本発明は、CRTやフラットパネルディスプレイ等のディスプレイ画面上の透明スイッチ構造体などとして用いられるタッチパネルに関する。
導電性膜を有する一対のパネル板を上記導電性膜どうしが対向するようにスペ―サを介して対向配置してなる抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、押圧させる側のパネル板が、透明基材の一方の面にハードコート層を有し、もう一方の面には導電性膜を有するタッチパネルが一般的に広く使用されている。このようなタッチパネルは、入力の際に導電性膜どうしが接触し密着することにより、ニュートンリングが発生するという問題が生じているが、これを改善するものとして前記導電性膜のいずれか一方または両方の面にニュートンリング防止層(バインダー成分、および微粒子からなり表面に微細な凹凸形状を有するもの)を設け、この上層に導電性膜が設けられたタッチパネルが提案されている(以下、一般的なタッチパネルという場合がある)。
一方、上記と同じく抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、押圧させる側のパネル板が、ハードコート層付き透明基材に透明粘着剤層を介して導電性膜付き透明基材を貼り合わせた構造のタッチパネルが提案されており、このようなタッチパネルは、押圧させる側のパネル板に粘着層を有することから、そのクッション効果により前記パネル板の押圧させる面の耐擦傷性が向上してくるとともに、前記パネル板に対し適度な弾性変形性を付与して、入力ペンによる書き味を良好なものとするものである(特許文献1)。
特開平6−309990号公報(請求項2、段落番号0007)
しかし、このようなタッチパネルにおいても、入力の際に導電性膜どうしが接触し密着することにより、ニュートンリングが発生するという問題が生じており、これを改善するため、上記のようなニュートンリング防止層を、前記導電性膜のいずれか一方または両方の面に設けたところ、上記一般的なタッチパネル(押圧させる側のパネル板に粘着層を有していないもの)で用いた場合よりも、導電性膜を有する面に傷が発生しやすく、耐久性に問題が生じた。
そこで本発明は、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止性に優れると共に、導電性膜の耐久性に優れたタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、導電性膜を有する面にニュートンリング防止層を設けた場合に、上述した押圧させる側のパネル板に透明粘着剤層を有する構造のタッチパネルの方が、一般的なタッチパネル(押圧させる側のパネル板に粘着層を有していないもの)よりも耐久性に劣るという問題点について、鋭意研究した結果、押圧させたときのパネル板の変形の仕方の違いにより傷つきやすさに差が生じることを見出した。
押圧させる側のパネル板に透明粘着剤層を有する構造のタッチパネルは、押圧した際に、粘着剤層を有することから、前記パネル板に対し適度な弾性変形性が付与されるため、押圧させる側のパネル板に粘着層を有していないタッチパネルと比べて押圧させた点を中心に下方向にたわみを生じる。このたわみにより、押圧させた際にニュートンリング防止層の導電性膜に接する面積が大きくなり、導電性膜に接するニュートンリング防止層の凸部の数が多くなるため、一般的なタッチパネルと比べて耐久性に劣るものと考えられる。
よって、本発明者らは、特定の形状のニュートンリング防止層を設けることにより、ニュートンリング防止層の導電性膜に接する面積が大きくなった場合であっても、導電性膜の耐久性の低下を防止することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のタッチパネルは、導電性膜を有する一対のパネル板の前記導電性膜どうしが対向するようにスペーサーを介して配置してなり、押圧させる側のパネル板が少なくとも基材(A)、粘着剤層、基材(B)、および導電性膜を順に備えた抵抗膜方式のタッチパネルであって、前記一対のパネル板のいずれか一方または両方の導電性膜は、JIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μm、最大高さ(Ry)が1.5μm〜2.0μmであるニュートンリング防止層上に設けられてなることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記ニュートンリング防止層がバインダー成分と微粒子とからなり、コーティング法により形成されてなることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記バインダー成分が、電離放射線硬化型樹脂組成物と他の樹脂成分とからなり、前記他の樹脂成分の含有量は、前記バインダー成分における全固形分中の0.1重量%〜15重量%であることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記他の樹脂成分のガラス転移温度が、50℃〜120℃であることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記微粒子の平均粒子径が0.5μm〜3.0μmであることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記微粒子の粒子径分布の変動係数が20%〜80%であることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記微粒子が平均粒子径の異なる2種類以上の微粒子を用いてなることを特徴とするものである。
また、本発明のタッチパネルは、前記基材(A)のもう一方の面に微粒子を含有してなるハードコート層を有することを特徴とするものである。
なお、本発明でいう平均粒子径、および粒子径分布の変動係数は、コールターカウンター法により測定した値から算出したものである。
本発明によれば、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止性に優れると共に、導電性膜の耐久性に優れたタッチパネルが得られる。
まず、本発明のタッチパネルの実施の形態について、図1を用いて説明する。本発明のタッチパネルは、図1に示すように、導電性膜Da、Dbを有する一対のパネル板Pa、Pbの前記導電性膜Da、Dbどうしが対向するようにスペーサーSを介して配置してなり、押圧させる側のパネル板Paが少なくとも基材(A)1、粘着剤層2、基材(B)3、および導電性膜Daを順に備えた抵抗膜方式のタッチパネルであって、前記一対のパネル板Pa(以下、上部パネル板ということがある)、Pb(以下、下部パネル板ということがある)のいずれか一方または両方の導電性膜Da、Dbは、JIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μm、最大高さ(Ry)が1.5μm〜2.0μmであるニュートンリング防止層4上に設けられてなるものである。
以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
上部パネル板Paで用いられる基材(A)1、および基材(B)3としては、ガラス板やプラスチックフィルム等の透明性の高いものを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン化合物等の透明性を阻害しないものが使用でき、延伸加工、特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているために好適に使用される。このような基材(A)1、および基材(B)3はプラズマ処理、コロナ放電処理、遠紫外線照射処理、下引き易接着層の形成等の易接着処理が施されたものを用いることが好ましい。
基材(A)1、および基材(B)3の厚みは、特に限定されず適用される材料に対して適宜選択することができるが、基材(A)1の場合は、入力ペン等で直接、押圧されるため耐久性を考慮すると25μm〜500μm程度とすることが好ましく、さらには50μm〜300μm程度とすることが好ましい。また、基材(B)3の場合は、入力ペン等で直接、押圧されることはないため基材(A)1よりも耐久性について考慮しなくても構わないが、取扱い性を考慮すると、4μm〜100μm程度とすることが好ましく、さらには10μm〜75μm程度とすることが好ましい。
次に、粘着剤層2は、上記基材(A)1と基材(B)3とを貼り合わせるためのものであり、基材(A)1と基材(B)3の間にこの粘着剤層2を介在させることにより、そのクッション効果でパネル板Paの押圧させる面の耐擦傷性が向上してくるとともに、パネル板Paに対し適度な弾性変形性を付与して、入力ペンによる書き味を非常に良好なものとする。
粘着剤層2で用いる粘着剤としては、一般に使用されるアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ゴム系などの合成樹脂系粘着剤が用いられ、透明性の点でアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。このようなアクリル系粘着剤の主成分である粘着性ポリマ―としては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどの官能基含有不飽和単量体とを主成分として含む単量体混合物を共重合させてなるものが好ましく用いられる。これら粘着剤層2中には、上記粘着性ポリマ―成分のほか、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、架橋剤、可塑剤、粘着付与成分などの種々の添加剤を含ませることができる。
粘着剤層2の厚みは、基材(A)1の材料に応じた厚みを適宜選択すればよく、通常は、10μm〜100μm程度とすることが好ましい。
このような粘着剤層2は、例えば、基材(A)1の一方の面に、上述の粘着剤、および必要に応じて加えた添加剤、希釈溶媒を混合して粘着剤層用塗布液を調整し、従来公知のコーティング方法、例えば、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などによって、塗布、乾燥し、基材(B)3のニュートンリング防止層4を設ける面とは反対の面に貼り合せ、必要に応じて架橋させることにより得ることができる。
なお、粘着剤層2は、このような形成方法に限定されるものではなく、基材(B)3のニュートンリング防止層4を設ける面とは反対の面に塗布、乾燥した後、基材(A)1と貼り合わせても良く、また、例えば、所望の粘着剤層2をあらかじめセパレータに形成したものを、基材(A)1、または基材(B)3に貼着し、基材(A)1と基材(B)3とを貼り合わせることにより得ることもできる。
次に、ニュートンリング防止層4について説明する。本発明におけるニュートンリング防止層4はJIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μm、好ましくは0.15μm〜0.2μmであり、かつ最大高さ(Ry)が1.5μm〜2.0μmとする必要がある。
JIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)を0.07μm以上とすることにより、ニュートンリング防止性を付与することができ、0.3μm以下とすることにより、透明性、視認性が低下するのを防止することができる。
また、Raを上述の範囲としつつJIS B0601:1994における最大高さ(Ry)を1.5μm以上とすることにより、ニュートンリング防止性を付与することができ、2.0μm以下とすることにより、導電性膜Da、Dbの耐久性の低下を防止することができる。
ここで、上部パネル板Paに上記粘着剤層2を有する構造の本発明のタッチパネル7は、押圧した際に、粘着剤層2を有することから、前記パネル板Paに対し適度な弾性変形性が付与されるため、上部パネル板に粘着剤層を有していないタッチパネルと比べて(図示せず)、押圧させた点を中心に下方向にたわみを生じる。このたわみにより、押圧させた際にニュートンリング防止層4の導電性膜Da、Dbに接する面積が前記一般的なタッチパネルよりも大きくなる。よって、上部パネル板Paに粘着剤層2を有する構造のタッチパネル7は、前記一般的なタッチパネルよりも導電性膜Da、Dbに接するニュートンリング防止層4の凸部の数が多くなるため、Raが上述の範囲であっても、ニュートンリング防止層4の凸部が最大高さ(Ry)が2.0μmを超えるものを含んでいると、押圧する度に生じる導電性膜Da、Dbへのダメージが大きくなってしまう。
しかし、導電性膜Da、Dbに接するニュートンリング防止層4の凸部を最大高さ(Ry)を2.0μm以下とすることにより、押圧する度に生じる導電性膜Da、Dbへのダメージを最小限とすることができ、導電性膜Da、Dbの耐久性が低下するのを防止することができる。
すなわち、本発明においては、ニュートンリング防止層4をJIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μmであり、かつ最大高さ(Ry)が1.5μm〜2.0μmとすることにより、押圧させる側のパネル板Paに粘着剤層2を有する構造のタッチパネル7であっても、導電性膜Da、Dbの耐久性の低下を防止することができる。
このようなニュートンリング防止層4は、基材(B)3の粘着剤層2を有する面とは反対側の面、および/または基材(C)6の一方の面に、バインダー成分41と微粒子42とを配合したコーティング液を従来公知のコーティング法により形成されてなるもの(図2〜図5)、基材(B)3にサンドブラストやエンボス加工を施すことにより形成されてなるもの、基材(B)の中に予め微粒子を配合して製膜されてなるものなどがあげられるが、透明性、生産安定性、表面硬度制御の容易性等の観点から、バインダー成分41と微粒子42とからなり、コーティング法により形成されてなるものが好ましい。
ニュートンリング防止層4が、バインダー成分41と微粒子42とからなり、コーティング法により形成されてなるものである場合、バインダー成分41は、電離放射線硬化型樹脂組成物と他の樹脂成分とからなり、前記他の樹脂成分の含有量は、前記バインダー成分41における全固形分中の0.1重量%〜15重量%とすることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて、コーティング法によって形成されることにより、微粒子42が添加されたニュートンリング防止層4はその表面に波状の凹凸形状である「うねり」が発生するため、微粒子42の大きさが小さく、添加量が少量でも表面に凹凸を形成することができ、ニュートンリングの発生を防止することができる。また、傷つきの原因となる微粒子42の添加量を少量にできるため、耐久性の低下を防止することができる。
このような電離放射線硬化型樹脂組成物としては、電離放射線(紫外線または電子線)の照射によって架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、ポリフルオロアルキルアクリレート、シリコーンアクリレート等が使用できる。さらにこれらのアクリル系プレポリマーは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性を向上させニュートンリング防止層4の硬度をより向上させるために、光重合性モノマーを加えることが好ましい。
光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等の1種若しくは2種以上が使用される。
ニュートンリング防止層4は、上述した光重合性プレポリマー及び光重合性モノマーの他、紫外線照射によって硬化させる場合には、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等があげられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどがあげられる。
また、電離放射線硬化型樹脂組成物として、電離放射線硬化型有機無機ハイブリッド樹脂を用いることも好ましい。なお、本発明でいう電離放射線硬化型有機無機ハイブリッド樹脂とは、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)で代表される昔からの複合体と異なり、有機物と無機物の混ざり方が緊密であり、また分散状態が分子レベルかそれに近いもので、電離放射線の照射により、無機成分と有機成分が反応して、被膜を形成することができるものである。このような電離放射線硬化型有機無機ハイブリッド樹脂の無機成分としては、シリカ、チタニア等の金属酸化物があげられるが、なかでもシリカを用いたものが好ましい。
次に、バインダー成分41は、上述した電離放射線硬化型樹脂組成物の他、他の樹脂成分を特定量含有させることが好ましい。他の樹脂成分を特定量含有させることにより、表面形状を調整してニュートンリング防止層4表面の「うねり」の形状を微妙に緩やかなものとし、ニュートンリング防止性を維持しつつ、導電性膜Da、Dbに対して凸部の接触表面積を大きくし導電性膜Da、Dbに対するダメージを最小限にすることができる(図2)。
ここで、例えば、上記のようなニュートンリング防止層4を、バインダー成分41として熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂のみを用いて作製した場合には、図3に示すように、ニュートンリング防止層4は「うねり」が発生しないため、ニュートンリング防止効果を得ることができない。したがって、ニュートンリングの発生を防止する形状とするためには、微粒子42の粒子径を大きくし、かつ添加量を増やさざるを得ず、このようなニュートンリング防止層4では、透明性の保持と導電性膜Da、Dbにおける傷の発生を抑制しきれない(図4)。
また、例えば、上記のようなニュートンリング防止層4を、バインダー成分41として電離放射線硬化型樹脂組成物のみを用いて作製した場合には、上述したようにニュートンリング防止層4表面に「うねり」が発生するため、微粒子42の添加量が少量でも、ニュートンリングの発生を防止することができる(図5)。しかし、図5は、図2のように「うねり」の形状が緩和されておらず、その表面形状により、図2のものよりも導電性膜Da、Dbに対して凸部の接触表面積が小さく導電性膜Da、Dbに対するダメージが大きくなるため、電離放射線硬化型樹脂組成物と他の樹脂成分を含有した図2のものの方が、導電性膜Da、Dbの耐久性を低下させないものとすることができる。
このような他の樹脂成分としては、例えばポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、およびこれら複合樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂等があげられるが、表面形状を調整しやすく、取扱い性に優れるという点で熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、また、ガラス転移温度が50℃〜120℃、さらには65℃〜100℃である樹脂が好ましい。ガラス転移温度を50℃以上とすることにより、多量に含有させなくても「うねり」の形状を緩和することができ、表面形状の調整をすることができるため、表面硬度等の物性の低下を防止することができる。また、ガラス転移温度を120℃以下とすることにより、必要以上に「うねり」の形状を緩和してしまうことを防止でき、表面形状の調整がしやすいものとなる。ガラス転移温度が高くなるにつれて、「うねり」の形状を緩和する効果が高くなるため、他の樹脂成分の添加量を減らすことができるが、ガラス転移温度が高くなりすぎると極少量の添加によっても敏感に「うねり」の形状を緩和してしまうため、表面形状の調整が難しくなる。
このような他の樹脂成分の含有量は、選択した他の樹脂成分の種類や、ガラス転移温度等によって異なってくるので一概にいえないが、バインダー成分における全固形分中の0.1重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜8重量%程度である。他の樹脂成分の含有量を0.1重量%以上とすることにより、「うねり」の形状を緩和することができ、15重量%以下とすることにより、必要以上に「うねり」の形状を緩和してしまうことを防止し、表面硬度等の物性が低下するのを防止することができる。
ニュートンリング防止層4の表面硬度は、特に限定されず、選択する基材(B)3の種類によって異なってくるので一概にいえないが、JIS K5600−5−4:1999における鉛筆硬度でH以上であることが好ましい。
次に、ニュートンリング防止層4に用いられる微粒子42について説明する。微粒子42は、ニュートンリング防止層4表面に微粒子による凸部を形成することにより、また上述したようにニュートンリング防止層4に「うねり」を生じさせることにより、ニュートンリングが発生するのを防止するために添加する。微粒子42の種類としては、特に限定されず、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、シリカ、カオリン、クレー、タルク等の無機粒子や、アクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等の樹脂粒子が使用できる。このような微粒子42としては、導電性膜Da、Dbへのダメージの低減、算術平均粗さ(Ra)や最大高さ(Ry)等の表面形状の制御のしやすさ、および取扱いの容易性という観点から球形の微粒子を用いることが好ましく、また透明性を阻害しないという観点から樹脂粒子を用いることが好ましい。
微粒子42の大きさは、特に限定されるものではないが、好ましくは、平均粒子径が0.5μm〜3.0μm、さらに好ましくは1.0μm〜2.5μmとする。前記微粒子42の平均粒子径をこのような範囲とすることにより、ニュートンリング防止性に優れると共に、導電性膜Da、Dbの耐久性に優れたニュートンリング防止層4が得られる。
また、微粒子42の平均粒子径が上記のような範囲である場合には、微粒子42の粒子径分布の変動係数は20%〜80%とすることが好ましく、より好ましくは30%〜70%、さらに好ましくは40%〜60%とする。微粒子42の粒子径分布の変動係数を20%以上とすることにより、視認性が低下するのを防止することができ、微粒子42の粒子径分布の変動係数を80%以下とすることにより、透明性を保持すると共に、導電性膜Da、Dbを傷つけてしまう微粒子を排除できるため、導電性膜Da、Dbの傷の発生を抑制することができる。また、微粒子42の平均粒子径が3.0μmよりも大きい場合の微粒子42の粒子径分布の変動係数は、用いる微粒子42の平均粒子径の大きさによって異なってくるので一概にいえないが、導電性膜Da、Dbの傷の発生を抑制するという観点から、上記範囲よりもシャープなものを用いることが好ましい。
なお、微粒子42の粒子径分布の変動係数とは、微粒子42の粒子径分布のバラツキ状態を示す値であって、粒子径分布の標準偏差を平均粒子径で除した値の百分率である{変動係数=(不偏分散の平方根)/(算術平均値)×100%}。
このような微粒子42は平均粒子径の異なる2種類以上の微粒子を用いることも好ましい。2種類以上の微粒子を用いる場合には、微粒子の粒子径分布の変動係数は、20%未満のものであっても良い。このように平均粒子径の異なる2種類以上の微粒子を用いることにより、算術平均粗さ(Ra)や最大高さ(Ry)等の表面形状の制御が容易になるともに、透明性や視認性が低下するのを防止することができる。
また、ニュートンリング防止層4の厚みは、微粒子42の大きさが上述のような範囲(平均粒子径が0.5μm〜3.0μm)である場合には、平均粒子径に対して20%〜80%、好ましくは40%〜80%の厚みとすることが好ましい。平均粒子径に対して20%以上とすることにより、微粒子42がニュートンリング防止層4から脱落するのを防ぐことができる。また、平均粒子径に対して80%以下とすることにより、ニュートンリング防止層4表面に微粒子42による凸部を形成することができる。特に、微粒子42の大きさが上述のような範囲である場合には、ニュートンリング防止層4の厚みを上記のような範囲(下限として20%以上)としても、導電性膜Da、Dbの傷の発生を抑制することができる。一方、微粒子42の平均粒子径が3.0μmよりも大きい場合のニュートンリング防止層4の厚みは、用いる微粒子42の平均粒子径の大きさによって異なってくるが、導電性膜Da、Dbの傷の発生を抑制するという観点から、上記の下限値よりも大きい値とすることが好ましい。
なお、ニュートンリング防止層4の厚みとは、微粒子42により凸部を形成していない樹脂部分の厚みをいう。
また、微粒子42の添加量は、特に限定されないが、ニュートンリング防止層4を構成する全固形分中の0.5重量%〜1.5重量%程度とすることが好ましい。微粒子42の添加量を0.5重量%以上とすることにより、良好なニュートンリング防止性を付与することができる。1.5重量%以下としたのは、それ以上添加してもニュートンリング防止性は変わらず、透明性の低下や導電性膜Da、Dbにおける傷の発生を招くのみという理由からである。このような本発明における上部パネル板Paは、JIS K7136:2000におけるヘーズが、3.0%未満とすることが好ましい。
なお、ニュートンリング防止層4は、バインダー成分、および微粒子の他、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、滑剤、蛍光増白剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤、分散剤、離型剤、架橋剤等の種々の添加剤を含ませることができる。
このようなニュートンリング防止層4は、基材(B)3の粘着剤層2を有する面とは反対側の面、および/または基材(C)6の一方の面に、上述のバインダー成分41(電離放射線硬化型樹脂組成物、他の樹脂成分)、微粒子42、および必要に応じて加えた添加剤、希釈溶媒を混合してニュートンリング防止層4用塗布液を調整し、上述した従来公知のコーティング方法によって、塗布、乾燥し、電離放射線を照射することにより硬化させて得ることができる。
また、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100nm〜400nm、好ましくは200nm〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、又は走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
以上のような本発明におけるニュートンリング防止層4は、上述のように電離放射線硬化型樹脂組成物と、他の樹脂成分とを特定の割合で用いることにより、ニュートンリング防止性に優れると共に、導電性膜Da、Dbの耐久性に優れたタッチパネル7とすることができる。また、微粒子42の添加量が少ないため、透明性、視認性が低下するのを防止することができる。
次に、本発明のタッチパネル7は、基材(A)1の粘着剤層2を有していない方の面に、微粒子を含有してなるハードコート層5を有することが好ましい。このようなハードコート層5を有することにより、タッチパネル7とした際に、爪等により表面が傷つくのを防止すると共に、上述したニュートンリング防止層4との相乗効果で蛍光灯等の光の映り込みを効果的に防止することができる。
微粒子としては、上述したニュートンリング防止層4に用いられる微粒子と同様のものを1種または2種以上を混合して用いることができる。また微粒子の大きさ、粒子径分布の変動係数については、特に限定されるものではないが、透明性や画像の視認性などを考慮すると、上述と同様の範囲とすることが好ましい。微粒子の含有量は、後述する微粒子を含有するためのバインダー成分の種類、ハードコート層の厚みによって異なり、特に限定されるものではないが、バインダー成分の固形分100重量部に対して2重量部〜20重量部、さらには4重量部〜18重量部、さらには6重量部〜16重量部とすることが好ましい。このような範囲とすることにより、上部パネル板とした際に、JIS K7136:2000におけるヘーズが20%以下、さらには10%以下とすることができ、透明性を維持しつつ映り込み防止性の効果を発揮することができる。
次に、微粒子を含有するためのバインダー成分としては、主として熱硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることが好ましく、特に、上述した「うねり」を生じさせることができることにより、透明性を維持しつつ映り込み防止性を付与することができる点、および優れた傷つき防止性を付与することができる点を考慮すると、電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂組成物としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
以上のようなハードコート層5は、本発明の機能を損なわない範囲であれば、上述したニュートンリング防止層4と同様の種々の添加剤を含ませることができる。
このようなハードコート層5は、上述の基材(A)1の粘着剤層2を設ける面とは反対の面に、上述したバインダー成分、微粒子、および必要に応じて加えた添加剤、希釈溶媒を混合してハードコート層5用塗布液を調整し、上述した従来公知のコーティング方法によって、塗布、乾燥し、必要に応じて熱によるキュアリングまたは上述と同様に電離放射線を照射することにより硬化させて、形成することができる。なお、ニュートンリング防止層4、およびハードコート層5のどちらから先に形成して作製してもよい。
次に、本発明のタッチパネル7は、導電性膜Da、Dbを有する一対のパネル板Pa、Pbの前記導電性膜Da、Dbどうしが対向するようにスペーサーSを介して配置してなる抵抗膜方式のタッチパネル7であって、前記導電性膜Da、Dbのいずれか一方または両方の導電性膜Da、Dbが、上述のニュートンリング防止層4上に形成されてなるものである。
導電性膜Da、Dbとしては、In、Sn、Au、Al、Cu、Pt、Pd、Ag、Rhなどの金属や、酸化インジウム、酸化スズ、及びこれらの複合酸化物であるITOなどの金属酸化物からなる透明性および導電性を有する無機の薄膜や、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリピリジン等のアロマティック導電性高分子からなる有機の薄膜があげられる。無機の薄膜については真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法で、有機の薄膜についてはニュートンリング防止層と同様の従来公知のコーティング方法によって形成することにより得られる。
スペーサーSは、一対のパネル板Pa、Pbとした時のパネル板どうし間の空隙を確保したり、タッチ時の荷重を制御したり、またタッチ後の各パネル板Pa、Pbとの離れを良くしたりするために形成される。このようなスペーサーSは、一般に透明な電離放射線硬化型樹脂が用いられ、フォトプロセスで微細なドット状に形成して得ることができる。また、ウレタン系樹脂などを用いて、シルクスクリーン等の印刷法により微細なドットを多数印刷することにより形成することもできる。また、無機物や有機物からなる粒子の分散液を噴霧、または塗布し乾燥することによっても得ることができる。スペーサーSの大きさは、タッチパネル7の大きさによって異なるので一概にいえないが、一般に直径30μm〜100μm、高さ1μm〜15μmのドット状に形成され、0.1mm〜10mmの一定の間隔で配列される。
下部パネル板Pbとしては、上述した基材(A)1、基材(B)3と同様の素材の基材(C)6、または基材(C)6に上述と同様のニュートンリング防止層4を設けたものを用いることができ、前記基材(C)6の一方の面、またはニュートンリング防止層4上に、上述の導電性膜Dbを設けることにより得られる。
以上のように、本発明によれば、導電性膜Da、Dbを有する一対のパネル板Pa、Pbの前記導電性膜Da、Dbどうしが対向するようにスペーサーSを介して配置されてなり、押圧させる側のパネル板Paが少なくとも基材(A)1、粘着剤層2、基材(B)3、および導電性膜Da、Dbを順に備えた抵抗膜方式のタッチパネル7であって、前記一対のパネル板Pa、Pbのいずれか一方または両方の導電性膜Da、Dbは、JIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μm、最大高さ(Ry)が1.5μm〜2.0μmであるニュートンリング防止層4上に設けられてなるため、タッチパネル7を押圧した際のニュートンリング防止性に優れると共に、導電性膜Da、Dbの耐久性に優れたタッチパネル7とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
(1)上部電極のパネル板の作製
[実施例1]
基材(B)として厚み50μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の面に、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液を塗布、乾燥し、高圧水銀灯で紫外線を照射して厚み1.5μmのニュートンリング防止層を形成した。
次に、前記ニュートンリング防止層上に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、もう一方の面に下記処方の粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥して、厚み20μmの粘着剤層を形成した。
次に、基材(A)として厚み188μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の面に、下記処方のハードコート層用塗布液を塗布、乾燥し、高圧水銀灯で紫外線を照射して厚み約5μmのハードコート層を形成し、基材(A)のもう一方の面と、基材(B)の粘着剤層を有する面とを貼合し、4型の大きさ(縦87.3mm、横64.0mmの長方形)に切り取り、実施例1の上部電極のパネル板を作製した。
<実施例1のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物 46.5部
(固形分100%)
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分a(固形分100%) 3.5部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.3部
(平均粒子径2μm)(変動係数20%)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.1部
(平均粒子径3μm)(変動係数20%)
・イソプロピルアルコール 200部
・光重合開始剤 1.4部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
なお、他の樹脂成分aとしてガラス転移温度が71℃の熱可塑性樹脂(バイロン296:東洋紡績社)を用い、バインダー成分における全固形分中の7重量%となるように添加した。
<実施例1の粘着剤層用塗布液の処方>
・熱硬化型感圧接着剤(固形分25%) 100部
(SKダイン2094:綜研化学社)
・硬化剤(固形分100%) 0.27部
(E−AX:綜研化学社)
<実施例1のハードコート層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物(固形分100%) 30部
(ダイヤビームUR6530:三菱レイヨン社)
・微粒子(シリカ) 1.5部
(平均粒子径4.5μm)(変動係数60%)
・微粒子(シリカ)(平均一次粒子径30nm) 1.5部
(アエロジル50:日本アエロジル社)
・光重合開始剤 0.90部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 30部
[実施例2]
実施例1のニュートンリング防止層用塗布液で平均粒子径2μmのアクリル系樹脂粒子0.3部、平均粒子径3μmのアクリル系樹脂粒子0.1部を、平均粒子径2μm、変動係数50%のアクリル系樹脂粒子0.4部に変更し、厚み1.5μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の上部電極のパネル板を作製した。
[実施例3]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例3の上部電極のパネル板を作製した。なお、他の樹脂成分bとしてガラス転移温度が60℃の熱可塑性樹脂(バイロン240:東洋紡績社)を用い、バインダー成分における全固形分中の10重量%となるように添加した。
<実施例3のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物(固形分100%) 45部
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分b(固形分100%) 5部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・イソプロピルアルコール 200部
・光重合開始剤 1.4部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
[実施例4]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例4の上部電極のパネル板を作製した。なお、他の樹脂成分cとしてガラス転移温度が105℃の熱可塑性樹脂(サーモラックLP45M:綜研化学社)を用い、バインダー成分における全固形分中の3重量%となるように添加した。
<実施例4のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物 48.5部
(固形分100%)
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分c(固形分40%) 3.8部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・メチルエチルケトン 200部
・光重合開始剤 1.5部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
[実施例5]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更し、実施例2と同様にしてニュートンリング防止層を形成した後、60℃、48時間キュアリングして、実施例5の上部電極のパネル板を作製した。なお、他の樹脂成分dとしてガラス転移温度が70℃の熱硬化型樹脂(アクリディックA808:大日本インキ化学工業社)を用い、バインダー成分における全固形分中の7重量%となるように添加した。
<実施例5のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物 46.5部
(固形分100%)
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分d(固形分50%) 7部
・架橋剤(ポリイソシアネート)(固形分60%) 1部
(タケネートD110N:三井武田ケミカル社)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・メチルエチルケトン 200部
・光重合開始剤 1.4部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
[実施例6]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液の微粒子を、平均粒子径2μm、変動係数33%のアクリル系樹脂粒子に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例6の上部電極のパネル板を作製した。
[比較例1]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更した以外は、実施例2と同様にして、比較例1の上部電極のパネル板を作製した。
<比較例1のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物(固形分100%) 50部
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・イソプロピルアルコール 200部
[比較例2]
比較例1のニュートンリング防止層用塗布液の微粒子を、平均粒子径9μm、変動係数50%のアクリル系樹脂粒子に変更し、厚み7μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の上部電極のパネル板を作製した。
[比較例3]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更して塗布、乾燥し、ニュートンリング防止層を形成した後、60℃、48時間キュアリングした以外は実施例2と同様にして、比較例3の上部電極のパネル板を作製した。
<比較例3のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・熱硬化型樹脂(アクリル系樹脂)(固形分50%)81部
アクリディックA807:大日本インキ化学工業社)
・架橋剤(ポリイソシアネート)(固形分60%) 16部
(タケネートD110N:三井武田ケミカル社)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・メチルエチルケトン 77部
・トルエン 76部
[比較例4]
比較例3のニュートンリング防止層用塗布液の微粒子を、平均粒子径9μm、変動係数50%のアクリル系樹脂粒子に変更し、厚み7μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、比較例3と同様にして、比較例4の上部電極のパネル板を作製した。
[比較例5]
比較例4のニュートンリング防止層用塗布液の微粒子の添加量を5部に変更した以外は、比較例4と同様にして、比較例5の上部電極のパネル板を作製した。
[比較例6]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更した以外は、実施例2と同様にして、比較例6の上部電極のパネル板を作製した。なお、他の樹脂成分aは、上述したようにガラス転移温度が71℃の熱可塑性樹脂で、バインダー成分における全固形分中の20重量%となるように添加した。
<比較例6のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物(固形分100%) 40部
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分a(固形分100%) 10部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・イソプロピルアルコール 200部
[比較例7]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更した以外は、実施例2と同様にして、比較例7の上部電極のパネル板を作製した。なお、他の樹脂成分aは、上述したようにガラス転移温度が71℃の熱可塑性樹脂で、バインダー成分における全固形分中の0.06重量%となるように添加した。
<比較例7のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物(固形分100%) 50部
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分a(固形分100%) 0.03部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径2μm)(変動係数50%)
・イソプロピルアルコール 200部
[比較例8]
比較例6のニュートンリング防止層用塗布液の他の樹脂成分aを、他の樹脂成分eとしてガラス転移温度が20℃の熱可塑性樹脂(バイロンGK140:東洋紡績社)に変更した以外は、比較例6と同様にして、比較例8の上部電極のパネル板を作製した。よって、他の樹脂成分eは、バインダー成分における全固形分中の20重量%である。
[比較例9]
比較例7のニュートンリング防止層用塗布液の他の樹脂成分aを、他の樹脂成分fとしてガラス転移温度が260℃の熱可塑性樹脂(バイロマックスHR15ET:東洋紡績社)に変更した以外は、比較例7と同様にして、比較例9の上部電極のパネル板を作製した。よって、他の樹脂成分fは、バインダー成分における全固形分中の0.06重量%である。
[比較例10]
実施例1のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更し、厚み2μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例10の上部電極のパネル板を作製した。
<比較例10のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物 46.5部
(固形分100%)
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分a(固形分100%) 3.5部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.1部
(平均粒子径2μm)(変動係数20%)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.2部
(平均粒子径3μm)(変動係数20%)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.1部
(平均粒子径4μm)(変動係数20%)
・イソプロピルアルコール 200部
・光重合開始剤 1.4部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
[比較例11]
実施例1のニュートンリング防止層用塗布液を、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液に変更し、厚み2.5μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例11の上部電極のパネル板を作製した。
<比較例11のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化型樹脂組成物 46.5部
(固形分100%)
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・他の樹脂成分a(固形分100%) 3.5部
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.1部
(平均粒子径3μm)(変動係数20%)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.2部
(平均粒子径4μm)(変動係数20%)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.1部
(平均粒子径5μm)(変動係数20%)
・イソプロピルアルコール 200部
・光重合開始剤 1.4部
(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社)
[比較例12]
実施例2のニュートンリング防止層用塗布液の微粒子を、平均粒子径5μm、変動係数50%のアクリル系樹脂粒子に変更し、厚み4μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、実施例2と同様にして、比較例12の上部電極のパネル板を作製した。
(2)下部電極のパネル板の作製
基材(C)として、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、4型の大きさ(縦87.3mm、横64.0mmの長方形)に切り取り、下部電極のパネル板を作製した。
(3)スペーサーの作製
上記下部電極のパネル板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
(4)タッチパネルの作製
実施例1〜6、および比較例1〜12の上部電極のパネル板と上記下部電極のパネル板とを、各パネル板の導電性膜どうしを対向するように配置させ、接着部分が表示面の領域外となるよう、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例、および比較例のタッチパネルを作製した。
(5)評価
実施例1〜6、および比較例1〜12で得られたタッチパネルのニュートンリング防止層について、JIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)と最大高さ(Ry)を測定した。また、実施例1〜6、および比較例1〜12で得られたタッチパネルについて、ニュートンリング防止性、導電性膜の耐久性について評価した。結果を表1に示す。
・ニュートンリング防止性
実施例1〜6、および比較例1〜12で得られたタッチパネルについて、上部電極のパネル板側から指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかどうかを目視にて評価した。評価は、ニュートンリングが発生しなかったものを「○」、ニュートンリングが発生したものを「×」とした。
・導電性膜の耐久性
実施例1〜6、および比較例1〜12で得られたタッチパネルについて、ペン摺動性試験を行った。ペンプロッター機の印字台の上に上部電極のパネル板のハードコート層が上に向くようにタッチパネルを乗せ、先端の直径1.6mmのポリアセタール樹脂製ペンに500gの荷重をかけて往復させ評価した。評価は、30万回往復してリニアリティ変化率1%以下であったものを「○」、30万回往復してリニアリティ変化率1%を越えたものを「×」とした。
表1の結果からも明らかなように、実施例1〜6は、導電性膜を有する一対のパネル板の前記導電性膜どうしが対向するようにスペーサーを介して配置されてなり、押圧させる側のパネル板が少なくとも基材(A)、粘着剤層、基材(B)、および導電性膜を順に備えた抵抗膜方式のタッチパネルであって、前記押圧させる側のパネル板の導電性膜は、JIS B0601:1994における算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μm、最大高さ(Ry)が1.5μm〜2.0μmであるニュートンリング防止層上に設けられてなるため、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止性に優れると共に、導電性膜の耐久性に優れたタッチパネルとなった。
一方、比較例1、7、8、10、11、12は、押圧させる側のパネル板の導電性膜は算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μmであったが、最大高さ(Ry)が2.0μmより大きいニュートンリング防止層上に設けられてなるため、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止性に優れるものであったものの、導電性膜の耐久性の低いタッチパネルとなった。
次に、比較例2、5は、押圧させる側のパネル板の導電性膜は算術平均粗さ(Ra)が0.3μmより大きく、最大高さ(Ry)が2.0μmより大きいニュートンリング防止層上に設けられてなるため、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止性に優れるものであったものの、導電性膜の耐久性の低いタッチパネルとなった。
比較例3は、押圧させる側のパネル板の導電性膜は算術平均粗さ(Ra)が0.07μmより小さく、最大高さ(Ry)が1.5μmより小さいニュートンリング防止層上に設けられてなるため、導電性膜の耐久性に優れているものの、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止効果の得られないものとなった。
比較例4は、押圧させる側のパネル板の導電性膜は算術平均粗さ(Ra)が0.07μm〜0.3μmであったが、最大高さ(Ry)が1.5μmより小さいニュートンリング防止層上に設けられてなるため、導電性膜の耐久性に優れているものの、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止効果の得られないものとなった。
比較例6、9は、押圧させる側のパネル板の導電性膜は算術平均粗さ(Ra)が0.07μmより小さく、最大高さ(Ry)は1.5μm〜2.0μmであるニュートンリング防止層上に設けられてなるため、導電性膜の耐久性に優れているものの、タッチパネルを押圧した際のニュートンリング防止効果の得られないものとなった。
また実施例1〜6のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物を用いているため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生し、微粒子の添加量を少量としても表面に凹凸を形成することができニュートンリング防止性の優れたものとなった。また、このように導電性膜への傷つきの発生原因となる微粒子の添加量を少量にしたため、導電性膜の耐久性の優れたものとなった。さらに、バインダー成分の他の樹脂成分として、ガラス転移温度が50℃〜120℃の樹脂を特定量含有していることにより、表面形状を調整してニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を微妙に緩やかなものとし、ニュートンリング防止性を維持しつつ、導電性膜に対して凸部の接触表面積を大きくし導電性膜に対するダメージを最小限にすることができたため、導電性膜の耐久性の優れたものとなった。また、他の樹脂成分としてガラス転移温度が50℃〜120℃の樹脂を用いたため、ニュートンリング防止層塗布液としたときの取り扱い性に優れ、表面形状は調整しやすいものであった。
また比較例1、2のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物を用いているため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生し、微粒子の添加量を少量としても表面に凹凸を形成することができニュートンリング防止性の優れたものとなった。しかし、バインダー成分として他の樹脂成分を含有していないことにより、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を微妙に緩やかなものとできず、導電性膜に対して凸部の接触表面積を大きくできず導電性膜に対するダメージを最小限にすることができなかったため、実施例1〜6と比べて、導電性膜の耐久性の低いものとなった。特に比較例2は、平均粒子径が3.0μmより大きく、変動係数が50%の微粒子を用いたことにより、ニュートンリング防止層に導電性膜への傷つきの発生原因となる微粒子を含有していたため、比較例1よりも導電性膜の耐久性の低いものであった。
また比較例3のニュートンリング防止層は、バインダー成分として熱硬化型樹脂を用いたため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生せず、また微粒子の大きさが小さく添加量も少ないため、ニュートンリング防止効果を得ることができないものとなった。また、比較例3のニュートンリング防止層は、微粒子が異物のように見え、見た目の悪いものとなった。
また比較例4のニュートンリング防止層は、比較例3と同様に、バインダー成分として熱硬化型樹脂を用いたため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生せず、また微粒子の大きさは大きいものであったが、添加量が少ないため、ニュートンリング防止効果を得ることができないものとなった。
また比較例5のニュートンリング防止層は、比較例4と同様に、バインダー成分として熱硬化型樹脂を用いたため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生しなかったが、微粒子の大きさを大きく、添加量を多くしたため、ニュートンリング防止性の優れたものとなった。しかし、微粒子の添加量を多くしたことにより、導電性膜に接するニュートンリング防止層の凸部の数が多くなるため、実施例1〜6と比べて、導電性膜の耐久性の低いものとなった。また透明性の低いものとなった。
また比較例6のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物、他の樹脂成分を用いたが、他の樹脂成分としてガラス転移温度が50℃〜120℃の樹脂の含有量を15重量%より多くしたため、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を緩和しすぎてしまい、ニュートンリング防止効果を得ることができないものとなった。
また比較例7のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物、他の樹脂成分を用いたが、他の樹脂成分としてガラス転移温度が50℃〜120℃の樹脂を含有量0.1重量%より少なくしたため、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を緩和することができず、実施例1〜6と比べて、導電性膜の耐久性の低いものとなった。
また、比較例8のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物、他の樹脂成分を用いたが、他の樹脂成分はガラス転移温度が50℃より低い熱可塑性樹脂であるため、含有量を15重量%より多くしたが、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を緩和することができず、実施例1〜6と比べて、導電性膜の耐久性の低いものとなった。
また比較例9のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物、他の樹脂成分を用いたが、他の樹脂成分としてガラス転移温度が120℃を超える樹脂であるため、含有量0.1重量%より少なくしたが、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を緩和しすぎてしまい、ニュートンリング防止効果を得ることができないものとなった。
また、比較例10、11のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物を用いたため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生させることができ、ニュートンリング防止性の優れたものとなった。またバインダー成分の他の樹脂成分として、ガラス転移温度が50℃〜120℃の樹脂を特定量としたため、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を微妙に緩やかなものとすることができ、導電性膜に対して凸部の接触表面積を大きくし導電性膜に対するダメージを最小限にすることができたが、2種類以上の微粒子を用い、平均粒子径が3.0μmよりも大きい微粒子も含有しており、ニュートンリング防止層の厚みは、前記微粒子の平均粒子径の大きさに対して薄すぎたため、導電性膜の傷の発生を抑制することができず、実施例1〜6と比べて、導電性膜の耐久性の低いものとなった。
また、比較例12のニュートンリング防止層は、バインダー成分として電離放射線硬化型樹脂組成物を用いたため、ニュートンリング防止層表面に「うねり」が発生させることができ、ニュートンリング防止性の優れたものとなった。またバインダー成分の他の樹脂成分として、ガラス転移温度が50℃〜120℃の樹脂を特定量としたため、ニュートンリング防止層表面の「うねり」の形状を微妙に緩やかなものとすることができ、導電性膜に対して凸部の接触表面積を大きくし導電性膜に対するダメージを最小限にすることができたが、平均粒子径が3.0μmより大きく、変動係数が50%の微粒子を用いたことにより、ニュートンリング防止層に導電性膜への傷つきの発生原因となる微粒子を含有していたため、実施例1〜6と比べて、導電性膜の耐久性の低いものとなった。
また、実施例1〜6、比較例1〜12のタッチパネルは、押圧させる側のパネル板の表面に微粒子を含有してなるハードコート層を有するものであるため、光の映り込み防止性の高いものとなり、特に実施例1〜6は、特定のニュートンリング防止層としているため、その相乗効果により従来のニュートンリング防止層である比較例2、5、12と比べて、映り込み防止性の優れたものとなった。
本発明のタッチパネルの一実施例を示す断面図
本発明で用いられるニュートンリング防止層の一実施例を示す断面図
他のニュートンリング防止層の一実施例を示す断面図
他のニュートンリング防止層の他の実施例を示す断面図
他のニュートンリング防止層の他の実施例を示す断面図
符号の説明
1・・・・・基材(A)
2・・・・・粘着剤層
3・・・・・基材(B)
4・・・・・ニュートンリング防止層
41・・・・バインダー成分
42・・・・微粒子
5・・・・・ハードコート層
6・・・・・基材(C)
7・・・・・タッチパネル
Pa・・・・上部電極のパネル板
Pb・・・・下部電極のパネル板
Da、Db・導電性膜
S・・・・・スペーサー