JP2019066643A - 光学体、光学体の製造方法、及び発光装置 - Google Patents

光学体、光学体の製造方法、及び発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より容易に作製することが可能な、新規かつ改良された光学体、光学体の製造方法、及び発光装置を提供することにある。【解決手段】光学体は、基材10と、基材10の少なくとも一方の表面に形成され、外来光の反射を抑制する第2の光学層12と、第2の光学層12の一部の上に積層され、基材10の側面から基材10の内部に入射された内部伝播光を基材10の外部に取出す第1の光学層11と、を備え、第1の光学層11の表面には、内部伝播光を反射する第1の凹凸構造11cが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、光学体、光学体の製造方法、及び発光装置に関する。
例えば特許文献1に開示されるように、光学体の一種として、光の導波現象及びマクロ凹凸構造を組み合わせた光学体が知られている。このような光学体は、導光板とも称される。マクロ凹凸構造は、導光板の一方の表面に形成される。そして、導光板の内部には、導光板の側面に設けられた光源から光が入射される。導光板の内部に入射された光、すなわち内部伝播光は、導光板の表面(すなわち、導光板の内部と外部との界面)で反射しながら導光板の内部を伝播する。その後、内部伝播光は、マクロ凹凸構造の表面で反射し、導光板の他方の表面から出射される。すなわち、導光板は、導光板の側面から入射された光を導光板の表面から出射する。導光板は、例えば各種の表示装置用の発光体、あるいは照明用の発光体として用いられる。導光板が使用される表示装置としては、例えば、各種LCD(例えば、ローカルディミング駆動方式のLCD)、パッシブタイプ表示装置、アミューズメント向けの光装飾パネルやデジタルサイネージ等の広告向けのイルミパネル等が挙げられる。これらの表示装置では、光源の点灯と消灯により、マクロ凹凸構造のパターンが形成された箇所からあたかも光が浮き上がるような表現が可能となる。したがって、マクロ凹凸構造が形成された領域が発光領域となる。発光領域の形状によって様々な意匠(スピードメータの数字等)が実現される。
ところで、特許文献1に開示されるように、導光板の表面のうち、マクロ凹凸構造が形成されていない領域には、外来光の反射を抑制するためのミクロ凹凸構造が形成されることが多い。ミクロ凹凸構造は、凹凸の平均周期が可視光波長帯域よりも低い凹凸構造である。
したがって、導光板の表面には、マクロ凹凸構造及びミクロ凹凸構造の両方が形成されることが多い。導光板の製造方法としては、導光板の表面形状が反転した表面形状を有する原盤を作製し、この原盤の表面形状を導光板の基材に転写する方法が挙げられる。
特開2010−190599号公報
しかし、この方法では、原盤の表面にマクロ凹凸構造及びミクロ凹凸構造を選択的に形成する必要があった。すなわち、原盤の表面のうち、発光領域に相当する領域にマクロ凹凸構造を形成し、その周囲の領域にミクロ凹凸構造を形成する必要があった。さらに、これらの凹凸構造は凹凸のサイズが全く異なるので、別々の工程により原盤に形成する必要があった。さらに、マクロ凹凸構造が形成される領域、すなわち発光領域の位置決めを正確に行う必要があった。したがって、原盤の製造に大きな手間がかかるという問題があった。特に、原盤に高い精度あるいは歩留りが求められる場合、原盤の製造に要する手間はさらに大きくなる。さらに、この方法では、発光領域の形状(すなわち意匠)毎に原盤を作製する必要があった。このため、導光板の作製に大きな手間が掛かり、生産性が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より容易に作製することが可能な、新規かつ改良された光学体、光学体の製造方法、及び発光装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基材と、基材の少なくとも一方の表面に形成され、外来光の反射を抑制する第2の光学層と、第2の光学層の一部の上に積層され、基材の側面から基材の内部に入射された内部伝播光を基材の外部に取出す第1の光学層と、を備え、第1の光学層の表面には、内部伝播光を反射する第1の凹凸構造が形成されていることを特徴とする、光学体が提供される。
ここで、第1の凹凸構造がランダムに形成されていてもよい。
また、第1の凹凸構造のRSmが30〜210μmであってもよい。
また、第1の凹凸構造の断面形状がランダム形状となる場合、第1の凹凸構造のRSm/Raが140以下であってもよい。
また、第1の凹または凸構造が周期的に形成されていてもよい。
また、第1の光学層は、紫外線硬化性樹脂の硬化物を含んでいてもよい。
また、第1の凹凸構造の表面には、Al、Ag、及びこれらの合金からなる群から選択される何れか1種以上を含む高反射膜、または白色系インク膜が形成されていてもよい。
また、第2の光学層は、凹凸の平均周期が可視光波長帯域よりも低い第2の凹凸構造を有していてもよい。
また、第2の光学層は、高屈折率膜と低屈折率膜とが交互に積層された積層膜を有していてもよい。
本発明の他の観点によれば、上記に記載の光学体を製造する光学体の製造方法であって、基材の少なくとも一方の表面に第2の光学層を形成する第2の光学層形成工程と、第2の光学層の一部の上に未硬化の樹脂層を印刷する未硬化樹脂層印刷工程と、未硬化の樹脂層を硬化させるとともに、硬化後の樹脂層の表面に第1の凹凸構造を形成する第1の光学層形成工程と、を含むことを特徴とする、光学体の製造方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、上記に記載の光学体と、光学体の側面に設けられ、光学体の側面から光学体の内部に光を入射する光源と、を備える、発光装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、第2の光学層の一部の上に第1の光学層が形成されているので、第1の光学層のベースとなる樹脂層を印刷により形成することができる。樹脂層が所望の意匠を形成するように印刷を行えば良いので、第1の凹凸構造を形成するに際して、意匠毎に原盤を用意する必要がない。つまり、意匠の種類によらず共通の原盤を用いて第1の凹凸構造を形成することができる。さらに、1つの原盤に第1の凹凸構造及び上述したミクロ凹凸構造を形成する必要がない。したがって、光学体をより容易に作製することができる。
本発明の実施形態に係る光学体の概略構成を示す側断面図である。 第1の凹凸構造の一例を示す側断面図である。 第1の凹凸構造の一例を示す側断面図である。 第1の凹凸構造の一例を示す側断面図である。 第1の凹凸構造の一例を示す側断面図である。 第1の光学層の一例を示す側断面図である。 第2の光学層の一例を示す側断面図である。 本実施形態に係る第2の凹凸構造用原盤の外観例を示す斜視図である。 露光装置の構成例を示すブロック図である。 光学体をロールツーロールで製造する転写装置の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る第1の凹凸構造用原盤の外観例を示す斜視図である。 第2の光学層の分光反射スペクトルの一例を示すグラフである。 第2の光学層の分光反射スペクトルの一例を示すグラフである。 第1の凹凸構造の一例を示す平面光学顕微鏡写真である。 第1の凹凸構造の一例を示す断面SEM写真である。 第1の凹凸構造の一例を示す平面光学顕微鏡写真である。 第1の凹凸構造の一例を示す平面光学顕微鏡写真である。 第1の凹凸構造の一例を示す平面光学顕微鏡写真である。 第1の凹凸構造の一例を示す平面光学顕微鏡写真である。 RSmと輝度との対応関係を示すグラフである。 光学体の一例を示す断面SEM写真である。 第2の光学層の一例を示す断面SEM写真である。 第1の光学層と第2の光学層との境界部分の一例を示す断面SEM写真である。 光学体の一例を示す平面写真である。 光学体の一例を示す平面写真である。 第2の光学層の一例を示す側断面図である。 第1の凹凸構造の最大傾斜角度と光強度との対応関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.光学体の構成>
次に、図1〜図2Dに基づいて、本実施形態に係る光学体1の構成について説明する。光学体1は、導光板とも称される部材であり、基材10と、第1の光学層11と、第2の光学層12とを備える。第2の光学層12は、基材10の両面(表面10A、10B)の全域に形成される。第1の光学層11は、表面10A側に形成された第2の光学層12上の一部の領域に形成される。
基材10は、基材10の内部に入射された光、すなわち内部伝播光を基材10の面方向(すなわち、厚さ方向に垂直な方向、図1では水平方向)に伝播させる。したがって、基材10は、光の伝導性に優れた樹脂、好ましくは熱可塑性樹脂で構成されることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、A−PET、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。また、基材10は、光の伝導性に優れた無機材料で構成されてもよい。このような無機材料としては、例えばケイ素系の材料、より具体的にはガラス等が挙げられる。基材10の厚さは特に制限されず、光学体1の用途等によって適宜調整すればよい。
第1の光学層11は、表面10A側に形成された第2の光学層12の一部の上に形成される。第1の光学層11は、その表面に形成される第1の凹凸構造11cを有する。第1の凹凸構造11cは、多数の第1の凸部11aおよび第1の凹部11bを有する。第1の凸部11aは、光学体1の厚さ方向外側に突出した形状を有し、第1の凹部11bは、光学体1の厚さ方向内側にへこんだ形状を有する。
第1の光学層11は、内部伝播光を取出し、光学体1の外部に出射する。図1の直線L10は、光源20から基材10内部に入射される入射光の光路を示し、直線L11は内部伝播光の光路を示し、直線L12は、外部に取出された光、すなわち、取出し光の光路を示す。つまり、第1の光学層11に到達した内部伝播光は、第1の凹凸構造11cで反射(拡散)し、光の回折現象により、表面10Bから外部に出射される。第1の光学層11は、表面10Aのうち、光を取出したい箇所に形成される。光源20の点灯と消灯により、第1の光学層11のパターンが形成された領域、すなわち発光領域からあたかも光が浮き上がるような表現が可能となる。発光領域の形状によって様々な意匠が実現される。発光領域によって形成される意匠は様々であり、例えば、スピードメータの枠、目盛、数字等が挙げられる。もちろん、意匠はこれらの例に限定されない。
第1の凸部11aおよび第1の凹部11bは、第1の光学層11の表面にランダムに形成される。具体的には、第1の凹凸構造11cの凹凸のピッチがランダムとなっている。第1の凸部11aおよび第1の凹部11bの断面形状(厚さ方向に平行な断面の形状)は特に制限されない。第1の凹凸構造11cの断面形状はブラスト加工等によって形成されるランダム形状(異型形状)であってもよいし、特定の形状(例えば、半球形状、円錐、三角錐、円筒、四角形、砲弾形状等)であってもよい。円錐、三角錐等の錐体、すなわちテーパ形状を有する凹凸構造に関しては、テーパ面は平面状であっても、湾曲状であってもよい。テーパ面が平面状となる場合、テーパ面と基材10の面方向とのなす角度は45度程度が好ましいが、25〜75度程度であってもよい。また、凹凸構造が半球形状となる場合、詳細は後述するが、最大傾斜角度が最大伝播角度に一致することが好ましい。もちろん、第1の凹凸構造11cはこれらの例に限定されず、本実施形態の機能、つまり内部伝播光を取出し、光学体1の外部に出射する機能を有していればよい。
第1の凹凸構造11cの断面形状が特定の形状となる場合、第1の凸部11a及び第1の凹部11bのいずれが特定の形状を有していても良い。図2A、図2Bに示す例では第1の凸部11aが特定の形状(ここでは半球形状)を有している。図2C、図2Dでは第1の凹部11bが特定の形状(ここでは半球形状)を有している。なお、図2A、図2Cでは、第1の凹凸構造11cの充填率が100%となっている。ここで、充填率は、第1の光学層11の全面積に占める第1の凸部11aまたは第1の凹部11b(特定の形状を有するもの)の専有面積の比である。充填率が100%となる場合、第1の凸部11aまたは第1の凹部11bが互いに重なり合っている。図2B、図2Dでは、充填率が100%未満となっている。第1の凹凸構造11cの光取出し効率を高める(より多くの内部伝播光を外部に取出す)という観点から、充填率は100%または100%になるべく近い値とすることが好ましい。ここで、第1の凹凸構造11cの平面形状、断面形状はSEM(走査型電子顕微鏡)等によって測定可能である。
このように、第1の凹凸構造11cがランダムに形成される場合としては、断面形状がランダム形状となる場合(この場合、凹凸のピッチは必然的にランダムになる)、断面形状が特定の形状となり、かつ凹凸のピッチがランダムとなる場合が挙げられる。
第1の凹凸構造11cのRSmは、30〜210μmであることが好ましい。この場合、第1の凹凸構造11cの光取出し効率をより高めることができる。ここで、第1の凹凸構造11cの断面形状がランダム形状となる場合、RSmが高いほど発光輝度が小さくなる傾向がある。このため、RSmの上限値は、210μm以下であることが好ましく、140μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがより好ましい。ここで、RSmは、ISO25178に準拠して測定される粗さ曲線要素の平均長さであり、ISO25178に準拠して測定されるRaは算術平均粗さである。RSm、Raは、例えば市販の粗さ計によって測定可能である。
さらに、第1の凹凸構造11cの断面形状がランダム形状となる場合、第1の凹凸構造11cのRSm/Raは140以下であることが好ましい。これにより、第1の凹凸構造11cの光取出し効率をより高めることができる。また、RSm/Raが小さいほど光取出し効率が高くなる傾向にある。したがって、RSm/Raは40以下であることがより好ましい。
ここで、第1の凹凸構造11cは、周期的に形成されていても良い。この場合、第1の凹凸構造11cの断面形状が特定の形状となる。さらに、第1の凸部11a及び第1の凹部11bのピッチが周期性を有する。例えば、後述する第2の凹凸構造12cと同様に、第1の凸部11a及び第1の凹部11bがマトリックス状に分散配置される。
第1の凹凸構造11cがランダムに形成されている場合、多様な周波数の光を取出すことができる。例えば、内部伝播光が白色光であれば白色光を取出すことができる。一方、内部伝播光が単色光であれば、内部伝播光と同じ周波数の単色光を取出すことができる。一方、第1の凹凸構造11cが周期的に形成されている場合、第1の凹凸構造11cの周期等に応じた周波数の光を取出すことができる。例えば、内部伝播光が白色光であっても、第1の凹凸構造11cの周期等に応じた周波数の光(例えば青色光)を取出すことができる。
ここで、図3に示すように、第1の凸部11aが半球形状(いわゆるマイクロレンズ形状)となる場合、第1の凸部11aの最大傾斜角度θが大きいほど、内部伝搬光が第1の凸部11aの表面で反射した際に内部伝搬光の伝搬角度変化が大きくなる。このため、光取出し効率(放射効率)が大きくなる。ここで、第1の凸部11aの最大傾斜角度θは、第1の凸部11aの端部11dにおける接線L2と直線L1(基材10の面方向を示す直線)とのなす角度であり、以下の数式(1)で示される。ここで、隣接する第1の凸部11aの端部11d同士が重なり合っている場合(図3の場合)、端部11dは、第1の凹部11bの頂点(最も深い部分)を構成する。内部伝播光の伝播角度は、内部伝播光の光路(直線L11)と直線L1(第1の光学層11の面方向に平行な直線)とのなす角度θである。なお、図3では、伝播角度θが後述する最大伝播角度θに一致している。光取出し効率は、概念的には、光源20から光学体1に入射される光の全光強度と、第1の光学層11から出射する光の全光強度との比となる。
その一方で、第1の凸部11aの最大傾斜角度θが大きくなりすぎると、第1の凸部11aの表面における内部伝播光の反射が全反射の要件を満たさなくなるため、第1の凸部11aに達した内部伝播光の一部が第1の凸部11aの表面から光学体1の外部に漏出しやすくなってしまう。このため、光取出し効率がかえって低下する。
したがって、光取出し効率が最大となるのは、第1の凸部11aの最大傾斜角度θが内部伝搬光の最大伝播角度θに略一致する場合であると言える。ここで、内部伝播光の最大伝播角度θは、いわゆる臨界角であり、以下の数式(2)で示される。
数式(1)において、pは第1の凸部11aのピッチ(頂点間距離)(μm)であり、Rは第1の凸部11aの曲率半径(μm)である。数式(2)において、nは第1の光学層11の屈折率である。数式(1)、(2)において、sin−1の値は度単位に換算される。なお、数式(2)では、光学体1が空気中で使用されることが前提となっている。分子の「1」は、光学体1が空気以外の周辺環境で使用される場合、その使用環境に応じた屈折率に置き換えられる。図3では、第1の凸部11aの最大傾斜角度θが内部伝搬光の最大伝播角度θに略一致している。
ここで、第1の凹凸構造11cは、複数の第1の凸部11aを有する。製造誤差等の理由により、第1の凸部11aの形状は完全同一とはならない。また、意図的に第1の凸部11aの形状を変える場合も想定される。したがって、第1の凸部11aの最大傾斜角度θは、第1の凸部11a毎に変わりうる。そこで、複数の第1の凸部11aについて算出された最大傾斜角度θの算術平均値を最大伝播角度θに略一致させればよい。以下、最大傾斜角度θの算術平均値を「第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLn」とも称する。
したがって、第1の凸部11aが半球形状となる場合、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnが最大伝播角度θに略一致することが好ましい。この内容は、第1の凹凸構造11cがランダムに形成された場合、周期的に形成された場合のいずれにおいても成り立つ。第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnを算出する際には、いくつか(例えば数十個)の第1の凸部11aをピックアップし、これらの最大傾斜角度θの算術平均値を算出すれば良い。
「略一致」とは、完全一致の他、多少の誤差も含みうる概念である。例えば、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnと最大伝播角度θとの誤差が±10度以下であれば両者は略一致するとみなしてよい。第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnと最大伝播角度θとが略一致するためには、これらの誤差が±7度以下であることが好ましく、±5度以下であることがさらに好ましく、±3度以下であることがさらに好ましい。
第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnが最大伝播角度θに略一致する場合、光取出し効率を高めることができる。
第1の凹凸構造11cの表面には、Al、Ag、及びこれらの合金からなる群から選択される何れか1種以上を含む高反射膜、または白色系インク膜が形成されていることが好ましい。これにより、第1の光学層11の光取出し効率が更に向上する。光学体1の意匠性を考慮し、加飾印刷等をおこなってもよい。これにより、所望の発光色が得られる。
なお、第1の光学層11の厚さは特に制限されず、光学体1に求められる特性などに応じて適宜調整されれば良い。
図1に示すように、第2の光学層12は、外来光の反射を抑制するものであり、基材10の表面10A、10Bのほぼ全域に形成されている。直線L13は外来光の光路を示す。図1の例では、外来光は表面10Bに入射している。表面10Bに入射した外来光の反射は、表面10B上のみならず、表面10Aにおいても起こりうる。直線L14は、反射光の光路を示す。表面10Bにおける反射は表面10B上の第2の光学層12が抑制し、表面10Aにおける外来光の反射は表面10A上の第2の光学層12が抑制する。
第2の光学層12は、表面10A、10Bのうち、少なくとも一方の表面に形成されていてもよいが、外来光の反射は表面10A、10Bのどの場所でも起こりうることから、表面10A、10Bのほぼ全域に形成されていることが好ましい。
第2の光学層12は、第2の凹凸構造12cを備える。第2の凹凸構造12cは、外来光の反射を抑制するとともに、内部伝播光の外部への漏出を抑制する。すなわち、第2の光学層12が形成された領域における発光を抑制する。これにより、第1の光学層11が形成された領域すなわち発光領域と、他の領域すなわち非発光領域との高いコントラストを実現することができる。
第2の凹凸構造12cは、多数の第2の凸部12aおよび第2の凹部12bを有する。第2の凸部12aは、光学体1の厚さ方向外側に突出した形状を有し、第2の凹部12bは、光学体1の厚さ方向内側にへこんだ形状を有する。
ここで、第2の凹凸構造12cは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは断面透過型電子顕微鏡(断面TEM)等によって観察可能である。
第2の凸部12aおよび第2の凹部12bは、基材10の両面上に周期的に形成される。すなわち、第2の凹凸構造12cの凹凸のピッチが周期性を有する。具体的には、第2の凸部12aおよび第2の凹部12bは、基材10の表面10A、10B上にマトリックス状(例えば、千鳥状、矩形状)に分散配置されている。
そして、図1の左右方向をドット方向、図1の紙面に垂直な方向をトラック方向とした場合、凹凸のピッチは、ドット方向のピッチ(所謂ドットピッチ)P11と、トラック方向のピッチ(所謂トラックピッチ)P12に区分できる。ドットピッチP11は、より具体的には、ドット方向に隣接する第2の凸部12aの頂点間距離であり、トラックピッチP12は、トラック方向に隣接する第2の凸部12aの頂点間距離である。ドットピッチP11およびトラックピッチP12は、いずれも一定値となる。また、第2の凸部12aの配置は千鳥配置となっていてもよい。ドットピッチP11とトラックピッチP12とは同じであっても、異なっていても良い。また、ドットピッチP11およびトラックピッチP12は、一定の周期で変動してもよい。例えば、ドットピッチP11は、行方向に正弦波掃引態様で変動してもよい。また、第2の凸部12aの形状は全て略同一となっている。基材10の一方の表面10Aに形成される第2の凹凸構造12cと他方の表面10Bに形成される第2の凹凸構造12cとは同じであっても良いし、異なっていても良い。第2の凸部12aの断面形状は砲弾形状となっているが、他の形状(例えば、半球形状、円錐、三角錐、円筒、四角形等)であってもよいことはもちろんである。
さらに、第2の凹凸構造12cの凹凸の平均周期は、可視光波長帯域(の最小値)よりも低い。ここで、凹凸の平均周期は、ドットピッチP11及びトラックピッチP12の算術平均値として与えられる。例えば、行方向に隣接する第2の凸部12aの組および列方向に隣接する第2の凸部12aの組を複数個ピックアップし、これらのドットピッチP11及びトラックピッチP12を算出する。そして、算出されたピッチの算術平均値を凹凸の平均周期とすればよい。
そして、第2の凹凸構造12cの凹凸の平均周期は、上述したように、可視光波長帯域よりも低い。例えば、凹凸の平均周期は、350nm未満であり、好ましくは280nm未満であり、より好ましくは270nm未満である。凹凸の平均周期の下限値は特に制限されないが、第2の凹凸構造12cを安定して形成するという観点からは、100nm以上であることが好ましい。凹凸の平均周期が上述した範囲内の値となる場合に、より確実に内部伝播光の漏出を抑制し、外来光の反射を抑制することができる。
また、第2の凹凸構造12cの平均高さ(具体的には、第2の凸部12aの平均高さ)は特に制限されないが、150nm以上であることが好ましい。この場合、より内部伝播光の回折を抑制することができる。第2の凹凸構造12cの平均高さは、例えば断面SEMによって測定可能である。断面SEMによっていくつかの第2の凸部12aの高さを測定して、これらの算術平均値を平均高さとすればよい。
ここで、第1の光学層11および第2の光学層12は、例えば硬化性樹脂の硬化物で構成される。硬化性樹脂の硬化物は、透明性を有することが好ましい。硬化性樹脂は、重合性化合物と硬化開始剤とを含む。重合性化合物は、硬化開始剤によって硬化する樹脂である。重合性化合物としては、例えばエポキシ重合性化合物、及びアクリル重合性化合物等が挙げられる。エポキシ重合性化合物は、分子内に1つまたは2つ以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、またはプレポリマーである。エポキシ重合性化合物としては、各種ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型、F型等)、ノボラック型エポキシ樹脂、ゴムおよびウレタン等の各種変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びこれらのプレポリマー等が挙げられる。
アクリル重合性化合物は、分子内に1つまたは2つ以上のアクリル基を有するモノマー、オリゴマー、またはプレポリマーである。ここで、モノマーは、さらに分子内にアクリル基を1つ有する単官能モノマー、分子内にアクリル基を2つ有する二官能モノマー、分子内にアクリル基を3つ以上有する多官能モノマーに分類される。
「単官能モノマー」としては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸等)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル又は脂環類のモノマー(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル−アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル−アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられる。
「二官能モノマー」としては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパン−ジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
「多官能モノマー」としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどが挙げられる。
上記で列挙したアクリル重合性化合物以外の例としては、アクリルモルフォリン、グリセロールアクリレート、ポリエーテル系アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクトン、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、脂肪族ウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
硬化開始剤は、硬化性樹脂を硬化させる材料である。硬化開始剤の例としては、例えば、熱硬化開始剤、光硬化開始剤等が挙げられる。硬化開始剤は、熱、光以外の何らかのエネルギー線(例えば電子線)等によって硬化するものであってもよい。硬化開始剤が熱硬化開始剤となる場合、硬化性樹脂は熱硬化性樹脂となり、硬化開始剤が光硬化開始剤となる場合、硬化性樹脂は光硬化性樹脂となる。
ここで、光学体1の透明性の観点からは、硬化開始剤は、紫外線硬化開始剤であることが好ましい。紫外線硬化開始剤は、光硬化開始剤の一種である。紫外線硬化開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。したがって、硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。透明性の観点から、硬化性樹脂は、紫外線硬化性アクリル樹脂であることがより好ましい。
また、第1の光学層11および第2の光学層12は、親水性、撥水性、曇り防止等の機能性が付与された樹脂であっても良い。
また、第1の光学層11および第2の光学層12には、光学体1の用途に応じた添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、無機フィラー、有機フィラー、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤などが挙げられる。なお、無機フィラーの種類としては、例えば、SiO、TiO、ZrO、SnO、Alなどの金属酸化物微粒子が挙げられる。
さらに、第1の光学層11及び第2の光学層12の材質は揃っていることが好ましい。図1に示すように、第1の光学層11は、第2の光学層12の上に形成される。したがって、内部伝播光は、第1の光学層11と第2の光学層12との境界面を通って第1の光学層11内に到達する。したがって、当該境界面での反射を抑制するために、第1の光学層11及び第2の光学層12の材質は揃っていることが好ましい。さらに、第1の光学層11及び第2の光学層12の材質と基材10の材質も揃っていることが好ましい。一例として、基材10、第1の光学層11及び第2の光学層12がすべてアクリル樹脂で構成されてもよい。
また、第2の光学層12は、基材10の両面に直接形成されても良いが、第2の光学層12が形成された樹脂フィルム(例えば熱可塑性樹脂フィルム)を基材10の両面に接着してもよい。
第2の光学層12は、図4に示すように、高屈折率膜12dと低屈折率膜12eとが交互に積層された積層膜(所謂AR膜)であってもよい。このような積層膜であっても、外来光の反射を抑制し、内部伝播光の漏出を抑制することができる。ここで、高屈折率膜12dは、低屈折率膜12eよりも屈折率が高い膜である。高屈折率膜12dと低屈折率膜12eとの組み合わせとしては、(高屈折率膜、低屈折率膜)=(Nb、SiO)、(TiO、SiO)、(HfO、SiO)等が挙げられる。もちろん、各膜を構成する材料はこれらの例に限定されない。高屈折率膜12d及び低屈折率膜12eの積層順序、積層数は特に制限されない。積層数が多いほど第2の光学層12の特性が向上する傾向があるので、光学体1に求められる特性等に応じて積層数、材質等を決定すれば良い。また、各膜の厚さも特に制限されず、AR膜が取りうる厚さであればよい。第2の光学層12は、基材10の両面に直接形成されても良いが、第2の光学層12が形成された樹脂フィルム(例えば熱可塑性樹脂フィルム)を基材10の両面に接着してもよい。具体例を図23に示す。この例では、熱可塑性樹脂フィルム(基材フィルム)12t上に第2の光学層12が形成されている。そして、第2の光学層12が形成された基材フィルム12tが、粘着層(例えば両面テープ)12gを介して基材10の両面に接着されている。
なお、第2の光学層12の厚さは特に制限されず、光学体1に求められる特性などに応じて適宜調整されれば良い。
<2.発光装置の構成>
次に、図1に基づいて、発光装置の構成について説明する。発光装置は、上述した光学体1と、光源20とを有する。光源20の種類は特に問われず、従来の導光板に適用される光源であればよい。すなわち、光源20は、白色光を出射するものであっても、単色光を出射するものであってもよい。発光装置の動作は概略以下の通りである。まず、光源20から光学体1に光が入射する。光学体1の内部に入射された光、すなわち内部伝播光は、基材10の両面で反射しながら光学体1の内部を伝播する。ここで、光学体1の両面には第2の光学層12が形成されているので、内部伝播光の外部への漏出を抑制することができる。
内部伝播光の一部は、第1の光学層11に到達する。第1の光学層11に到達した内部伝播光は、第1の凹凸構造11cで反射し、表面10Bから外部に取出される。外部に取出された光、すなわち取出し光の態様は、第1の凹凸構造11cの形状に応じたものとなる。
さらに、第2の光学層12が第2の凹凸構造12cを有する場合、凹凸の平均周期は、可視光波長帯域よりも低くなっている。このため、外来光の反射を抑制することができる。したがって、光学体1は、外来光に対する優れた反射防止機能を有するので、より鮮明な発光パターン(すなわち、取出し光による発光パターン)を視認者に視認させることができる。すなわち、発光領域と非発光領域のコントラストが高くなる。
<3.光学体の製造方法>
つぎに、光学体1の製造方法について説明する。光学体1の製造方法は、第2の光学層形成工程と、未硬化樹脂層形成工程と、第1の光学層形成工程とを含む。
(3−1.第2の光学層形成工程)
第2の光学層形成工程は、基材10の表面10A、10Bに第2の光学層12を形成する工程である。まず、第2の光学層12として第2の凹凸構造12cを基材10の表面10A、10Bに形成する方法について説明する。
(3−1−1.原盤の構成)
第2の凹凸構造12cは、例えば図5に示す第2の凹凸構造用原盤100を用いて作製される。そこで、第2の凹凸構造用原盤100の構成について説明する。第2の凹凸構造用原盤100は、例えば、ナノインプリント法で使用される原盤であり、円筒形状となっている。第2の凹凸構造用原盤100は円柱形状であっても、他の形状(例えば平板状)であってもよい。ただし、第2の凹凸構造用原盤100が円柱または円筒形状である場合、ロールツーロール方式によって第2の凹凸構造用原盤100の凹凸構造(すなわち、原盤凹凸構造)120を樹脂基材等にシームレス的に転写することができる。これにより、基材10の表面10A、10Bに第2の凹凸構造12cを高い生産効率で形成することができる。このような観点からは、第2の凹凸構造用原盤100の形状は、円筒形状または円柱形状であることが好ましい。
第2の凹凸構造用原盤100は、原盤基材110と、原盤基材110の周面に形成された原盤凹凸構造120とを備える。原盤基材110は、例えば、ガラス体であり、具体的には、石英ガラスで形成される。ただし、原盤基材110は、SiO純度が高いものであれば、特に限定されず、溶融石英ガラスまたは合成石英ガラス等で形成されてもよい。原盤基材110は、金属母材上に上記の材料を積層したものや金属母材であってもよい。原盤基材110の形状は円筒形状であるが、円柱形状、他の形状であってもよい。ただし、上述のように、原盤基材110は円筒形状または円柱形状であることが好ましい。原盤凹凸構造120は、第2の凹凸構造12cの反転形状を有する。
(3−1−2.原盤の製造方法)
つぎに、第2の凹凸構造用原盤100の製造方法を説明する。まず、原盤基材110上に、基材レジスト層を形成(成膜)する。ここで、基材レジスト層を構成するレジスト材は特に制限されず、有機レジスト材及び無機レジスト材のいずれであってもよい。有機レジスト材としては、例えば、ノボラック系レジスト、または化学増幅型レジストなどが挙げられる。また、無機レジスト材としては、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)などの1種または2種以上の遷移金属を含む金属酸化物等が挙げられる。ただし、熱反応リソグラフィを行うためには、基材レジスト層は、金属酸化物を含む熱反応型レジストで形成されることが好ましい。
有機レジスト材を使用する場合、基材レジスト層は、スピンコーティング、スリットコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、またはスクリーン印刷等を用いることで原盤基材110上に形成されてもよい。また、基材レジスト層に無機レジスト材を使用する場合、基材レジスト層は、スパッタ法を用いることで形成されてもよい。
次に、露光装置200(図6参照)により基材レジスト層の一部を露光することで、基材レジスト層に潜像を形成する。具体的には、露光装置200は、レーザ光200Aを変調し、レーザ光200Aを基材レジスト層に対して照射する。これにより、レーザ光200Aが照射された基材レジスト層の一部が変性するため、基材レジスト層に原盤凹凸構造120に対応する潜像を形成することができる。
続いて、潜像が形成された基材レジスト層上に現像液を滴下することで、基材レジスト層を現像する。これにより、基材レジスト層に凹凸構造が形成される。ついで、基材レジスト層をマスクとして原盤基材110及び基材レジスト層をエッチングすることで、原盤基材110上に原盤凹凸構造120を形成する。なお、エッチングの方法は特に制限されないが、垂直異方性を有するドライエッチングであることが好ましく、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)であることが好ましい。以上の工程により、第2の凹凸構造用原盤100を作製する。なお、アルミニウムを陽極酸化して得られる陽極酸化ポーラスアルミナを原盤として使用してもよい。陽極酸化ポーラスアルミナは、例えば国際公開第2006/059686号公報に開示されている。また、非対称形状のレチクルマスクを用いたステッパーにより第2の凹凸構造用原盤100を作製してもよい。
(3−1−3.露光装置の構成)
次に、図6に基づいて、露光装置200の構成について説明する。露光装置200は、基材レジスト層を露光する装置である。露光装置200は、レーザ光源201と、第1ミラー203と、フォトダイオード(Photodiode:PD)205と、偏向光学系と、制御機構230と、第2ミラー213と、移動光学テーブル220と、スピンドルモータ225と、ターンテーブル227とを備える。また、原盤基材110は、ターンテーブル227上に載置され、回転することができるようになっている。
レーザ光源201は、レーザ光200Aを発する光源であり、例えば、固体レーザまたは半導体レーザなどである。レーザ光源201が発するレーザ光200Aの波長は、特に限定されないが、例えば、400nm〜500nmの青色光帯域の波長であってもよい。また、レーザ光200Aのスポット径(レジスト層に照射されるスポットの直径)は、原盤凹凸構造120の凹部の開口面の直径より小さければよく、例えば200nm程度であればよい。レーザ光源201から発せられるレーザ光200Aは制御機構230によって制御される。
レーザ光源201から出射されたレーザ光200Aは、平行ビームのまま直進し、第1ミラー203で反射され、偏向光学系に導かれる。
第1ミラー203は、偏光ビームスプリッタで構成されており、偏光成分の一方を反射させ、偏光成分の他方を透過させる機能を有する。第1ミラー203を透過した偏光成分は、フォトダイオード205によって受光され、光電変換される。また、フォトダイオード205によって光電変換された受光信号は、レーザ光源201に入力され、レーザ光源201は、入力された受光信号に基づいてレーザ光200Aの位相変調を行う。
また、偏向光学系は、集光レンズ207と、電気光学偏向素子(Electro Optic Deflector:EOD)209と、コリメータレンズ211とを備える。
偏向光学系において、レーザ光200Aは、集光レンズ207によって、電気光学偏向素子209に集光される。電気光学偏向素子209は、レーザ光200Aの照射位置を制御することが可能な素子である。露光装置200は、電気光学偏向素子209により、移動光学テーブル220上に導かれるレーザ光200Aの照射位置を変化させることも可能である(いわゆる、Wobble機構)。レーザ光200Aは、電気光学偏向素子209によって照射位置を調整された後、コリメータレンズ211によって、再度、平行ビーム化される。偏向光学系から出射されたレーザ光200Aは、第2ミラー213によって反射され、移動光学テーブル220上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル220は、ビームエキスパンダ(Beam expader:BEX)221と、対物レンズ223とを備える。移動光学テーブル220に導かれたレーザ光200Aは、ビームエキスパンダ221により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ223を介して、原盤基材110上に形成された基材レジスト層に照射される。また、移動光学テーブル220は、原盤基材110が1回転する毎に矢印R方向(送りピッチ方向)に1送りピッチ(トラックピッチ)だけ移動する。ターンテーブル227上には、原盤基材110が設置される。スピンドルモータ225はターンテーブル227を回転させることで、原盤基材110を回転させる。これにより、レーザ光200Aを基材レジスト層上で走査させる。ここで、レーザ光200Aの走査方向に沿って、基材レジスト層の潜像が形成される。
また、制御機構230は、フォーマッタ231と、ドライバ233とを備え、レーザ光200Aの照射を制御する。フォーマッタ231は、レーザ光200Aの照射を制御する変調信号を生成し、ドライバ233は、フォーマッタ231が生成した変調信号に基づいて、レーザ光源201を制御する。これにより、原盤基材110へのレーザ光200Aの照射が制御される。
フォーマッタ231は、基材レジスト層に描画する任意のパターンが描かれた入力画像に基づいて、基材レジスト層にレーザ光200Aを照射するための制御信号を生成する。具体的には、まず、フォーマッタ231は、基材レジスト層に描画する任意の描画パターンが描かれた入力画像を取得する。入力画像は、軸方向に基材レジスト層の外周面を切り開いて一平面に伸ばした、基材レジスト層の外周面の展開図に相当する画像である。この展開図には、第2の凹凸構造用原盤100の周面形状に相当する画像が描かれている。この画像は、第2の凹凸構造12cの反転形状を示す。なお、第2の凹凸構造用原盤100の原盤凹凸構造120が転写された転写用フィルムを作製し、この転写用フィルムを転写型として用いて基材10上に第2の凹凸構造12cを形成しても良い。この場合、原盤凹凸構造120は第2の凹凸構造12cと同じ凹凸構造を有することになる。
次に、フォーマッタ231は、入力画像を所定の大きさの小領域に分割し(例えば、格子状に分割し)、小領域の各々に凹部描画パターン(つまり、第2の凹凸構造用原盤100の凹部に相当するパターン)が含まれるか否かを判断する。続いて、フォーマッタ231は、凹部描画パターンが含まれると判断した各小領域にレーザ光200Aを照射するよう制御する制御信号に生成する。この制御信号(すなわち、露光信号)は、スピンドルモータ225の回転と同期されることが好ましいが、同期されていなくてもよい。また、制御信号とスピンドルモータ225の回転との同期は原盤基材110が1回転する毎に取り直されても良い。さらに、ドライバ233は、フォーマッタ231が生成した制御信号に基づいてレーザ光源201の出力を制御する。これにより、基材レジスト層へのレーザ光200Aの照射が制御される。なお、露光装置200は、フォーカスサーボ、レーザ光200Aの照射スポットの位置補正等のような公知の露光制御処理を行ってもよい。フォーカスサーボはレーザ光200Aの波長を用いてもよく、他の波長を参照用に用いても良い。
また、レーザ光源201から照射されたレーザ光200Aは、複数系統の光学系に分岐された後に基材レジスト層に照射されても良い。この場合、複数の照射スポットが基材レジスト層に形成される。この場合、一方の光学系から出射されたレーザ光200Aが他方の光学系によって形成された潜像に到達した際に、露光を終了すればよい。
したがって、本実施形態によれば、入力画像の描画パターンに応じた潜像をレジスト層に形成することができる。そして、レジスト層を現像し、現像後のレジスト層をマスクとして原盤基材110及び基材レジスト層をエッチングすることで、原盤基材110上に入力画像の描画パターンに応じた原盤凹凸構造120を形成する。すなわち、描画パターンに応じた任意の原盤凹凸構造120を形成することができる。したがって、描画パターンとして、光学体1の反転形状が描かれた描画パターンを準備すれば、光学体1の反転形状を有する原盤凹凸構造120を形成することができる。
(3−1−4.原盤を用いた第2の凹凸構造の形成方法について)
次に、図7を参照して、第2の凹凸構造用原盤100を用いた第2の凹凸構造12cの形成方法の一例について説明する。第2の凹凸構造12cは、第2の凹凸構造用原盤100を用いたロールツーロール方式の転写装置300によって基材10上に形成可能である。図7に示す転写装置300では、光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)を用いて光学体1を作製する。
転写装置300は、第2の凹凸構造用原盤100と、基材供給ロール301と、巻取りロール302と、ガイドロール303、304と、ニップロール305と、剥離ロール306と、塗布装置307と、光源309とを備える。
基材供給ロール301は、長尺な基材10がロール状に巻かれたロールであり、巻取りロール302は、光学体1を巻き取るロールである。また、ガイドロール303、304は、基材10を搬送するロールである。ニップロール305は、未硬化樹脂層310が積層された基材10、すなわち被転写フィルム3aを第2の凹凸構造用原盤100に密着させるロールである。剥離ロール306は、光学体1を第2の凹凸構造用原盤100から剥離するロールである。
塗布装置307は、コーターなどの塗布手段を備え、未硬化の光硬化性樹脂組成物を基材10に塗布し、未硬化樹脂層310を形成する。塗布装置307は、例えば、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、またはダイコーターなどであってもよい。また、光源309は、光硬化性樹脂組成物を硬化可能な波長の光を発する光源であり、例えば、紫外線ランプなどであってもよい。
転写装置300では、まず、基材供給ロール301からガイドロール303を介して、基材10が連続的に送出される。なお、送出の途中で基材供給ロール301を別ロットの基材供給ロール301に変更してもよい。送出された基材10に対して、塗布装置307により未硬化の光硬化性樹脂組成物が塗布され、基材10に未硬化樹脂層310が積層される。これにより、被転写フィルム3aが作製される。被転写フィルム3aは、ニップロール305により、第2の凹凸構造用原盤100と密着させられる。光源309は、第2の凹凸構造用原盤100に密着した未硬化樹脂層310に光を照射することで、未硬化樹脂層310を硬化する。これにより、第2の凹凸構造用原盤100の外周面に形成された原盤凹凸構造120が未硬化樹脂層310に転写される。すなわち、原盤凹凸構造120の反転形状を有する第2の凹凸構造12cが基材10上に形成される。続いて、第2の凹凸構造12cが形成された基材10は、剥離ロール306により第2の凹凸構造用原盤100から剥離される。ついで、第2の凹凸構造12cが形成された基材10は、ガイドロール304を介して、巻取りロール302によって巻き取られる。なお、第2の凹凸構造用原盤100は縦置きであっても横置きであってもよく、第2の凹凸構造用原盤100の回転時の角度、偏芯を補正する機構を別途設けても良い。例えば、チャッキング機構に偏芯チルト機構を設けても良い。転写は圧空転写により行われても良い。
このように、転写装置300では、被転写フィルム3aをロールツーロールで搬送する一方で、第2の凹凸構造用原盤100の周面形状を被転写フィルム3aに転写する。これにより、基材10上に第2の凹凸構造12cが形成される。
なお、基材10を熱可塑性樹脂フィルムとした場合、塗布装置307及び光源309は不要となる。この場合、第2の凹凸構造用原盤100よりも上流側に加熱装置を配置する。この加熱装置によって基材10を加熱して柔らかくし、その後、基材10を第2の凹凸構造用原盤100に押し付ける。これにより、第2の凹凸構造用原盤100の周面に形成された原盤凹凸構造120が基材10に転写される。なお、基材10を熱可塑性樹脂以外の樹脂で構成されたフィルムとし、基材10と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してもよい。この場合、積層フィルムは、加熱装置で加熱された後、第2の凹凸構造用原盤100に押し付けられる。したがって、転写装置300は、基材10上に第2の凹凸構造12cが形成された転写物を連続的に作製することができる。
また、第2の凹凸構造用原盤100の原盤凹凸構造120が転写された転写用フィルムを作製し、この転写用フィルムを転写型として用いて基材10上に第2の凹凸構造12cを形成しても良い。転写用フィルムの凹凸構造をさらに転写した転写用フィルムを転写型としてもよい。また、電鋳や熱転写などにより第2の凹凸構造用原盤100を複製し、この複製品を転写型として用いてもよい。さらに、第2の凹凸構造用原盤100の形状はロール形状に限られる必要は無く平面状の原盤でもよく、レーザ光200Aをレジスト照射する方法のほか、マスクを用いた半導体露光、電子線描画、機械加工、陽極酸化等、種々の加工方法を選択することができる。また、上述した製造方法によって第2の凹凸構造12cが形成された樹脂フィルムを基材10の両面に貼り付けても良い。
このように、第2の凹凸構造12cは、第2の凹凸構造用原盤100(または原盤凹凸構造120を転写した転写用フィルム)の凹凸構造を基材10上に転写することで基材10上に形成される。なお、図7に示す転写装置300により基材10の一方の表面10A(または10B)上に第2の凹凸構造12cを形成した後、他方の表面10B(または10A)に第2の凹凸構造12cを形成すれば良い。第2の凹凸構造用原盤100は光学体1によらず共通としても良いし、光学体1に求められる反射抑制特性に応じて第2の凹凸構造用原盤100を作製しても良い。いずれにしても、第1の光学層11の意匠毎に第2の凹凸構造用原盤100を準備する必要はない。
(3−1−5.AR膜の形成方法)
第2の光学層12がAR膜となる場合、AR膜は以下の方法により基材10上に形成される。AR膜は、Dry−AR膜とWet−AR膜とに区分される。Dry−AR膜を基材10上に形成する場合、スパッタリングあるいは蒸着により上述した膜材料を基材10上に交互に積層すれば良い。Wet−AR膜を基材10上に形成する場合、各種コーテング法(ディップコーティング法、ダイコーティング法、マイクログラビア法等)により上述した膜材料を基材10上に交互に積層すれば良い。
(3−2.未硬化樹脂層形成工程)
未硬化樹脂層形成工程では、第2の光学層12の一部の上に未硬化の樹脂層を印刷する。ここで、樹脂層は、第1の光学層11を構成するものである。この工程では、第2の光学層12上の領域のうち、発光領域とされる領域に未硬化の樹脂層を印刷する。印刷の種類は特に問われず、第2の光学層12上の所望の位置に未硬化の樹脂層を印刷できる印刷法であればどのような方法であってもよい。印刷法の一例として、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等が挙げられる。これらの印刷法により、まず未硬化の硬化性樹脂組成物(例えば、未硬化の光硬化性樹脂組成物)を第2の光学層12の一部の上に印刷する。組成物の粘度、透明性などは適宜調整されれば良い。なお、一部の印刷方法では印刷用の原盤が必要になる。このような原盤は、意匠毎に用意する必要があるが、印刷用の原盤は、表面に凹凸構造が形成された原盤よりもはるかに安価かつ容易に製造可能である。インクジェット印刷のように原盤が不要であれば、樹脂層の形成はより容易かつ安価に行うことができる。したがって、意匠の異なる様々な樹脂層を容易かつ安価に第2の光学層12上に形成することができる。
(3−3.第1の光学層形成工程)
第1の光学層形成工程では、未硬化の樹脂層を硬化させるとともに、硬化後の樹脂層の表面に第1の凹凸構造11cを形成する。具体的には、図8に示すように、第1の凹凸構造用原盤500を作製する。第1の凹凸構造用原盤500の表面には、原盤凹凸構造520が形成されており、原盤凹凸構造520は、第1の凹凸構造11cの反転形状を有する。
第1の凹凸構造11cの断面形状がランダム形状(異型形状)となる場合、原盤基材510の表面をブラスト加工等の研磨方法により研磨する。これにより、原盤基材510の表面に原盤凹凸構造520を形成する。第1の凹凸構造11cの断面形状が特定の形状となる場合、第2の凹凸構造用原盤100と同様の方法により原盤基材510の表面に原盤凹凸構造520を形成する。原盤基材510の材質は第2の凹凸構造用原盤100と同様であれば良い。
ついで、第1の凹凸構造用原盤500の原盤凹凸構造520を未硬化の樹脂層に密着させる。この状態で未硬化の樹脂層を硬化させる。これにより、第1の凹凸構造用原盤500の原盤凹凸構造520を硬化後の樹脂層に転写させる。この工程は、上述した転写装置300と同様の装置を用いて行われれば良い。第1の凹凸構造用原盤500の原盤凹凸構造520を転写した転写用フィルムを作製し、この転写用フィルムを転写型として用いてもよい。
本工程では、第1の凹凸構造用原盤500が必要になるが、第1の凹凸構造用原盤500を意匠毎に用意する必要はない。未硬化の樹脂層がすでに所望の意匠に形成されているからである。つまり、所望の意匠に形成された未硬化の樹脂層が第2の凹凸構造12cから突出している。このため、第1の凹凸構造用原盤500を、未硬化の樹脂層が形成された面に一様に押し当てることで、未硬化の樹脂層が形成された部分にだけ、第1の凹凸構造用原盤500の原盤凹凸構造510が転写され、第1の凹凸構造11cが形成される。
ここで、上述したように、第1の凹凸構造11cがランダムに形成される場合、第1の凹凸構造11cのRSmは、30〜210μmであることが好ましい。第1の凹凸構造用原盤500をブラスト加工等の研磨方法により作製する場合(つまり、原盤凹凸構造520がランダム形状となる場合)、例えば、研磨材の粒径を小さくする、あるいは研磨時間を長くするとRSmが小さくなる。逆に、研磨材の粒径を大きくすると、RSmが大きくなる。また、研磨材の形状(異形の尖った粒:石を砕いた様な形状や丸いビーズなど)、研磨材の材質等によってもRSmを調整可能である。材質に関しては、原盤基材と研磨材との材質の組み合わせによってRSmを制御することができる。
さらに、第1の凹凸構造11cの断面形状がランダム形状となる場合、第1の凹凸構造11cのRSm/Raは140以下であることが好ましい。この場合、第1の凹凸構造用原盤500は、ブラスト加工等の研磨方法により作製される。したがって、RSm/Raが上述した範囲内の値となるように、ブラスト加工等を行えば良い。例えば、ブラスト加工後にウエットエッチングを行うことで、細かい粗さが取れ、大きな凹凸が残る傾向がある。つまり、表面が比較的緩やかになる。このため、RSm/RaのRSmが優先的に大きくなる。これにより、RSm/Raを調整することができる。
さらに、第1の凹凸構造11cの断面形状が半球形状となる場合、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnが最大伝播角度θに略一致していることが好ましい。この場合、第1の凹凸構造用原盤500は、第2の凹凸構造用原盤100と同様の方法により作製される。したがって、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnが最大伝播角度θに略一致するように、原盤凹凸構造520を設計すればよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第2の光学層12の一部の上に第1の光学層11が形成されている。したがって、第1の光学層11のベースとなる樹脂層を印刷により形成することができる。すでに樹脂層が所望の意匠を形成しているので、樹脂層の表面に共通の原盤(第1の凹凸構造用原盤)を用いて第1の凹凸構造11cを形成することができる。つまり、意匠毎に第1の凹凸構造用原盤を作製する必要がない。さらに、1つの原盤に第1の凹凸構造11c及び第2の凹凸構造12cを形成する必要がない。したがって、光学体1をより容易に作製することができる。
第1の凹凸構造用原盤500及び第2の凹凸構造用原盤100を光学体1の用途等に応じて作製することで、多様な発光輝度及び反射抑制特性を有する第1の光学層11、第2の光学層12を作製することができる。これにより、少量多品種の光学体1の作製に対応することができ、光学体1の生産性が高まる。なお、第1の凹凸構造11cの断面形状がランダム形状となる場合、硬化後の樹脂層の表面を直接ブラスト加工することにより第1の凹凸構造11cを形成しても良い。この場合、第2光学層12はマスクして保護することが好ましい。
<1.実施例1>
次に、本実施形態の実施例について説明する。実施例1では、以下の工程により光学体1を作製した。
(1−1.基材の準備)
基材10として、厚さ3mmのアクリル板(三菱レイヨン社製アクリライト)を準備した。
(1−2.第2の光学層形成工程)
実施例1では、第2の光学層12として、第2の凹凸構造12cを形成した。具体的には、ガラス製の原盤基材110を用意し、上述した方法により第2の凹凸構造用原盤100を作製した。ついで、第2の凹凸構造用原盤100の原盤凹凸構造を転写した転写用フィルムを作製した。具体的には、図7に示す転写装置300を用いて、厚さ125μmの東洋紡社製ポリエステルフィルムの一方の表面に第2の凹凸構造用原盤100の原盤凹凸構造を転写した転写用フィルムを作製した。ここで、光硬化性樹脂組成物として、デクセリアルズ社製の紫外線硬化性アクリル樹脂組成物SK1120を使用した。そして、転写用フィルムを転写型として用いて、基材10の両面に第2の凹凸構造12cを形成した。具体的には、紫外線硬化性アクリル樹脂組成物として、東亞合成社製UVX6366と大阪有機化学工業社製ビスコート#150とを1:1の質量比で混合した組成物を準備した。この紫外線硬化性アクリル樹脂組成物を基材10の表面10A、10B上に塗布することで未硬化の樹脂層を形成した。ついで、未硬化の樹脂層に転写用フィルムの凹凸構造を転写し、未硬化の樹脂層を硬化させた。
第2の凹凸構造12cは、ドットピッチP11:230nm、トラックピッチP12:153nmの千鳥配列とした。したがって、第2の凹凸構造12cの凹凸の平均周期は、可視光波長帯域よりも低くなる。第2の凹凸構造12cの平均高さは250nmとした。
第2の凹凸構造12cの分光正反射スペクトルを図9に示す。分光正反射スペクトルは、分光光度計(型式V−550、絶対反射率測定ユニット付き、日本分光社製)を使用して測定した。また、入射角及び反射角をいずれも5°とし、波長レンジを400〜800nmとし、波長分解能を1nmとした。また、測定光は基材10の表面10Bに照射した。反射率は、表面10A、10Bからの反射に基づいて測定した。この結果、400〜750nmの範囲における平均の反射率は0.8%となった。波長550nmでの反射率は0.38%となった。さらに、450〜700nmの範囲で反射率が概ね1%以下に抑えられていた。したがって、第2の光学層12として十分な機能を有することが確認できた。
(1−3.未硬化樹脂層形成工程)
未硬化樹脂層形成工程では、表面10A側に形成された第2の光学層12の一部の上に紫外線硬化性アクリル樹脂組成物をフレキソ印刷により印刷することで、未硬化の樹脂層を形成した。ここで、紫外線硬化性アクリル樹脂として、第2の光学層形成工程で使用した樹脂組成物と同じ樹脂組成物を使用した。印刷法としてフレキソ印刷を用いた。
(1−4.第1の光学層形成工程)
ガラス製の原盤基材510を準備した。ついで、半球形状の凸部がランダムに配置した原盤凹凸構造を有する第1の凹凸構造用原盤500を作製した。半球形状のサイズ(平面視の半径)、曲率半径、充填率は、第1の凹凸構造11cのRSm及び最大傾斜角度θLnが後述の値となるように調整した。具体的には、半球形状のサイズを75μmとし、曲率半径を33μmとし、充填率を70%とした。ついで、第1の凹凸構造用原盤500の原盤凹凸構造を転写した転写用フィルムを作製した。そして、転写用フィルムを転写型として用いて、未硬化の樹脂層に転写用フィルムの凹凸構造を転写し、未硬化の樹脂層を硬化させた。以上の工程により、光学体1を作製した。
(1−5.光学体の表面形状の測定)
図11に第1の凹凸構造11cの平面光学顕微鏡写真(倍率235倍)を示し、図12に第1の凹凸構造11cの断面SEM写真(倍率1000倍)を示す。第1の凹凸構造11cのRSmを三菱ケミカルシステム社製のVertscan(型番:R5300GL−Lite−AC)を用いて測定したところ、114.1μmとなった。また、断面SEM写真を用いて第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnを測定したところ、68度となった。結果を表1にまとめて示す。
(1−6.輝度測定)
次に、光学体1を発光させた際の輝度を測定した。測定は以下の工程で行った。なお、測定は暗所環境下で行った。まず、光学体1の行方向側の端部にLED光源(アイテックシステム社製LPAC1−2430NCW−R24)を設置した。また、表面10B側に輝度計(コニカミノルタ社製CS1000)を設置した。設置位置は表面10Bから50cm離間した位置とし、輝度計の光軸を表面10Bと垂直とした。ついで、LED光源から高輝度白色光を光学体1に入射し、輝度計で輝度(cd/m)を測定した。輝度は、第1の光学層11に対向する位置、第2の光学層12に対向する位置のそれぞれで測定した。以下、第1の光学層11に対向する位置で測定した輝度を「第1の光学層11の輝度」とも称し、第2の光学層12に対向する位置で測定した輝度を「第2の光学層12の輝度」とも称する。第1の凹凸構造11cの輝度は539cd/mであった。また、コントラスト(第1の凹凸構造11cの輝度/第2の凹凸構造12cの輝度)は77であった。コントラストは、少なくとも1より大きければ可とし、15以上であれば良好とした。結果を表1にまとめて示す。
<2.評価>
表1に実施例1の評価を対比して示す。実施例1では良好なコントラストが得られた。したがって、本実施形態によって良好な反射特性が得られることが確認できた。
<3.実施例2>
「1−4.第1の光学層形成工程」を以下の工程に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。すなわち、ガラス製の原盤基材の表面に後述する実施例4と同様の条件でブラスト加工を行い、その後ウエットエッチングを行うことで、第1の凹凸構造用原盤500を作製した。ブラスト加工およびウエットエッチングは、RSm、RSm/Raが後述の値を満たすように行った。研磨材は多角形のアルミナ材を使用した。ついで、第1の凹凸構造用原盤500の原盤凹凸構造を転写した転写用フィルムを作製した。そして、転写用フィルムを転写型として用いて、未硬化の樹脂層に転写用フィルムの凹凸構造を転写し、未硬化の樹脂層を硬化させた。以上の工程により、光学体1を作製した。図13に第1の凹凸構造11cの平面光学顕微鏡写真(倍率235倍)を示す。図18に第1の光学層11及び第2の光学層12の断面SEM写真(倍率5000倍)を示す。図19に第2の光学層12の断面SEM写真(倍率30000倍)を示す。図20に第1の光学層11と第2の光学層12との境界部分の断面SEM写真(倍率10000倍)を示す。これらの写真によれば、第2の光学層12が基材10上に形成されていること、第2の光学層12上に第1の光学層11が形成されていること、第1の光学層11と第2の光学層12との境界部分でも第2の光学層12がほとんど崩れていないことを確認できる。結果を表2にまとめて示す。
<4.実施例3>
「1−4.第1の光学層形成工程」を以下の工程に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。すなわち、ガラス製の原盤基材の表面に後述する実施例4と同様の条件でブラスト加工を行い、その後ウエットエッチングを行うことで、第1の凹凸構造用原盤500を作製した。ブラスト加工およびウエットエッチングは、RSm、RSm/Raが後述の値を満たすように行った。図14に第1の凹凸構造11cの平面光学顕微鏡写真(倍率235倍)を示す。結果を表2にまとめて示す。
<5.実施例4>
「1−4.第1の光学層形成工程」を以下の工程に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。すなわち、ガラス製の原盤基材の表面にブラスト加工を行うことで、第1の凹凸構造用原盤500を作製した。ブラスト加工は、RSm、RSm/Raが後述の値を満たすように行った。図15に第1の凹凸構造11cの平面光学顕微鏡写真(倍率235倍)を示す。結果を表2にまとめて示す。
<6.実施例5>
「1−4.第1の光学層形成工程」を以下の工程に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。すなわち、実施例3と同様のブラスト加工、ウエットエッチングを行った後に、表面に紫外線硬化樹脂をスピンコーターで塗布、硬化させた。ブラスト加工等は、RSm、RSm/Raが後述の値を満たすように行った。図16に第1の凹凸構造11cの平面光学顕微鏡写真(倍率235倍)を示す。結果を表2にまとめて示す。
<7.実施例2〜5の評価の対比>
表2に実施例2〜5の評価を対比して示す。実施例2〜4では良好なコントラストが得られた。RSm及びRSm/Raの値が上述した好ましい範囲内の値となったからであると推察される。一方、実施例5では、コントラストがやや低くなった。RSm/Raの値が好ましい範囲外の値になったからであると推察される。
<8.RSmに関する考察>
実施例2〜5の結果に基づいて、発光輝度と第1の凹凸構造11cのRSmとの対応関係を検証した。図17に発光輝度と第1の凹凸構造11cのRSmとの対応関係を示す。領域Aは、RSmが30〜210μmとなる領域である。領域A内では、発光輝度及びコントラストのいずれもが高い値となった。
第1の凹凸構造11cが「ブラスト加工」(実施例2〜5)によって形成される場合、RSmが大きいほど発光輝度が小さくなった。この理由を本発明者は以下のように考えている。第1の凹凸構造11cがブラスト加工によって形成される場合(すなわち、断面形状がランダム形状となる場合)、RSmが小さいほど凹凸の密度が高くなる。したがって、発光輝度が高くなると考えられる。
このため、第1の凹凸構造11cの断面形状がランダム形状となる場合、RSmの上限値は、210μm以下であることが好ましく、140μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
<9.最大傾斜角度に関する考察>
(9−1.ベース条件)
本試験例では、シミュレーションを行うことで第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度を考察した。まず、本シミュレーションのベース条件を説明する。
シミュレーションソフトとして、Zemax,LLC社製Zemax OpticStudioを使用した。つまり、電子計算機を当該シミュレーションソフトによって動作させ、シミュレーションを行った。基材10として、長さ0.8mm×幅0.7mm×厚さ0.3mmのアクリル板を使用した。基材10の表面10A上に、第1の凹凸構造11cとして、凸型マイクロレンズである第1の凸部11aをレンズ頂点間距離(ピッチ)が60〜100μmとなる細密構造(充填率100%、六方細密の規則配列)で17個配置した。第1の凹凸構造11cの材質はアクリルとした。なお、本シミュレーションでは、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度を考察するため、第2の光学層12cは省略した。光源20を基材10の4辺の端面から端面の法線方向に0.02mm離れた位置にそれぞれ配置した。光源20のサイズは、長さ0.6mm×幅0.02mmとし、平面部分を基材10の端面に対向させた。光源20の放射角度を半値全幅で60度とした。また、全ての試験で各光源20から出射される光の全光強度は一定とした。表面10B(裏面側)から表面10Bの法線方向に2.0mm離れた位置に長さ1.2mm×幅1.2mmの受光面を配置した。受光面を基材10の各表面に対向させた。そして、光取出し効率の指標として、受光面での全光強度を測定した。
(9−2.最大傾斜角度と最大伝播角度との対応関係)
第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnと最大伝播角度θとの対応関係を評価した。具体的には、ピッチを80μm、100μmのいずれかに固定し、第1の凸部11aの曲率半径を変えることで、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnを変更した。第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnは、17個の第1の凸部11aの最大傾斜角度θの算術平均値とした。そして、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnと最大伝播角度θとの対応関係を確認した。その結果を図24に示す。図24の横軸は第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnを示し、縦軸は、裏面側の全光強度を示す。なお、第1の凹凸構造11cの材質はアクリルなので、n=1.49となり、数式(2)によれば、最大伝播角度θは48度程度となる。
図24によれば、ピッチの大小によらず、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnが50度、つまり最大伝播角度θに略一致する際に、全光強度が最大となった。つまり、光取出し効率が最大となった。さらに、図24によれば、第1の凹凸構造11cの最大傾斜角度θLnが最大伝播角度θとの誤差が±3度以下である場合に全光強度が最も大きくなり、これらの誤差が±5度以下、±7度以下、±10度以下となる順で全光強度が大きくなることがわかった。
<10.実施例6>
上述した実施例1〜5では、いずれも第2の光学層12が第2の凹凸構造12cを有するものであった。そこで、第2の光学層12がAR膜であっても同様の効果を得られることを確認するために、以下の実施例6を行った。
実施例6では、シミュレーションを行うことで、AR膜の特性を確認した。シミュレーションソフトとしてヒューリンクス社製TFCalc.を使用した。具体的には、電子計算機を当該シミュレーションソフトによって動作させ、シミュレーションを行った。本シミュレーションでは、基材10を実施例1で使用したアクリル板とした。また、AR膜として、以下の表3に示す組成のAR膜を使用した。
そして、シミュレーションにより分光正反射スペクトルを測定した。測定条件は実施例1と同様とした。結果を図10に示す。この結果、400〜750nmの範囲における平均の反射率は0.8%となった。波長550nmでの反射率は0.4%となった。さらに、400〜700nmの範囲で反射率が概ね1%以下に抑えられていた。したがって、第2の光学層12として十分な機能を有することが確認できた。したがって、実施例1〜5の第2の光学層12をAR膜に置き換えても同様の結果が得られると推察された。なお、図9、図10を比較すると、第2の凹凸構造12cの波長依存性が低いことがわかる。例えば、第2の凹凸構造12cは、長波長側での特性がより良好である。
<11.実施例7>
実施例7では、第1の光学層11の意匠を変更して実施例1と同様の処理を行った。実施例7の意匠を図21、図22に示す。このように意匠を変更しても、実施例1と同様の結果が得られた。また、実施例1〜7では、第1の凹凸構造11cからの発光を目視で確認することができた。
<12.比較例>
実施例1の第1の光学層11及び第2の光学層12を1つの原盤で作製することを試みた。具体的には、原盤基材の一部の領域に第1の光学層11(第1の凹凸構造11c)の反転形状を形成し、他の領域に第2の光学層12(第2の凹凸構造12c)の反転形状を形成することを試みた。しかし、第1の凹凸構造11cと第2の凹凸構造12cとは別々の工程により作製する必要があるので、非常に手間がかかった。また、第1の凹凸構造11cを形成する位置を正確に位置決めすることも非常に手間がかかった。このため、原盤の製造、ひいては光学体の製造に要する時間が実施例1よりもはるかに長くなった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 光学体
10 基材
10A、10B 表面
11 第1の光学層
11a 第1の凸部
11b 第1の凹部
11c 第1の凹凸構造
11d 端部
12 第2の光学層
12a 第2の凸部
12b 第2の凹部
12c 第2の凹凸構造
12d 高屈折率層
12e 低屈折率層
20 光源
100 第2の凹凸構造用原盤
110 原盤基材
120 原盤凹凸構造
500 第1の凹凸構造用原盤
510 原盤基材
520 原盤凹凸構造

Claims (11)

  1. 基材と、
    前記基材の少なくとも一方の表面に形成され、外来光の反射を抑制する第2の光学層と、
    前記第2の光学層の一部の上に積層され、前記基材の側面から前記基材の内部に入射された内部伝播光を前記基材の外部に取出す第1の光学層と、を備え、
    前記第1の光学層の表面には、前記内部伝播光を反射する第1の凹凸構造が形成されていることを特徴とする、光学体。
  2. 前記第1の凹凸構造がランダムに形成されていることを特徴とする、請求項1記載の光学体。
  3. 前記第1の凹凸構造のRSmが30〜210μmであることを特徴とする、請求項2記載の光学体。
  4. 前記第1の凹凸構造の断面形状がランダム形状となる場合、前記第1の凹凸構造のRSm/Raが140以下であることを特徴とする、請求項3記載の光学体。
  5. 前記第1の凹凸構造が周期的に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の光学体。
  6. 前記第1の光学層は、紫外線硬化性樹脂の硬化物を含むことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の光学体。
  7. 前記第1の凹凸構造の表面には、Al、Ag、及びこれらの合金からなる群から選択される何れか1種以上を含む高反射膜、または白色系インク膜が形成されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の光学体。
  8. 前記第2の光学層は、凹凸の平均周期が可視光波長帯域よりも低い第2の凹凸構造を有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の光学体。
  9. 前記第2の光学層は、高屈折率膜と低屈折率膜とが交互に積層された積層膜を有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の光学体。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の光学体を製造する光学体の製造方法であって、
    前記基材の少なくとも一方の表面に前記第2の光学層を形成する第2の光学層形成工程と、
    前記第2の光学層の一部の上に未硬化の樹脂層を印刷する未硬化樹脂層印刷工程と、
    前記未硬化の樹脂層を硬化させるとともに、硬化後の樹脂層の表面に第1の凹凸構造を形成する第1の光学層形成工程と、を含むことを特徴とする、光学体の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学体と、
    前記光学体の側面に設けられ、前記光学体の側面から前記光学体の内部に光を入射する光源と、を備える、発光装置。
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