JP4514445B2 - 高防食性亜鉛末含有塗料組成物 - Google Patents

高防食性亜鉛末含有塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高防食性亜鉛末含有塗料組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、大型鉄鋼構造物の一次防錆塗料として又は下塗塗料として有用であり、かつ、塗装作業性が良く、従来の亜鉛末含有塗料より高防食性の塗料組成物に関する。
塗料中に比較的多量の亜鉛末を配合した亜鉛末含有塗料は、船舶や、橋梁、タンク、プラント、海洋構造物等の防食の目的で広く用いられている。亜鉛末含有塗料は、用いられるバインダー樹脂の種類により、有機系亜鉛末含有塗料と無機系亜鉛末含有塗料とに大別される。
有機系の亜鉛末含有塗料は、一般にエポキシ樹脂やアクリル樹脂等のバインダー樹脂に亜鉛末を多量に含有せしめたものであり、素地調整作業、塗装作業が容易である上に、上塗塗料に対する適用性が良好である特徴を持っている。
一方、塗膜の防食機能や凝集力が幾分不足しているため、長期の防食性を重視する場合には、あまり使用されない。
これに対し、無機系亜鉛末含有塗料は、一般にアルキルシリケート系の樹脂がバインダーとして用いられており、塗膜の防食機能や耐久性が優れているため、特に大型鋼構造物の長期の防食目的に適しているが、素地調整作業や塗装作業性が容易でなく、素地の研磨やブラスト処理等の素地調整を入念に行う必要がある。
亜鉛末を多量に含有する塗料において、主に塗装作業性を改良することが試みられている。しかしながら、何れの亜鉛末含有塗料においても、他の成分を添加する方法が主であるため、塗膜性能を低下させる傾向にある。
例えば、亜鉛末を予め、流れ止め剤で被覆処理することによって、亜鉛末含有塗料の防食性を保持したまま塗装作業が改善され、厚塗りした場合にもタレとクラック発生を防止する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、亜鉛末に流れ止め剤を被覆処理するだけでは、クラックの発生を十分に抑えることはできない。
また、針状又は長柱状のカルシウムメタシリケートを含有せしめ、塗膜のワレやハガレを防止した防錆被覆組成物(例えば、特許文献2参照)や、針状及び/又は繊維状物質を含有する揺変性被覆組成物では、針状珪酸カルシウム(ウオラストナイト)、セピオライト、蛇モン岩リザタイト等の繊維状粘度鉱物、又はチタン酸カリ、石膏繊維、スラグ繊維、ロックウール、ガラス繊維等を含有せしめ、厚塗り性、飛散防止性を改良した組成物(例えば、特許文献3参照)が開示されている。しかしながら、これらの針状又は繊維状物質は、濾過の際に使用するメッシュの通過性が悪いため、塗料製造の前工程の粉末成分を調整する場合の歩留まりが悪く、配合のブレを生じたり、塗装時において塗装機具のスプレーに目詰まりを起こすという問題があった。
特開昭63−17976号公報 特開昭62−181370号公報 特開平2−75675号公報
本発明の目的は、かかる実情に鑑み、塗装作業性を改良し、更には従来の亜鉛末含有塗料以上の高い防食性を示す亜鉛末含有塗料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、以下の構成により、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、(A)バインダー樹脂100質量部、(B)亜鉛末200〜800質量部、(C)導電性無機酸化物粉末5〜80質量部、及び(D)これらを分散するための溶媒200〜1000質量部を含有する高防食性亜鉛末含有塗料組成物に関するものである。
本発明の高防食性亜鉛末含有塗料組成物は、塗装作業性が良好であり、高い防食性を示す。
以下、本発明について詳細に述べる。
本発明に使用される(A)バインダー樹脂は、有機系でも無機系でも良く、また、水系でも溶剤系であっても良い。有機系バインダー樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂や、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を好適に使用することができる。
特に、防食性や素地との付着性が良好なエポキシ樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
水系の有機系バインダー樹脂としては、上記樹脂等に、−OHや、−NH2、−COOH等の親水性官能基を導入し、水分散化したものが使用される。
無機系バインダー樹脂としては、例えば、ポリアルキルシリケートの部分加水分解物やその変性物が挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケート、テトラプロピルオルソシリケート、テトラブチルオルソシリケート、テトラペンチルオルソシリケート、テトラヘキシルオルソシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等を原材料としたアルキルシリケートの加水分解初期縮合物が挙げられ、この場合の加水分解率としては、例えば、50〜98%が好ましい。また、これら加水分解物は、他の有機高分子化合物と反応させた誘導体であっても差し支えない。これらは単独又は2種以上組み合わせて、あるいは有機系、無機系バインダー樹脂を混合して用いてもよい。
無機系バインダー樹脂の具体的な商品としては、例えば、エチルシリケート40(コルコート株式会社製)、エチルシリケート40(多摩化学工業株式会社製)、Silbond 40(Stauffer Chemical Co.製)、Ethyl Silicate 40(Union Carbide Co.製)等が好適に挙げられる。
水系無機バインダー樹脂としては、一般式 R2O・nSiO2 (I)
(式中、Rは、アルカリ金属原子を示し、nは、1.0〜5.0を示す。)で表される水溶性珪酸塩又はコロイダルシリカの水分散液からなる群から選ばれた少なくとも1種のバインダーが好適に挙げられる。
上記一般式(I)において、Rで示されるアルカリ金属原子としては、例えば、リチウムや、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
上記一般式(I)で表される水溶性珪酸塩としては、従来公知のものを広く使用でき、また、本発明では、これらを単独で又はこれらの混合物として使用できる。また、有機系と無機系バインダー樹脂混合でも使用されるし、有機系と無機系バインダー樹脂の反応物も使用することができる。
これらのバインダー樹脂には、必要に応じて、硬化剤を配合してもよい。例えば、エポキシ樹脂に対しては、ポリアミドアミンや、ポリイソシアネート、酸無水物、メラミン樹脂等の硬化剤を使用することができる。
本発明で使用される(B)亜鉛末としては、亜鉛が溶出して犠牲陽極作用を有するものである限り、従来公知のものを使用することができる。また、亜鉛末の平均粒径は、通常1〜100μmの範囲内のものが用いられるが、3〜7μmの範囲の粒径のものが好適である。この好適な粒径範囲の亜鉛末粒子を用いると、塗装時の作業性が一層良好となり、かつ、一層均一な外観を有する塗膜を得ることができる。
本発明の塗料に配合されるべき亜鉛末の量は、バインダー樹脂の固形分100質量部に対して、200〜800質量部であり、好ましくは、250〜700質量部であることが好適である。亜鉛末の配合量が、200質量部未満では、防食性が不充分となり易く、配合量が800質量部を越えると、得られる塗膜物性及び塗膜外観が不良となり易く、バインダー樹脂が基材表面と充分に結合できなくなり、塗膜の付着性が劣り易い。
次に、本発明で使用される(C)導電性無機酸化物粉末について説明する。
本発明に使用される導電性無機酸化物粉末としては、導電性である無機の酸化物であり、酸化錫や、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛等が好適に挙げられる。
これら無機酸化物粉末の導電性は、体積固有抵抗値が103Ω・cm以下のものが好ましく、更に体積固有抵抗値が10-1〜102Ω・cmのものがより好ましい。なお、ここで言う体積固有抵抗値とは、無機酸化物粉末を成形した後、三菱化学社製体積固有抵抗測定機「PD−51」で測定した抵抗値を示す。体積固有抵抗値が103Ω・cmを越える場合は、得られる塗膜の導電性が不充分となり易く、防食性が充分発揮できない。
これらの導電性無機酸化物粉末の平均粒径としては、100nm以下、好ましくは、 80nm以下であることが好ましい。平均粒径が100nmより大きい場合には、塗料の粘度が高くなり、塗装作業性が劣り易い。更に、導電性無機酸化物粉末の沈降が生じ、塗料安定性が低下する。なお、これらの平均粒径の下限は、特に制限はないが、通常10nm以上である。
導電性無機酸化物粉末の平均粒径は、HORIBA LA−910(堀場製作所社製)で測定した。なお、導電性無機酸化物粉末は、市販の粉末状のものをそのまま用いてもよいが、一般の粉砕機や分散機で、所定の粒径まで細かく粉砕して使用することもできる。
粉砕機や分散機を使用する場合は、乾式粉砕でも良いし、湿式粉砕後に溶媒を蒸発させたものを使用しても良い。
導電性無機酸化物粉末の配合量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5〜80質量部であり、好ましくは、8〜75質量部である。配合量が、5質量部に満たない場合は、塗膜の導電性が不充分となり、高防食性を発揮することが困難となる。一方、配合量が、80質量部を越えると、塗料粘度が上昇し、塗装作業性が低下する。これらの導電性無機酸化物粉末は、単独で又はこれらの混合物として使用することができる。
次に、導電性無機酸化物粉末の効果について説明する。
鋼材に亜鉛末含有塗料を塗装すると、鉄よりも亜鉛の方が溶出しやすいため、亜鉛末は鉄の犠牲防食作用としての効果がある。しかしながら、亜鉛末含有塗料が塗装された後、鋼材に赤さびが発生するのは、全面的に亜鉛が溶出して亜鉛が消耗した後ではなく、局部的に亜鉛の溶出が進行して亜鉛が消耗され、局部的に鉄の溶出が発生するため、赤さびが発生する。
これに対して、亜鉛末含有塗料中に導電性物質を配合すると、塗膜の塗装面の電位が均一になり、亜鉛の局部的溶出を防止し、その結果、亜鉛末含有塗膜の防食性を長期に維持することができる。
一般にその導電性物質として、本発明の(C)導電性無機酸化物粉末以外に金属粉末や、グラファイト、カーボンブラック等が考えられる。しかしながら、金属粉末を配合すると、塗膜表面の導電性は向上するが、比重や粒径が大きく、塗料中で沈降し、貯蔵安定性が悪い。グラファイトやカーボンブラックを使用する場合、上述のように導電性が不充分であり、また、多量に配合すると塗料が極端に増粘し、塗装作業性が低下する。
本発明で使用される(D)溶媒は、上記の成分(A)〜(C)を分散できるものであれば、有機溶剤又は水のどちらでも良い。有機溶剤としては、例えば、トルエンや、キシレン等の芳香族系溶剤、エタノールや、メタノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトンや、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルや、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸ブチルや、酢酸エチル等のエステル系溶剤が使われる。塗料形態が水系の場合、溶媒としては水が使用される。その場合、更に水溶性の有機溶剤を添加しても良い。
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノールや、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、アセトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール等を好適に挙げることができる。
(D)溶媒の配合量は、バインダー樹脂100質量部に対して、200〜1000質量部であり、好ましくは、200〜600質量部である。
配合量が、200質量部に満たない場合は、塗料粘度が高くなり、塗料安定性及び塗装作業性が劣る。一方、その配合量が1000質量部を越えると、塗料粘度が低くなりすぎ、規定の膜厚(50μm以上)を付けることが困難となり易い。
これらの(D)溶媒は、単独で又はこれらの混合物として使用することができる。
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、亜鉛末、及び、導電性無機酸化物粉末を均一に分散せしめるために分散剤を併用しても良い。
このような分散剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩などのカチオン系、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などのアニオン系、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型などのノニオン系が好適に挙げられる。
その他任意に使用される添加剤としては、タレ止め剤や、顔料等を配合することができる。タレ止め剤としては、通常、塗料に配合されて構造粘性を発現し、塗料に揺変性を付与するもので、例えば、無定形シリカ、コロイド炭酸カルシウム、有機ベントナイト、水添ヒマシ油、脂肪族アミド、高級脂肪酸、マイクロジェル粒子等が好適に挙げられる。
これらのタレ止め剤は、単独で又はこれらの混合物として使用しても良い。特に有機ベントナイト系のタレ止め剤が、少量の添加で大きな構造粘性を発現するので好ましい。
本発明では、顔料を添加してもよく、そのような顔料としては、通常の防錆塗料に用いられる体質顔料や、防錆顔料、着色顔料等を適宜使用することができる。このような顔料としては、具体的には、タルクや、マイカ、硫酸バリウム、クレー、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、ベンガラ、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、メタホウ酸バリウム、モリブデン酸アルミニウム、リン酸鉄等が挙げられる。これらの顔料は、単独で又はこれらの混合物として使用しても良い。
本発明の亜鉛末含有塗料組成物は、常法に従って調製することが可能である。液状成分と粉末成分との分散には、通常塗料の分散に用いられるロールミルや、サンドグラインドミル、ボールミル等の媒体ミル、ディスパー分散機などが使用される。このようにして塗料化した亜鉛末含有塗料は、例えば、エアースプレーや、エアレススプレー、ロールコーター、ハケ等の手段で鉄骨構造物等に塗布されるが、スプレーで塗布することが一般的である。
塗装された本発明の亜鉛末含有塗料組成物は、常温で、例えば、18〜48時間乾燥するか、或いは80℃程度の温度で30分以上強制乾燥することで、溶媒を揮発し、塗膜を形成することができる。
バインダー樹脂中に分散した(B)亜鉛末と(C)導電性無機酸化物粉末とが、塗膜中に均一に存在し、塗膜に導電性を付与し、塗膜表面の電位が均一になり、高い防食性を発揮するものと考えられる。
(実施例)
以下、本発明について、例を挙げて詳細に説明する。ただし、これらの実施例及び比較例は、本発明の範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、特に断らない限り、「質量部」及び「質量%」を表す。
実施例1
エチルシリケート溶液A(コルコート社製、エチルシリケート40、固形分25%、溶媒:キシレン)400部、亜鉛末A(本荘ケミカル社製、平均粒径5μm)500部、錫ドープ酸化インジウム(三井金属社製、体積固有抵抗値5Ω・cm、平均粒径20nm)70部を容器内で攪拌し、更にキシレン20質量部(エチルシリケート溶液A中のキシレン300質量部と合わせて、計320質量部使用)を加え、均一になるまで攪拌し、塗料を調製した。
次に、厚さ3.0mm、大きさ70×150mmのサンドブラスト鋼板に上記塗料を、常温で48時間後の乾燥膜厚が50μmとなるように、エアスプレー塗装した。
作製した試験片を用いて、以下のように性能評価を行い、結果を表2に示す。
実施例2〜実施例6及び比較例1〜比較例3
上記実施例1と同じく、表1に示す配合で実施例2〜実施例6及び比較例1〜比較例3の各塗料を調製し、実施例1と同様に各々評価用試験片を作製した。
更に、以下のように性能評価を行い、表2に結果を示す。
<性能評価>
塗膜の防食性及び塗装作業性を、以下のように行った。
塩水噴霧試験
上記のように作製した試験片を用いて、JIS K 5400、9.1 耐塩水噴霧性の試験方法に準拠し、2500時間又は5000時間塩水噴霧した後のクロスカットした塗膜の外観を、以下の基準で目視判定した。
(評価)
◎:塗膜表面に、異常なし
○:クロスカット部周辺に、若干の赤さびが発生
△:クロスカット部周辺に、直径1〜2mmの赤さびが発生
×:クロスカット部周辺に、直径3mm以上の赤さびが発生
塩水浸漬試験
上記のように作製した試験片を用いて、JIS K 5400、8.23 耐塩水性の試験方法に準拠し、常温で8000時間塩水に浸漬後の塗膜の外観を、以下の基準で目視判定した。
(評価)
◎:塗膜表面に、異常なし
○:塗膜表面に、1〜2点程度の赤さびが発生
△:塗膜表面に、面積で10%程度の赤さびが発生
×:塗膜表面に、面積で50%以上の赤さびが発生
自然電位
上記のように作製した試験片を、3%食塩水に12,000時間浸漬後、北斗電工社製全自動分極測定装置HZ−3000で、参照電極はAg/AgClを用いて、塗膜の自然電位を測定し、以下の基準で判定した。
(評価)
◎:−900mV以下
○:−899〜−750mV
△:−749〜−650mV
×:−649mV以上
複合サイクル試験
上記のように作製した試験片を用いて、JIS K 5621、5.11 耐複合サイクル防食性の試験方法に準拠し、1200サイクル後のクロスカット部の外観を、以下の基準で目視判定した。
(評価)
◎:塗膜表面に、異常なし
○:クロスカット部周辺に、若干の赤さびが発生
△:クロスカット部周辺に、直径1〜2mmの赤さびが発生
×:クロスカット部周辺に、直径3mm以上の赤さびが発生
塗装作業性
エアスプレー塗装時に噴霧した塗料の微粒化状態を、以下の基準で目視判定した。
(評価)
◎:微粒化が良好で、塗膜表面は平滑
○:希釈溶媒を追加すると凝集し、塗膜表面にブツが発生
△:スプレー粒子が断続的に吐出
×:微粒化が不良で、吐出できず























Figure 0004514445

















Figure 0004514445
※バインダー樹脂中の溶媒量は含まれない。












Figure 0004514445

















表2(続き)性能評価結果
Figure 0004514445
1)エチルシリケート溶液A:コルコート社製「エチルシリケート40」
(固形分25%;残り75%はキシレン)
2)エポキシ樹脂溶液B:油化シェル社製「エピコート1001」(固形分70%;キシレン30%)
3)ケイ酸リチウム水溶液C:日本化学工業社製「ケイ酸リチウム水溶液」
(固形分40%;水60%)
4)ウレタン樹脂水分散液D:旭電化社製「アデカボンタイター290H」
(固形分40%;水60%)
5)ポリシリコン水溶液E:信越シリコーン社製「KBM403」(固形分80%;水20%)
6)亜鉛末A:本荘ケミカル社製「亜鉛末F−1000」(平均粒径5μm)
7)亜鉛末B:堺化学社製「亜鉛末#3−13L」(平均粒径4μm)
8)錫ドープ酸化インジウム:三井金属社製
(体積固有抵抗値5Ω・cm、平均粒径20nm)
9)アンチモンドープ酸化錫:三菱マテリアル社製「T−1」
(体積固有抵抗値1Ω・cm、平均粒径20nm)
10)アルミニウムドープ酸化亜鉛:白水化学社製「K−23」
(体積固有抵抗値102Ω・cm、平均粒径80nm)
11)酸化スズ:シーアイ化成社製(体積固有抵抗値50Ω・cm、平均粒径40nm)
12)カーボンブラック:三菱化学社製「MA−100」
13)ポリアミドアミン溶液A:富士化成社製「トーマイドTXK−659A」
(固形分60%、アミン価120)
表2の結果から明らかなように、亜鉛末含有塗料に導電性無機酸化物粉末を配合した塗料は、比較塗料と比べて防食性が良好で、塗装作業性も良い。一方、カーボンブラックを配合した比較例1は、防食性も不充分であり、また塗料状態が不良であり、塗装作業性が悪かった。導電性無機酸化物粉末をバインダー樹脂100質量部に対して1質量部配合した比較例2、導電性物質を配合しない比較例3は、いずれも防食性が劣っていた。
本発明の高防食性亜鉛末含有塗料組成物は、塗装作業性が良好で、高い防食性を示す防食塗料として有用である。

Claims (2)

  1. (A)バインダー樹脂100質量部、(B)亜鉛末200〜800質量部、(C)導電性無機酸化物粉末5〜80質量部、及び(D)上記各成分を分散するための溶媒200〜1000質量部、を含有することを特徴とする高防食性亜鉛末含有塗料組成物であって、前記導電性無機酸化物粉末が、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム及びアルミニウムドープ酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉末である前記組成物
  2. (C)導電性無機酸化物粉末が、103Ω・cm以下の体積固有抵抗値及び100nm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の高防食性亜鉛末含有塗料組成物。
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