレーザ
ーを50°の入射角度で2方向から露光する操作を、ガ
ラス基板の90度回転させて2回行った。次いで、現像
液で現像してレジストパターン層を形成した。
【0113】次に、ドライエッチング法によりガラス基
板の腐蝕を行って、所望の微細凹凸形状が形成されたガ
ラス基板からなる原版(マザー版)を作製した。このマ
ザー版に、電気めっき法によって、厚さ80μmのニッ
ケルめっきプレートを作製した。そして、マザー版から
剥離したニッケルめっきプレートを、鉄製の中空円筒状
の版胴(シリンダー)の表面に巻き付けて貼り込んで、
成形版胴とする円筒状の本版(マスター版)を作製し
た。
【0114】そして、図7の如き装置で、上記本版を成
形版胴50として用い、素材フィルム11には連続帯状
で厚さ38μmの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを用い、賦形層12とする電離放射線硬
化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系プレポリマ
ー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び
ベンゾフェノン系光重合開始剤を含む組成物を用いて、
離型性フィルム1を作製した。電離放射線硬化性樹脂の
組成物は、成形版胴と素材フィルム間に存在するうちに
紫外線照射で硬化させた後、素材フィルムと共に成形版
胴から剥離した。その結果、図8の断面の如く、微細凹
凸2Aを表面に有する賦形層12が素材フィルム11に
積層された構成の、連続帯状の離型性フィルム1が得ら
れた。
【0115】次に、上記で得た離型性フィルム1の微細
凹凸2Aを有する離型面Eに、転写層3として、透明樹
脂層4と透明接着剤層5を、グラビアコート法にて各々
厚さ4μmとなる様に塗工形成して、図1(B)の如き
構成の反射防止転写フィルム10を得た。なお、透明樹
脂層4にはアクリル樹脂を使用し、透明接着剤層5には
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との1
対1質量比の混合樹脂を使用した。
【0116】次に、上記反射防止転写フィルムを用いた
反射防止加工方法として、ローラ転写法を採用して、厚
さ1.5mmの透明アクリル樹脂板からなる基材に対し
て転写し、図1(C)の如き構成の反射防止加工物品2
0を作製した。なお、転写は、鉄芯表面をシリコーンゴ
ムで被覆したゴムローラを転写ローラとして用い、ロー
ラ表面温度180℃、圧力0.1Pa(約1kgf/c
2)の条件で行った。反射防止加工物品20の表面に
は、転写層3(透明樹脂層)による所望の微細凹凸2が
賦形されていた。
【0117】そして、上記反射防止物品の微細凹凸2
は、原子間力顕微鏡での観察により、高さHMINが20
0nm、周期PMAXが300nmの、図2の如き形状が
多数縦横に正方格子状に規則的に配列された微細凹凸で
あった。
【0118】更に、上記反射防止物品について、光の透
過率と反射率を測定した。その結果、透過率は95%、
反射率は0.3%であった。なお、微細凹凸を設けなか
った反射防止加工が未加工の単なる透明板では、透過率
91%、反射率4%であり、反射防止効果が認められ
た。また、反射防止された光は拡散せず、その分、透過
率が向上している事も認められた。
【0119】〔実施例2〕実施例1に於いて、転写層3
中の透明樹脂層4を常温非粘着固体の電離放射線硬化性
樹脂の未硬化物で形成した他は、実施例1と同様にして
図1(B)の如き構成の反射防止転写フィルム10を作
製した。上記電離放射線硬化性樹脂としては、トリアジ
ンアクリレート系プレポリマー(ガラス転移温度Tg1
00℃)にベンゾフェノン系光重合開始剤を1質量%添
加して溶剤で溶液化した液状組成物を用いた。そしてこ
の液状組成物をグラビアロールコート法にて離型性フィ
ルムに塗工し指触乾燥状態となる程度に乾燥し、厚さ4
μmの透明樹脂層4とした。
【0120】そして、上記反射防止転写フィルム10を
用いて、反射防止加工方法として、その転写に今度は射
出成形同時転写法を採用して、基材成形と同時に反射防
止加工を行い、図1(C)の如き構成の反射防止物品2
0を作製した。
【0121】射出成形同時転写では、連続帯状の反射防
止転写フィルム10は、その転写層側を固定盤側(射出
ノズル側)を向けて、射出成形機の可動盤上方に設置し
た送出ロールから1ショット分づつ巻き出して、型開き
状態の射出成形型間を通して、前記可動盤下方に設置し
た巻取ロールで巻き取る様にした。そして、該反射防止
転写フィルムを雌雄両成形型間に挟んで型締めして、射
出成形型内に加熱溶融で流動状態となった透明アクリル
樹脂を射出した。なお、射出条件は、樹脂温度260
℃、型温度95℃、射出圧力150MPa、射出時間
0.75s、保圧時間2sとした。そして、樹脂が冷却
して固化後、射出成形型を型開きし離型性フィルムを剥
離して反射防止物品となる成形品を取り出した。
【0122】次に、転写層側から高圧水銀灯で紫外線照
射して、未硬化の透明樹脂層を完全に架橋硬化させて、
目的とする反射防止物品20を得た〔図1(C)参
照〕。該反射防止物品10は、厚みが1.5mmの透明
板形状で、その裏側とする片面に、所望の微細凹凸2が
転写層3の転写形成により賦形された物品である。
【0123】また、上記反射防止物品の微細凹凸2は、
原子間力顕微鏡での観察により、高さHMINが200n
m、周期PMAXが300nmの、図2の如き形状が多数
縦横に正方格子状に規則的に配列された微細凹凸であっ
た。
【0124】そして、上記反射防止物品について、光の
透過率と反射率を測定した。その結果、透過率は95
%、反射率は0.3%であった。なお、微細凹凸を設け
なかった反射防止加工が未加工の単なる透明板では、透
過率91%、反射率4%であり、反射防止効果が認めら
れた。また、反射防止された光は拡散せず、その分、透
過率が向上している事も認められた。
【0125】
【発明の効果】(1)本発明の反射防止転写フィルムに
よれば、基材表面に転写層を転写する事で微細凹凸を賦
形して、反射防止機能を付与した反射防止物品が得られ
る。しかも、その反射防止機能は、表示の視認性を向上
させると共に、表示光の光の利用効率も上げられる。ま
た、基材への微細凹凸の賦形は、離型性フィルムがいわ
ば内在的賦形型となっている転写フィルムからの転写に
よる為に、既に内在的に賦形済みの転写層の転写移行と
いう形式で行える。この為、微細凹凸を忠実に賦形する
に当たって、特別に圧力、温度、時間等の賦形条件を設
定し、また、管理する必要は無い。加えて、反射防止転
写フィルムに於いて転写層に内在された状態での微細凹
凸は、転写時までは離型性フィルムによって保護されて
いる為に、該微細凹凸が傷付く事も無い。従って、例え
ば、賦形面が露出している入れ子等のブロック状、板状
の賦形型を使って物品を賦形する場合で起こり得る、賦
形面の傷付による賦形型の取り替えや、作り変え等の面
倒な作業は生じない。また、物品の一品毎に新しい転写
フィルムを使う「使い捨て(切り)」の使用となるが、
廉価なフィルム形態である上、連続帯状で使用する事も
できる為、使い回しも良く物品一品毎の供給も容易であ
る。従って、反射防止加工を生産性(量産性)良く低コ
ストで実施できる。
【0126】(2)更に、転写層として透明樹脂層上に
透明接着剤層を有する構成の転写フィルムとすれば、転
写層としての透明樹脂層の材料が、基材に接着させ難い
場合でも、透明接着剤層によって容易に接着させて転写
できる。また、転写後の透明樹脂層表面の微細凹凸の形
状維持という点で、透明樹脂層は表面強度が強い事が好
ましいが、その表面強度と接着性(転写性)とを、透明
樹脂層の一層で賄う必要が無くなり、透明接着剤層側で
接着性を確保する事で、透明樹脂層はもっぱら表面強度
に重点を置いた材料選定が可能となる。従って、表面強
度と共に接着性(転写性)も良好にする事が容易とな
る。
【0127】(3)本発明の反射防止加工方法によれ
ば、基材の表面に、所望の反射防止機能が付与された反
射防止物品が容易に得られる。しかも、その反射防止機
能は、表示の視認性を向上させると共に、表示光の光の
利用効率も上げられる。また、賦形型として、離型性フ
ィルムを内在的賦形型とする転写フィルムを使用するの
で、上記反射防止転写フィルムによる効果で述べた如
く、反射防止加工を生産性(量産性)良く低コストで実
施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止転写フィルムの2形態と、そ
れを利用して得られる反射防止物品の一例を示す断面
図。
【図2】転写形成された微細凹凸2で得られる有効屈折
率の分布を概念的に説明する為の図(その1)。
【図3】転写形成された微細凹凸2で得られる有効屈折
率の分布を概念的に説明する為の図(その2)。
【図4】転写形成された微細凹凸2で得られる有効屈折
率の分布を概念的に説明する為の図(その3)。
【図5】転写形成された微細凹凸2の(垂直)断面形状
の幾つかを例示する断面図。
【図6】転写形成された微細凹凸2の水平面内での配置
の幾つかを例示する断面図。
【図7】離型性フィルム上の微細凹凸2Aの成形版胴法
による作製方法を概念的に示す説明図。
【図8】離型性フィルムの別の一例(多層構成)を例示
する断面図。
【図9】本発明の反射防止加工方法を概念的に示す説明
図。
【符号の説明】
1 離型性フィルム 2A (離型性フィルム上の)微細凹凸 2 (転写形成後の)微細凹凸 2t (微細凹凸2の)最凸部 3 転写層 4 透明樹脂層 5 透明接着剤層 6 基材 10 反射防止転写フィルム 11 素材フィルム 12 賦形層 20 反射防止物品 40 凹凸形状 50 成形版胴 60 軸芯 70 液状組成物 80 電離放射線照射装置 81 電離放射線 90 圧着ローラ 100 剥離ローラ 200 塗液供給装置 E 離型面 n 屈折率 na 屈折率(空気) nb 屈折率(透明樹脂層) n0 屈折率 n1 屈折率 nef(Z) 有効屈折率 HMIN (微細凹凸2の)最小高さ PMAX 周期 R 反射率 λMIN 最小波長 λMAX 最大波長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA37 FD07 FD23 GA16 GA17 LA03 LA11 LA12 LA13 LA16 MA10 2K009 AA12 BB14 BB24 DD05 DD15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性フィルムの離型面に反射防止用の
    微細凹凸が形成され、該離型面上に転写層として透明樹
    脂層が積層されて成る反射防止転写フィルムであって、 該離型性フィルムの微細凹凸は、可視光の波長帯域の真
    空中に於ける最小波長をλMIN、該微細凹凸の最凹部に
    於ける周期をPMAXとしたときに、 PMAX≦λMIN なる関係を有し、 且つ該微細凹凸をその凹凸方向と直交する面で切断した
    と仮定したときの断面内に於ける離型性フィルムの材料
    部分の断面積占有率が、該微細凹凸の最凹部から最凸部
    に行くに従って連続的に漸次減少して行く様な凹凸であ
    る、反射防止転写フィルム。
  2. 【請求項2】 転写層として、透明樹脂層上に更に透明
    接着剤層が積層されて成る請求項1記載の反射防止転写
    フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の反射防止転写フィ
    ルムから、その転写層を基材に転写することで、該基材
    面に微細凹凸による反射防止機能を付与する、反射防止
    加工方法。
JP2001293225A 2001-09-26 2001-09-26 反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法 Pending JP2003098304A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001293225A JP2003098304A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001293225A JP2003098304A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003098304A true JP2003098304A (ja) 2003-04-03

Family

ID=19115064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001293225A Pending JP2003098304A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003098304A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090902A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止賦形フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法
JP2006171229A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無反射構造及び無反射構造を有する光学素子、ならびにその製造方法及びその製造方法に用いるマスク
WO2007040159A1 (ja) * 2005-10-04 2007-04-12 The Inctec Inc. 特定の表面形状と物性を有する構造体及びその構造体形成用の(メタ)アクリル系重合性組成物
JPWO2007007755A1 (ja) * 2005-07-14 2009-01-29 パナソニック株式会社 反射防止構造体を備えた光学機器の製造方法
WO2012105357A1 (ja) * 2011-02-01 2012-08-09 シャープ株式会社 積層体及び積層体の製造方法
JP2013130895A (ja) * 2013-04-03 2013-07-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd 保護フィルム付き成形体
KR101360218B1 (ko) * 2012-10-26 2014-02-11 주식회사 파인텍 광학 필름, 복합 도광판 및 상기 복합 도광판을 포함하는 백라이트 유닛의 제조방법
KR101366389B1 (ko) 2012-10-26 2014-02-24 주식회사 파인텍 광학 필름, 복합 도광판 및 상기 복합 도광판을 포함하는 백라이트 유닛
WO2014030937A1 (en) * 2012-08-23 2014-02-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Display panel and display apparatus having the same
JP2014202947A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 株式会社クラレ 微細構造を有する成形体の製造方法およびそれにより得られる光学部品
JP2015114464A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 旭化成イーマテリアルズ株式会社 機能転写体及び機能層の転写方法
JP2015163995A (ja) * 2015-06-15 2015-09-10 三菱レイヨン株式会社 保護フィルム付き成形体
WO2015194649A1 (ja) * 2014-06-19 2015-12-23 デクセリアルズ株式会社 光学体、フィルム貼付体、及び光学体の製造方法
WO2016103980A1 (ja) * 2014-12-25 2016-06-30 デクセリアルズ株式会社 光学体、光学フィルム貼着体及び光学体の製造方法
JP2017052230A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 日油株式会社 転写フィルム
KR20180095821A (ko) 2015-12-18 2018-08-28 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 반사 방지 광학체의 형성 방법 및 디스플레이 패널
KR20180096613A (ko) 2015-12-18 2018-08-29 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 반사 방지 광학체의 형성 방법, 디스플레이 패널 및 광학 필름
CN108885283A (zh) * 2016-09-27 2018-11-23 株式会社Lg化学 抗反射膜

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07151905A (ja) * 1993-11-26 1995-06-16 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フィルム及びその製造方法
JPH07333404A (ja) * 1994-02-15 1995-12-22 Dainippon Printing Co Ltd 光学機能性膜、光学機能性フィルム、防眩性反射防止フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置
JPH08118557A (ja) * 1994-10-20 1996-05-14 Dainippon Printing Co Ltd 機能性超微粒子を含む透明機能性膜、透明機能性フィルム及びその製造方法
JPH10300902A (ja) * 1997-01-20 1998-11-13 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フィルム及びその製造方法
JP2000071290A (ja) * 1998-08-28 2000-03-07 Teijin Ltd 反射防止物品の製造方法
JP2003090902A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止賦形フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07151905A (ja) * 1993-11-26 1995-06-16 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フィルム及びその製造方法
JPH07333404A (ja) * 1994-02-15 1995-12-22 Dainippon Printing Co Ltd 光学機能性膜、光学機能性フィルム、防眩性反射防止フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置
JPH08118557A (ja) * 1994-10-20 1996-05-14 Dainippon Printing Co Ltd 機能性超微粒子を含む透明機能性膜、透明機能性フィルム及びその製造方法
JPH10300902A (ja) * 1997-01-20 1998-11-13 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フィルム及びその製造方法
JP2000071290A (ja) * 1998-08-28 2000-03-07 Teijin Ltd 反射防止物品の製造方法
JP2003090902A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止賦形フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法

Cited By (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090902A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止賦形フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法
JP2006171229A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無反射構造及び無反射構造を有する光学素子、ならびにその製造方法及びその製造方法に用いるマスク
JP4778967B2 (ja) * 2005-07-14 2011-09-21 パナソニック株式会社 反射防止構造体を備えた光学機器の製造方法
JPWO2007007755A1 (ja) * 2005-07-14 2009-01-29 パナソニック株式会社 反射防止構造体を備えた光学機器の製造方法
JP2012036404A (ja) * 2005-10-04 2012-02-23 Dnp Fine Chemicals Co Ltd 特定の表面形状と物性を有する構造体及びその構造体形成用の(メタ)アクリル系重合性組成物
US7897243B2 (en) 2005-10-04 2011-03-01 The Inctec Inc. Structure having specific surface shape and properties and (meth)acrylic polymerizable composition for formation of the structure
WO2007040159A1 (ja) * 2005-10-04 2007-04-12 The Inctec Inc. 特定の表面形状と物性を有する構造体及びその構造体形成用の(メタ)アクリル系重合性組成物
JP2012052125A (ja) * 2005-10-04 2012-03-15 Dnp Fine Chemicals Co Ltd 特定の表面形状と物性を有する構造体及びその構造体形成用の(メタ)アクリル系重合性組成物
WO2012105357A1 (ja) * 2011-02-01 2012-08-09 シャープ株式会社 積層体及び積層体の製造方法
WO2014030937A1 (en) * 2012-08-23 2014-02-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Display panel and display apparatus having the same
KR101360218B1 (ko) * 2012-10-26 2014-02-11 주식회사 파인텍 광학 필름, 복합 도광판 및 상기 복합 도광판을 포함하는 백라이트 유닛의 제조방법
KR101366389B1 (ko) 2012-10-26 2014-02-24 주식회사 파인텍 광학 필름, 복합 도광판 및 상기 복합 도광판을 포함하는 백라이트 유닛
JP2013130895A (ja) * 2013-04-03 2013-07-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd 保護フィルム付き成形体
JP2014202947A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 株式会社クラレ 微細構造を有する成形体の製造方法およびそれにより得られる光学部品
JP2015114464A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 旭化成イーマテリアルズ株式会社 機能転写体及び機能層の転写方法
WO2015194649A1 (ja) * 2014-06-19 2015-12-23 デクセリアルズ株式会社 光学体、フィルム貼付体、及び光学体の製造方法
CN106461813B (zh) * 2014-06-19 2020-03-27 迪睿合株式会社 光学体、贴膜体和光学体的制造方法
JP2016004259A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 デクセリアルズ株式会社 光学フィルム及びその製造方法
US11693156B2 (en) 2014-06-19 2023-07-04 Dexerials Corporation Optical body, film adhesive body, and method for manufacturing optical body
CN106461813A (zh) * 2014-06-19 2017-02-22 迪睿合株式会社 光学体、贴膜体和光学体的制造方法
KR20170021776A (ko) * 2014-06-19 2017-02-28 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 광학체, 필름 첩부체 및 광학체의 제조 방법
KR102566582B1 (ko) * 2014-06-19 2023-08-11 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 광학체, 필름 첩부체 및 광학체의 제조 방법
WO2016103980A1 (ja) * 2014-12-25 2016-06-30 デクセリアルズ株式会社 光学体、光学フィルム貼着体及び光学体の製造方法
JP2015163995A (ja) * 2015-06-15 2015-09-10 三菱レイヨン株式会社 保護フィルム付き成形体
JP2017052230A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 日油株式会社 転写フィルム
KR20180095821A (ko) 2015-12-18 2018-08-28 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 반사 방지 광학체의 형성 방법 및 디스플레이 패널
KR20180096613A (ko) 2015-12-18 2018-08-29 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 반사 방지 광학체의 형성 방법, 디스플레이 패널 및 광학 필름
EP3869242A1 (en) 2015-12-18 2021-08-25 Dexerials Corporation Optical film and antireflection optical body
US11110673B2 (en) 2015-12-18 2021-09-07 Dexerials Corporation Method of forming antireflection optical body, and display panel
EP3809167A1 (en) 2015-12-18 2021-04-21 Dexerials Corporation Method of forming antireflection optical body, display panel, and optical film
US10987884B2 (en) 2015-12-18 2021-04-27 Dexerials Corporation Method of forming antireflection optical body, display panel, and optical film
CN108885283A (zh) * 2016-09-27 2018-11-23 株式会社Lg化学 抗反射膜
US10962686B2 (en) 2016-09-27 2021-03-30 Lg Chem, Ltd. Antireflection film
US10908323B2 (en) 2016-09-27 2021-02-02 Lg Chem, Ltd. Antireflection film and method for preparing same
US10823883B2 (en) 2016-09-27 2020-11-03 Lg Chem, Ltd. Antireflection film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003098304A (ja) 反射防止転写フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法
US6677703B2 (en) Cover plate for display device, method of making the same, display device and reflection reducing structure
JP2003240903A (ja) 反射防止物品
US4965118A (en) Flexible optical information recording medium and method of manufacturing the same
JP2004205990A (ja) 反射防止性能を有する微細凹凸パターンの作製方法及び反射防止物品
JP2003090902A (ja) 反射防止賦形フィルム及びそれを用いた反射防止加工方法
JP4632589B2 (ja) 反射防止機能付きの透明タッチパネル、及びそれを用いた表示装置
JP2003215314A (ja) 反射防止物品
JP2003240904A (ja) 反射防止物品
JP2003205564A (ja) 反射防止機能付き帯電防止転写箔
JP2868772B2 (ja) 研磨テープの製造方法
JP5098450B2 (ja) 凹凸パターン形成シートの製造方法および凹凸パターン形成シート
JP2007090656A (ja) 透光性物品
KR20150095198A (ko) 방현 필름
JP2019066643A (ja) 光学体、光学体の製造方法、及び発光装置
JP2001021706A (ja) 光拡散フィルム、面光源装置、及び表示装置
JP2004347828A (ja) 真偽判定体
JP2003149405A (ja) 光重合法による反射防止物品の製造方法
JP2003215303A (ja) 反射防止物品
JP2003154555A (ja) 射出成形法による反射防止物品の製造方法
JP2014065302A (ja) 表面微細凹凸体およびその製造方法
JP2019066644A (ja) 光学体及び発光装置
JP2011213051A (ja) 表面微細凹凸体およびその製造方法
JP2000258615A (ja) 拡散反射板の製造法及び転写フィルム
JP2003191249A (ja) 転写原型、転写フィルム及び拡散反射板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308