JP6118499B2 - ニュートンリング防止シート - Google Patents

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Description

本発明はニュートンリング防止シートに関する。
近年、ディスプレイの上にタッチパネルを載せたものが、情報端末機等として広く使用されている。タッチパネルの方式の1つとして知られている抵抗膜式タッチパネルでは、透明プラスチックフィルムと基板との間に隙間を設けて、入力面を指やペン等で押し、透明プラスチックフィルムと基板とを部分的に接触させることで入力を行う。
ただ、このようなタッチパネルでは、入力時に透明プラスチックフィルムと基板が近接することで、透明プラスチック上に光の干渉によるニュートンリングが生じ、ディスプレイ画面の視認性の低下という問題が存在する。
この問題を改善するために、透明プラスチックフィルムの片面又は両面に、微粒子等によって微細な凹凸が形成された層を設けたニュートンリング防止シートを用いることで、ニュートンリングの発生を抑制できることが知られている。
ところが、この凹凸を有する層に含有された微粒子が輝点となってスパークルと呼ばれるぎらつき現象が発生し、画面がぎらついて見えてしまうという問題が存在する。
この問題の解決を目的として、特許文献1及び2には、透明支持体の一方の面に、電離放射線硬化型樹脂、特定の平均粒径と粒子径分布を有する微粒子から形成されてなるニュートンリング防止層を有し、前記透明支持体の他方の面に、指が接触する面を保護したり、外光の反射を拡散させて直線光の反射を防止したりすることを目的とした、微粒子を含有してなるハードコート層を有するニュートンリング防止シートが開示されている。
特開2005−265864号公報 特開2010−42671号公報
しかしながら、特許文献1及び2のニュートンリング防止シートは、タッチパネルの製造工程において、加熱処理をした際にカールが発生しやすく、製造工程中に不具合を引き起こしたり、明るさのムラが発生したりするという問題がある。
また、タッチパネルに用いられるニュートンリング防止シートには、ニュートンリング防止性、ぎらつき防止性、精彩性が求められる。さらに、このようなタッチパネルは、交通機関の券売機等のような屋外やそれに準じた環境で使用される機器に用いられる場合も多いことから、ニュートンリング防止シートには、耐光性や防眩性も要求される。
本発明は、ニュートンリング防止性、ぎらつき防止性、耐光性、防眩性、及び精彩性に優れ、加熱時のカールの発生を抑え得る、ニュートンリング防止シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の材料を含むハードコート層及びニュートンリング防止層を用い、且つ、特定の要件を満たすニュートンリング防止シートが、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]を提供するものである。
[1]透明プラスチックフィルム(但し、環状オレフィン系樹脂製透明プラスチックフィルムを除く。)の片面に、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び平均粒径が500nmを超える微粒子(b1)を含むハードコート層を有し、且つ、該透明プラスチックフィルムの他方の面に、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)及び平均粒径が500nmを超える微粒子(b2)を含むニュートンリング防止層を有し、下記要件(I)〜(IV)を満たす、ニュートンリング防止シートである。
(I)ニュートンリング防止層における、JIS B 0601−1994に準拠して測定される粗さ曲線より求められる最大高さ(Ry)が0.5μm〜1.4μmである。
(II)ハードコート層の厚み(z1)と、ニュートンリング防止層の厚み(z2)との差〔|z1−z2|〕が5.0μm未満である。
(III)ハードコート層における微粒子(b1)の含有率(r1)と、ニュートンリング防止層における微粒子(b2)の含有率(r2)との差〔|r1−r2|〕が5.0質量%以下である。
(IV)ハードコート層における微粒子(b1)の含有率(r1)と、ニュートンリング防止層における微粒子(b2)の含有率(r2)との和〔r1+r2〕が10〜35.0質量%である。
[2]ニュートンリング防止層における、微粒子(b2)の下記式で表される粒子径分布の変動係数(CV値)が、30%未満である、上記[1]に記載のニュートンリング防止シートである。
変動係数(CV値)(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
[3]有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物が、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)の原料組成物と同じである、上記[1]又は[2]に記載のニュートンリング防止シートである。
[4]有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び/又は有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物が、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、平均粒径が0.5〜500nmのシリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)を含む活性エネルギー線感応型組成物である、上記[1]〜[3]に記載のニュートンリング防止シートである。
[5]有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び/又は有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物が、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含む、上記[1]〜[4]に記載のニュートンリング防止シートである。
[6]微粒子(b1)及び/又は微粒子(b2)が、有機系微粒子である、上記[1]〜[5]に記載のニュートンリング防止シートである。
[7]有機系微粒子が、アクリル系微粒子である、上記[6]に記載のニュートンリング防止シートである。
[8]ニュートンリング防止シートにおける、JIS K 7136−2000に準じて測定されるヘーズ値が40%以下である、上記[1]〜[7]に記載のニュートンリング防止シートである。
本発明のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止性、ぎらつき防止性、耐光性、防眩性、及び精彩性に優れ、加熱時のカールの発生を抑え得る。
本発明のニュートンリング防止シートの構成の一例を示した、そのニュートンリング防止シートの断面図である。
[ニュートンリング防止シート]
本発明のニュートンリング防止シート(以下「NR防止シート」ともいう)は、透明プラスチックフィルムの片面に、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び微粒子(b1)を含むハードコート層(以下「HC層」ともいう)を有し、且つ、該透明プラスチックフィルムの他方の面に、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)及び微粒子(b2)を含むニュートンリング防止層(以下「NR防止層」ともいう)を有する。
図1は、本発明のニュートンリング防止シートの構成の一例を示した図である。図1に示すとおり、本発明のニュートンリング防止シート1は、透明プラスチックフィルム11の片面に、ハードコート層12を有し、該透明プラスチックフィルム11の他方の面に、ニュートンリング防止層13を有する。なお、必要に応じて、透明プラスチックフィルム11とハードコート層12及び/又はニュートンリング防止層13の間に、プライマー層を設けてもよい。
そして、本発明のニュートンリング防止シートは、下記要件(I)〜(III)を満たす。
(I)ニュートンリング防止層における、JIS B 0601−1994に準拠して測定される粗さ曲線より求められる最大高さ(Ry)が0.5〜5.0μmである。
(II)ハードコート層の厚み(z1)と、前記ニュートンリング防止層の厚み(z2)との差〔|z1−z2|〕が5.0μm未満である。
(III)ハードコート層における微粒子(b1)の含有率(r1)と、前記ニュートンリング防止層における微粒子(b2)の含有率(r2)との差〔|r1−r2|〕が5.0質量%以下である。
上記要件(I)を満たすことで、ニュートンリング防止性が良好で、ぎらつき防止性に優れたNR防止シートとなり得る。つまり、NR防止層におけるRyが0.5μm未満であると、ニュートンリング防止性能が発現し難くなる。また、Ryが5.0μmを超えると、ぎらつき防止性能が低下する。
ニュートンリング防止層における、上記要件(I)で規定する最大高さ(Ry)は、0.5〜5.0μmであるが、上記観点から、好ましくは0.6〜4.2μm、より好ましくは0.7〜3.4μm、更に好ましくは0.8〜2.9μmである。
なお、本発明において、粗さ曲線より求められる最大高さ(Ry)は、JIS B 0601−1994に準拠して測定される粗さ曲線より求められたものであり、具体的には実施例に記載された方法により測定された値である。
また、上記要件(II)を満たすことで、加熱時のカールの発生を効果的に抑え得る。
HC層とNR防止層との厚みの差が5μm以上であると、加熱時のHC層とNR防止層の収縮変形量に差が出るため、加熱時にカールが発生しやすくなるため好ましくない。
上記要件(II)で規定する、HC層とNR防止層との厚みの差〔|z1−z2|〕は、5.0μm未満であるが、上記観点から、好ましくは4.0μm以下、より好ましくは3.4μm以下、より好ましくは2.4μm以下、更に好ましくは1.4μm以下、更に好ましくは0.5μm以下、より更に好ましくは実質0μmである。
そして、上記要件(III)を満たすことで、さらに加熱時のカールの発生を効果的に抑制することができる。
HC層及びNR防止層の形成時に活性エネルギー線を照射して硬化させる場合や加熱時に、微粒子は収縮しない。そのため、HC層とNR防止層のそれぞれに含まれる微粒子の含有量の差が5.0質量%を超えると、その収縮しない微粒子の影響が大きくなり、カールが発生しやすくなるため好ましくない。
上記要件(III)で規定する、HC層とNR防止層のそれぞれに含まれる微粒子の含有量の差〔|r1−r2|〕は、5.0質量%以下であるが、上記観点から、好ましくは4.2質量%以下、より好ましくは3.6質量%以下、より好ましくは2.8質量%以下、更に好ましくは1.7質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは実質0質量%である。
なお、要件(III)で規定する「微粒子の含有量」とは、HC層又はNR防止層を構成する樹脂や添加剤、微粒子等をすべて含んだ全材料の質量に対する、微粒子の質量を指す。
さらに、本発明のニュートンリング防止シートは、下記要件(IV)を満たすことが好ましい。
(IV)微粒子(b1)の含有率(r1)と、前記ニュートンリング防止層における微粒子(b2)の含有率(r2)との和〔r1+r2〕が35質量%以下である。
上記要件(IV)を満たすことで、NR防止シートのヘーズを低くし、また透過鮮明度を高く維持しやすくなり、精彩性に優れたNR防止シートとすることができる。
上記要件(IV)で規定する、HC層とNR防止層のそれぞれに含まれる微粒子の含有量の和〔r1+r2〕は、上記観点から、より好ましくは27質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
また、HC層とNR防止層のそれぞれに含まれる微粒子の含有量の和〔r1+r2〕の下限値としては、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。
また、本発明のニュートンリング防止シートにおける、JIS K 7136−2000に準拠して測定されるヘーズ値は、好ましくは40%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは15%以下である。ヘーズ値が40%以下であれば、画像の精彩性が良好となるため好ましい。
なお、本発明において、上記ヘーズ値は、JIS K 7136−2000に準拠して測定されたものであり、具体的には実施例に記載された方法により測定された値である。
また、本発明のニュートンリング防止シートにおける、JIS K 7374−2007に準拠して測定される、5種類のスリットの合計値で表される透過鮮明度は、好ましくは100以上、より好ましくは150以上、更に好ましくは200以上、より更に好ましくは220以上である。透過鮮明度が100以上であれば、画像の精彩性が向上するため、本発明のNR防止シートは、画像の精彩性が重視される一般需要者向けの機器に用いられるタッチパネルの好適な部材となり得る。
なお、本発明において、上記透過鮮明度は、JIS K 7374−2007に準拠して測定される、5種類のスリット(スリット幅が0.125mm、0.25mm、0.5mm、1mm、及び2mmのスリット)での合計値であり、具体的には実施例に記載された方法により測定された値である。
本発明のニュートンリング防止シートにおいて、ニュートンリング防止性能及びぎらつき防止性能を向上させつつ、加熱時のカールの発生を抑制する観点から、ハードコート層の厚み(z1)とニュートンリング防止層の厚み(z2)との厚みの比〔z1/z2〕が、好ましくは25/75〜75/25、より好ましくは30/70〜70/30、更に好ましくは42/58〜58/42である。当該比が25/75以上であれば、ぎらつき防止性能を向上させつつ、加熱時のカールの発生も抑制することができる。一方、当該比が75/25以下であれば、ニュートンリング防止性能を向上させつつ、加熱時のカールの発生も抑制できる。
以下、本発明のニュートンリング防止シートの各構成について説明する。
[透明プラスチックフィルム]
本発明のニュートンリング防止シートを構成する透明プラスチックフィルムは、特に制限はなく、公知の透明プラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。
なお、本発明において「透明プラスチックフィルム」とは、波長380〜780nmの目視可能な可視光線の透過率が高いプラスチックフィルムのことを意味し、具体的には該可視光線領域における透過率の最小値が通常50%以上、好ましくは70%以上のプラスチックフィルムを意味する。
透明プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等が挙げられる。
これらの中でも、光学用途に好適である観点から、ポリエステルフィルム、トリアセチ
ルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルムが好ましく、更に、安価で精彩性、寸
法安定性、強靭性に優れるという観点から、ポリエステルフィルムがより好ましい。
また、本発明で用いる透明プラスチックフィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。
酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理法はプラスチックフィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、密着性の向上、操作性の観点から、コロナ放電処理が好ましい。
また、同様の目的でプラスチックフィルム表面にプライマー層を設けることもできる。
透明プラスチックフィルムの厚みは、上記要件(I)を満たす限り、特に制限は無いが、ハンドリングの容易性と、機器に装着されたときの無用な厚みの増加を防止する観点から、好ましくは10〜400μm、より好ましくは30〜250μm、更に好ましくは50〜200μmである。
[ハードコート層]
本発明のNR防止シートを構成するハードコート層は、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び微粒子(b1)を含む。ハードコート層の存在により、本発明のNR防止シートを適用したタッチパネルは、表面が擦り傷等から保護されると共に、防眩性を有することとなる。
当該HC層は、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)をマトリックスとする層であり、樹脂(a1)を用いることでHC層の耐光性を向上させることができる。
また、本発明のNR防止シートは、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂中の含まれる無機成分が、微粒子と微粒子の隙間を埋めることで、視認性が向上すると考えられる。
HC層の厚み(z1)は、上記要件(II)を満たすように適宜調整されるが、耐光性及び防眩性、並びに視認性の観点から、好ましくは0.5〜8.0μm、より好ましくは1.0〜6.5μm、更に好ましくは1.5〜5.0μmである。
HC層における、粗さ曲線より求められる最大高さ(Ry)は、防眩性向上の観点から、好ましくは0.5〜5.0μm、より好ましくは0.6〜4.2μm、更に好ましくは0.7〜3.4μm、より更に好ましくは0.8〜2.9μmである。0.5μm以上であれば、防眩性向上の効果が顕著に発現する。一方、5.0μm以下であれば、ヘーズを低く、また透過鮮明度を高く維持しやすくなり、精彩性が良好となる。
HC層における微粒子(b1)の含有量(r1)は、上記要件(III)を満たすように適宜調製されるが、HC層を構成する全材料中、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、更に好ましくは5〜16質量%である。1質量%以上であれば、防眩性を向上させることができる。一方、30質量%以下であれば、精彩性が良好となり、優れた視認性を有するNR防止シートを得ることができる。
また、HC層における有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)の含有量は、HC層の強度を維持する観点から、好ましくは70〜99質量%、より好ましくは80〜98.5質量%、更に好ましくは84〜95質量%である。
〔有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)〕
本発明でいう「有機・無機ハイブリッド硬化樹脂」とは、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)で代表される昔からの複合体と異なり、有機成分と無機成分の混ざり方が緊密であり、分子レベルか分子レベルに近い粒径で分散した状態で硬化した樹脂を指す。具体的には、有機成分又は無機成分は、粒径100nm以下で分散している。使用する「有機・無機ハイブリッド硬化樹脂」としては、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射により、無機成分と有機成分が反応して、硬化して硬化膜を形成することができるものが好ましい。
有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)の原料組成物としては、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、平均粒径が0.5〜500nmのシリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)を含む、活性エネルギー線感応型組成物が好ましい。当該活性エネルギー線感応型組成物に対して、上記の活性エネルギー線を照射することで、架橋、硬化し、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂を得ることができる。
また、該組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、光重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。これらの中でも、耐光性を向上させる観点から、紫外線吸収剤、光安定剤を含むことが好ましい。
なお、本発明において「活性エネルギー線」とは、紫外線又は電子線等の電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを指す。
(活性エネルギー線硬化型化合物(i))
本発明において「活性エネルギー線硬化型化合物」とは、上記の活性エネルギー線を照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を指す。
活性エネルギー線硬化型化合物(i)としては、多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーが好ましく、多官能性(メタ)アクリレート系モノマーがより好ましい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの両方を指し、他の類似用語も同様である。
多官能性(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、これらのモノマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリレート系プレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート系プレポリマー、エポキシ(メタ)アクリレート系プレポリマー、ウレタン(メタ)アクリレート系プレポリマー、ポリオール(メタ)アクリレート系プレポリマー等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系プレポリマーは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。
ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
なお、これらのプレポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用してもよい。
(シリカ微粒子(ii))
シリカ微粒子(ii)の平均粒径は0.5〜500nmであり、好ましくは1〜100nmである。なお、上記シリカ微粒子(ii)の平均粒径は、例えば、BET法によって測定された値である。
シリカ微粒子(ii)の中でも、活性エネルギー線硬化型化合物(i)と強固な結合を形成する観点から、上記の活性エネルギー線硬化型化合物(i)と反応することができる重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子が好ましい。
重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子は、シリカ微粒子の表面のシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基である(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることにより、得ることができる。
なお、本発明において、シリカ微粒子の表面を修飾する重合性不飽和基を有する有機化合物は、上述の活性エネルギー線硬化型化合物に該当するものであってもよいが、シリカ微粒子(ii)の表面を修飾する化合物は、シリカ微粒子(ii)の構成要素として含まれるものであり、上記の活性エネルギー線硬化型化合物(i)とは区別される。
前記シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物等が好ましい。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はハロゲン原子又は下記式で示される基である。)
このような有機化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸2−イソシアナートエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2,3−イミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
これらの有機化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このシリカ微粒子(ii)の含有量としては、上記活性エネルギー線硬化型化合物(i)100質量部に対して、好ましくは80〜400質量部、より好ましくは100〜300質量部である。
(光重合開始剤(iii))
活性エネルギー線感応型組成物には、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル等が挙げられる。
なお、これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、これらの活性エネルギー線硬化型化合物(i)、シリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)を含む活性エネルギー線感応型組成物の市販品としては、例えば、「オプスターZ7530」、「オプスターZ7524」、「オプスターTU4086」(製品名、いずれもJSR(株)製)等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
活性エネルギー線感応型組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有してもよい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性紫外線吸収剤が好ましい。
紫外線吸収剤の含有量としては、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、シリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)の合計100質量部に対して、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.5〜7質量部である。
(光安定剤)
活性エネルギー線感応型組成物には、必要に応じて、光安定剤を含有してもよい。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾフェノン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤等が挙げられる。これらの光安定剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光安定剤の含有量としては、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、シリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)の合計100質量部に対して、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.5〜7質量部である。
〔微粒子(b1)〕
微粒子(b1)は、平均粒径が500nmを超える微粒子であり、無機系微粒子、有機系微粒子のいずれでもよい。
無機系微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、カーボン微粒子、及びアルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子、酸化亜鉛微粒子等の金属酸化物微粒子等が挙げられる。
有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂微粒子、アクリル−スチレン系共重合体微粒子、シリコーン系微粒子、メラミン系樹脂微粒子、ポリカーボネート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリスチレン系微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子等が挙げられる。
なお、これらの微粒子は単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、微粒子の形状は、特には制限されず、球状、不定形のいずれであってもよいが、球状の微粒子であることが好ましい。
これらの微粒子の中でも、変動係数(CV値)の低い微粒子が得られやすく、HC層の最大高さ(Ry)を所定の範囲に調整しやすくする観点から、有機系微粒子が好ましく、アクリル系樹脂微粒子がより好ましい。
微粒子(b1)は、平均粒径が500nmを超える。平均粒径が500nm以下であると、得られるNR防止シートの防眩性が劣る傾向にある。
微粒子(b1)の平均粒径としては、防眩性の向上、及びHC層の最大高さ(Ry)の調整を容易にする観点から、好ましくは0.5〜15.0μm、より好ましくは1.0〜10.0μm、更に好ましくは2.5〜7.5μmである。
なお、本発明において、微粒子(b1)及び後述の微粒子(b2)の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求めた粒度分布における積算値50%での粒径(メジアン径D50)であり、具体的には実施例に記載された方法により測定された値である。
微粒子(b1)の下記の式で表される粒子径分布の変動係数(CV値)は、最大高さ(Ry)を所定の範囲に調整する観点から、好ましくは30%未満、より好ましくは24%以下、更に好ましくは18%以下である。このCV値が小さいほど、微粒子の粒径のばらつきが小さいことを表している。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
なお、本発明において、微粒子(b1)及び後述の微粒子(b2)の変動係数(CV値)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値であり、具体的には実施例に記載された方法により測定された値である。
〔ハードコート層の形成方法〕
本発明のNR防止シートを構成するHC層は、上述した透明プラスチックフィルムの片面に、上記の原料組成物、微粒子(b1)等を含有したハードコート層形成材料(以下「HC層形成材料」ともいう)を用いて形成される。
また、透明プラスチックフィルムへの塗布性を向上させるために、上記成分を含むHC層形成材料に更に溶媒を加えて塗布液の形態とすることが好ましい。
用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
溶媒を加えて塗布液とした場合、該塗布液の固形分濃度は、透明プラスチックフィルムへの塗布性及び作業性の観点から、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは5〜40質量%に調整することが好ましい。
そして、前記HC層形成材料を含む塗布液を、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、前記透明プラスチックフィルムの片面にコーティングして塗膜を形成させ乾燥させた後、この塗膜に活性エネルギー線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、HC層が形成される。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線等が挙げられ、紫外線が好ましい。
紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等により得られる。紫外線の照射量は、特に制限はないが、好ましくは100〜500mJ/cm2、より好ましくは150〜450mJ/cm2である。
一方、電子線は、電子線加速器等によって得られる。電子線の照射量は、特に制限はないが、好ましくは150〜350kVである。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
[ニュートンリング防止層]
本発明のNR防止シートを構成するニュートンリング防止層は、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)及び微粒子(b2)を含み、上記要件(I)を満たすものである。
NR防止層は、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)を含み、樹脂(a2)をマトリックスとする層である。樹脂(a2)を用いることで、NR防止層の耐光性を向上させることができる。また、HC層と共に有機・無機ハイブリッド硬化樹脂を用いているため、HC層とNR防止層との硬化収縮率の差が小さくなり、加熱時のカールの発生をより効果的に抑制することができる。
NR防止層の厚み(z2)は、上記要件(II)を満たすように適宜調整されるが、ニュートンリング防止性、耐光性及び防眩性、並びに視認性の観点から、耐光性及び防眩性、並びに視認性の観点から、好ましくは0.5〜8.0μm、より好ましくは1.0〜6.5μm、更に好ましくは1.5〜5.0μmである。
また、NR防止層から微粒子の突出量が、ニュートンリング防止性とぎらつき防止性を共に向上させる観点から、好ましくは0.5〜6.0μm、より好ましくは0.8〜5.2μm、更に好ましくは1.0〜4.2μmである。この突出量が0.5μm以上であれば、優れたニュートンリング防止性を発現させることができる。一方6.0μm以下であれば、優れたぎらつき防止性を発現させることができる。
なお、この突出量は、微粒子の平均粒径からニュートンリング防止層の厚みを引くことにより算出された値である。
NR防止層における微粒子(b2)の含有量(r2)は、上記要件(I)及び(III)を満たすように適宜調製されるが、NR防止層を構成する全材料中、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、更に好ましくは5〜16質量%である。1質量%以上であれば、防眩性を向上させることができる。また、優れたニュートンリング防止性能も発現させることができる。一方、30質量%以下であれば、精彩性が良好となり、優れた視認性を有するNR防止シートを得ることができる。
また、NR防止層における有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の含有量は、NR防止層の強度を維持する観点から、好ましくは70〜99質量%、より好ましくは80〜98.5質量%、更に好ましくは84〜95質量%である。
〔有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)〕
有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物としては、HC層の樹脂(a1)の原料組成物と同様に、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、平均粒径が0.5〜500nmのシリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)を含む、活性エネルギー線感応型組成物が好ましい。
また、該組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、光重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。これらの中でも、耐光性を向上させる観点から、紫外線吸収剤、光安定剤を含むことが好ましい。
活性エネルギー線感応型組成物に含まれる、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、シリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)、並びに、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤は、HC層の樹脂(a1)の原料組成物として用いたものと同様のものを用いることができ、好ましい化合物、含有量の好適範囲等についても、樹脂(a1)の原料組成物と同じである。
なお、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物は、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)の原料組成物と同じであることが好ましい。NR防止層の樹脂(a2)の原料組成物とHC層の樹脂(a1)の原料組成物とが同じであることで、HC層とNR防止層との硬化収縮率の差が小さくなり、加熱時のカールの発生をより効果的に抑制することができる。
〔微粒子(b2)〕
微粒子(b2)は、平均粒径が500nmを超える微粒子であり、無機系微粒子、有機系微粒子のいずれであってもよい。
無機系微粒子及び有機系微粒子としては、微粒子(b1)で挙げたものを用いることができる。これらの微粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、微粒子の形状は、特には制限されず、球状、不定形のいずれであってもよいが、球状の微粒子であることが好ましい。
これらの中でも、変動係数(CV値)の低い微粒子が得られやすく、NR防止層の最大高さ(Ry)を所定の範囲に調整しやすくする観点から、有機系微粒子が好ましく、アクリル系樹脂微粒子がより好ましい。
微粒子(b2)は、平均粒径が500nmを超える。平均粒径が500nm以下であると、Ryが0.5μm以上とすることが困難となり、ニュートンリング防止性能が発現し難くなる。
微粒子(b2)の平均粒径としては、NR防止層のRyの調整を容易にする観点、並びにNR防止シートのニュートンリング防止性能及びぎらつき防止性能の向上の観点から、好ましくは1.0〜10.0μm、より好ましくは2.0〜8.5μm、更に好ましくは3.5〜7.8μmである。
また、微粒子(b2)は、ニュートンリング防止層表面の粗さ曲線から求められる最大高さ(Ry)を所望の値に容易に制御する観点から、粒径のばらつきはできるだけ小さい方が好ましい。そのため、この微粒子(b2)の下記の式で表される粒子径分布の変動係数(CV値)は、好ましくは30%未満、より好ましくは24%以下、更に好ましくは18%以下である。このCV値が小さいほど、微粒子の粒径のばらつきが小さいことを表している。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
[ニュートンリング防止層の形成方法]
本発明のNR防止シートを構成するNR防止層は、上述した透明プラスチックフィルムのHC層が形成された面とは反対側の面に、樹脂(a2)の原料組成物、微粒子(b2)等を含有したニュートンリング防止層形成材料(以下「NR防止層形成材料」ともいう)を用いて形成される。
また、透明プラスチックフィルムへの塗布性を向上させるために、上記成分を含むNR防止層形成材料に、更に溶媒を加えて、塗布液の形態とすることが好ましい。用いる溶媒としては、HC層形成材料で用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。
溶媒を加えて塗布液とした場合、該塗布液の固形分濃度は、透明プラスチックフィルムへの塗布性及び作業性の観点から、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは5〜40質量%である。
そして、前記NR防止層形成材料を含む塗布液を、上述の塗布法により、前記透明プラスチックフィルムの片面にコーティングして塗膜を形成させ乾燥させた後、この塗膜に活性エネルギー線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、NR防止層が形成される。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線等が挙げられ、紫外線が好ましい。紫外線の照射量、電子線の照射量は、HC層の形成方法で記載の範囲と同様である。
[実施例1]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するハードコート層形成材料(HC層形成材料)を調製し、溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を用いて、固形分濃度が40質量%のハードコート層形成塗布液(HC層形成塗布液)を調製した。
次いで、透明プラスチックフィルムとして、厚み188μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂株式会社製、製品名「ダイアホイルO300」)の片面に、上記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、70℃で1分間加熱することで溶媒を蒸発させて塗膜を形成させた後、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製、製品名「アイグランテージECS−401GX型」、光源:高圧水銀灯)を用いて、該塗膜に紫外線を照射し(照射条件=ランプ電力:2kW、コンベアスピード:4.23m/min、照度:240mW/cm2、光量:307mJ/cm2)、塗膜を硬化させ、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
表1に記載の配合組成を有するニュートンリング防止層形成材料(NR防止層形成材料)を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のニュートンリング防止層形成塗布液(NR防止層形成塗布液)を調製した。
次いで、ハードコート層を形成した面とは反対側のポリエステルフィルムの面に、当該NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、その後はハードコート層の形成過程と同様にして、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートP1を作製した。
[実施例2]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.10で塗布し、膜厚4.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.10で塗布し、膜厚4.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートP2を作製した。
[実施例3]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートP3を作製した。
参考例4
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートP4を作製した。
[参考例5]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.10で塗布し、膜厚4.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートP5を作製した。
[比較例1]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートQ1を作製した。
[比較例2]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.12で塗布し、膜厚7.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートQ2を作製した。
[比較例3]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートQ3を作製した。
[比較例4]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートQ4を作製した。
[比較例5]
(ハードコート層の形成)
表1に記載の配合組成を有するHC層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のHC層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記HC層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのハードコート層を形成した。
(ニュートンリング防止層の形成)
次いで、表1に記載の配合組成を有するNR防止層形成材料を調製し、溶媒としてMEKを用いて、固形分濃度が40質量%のNR防止層形成塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、前記NR防止層形成塗布液をマイヤーバーNo.6で塗布し、膜厚2.0μmのニュートンリング防止層を形成し、ニュートンリング防止シートQ5を作製した。
上記表1中の記号は、以下のとおりである。
・A−1:「オプスターZ7530(製品名、JSR株式会社製、多官能性(メタ)アクリレート系モノマー、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾された平均粒径100nm以下のシリカ微粒子、光重合開始剤を含む活性エネルギー線感応型組成物。樹脂固形分73質量%。樹脂固形分のうち、60質量%が重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾された平均粒径100nm以下のシリカ微粒子である。)」なお、この樹脂の硬化物において、走査型電子顕微鏡で観察されるシリカ微粒子の粒径(任意に抽出したシリカ凝集物の最長の径を測定した値の10点平均)は50nmである。
・A−2:「NKエステルA−DPH(製品名、新中村化学工業株式会社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、樹脂固形分100%)」中に含まれる、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと、NKエステルA−DPHの100質量部に対して、5質量部の「イルガキュア184(製品名、BASF社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、光重合開始剤)」からなる電離放射線硬化型樹脂組成物。
・B−1:「MX−300(製品名、綜研化学株式会社製、平均粒径5.0μm、CV値15.0%の球状架橋アクリル微粒子)」
・B−2:「MX−500(製品名、綜研化学株式会社製、平均粒径7.2μm、CV値11.8%の球状架橋アクリル微粒子)」
・B−3:「MX−800(製品名、綜研化学株式会社製、平均粒径9.8μm、CV値26.0%の球状架橋アクリル微粒子)」
・B−4:「サイリシア430(製品名、富士シリシア株式会社製、平均粒径4.1μm、CV値40.0%の不定形シリカ微粒子)」
・C−1:「RUVA−93(製品名、大塚化学株式会社製、重合性ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤、固形分100%)」
・C−2:「チヌビン(製品名、BASF社製、ヒンダードアミン系光安定剤、固形分100%)」
以上のようにして作製したニュートンリング防止シートについて、以下の基準により評価をした。その評価結果を表2に示す。
(1)微粒子の平均粒径、粒子分布の変動係数(CV値)
サンプルとして、分散媒であるメチルエチルケトンを用い、5質量%濃度の分散液を調製し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、機種名「LA−920」)を用いて測定した。なお、微粒子の平均粒径は、測定した粒度分布における積算値50%での粒径(メジアン径D50)である。
(2)最大表面粗さ(Ry)
接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製、製品名「SV3000S4」)を用いて、JIS B 0601−1994に準拠して測定した。
(3)耐光性
(試験方法)
JIS B 7751−2007に準じて、「紫外線フェードメーターU48(製品名、スガ試験機株式会社製)」を用いて、HC層側からNR防止シートに紫外線を500時間照射した。
(評価方法)
・密着性:JIS K 5600−1999に準じて、試験後、剥がれが明確に5%以下のものを密着性が良好とした。
・外観:試験後の膜層を目視観察し、精彩性の変化、黄変が生じていないものを外観が良好とした。
以下の基準に基づいて、HC層もしくはNR防止層の耐光性を以下のように評価した。
A:密着性、外観が共に良好である。
B:密着性、外観の一方が不良である。
C:密着性、外観が共に不良である。
(4)防眩性
蛍光灯をHC層表面に映り込ませ、蛍光灯の輪郭が映り込みか否かを目視により観察し、以下の基準に基づいて、防眩性を評価した。
A:蛍光灯の輪郭が映り込まず、防眩性が非常に良好である。
B:蛍光灯の輪郭がほとんど映り込まず、防眩性が良好である。
C:蛍光灯の輪郭が映り込み、防眩性が不良である。
(5)ヘーズ値
ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、製品名「NDH2000」)を用いて、JIS K 7136−2000に準拠して測定した。
(6)透過鮮明度
写像性測定器(スガ試験機株式会社製、製品名「ICM−10P」)を用いて、JIS K 7374−2007に準拠して測定した。5種類のスリット(スリット幅:0.125mm、0.25mm、0.5mm、1mm及び2mmのスリット)での合計値を透過鮮明度として表した。
(7)ニュートンリング防止性
ニュートンリング防止シートを表面が平滑なガラス板上に置き、NR防止層がガラス板に密着するように指で押し、以下の基準によりニュートンリングの発生を目視で評価した。
A:ニュートンリングが見え難い。
B:ニュートンリングが僅かに見える。
C:未処理のポリエステルフィルムと比較して同程度にニュートンリングが見える。
(8)ぎらつき防止性
パソコン(ヒューレット・パッカード株式会社製、製品名「HP Compaq 6730/CT Notebook PC」)の画面を緑色にし、NR防止層面をパソコンの画面に密着させて、ぎらつきの発生を目視観察して、以下の基準によりぎらつき防止性を評価した。
A:ぎらつきが発生しない。
B:少しぎらつきが発生する。
C:大量にぎらつきが発生する。
(9)加熱カール
NR防止層が上になるようにし、ニュートンリング防止シートを150℃で30分間加熱した。次いで、平らな板にNR防止層を上にしてニュートンリング防止シートを置き、室温で30分間放冷をした後、板表面からのニュートンリング防止シートの最大の浮き高さを定規で測定した。
測定した最大浮き高さについて、以下の基準により、加熱カールの発生の抑制効果を評価した。
A:最大浮き高さ5mm未満。
B:最大浮き高さ5mm以上15mm未満。
C:最大浮き高さ15mm以上。
表2に示すとおり、実施例1〜3、および参考例4〜5のニュートンリング防止シートP1〜P5は、耐光性、防眩性、及び精彩性(ヘーズ値、透過鮮明度)のバランスが良好であり、ニュートンリング防止性、及びぎらつき防止性に優れ、加熱時のカールの発生が抑制されていることが分かる。
一方、比較例1〜4のニュートンリング防止シートQ1〜Q3では、ニュートンリング防止性、ぎらつき防止性、加熱カール発生の抑制効果のいずれかにおいて問題がある結果となった。
本発明のニュートンリング防止シートは、ニュートンリング防止性、ぎらつき防止性、耐光性、耐眩製、及び精彩性に優れ、加熱時のカールの発生を抑え得る。そのため、本発明のニュートンリング防止シートは、例えば、タッチパネルの部材等の用途として好適である。
1 ニュートンリング防止シート
11 透明プラスチックフィルム
12 ハードコート層
13 ニュートンリング防止層

Claims (8)

  1. 透明プラスチックフィルム(但し、環状オレフィン系樹脂製透明プラスチックフィルムを除く。)の片面に、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び平均粒径が500nmを超える微粒子(b1)を含むハードコート層を有し、且つ、該透明プラスチックフィルムの他方の面に、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)及び平均粒径が500nmを超える微粒子(b2)を含むニュートンリング防止層を有し、下記要件(I)〜(IV)を満たす、ニュートンリング防止シート。(I)前記ニュートンリング防止層における、JIS B 0601−1994に準拠して測定される粗さ曲線より求められる最大高さ(Ry)が0.5μm〜1.4μmである。
    (II)前記ハードコート層の厚み(z1)と、前記ニュートンリング防止層の厚み(z2)との差〔|z1−z2|〕が5.0μm未満である。
    (III)前記ハードコート層における微粒子(b1)の含有率(r1)と、前記ニュートンリング防止層における微粒子(b2)の含有率(r2)との差〔|r1−r2|〕が5.0質量%以下である。
    (IV)前記ハードコート層における微粒子(b1)の含有率(r1)と、前記ニュートンリング防止層における微粒子(b2)の含有率(r2)との和〔r1+r2〕が10〜35.0質量%である。
  2. 前記ニュートンリング防止層における、微粒子(b2)の下記式で表される粒子径分布の変動係数(CV値)が、30%未満である、請求項1に記載のニュートンリング防止シート。
    変動係数(CV値)(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
  3. 有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物が、有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)の原料組成物と同じである、請求項1または2に記載のニュートンリング防止シート。
  4. 有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び/又は有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物が、活性エネルギー線硬化型化合物(i)、平均粒径が0.5〜500nmのシリカ微粒子(ii)、及び光重合開始剤(iii)を含む活性エネルギー線感応型組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載のニュートンリング防止シート。
  5. 有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a1)及び/又は有機・無機ハイブリッド硬化樹脂(a2)の原料組成物が、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のニュートンリング防止シート。
  6. 微粒子(b1)及び/又は微粒子(b2)が、有機系微粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載のニュートンリング防止シート。
  7. 前記有機系微粒子が、アクリル系微粒子である、請求項6に記載のニュートンリング防止シート。
  8. 前記ニュートンリング防止シートにおける、JIS K 7136−2000に準じて測定されるヘーズ値が40%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のニュートンリング防止シート。
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