JP2003205564A - 反射防止機能付き帯電防止転写箔 - Google Patents

反射防止機能付き帯電防止転写箔

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JP2003205564A
JP2003205564A JP2002005766A JP2002005766A JP2003205564A JP 2003205564 A JP2003205564 A JP 2003205564A JP 2002005766 A JP2002005766 A JP 2002005766A JP 2002005766 A JP2002005766 A JP 2002005766A JP 2003205564 A JP2003205564 A JP 2003205564A
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JP2002005766A
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Satoshi Hamada
聡 浜田
Tomoyuki Suzuki
智之 鈴木
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性の帯電防止機能と共に光反射防止機能
も同時に付与できる様にする。また、反射防止により表
示視認性も向上できる様にする。 【解決手段】 帯電防止転写箔10を、離型面Eに特定
の微細凹凸2Aを有する支持体シート1上に、転写層3
として少なくとも透明導電性層4を積層した構成とす
る。転写層3には、透明接着剤層5や転写後最表面とな
る透明樹脂層6を設ける。透明導電性層は、例えば、樹
脂バインダー中に針状酸化スズ粉末等の透明導電性粉末
を分散した層とする。微細凹凸2Aの形状は、微細凹凸
の最凹部に於ける周期をPMAXを、可視光の波長帯域の
真空中に於ける最小波長λMIN以下、水平断面内での支
持体シート材料部分の断面積占有率が、微細凹凸の最凹
部から最凸部に行くに従って連続的に漸次減少して行く
様な形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、テレビの
リモートコントローラ等の各種電気機器に於けるLCD
等を用いた表示部の窓材等に、帯電防止機能と光反射防
止機能とを同時に付与できる転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LCD(液晶表示ディスプレイ)
に代表される表示パネルの普及には目覚しいものがあ
る。例えば、パソコン用モニターディスプレイ、大型液
晶テレビ等の表示機器等の用途の他、表示パネルを表示
部として採用した機器、例えば、ビデオデッキ、CDプ
レーヤ、MDプレーヤ等の各種オーディオ機器、これら
を遠隔操作するリモートコントローラ、或いは、洗濯
機、冷蔵庫、エアコン、炊飯器等の家電製品、或いは、
携帯型MDプレーヤ、ビデオカメラ、携帯電話等の各種
携帯機器、その他電気機器等、あらゆる用途で、表示パ
ネルが使用される様になってきた。
【0003】ところで、これらのなかでも、モニターデ
ィスプレイや大型液晶テレビ等の表示機器では、表示パ
ネル自体を直接外面に露出させる構造が多いが、この他
の機器、例えば上記したオーディオ機器、リモートコン
トローラ、家電製品、携帯機器等では、塵、外力、水等
から保護する為にLCD等の表示パネルの前面に、透明
樹脂板等からなる窓材を配置した構造とすることが多
い。
【0004】そして、これらの各種電気機器は帯電防止
性能が要求される場合が多い。それは、静電気帯電によ
って、塵の付着や、機器の誤動作を生ずるからである。
そこで、従来、カーボンブラックや金属粉末等の導電性
粉末を含有する導電性塗料の塗膜を形成したりしてい
る。但し、帯電防止機能を付与する物品が、上記窓材の
如き透明性が要求される物品である場合には、カーボン
ブラック等を用いた不透明な導電性塗料では透明性が損
なわれ適さない。そこで、特開昭57−85866号公
報等では、この様な透明性が要求される用途に対して、
粒径0.2μm以下の酸化スズ微粉末を用いた透明導電
性塗料が開示している。但し、塗料で塗膜形成するので
は、溶剤乾燥が必要で作業性や生産性が悪い。また、塗
料の溶剤で溶ける様な樹脂に適用できない。この様な場
合には、特開平2−208024号公報等で開示の如
く、透明導電性塗料による塗膜を転写箔の転写層として
用意しておき、転写により透明導電性層を形成する方法
もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た様な窓材では、帯電防止性能とは別の課題として、窓
材を表示部に配置した事により、その表裏両面で外光が
反射し、表示の視認性が低下するという問題が起こる。
また、表示パネルからの光も、その一部は、窓材で反射
され表示パネル側に戻される為、表示パネルの光の利用
効率が低下し、その分、視認性が低下する。特に、携帯
機器では低消費電力化は重要な性能要件であり、視認性
低下を補う為に表示パネルへの給電量は増やせないとい
う問題もある。
【0006】この様な光反射の問題に対しては、反射防
止膜を更に設ければ良いのだが、従来から一般的であ
る、蒸着、スパッタリング等による反射防止膜は、1回
又は多数回のバッチ処理により、屈折率と厚みを制御し
た薄膜を形成する必要があるので、製品の安定性、良品
率等に問題がある上、バッチ式生産となるので、生産性
が低く、この為、コストも高くなるという問題があっ
た。一方、表面を光波長以上のスケールで梨地化し、そ
の凹凸面の鏡面乱反射によって光を拡散させて光(の
正)反射を低減する防眩技術(特開平9−193332
号公報等参照)による光反射防止処理もあるが、この反
射防止処理では、光反射率が低下した分を、光の透過率
の増大に結びつける事は出来ない。従って、光の利用効
率は向上できないという問題がある。例えば、前記表示
部の窓材に於ける、表示光の利用効率である。しかも、
この様な反射防止膜を、帯電防止用の透明導電性層の他
に更に設ければ、工程増となり生産性も悪い。
【0007】すなわち、本発明の課題は、LCD等を用
いた各種表示部の窓材等の光関連部品や光学素子等とし
て利用し得る物品に対して、透明性の帯電防止機能と共
に光反射防止機能も同時に付与できる様にする事であ
る。しかも、その光反射防止機能は、表示部の窓材等に
好適な光学性能として、光反射低減と共に光透過率も向
上できる様にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明では転写箔から転写層を転写する事によ
って帯電防止機能と光反射防止機能とを同時に付与でき
る様にした。すなわち、本発明の転写箔は、支持体シー
ト上の透明な転写層として少なくとも透明導電性層が積
層されて成る帯電防止転写箔において、上記支持体シー
トの転写層側の離型面には、転写後の転写層表面を凹凸
面とする反射防止用の微細凹凸が形成され、該微細凹凸
は、可視光の波長帯域の真空中に於ける最小波長をλ
MIN、該微細凹凸の最凹部に於ける周期をPMAXとしたと
きに、 PMAX≦λMIN なる関係を有し、且つ該微細凹凸をその凹凸方向と直交
する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける支持
体シートの材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の最
凹部から最凸部に行くに従って連続的に漸次減少して行
く様な凹凸である構成の反射防止機能付き帯電防止転写
箔とした。
【0009】この様な構成の帯電防止転写箔とすること
で、被転写体とする物品表面に転写された転写層によっ
て、該転写層中の透明導電性層によって透明性を損なわ
ずに帯電防止機能を付与できる。しかも、転写された転
写層表面には本発明特有の微細凹凸が賦形されるので、
物品表面の光反射は該微細凹凸によって防止される。従
って、転写の1工程にて、帯電防止機能と光反射防止機
能との両機能を同時に物品に付与できる。なお、微細凹
凸によって光反射が防止されるのは、簡単に言えば、物
質表面に、反射防止すべき光の波長以下のサイズの微細
凹凸を設けると、該表面と空気間の屈折率変化を、実質
的に穏やかで連続的なものにできるので、急激で不連続
な屈折率変化の場合に生じる現象である光反射を防げる
からである。
【0010】しかも、本微細凹凸による反射防止は、凹
凸でも光波長以上のサイズの凹凸である梨地面等の様な
鏡面乱反射によって光反射を低減する防眩性のものでは
無く、物品表面と空気との界面の急激な屈折率変化を緩
和する事によって実現している為に、光反射率が低減し
た分、光透過率が向上する。従って、例えば、ディスプ
レイ等の表示部の窓材等に適用した時には、表示の視認
性を向上させると共に、表示光の光の利用効率も上げら
れる反射防止機能付き帯電防止転写箔となる。
【0011】また、本発明の反射防止機能付き帯電防止
転写箔は、上記構成に於いて、転写層として、透明導電
性層上に更に透明接着剤層が積層されて成る構成とし
た。
【0012】この様な構成とする事で、転写層としての
透明導電性層の材料が、被転写体となる物品に接着させ
難い場合でも、透明接着剤層によって容易に接着させて
転写できる。また、被転写体側に接着剤を施したり、或
いは、転写層の透明導電性層の一成分として接着性の熱
可塑性樹脂を用いたりしなくても、転写層を被転写体表
面に自由に転写移行させる事ができ、転写層の材料選択
の自由度、物品の適用範囲の拡大が図れる。
【0013】また、本発明の反射防止機能付き帯電防止
転写箔は、上記いずれかの構成に於いて更に、転写層と
して、支持体シートに接する様に透明樹脂層を有する構
成とした。
【0014】この様な構成とすることで、透明樹脂層
は、支持体シートと転写層との離型性向上の為の剥離
層、或いは、転写後の転写層表面(微細凹凸表面とな
る)の微細凹凸層、或いは、転写後の転写層表面の表面
強度向上の為のハードコート層、或いはこれら2種以上
を兼用する層等として用いることが可能であり、透明導
電性層一層のみで、これら性能を出さなくても済み、転
写性、表面強度等の各種物性が容易にバランス良く得ら
れる様になる。
【0015】また、本発明の反射防止機能付き帯電防止
転写箔は、上記いずれかの構成に於いて更に、透明導電
性層が、樹脂バインダー中に透明導電性粉末が分散され
て成る構成とした。
【0016】この様な構成とすることで、透明導電性層
を蒸着やスパッタリング等の物理的形成手段によらずに
塗工により塗膜として連続的に容易に形成でき、生産性
にも優れる。
【0017】また、本発明の反射防止機能付き帯電防止
転写箔は、上記構成に於いて更に、透明導電性粉末が、
針状の酸化スズ粉末である構成とした。この様な構成と
することで、導電性粉末の形状が球状の場合に比べて、
少量の添加でより大きな導電性が得られ且つ透明性も良
くできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】〔概要〕先ず、図1に本発明の反射防止機
能付き帯電防止転写箔(以下これを、単に「帯電防止転
写箔」とも呼称する)の形態例のうちの幾つかを例示す
る。図1(A)に例示する本発明の帯電防止転写箔10
は、支持体シート1の離型面Eに、これらか詳述する本
発明特有の微細凹凸2Aが形成され、該離型面上に転写
層3として透明導電性層4が積層された構成の転写箔で
ある。この微細凹凸2Aによって、透明性を備えた帯電
防止機能と共に光反射防止機能も転写で物品表面に付与
できることになる。一方、透明導電性層4は、具体的に
は、例えば、透明導電性粉末として針状の酸化スズ粉末
等を、樹脂バインダー中に分散した塗料による塗膜とし
て形成される。但し、透明導電性層4は、この他、スパ
ッタリング法等で形成される、酸化スズやITO等の金
属薄膜でも良いが生産性は上記樹脂バインダー使用のも
の方が良い。なお、光反射防止用の上記微細凹凸2A
は、光波長以上の大きさの凹凸による梨地面等を利用し
て光を鏡面乱散乱させる防眩処理による従来公知の反射
防止処理とは異なり、可視光線の波長以下の大きさの本
発明特有の形状の凹凸である。
【0020】透明な転写層3は、少なくとも透明導電性
層4から構成されるが、更に例えば図1(B)〜図1
(D)に例示の形態例の如く、他層を含む構成としても
良い。図1(B)に例示の帯電防止転写箔10は、図1
(A)の構成に対して、転写層3として更に、透明導電
性層4上に透明接着剤層5を積層した構成であり、被転
写体との接着性を出し易い点で、好ましい形態である。
また、図1(C)に例示の帯電防止転写箔10は、図1
(A)の構成に対して、転写層3として更に、透明導電
性層4の下側、つまり支持体シート1側で該支持体シー
ト1と接する様に、透明樹脂層6を積層した構成であ
り、転写時の離型性、転写後の転写層表面強度向上等を
出し易い点で、好ましい形態である。また、図1(D)
に例示の帯電防止転写箔10は、上記図1(C)の構成
に対して、転写層3として更に、透明導電性層4上に透
明接着剤層5を積層し、転写層3が支持体シート1側か
ら、透明樹脂層6、透明導電性層4及び透明接着剤層5
の3層を有するものとした構成であり、透明接着剤層5
及び透明樹脂層6による上述した各効果が得られる点
で、好ましい形態である。
【0021】なお、本発明の説明では、微細凹凸につい
て、支持体シート上のものと転写層上のものとを含めて
言及する場合は別として、支持体シート上のものは微細
凹凸2A、該微細凹凸2Aとは逆凹凸形状となる転写層
上のもの、すなわち、転写後に転写層表面に露出し顕在
化する凹凸形状は微細凹凸2として、符号の違いで区別
して使用する。
【0022】そして、各種物品(被転写体)の帯電防止
加工として、この様な本発明の帯電防止転写箔10か
ら、その透明な転写層3を物品を構成する基材に転写す
ることで、図10に例示の如く、基材7上の転写後の転
写層3表面に、上記微細凹凸2Aとは逆凹凸関係の微細
凹凸2が形成(賦形)された、帯電及び帯電防止物品2
0が得られる。なお、この図10に例示の場合、透明な
転写層3は、基材7側から順に、透明接着剤層5、透明
導電性層4、透明樹脂層6の3層を有する構成である。
また、帯電防止転写箔から、その転写層を基材表面に転
写するには、ローラ転写法、ホットスタンプ法、射出成
形同時転写法等の従来公知の各種転写法を適宜採用すれ
ば良い。
【0023】以下、本発明の帯電防止転写箔について、
微細凹凸、支持体シート、転写層の順に詳述する。
【0024】〔微細凹凸〕先ず、帯電防止転写箔10の
支持体シート1が有する微細凹凸2Aから、その逆凹凸
形状として、基材7上に転写された転写層3の表面が有
する微細凹凸2が、反射防止効果を有するのは、次の様
な理由による。すなわち、該微細凹凸2によって、物品
表面と、外界(空気)との間の急激で不連続な屈折率変
化を、連続的で漸次変化する屈折率変化に変えることが
可能となるからである。それは、光の反射は、物質界面
の不連続な急激な屈折率変化によって生じる現象である
から、物品表面に於ける屈折率変化を、空間的に連続的
に変化する様にすることによって、該物品表面に於ける
光反射が減るのである。
【0025】そして、支持体シートが有する微細凹凸2
Aから、転写後の転写層3表面に与えられる微細凹凸2
が、反射防止効果を有する理由は、次の様に説明でき
る。
【0026】図2〜図4は、物品表面に賦形された微細
凹凸2によって得られる屈折率分布を、該物品の表面を
構成する事になる転写後の転写層3の部分のみに注目し
て、概念的に説明する概念図である。先ず、図2は、微
細凹凸2が表面に付与された転写層3が、Z≦0の部分
の空間を占め、該転写層の表面、すなわちZ=0に於け
るXY平面上に、Z軸方向を凹凸方向とする多数の微細
凹凸2が配置された状態を示す。
【0027】そして、本発明が支持体シート1上の微細
凹凸2Aを、その最凹部に於ける周期をPMAXとしたと
きに、このPMAXが、可視光の波長帯域の真空中に於け
る最小波長をλMIN以下としてあるのは、該微細凹凸2
Aから、転写後の転写層表面に付与される微細凹凸2
は、逆凹凸形状となるので、該微細凹凸2について、図
2の如く、その最凸部2tに於ける周期をPMAXとした
ときに、このPMAXが、可視光の波長帯域の真空中に於
ける最小波長をλMIN以下となる様にする為である。微
細凹凸2Aをこの様な形状としてある為、それと逆凹凸
形状となる微細凹凸2を有する面への到達光に対して
は、媒質(転写層、及び空気)の屈折率に空間的な分布
があっても、それは注目する波長以下の大きさの分布で
ある為に、その分布がそのまま直接に光に作用せず、そ
れが平均化されたものとして作用する。従って、平均化
された後の屈折率(有効屈折率)が光が進行するに従っ
て連続的に変化する様な分布にしておけば、光の反射を
防げるのである。
【0028】なお、本発明に於いて、(微細凹凸2Aに
於ける)最凹部(すなわち、図2で示す微細凹凸2での
最凸部2tに該当。)に於ける周期PMAXとは、隣接す
る微細凹凸2Aの最凹部間の距離のうち最大の距離であ
って、個々の微細凹凸2Aが規則的に配置され周期性を
有する(隣接する微細凹凸2A同士間の距離が同一)構
成でも良いが、周期性が無い(隣接する微細凹凸2A同
士間の距離が不揃い)構成でも良い。
【0029】そして、図2では、直交座標系として、転
写後の転写層3の表面の包絡面に立てた法線方向にZ軸
を、また、それと直交する平面内にX軸、Y軸をとる。
そして、今、光が図面上方から転写層に入光して、該転
写層内部を進み、該転写層の表面近傍をZ軸の負方向に
向かって進行しつつあり、丁度、Z軸座標がzのところ
に存在するとする。
【0030】すると、ここのZ=zに居る光にとって
は、媒体の屈折率は転写層3表面が特定の微細凹凸2を
なす為、厳密には、Z=zに於いてZ軸と直交するXY
平面(横断面:水平断面)内に於いて、分布f(x,
y,z)を持つ様に見える。すなわち、XY平面内に於
いて、転写層3の断面部分は屈折率nb(通常1.5程
度)、其の他の部分、具体的には空気aの部分は屈折率
a(=1.0程度)となる(図3参照)。ところが実
際には、光にとっては、その波長(反射防止の対象とす
る光の波長が分布を有する場合は、その波長帯域の最小
波長λMINを考えれば良い。)よりも小さな空間的スケ
ールの屈折率分布は、平均化されたものとして作用する
結果、平均化された結果の有効屈折率は、前記XY平面
内に於いて、屈折率分布f(x,y,z)をXY平面内
に於いて積分したもの、
【0031】
【数1】
【0032】となる。その結果、有効屈折率(nef)の
分布はzのみの関数nef(z)となる(図4参照)。
【0033】よって、もしも、微細凹凸2に於ける転写
層の凸部の断面積が、凹部に向かって連続的に増大する
様な形状であれば(XY平面内に於ける)転写層部分と
空気部分との面積比がZ軸方向に向かって連続的に変化
する為、有効屈折率nef(z)はzに付いての連続関数
になる。
【0034】一方、屈折率n0の媒質から、屈折率n1
媒質に光が入射する場合を考える。今、簡単の為に、入
射角θ=0°(垂直入射)を考える。但し、入射角は入
射面の法線に対する角度とする。この場合、媒質界面で
の反射率Rは、偏光、及び入射角には依存せず、下記の
〔式2〕となる。
【0035】
【数2】
【0036】従って、(有効)屈折率のZ方向への変化
が連続関数であるということは、Z方向(光の進行方
向)に微小距離Δz隔てた2点、Z=zに於ける屈折率
ef(z)をn0、Z=z+Δzに於ける屈折率n
ef(z+Δz)をn1、としたときに、
【0037】Δz→0 ならば、 n1→n0
【0038】となり(連続関数の定義より)、よって、
〔式2〕より、
【0039】R→0
【0040】となる。
【0041】なお、ここで、より厳密に言うと、物体中
での光の波長は、真空中の波長をλ、物体の屈折率をn
としたときに、λ/nとなり、λよりは一般に或る程度
小となる。但し、物体が空気の場合の屈折率はn≒1の
為、λ/n≒λと考えて良い。但し、透明導電性層や透
明樹脂層等の転写層の最表面層に使われる材料が樹脂の
場合、その屈折率は、通常1.5前後の屈折率である
為、屈折率nbの転写層中の波長(λ/nb)は、0.7
λ程度となる。この点を考慮すると、微細凹凸2の部分
に於いて、空気の側の部分(微細凹凸2の凹部)につい
て見れば、
【0042】PMAX≦λMIN
【0043】の条件を満たすとき、屈折率平均化による
反射率低減効果が期待出来る。但し、
【0044】λMIN/nb≦PMAX≦λMIN
【0045】である場合は、転写層の部分(微細凹凸2
の凸部)の寄与について見れば、屈折率平均化による反
射率低減効果は、少なくとも完全には期待出来ないこと
になる。しかし、それでも、空気部分に於ける寄与の
為、全体としては反射防止効果を有する。そして、
【0046】PMAX≦λMIN/nb
【0047】の条件までも満たす場合は、空気部分、転
写層部分とも、周期PMAXが、最短波長よりも小さいと
言う条件が完全に満たされる為、屈折率平均化による反
射防止効果は、より完全となる。具体的には、λMIN
可視光波長帯域の下限380nm、nbを仮に1.5と
すれば、λMIN/nbは250nm、つまりPMAXは25
0nm以下とすれば良い。
【0048】次に、転写後の転写層3の表面形状である
微細凹凸2の形状は、微細凹凸2をその凹凸方向と直交
する面(XY平面)で切断したと仮定したときの断面
(水平断面)内に於ける転写層の材料部分の断面積占有
率が、該微細凹凸2の最凸部(頂上)から最凹部(谷
底)に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状とす
る。この為には、微細凹凸の山は少なくともその一部の
側面が斜めの斜面を有するものとすれば良いが、下記す
る図5(C)の様に斜面と共に垂直側面がある形状の微
細凹凸でも良い。特に、好ましくは、最凸部に於いて完
全に0に収束し、且つ最凹部に於いて完全に1に収束す
る形状とする。具体的には例えば、図5(B)、図5
(C)の如き形状が挙げられる。但し、図5(D)、或
いは図5(E)の如く、最凸部に於いては、ほぼ0に漸
近した形状、或いは、最凹部に於いてほぼ1に漸近する
様な形状であれば、或る程度の効果は得られる。微細凹
凸の形状は、この様な条件を満たせば、どんな形状でも
良い。従って、微細凹凸2の斜面は、直線や曲線の他、
折れ線、或いは、これらの組合わせ等でも良い。
【0049】例えば、個々の微細凹凸2の垂直断面形状
は、図5(A)の如き正弦波等の曲線のみによる波状の
形状〔図2も参照〕、図5(B)及び図5(C)の如き
三角形等の直線のみによる形状、或いは、図5(D)の
如き三角形の最凸部が平坦面を成す形状である台形の形
状、図5(E)の如き隣接する三角形間の最凹部が平坦
面を成す形状等である。但し、図5(D)や図5(E)
の如く、最凸部或いは最凹部に平坦面を有する形状で
は、最凸部或いは最凹部の平坦面の部分で、その平坦面
の占める面積割合が大きい程、有効屈折率の変化がより
大きく不連続となる。その点で性能的には劣るものとな
る。しかし、この場合でも、微細凹凸2の最凸部から最
凹部に行くに従って有効屈折率を連続的に変化させるこ
とは出来る。従って、反射防止性能の点では、最凸部或
いは最凹部の平坦面の面積割合は少ない程好ましい。な
お、もちろんだが、これら微細凹凸2の形状を転写され
た転写層表面に付与するには、その形状の逆凹凸形状と
した微細凹凸2Aを、支持体シートの離型面の凹凸形状
とすれば良い。
【0050】また、有効屈折率nef(z)を空気中から
転写層中に向かうZ方向の関数として、naからnbに連
続的に変化する様にする為には、微細凹凸の最凸部に於
いて、転写層の断面積占有率が0に収束する図5(B)
或いは図5(C)の如き形状(すなわち、尖った形状)
で且つ最凹部に於いて該断面積占有率が連続的に1に収
束する形状が最も好ましい。
【0051】次に、賦形で形成すべき微細凹凸2につい
て、個々の微細凹凸2の水平断面形状は、円形(例えば
図2)、楕円形、三角形、四角形、長方形、六角形、其
の他多角形等任意である。なお、水平断面形状は、微細
凹凸2の最凸部から最凹部の全てにわたって同じである
必要は無い。従って、微細凹凸2の立体形状は、例え
ば、水平断面形状が円形で垂直断面形状が正三角形の場
合の微細凹凸2の立体形状は円錐に、水平断面形状が円
形で垂直断面形状が三角形の場合の微細凹凸2の立体形
状は斜円錐に、水平断面形状が三角形で垂直断面形状が
正三角形の場合の微細凹凸2の立体形状は三角錐に、水
平断面形状が四角形で垂直断面形状が三角形の場合の微
細凹凸2の立体形状は四角錐になる。
【0052】また、微細凹凸2の、水平面内に於ける配
置は、図2で例示した如く二次元的配置の他に、図6
(A)の斜視図で例示の直線溝状の微細凹凸2の如く、
一次元的配置でも良く、どちらも効果は得られる。但
し、一次元的配置の場合は、光の波の振幅方向との関係
で、反射防止効果が得られる方向と得られない方向とが
出る、異方性が発生する。従って、図2の斜視図や図6
(B)及び(C)の平面図で例示の様な二次元的配置の
方が、方向性が全く無い点で好ましい。
【0053】なお、個々の微細凹凸2の立体形状は全て
同一でも良いが、全て同一で無くても良い。また、個々
の微細凹凸2を二次元配置する場合に、周期は、個々の
微細凹凸2に於いて全て同一でも良いが、全て同一で無
くても良い。
【0054】また、微細凹凸2の高さHは、希望する反
射率の低減効果と転写層表面に入射する可視光帯域の最
大波長に応じて決定する。例えば、特開昭50−700
40号公報(特にその第3図)記載の反射率、微細凹凸
の高さ、及び光波長との関係を基に設計する場合、例え
ば、可視光帯域での反射率を、2%(未処理硝子の半
分)以下に低減させることを目標とするならば、その最
小高さHMINが0.2λM AX以上、すなわち、
【0055】HMIN≧0.2λMAX
【0056】また、可視光帯域での反射率を0.5%以
下にまで低減させることを目標とするならば、
【0057】HMIN≧0.4λMAX
【0058】とするのが好ましい。なお、ここで、λ
MAXは、可視光波長帯域の真空中に於ける最大波長であ
る。微細凹凸2の高さHは、ゼロから高くなるに従って
反射率が低下して行くが、上記不等号条件を満足させる
高さまで達すると、有為な効果が得られる様になる。具
体的には、例えば、発光スペクトルの最大波長が、λ
MAX=640nmの蛍光灯を用いたとすれば、HMIN
0.2λMAX=128nmとなる。すなわち、HMINは1
28nm以上とすれば良い。また、スペクトルの最大波
長がλMAX=780nmの太陽光線を考えるならば、H
MIN≧0.2λMAX=156nm、すなわち、HMINは1
56nm以上とすれば良い。また、最小高さHM INと周
期PMAXとの関係では、最小高さHMIN/周期PMAXの比
を、1/2〜4/1程度とする。
【0059】ここで、転写後の形状である微細凹凸2
で、その具体的形状及び大きさを例示すれば、形状は垂
直断面が正弦波状で水平断面が円形の円錐状の形状のも
のを多数、二次元的に規則的配置した集合体であり、周
期期PMAXが50〜250nm、最小高さHMINを前記周
期PMAXの1.5倍としたもの等がある。
【0060】ところで、以上の如き本発明特有の微細凹
凸は、特開昭50−70040号公報に開示された、繰
返周期が光の波長以下の極めて微細な微細凹凸を表面に
設けることによって表面反射率を減少させる技術を、応
用したものである。同号公報に開示された技術をここで
説明すれば、表面反射を減らすべきレンズ等の光学部品
に対して、その表面にフォトレジスト等を塗布し、露光
し、現像する等して、レジストパターンを作製し、該パ
ターンによりガラス基材を腐蝕することで、光学部品の
表面に一品毎に直接、微細凹凸を造形する方法である。
但し、この方法では、作業能率が悪く、工業製品に必要
な生産性(量産性)は得られない。そこで、本発明に於
いては、帯電防止転写箔の支持体シートの離型面に賦形
型として微細凹凸2Aを後述する如き適宜な複製操作に
より設けておき、この転写箔から転写により、物品表面
上に帯電防止加工と同時に微細凹凸2を賦形すること
で、工業的量産性を実現したものである。
【0061】〔支持体シートとその微細凹凸2Aの形成
法〕支持体シート1の離型面に上述微細凹凸2Aを持た
せる方法は、特に限定は無い。但し、工業的生産性、コ
ストを考慮すると、下記の如き原型から複製した複製型
を用いて支持体シートに微細凹凸2Aを形成すると良
い。すなわち、最初に一旦、原型(これを原版、或いは
マザー版とも呼ぶ)を作製した後、この原型から複製型
を作製する型取・反転による複製操作を、1回又は2回
以上の多数回行い、その結果、得られた複製型(これを
本版、或いはマスター版とも呼ぶ)を、賦形型として使
用して、支持体シート上に微細凹凸2Aを形成するので
ある。この様な賦形型を用いることで、支持体シートを
製造する点に於いても、工業的生産性、コスト等に優れ
た方法となる。例えば、賦形型が傷付いたとしても、賦
形型は容易に再作製できるからである。
【0062】賦形型の元となる原型としては、必要な微
細凹凸が形成されているのものであれば、その作製方法
には基本的には特に限定は無く、生産性、コスト等を考
慮して適宜なものを使用すれば良い。原型の作製は、最
終目的とする微細凹凸2を賦形する為の凹凸形状を最初
に造形する工程であり、半導体分野等に於ける微細加工
技術、すなわち、光(含む電子ビーム)をパターン形成
に利用する所謂露光法を利用できる。但し、半導体の場
合は、凹凸形状はその側面が通常垂直面で良く、本発明
の如く斜面にする必要は特に無いため、本発明では、斜
面が形成できる様にして微細加工する。
【0063】露光法に該当する微細加工技術としては、
例えば、電子線描画法を利用できる。この方法では、先
ず、ガラス基板の上にレジスト層を形成した後、電子線
描画法により該レジスト層を露光し現像してパターニン
グしてレジストパターン層とする。この後、腐蝕マスク
に該レジストパターン層を利用してガラス基板をドライ
エッチング法等により腐蝕することで、ガラス基板に微
細凹凸形状が形成される。この際、エッチング時にサイ
ドエッチングさせて、斜面を形成する。また、ガラス基
板腐蝕時の腐蝕マスクとしてはレジストパターン層自体
を直接用いても良いが、斜面を有する深い凹凸形状を形
成するには、好ましくは、ガラス基板上にクロム等によ
る金属層を設けた後、レジスト膜を形成してレジストパ
ターン層を得、前記金属層をこのレジストパターン層を
利用して金属パターン層としてたものを、腐蝕マスクと
して用いるのが良い。
【0064】また、レジスト膜へのパターン形成に際し
ては、電子線描画法の他の露光法として、レーザ描画法
も利用できる。レーザ描画法では、ホログラム、回折格
子等の作製等に利用されているレーザ干渉法が利用でき
る。回折格子の場合は、一次元的配置であるが、角度を
変えて多重露光すれば、二次元配置も可能となる。但
し、レーザ干渉法では、得られる微細凹凸は、通常規則
的配置となるが、電子線描画法では、予め所定の描画パ
ターン情報を記憶装置にデジタルデータとして記憶して
おき、該描画パターン情報により、走査する電子線のO
N、OFF、乃至は強弱を変調する。その為、規則配置
の他にも、不規則配置も可能である。また、レーザー描
画法及び電子線描画法には各々長所、短所が有る為、設
計諸元、目的、生産性等を考慮の上、適宜な手法及び条
件を選択する。
【0065】次に、上記原型から賦形型として使用する
複製型を作製する方法としては、公知の方法、例えば、
原型にニッケル等の金属めっきを行って、めっき層を剥
がせば金属製の複製型を作製できる(電鋳法)。或い
は、この複製型にもう一度めっきして、再度複製した型
を賦形型とするなど、2以上の多数回の複製操作を経て
賦形型を作製しても良い。この際、賦形型は、原型から
直接或いは多段複製工程を経て得られたプレート状のニ
ッケル電鋳版を、中空円筒状の鉄等による金属シリンダ
ー表面に貼り込んだ円筒状の版を賦形型とする事によっ
て、連続帯状の支持体シートも容易に製造出来る様にな
る。
【0066】そして、以上の様にして得られた賦形型を
用いて、支持体シートの離型面とする側の表面に微細凹
凸2Aを持たせることができる。この様な支持体シート
の作製方法は特に限定は無いが、次に詳述する、円筒状
の賦形型上(成形版胴)で樹脂硬化する方法(以降、
「成形版胴法」と呼称する)等が量産性、形状再現性等
の点で好適である他、その他の公知の複製方法、例え
ば、2P法(Photo−polymerizatio
n法)、熱エンボス法等でも作製できる。なお、成形版
胴法は、賦形型に特に円筒状の型を用いる形式の2P法
と言える方法である。また、2P法では、必要に応じ適
宜、フォトポリマーに揮発溶剤を添加した組成物を使用
しても良い。また、熱エンボス法の場合は、転写時は高
温に加熱されない帯電防止転写箔の利用方法とするか、
加熱されたとしてもそれに耐え得る耐熱性を備えた樹脂
を支持体シートに使うと良い。
【0067】成形版胴法では、図7に示す如く、素材シ
ート11に微細凹凸2Aを形成して支持体シート1を作
製する。この為に、フォトポリマーとして液状の電離放
射線硬化性樹脂(の未硬化物)を、成形版胴(ロール凹
版、賦形版とも呼称される)50の少なくとも凹部に充
填させると共に該樹脂に素材シートを接触させ、該樹脂
が素材シートと成形版胴との間に保持されている状態で
電離放射線を照射して該樹脂を硬化させて微細凹凸とす
る事で、素材シート11に微細凹凸2Aを賦形する。こ
の結果、微細凹凸2Aが素材シート11の表面に形成さ
れた支持体シート1が作製される。但し、図7に於いて
は、図示の便宜上、微細凹凸2Aの寸法を実際よりも大
幅に拡大して図示してある。なお、この様な成形版胴法
による凹凸形成方法は、特開昭57−87318号公
報、特公昭57−22755号公報、特公昭63−50
066号公報、特開平7−32476号公報等に開示さ
れるものであって、成形版胴の凹凸形状を忠実に電離放
射性硬化性樹脂の硬化物(微細凹凸)として素材シート
に賦形する方法である。この方法は基本的には、以下の
工程からなる(図7参照)。
【0068】(1)表面に目的とする微細凹凸2Aの凹
凸形状と同形状且つ逆凹凸の凹凸形状(微細凹凸2と同
形状)40を形成した円筒形状の成形版胴50を用意
し、これを軸芯60の回りに回転させる。 (2)連続帯状の素材シート11を、該成形版胴50の
周速度と同速度で供給する。 (3)該素材シート11と該成形版胴50とを、その間
に電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物70を介し
て重ね合わせて密着させ、該液状組成物が該成形版胴の
少なくとも凹部を完全に充填する様にする。 (4)その状態のままで電離放射線照射装置80から電
離放射線81を照射して、該液状組成物を架橋、硬化さ
せる。 (5)而る後に、素材シート11を、それに接着し且つ
成形版胴上の凹凸形状40が賦形された電離放射線硬化
性樹脂の硬化物からなる微細凹凸2Aと共に、成形版胴
から剥離除去する。この結果、微細凹凸2Aが素材シー
ト11に接着した構成で支持体シート1が得られる。
【0069】以上の方法に於いて、成形版胴50として
は、公知の凹版、グラビア版、エンボス版と基本的に
は、同様の材料、同様の構造、同様の製法によるものを
用いれば良い。成形版胴の材料としては、通常は鉄、銅
等の金属が用いられる。但し、成形版胴内部から紫外線
或いは可視光線を照射する場合には、硝子、石英等の透
明な材料を用いる。成形版胴の軸芯の回りの回転駆動
は、通常の輸転式グラビア印刷機、輪転式エンボス機等
と同様な機構、方法を用いれば良い。素材シートの成形
版胴への密着の為には、ゴム、金属等の圧着ローラ90
で圧着する。又素材シートの成形版胴からの剥離にもゴ
ム、金属等の剥離ローラ100で押さえて剥離する。素
材シートは連続帯状のものを用いる。此の様な素材シー
トは巻出ロール(供給ロール)から巻き出して、微細凹
凸2Aの形成後は巻取りロール(排紙ロール)で巻き取
る。
【0070】素材シートと成形版胴とを、その間に電離
放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物を介して重ね合わ
せて密着させる態様としては、次の(1)〜(3)があ
る。 (1)先ず素材シート上に液状組成物を塗布し、次いで
該塗布面が成形版胴表面に向くようにして、該素材シー
トを該成形版胴に重ね合わせる。 (2)図7の如く先ず成形版胴50上に液状組成物70
をTダイ等の塗液供給装置200を用いて塗布し、次い
で該成形版胴上の塗布面に素材シート11を重ね合わせ
る。 (3)先ず成形版胴上と素材シート上との各々に液状組
成物を塗布し、次いで該素材シートと該成形版胴とを各
々の塗布面が対向する様にして重ね合わせる。
【0071】成形版胴と素材シート間にある未硬化液状
組成物への電離放射線の照射の態様としては、次の
(A)と(B)がある。 (A)図7の如く電離放射線に対して透明な素材シート
を選び(例えば紫外線に対してポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを選択)、素材シート側から照射する。 (B)電離放射線に対して透明な成形版胴を選び(例え
ば、紫外線に対して石英の成形版胴を選択)、成形版胴
の内部から照射する。
【0072】素材シート11の材料は、電離放射線の照
射が上記(A)の態様が可能である樹脂シートが代表的
である。すなわち、素材シートの材料としては、(イ)
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)等の熱可塑性樹脂ポリエステル樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、オレフ
ィン系熱可塑性樹脂エラストマー等のポリオレフィン樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン
(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
等の樹脂シート、(ロ)薄葉紙、上質紙、コート紙等の
紙、(ハ)アルミニウム、鉄、銅等の金属箔、等があ
る。なお、上記(ロ)及び(ハ)は、透明な成形版胴内
からの紫外線照射、又は電子線等の高透過性放射線の場
合のみ可能である。また、素材シートの厚さは通常20
〜200μm程度のものを用いる。また、素材シートと
しては、帯電防止転写箔の転写時は、ローラ転写法、ホ
ットスタンプ法、射出成形同時転写法等と、通常は熱が
加わることが多いので、この様な場合を想定すると、伸
縮したり凹凸形状が変形しない様に耐熱性を有するもの
が好ましい。耐熱性に優れたものとしては、上記に列記
の材料のうち、例えば、樹脂材料としてはPET、PE
N、PES、PEEK等があり、また、金属等も優れて
いるが、素材シート側から電離放射線照射が可能である
等、樹脂の方が使い易い点で好ましい。
【0073】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等の重合性不飽和結合、又は、エポキシ基等のカチオ
ン重合性官能基を有するプレポリマー、モノマー、又は
ポリマーを、1種のみ又は2種以上適宜混合した組成物
を用いる。或いは、ポリエンとポリチオールとの組み合
わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーからな
る組成物も用いることができる。組成物は、未硬化時に
液状のものを用いる。
【0074】前記分子中に重合性不飽和結合を有するプ
レポリマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価ア
ルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等
の(メタ)アクリレート類がある〔尚、本明細書では
(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリ
レートの意味で用いる。以下同様〕。前記分子中に重合
性不飽和結合を有するモノマーの例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ブトキシエチル等の単官能(メタ)アク
リル酸エステル類、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸−2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル
酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)
アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル
等の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、(メ
タ)アクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド等があ
る。
【0075】また、分子中にカチオン重合性官能基を有
するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹
脂等、脂肪環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族
系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン
系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニ
ルエーテル系樹脂、環状エーテル系樹脂、スピロ系化合
物等のプレポリマー等がある。
【0076】また、ポリエン/チオール系のプレポリマ
ーとしては、分子中に2個以上のメルカプト基を有する
ポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチ
オプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コール等がある。一方、ポリエンとしては、ジオールと
ジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルア
ルコールを付加したもの等がある。
【0077】電離放射線硬化性樹脂としては、以上の化
合物を必要に応じ1種もしくは2種以上混合して用いる
が、樹脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前
記プレポリマー又はオリゴマーを5質量%以上、前記モ
ノマー及び/又はポリチオールを95質量%以下とする
ことが好ましい。また、硬化物の可撓性、表面硬度、離
型性等の物性を調節する為に前記電離放射線硬化性樹脂
に対して、以下の様な電離放射線非硬化性樹脂を1〜7
0質量%程度混合して用いることができる。電離放射線
非硬化性樹脂としてはウレタン系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹
脂を用いることができる。
【0078】また、離型性を向上させる為には、電離放
射線非硬化性樹脂としてシリコーン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂等の樹脂の他に、ワックス等を用いても良い。こ
れらは1種又は2種以上を用いて離型性を調整する。
【0079】なお、紫外線で硬化させる場合には前記電
離放射線硬化性樹脂に光重合開始剤を添加する。分子中
にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物に対して
は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン
類等がある。分子中にカチオン重合性官能基を有する化
合物に対しては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホ
ニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、
ベンゾインスルホン酸エステル、ジアリルヨードシル塩
等がある。又、必要に応じて更に、光増感剤としてn−
ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホ
スフィン等を混合して用いることもできる。
【0080】以上の電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状
組成物を成形版胴、或いは素材シートに塗工するには公
知の各種方法、例えば、ロールコート、カーテンフロー
コート、Tダイコート(図7)等の方法を用る。特に成
形版胴への塗工の場合はインキパン中の液状組成物に、
回転する成形版胴を浸漬させる(所謂ドブ浸け)も可能
である。
【0081】尚、ここで電離放射線としては、電磁波又
は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー
を有するものを意味し、紫外線、可視光線、X線、電子
線、α線等があるが、通常紫外線、又は電子線が用いら
れる。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライトラン
プ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。電子
線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラ
フト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直
線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速
器を用い、100〜1000keV、好ましくは、10
0〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するも
のが使用される。
【0082】以上の様な成形版胴法で作製された支持体
シート1は、図8に例示の如く、素材シート11上に、
表面に微細凹凸2Aを有する賦形層12を電離放射線硬
化性樹脂の硬化物として積層した構成の2層構成とな
る。なお、賦形層12は微細凹凸2Aの個々の凹凸が分
離独立しその凹部にて素材シート11が露出したもので
も、個々の凹凸が連続したもの(図8はこの様に描いて
ある)でもどちらでも良い。この様に、支持体シート1
は単層以外に多層構成でも良い。なお、単層構成の支持
体シートの例としては、熱可塑性樹脂フィルムに熱エン
ボス法で微細凹凸2Aを形成して得られるもの等がある
〔図1(A)参照〕。
【0083】なお、上述成形版胴法は、支持体シート
を、連続帯状の素材シート11上に賦形層12を電離放
射線硬化性樹脂の硬化物として形成して作製できる方法
であるが、素材シート11上に、表面に微細凹凸2Aを
有する賦形層12を設けた構成の支持体シート1として
は、この他の方法で作製したものでも良い。例えば、電
離放射線硬化性樹脂以外の樹脂、つまり、フォトポリマ
ー以外の樹脂を用いて作製したものでも良い。例えば、
ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂、或いは、賦形時の熱に耐え得る様な耐熱性を有
する熱可塑性樹脂等を賦形層として使用したものでも良
い。この際、素材シートは、上記成形版胴法で列記した
もの等が使用できる。但し、賦形層12には、電離放射
線硬化性樹脂を用いるのが、耐熱性も容易に得られる
上、硬化が瞬間的に短時間で終了するので、成形版胴等
と円筒状の成形型の採用により連続的に樹脂硬化できる
ので生産性に優れ、また、形状再現性が良い点でも好ま
しい。
【0084】なお、支持体シートの離型面Eの離型性向
上が必要な場合には、賦形層12、或いは支持体シート
1とする樹脂中には、シリコーン樹脂、ワックス等の公
知の離型剤を添加しても良い。また、支持体シートは、
透明でも不透明でも良い。
【0085】〔転写層:透明導電性層〕透明な転写層3
を構成する必須の層である透明導電性層4は、透明性と
共に帯電防止に必要な導電性を有する層であれば、その
内容は特に制限は無く、公知のものを採用できる。例え
ば、真空蒸着やスパッタリング等の物理的薄膜形成法で
形成される、金、アルミニウム、ニッケル等の導電性金
属薄膜、或いは、酸化スズ、ITO(インジウム・スズ
酸化物)等の導電性金属酸化物薄膜等の他、酸化スズ粉
末やITO粉末、酸化亜鉛粉末等の透明導電性粉末を樹
脂バインダー中に分散した導電性樹脂層、或いは、帯電
防止剤としてカチオン系、ノニオン系等の各種界面活性
剤や、特開平8−112880号公報に記載の如きビス
アンモニウム系有機イオウ半導体等を、樹脂バインダー
中に分散或いは溶解した導電性樹脂層等が挙げられる。
【0086】但し、導電性金属薄膜や導電性金属酸化物
薄膜は、膜形成を連続処理することもできるが生産性が
低く、また、帯電防止剤を樹脂バインダー中に分散或い
は溶解したものは経時的にブリードアウトして性能低下
する懸念があるので、好ましくは、透明導電性粉末を樹
脂バインダー中に分散した導電性樹脂層が、生産性及び
経時的な性能維持の点で好ましい。
【0087】上記透明導電性粉末としては、酸化スズや
ITOの微粉末が代表的である。なかでも、透明導電性
粉末としては、粒子形状が針状のものが、透明性と導電
性の点でより好ましい。例えば、針状の酸化スズ粉末で
ある。粒子形状が球状の場合に比べて、粒子形状が針状
の酸化スズ粉末は、より少ない添加量で導電性が得ら
れ、従って、透明性もより良い。特に、帯電防止転写箔
で処理する物品が、前述従来技術で述べた如き表示部の
窓材等と、透明性や表示の視認性が要求される様な用途
では、この透明性が特に重要な要素となる。酸化スズ粉
末等の透明導電性粉末の粒子サイズは透明性が得られる
大きさであれば良く、通常平均粒径0.4μm以下の粉
末を用いる。例えば球状の場合では0.01〜0.03
μm程度である。また、針状の場合では、例えば、短軸
で0.01〜0.02μm、長軸で0.2〜2.0μm
程度である。なおもちろんだが、透明導電性粉末として
使用する酸化スズ粉末は、該粉末を導電性とする為に、
アンチモン等の微量の不純物を含ませてある(ドーピン
グしてある)。
【0088】また、本発明では帯電防止性能を付与する
為の透明導電性層を転写によって形成する事によって、
該透明導電性層を塗装形成した場合に比べて、表面を平
坦化(もちろん、光の波長以上の大きさに於いてであ
り、転写層表面には光の波長以下のオーダーの光反射防
止用の微細凹凸形状を有する)することが可能となる。
この点でも、表示画像の歪みを生じ難く、視認性がより
良い。
【0089】また、透明導電性層を、樹脂バインダー中
に透明導電性粉末や帯電防止剤を含有させた構成とする
場合、該樹脂バインダーとしては、用途に応じた樹脂を
使用すれば良く、特に制限は無い。例えば、該樹脂バイ
ンダーとしては、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹
脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等
の各種熱可塑性樹脂、或いは、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等
の各種硬化性樹脂等である。これら材料からなる透明導
電性層は、透明導電性粉末や帯電防止剤と樹脂バインダ
ーを含む塗料(或いはインキ)を、ロールコート、グラ
ビアコート等の各種塗工法、シルクスクリーン印刷、フ
レキソ印刷等の各種印刷法等の公知の塗膜形成方法で形
成できる。
【0090】なお、透明導電性層は、転写層の構成によ
り、転写後の転写層の最表面層として露出する場合と、
露出しない場合とがあるが、いずれにしろ、帯電防止機
能としては、その用途によるが転写後の転写層表面の表
面抵抗率を、通常107〜109Ω/□程度まで低下させ
れば得られる。従って、透明導電性層の導電性もこれに
応じたものとすれば良い。例えば、樹脂バインダー中に
透明導電性粉末を含有させた透明導電性層とする場合、
透明導電性粉末の添加量としては、粉末材料、要求する
帯電防止性能、層構成等にもよるが、透明導電性粉末が
針状の酸化スズ粉末である場合で言えば、樹脂及び粉末
の全量に対して10〜70質量%程度である。この様な
透明導電性層の厚みは、用途によるが通常1〜10μm
程度である。添加量や厚みが少ないと十分な帯電防止機
能を付与できず、また添加量や厚みが多すぎても、透明
性が低下し、またヘイズ値が上昇し、コスト高にもな
る。なお、特に表示部の窓材等に適用する場合、表示の
視認性等の観点から、ヘイズ値(%)(JIS K 7
105)は、好ましくは、3.0以下が良い。
【0091】〔転写層:透明樹脂層〕透明樹脂層5は、
転写層のうち支持体シート1に接する層として設け、転
写後は転写層3の最表面層となって、支持体シート1が
有する微細凹凸2Aに対応した逆凹凸形状の微細凹凸2
をその表面に有する層となる。透明樹脂層は省略する事
もできるが、この透明樹脂層を設ける事によって、帯電
防止機能は専ら透明導電性層に担わせ、表面の光反射防
止機能はこの透明樹脂層で担わせる機能分担によって、
転写層の層の材料選択の自由度を広げられる。具体的に
は、透明樹脂層は、例えば、支持体シートと転写層との
離型性向上の為の剥離層、或いは、転写後の転写層表面
(微細凹凸表面となる)の微細凹凸層、或いは、転写後
の転写層表面の表面強度向上の為のハードコート層等と
して用いることが可能であり、透明導電性層一層のみ
で、これら性能を帯電防止性能と共に出さなくても済
み、転写性、表面強度等の各種物性が容易にバランス良
く得られる様になる。なお、ハードコート層として透明
樹脂層を設ける場合、その樹脂としは、例えば、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線や電子
線で硬化するアクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂
等の硬化性樹脂の架橋硬化物として形成すると優れた性
能が得られる。
【0092】透明樹脂層5の樹脂としては、透明な樹脂
であると共に、上述支持体シートの微細凹凸2A表面か
ら剥離(離型)可能なものを選ぶ。また好ましくは、微
細凹凸2の形状維持の点から表面強度を有するものが良
い。
【0093】従って、透明樹脂層に用いる透明樹脂とし
ては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、紫外線や
電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が挙げられ
る。なお、上記電離放射線硬化性樹脂としては、前述
「成形版胴法」で列記した如き電離放射線硬化性樹脂が
使用できる。なお、透明樹脂層を、支持体シート上に形
成するには、ロールコート等による公知の塗工法によれ
ば良い。また、透明樹脂層の厚みは通常1〜10μm程
度である。
【0094】〔転写層:透明接着剤層〕透明接着剤層6
は、透明導電性層4自体が被転写体に直接接着し難い場
合、或いはその場合でも被転写体側に接着剤を施さない
場合等に、設けるのが好ましい。透明接着剤層に用いる
接着剤としては、透明で透明導電性層と被転写体とに接
着性を有するものであれば特に制限はない。通常、接着
性は加熱発現する熱融着による為、接着剤としては代表
的には熱可塑性樹脂を用いる。但し、熱硬化性樹脂や電
離放射線硬化性樹脂等でも、帯電防止転写箔上では、完
全硬化前の熱可塑性を呈する状態としておけば、熱融着
も可能である。従って、この様な熱硬化性樹脂や電離放
射線硬化性樹脂も使用できる。なお、透明導電性層を樹
脂バインダーに透明導電性粉末や帯電防止剤等を樹脂バ
インダー中に含有させた構成とする場合には、該樹脂バ
インダーに熱可塑性樹脂等のすくなくても転写時は熱可
塑性を呈する樹脂を使用することで、該透明導電性層は
この透明接着剤層を兼用した層と捉えることもできる。
【0095】上記の如き透明接着剤層に用いる接着剤と
して、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂、或いは、紫外線や電子線で硬化する
電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。なお、上記電離
放射線硬化性樹脂としては、前述透明樹脂層で述べた如
き電離放射線硬化性樹脂が使用できる。なお、透明接着
剤層を、透明導電性層上に更に形成するには、ロールコ
ート等による公知の塗工法によれば良い。また、透明接
着剤層の厚みは通常1〜10μm程度である。
【0096】〔帯電防止転写箔の形態など〕ところで、
本発明の帯電防止転写箔は、枚葉のシート状でも良い
が、連続帯状とすれば、帯電防止転写箔を容易に連続使
用できるので、反射防止及び帯電防止加工に於ける生産
性の点で好ましい。連続帯状の帯電防止転写箔に必要な
連続帯状の支持体シートは、前述した成形版胴法によっ
て容易に作製できる。また、支持体シート上の透明導電
性層等の転写層の各層は、支持体シート上にそれら各層
を順次前述した塗工等の方法で形成して行けば良い。ま
た、転写層を多層構成とする場合、各層間には適宜、層
間密着性向上の為に、ウレタン樹脂、シランカップリン
グ剤等による従来公知のプライマー層を設けても良い。
また、透明樹脂層、透明接着剤層も設ける場合、これら
の層中にも、透明導電性層と同様に透明導電性粉末や帯
電防止剤を含有させても良い。つまり、帯電防止は主と
して透明導電性層で担わせるが、補助的に透明樹脂層や
透明接着剤層も或る程度導電性を担わせる構成である。
【0097】〔帯電防止転写箔を用いた転写加工方法〕
なお、本発明の帯電防止転写箔を用いて、被転写体とな
る物品に帯電防止と共に反射防止する際の転写加工方法
としては、特に限定は無く、用途に応じて転写技術分野
に於ける従来公知の各種転写方法を採用すれば良い。例
えば、(1)ローラ圧で加圧するローラ転写法、(2)
平板状に加圧するホットスタンプ法、(3)射出圧で加
圧する射出成形同時転写法等を採用すれば良い。(3)
の転写方法は、特開平6−315950号公報、特公平
2−42080号公報等に開示される如く物品の成形と
同時に転写が出来る方法であるが、複雑形状の帯電防止
物品を得られる点で好適であり、また、物品の成形と転
写加工とが1工程で出来る為に生産性が良い点でも好適
である。一方、(1)と(2)の転写方法は、既に形状
を成す物品に対して行う方法であり、(3)が物品の材
料が樹脂に限定されるのに対して、ガラス等の射出成形
には向かない材料も可能な転写方法である。なお、転写
は通常、圧以外に更に熱も加えて行う。
【0098】図9は、これらの転写方法を適宜採用した
(光反射防止兼)帯電防止加工方法を概念的に示す概念
図である。先ず、図9(A)は、前述本発明の帯電防止
転写箔10であり、離型面に本発明特有の微細凹凸2A
を有する支持体シート1上に、少なくとも透明導電性層
を有する転写層3が積層された構成である。そして、図
9(B)の如く、帯電防止転写箔10を、被転写体とな
る基材7に積層し接着後、図9(C)の如く、帯電防止
転写箔の支持体シート1を剥離すれば、基材7上には転
写層3のみが積層された状態となり転写が完了する。そ
の結果、基材7及び転写層3からなる帯電防止物品20
は、該転写層によって帯電防止機能が付与されると共
に、該転写層3の表面に賦形された微細凹凸2によって
光反射防止機能も付与された物品となる。
【0099】なお、帯電防止物品の基材7の材料として
は、用途に応じたものが使われる。基材は不透明又は透
明である。基材の材料は、樹脂等の有機材料の他、硝子
等の無機材料も使用される。例えば、従来技術で述べた
表示部の窓材の場合には、透明でまた樹脂が一般的であ
る。
【0100】なお、上記透明な樹脂材料としては、熱可
塑性樹脂が代表的であり、例えば、ポリ(メタ)アクリ
ル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体
等のアクリル樹脂〔但し、(メタ)アクリルとはアクリ
ル、或いはメタクリルを意味する。〕、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オ
レフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等が
あるが、例えば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオ
ノア」、JSR株式会社製の「アートン」等がある)等
のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、アクリロニト
リル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポ
リスルフォン、セルロース系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等が挙げられ
る。
【0101】特に転写方法が射出成形同時転写法による
場合には、基材には、熱可塑性樹脂が使用される。な
お、転写方法がローラ転写法やホットスタンプ法等の既
に形状を成した基材に対して行う方法による場合には、
ガラス等の無機材料でも可能となる。
【0102】なお、転写方法に射出成形同時転写法を採
用する場合について更に説明すれば、次の様になる。射
出成形同時転写法による場合は、上述した如き帯電防止
転写箔を、その転写層側が基材となる樹脂と接する向き
にして一対の射出成形型(雌雄両型)内に配置し、両射
出成形型を係合して型締めし、流動状態の樹脂を両型間
に形成されるキャビティ内に射出し充填し、射出樹脂を
転写層と接触させた後、該樹脂を固化させ、而る後、両
型を型開きし、支持体シートを固化した樹脂から剥離す
ることで、固化した該樹脂からなる基材面に、微細凹凸
2Aとは逆凹凸形状の微細凹凸2を有し且つ透明導電性
層を有する転写層のみを、基材上に転写形成して帯電防
止物品を得る。この様にして、帯電防止機能と共に該微
細凹凸2による反射防止機能を、物品の基材の成形と同
時に付与される。この転写方法によれば、(光反射防止
兼)帯電防止物品が生産性良く得られる。
【0103】また、射出成形同時転写法は、帯電防止転
写箔を枚葉では無く特に連続帯状として使用すること
で、射出成形型内に、射出成形の1ショット毎に新しい
帯電防止転写箔を連続的に供給し、また排出(離型後の
支持体シートとして)する事が、容易に出来る様にな
る。この様な、連続帯状シートの射出成形型への供給・
排出方法については、樹脂成形品の加飾技術分野にて、
例えば、前記特開平6−315950号公報等に開示さ
れた技術を利用できる。
【0104】なお、帯電防止転写箔による帯電防止加工
では、図9(C)で示す支持体シート1の剥離は、図9
(B)の如く帯電防止転写箔10を基材7に積層した後
に直ちに剥離せずに、該支持体シートを、表面の微細凹
凸2に対する保護フィルムとして残しておいても良い。
残しておいた支持体シートは、帯電防止物品の使用直前
等の適宜なときに、剥離する。また、転写の適用面は、
平面が転写が容易ではあるが、これに限定されず緩けれ
ば曲面でも良い。
【0105】〔帯電防止物品〕本発明を利用して得られ
る帯電防止物品20は、図10の断面図で例示した如
く、少なくとも、基材7上に、少なくとも透明導電性層
4と共に本発明特有の微細凹凸2を有する転写層3が積
層される事で、帯電防止機能と光反射防止機能が付与さ
れたものであるが、基材7は、用途により適宜前述の如
き各種材料が使用され得る。基材は、用途に応じて、多
層構造や、その他構成要素を有する構造等、用途に応じ
た物となる。また、帯電防止物品20の形状は、フィル
ム(或いはシート)、板、三次元形状等、これも用途に
より各種形状のものとなり得る。例えば、基材が平板状
の場合の厚さの具体例としては、表示部の窓材等の用途
では通常0.5〜2mm程度である。また、本発明を利
用した帯電防止及び光反射防止面は、図10に例示の如
く1面以外に、複数の面でも良い。但し、前述表示部の
窓材では、外側となる外面では微細凹凸が傷付き易いの
で、機器内側となる内面(裏面)に適用するが好まし
い。外面は、手垢、塵、汚れ等が付き易く、一方、内面
は、手が触れたり汚れや塵が付着し難いからである。
【0106】〔帯電防止物品の用途〕本発明の転写箔を
利用して得られる帯電防止物品は、先ず形状としては、
フィルム(或いはシート)、板、三次元形状等任意であ
り、用途も特に限定れるものでは無い。但し、光反射防
止の為の微細凹凸は、極めて微細であるが故に汚れや傷
に対して注意するのが好ましい。従って、転写面側は好
ましくは外側に露出させず内面側にして利用できる用途
が好適である。なお、本発明が適用し得る用途は、これ
から例示される用途に限定されるものではない。
【0107】帯電防止物品の用途は、例えば、CDプレ
ーヤー、DVDプレーヤ、MDプレーヤ、ビデオデッキ
等の各種オーディオ機器、これらオーディオ機器やテレ
ビ、エアコンデイショナー等を遠隔操作するリモートコ
ントローラ、或いは、ビデオカメラ、デシタルカメラ等
の映像機器、冷蔵庫、電気炊飯器、電気ポット、洗濯機
等の家電製品、CDプレーヤー、DVDプレーヤ、MD
プレーヤ、半導体メモリ方式音楽プレーヤ、ICレコー
ダ、携帯電話、パーソナルコンピュータ、電子手帳等の
PDA乃至は携帯情報端末等の携帯機器、ICレコー
ダ、ラベルプリンタ等の電子機器等の各種機器に於ける
表示部の窓材である。
【0108】これら表示部では、LCD等の表示パネル
の前面に、板や成形品等となった樹脂製の窓材が配置さ
れる。窓材としての帯電防止物品では、内面側を適用面
とすると良い。なお、表示部は、LCD等の表示パネル
以外に、時計に代表される機械式アナログメータ等の様
な機械的手段で表示するものでも良く、これらの窓材で
も良い。なお、窓材は、平板状もあるが、組み付けやデ
ザイン上の観点から周囲に突起等有する物もある。
【0109】また、シート(或いはフィルム)や板状の
帯電防止物品に於いては、透明タッチパネル等に使用す
る、透明電極フィルムや透明板等の透明基材が挙げられ
る。透明タッチパネルは、表示部に入力機能を付加する
ものであるが、該製品組立上、LCD、CRT等の表示
パネルと別部品として組み付けるので、表示パネルと透
明タッチパネル間に空隙が残り、光反射が生じる。そこ
で、透明タッチパネルの裏面側を成す透明基材について
は、その裏面(内面)側を適用面とすれば、微細凹凸は
保護され且つ帯電防止機能を付与できる。
【0110】なお、透明タッチパネルは、例えば、電子
手帳等のPDA乃至は携帯情報端末(機器)、或いは、
カーナビゲーションシステム、POS(販売時点情報管
理)端末、携帯型オーダー入力端末、ATM(現金自動
預金支払兼用機)、ファクシミリ、固定電話端末、携帯
電話機、デシタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、パ
ソコン用ディスプレイ、テレビジョン受像機、テレビ用
モニターディスプレイ、券売機、計測機器、電卓、電子
楽器等の電子機器、複写機、ECR(金銭登録機)等の
事務器、或いは、洗濯機、電子レンジ等の家電製品に使
用される。また、本発明の帯電防止物品の用途としては
各種光学素子等も挙げられる。埃の静電気帯電と光反射
を同時に防げる。
【0111】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0112】〔実施例1〕図1(C)の如き構成の帯電
防止転写箔10を次の様にして作製した。微細凹凸を賦
形する為の賦形型を作製すべく、厚さ3mmのガラス基
板上にスピンコート法により感光性樹脂(Sipley
Co., Inc.製、商品名「Microposi
t S1805」)の厚さ600nmのレジスト層を形
成し、レーザ干渉露光装置により、アルゴンイオンレー
ザーを50°の入射角度で2方向から露光する操作を、
ガラス基板の90度回転させて2回行った。次いで、現
像液で現像してレジストパターン層を形成した。
【0113】次に、ドライエッチング法によりガラス基
板の腐蝕を行って、所望の微細凹凸形状が形成されたガ
ラス基板からなる原型(マザー版)を作製した。このマ
ザー版から、電気めっき法によって、厚さ80μmのニ
ッケルめっきプレートのマスター版を賦形型として複製
した。
【0114】そして、図7の如き装置で、上記本版を成
形版胴50として用い、素材シート11には連続帯状で
厚さ38μmの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを用い、賦形層12とする電離放射線硬化
性樹脂としては、ウレタンアクリレート系プレポリマ
ー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び
ベンゾフェノン系光重合開始剤を含む組成物を用いて、
支持体シート1を作製した。電離放射線硬化性樹脂の組
成物は、成形版胴と素材シート間に存在するうちに紫外
線照射で硬化させた後、素材シートと共に成形版胴から
剥離した。その結果、図8の断面の如く、微細凹凸2A
を表面に有する賦形層12が素材シート11に積層され
た構成の、連続帯状の支持体シート1が得られた。
【0115】次に、上記で得た支持体シート1の微細凹
凸2Aを有する離型面Eに、転写層3として、透明樹脂
層6と透明導電性層4と透明接着剤層5をこの順に形成
して、図1(C)の如き構成の反射防止機能付き帯電防
止転写箔10を得た。なお、透明樹脂層6はアクリル樹
脂を使用しグラビアリバースコート法で厚さ2μmに形
成した。そして、透明導電性層4は、樹脂バインダーに
アクリル樹脂を使用し、透明導電性粉末としてアンチモ
ンをドーピングした針状の酸化スズ粉末(石原産業株式
会社製、商品名「FSS−10M」、長軸径0.2〜
2.0μm、短軸径0.01〜0.02μm)を前記樹
脂分に対して50質量%添加した塗液を用いて、グラビ
アリバースコート法で厚さ1.5μmに形成した。ま
た、透明接着剤層5はアクリル樹脂を使用してグラビア
リバースコート法で厚さ2μmに形成した。
【0116】更に、上記帯電防止転写箔を用いて、ロー
ラ転写法により、厚さ1mmの透明アクリル樹脂板から
なる基材7の片面に転写層を熱転写して、図10の如き
構成の帯電防止物品20を作製した。なお、転写は、鉄
芯表面をシリコーンゴムで被覆したゴムローラを転写ロ
ーラとして用いて、ローラ表面温度230℃、圧力0.
25Pa(約2.5kgf/cm2)の条件で行った。
【0117】そして、得られた帯電防止物品の表面抵抗
率(JIS C 2141)、可視光線領域での全光線
透過率及び反射率、そして、ヘイズ値(JIS K 7
105)について、該物品5点を測定して評価した。そ
の結果、それらの値は、表面抵抗率は107〜109Ω/
□と良好な帯電防止性能が得られた。しかも全光線透過
率も93〜94%と透明性も良好で、反射率は0.5%
と少なく、ヘイズ値も1.0〜1.7と曇りや光の拡散
は少なく良好であった。
【0118】なお、上記帯電防止物品の表面に設けられ
た微細凹凸2は、原子間力顕微鏡での観察により、高さ
MINが200nm、周期PMAXが300nmの、図2の
如き形状が多数縦横に正方格子状に規則的に配列された
微細凹凸であった。
【0119】〔比較例1〕実施例1において、転写前の
透明アクリル樹脂板について、実施例1同様に各種性能
を評価した。その結果、表面抵抗率は1016Ω/□以上
で帯電防止性能は無く、反射率が8%と多い為、全光線
透過率は90〜91%と低くかった。
【0120】
【発明の効果】(1)本発明の帯電防止転写箔によれ
ば、透明性を損なわずに帯電防止機能を付与できる。し
かも、表面の光反射の防止機能も付与できる。従って、
転写の1工程にて、帯電防止機能と反射防止機能との両
機能を同時に物品に付与できる。しかも、その反射防止
機能は防眩性のものでは無い為に、光反射率が低減した
分、光透過率が向上する。従って、例えば、ディスプレ
イ等の表示部の窓材等に適用した時には、表示の視認性
を向上させると共に、表示光の光の利用効率も上げられ
る反射防止機能付き帯電防止転写箔となる。
【0121】(2)更に、転写層として透明接着剤層も
有する構成では、転写層としての透明導電性層の材料
が、被転写体となる物品に接着させ難い場合でも、透明
接着剤層によって容易に接着させて転写できる。また、
被転写体側に接着剤を施したり、或いは、転写層の透明
導電性層の一成分として接着性の熱可塑性樹脂を用いた
りしなくても、転写層を被転写体表面に自由に転写移行
させる事ができ、転写層の材料選択の自由度、物品の適
用範囲の拡大が図れる。
【0122】(3)また、転写層として、支持体シート
に接する様に透明樹脂層も有する構成とすれば、透明樹
脂層を剥離層、光反射防止の為の微細凹凸層、ハードコ
ート層、或いはこれら2以上の兼用層等として使用で
き、透明導電性層一層のみで、これら性能を出さなくて
も済み、転写性、表面強度等の各種物性が容易にバラン
ス良く得られる様になる。
【0123】(4)また、透明導電性層が、樹脂バイン
ダー中に透明導電性粉末が分散されて成る構成とすれ
ば、透明導電性層を蒸着やスパッタリング等の物理的形
成手段によらずに塗工により塗膜として連続的に容易に
形成でき、生産性にも優れる。 (5)更に、上記透明導電性粉末が、針状の酸化スズ粉
末である構成とすれば、導電性粉末の形状が球状の場合
に比べて、少量の添加でより大きな導電性が得られ且つ
透明性も良くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止転写箔をその4形態について
例示する断面図。
【図2】転写形成された微細凹凸2で得られる有効屈折
率の分布を概念的に説明する為の図(その1)。
【図3】転写形成された微細凹凸2で得られる有効屈折
率の分布を概念的に説明する為の図(その2)。
【図4】転写形成された微細凹凸2で得られる有効屈折
率の分布を概念的に説明する為の図(その3)。
【図5】転写形成された微細凹凸2の(垂直)断面形状
の幾つかを例示する断面図。
【図6】転写形成された微細凹凸2の水平面内での配置
の幾つかを例示する断面図。
【図7】支持体シート上の微細凹凸2Aの成形版胴法に
よる作製方法を概念的に示す説明図。
【図8】支持体シートの別の一例(多層構成)を例示す
る断面図。
【図9】本発明の帯電防止転写箔を用いた帯電防止加工
方法を概念的に示す説明図。
【図10】本発明の帯電防止転写箔で得られる帯電防止
物品の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 支持体シート 2A (支持体シート上の)微細凹凸 2 (転写形成後の)微細凹凸 2t (微細凹凸2の)最凸部 3 転写層 4 透明導電性層 5 透明接着剤層 6 透明樹脂層 7 基材(被転写体) 10 反射防止転写箔 11 素材シート 12 賦形層 20 帯電防止物品 40 凹凸形状 50 成形版胴 60 軸芯 70 液状組成物 80 電離放射線照射装置 81 電離放射線 90 圧着ローラ 100 剥離ローラ 200 塗液供給装置 E 離型面 n 屈折率 na 屈折率(空気) nb 屈折率(透明基材) n0 屈折率 n1 屈折率 nef(Z) 有効屈折率 HMIN (微細凹凸の)最小高さ PMAX 周期 R 反射率 λMIN 最小波長 λMAX 最大波長
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G09F 9/00 313 G09F 9/00 309 G02B 1/10 A 313 Z Fターム(参考) 2K009 AA01 BB11 CC03 DD02 DD11 EE03 3B005 EA07 EC01 EC30 FA02 FA04 FB21 FB25 FB61 4F100 AA28B AA28H AB33 AG00 AK01B AK25 AK42 AS00B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C DD07C DE01B EC04B EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ54 EJ542 GB41 JB14 JG01B JG03 JL14C JN01 JN01B JN06 JN06C YY00C 5G435 AA01 AA16 BB12 DD13 FF03 GG32 HH02 LL07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体シート上の透明な転写層として少
    なくとも透明導電性層が積層されて成る帯電防止転写箔
    において、 上記支持体シートの転写層側の離型面には、転写後の転
    写層表面を凹凸面とする反射防止用の微細凹凸が形成さ
    れ、該微細凹凸は、可視光の波長帯域の真空中に於ける
    最小波長をλMIN、該微細凹凸の最凹部に於ける周期を
    MAXとしたときに、 PMAX≦λMIN なる関係を有し、 且つ該微細凹凸をその凹凸方向と直交する面で切断した
    と仮定したときの断面内に於ける支持体シートの材料部
    分の断面積占有率が、該微細凹凸の最凹部から最凸部に
    行くに従って連続的に漸次減少して行く様な凹凸であ
    る、反射防止機能付き帯電防止転写箔。
  2. 【請求項2】 転写層として、透明導電性層上に更に透
    明接着剤層が積層されて成る請求項1記載の反射防止機
    能付き帯電防止転写箔。
  3. 【請求項3】 転写層として、支持体シートに接する様
    に透明樹脂層を有する、請求項1又は2に記載の反射防
    止機能付き帯電防止転写箔。
  4. 【請求項4】 透明導電性層が、樹脂バインダー中に透
    明導電性粉末が分散されて成る、請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の反射防止機能付き帯電防止転写箔。
  5. 【請求項5】 透明導電性粉末が、針状の酸化スズ粉末
    である、請求項4記載の反射防止機能付き帯電防止転写
    箔。
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