JP5508858B2 - ニュートンリング防止シート、及びこれを用いたタッチパネル - Google Patents

ニュートンリング防止シート、及びこれを用いたタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、ニュートンリング防止シートに関し、特にCRTやフラットパネルディスプレイ等のディスプレイ画面上に用いられるタッチパネル等で使用されるニュートンリング防止シート及びこれを用いたタッチパネルに関する。
従来から写真製版分野および光学機器分野などでは、プラスチックフィルムやガラス板等の部材同士の密着により発生するニュートンリングによる問題が生じていた。このようなニュートンリングは、部材同士が密着する際に両者の間に生じる隙間を一定以上に維持することによって発生を防止することが可能となるため、部材上にバインダー成分、および微粒子からなるニュートンリング防止層を形成して、部材の片面あるいは両面を凹凸処理したニュートンリング防止シートが提案されている(特許文献1参照)。
一方、CRTやフラットパネルディスプレイ等のディスプレイ画面上に用いられるタッチパネルで使用されるフィルムやガラス等の部材においても、タッチパネルのタッチ(押圧)時に生じるニュートンリングを防止するため、上記のようなニュートンリング防止シートが使用されている。
しかし、このようなCRTやフラットパネルディスプレイ等のカラー化が進むと共に、各種ディスプレイのカラーの高精細化が進んだ結果、従来のニュートンリング防止シートをタッチパネルに使用すると、ニュートンリング防止層に含有されている微粒子が輝点となってスパークルと呼ばれるギラつき現象が発生し、高精細化されたカラー画面がぎらついて見えてしまうという問題が生じるようになってきた。
また、微粒子を用いたニュートンリング防止シートは、バインダー成分と微粒子との屈折率差に起因した内部ヘーズ値の上昇や、微粒子によるニュートンリング防止シート表面の不均一な凹凸形状の形成に起因した外部ヘーズ値の上昇により、ディスプレイ画面上に用いるタッチパネル等として使用した際の画面の正面方向への視認性が阻害され、透明性が低下するという問題も生じている。
特開平11−77946号公報(段落番号0007)
そこで本発明は、ニュートンリング防止性に優れ、かつ高精細化されたカラーディスプレイを用いたタッチパネルに使用した際にも、ギラつきが発生することなく、さらに透明性に優れたニュートンリング防止シート、およびこれを用いたタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者は、上述の課題に対し、微粒子を用いずに、高分子樹脂によって、2P(Photo−Polymerization)法、2T(Thermal−Transformation)法やエンボス加工法等の転写賦形技術により表面に特定の凸状パターンを賦形させ、ニュートンリング防止層を形成したニュートンリング防止シートとすることにより、上述の課題を達成できることを見出し、本発明に至ったものである。
なお、タッチパネルの透明基体に、微粒子を用いずにエンボス加工によって凹凸を形成しニュートンリングの発生を防止する技術も提案されている(特許文献2)。しかしここでは、エンボス加工によって形成される凹凸の粗さや最大高さについて検討されているが、凸状パターンの形状、特に凸部のピッチや先端の形状については、検討されていない。本発明者の検討によれば、凸部のピッチや先端の形状が、ニュートンリング防止性、透明性、ギラつき防止性を向上するために重要な要素であることがわかった。
特開平8−77871号公報
即ち、本発明のニュートンリング防止シートは、複数の凸部が配置された凸状パターンを表面に備えたニュートンリング防止層を有し、前記ニュートンリング防止層は実質的に粒子状物質を含有せず、前記凸状パターンの凸部は、先端が角のない平坦な面であって、該平坦な面の最大径が0.055μm以上、0.6μm以下であることを特徴とする。角のない平坦な面とは、面の形状が例えば円形、楕円形、或いは多角形の角にRを持たせた形状であって、曲線で囲まれた形状であることを意味する。また「実質的に粒子状物質を含有せず」とは、ニュートンリング防止用凸部を形成するための粒子状物質としては含有しないことを意味し、本発明の効果である透明性やギラつきを阻害しない範囲であれば、粒子径が極めて小さい(例えば300nm以下の)微粒子や微量の微粒子を含有していてもよい。
本発明のニュートンリング防止シートは、好ましくは、複数の凸部の、平均の高さが0.7〜2.5μm、高さの標準偏差が0.5μm以下である。また好ましくは、複数の凸部は、20〜80μmのピッチで形成されている。
本発明のニュートンリング防止シートにおいて、例えば、凸部は、円柱状および円錐台状のいずれかである。
また本発明のニュートンリング防止シートは、好ましくは、ニュートンリング防止層が高分子樹脂により構成されている。また凸状パターンは2P法および2T法から選ばれる微細転写技術により形成されている。
また本発明のニュートンリング防止シートは、好ましくは、ニュートンリング防止層の凸状パターンを備えた面とは反対面に、ハードコート層を備えている。
また、本発明のタッチパネルは、導電性膜を有する一対のパネル板の前記導電性膜同士が対向するようにスペーサーを介して配置してなる抵抗膜方式のものであって、前記導電性膜のいずれか一方または両方が上述のニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層上に形成されてなることを特徴とするものである。
本発明のニュートンリング防止シートによれば、微粒子を用いることなく賦形技術によりニュートンリング防止層を形成するため、ニュートンリング防止性に優れ、高精細化されたカラーディスプレイを用いたタッチパネルで使用した際にも、スパークルが発生しにくく、カラー画面のギラつきが目立ち難いニュートンリング防止シートとすることができる。また、本発明のニュートンリング防止層は、微粒子を用いずに、先端が略円形の凸部を配置した凸状パターンを有するため、当該凸状パターンの凸部の先端面が略平坦となっており、上述のようにギラつきを防止できるだけでなく、内部及び外部ヘーズ値の上昇を抑え、表面形状に起因した光の屈折を少なく抑えることができ、透明性が良好なものとなる。
また、本発明のタッチパネルによれば、上述したニュートンリング防止シートを用いてなるため、スパークルが発生せず、カラー画面がギラついて見えることがなく、正面方向への視認性も良好なものとなる。
以下、本発明のニュートンリング防止シート及びタッチパネルの実施の形態について説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明のニュートンリング防止シートの実施形態10、10’、10”を示す図である。本発明のニュートンリング防止シートは、凸状パターンを表面に備えたニュートンリング防止層を有するものであり、図示するように、ニュートンリング防止層11単層からなるものでもよく(図1(a))、支持体12上に当該ニュートンリング防止層11が積層されたものであってもよい(図1(b))。またニュートンリング防止層11の凸状パターンを有する表面と反対側に別の機能層13、例えばハードコート層が形成されていてもよい。
ニュートンリング防止層は、高分子樹脂により構成されてなる。従来のニュートンリング防止シートでは、凸状パターンを形成するために高分子樹脂に加え微粒子等を用いるが、本発明のニュートンリング防止層は、2P法や2T法、エンボス加工法等に代表される転写賦形技術により凸状パターンを形成するため、微粒子を用いずに高分子樹脂のみでニュートンリング防止層を構成することができる。したがって、本発明のニュートンリング防止層を有するニュートンリング防止シートによれば、タッチパネル部材として使用した際にスパークルと呼ばれるギラつきを防止することができる。また、微粒子により凹凸形状を形成するのではなく、転写賦形技術により凹凸形状を形成するため、内部及び外部ヘーズ値の上昇を抑え、従来のニュートンリング防止シートに比べ透明性が良好なものとなる。
高分子樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、湿気硬化性樹脂等が挙げられる。2P法によりニュートンリング防止層の凸状パターンを形成する場合には、電離放射線硬化性樹脂を用い、2T法やエンボス加工法によりニュートンリング防止層の凸状パターンを形成する場合には、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を用いる。湿気硬化性樹脂は2P法、2T法のいずれにも採用することができるが、2T法による凸状パターンの形成に適している。
電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線(紫外線または電子線)の照射によって架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、ポリフルオロアルキルアクリレート、シリコーンアクリレート等が使用できる。さらにこれらのアクリル系プレポリマーは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性を向上させニュートンリング防止層の硬度をより向上させるために、光重合性モノマーを加えることが好ましい。
光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等の1種若しくは2種以上が使用される。
ニュートンリング防止層は、上述した光重合性プレポリマー及び光重合性モノマーの他、紫外線照射によって硬化させる場合には、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、フラン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、グアナミン系樹脂、ケトン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらは単独でも使用可能であるが、架橋性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるためには、硬化剤を加えることが望ましい。
硬化剤としては、ポリイソシアネート、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、カルボン酸などの化合物を、適合する樹脂に合わせて適宜使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、ノルボルネン樹脂、シリコーン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スルフォン系樹脂、イミド系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
なお、これら熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂のうち、ニュートンリング防止層とした際の塗膜強度や、良好な透明性が得られる観点から、アクリル系樹脂の熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。また、これら熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂は、それぞれ熱硬化性樹脂どうし或いは熱可塑性樹脂どうしを複数種組み合わせた複合樹脂として用いることもできる。
湿気硬化型樹脂は空気中の水分と反応して硬化が進行する樹脂であり、例えば、1液型シリコーン樹脂、1液型変成シリコーン樹脂、1液型ポリウレタン樹脂、2液型変成シリコーン樹脂等が挙げられる。このような湿気硬化型樹脂は、電離放射線硬化型樹脂や熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いる場合に必要な光や熱等の外部エネルギーを用いることなくニュートンリング防止層を形成することができるという利点がある。
ニュートンリング防止層を構成する高分子樹脂としては、上述した樹脂以外の樹脂を併用することもできる。高分子樹脂を2種以上の樹脂により構成する場合、転写賦形技術により凸状パターンを精度良く作製する観点から、2P法であれば、電離放射線硬化性樹脂が全高分子樹脂成分中30〜90重量%程度含まれることが好ましい。2T法やエンボス加工法の場合では、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂が全高分子樹脂成分中30〜90重量%程度含まれることが好ましい。
なお、ニュートンリング防止層には、高分子樹脂の他、これらの効果を阻害しない範囲であれば、滑剤、蛍光増白剤、微粒子、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤、分散剤、離型剤、架橋剤等の種々の添加剤を含ませることもできる。
ニュートンリング防止層の表面に備わる凸状パターンは、先端が平坦な凸部が複数、配置されてなるものである。ここで平坦とはニュートンリング防止層の面と実質的に平行な平面が形成されていることを意味する。平面の形状は、角がなく曲線で囲まれた形状であることが望ましい。典型的には、円形や楕円形などであるがそれに限定されない。このような凸部により凸状パターンを構成することで、光の屈折を少なくすることができ、正面方向に対する視認性を良好なものとすることができるだけでなく、タッチパネル部材として使用した際のギラつきを防止することができる。
また、このような凸部は、先端面に角が存在しないため、例えば先端面が正方形、長方形、多角形等のような角が存在する凸部からなる凸状パターンと比較して光の屈折をより少なく抑えることができ、視認性を良好なものとすることができるだけでなく、タッチパネル部材として使用した際のギラつきをさらに防止することができる。
上記効果を得るため、平坦面はその形状に係らず、最大径が0.055μm以上、0.6μm以下であることが好ましい。最大径が0.055μm未満の場合には、ニュートンリング防止効果を得るためには凸部間隔を狭くする必要があり、結果として光拡散性が増大し十分な透明性を得ることができない。また最大径を0.6μm以下とすることにより、正面方向に対し良好な視認性を保つことができる。
このような平坦な面を持つ凸部の形状としては、円柱、楕円柱、小判型柱、円錐台、楕円錐台或いは小判型錐台等を挙げることができる。これら凸部のうちのいずれか一種の凸部を配置して凸状パターンとすることができ、或いは、複数種の凸部を適宜組み合わせて凸状パターンとすることもできる。
なお、凸状パターンは、略同一形状の凸部により配置したものとすることにより、表面形状に起因した光の屈折を少なく抑え、正面方向に対する視認性を良好なものとすることができるだけでなく、ニュートンリング防止シートの平面性が維持されるため、透明性が良好で、タッチパネル部材として使用した際の筆記性が良好なものとすることができる。
凸状パターンは、ニュートンリング防止層を構成する高分子樹脂の種類にも左右されるため一概にはいえないが、高さが0.7〜2.5μm(好ましくは1〜2μm)の凸部を、20〜80μm(好ましくは30〜70μm)のピッチで配置したものであることが好ましい。凸部の高さを0.7μm以上とすることにより、ニュートンリング防止性を良好なものとすることができ、2.5μm以下とすることにより、凸状パターンに起因した正面方向の視認性の低下を抑制することができ、透明性が阻害されるのを防止することができる。また凸部の高さは、凸部に対向する部材に対し、突出した凸部との接点に圧力が集中するのを避けるため、バラツキが少ないことが好ましく、高さの標準偏差は好ましくは、0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
また、凸部のピッチを20μm以上とすることにより、透明性が低下することを防止することができ、80μm以下とすることにより、ニュートンリング防止性を十分なものとすることができる。
また、当該凸状パターンの凸部のアスペクト比(高さと底面の長さとの割合)は、0.3〜10程度であることが好ましく、0.5〜7程度であることがより好ましい。アスペクト比が0.3以上であることにより、ニュートンリング防止性を良好なものとすることができる。一方、アスペクト比が10以下であることにより、凸部の強度が低下することを防止しつつ、視認性が低下するのを防止することができる。
なお、上述した凸状パターンのうち、特に円柱パターン、或いは、円錐台パターンとすることが好ましい。円柱パターンは、底面が円形の円柱を配置して構成されてなるため、ニュートンリング防止層の表面形状に起因した光の屈折を少なく抑えることができ、正面方向に対する視認性をさらに良好なものとすることができる。また、円錐台パターンは、円柱に比べ側面が傾斜した構造の円錐台を配置して構成されてなるため、当該円錐台パターンが正面方向だけでなく側面方向に対しても外力に安定的であるため、タッチパネル部材として使用した際の耐久性を良好なものとすることができる。
円柱パターンとしては、円柱の直径が0.1〜0.5μm(好ましくは0.2〜0.3μm)であることが好ましい。円柱の直径を0.1μm以上とすることにより、円柱の強度を十分なものとしつつ、当該ニュートンリング防止層に他の部材を対向させた際に、対向部材に接する接地面積をある程度確保して局所的に外圧が集中しすぎることを防止でき、対向部材に傷を付けることを防止することができる。また円柱の直径を0.5μm以下とすることにより、良好なニュートンリング防止性が得られるだけでなく、正面方向に対する視認性が低下することをも防止することができる。
また、当該円柱パターンの円柱を、上述の範囲の直径で、上述したピッチで配置することで、他の部材と重ね合わせた際の干渉縞も防止することができる。
円錐台パターンとしては、円錐台の上底の直径が0.1〜0.5μm(好ましくは0.2〜0.3μm)、下底の直径が0.1μmを超えて3.5μm以下(好ましくは0.5〜3.0μm)、かつ、上底の直径よりも下底の直径が長いものとすることが好ましい。円錐台の上底の直径を0.1μm以上とすることにより、円錐台の強度を十分なものとしつつ、当該ニュートンリング防止層に他の部材を対向させた際に、対向部材に接する接地面積をある程度確保して局所的に外圧が集中しすぎることを防止でき、対向部材に傷を付けることを防止することができる。また、円錐台の上底の直径を0.5μm以下とすることにより、正面方向に対する視認性が低下することを防止することができる。また、円錐台の下底の直径を0.1μmを超えるものとすることにより、円錐台の強度を十分なものとすることができ、3.5μm以下とすることにより、正面方向に対する視認性が低下することを防止することができる。
また、上底の直径と下底の直径との割合については、上底の直径を1とした場合に、下底の直径が1を超えて15以下となる程度とすることが好ましい。上底の直径1に対し下底の直径を1を超えるものとすることにより、円錐台の強度を十分なものとすることができる。一方、下底の直径を15以下とすることにより、タッチパネル部材として使用した際に円錐台の形状に起因したギラつきが発生することを抑制でき、正面方向に対する視認性を良好なものとすることができる。
また、当該円錐台パターンの円錐台を、上述の範囲の上底の直径で、上述したピッチで配置することで、他の部材と重ね合わせた際の干渉縞も防止することができる。なお、本発明でいう円錐台には側面が直線状のものだけでなく、曲線状のものが含まれてもよい。
このような凸状パターンは、当該凸状パターンとは相補的な凹状パターンを備えた型により形成することができる。本発明の凸状パターンとは相補的な凹状パターンを備えた型を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、微細穴開け加工技術を用い、先端に特定の断面形状をもつ切削工具により、切削深さを制御して平板上に凹みを形成し、これを成形用の型(雌型)とする。或いは、レーザー微細加工技術により、特定形状の凸部を平板上に形成し、これを雄型として成形用の型(雌型)を作製する。
ニュートンリング防止層の厚みは、本発明のニュートンリング防止シートをニュートンリング防止層単層で形成する場合には、当該層の十分な塗膜強度や平滑性を得る観点から、25〜300μmとすることが好ましい。一方、ニュートンリング防止層を支持体上に形成してニュートンリング防止シートとする場合では、3〜15μmとすることが好ましい。なお、ここでいうニュートンリング防止層の厚みとは、凸部を形成していない樹脂部分のみの厚みをいう。
支持体を用いる場合、支持体として、ガラス板やプラスチックフィルム等の透明性の高いものを用いることができる。ガラス板としては、例えばケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等の酸化ガラスを板ガラス化したものを使用することができ、特にケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラスを板ガラス化したものが好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン化合物等が使用でき、延伸加工、特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているために好適に使用される。このような支持体はプラズマ処理、コロナ放電処理、遠紫外線照射処理、下引き易接着層の形成等の易接着処理が施されたものを用いることが好ましい。
支持体の厚みは、特に限定されず適用される材料に対して適宜選択することができるが、ニュートンリング防止シートとしての取扱い性等を考慮すると、一般に25〜500μm程度であり、好ましくは50〜300μm程度である。
本発明のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止層の凸状パターンを備えた面とは反対面には、ハードコート層を設けてもよい。一方の面にニュートンリング防止層、他方の面にハードコート層を設けた構成とすることにより、ハードコート層による傷付き防止効果に加えて、ニュートンリング防止シートの「そり」を防止することができ、本発明のニュートンリング防止シートを組み込んだ製品、例えばタッチパネルの品質を良好に保つことができる。
ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂や熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、湿気硬化型樹脂等の樹脂により構成される。これらの中でも電離放射線硬化型樹脂は、ハードコート性を発揮させ易いことから好ましく用いられる。これらの樹脂は、上述したニュートンリング防止層で用いることができる電離放射線硬化型樹脂や熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、湿気硬化型樹脂等の樹脂と同様のものを用いることができる。
ハードコート層の厚みは、好ましくは0.1μm〜30μm、より好ましくは0.5〜15μm、さらに好ましくは2μm〜10μmである。ハードコート層の厚みを0.1μm以上にすることにより、ハードコート性を十分なものにし易くすることができる。また、ハードコート層の厚みを30μm以下とすることにより、カールの発生や硬化不足となるのを防止し易くすることができる。
ハードコート層は、300gの荷重、好ましくは500gの荷重によるスチールウール#0000を10往復させたときに傷を生じることがないように調整されていることが望ましい。このように調整することで、必要なハードコート性を確保することが可能となる。
また、ハードコート層は、さらに鉛筆引っかき値(鉛筆硬度)が、H以上、より好ましくは、2H以上、さらに好ましくは3H以上に調整されていることが望ましい。鉛筆引っかき値が所定値以上に調整されていることにより、ハードコート層の表面が傷つくことを効果的に防止することができる。なお、鉛筆引っかき値は、JIS K5400:1990に準拠した方法で測定した値である。
ハードコート層の擦傷性や硬度は、ハードコート層を構成する樹脂の種類や硬化の条件を調整することにより調整することができる。
次に、本発明のニュートンリング防止シートの製造方法を説明する。
本発明のニュートンリング防止シートは、2P法、2T法やエンボス加工法等のような転写賦形技術により形成することができる。特に、目的とする形状を正確に形成できるという点で、2P法および2T法が好ましい。つまり、エンボス加工法で形成された凹凸は、樹脂の弾性により、版(エンボスロール)の凹凸形状に比べ角がなだらかになった形状となり、所望のサイズの凹凸や先端に平坦な面を有する凸部を賦形することが難しいが、2P法や2T法を採用することにより、所望の形状を形成できる。
具体的には、上述したようなニュートンリング防止層を構成する高分子樹脂等を、要求する凸状パターンとは相補的な凹状パターンを有する型内に充填し、パターンを転写賦形させた後、当該高分子樹脂等を硬化させ、型から剥離することで、凸状パターンが賦形されたニュートンリング防止層を備えたニュートンリング防止シートが得られる。支持体を用いる場合には、型内に高分子樹脂等を充填し、その上に支持体を重ね合わせた後、当該高分子樹脂等を硬化させ、型から剥離することで、支持体上に凸状パターンが賦形されたニュートンリング防止層を備えたニュートンリング防止シートが得られる。
上述した転写賦形技術のうち、ニュートンリング防止シートを比較的短時間で作製でき、加熱冷却が不要であるため構成部材の熱による変形を少なく抑えられる観点からは、2P法を採用することが好ましい。一方、構成部材の材料選択性の自由度が高く、プロセスコストを削減可能な観点からは、2T法を採用することが好ましい。
ニュートンリング防止層を構成する高分子樹脂を硬化させる方法としては、高分子樹脂が電離放射線硬化性樹脂の場合には電離放射線の照射、熱硬化性樹脂の場合には加熱、熱可塑性樹脂の場合には冷却を採用する。ここで、電離放射線としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線や、走査型・カーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を利用することができる。
熱硬化性樹脂の加熱温度は、樹脂の種類やニュートンリング防止層の膜厚などを考慮して設定され、通常80〜200℃の範囲である。
ニュートンリング防止層の凸状パターンを備えた面とは反対面にハードコート層を形成する場合には、ハードコート層を構成する樹脂を必要に応じて用いられる添加剤および希釈溶媒などと混合してハードコート層用塗布液を調整し、従来公知のコーティング方法、例えば、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などによって塗布し、必要に応じて乾燥後、電離放射線の照射により電離放射線硬化型樹脂を硬化させることにより形成される。硬化方法としては、ニュートンリング防止層を構成する高分子樹脂を硬化させる方法と同様の方法を採用することができる。
ハードコート層の形成は、例えば、支持体上にニュートンリング防止層を形成する場合には、ハードコート層とニュートンリング防止層のいずれを先に形成してもよいが、ニュートンリング防止シートとしたときに良好な平面性を得るためには、ニュートンリング防止層を先に形成することが好ましい。またハードコート層とニュートンリング防止層が共に電離放射線硬化型樹脂の場合には、一方の層を半硬化の状態で、他方を形成し、両者を一括して全硬化させることも可能である。
なお、本発明のニュートンリング防止層は、ニュートンリング防止層の表面にタックがない程度の塗膜強度を備えていることが好ましい。また、JIS K5400:1990に基づく鉛筆硬度がHB以上であることが好ましい。ニュートンリング防止層が上述した程度の塗膜強度を備えることで、当該ニュートンリング防止層を備えたニュートンリング防止シートをタッチパネルに用いた際、凸状パターンが容易には変形せず耐久性に優れたものとすることができる。塗膜強度は、高分子樹脂の種類や上述した硬化の条件を調整することにより調整することができる。
また、本発明のニュートンリング防止シートは、JIS K7136:2000に基づくヘーズ値が、5.0%未満であることが好ましく、4.0%未満であることがより好ましく、3.0%未満とすることがさらに好ましい。ニュートンリング防止シートのヘーズ値を5.0%未満とすることにより、透明性が要求される写真製版分野、光学機器分野やタッチパネルの部材として好適に用いられる。
以上、説明したように、本発明のニュートンリング防止シートは、特定の凸状パターンを表面に備えた高分子樹脂により構成されてなり、微粒子を実質的に含まないため、タッチパネル部材として用いた際に従来から生じていたギラつきが発生することなく、正面方向への視認性に優れ、透明性に優れている。このようなニュートンリング防止シートは、写真製版分野および光学機器分野における部材や、タッチパネルの部材等として好適に用いられる。
次いで、本発明のタッチパネルの実施の形態について説明する。
図2は、本発明のタッチパネルの実施形態20、20’、20”を示す図である。本発明のタッチパネルは、図示するように、導電性膜22を有する一対のパネル板21の導電性膜同士が対向するようにスペーサー23を介して配置してなる抵抗膜方式のタッチパネルであって、導電性膜22のいずれか一方または両方が、上述の本発明のニュートンリング防止シート10、10’、10”のニュートンリング防止層上に形成されてなるものである。図では省略されているが、各導電性膜22は図示しない電気回路に接続されている。また図では、ニュートンリング防止層の凹凸形状(凸部)やスペーサーのサイズは、説明のために正確さを無視して示している。
導電性膜としては、In、Sn、Au、Al、Cu、Pt、Pd、Ag、Rhなどの金属や、酸化インジウム、酸化スズ、及びこれらの複合酸化物であるITOなどの金属酸化物からなる透明性および導電性を有する無機の薄膜や、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリピリジン等のアロマティック導電性高分子からなる有機の薄膜があげられる。
パネル板には、本発明のニュートンリング防止シートで詳述した支持体と同様のもの、または本発明のニュートンリング防止シートを用いることができ、支持体の一方の面、またはニュートンリング防止シート上に、上述の導電性膜を形成しパネル板とする。導電性膜は、無機の薄膜であれば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法で、有機の薄膜であれば従来公知のコーティング方法により形成することができる。パネル板の、タッチされる側には、任意のハードコート処理を施しておくことが好ましい。
スペーサーは、一対のパネル板とした時のパネル板同士間の空隙を確保したり、タッチ時の荷重を制御したり、またタッチ後の各パネル板との離れを良くしたりするために形成される。このようなスペーサーは、一般に透明な電離放射線硬化性樹脂が用いられ、フォトプロセスで微細なドット状に形成して得ることができる。また、ウレタン系樹脂などを用いて、シルクスクリーン等の印刷法により微細なドットを多数印刷することにより形成することもできる。また、無機物や有機物からなる粒子の分散液を噴霧、または塗布し乾燥することによっても得ることができる。スペーサーの大きさは、タッチパネルの大きさによって異なるので一概にいえないが、一般に直径30〜100μm、高さ1〜15μmのドット状に形成され、0.1〜10mmの一定の間隔で配列される。
このように、本発明のタッチパネルは、少なくとも一方のパネル板として、本発明のニュートンリング防止シートを用いることにより、一対のパネル板間にニュートンリングが発生するのを効果的に防止することができ、且つニュートンリング防止シートの存在によりカラー画面がギラついて見えてしまうようなことがない。これによりディスプレイの視認性に優れたタッチパネルとすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
1.ニュートンリング防止シートの作製
[実施例1]
微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型aを用い、金型aにニュートンリング防止層用塗布液として下記処方の混合液を充填し、その上に支持体として厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)を密着させた。
<ニュートンリング防止層用塗布液>
・アクリルモノマー 50部
(メタクリル酸メチル:和光純薬社)
・多官能性アクリルモノマー 45部
(NKエステルA-TMPT-3EO:新中村化学工業社)
・光重合開始剤 5部
(イルガキュア184:チバ・ジャパン社)
その後、ニュートンリング防止層に対し高圧水銀灯により紫外線を600mJ/cm2照射してニュートンリング防止層を硬化させ、金型aを剥離することで、支持体上に厚み10μmのニュートンリング防止層が形成された実施例1のニュートンリング防止シートを作製した。実施例1で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.2μm、高さが1.2μmの円柱が、40μmのピッチで配置されていた。
[実施例2]
実施例1で用いた金型aに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のニュートンリング防止シートを作製した。実施例2で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.5μm、高さが1.5μmの円柱が、45μmのピッチで配置されていた。
[実施例3]
微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型cを用い、金型cにニュートンリング防止層用塗布液として実施例1と同様の混合液を充填した。その後、ニュートンリング防止層に対し高圧水銀灯により紫外線を600mJ/cm2照射してニュートンリング防止層を硬化させ、金型cを剥離することで、厚み200μmのニュートンリング防止層からなる実施例3のニュートンリング防止シートを作製した。実施例3で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.3μm、高さが1.0μmの円柱が、30μmのピッチで配置されていた。
[実施例4]
実施例3で用いた金型cに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型dを用いた以外は実施例3と同様にして、実施例4のニュートンリング防止シートを作製した。実施例4で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.3μm、高さが2.5μmの円柱が、50μmのピッチで配置されていた。
[実施例5]
支持体として厚み188μmのポリエチレンナフタレートフィルム(テオネックスQ51:帝人デュポンフィルム社)を用い、これを射出成形機の金型にセットし、金型と支持体との間にニュートンリング防止シート用の高分子樹脂のペレットを注入し、支持体上に、厚み10μmのニュートンリング防止層を賦形転写し、実施例5のニュートンリング防止シートを作製した。高分子樹脂としてポリカーボネート樹脂(パンライトL-1225:帝人化成社)を用い、射出成形時のシリンダー温度は280度、金型温度は85度とした。型は、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型eを用いた。実施例5で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.2μm、高さが1.3μmの円柱が、30μmのピッチで配置されていた。
[実施例6]
実施例5で用いた金型eに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型fを用いた以外は実施例5と同様にして、実施例6のニュートンリング防止シートを作製した。実施例6で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.3μm、高さが1.8μmの円柱が、80μmのピッチで配置されていた。
[実施例7]
射出成形機を用いて、支持体を用いることなく、厚み200μmのニュートンリング防止層からなるニュートンリング防止シートを作製した。高分子樹脂としてポリカーボネート樹脂(パンライトL-1225:帝人化成社)を用い、シリンダー温度280度、金型温度85度の条件下で成形した。型は、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型gを用いた。実施例7で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.6μm、高さが1.8μmの円柱が、60μmのピッチで配置されていた。
[実施例8]
実施例7で用いた金型gに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型hを用いた以外は実施例7と同様にして、実施例8のニュートンリング防止シートを作製した。実施例8で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、直径0.3μm、高さが1.9μmの円柱が、100μmのピッチで配置されていた。
[実施例9]
実施例1で用いた金型aに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型iを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9のニュートンリング防止シートを作製した。実施例9で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.1μm、下底の直径2.5μm、高さが1.4μmの円錐台が、40μmのピッチで配置されていた。
[実施例10]
実施例1で用いた金型aに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型jを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10のニュートンリング防止シートを作製した。実施例10で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.2μm、下底の直径3.5μm、高さが2.0μmの円錐台が、50μmのピッチで配置されていた。
[実施例11]
実施例3で用いた金型cに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型kを用いた以外は実施例3と同様にして、実施例11のニュートンリング防止シートを作製した。実施例11で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.3μm、下底の直径1.7μm、高さが0.7μmの円錐台が、60μmのピッチで配置されていた。
[実施例12]
実施例3で用いた金型cに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型lを用いた以外は実施例3と同様にして、実施例12のニュートンリング防止シートを作製した。実施例12で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.2μm、下底の直径2.5μm、高さが2.0μmの円錐台が、55μmのピッチで配置されていた。
[実施例13]
実施例5で用いた金型eに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型mを用いた以外は実施例5と同様にして、実施例13のニュートンリング防止シートを作製した。実施例13で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.2μm、下底の直径2.2μm、高さが1.2μmの円錐台が、20μmのピッチで配置されていた。
[実施例14]
実施例5で用いた金型eに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型nを用いた以外は実施例5と同様にして、実施例14のニュートンリング防止シートを作製した。実施例14で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.3μm、下底の直径2.7μm、高さが1.7μmの円錐台が、70μmのピッチで配置されていた。
[実施例15]
実施例7で用いた金型gに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型oを用いた以外は実施例7と同様にして、実施例15のニュートンリング防止シートを作製した。実施例15で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.055μm、下底の直径1.3μm、高さが1.1μmの円錐台が、35μmのピッチで配置されていた。
[実施例16]
実施例7で用いた金型gに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型pを用いた以外は実施例7と同様にして、実施例16のニュートンリング防止シートを作製した。実施例16で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、上底の直径0.3μm、下底の直径2.2μm、高さが1.5μmの円錐台が、10μmのピッチで配置されていた。
[比較例1]
支持体として実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液を塗布、乾燥し、高圧水銀灯で紫外線を照射して厚み2μmのニュートンリング防止層を形成し、比較例1のニュートンリング防止シートを作製した。
<比較例1のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・電離放射線硬化性樹脂(固形分100%) 50部
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 0.4部
(平均粒子径3μm)
・光重合開始剤 1.5部
(イルガキュア651:チバ・ジャパン社)
・イソプロピルアルコール 200部
[比較例2]
比較例1のニュートンリング防止層用塗布液の微粒子を、平均粒子径9μmのアクリル系樹脂粒子に変更し、厚み7μmのニュートンリング防止層を形成した以外は、比較例1と同様にして、比較例2のニュートンリング防止シートを作製した。
[比較例3]
実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、下記処方のニュートンリング防止層用塗布液を塗布、乾燥し、厚み2μmのニュートンリング防止層を形成した後、60℃、48時間キュアリングして、比較例3のニュートンリング防止シートを作製した。
<比較例3のニュートンリング防止層用塗布液の処方>
・熱硬化型樹脂(アクリル系樹脂)(固形分50%)81部
(アクリディックA807:大日本インキ化学工業社)
・架橋剤(ポリイソシアネート)(固形分60%) 16部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社)
・微粒子(アクリル系樹脂粒子) 2部
(平均粒子径3μm)
・メチルエチルケトン 77部
・トルエン 76部
[比較例4]
実施例1で用いた金型aに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型qを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4のニュートンリング防止シートを作製した。比較例4で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、対角線の長さが0.4μm、高さが2.0μmの四角柱が、60μmのピッチで配置されていた。
[比較例5]
実施例1で用いた金型aに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型rを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5のニュートンリング防止シートを作製した。比較例5で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、先端部直径が0.01μm、底面部直径が1.3μm、高さが1.1μmの円錐が、7μmのピッチで配置されていた。
[比較例6]
実施例1で用いた金型aに換えて、微細穴開け加工技術により形成された特定の凹凸形状を賦形転写することができる金型sを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6のニュートンリング防止シートを作製した。比較例6で作製したニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層表面には、先端部直径が0.01μm、底面部直径が1.3μm、高さが1.1μmの円錐が、35μmのピッチで配置されていた。
2.タッチパネルの作製
(1)上部電極のパネル板の作製
上記実施例1〜16、および比較例1〜6のニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層上に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、他方の面に接着剤を介してハードコートフィルム(KBフィルムN05S:きもと社)を貼合し、4型の大きさ(縦87.3mm、横64.0mmの長方形)に切り取り、上部電極のパネル板をそれぞれ作製した。
(2)下部電極のパネル板の作製
支持体として、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、4型の大きさ(縦87.3mm、横64.0mmの長方形)に切り取り、下部電極のパネル板を作製した。
(3)スペーサーの作製
上記下部電極のパネル板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化性樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
(4)タッチパネルの作製
上記上部電極のパネル板と下部電極のパネル板とを、各パネル板の導電性膜同士を対向するように配置させ、接着部分が表示面の領域外となるよう、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例1〜16、および比較例1〜6のタッチパネルを作製した。
3.評価
実施例1〜16、および比較例1〜6で得られたニュートンリング防止シートについて、ニュートンリング防止性、透明性について評価した。また、実施例1〜16、および比較例1〜6で得られたタッチパネルについて、スパークル防止性について評価した。評価結果を表1に示す。
(1)ニュートンリング防止シートのニュートンリング防止性
実施例1〜16、および比較例1〜6で得られたニュートンリング防止シートを、表面が平滑なガラス板の上にニュートンリング防止層が密着するように載せて指で押しつけ、ニュートンリングが発生するかどうかを目視にて評価した。評価は、ニュートンリングがまったく発生しなかったものを「◎」、ニュートンリングがごくわずかに発生したが視認性に何ら影響を及ぼすものでなかったものを「○」、ニュートンリングがわずかに発生したが視認性を低下させるには至らなかったものを「△」、ニュートンリングが発生し視認性が低下したものを「×」とした。
(2)ニュートンリング防止シートの透明性
実施例1〜16、および比較例1〜6で得られたニュートンリング防止シートのヘーズを、JIS K7136:2000に基づいて、ヘーズメーター(NDH2000:日本電飾社)を用いて測定し、評価した。評価は、測定値が3.0%未満であったものを「◎」、3.0%以上4.0%未満であったものを「○」、4.0%以上5.0%未満であったものを「△」、5.0%以上であったものを「×」とした。なお、測定はニュートンリング防止層を有する面から光を入射させた。
(3)タッチパネルのスパークル防止性
実施例1〜16、および比較例1〜6のタッチパネルについて、CRTディスプレイの表示画面をグリーン100%に画像表示させ、タッチパネルの下部電極側を表示画面に密着させて、目視にて評価した。評価は、ギラつきがないものを「◎」、ギラつきがほとんどないものを「○」、ギラつきが若干あるものを「△」、ギラつきがはっきりと確認できるものを「×」、ギラつきが著しいものを「××」とした。
Figure 0005508858
表1の結果からも明らかなように、実施例1〜16のニュートンリング防止シートは、凸部として円柱或いは円錐台を配置した凸状パターンを表面に有するニュートンリング防止層を、微粒子を用いることなく高分子樹脂により構成したため、ニュートンリング防止性に優れるだけでなく、正面方向に対する視認性が良好で、透明性に優れたものであった。また、実施例1〜16のニュートンリング防止シートを用いたタッチパネルは、微粒子を含有しないものであったため、CRTカラーディスプレイに用いてもスパークルが発生せず、カラー画面がギラついて見えてしまうようなことがなく、ディスプレイの視認性を低下させないタッチパネルとすることができた。
特に実施例1〜7及び9〜15のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止層表面の凸状パターンが、高さが0.7〜2.5μmの凸部を、20〜80μmのピッチで配置してなるものであったため、全体として良好なニュートンリング防止性を発揮するだけでなく、実施例7及び13を除き全体として透明性が良好なものであった。
この中でも特に実施例1〜3、5、7、9〜10、12及び14〜15のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止層表面の凸状パターンが、高さが1.0〜2.0μmの凸部を、30〜70μmのピッチで配置してなるものであったため、さらに優れたニュートンリング防止性を発揮するだけでなく、実施例7を除き全体として透明性が良好なものであった。
また、実施例1〜8のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止層表面の凸状パターンを円柱パターンとしたため、ニュートンリング防止層の表面形状に起因した光の屈折を少なく抑えることができ、正面方向に対する視認性をさらに良好なものとすることができ、実施例7を除き全体として透明性の高いニュートンリング防止シートとなった。
この中でも特に実施例1〜6のニュートンリング防止シートは、直径が0.1〜0.5μm、高さが0.7〜2.5μmの円柱を、20〜80μmのピッチで配置した円柱パターンを有するものであったため、優れたニュートンリング防止性を発揮するだけでなく、透明性に優れたものであった。
さらに、実施例1、3及び5のニュートンリング防止シートは、直径が0.2〜0.3μm、高さが1.0〜2.0μmの円柱を、30〜70μmのピッチで配置した円柱パターンを有するものであったため、ニュートンリング防止性及び透明性が特に良好なものであった。
次に、実施例9〜16のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止層表面の凸状パターンが円錐台パターンであり、全体としてニュートンリング防止性や実施例13及び16を除き透明性が良好であった。
この中でも特に実施例9〜14のニュートンリング防止シートは、上底の直径が0.1〜0.5μm、高さが0.7〜2.5μmの円錐台を、20〜80μmのピッチで配置した円錐台パターンを有するものであったため、優れたニュートンリング防止性を発揮するだけでなく、実施例13を除き透明性に優れたものであった。
さらに、実施例12及び14のニュートンリング防止シートは、上底の直径が0.2〜0.3μm、下底の直径が0.5〜3.0μm、高さが1.0〜2.0μmの円錐台を、30〜70μmのピッチで配置した円錐台パターンを有するものであったため、ニュートンリング防止性、透明性及びスパークル防止性が特に優れたものであった。
なお、実施例1〜16で得られたニュートンリング防止シートは、いずれのものもタックがなく、また、当該ニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層の鉛筆硬度をJIS K5400:1990に基づき測定したところ、いずれのものもHB以上であった。
次に、実施例9〜16の円錐台パターンを表面に有するニュートンリング防止シートを用いた実施例9〜16のタッチパネルを、2.5N/mm2の圧力でスライタスペンにより押圧を10万回繰り返した。その後、当該タッチパネルを目視にて確認し、ニュートンリングの発生の有無を確認した。実施例9〜16のニュートンリング防止シートを用いた実施例9〜16のタッチパネルは、いずれのものも押圧後におけるニュートンリングが押圧前と同様に発生していなかったことから、実施例9〜16のニュートンリング防止シートの耐久性が良好なものであることが分かった。
一方、比較例1〜3のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止層中に高分子樹脂だけでなく微粒子を含有し、微粒子によりニュートンリング防止層表面の凹凸を形成したものであるため、高分子樹脂と微粒子との屈折率差や、ニュートンリング防止シート表面の不均一な凹凸形状によりヘーズ値が上昇し、透明性の低いものとなった。また、比較例1〜3のニュートンリング防止シートをタッチパネル部材として使用した際に、ニュートンリング防止層中に存在する微粒子が輝点となってスパークルが発生し、ギラつきが著しいものとなった。
比較例4のニュートンリング防止シートは、実施例1〜16と同様に微粒子を用いることなく転写賦形技術により凸状パターンを形成したものであり、ニュートンリング防止性を発揮した。しかし、比較例4のニュートンリング防止層が備える凸部は先端が略円形のものではなく、四角形からなるものであったため、先端の角部により光の屈折が生じてしまい、透明性に劣るものとなった。また、比較例4のニュートンリング防止シートを用いたタッチパネルは、微粒子を含有しないものの、凸部の先端が四角形であったため、先端の角部により光の屈折が生じてしまい、CRTカラーディスプレイに用いた際にスパークルが発生し、カラー画面がギラついて見えてしまうものとなった。
比較例5及び6のニュートンリング防止シートは、実施例1〜16と同様に微粒子を用いることなく転写賦形技術により凸状パターンを形成したものであるが、凸部の形状が、先端が平坦でない(最大径が0.055μm以下)円錐であるため、タッチパネルとした際に、対向する部材の耐久性が低下する傾向が見られ、その結果、タッチパネル自体の耐久性が低下した。また比較例5のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止性を発揮させるために、円錐のピッチを比較的狭くしたものであるが、このため透明性が大きく低下した。一方、比較例6のニュートンリング防止シートは、透明性を得るため円錐のピッチを比較的広くしたものであるが、凸部と凸部との間でニュートンリング防止シートが対向する部材(ガラス板)に密着してしまいニュートンリング防止効果が得られなかった。
本発明のニュートンリング防止シートの実施形態を示す図。 本発明のタッチパネルの実施形態を示す図。
符号の説明
10、10’、10”・・・ニュートンリング防止シート
11・・・ニュートンリング防止層
12・・・支持体
20、20’、20”・・・タッチパネル
21・・・パネル板
22・・・導電性膜
23・・・スペーサー

Claims (10)

  1. 複数の凸部が配置された凸状パターンを表面に備えたニュートンリング防止層を有するニュートンリング防止シートであって、
    前記ニュートンリング防止層は実質的に粒子状物質を含有せず、
    前記凸状パターンの凸部は、先端が角のない平坦な面であって、該平坦な面の最大径が0.055μm以上、0.6μm以下であることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  2. 請求項1に記載のニュートンリング防止シートであって、前記複数の凸部は、平均の高さが0.7〜2.5μm、高さの標準偏差が0.5μm以下であることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  3. 請求項1又は2に記載のニュートンリング防止シートであって、前記複数の凸部は、20〜80μmのピッチで形成されていることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のニュートンリング防止シートであって、前記凸部は略同一形状であることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のニュートンリング防止シートであって、前記凸部先端の面は、略円形であることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  6. 請求項5に記載のニュートンリング防止シートであって、前記凸部は、円柱状および円錐台状のいずれかであることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のニュートンリング防止シートであって、前記ニュートンリング防止層は高分子樹脂により構成されていることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  8. 請求項7に記載のニュートンリング防止シートであって、前記凸状パターンは、2P法および2T法から選ばれる微細転写技術により形成されていることを特徴とするニュートンリング防止シート。
  9. 請求項1から8のいずれか1項記載のニュートンリング防止シートであって、ニュートンリング防止層の凸状パターンを備えた面とは反対面に、ハードコート層を備えたことを特徴とするニュートンリング防止シート。
  10. 導電性膜を有する一対のパネル板の前記導電性膜同士が対向するようにスペーサーを介して配置してなる抵抗膜方式のタッチパネルであって、前記導電性膜のいずれか一方または両方が請求項1から9のいずれか1項に記載のニュートンリング防止シートのニュートンリング防止層上に形成されてなることを特徴とするタッチパネル。
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