JP4545851B2 - 透明ハードコートフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明ハードコートフィルムに関し、特にカラーのCRTやフラットパネルディスプレイ等のディスプレイ画面上に用いられる透視可能なタッチパネル等の表面基材に適した透明ハードコートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CRTやフラットパネルディスプレイ等のディスプレイ画面上に用いられる透視可能なタッチパネルには、そのディスプレイ画面への外部光の映り込みによる眩しさからくる見にくさ(グレア)を防止するために、透明高分子フィルム上に表面凹凸処理を施した透明ハードコートフィルムが用いられている。そして、この透明高分子フィルム上に施される表面凹凸処理としては、数μm〜数十μmの粒径の無機質粒子や合成樹脂粒子を含有する透明なハードコート層が一般に用いられている。
【0003】
一方で、タッチパネルのディスプレイに使用されるCRTやフラットパネルディスプレイのカラー化が進むと共に、各種ディスプレイのカラーの高精細化が進んだ結果、従来のグレア防止のための表面凹凸処理が施された透明ハードコートフィルムをタッチパネルに使用すると、高精細化されたカラー画面の特に白色部分がぎらついて見えるという問題が発生するようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題とするところは、上述のような高精細化されたカラーディスプレイ表面上に貼付してもカラー画面がぎらついて見えるようなことがなく、従来同様に外部光に対するグレアを防止しつつも、透明性が低下して画像表示がぼけることのない、ディスプレイの視認性に優れた透明ハードコートフィルムを提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、従来の透明ハードコートフィルムに用いられている透明ハードコート層の表面凹凸処理が、グレアを防止しつつ透明性を低下させないために、数μm〜数十μmの粒径の無機質粒子や合成樹脂粒子から形成されることで、RGBの発光点の間隔と同程度の間隔となっていることに着目して鋭意研究した。
【0006】
その結果、本発明者は、この透明ハードコート層の表面凹凸が、レンズの作用をしてカラー表示の元になっているRGBの発光点を拡大して強調することで、画面の中でもRGB全ての発光点が発光している白色部分を特にぎらつかせて見せていることを突き止め、本発明を解決するに至った。
【0007】
即ち、本発明の透明ハードコートフィルムは、透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と平均粒径1〜15μmの無機質粒子を含有する第一透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と平均粒径5〜50nmの無機質粒子を含有する第二透明ハードコート層を線硬化型樹脂と平均粒径5〜50nmの無機質粒子を含有する第二透明ハードコート層を順次設けた透明ハードコートフィルムであり、前記第二透明ハードコート層における無機質粒子の電離放射線硬化型樹脂に対する混合割合が、前記電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜8重量部であることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の透明ハードコートフィルムは、第一透明ハードコート層の膜厚が2〜15μmで、第二透明ハードコート層の膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の透明ハードコートフィルム1について、更に詳細に説明する。
【0010】
本発明の透明ハードコートフィルム1は、透明高分子フィルム2上に第一透明ハードコート層31と第二透明ハードコート層32を順次設けたものであり、該第一透明ハードコート層31が少なくとも電離放射線硬化型樹脂311と平均粒径1〜15μmの無機質粒子312を含有し、該第二透明ハードコート層32が少なくとも電離放射線硬化型樹脂321と平均粒径5〜50nmの無機質粒子322を含有するものである。
【0011】
尚、本発明における透明ハードコートフィルム1の透明性に関しては、透明高分子フィルム2上に、第一透明ハードコート層31及び第二透明ハードコート層32を積層した透明ハードコート層3(図1:以下、単に「透明ハードコート層3」という。)を形成した状態で、JIS−K7105におけるヘーズ値で評価することができ、透明性が優れる高透明性というにはヘーズ値で10%以下であることが好ましい。また、本発明における透明ハードコートフィルム1のハードコート性に関しては、同様に透明高分子フィルム2上に透明ハードコート層3を形成した状態で、JIS−K5400における鉛筆硬度がH以上であることが望ましい。
【0012】
透明高分子フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、アセチルセルロース、塩化ビニル等の透明性を阻害しないものが使用でき、延伸加工、特に二軸延伸加工されたものは、機械的強度、寸法安定性が向上されるので好ましい。厚みは適用される材料に対して適宜選択することができるが、一般に20〜500μmであり、好ましくは50〜200μmである。
【0013】
透明高分子フィルム2上に形成される本発明にかかる透明ハードコート層3は、第一透明ハードコート層31及び第二透明ハードコート層32を積層したものからなり、透明性が低下することによって生じる表示画像のボケを生じさせずに、外部光によるグレアを防止するという相反する性質(以下、それぞれ「透明性」と「グレア防止性」という。)を一挙に付与する役割を果たすと共に、カラー表示のRGBの発光点が拡大して強調されることで発生する画面のぎらつき現象を生じさせない性質(以下、「RGBぎらつき防止性」という。)を有するものである。
【0014】
第一透明ハードコート層31は、少なくとも電離放射線硬化型樹脂311を主成分として平均粒径1〜15μmの無機質粒子(以下、「大粒径の無機質粒子」という。)312を混合してなる組成物を、透明高分子フィルム2上に塗工製膜し、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化させる等することにより得ることができる。
【0015】
電離放射線硬化型樹脂311としては、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。これらは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるために、光重合性モノマー、光重合開始剤、紫外線増感剤等を加えることが好ましい。
【0016】
光重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
【0017】
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられ、紫外線増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
【0018】
この電離放射線硬化型樹脂は、第一透明ハードコート層31と第二透明ハードコート層32を順次設けた透明ハードコート層3に、ハードコート性を付与すると共に、後述するように、無機質粒子と組み合わされることにより、透明性とグレア防止性を有し、且つRGBぎらつき防止性を発揮することができるようになるものである。
【0019】
従って、上述効果等を発揮できれば、第一透明ハードコート層31を形成する樹脂として、電離放射線硬化型樹脂に他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を混合することも可能である。
【0020】
このような熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0021】
また熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0022】
大粒径の無機質粒子312は、主に透明ハードコート層3にグレア防止性を付与する役割を担うものであり、その平均粒径は1〜15μm、好ましくは2〜10μmであることが望ましい。このような無機質粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の無機顔料又は無機系の体質顔料の1種又は2種以上を混合使用することができる。この大粒径の無機質粒子312の電離放射線硬化型樹脂311に対する混合割合としては、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜8重量部、好ましく2〜6重量部であることが望ましい。
【0023】
このような第一透明ハードコート層31の厚みとしては、2〜15μm、好ましくは3〜8μmであることが望ましい。
【0024】
また、第二透明ハードコート層32は、少なくとも電離放射線硬化型樹脂321を主成分として平均粒径5〜50nmの無機質粒子(以下、「小粒径の無機質粒子」という。)322を混合してなる組成物を、第一透明ハードコート層31上に塗工製膜し、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化させる等することにより得ることができる。
【0025】
電離放射線硬化型樹脂321は、上記第一透明ハードコート層31において例示したものと同様のものを使用することができる。
【0026】
小粒径の無機質粒子322は、主に透明ハードコート層3にRGBぎらつき防止性を付与する役割を担うものであり、その平均粒径は5〜50nm、好ましくは10〜30nmであることが望ましい。このような無機質粒子としては、特に制限されることなく、大粒径の無機質粒子312に例示したものと同様のものを使用することができる。この小粒径の無機質粒子322の電離放射線硬化型樹脂321に対する混合割合としては、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜8重量部、好ましく2〜6重量部であることが望ましい。
【0027】
このような第二透明ハードコート層32の厚みとしては、0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmであることが望ましい。
【0028】
このように大粒径の無機質粒子312を含有する第一透明ハードコート層31及び小粒径の無機質粒子322を含有する第二透明ハードコート層32を、透明高分子フィルム2上にこの順序で設けることにより、透明性とグレア防止性を兼ね備えると共に、RGBぎらつき防止性を発揮することができるようになる。
【0029】
このように本発明では、第一透明ハードコート層31及び第二透明ハードコート層32共に、電離放射線硬化型樹脂に無機質粒子を混合したものとすることにより、粒状物を含有した電離放射線硬化型樹脂塗膜に特有に生じる波状の凹凸(図1)を利用することで、粒状物である無機質粒子の含有量を少なくして高い透明性を維持しつつ、十分なグレア防止性が発揮されるようになる。また、大粒径の無機質粒子312を含有する第一透明ハードコート層31上に、小粒径の無機質粒子322を含有する第二透明ハードコート層32を設けることにより(図1)、第一透明ハードコート層31のみを設けた場合に生じてしまうRGBの発光点のぎらつきの発生を防止することができるようになり、透明ハードコート層3にRGBぎらつき防止性が発揮されるようになる。
【0030】
透明ハードコート層3を架橋硬化させるために照射する紫外線としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用いた50〜300kcal/molのエネルギーを有する100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域のものを使用する。
【0031】
同様に電子線としては、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する100nm以下の波長領域のものを使用する。
【0032】
電離放射線を照射して硬化する場合、酸素の存在及び塗膜の厚みが硬化と密接に関係する。電離放射線が照射されて発生したラジカルは酸素を捕捉するため、硬化を抑制してしまう。このため、塗膜の厚みが薄いと塗膜体積に占める表面積が大きくなり、空気中の酸素により硬化阻害を受けやすい。このような硬化阻害を防止するためには、N2ガス等の不活性ガス下で照射を行うことが望ましい。
【0033】
以上説明してきたように、本発明の透明ハードコートフィルム1は、透明高分子フィルム2上に、電離放射線硬化型樹脂311と大粒径の無機質粒子312を含有する第一透明ハードコート層31と、電離放射線硬化型樹脂321と小粒径の無機質粒子322を含有する第二透明ハードコート層32を、順次設けたものとすることにより、透明性も損なうことがなく、外部光の映り込みによる眩しさからくる見にくさ(グレア)を防止し、RGBのぎらつきにより生じる見にくさを防止するという、極めて視認性に優れたものとなる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。
【0035】
[実施例1]
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム2(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の表面に、下記組成の第一透明ハードコート層塗布液aを塗布し、60℃・5分で加熱乾燥して、高圧水銀灯で紫外線を1〜2秒照射することにより約5μmの第一透明ハードコート層31を形成した。次いで、第一透明ハードコート層31上に、下記組成の第二透明ハードコート層塗布液bを塗布し、60℃・5分で加熱乾燥して、高圧水銀灯で紫外線を不活性ガス下で1〜2秒照射することにより約1μmの第二透明ハードコート層32を形成して、実施例1の透明ハードコートフィルム1を作製した。
【0036】
<第一透明ハードコート層塗布液a>
・電離放射線硬化型樹脂(ダイヤビームUR6530:
三菱レイヨン社) 30.0部
・無機質粒子(サイリシア446〈平均粒径4.5μm
〉:富士シリシア化学社) 1.5部
・光重合開始剤(イルガキュア651:チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社) 0.15部
・メチルエチルケトン 40.0部
・トルエン 30.0部
【0037】
<第二透明ハードコート層塗布液b>
・電離放射線硬化型樹脂(ダイヤビームUR6530:
三菱レイヨン社) 30.0部
・無機質粒子(アエロジル50〈平均粒径30nm〉:
日本アエロジル社) 1.5部
・光重合開始剤(イルガキュア651:チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社) 0.15部
・メチルエチルケトン 40.0部
・トルエン 30.0部
【0038】
[比較例1]
実施例1において、第二透明ハードコート層32を形成せずに、第一透明ハードコート層31のみを形成した以外は、実施例1と同様にして比較例1の透明ハードコートフィルムを作製した。
【0039】
[比較例2]
実施例1において、第一透明ハードコート層31を形成せずに、ポリエチレンテレフタレートフィルム2の表面に直接第二透明ハードコート層32を形成した以外は、実施例1と同様にして比較例2の透明ハードコートフィルムを作製した。
【0040】
[比較例3]
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム2(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の一方の表面に、下記組成の第一透明ハードコート層塗布液cを塗布し、120℃・5分で加熱乾燥硬化することにより約5μmの第一透明ハードコート層を形成した。次いで、第一透明ハードコート層上に、下記組成の第二透明ハードコート層塗布液dを塗布し、120℃・5分で加熱乾燥硬化することにより約1μmの第二透明ハードコート層を形成して、比較例3の透明ハードコートフィルムを作製した。
【0041】
<第一透明ハードコート層塗布液c>
・熱硬化性シリコーン樹脂(Siコート900〈固形分
30%〉:大八化学社) 100.0部
・無機質粒子(サイリシア446〈平均粒径4.5μm
〉:富士シリシア化学社) 3.0部
【0042】
<第二透明ハードコート層塗布液b>
・熱硬化性シリコーン樹脂(Siコート900〈固形分
30%〉:大八化学社) 100.0部
・無機質粒子(アエロジル50〈平均粒径30nm〉:
日本アエロジル社) 3.0部
【0043】
以上のようにして得られた透明ハードコートフィルムの視認性(透明性、グレア防止性、RGBぎらつき防止性)について評価した結果を表1に示す。透明性、グレア防止性、RGBぎらつき防止性の評価は以下のように行った。
【0044】
[透明性]
SMカラーコンピューターHGM−2K(スガ試験機社)を用いてヘーズ値「%」(JIS−K7105)を測定すると共に、画像を表示させたCRT画面上に透明ハードコートフィルムを積層した場合に表示画像がぼけるかどうかについて目視評価した。目視評価した結果で良かったものを「○」、悪かったものを「×」とした。
【0045】
[グレア防止性]
SMカラーコンピューターUGV−5K(スガ試験機社)を用いて鏡面光沢度「%」(JIS−K5400)を測定すると共に、画像を表示させたCRT画面上に透明ハードコートフィルムを積層した場合に外部光の映り込みによって表示画像が見難くなるかどうかについて目視評価した。目視評価した結果で良かったものを「○」、悪かったものを「×」とした。
【0046】
[RGBぎらつき防止性]
カラー画像を表示させたCRT画面上に透明ハードコートフィルムを積層した場合に、カラー表示のRGB発光点が拡大強調されて、特に表示画面の白色部分がぎらついて見えるかどうかについて目視評価した。目視評価した結果で良かったものを「○」、悪かったものを「×」とした。
【0047】
[視認性]
総合評価として、透明性、グレア防止性、RGBぎらつき防止性の三評価全て良かったものを「○」、三評価の内の何れか一つの評価でも悪かったものを「×」とした。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果からも明らかなように、実施例1の透明ハードコートフィルム1は、透明性、グレア防止性、RGBぎらつき防止性の全てに優れた視認性を得られていた。
【0050】
一方、比較例1の透明ハードコートフィルムは、透明性及びグレア防止性は備えているが、第一透明ハードコート層上に第二透明ハードコート層を積層していないために、RGBの発光点による画面のぎらつきを抑えることができず、非常に視認性に劣るものであった。
【0051】
また、比較例2の透明ハードコートフィルムは、第一透明ハードコート層を設けずに第二透明ハードコート層のみを設けたので、ヘーズ値は低くて透明性には優れているが、光沢度が高くてグレア防止性が極めて低く、非常に視認性に劣るものであった。尚、第二透明ハードコート層に大粒径の無機質粒子が含まれていないために、光沢度が低くならなかった反面、表面凹凸も生じなかったために、レンズ効果によるRGBの発光点による画面のぎらつきも生じることがなかった。
【0052】
また、比較例3の透明ハードコートフィルムは、電離放射線硬化型樹脂ではなく熱硬化性樹脂を使用しているために、無機質粒子の添加量を実施例1の場合より多くしてグレア防止性を発揮させようとしたために透明性が低下し、RGBぎらつき防止性も得られず、非常に視認性に劣るものであった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の透明ハードコートフィルムによれば、透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と大粒径の無機質粒子を含有する第一透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と小粒径の無機質粒子を含有する第二透明ハードコート層を順次設けた透明ハードコートフィルムであり、前記第二透明ハードコート層における無機質粒子の電離放射線硬化型樹脂に対する混合割合が、前記電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜8重量部であることにより、高精細化されたカラーディスプレイ表面上に使用してもカラー画面がぎらついて見えるようなことがなく、且つ外部光に対するグレアを防止しつつも、透明性が低下して画像表示がぼけることのない、ディスプレイの視認性に優れた透明ハードコートフィルムを得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透明ハードコートフィルムの一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・・・透明ハードコートフィルム
2・・・・・透明高分子フィルム
3・・・・・透明ハードコート層
31・・・・第一透明ハードコート層
311・・・電離放射線硬化型樹脂
312・・・大粒径の無機質粒子
32・・・・第二透明ハードコート層
321・・・電離放射線硬化型樹脂
322・・・小粒径の無機質粒子
Claims (3)
- 透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と平均粒径1〜15μmの無機質粒子を含有する第一透明ハードコート層と、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と平均粒径5〜50nmの無機質粒子を含有する第二透明ハードコート層を順次設けた透明ハードコートフィルムであり、前記第二透明ハードコート層における無機質粒子の電離放射線硬化型樹脂に対する混合割合が、前記電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜8重量部であることを特徴とする透明ハードコートフィルム。
- 前記第一透明ハードコート層の膜厚が2〜15μmで、前記第二透明ハードコート層の膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とする請求項1記載の透明ハードコートフィルム。
- 前記第二透明ハードコート層の無機質粒子が、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウムから選ばれる無機顔料又は無機系の体質顔料の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の透明ハードコートフィルム。
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