JP4664461B2 - タッチパネル電極用透明導電性薄膜易接着フィルム、および透明導電性フィルム - Google Patents

タッチパネル電極用透明導電性薄膜易接着フィルム、および透明導電性フィルム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明タッチパネル等に好適な透明導電性フィルムに用いられる基材フィルムであって、基材フィルムに対するインジウム−スズ酸化物等の透明導電性薄膜の密着性等の耐久性が改良され、且つカラー液晶表示装置のタッチパネルにも対応可能な透明導電性フィルムとすることができる易接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像表示素子として液晶表示装置が注目され、その用途の一つとして、携帯用の電子手帳、情報端末などへの応用が期待されている。これらの携帯用の電子手帳、情報端末などの入力装置としては、液晶表示素子の上に透明なタッチパネルを載せたもの、特に価格などの点から抵抗膜方式のタッチパネルが一般に用いられている。
【0003】
この抵抗膜方式のタッチパネルとしては、透明導電性フィルムと透明導電性薄膜付ガラスが適当なギャップで隔てられた構造のものが一般に用いられており、従来、この透明導電性フィルムとしては、透明高分子フィルム上にインジウム−スズ酸化物(以下、「ITO」という。)等の透明導電性薄膜を形成したものが一般に用いられている。
【0004】
そして、このような透明導電性フィルムに使用される透明高分子フィルムとしては、タッチパネルのタッチ(押圧)時に生じるニュートンリングを防止するために、その表面にエンボス加工を用いて中心線平均粗さ及び最大高さをある特定の範囲とした微細な凹凸を無数に賦形したもの等が用いられている(特開平8−77871号公報)。
【0005】
しかし、これら透明高分子フィルムを基材とする透明導電性フィルムでは、透明高分子フィルムと透明導電性薄膜との密着性が十分ではないために、前記タッチパネルに適用した場合に、透明導電性薄膜が剥離したり、摩耗したりする等の耐久性に乏しいという欠点があり、透明導電性薄膜を設けたときの耐久性が高くて、ニュートンリング防止性を備えた透明導電性薄膜を設けるのに好適なフィルムは得られていなかった。
【0006】
また一方で、タッチパネルに使用される液晶表示装置のカラー化が進むと共に、カラーの高精細化が進んだ結果、従来のニュートンリング防止のための表面凹凸処理が施された透明導電性フィルムをタッチパネルに使用すると、高精細化されたカラー画面の特に白色部分がぎらついて見えるという問題が発生するようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題とするところは、透明導電性薄膜を設けたときの耐久性に優れ、且つ、透明導電性フィルムとして従来の液晶表示装置のタッチパネルに適用した際にニュートンリングの発生を防止することができると共に、カラーの液晶表示装置のタッチパネルに適用した際においてもカラー画面がぎらついて見えるということがなく、モノクロ以外のカラー液晶表示装置のタッチパネルにも対応可能な透明導電性フィルムとすることができる透明導電性薄膜易接着フィルムを提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明のタッチパネル電極用透明導電性薄膜易接着フィルムは、透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダーと平均粒径1〜15μmのシリカを含有する透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、平均粒径5〜50nmのシリカを含有する透明導電性薄膜易接着層を、順次設けたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の透明導電性薄膜易接着フィルムは、透明ハードコート層の膜厚が2〜15μmで、透明導電性薄膜易接着層が0.2〜1.5μmであることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の透明導電性薄膜易接着フィルム1について、更に詳細に説明する。
【0011】
本発明の透明導電性薄膜易接着フィルム1は、透明高分子フィルム2上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダーと平均粒径1〜15μmのマット化剤を含有する透明ハードコート層3と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、平均粒径5〜50nmのマット化剤を含有する透明導電性薄膜易接着層4を、順次設けたものである。
【0012】
透明高分子フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、アセチルセルロース、塩化ビニル等の光透過性を阻害しないものが使用でき、延伸加工、特に二軸延伸加工されたものは、機械的強度、寸法安定性が向上されるので好ましい。厚みは適用される材料に対して適宜選択することができるが、一般に25〜500μmであり、好ましく50〜200μmである。
【0013】
透明高分子フィルム2上に形成される本発明にかかる透明ハードコート層3は、耐摩耗性に優れ、且つ透明導電性薄膜易接着層4との接着性に優れることにより、透明導電性薄膜易接着層4の耐摩耗性を補強し、透明導電性薄膜易接着層4上に設けられる透明導電性薄膜6の耐久性を向上させる役割を担うものである。
【0014】
また、本発明にかかる透明ハードコート層3は、透明導電性薄膜易接着層4上に透明導電性薄膜6を製膜して得られた透明導電性フィルム7の用途であるタッチパネル等に適用した場合に問題となるニュートンリングの発生を防止する役割をも担うものである。
【0015】
このような透明ハードコート層3は、電離放射線硬化型樹脂をバインダー主成分として平均粒径1〜15μmのマット化剤(以下、「大粒径のマット化剤」という。)を混合してなる組成物を塗工製膜し、電離放射線(紫外線若しくは電子線)を照射して架橋硬化させる等することにより得ることができる。
【0016】
電離放射線硬化型樹脂バインダーとしては、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。これらは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるために、光重合性モノマー、光重合開始剤、紫外線増感剤等を加えることが好ましい。
【0017】
光重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
【0018】
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
【0019】
この電離放射線硬化型樹脂バインダーは、透明ハードコート層3に、耐摩耗性を付与すると共に、後述するように、マット化剤と組み合わせたときに生じる光透過性を備えたニュートンリング防止性を付与するための役割を担うことができる。
【0020】
従って、上述効果等を発揮できれば、透明ハードコート層3と透明導電性薄膜易接着層4との接着性を向上させる目的等で、透明ハードコート層3を形成する樹脂バインダーとして、電離放射線硬化型樹脂バインダーには後述する透明導電性薄膜易接着層4で例示する熱可塑性樹脂バインダーや熱硬化性樹脂バインダー等の他の樹脂バインダーを混合することも可能である。
【0021】
大粒径のマット化剤は、主に透明導電性薄膜易接着フィルム1にニュートンリング防止性を付与する役割を担うものであり、その平均粒径は1〜15μm、好ましくは2〜10μmであることが望ましい。このようなマット化剤としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、クレイ、アルミニウムステアレート、カルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、スチレン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の公知の無機及び有機樹脂微粒子の1種又は2種以上を混合使用することができる。この大粒径のマット化剤の透明ハードコート層3を構成する全バインダーに対する混合割合としては、全バインダー100重量部に対して1〜8重量部、好ましくは2〜6重量部であることが望ましい。
【0022】
このような大粒径のマット化剤は、前述した電離放射線硬化型樹脂バインダーと組み合わされることにより、粒状物を含有した電離放射線硬化型樹脂塗膜の表面に特有に生じる波状の凹凸を利用することで、粒状物であるマット化剤の混合量を少なくして高い透明性を維持しつつ、十分なニュートンリング防止性が発揮されるようになる。
【0023】
このような透明ハードコート層3の厚みとしては、2〜15μm、好ましくは3〜8μmであることが望ましい。
【0024】
また、透明ハードコート層3上に形成される本発明にかかる透明導電性薄膜易接着層4は、ITO等の透明導電性薄膜6との密着性に優れることにより、透明導電性薄膜6の耐久性を向上させると共に、透明導電性薄膜6を製膜して得られた透明導電性フィルム7をカラーの液晶表示装置のタッチパネルに適用した場合においても、カラー画面のぎらつきの発生を防止でき、モノクロの液晶表示装置のタッチパネルのみならずカラー液晶表示装置のタッチパネルにも好適に対応できる透明導電性フィルム7を得ることができるようにするためのものである。
【0025】
このような透明導電性薄膜易接着層4は、電離放射線硬化型樹脂、熱可塑性樹脂をバインダー主成分として平均粒径5〜50nmのマット化剤(以下、「小粒径のマット化剤」という。)を混合してなる組成物を塗工製膜し、電離放射線(紫外線若しくは電子線)を照射して架橋硬化させる等することにより得ることができる。
【0026】
電離放射線硬化型樹脂バインダーは、上記透明ハードコート層3において例示したものと同様のものを使用することができる。
【0027】
また、電離放射線硬化型樹脂バインダーとしては、透明導電性薄膜易接着層4を構成する全バインダー成分中の70〜97重量%であることが好適である。97重量%以下とすることにより、透明導電性薄膜易接着層4と透明導電性薄膜6との密着性を阻害しなくなり、70重量%以上とすることにより、透明導電性薄膜易接着層4の耐摩耗性が実用上耐え得る摩耗性を維持することができ、透明導電性薄膜6を設けた際の耐久性を低下させないようになる。
【0028】
熱可塑性樹脂バインダーとしては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタアクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0029】
この熱可塑性樹脂バインダーは、透明導電性薄膜易接着層4に、透明導電性薄膜6との密着性を向上するという役割を担うものであり、特にアセタール樹脂バインダーが好適である。
【0030】
また、熱可塑性樹脂バインダーとしては、透明導電性薄膜易接着層4を構成する全バインダー成分中の3〜30重量%であることが好適である。3重量%以上とすることにより、透明導電性薄膜易接着層4と透明導電性薄膜6との密着性が十分なものとなり、30重量%以下とすることにより、透明導電性易接着層4の耐摩耗性を阻害しなくなる。
【0031】
また、これらバインダー成分として、透明導電性薄膜6との密着性、耐摩耗性、光透過性等を阻害しない範囲で、他の熱硬化性樹脂バインダー等を混合することも可能である。
【0032】
熱硬化性樹脂バインダーとしては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0033】
小粒径のマット化剤は、主に透明ハードコート層3の大粒径のマット化剤によって形成された比較的大きな凹凸上に、微小凹凸層を設ける役割を担うものであり、その平均粒径は5〜50nm、好ましくは10〜30nmであることが望ましい。このようなマット化剤としては、大粒径のマット化剤に例示したものと同様のものを使用することができる。この小粒径のマット化剤の透明導電性薄膜易接着層4を構成する全バインダーに対する混合割合としては、全バインダー100重量部に対して1〜8重量部、好ましくは2〜6重量部であることが望ましい。
【0034】
このような小粒径のマット化剤は、前述した電離放射線硬化型樹脂バインダーと組み合わされることにより、粒状物を含有した電離放射線硬化型樹脂塗膜の表面に特有に生じる波状の凹凸を利用することで、粒状物であるマット化剤の混合量を少なくして高い透明性を維持しつつ、透明ハードコート層3の大粒径のマット化剤によって形成された比較的大きな凹凸上に微小凹凸層を設けて、透明導電性薄膜易接着層4上に透明導電性薄膜6を製膜して得られた透明導電性フィルム7をカラーの液晶表示装置のタッチパネルに適用した場合においても、カラー画面のぎらつきの発生を防止できるようになる。
【0035】
このような構成は、カラーの液晶表示装置のタッチパネルに使用される透明導電性薄膜6を形成する面の表面凹凸形状とその際に発生するカラー画面のぎらつきの関係を鋭意研究し、表面凹凸形状がレンズの作用をして、カラー表示の元になっているRGBの発光点が拡大して強調されることでカラー画面がぎらついて見えていることを突き止めた結果、採用するに至ったものである。
【0036】
このような透明導電性薄膜易接着層4の厚みとしては、0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmであることが望ましい。
【0037】
透明ハードコート層3及び透明導電性薄膜易接着層4を架橋硬化させるために照射する紫外線としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用いた50〜300kcal/molのエネルギーを有する100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域のものを使用する。
【0038】
同様に電子線としては、走査型或いはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する100nm以下の波長領域のものを使用する。
【0039】
電離放射線を照射して硬化する場合、酸素の存在及び塗膜の厚みが硬化と密接に関係する。電離放射線が照射されて発生したラジカルは酸素を捕捉するため、硬化を抑制してしまう。このため、塗膜の厚みが薄いと塗膜体積に占める表面積が大きくなり、空気中の酸素により硬化阻害を受けやすい。このような硬化阻害を防止するためには、N2ガス等の不活性ガス下で照射を行うことが望ましい。
【0040】
尚ここで、透明ハードコート層3を架橋硬化させる際に一度にフルキュア(完全硬化状態)に架橋硬化させずに低エネルギー量でプレキュア(未完全硬化状態)させ、透明ハードコート層3と透明導電性薄膜易接着層4とを積層した状態で、透明ハードコート層3と透明導電性薄膜易接着層4とを同時に高エネルギー量でフルキュアに架橋硬化させる方法を採用することにより、透明ハードコート層3と透明導電性薄膜易接着層4との接着性をより向上させることもできる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。尚、「部」「%」は特記しない限り、重量基準である。
【0042】
[実施例1]
厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム2(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の表面に、下記組成の透明ハードコート層塗布液aを塗布し、60℃・5分で加熱乾燥して、高圧水銀灯で紫外線を0.5秒照射することにより約5μmの透明ハードコート層3を製膜した。次いで、透明ハードコート層3上に、下記組成の透明導電性薄膜易接着層塗布液bを塗布し、60℃・5分で加熱乾燥して、高圧水銀灯で紫外線を不活性ガス下で2秒照射することにより約1μmの透明導電性薄膜易接着層4を製膜して、実施例1の透明導電性薄膜易接着フィルム1を作製した。
【0043】
Figure 0004664461
【0044】
Figure 0004664461
【0045】
[比較例1]
実施例1において、透明導電性薄膜易接着層を製膜せずに、透明ハードコート層のみを製膜し、透明ハードコート層の架橋硬化条件を高圧水銀灯で紫外線を2秒照射することとした以外は、実施例1と同様にして比較例1の透明導電性薄膜易接着フィルムを作製した。
【0046】
[比較例2]
実施例1において、透明ハードコート層を製膜せずに、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に直接透明導電性薄膜易接着層を製膜した以外は、実施例1と同様にして比較例2の透明導電性薄膜易接着フィルムを作製した。
【0047】
以上のようにして得られた実施例1の透明導電性薄膜易接着フィルム1及び比較例1,2の透明導電性薄膜易接着フィルムの、透明ハードコート層若しくは透明導電性薄膜易接着層が設けられている面の裏面に下記組成のハードコート膜塗布液cを塗布し、60℃・5分で加熱乾燥して、高圧水銀灯で紫外線を2秒照射することにより約5μmのハードコート膜5を製膜して、透明性を評価すると共に、スパッタリング法により透明導電性薄膜易接着層4上に厚み約25nmのITO膜を透明導電性薄膜6として製膜して透明導電性フィルム7を作製し、その透明導電性薄膜易接着層4と透明導電性薄膜6との密着性を評価した。それぞれ透明性と密着性の評価は次のように行い、その評価結果を表1に示す。
【0048】
Figure 0004664461
【0049】
[透明性]
SMカラーコンピューターHGM−2K(スガ試験機社)を用いてヘーズ値「%」を測定して透明性を評価した(JIS−K7105)。
【0050】
[密着性]
碁盤目テープ法(JIS−K5400)を用いて評価を行い、透明導電性薄膜易接着層4から透明導電性薄膜6が剥離されない場合には「○」とし、透明導電性薄膜易接着層4から透明導電性薄膜6が剥離される場合には「×」として評価した。
【0051】
次に、1.1mmのガラス基板上に厚み約30nmのITO膜をスパッタリング法により形成して下部電極基板8を作製し、該下部電極基板8上に高さ5μm、直径50μmのドットスペーサー9を1.0mm間隔で形成した。
【0052】
更に、実施例1の透明導電性薄膜易接着フィルム1及び比較例1,2の透明導電性薄膜易接着フィルムから作製した各々の透明導電性フィルム7と上記ドットスペーサー9を形成した下部電極基板8を使って、図1の構造のようなタッチパネルを作製して(尚、図1はタッチパネルの構造の一部であり、周囲の絶縁や外部への引き出し回路は省略してある。)、各々得られたタッチパネルのニュートンリング防止性と透明導電性薄膜6の耐久性の評価を行い、その評価結果を併せて表1に示す。
【0053】
[ニュートンリング防止性]
透明導電性フィルム7を下部電極基板8に押し付けたときに、透明導電性フィルム7と下部電極基板8との間に、ニュートンリングが発生しない場合には「○」とし、ニュートンリングが発生している場合には「×」として評価した。
【0054】
[耐久性]
打点先端部がショア硬度60のゴム材を用いた打点耐久試験装置を使用して、荷重300g、打点サイクル1万回/時間で10万回打点の後に、透明導電性薄膜6を観察して、透明導電性薄膜6に特に異常が見られない場合には「○」とし、透明導電性薄膜6が摩耗している場合には「×」として評価した。
【0055】
次に、実施例1の透明導電性薄膜易接着フィルム1及び比較例1,2の透明導電性薄膜易接着フィルムから作製した各々の透明導電性フィルム7を用いて上述のように作製したタッチパネルを、カラー液晶表示装置(T55A−9513:IBM社)上に積層して、そのカラー画面のぎらつき発生状態(表1中では「画面ぎらつき状態」という。)を以下のような目視評価を行い、その評価結果を併せて表1に示す。
【0056】
[カラー画面のぎらつき発生状態]
特にカラー画面のぎらつきが見えない場合には「○」とし、RGBの発光点が拡大して画面がぎらついて見える場合には「×」とした。
【0057】
【表1】
Figure 0004664461
【0058】
表1の結果からも明らかなように、実施例1の透明導電性薄膜易接着フィルム1は、透明性、密着性、ニュートンリング防止性、耐久性、及びカラー画面のぎらつき発生状態の何れにおいても良好な結果が得られた。
【0059】
一方、比較例1の透明導電性薄膜易接着フィルムは、透明ハードコート層上に熱可塑性樹脂を含有する透明導電性薄膜易接着層が設けられていないために、透明ハードコート層と透明導電性薄膜との密着性が低くて透明導電性薄膜の耐久性が得られなかったと共に、RGBの発光点による画面のぎらつきを抑えることができなかった。
【0060】
また、比較例2の透明導電性薄膜易接着フィルムは、透明ハードコート層を設けずに透明導電性薄膜易接着層のみを設けたので、ニュートンリング防止性が得られないと共に、透明導電性薄膜の耐久性も得られなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明の透明導電性薄膜易接着フィルムによれば、透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダーと平均粒径1〜15μmのマット化剤を含有する透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、平均粒径5〜50nmのマット化剤を含有する透明導電性薄膜易接着層を、順次設けることにより、透明導電性薄膜を設けたときの耐久性に優れ、且つ透明導電性フィルムとして従来の液晶表示装置のタッチパネルに適用した際にニュートンリングの発生を防止することができると共に、カラーの液晶表示装置のタッチパネルに適用した際においてもカラー画面がぎらついて見えるということがなく、モノクロ以外のカラー液晶表示装置のタッチパネルにも対応可能な透明導電性フィルムとすることができる透明導電性薄膜易接着フィルムを得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透明導電性薄膜易接着フィルムを利用したタッチパネルの一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・透明導電性薄膜易接着フィルム
2・・・透明高分子フィルム
3・・・透明ハードコート層
4・・・透明導電性薄膜易接着層
5・・・ハードコート膜
6・・・透明導電性薄膜
7・・・透明導電性フィルム
8・・・下部電極基板
9・・・ドットスペーサー

Claims (5)

  1. 透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダーと平均粒径1〜15μmのシリカを含有する透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、平均粒径5〜50nmのシリカを含有する透明導電性薄膜易接着層を、順次設けたことを特徴とするタッチパネル電極用透明導電性薄膜易接着フィルム。
  2. 前記透明ハードコート層の膜厚が2〜15μmで、前記透明導電性薄膜易接着層の膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とする請求項1記載の透明導電性薄膜易接着フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂バインダーがアセタール樹脂バインダーであることを特徴とする請求項1記載の透明導電性薄膜易接着フィルム。
  4. 透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダーと平均粒径1〜15μmのシリカを含有する透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、平均粒径5〜50nmのシリカを含有する透明導電性薄膜易接着層を有し、前記透明導電性薄膜易接着層上に透明導電性薄膜を最表面に位置するように設けてなることを特徴とする透明導電性フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂バインダーがアセタール樹脂バインダーであることを特徴とする請求項4記載の透明導電性フィルム。
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