JP4506070B2 - 防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置 - Google Patents

防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4506070B2
JP4506070B2 JP2002319665A JP2002319665A JP4506070B2 JP 4506070 B2 JP4506070 B2 JP 4506070B2 JP 2002319665 A JP2002319665 A JP 2002319665A JP 2002319665 A JP2002319665 A JP 2002319665A JP 4506070 B2 JP4506070 B2 JP 4506070B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming
antiglare
antiglare layer
ink
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002319665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004151642A (ja
Inventor
隆 村上
壮太 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002319665A priority Critical patent/JP4506070B2/ja
Priority to TW092129766A priority patent/TWI273282B/zh
Priority to US10/695,616 priority patent/US7638163B2/en
Priority to CNB2003101026890A priority patent/CN1327251C/zh
Priority to KR1020030075733A priority patent/KR101090580B1/ko
Priority to CN2007101018604A priority patent/CN101109826B/zh
Priority to CN200710101877A priority patent/CN100580482C/zh
Publication of JP2004151642A publication Critical patent/JP2004151642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4506070B2 publication Critical patent/JP4506070B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/02Diffusing elements; Afocal elements
    • G02B5/0205Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties
    • G02B5/021Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures
    • G02B5/0215Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures the surface having a regular structure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B3/00Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form
    • B32B3/26Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer
    • B32B3/30Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer characterised by a layer formed with recesses or projections, e.g. hollows, grooves, protuberances, ribs
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/03Viewing layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/031Polarizer or dye
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24355Continuous and nonuniform or irregular surface on layer or component [e.g., roofing, etc.]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防眩機能に優れた防眩層の形成方法、防眩フィルムとその製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄型軽量ノートパソコンの開発が進んでいる。それに伴って、液晶表示装置等の表示装置で用いられる偏光板の保護フィルムもますます薄膜化、高性能化への要求が強くなってきている。また、視認性向上のために反射防止層を設けたり、また、写り込みを防いだり、ギラツキの少ない表示性能を得るために表面を凹凸にして反射光を散乱させる防眩層を付与した、コンピュータやワープロ等の液晶画像表示装置(液晶ディスプレイともいう)が多く使用されるようになってきた。
【0003】
反射防止層や防眩層は用途に応じてさまざまな種類や性能の改良がなされ、これらの機能を有する種々のフィルムを液晶ディスプレイの前面に配置することで、ディスプレイに視認性向上のために反射防止機能または防眩機能等を付与する方法が用いられている。これら、前面板として用いられる光学用フィルムには、塗布または、スパッタリング等で形成した反射防止層または防眩層が設けられている。
【0004】
防眩層は、表面に反射した像の輪郭をぼかすことによって反射像の視認性を低下させて、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイといった画像表示装置などの使用時に反射像の映り込みが気にならないようにするものである。
【0005】
表面に適切な凹凸を設けることによって、このような性質を持たせることができる。従来、このような凹凸を形成する方法としては、微粒子を塗布液に添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このほか、特開平6−234175号で開示されているエンボス加工する方法、特開昭63−298201号で開示されているあらかじめ型を転写させる方法等が知られている。しかしながら、エンボス加工や転写により凹凸を形成する方法は、生産性に劣り、特に微細な凹凸構造を形成することは極めて困難である。
【0006】
一方、微粒子を用いて凹凸を形成する方法として、微粒子、例えば無機微粒子あるいは有機微粒子を樹脂等のバインダー中に分散させた塗布液を調製、塗布して表面に凹凸構造を形成させる方法が用いられている。この方法では、バインダー層中に凹凸を形成する微粒子が存在するパターンであり、微粒子を適切に分散することが必要とされるため、所望の凹凸構造を効果的に形成することがむずかしく、防眩フィルムとしての十分なぎらつき防止効果を得ることに大きな障害を有していた。また、凹凸の形状を変更する場合には、微粒子の粒径、配合量、膜厚等を修正する必要があり、品種の切り替えが非常に煩雑になる。また、所望の凹凸構造を達成するためには、比較的粒径の大きな微粒子を用いることが必要となり、その結果、鮮鋭性等の低下を招く結果となっていた。また、上述の塗布により防眩層を形成する方法においては、しばしば塗布むらの発生や支持体あるいは下部層との接着性が低下することがあり、また生産性にも劣るという欠点を有しており、早急な改良手段の開発が要望されている。
【0007】
一方、機能性層を形成する方法の一つとして、活性光線硬化型樹脂あるいは熱硬化性樹脂と各種微粒子を含む塗布液を、基材上に塗布した後、活性光線の照射あるいは加熱処理を施して、硬化させる方法が知られている(例えば、特許文献2〜4参照。)。しかしながら、活性光線硬化型樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用いて、塗布方式により防眩層を形成する場合には、上述の場合と同様に、所望の凹凸構造を効果的に形成するためには、塗布液や塗布条件を適切に制御する必要があり、品種の切り替えの際の作業量が増加し、多品種生産における生産性を低下させる要因となっている。
【0008】
また、視認性を改善するため、従来でも、表示装置の表面には防眩層あるいは反射防止層が設けられているが、表示装置のカラー化、高精細化に伴って、より視認性に優れた防眩フィルムが求められている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭59−58036号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
特開2001−310912号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【特許文献3】
特開2002−114928号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献4】
特開2002−120311号公報(特許請求の範囲)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、膜物性(膜均一性、接着性)が良好で、ぎらつき防止効果、鮮鋭性、視認性及び動画を表示したときの黒のしまりに優れた防眩層の形成方法、防眩フィルムとその製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0015】
1.透明基材上に、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該基材表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成するにあたり、2種以上の粒径の異なるインク液滴を用い、粒径の大きなインク液滴で透明基材上に微細凹凸構造を形成した後、該インク液滴より粒径の小さなインク液滴で、より微細な凹凸構造を形成することを特徴とする防眩層の形成方法。
2. 前記微細凹凸構造の中心線平均粗さ(Ra)が、0.05〜5.0μmであることを特徴とする1に記載の防眩層の形成方法。
3. 前記微細凹凸構造が、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm 2 あたり1〜50個有していることを特徴とする1または2項に記載の防眩層の形成方法。
4. 前記防眩性付与組成物が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
5. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする4に記載の防眩層の形成方法。
6. 前記防眩性付与組成物が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
7. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、加熱硬化処理を行うことを特徴とする6に記載の防眩層の形成方法。
8. 前記インク液滴が、該インク液滴より小さい粒子径を有する微粒子を含有することを特徴とする1〜7のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
9. 透明基材上に、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該基材表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成するにあたり、前記インク液滴が、該インク液滴より小さい粒子径を有する微小液滴を含有することを特徴とする防眩層の形成方法。
10. 前記微細凹凸構造の中心線平均粗さ(Ra)が、0.05〜5.0μmであることを特徴とする9に記載の防眩層の形成方法。
11. 前記微細凹凸構造が、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm 2 あたり1〜50個有していることを特徴とする9または10に記載の防眩層の形成方法。
12. 前記防眩性付与組成物が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする9〜11のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
13. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする12に記載の防眩層の形成方法。
14. 前記防眩性付与組成物が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする9〜11のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
15. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、加熱硬化処理を行うことを特徴とする14に記載の防眩層の形成方法。
16. 前記微小液滴と、インク液滴媒体との屈折率差が0.01以上であることを特徴とする9〜15のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
17. 前記インクジェット方式が、インクジェットヘッド部に振動を与えてインク液滴を吐出することを特徴とする1〜16のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
18. 前記透明基材上に少なくとも1層のハードコート層を有し、該ハードコート層表面に、前記凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該ハードコート層表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成することを特徴とする1〜17のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
19. 前記ハードコート層がハーフキュア状態で、該ハードコート層表面に前記インク液滴を出射して微細凹凸構造を形成することを特徴とする18に記載の防眩層の形成方法。
20. 前記ハードコート層表面をプラズマ処理した後、該ハードコート層表面に前記インク液滴を出射して微細凹凸構造を形成することを特徴とする18または19に記載の防眩層の形成方法。
21. 前記ハードコート層が、可塑剤を含有することを特徴とする18〜20のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
22. 1〜21のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法により、透明基材上に防眩層を形成して防眩フィルムを製造することを特徴とする防眩フィルムの製造方法。
23. 透明基材上に防眩層を形成した後、該防眩層上に反射防止層を設けることを特徴とする22に記載の防眩フィルムの製造方法。
24. 22または23に記載の防眩フィルムの製造方法により製造される防眩フィルムを製造するための防眩層形成用のインクジェット装置であって、インクジェットヘッド部に直接活性光線または熱が作用しないように配置された活性光線照射部または加熱部を備えていることを特徴とする防眩層形成用のインクジェット装置。
【0037】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、透明基材上に、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該基材表面に微細凹凸構造を有する防眩層とすることにより、ぎらつき防止効果、鮮鋭性、視認性に優れた防眩層の形成を実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
【0038】
詳しくは、インクジェット方式による上記インク液滴として、2種以上の組成の異なるインク液滴を用いて、屈折率の異なる凹凸構造を形成すること、あるいは2種以上の粒径の異なるインク液滴を用いること、粒径の大きなインク液滴で透明基材上に微細凹凸構造を形成した後、該インク液滴より粒径の小さなインク液滴で、より微細な凹凸構造を形成すること、あるいは、インク液滴に、該インク液滴より小さい粒子径を有する微小液滴を含有させることにより、上記で規定した極めて微細な凹凸構造を実現できたものである。更に、微細凹凸構造として、中心線平均粗さ(Ra)を0.05〜5.0μmの範囲とすること、あるいは、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm あたり1〜50個の範囲とすることが好ましく、また、防眩性付与組成物として、活性光線硬化型樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用いることにより、本発明の目的効果をより一層発揮されることを見出したものである。
【0039】
本発明の防眩フィルムは、透明基材上に上記で規定する防眩層を形成する構成であり、単に透明基材上に直接防眩層を設けてもよいが、1層以上のハードコート層を有する透明基材上に設けることがより好ましい。このときのハードコート層は、防眩層の凹凸構造を形成する際に、未硬化であってもよいが、ハードコート層がハーフキュア状態(半硬化状態)で防眩層を設けることが好ましく、また、ハードコート層表面をプラズマ処理した後、防眩層を設けること、あるいはハードコート層が可塑剤を含有していることがより好ましく、このような構成とすることにより、ハードコート層と防眩層の接着性を高めることができる。
【0040】
また、本発明の防眩フィルムにおいては、上述の方法により、透明基材上に、ハードコート層、防眩層を設けた後、更にその表面に反射防止層を設けることが好ましい。このような構成とすることにより、極めて微細な凹凸構造により、好ましい防眩効果と反射防止効果が実現でき、視認性に優れた防眩フィルムを実現することができた。
【0041】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明においては、透明基材上に、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該基材表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成することが特徴である。
【0042】
本発明に係る微細凹凸構造の一つの形状として、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さRaが0.05〜5μmである凹凸形状をさし、好ましくはRaが0.07〜1μm、最も好ましくはRaが0.1〜0.5μmの凹凸形状である。
【0043】
本発明で規定する中心線平均粗さRaは、JIS表面粗さのJIS−B−0601により定義され、下式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
【0044】
【数1】
Figure 0004506070
【0045】
中心線平均粗さ(Ra)の測定方法としては、25℃、65%RH環境下で測定試料同士が重なり合わない条件で24時間調湿したのち、上記環境下で測定して求めることができる。ここでいう重なり合わない条件とは、例えば、試料のエッジ部分を高くした状態で巻き取る方法や試料と試料の間に紙をはさんで重ねる方法、厚紙等で枠を作製しその四隅を固定する方法のいずれかである。用いることのできる測定装置としては、例えば、WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システム等を挙げることができる。
【0046】
また、本発明に係る微細凹凸構造の他の形状として、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm2あたり1〜50個有していることが好ましい。
【0047】
図1は、透明基材上に、インクジェット方式で凹凸構造からなる防眩層を設けた一例を示す模式図である。
【0048】
図1の(a)は、凹凸構造からなる防眩層の斜視図であり、図1の(b)は断面図である。
【0049】
図1の(b)において、透明基材1の上に1層もしくは複数からなるハードコート層2を設けた後、インクジェット方式によりインク液滴3により形成された凹凸構造を有する防眩層の一例を示してあるが、本発明で規定する凹部底を基準とした高さaとは、底部であるハードコート層表面を底部として、凹凸構造の頂部までの高さ(μm)と定義する。
【0050】
防眩層表面の微細な凹凸は、市販の触針式表面粗さ測定機あるいは市販の光学干渉式表面粗さ測定機等によって測定することができる。例えば、光学干渉式表面粗さ測定機によって、約4000μm2の範囲(55μm×75μm)について凹凸を2次元的に測定し、凹凸を底部側より等高線のごとく色分けして表示する。
【0051】
ここで隣接する底部を基準とした高さが0.5μm〜10μmである凸部の数をカウントし、100μm2の面積あたりの数で示した。測定は、防眩フィルム1m2あたり任意の10点を測定してその平均値として求める。
【0052】
本発明において、防眩層を構成する凹凸構造の形状として、図1の(b)ではコニーデ型の凸部を着弾させた一例を示しているが、本発明は上記の凹凸構造に限定されるものではない。
【0053】
図2は、防眩層を構成する他の凹凸構造の一例を示す断面図である。
図2の(a)は、球体形状で着弾させた凹凸構造の一例であり、出射するインク液滴の粘度や、インク液滴とインク着弾面との接触角を適宜調整することにより、このような形状の凹凸構造を形成することができる。本発明のインクジェット方式による凹凸構造の形成方法は、従来の塗布方式等の防眩層形成方法に比較し、任意の形状の凹凸構造を形成できることが、大きな特徴である。
【0054】
図2の(b)は、半円状の凹凸構造からなる防眩層の一例を示す断面図である。
【0055】
上記凹凸構造の配置として、上図の説明では凸部を間隔をあけて着弾させた一例を示しているが、図2の(c)に示すように、間隙を設けずに、着弾面全体を凸部で被覆した構成でもよい。
【0056】
本発明の防眩フィルムの構成としては、透明基材上に防眩層が形成されていれば特に制限はないが、好ましくは、透明基材上に1層以上のハードコート層を設けた後、インクジェット方式により上記で規定する凹凸構造からなる防眩層を設けることが好ましい。
【0057】
次いで、本発明に係るインクジェット方式について説明する。
図3は、本発明に係るインクジェット方法に用いることのできるインクジェットヘッドの一例を示す断面図である。
【0058】
図3(a)はインクジェットヘッドの断面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線矢視拡大図である。図中、11は基板、12は圧電素子、13は流路板、13aはインク流路、13bは壁部、14は共通液室構成部材、14aは共通液室、15はインク供給パイプ、16はノズルプレート、16aはノズル、17は駆動用回路プリント板(PCB)、18はリード部、19は駆動電極、20は溝、21は保護板、22は流体抵抗、23、24は電極、25は上部隔壁、26はヒータ、27はヒータ電源、28は伝熱部材、10はインクジェットヘッドである。
【0059】
集積化されたインクジェットヘッド10において、電極23、24を有する積層された圧電素子12は、流路13aに対応して、該流路13a方向に溝加工が施され、溝20と駆動圧電素子12bと非駆動圧電素子12aに区分される。溝20には充填剤が封入されている。溝加工が施された圧電素子12には、上部隔壁25を介して流路板13が接合される。すなわち、前記上部隔壁25は、非駆動圧電素子12aと隣接する流路を隔てる壁部13bとで支持される。駆動圧電素子12bの幅は流路13aの幅よりも僅かに狭く、駆動用回路プリント板(PCB)上の駆動回路により選択された駆動圧電素子12bはパルス状信号電圧を印加すると、該駆動圧電素子12bは厚み方向に変化し、上部隔壁25を介して流路13aの容積が変化し、その結果ノズルプレート16のノズル16aよりインク液滴を吐出する。
【0060】
流路板13上には、伝熱部材28を介してヒータ26がそれぞれ接着されている。伝熱部材28はノズル面にまわり込んで設けられている。伝熱部材28は、ヒータ26からの熱を効率良く流路板13に伝え、かつ、ヒータ26からの熱をノズル面近傍に運びノズル面近傍の空気を温めることを目的としており、したがって、熱伝導率の良い材料が用いられる。例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、ステンレス等の金属、あるいは、SiC、BeO、AlN等のセラミックス等が好ましい材料として挙げられる。
【0061】
圧電素子を駆動すると、流路の長手方向に垂直な方向に変位し、流路の容積が変化し、その容積変化によりノズルからインク液滴となって噴射する。圧電素子には常時流路容積が縮小するように保持する信号を与え、選択された流路に対して流路容積を増大する向きに変位させた後、再び流路の容積が縮小する変位を与えるパルス信号を印加することにより、流路と対応するノズルよりインクがインク液滴となって噴射する。
【0062】
図4は、本発明で用いることのできるインクジェットヘッド部、ノズルプレートの一例を示す概略図である。
【0063】
図4において、図4の(a)はヘッド部の断面図、図4の(b)はノズルプレートの平面図である。図中、1は透明基材、31はインク液滴、32はノズル、29は活性光線照射部である。ノズル32より噴射したインク液滴31は透明基材1方向に飛翔して付着する。透明基材1上に着弾したインク液滴は、その上流部に配置されている活性光線照射部29より、活性光線を直ちに照射され、硬化する。なお、35は透明基材1を保持するバックロールである。
【0064】
本発明においては、図4の(b)に記載のように、インクジェットヘッド部のノズルは、千鳥状に配置することが好ましく、また、透明基材1の搬送方向に並列に多段に設けることが好ましい。また、インク吐出の際にインクジェットヘッド部に微細な振動を与え、インク滴がランダムに透明基材上に着弾するようにすることが好ましい。これによって、干渉縞の発生を抑制することができる。微細な振動は、高周波電圧、音波、超音波などによって与えることができるが、特にこれらに限定されない。
【0065】
本発明に用いられる防眩層の形成方法は、多ノズルからインク小液滴を吐出して形成するインクジェット方式を用いることが好ましく、図5に、本発明で好ましく用いることのできるインクジェット方式の一例を示す。
【0066】
図5において、図5のa)は、インクジェットヘッド10を透明基材1の幅手方向に配置し、透明基材1を搬送しながらその表面に防眩層を形成する方法(ラインヘッド方式)であり、図5のb)はインクジェットヘッド10が副走査方向に移動しながらその表面に防眩層を形成する方法(フラットヘッド方式)であり、図5のc)はインクジェットヘッド10が、透明基材1上の幅手方向を走査しながらその表面に防眩層を形成する方法(キャプスタン方式)であり、いずれの方式も用いることができるが、本発明においては、生産性の観点からラインヘッド方式が好ましい。なお、図5のa)〜c)に記載の29は、インクとして後述の活性光線硬化型樹脂を用いる場合に使用する活性光線照射部である。
【0067】
また、本発明においては、図5のa)、b)、c)の透明基材の搬送方向の下流側に、別の活性光線照射部を設けてもよい。
【0068】
本発明において、微細な凹凸を形成するため、インク液滴としては0.1〜100plが好ましく、0.1〜50plがより好ましく、0.1〜10plが特に好ましい。上記条件でインク液滴を出射することにより、視認性にも優れる微細な凹凸を有する防眩フィルムを得ることができる。
【0069】
また、インク液滴の粘度は、25℃において0.1〜100mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜50mPa・sである。
【0070】
次いで、本発明で用いることのできる透明基材について説明する。
本発明に係る透明基材としては、製造が容易であること、防眩層、または反射防止層等との接着性が良好である、光学的に等方性である、光学的に透明であること等が好ましい要件として挙げられる。
【0071】
本発明でいう透明とは、可視光の透過率60%以上であることをさし、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
【0072】
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム(アートン(JSR社製)、ゼオネックス、ゼオネア(以上、日本ゼオン社製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムまたはガラス板等を挙げることができる。中でも、セルローストリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)が好ましく、本発明においては、特にセルロースエステルフィルム(例えば、コニカタック 製品名KC8UX2MW、KC4UX2MW、KC50UN、KC12VR(コニカ(株)製))が、製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の観点から好ましく用いられる。
【0073】
透明基材の光学特性としては膜厚方向のリターデーションRtが0nm〜300nm、面内方向のリターデーションR0が0nm〜1000nmのものが好ましく用いられる。
【0074】
本発明においては、透明基材としてはセルロースエステルフィルムを用いることが好ましい。セルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく、中でもセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。
【0075】
特にアセチル基の置換度をX、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとしたとき、XとYが下記の範囲にあるセルロースの混合脂肪酸エステルを有する透明基材上に防眩層と反射防止層を設けた防眩フィルムが好ましく用いられる。
【0076】
2.3≦X+Y≦3.0
0.1≦Y≦1.2
特に、2.5≦X+Y≦2.85
0.3≦Y≦1.2であることが好ましい。
【0077】
本発明に係る透明基材として、セルロースエステルを用いる場合、セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることができる。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステルは、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることができる。
【0078】
アシル化剤が酸クロライド(CH3COCl、C25COCl、C37COCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には、特開平10−45804号に記載の方法等を参考にして合成することができる。また、本発明に用いられるセルロースエステルは各置換度に合わせて上記アシル化剤量を混合して反応させたものであり、セルロースエステルはこれらアシル化剤がセルロース分子の水酸基に反応する。セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)という。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜3.0)。
【0079】
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、またはセルロースアセテートプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基またはブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが特に好ましく用いられる。なお、ブチレートを形成するブチリル基としては、直鎖状でも分岐していてもよい。
【0080】
プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネートは耐水性に優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして有用である。
【0081】
アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
【0082】
セルロースエステルの数平均分子量は、70,000〜250,000が、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。
【0083】
以下、流延製膜法による支持体の作製方法について説明する。
これらセルロースエステルは、後述するように一般的に溶液流延製膜法と呼ばれるセルロースエステル溶解液(ドープ)を、例えば、無限に移送する無端の金属ベルトまたは回転する金属ドラムの流延用支持体上に加圧ダイからドープを流延(キャスティング)し製膜する方法で製造されることが好ましい。
【0084】
これらドープの調製に用いられる有機溶媒としては、セルロースエステルを溶解でき、かつ、適度な沸点であることが好ましく、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
【0085】
また、下記の製膜工程に示すように、溶媒蒸発工程において流延用支持体上に形成されたウェブ(ドープ膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点としては、30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の良溶媒の沸点は、メチレンクロライド(沸点40.4℃)、酢酸メチル(沸点56.32℃)、アセトン(沸点56.3℃)、酢酸エチル(沸点76.82℃)等である。
【0086】
上記記載の良溶媒の中でも溶解性に優れるメチレンクロライド、酢酸メチルが好ましく用いられ、特にメチレンクロライドが全有機溶媒に対して50質量%以上含まれていることが好ましい。
【0087】
上記有機溶媒の他に、0.1質量%〜30質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコールが含まれることが好ましい。これらは上記記載のドープを流延用支持体に流延後、溶媒が蒸発を始めアルコールの比率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし流延用支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。
【0088】
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。
【0089】
これらの溶媒のうち、ドープの安定性がよく、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。好ましくは、メチレンクロライド70質量%〜95質量%に対してエタノール5質量%〜30質量%を含む溶媒を用いることが好ましい。メチレンクロライドの代わりに酢酸メチルを用いることもできる。このとき、冷却溶解法によりドープを調製してもよい。
【0090】
本発明で用いられるセルロースエステルフィルムは少なくとも幅手方向に延伸されたものが好ましく、特に溶液流延工程で剥離残溶量が3質量%〜40質量%であるときに幅手方向に1.01倍〜1.5倍に延伸されたものであることが好ましい。より好ましくは幅手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残溶量が3質量%〜40質量%であるときに幅手方向及び長手方向に、各々1.01倍〜1.5倍に延伸されることが望ましい。こうすることによって、視認性に優れた防眩性低反射フィルムを得ることが出来る。更に、2軸延伸し、後述のナーリング加工をすることによって、長尺状防眩フィルムのロール状での保管中の巻き形状の劣化を著しく改善することができる。
【0091】
このときの延伸倍率としては1.01倍〜1.5倍が好ましく、特に好ましくは、1.03倍〜1.45倍である。
【0092】
更に好ましくは後述する裏面側の突起の数が所定範囲内に調整することにより、ロール状の防眩フィルムの保管安定性の向上効果が得られる。
【0093】
本発明においては、二軸延伸されたセルロースエステルフィルムは、光透過率が90%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体であることが好ましい。
【0094】
本発明に係るセルロースエステルフィルム支持体は、その厚さが10μm〜100μmのものが好ましく、透湿性は、200g/m2・24時間以下であることが好ましく、更に好ましくは、10〜180g/m2・24時間以下であり、特に好ましくは、160g/m2・24時間以下である。特には、膜厚10μm〜60μmで透湿性が上記範囲内であることが好ましい。
【0095】
ここで、支持体の透湿性は、JIS Z 0208に記載の方法に従い、各試料の透湿性を測定することができる。
【0096】
本発明においては、長尺フィルムを用いることができ、具体的には、100m〜5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。更に、上記の長尺フィルムは下記に記載のナーリング加工を施すことがこのましい。ここで、ナーリング加工について説明する。
【0097】
本発明では、上記の長尺フィルムの幅方向の両端に凹凸を付与して端部を嵩高くするいわゆるナーリング加工が施されていることが好ましい。ここで、ナーリング高さとは、下記のように定義される。
【0098】
ナーリング高さ(a:μm)のフィルム膜厚(d:μm)に対する比率X(%)=(a/d)×100
本発明においては、X=1〜25%の範囲であることが好ましく、5%〜20%が更に好ましく、10%〜15%が特に好ましい。
【0099】
また、本発明においては、上記のナーリング加工は、フィルムの製膜工程において乾燥終了後、巻き取りの前に設けることが好ましい。
【0100】
本発明の防眩フィルムの支持体にセルロースエステルフィルムを用いる場合、後述のハードコート層で用いるのと同様の可塑剤を含有するのが好ましい。
【0101】
これらの可塑剤は単独または併用するのが好ましい。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1質量%〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3質量%〜1本発明に係る支持体に用いられる紫外線吸収剤について説明する。防眩性低反射フィルム用の支持体には、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
3質量%である。
【0102】
本発明の防眩フィルム用の支持体には、後述のインクにおいて詳述するのと同様の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
【0103】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0104】
また、本発明に用いられるセルロースエステルフィルムには滑り性を付与するため、インクで記載したのと同様の微粒子を用いることができる。
【0105】
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムに添加される微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。これらの微粒子は0.1〜5μmの粒径の2次粒子を形成してセルロースエステルフィルムに含まれることが好ましく、好ましい平均粒径は0.1〜2μmであり、更に好ましくは0.2〜0.6μmである。これにより、フィルム表面に高さ0.1〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによってフィルム表面に適切な滑り性を与えることが出来る。
【0106】
本発明に用いられる微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって、1次平均粒子径とした。
【0107】
微粒子の見掛比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましく、また、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
【0108】
1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得ることができる。また例えばアエロジル200V、アエロジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することができる。
【0109】
上記記載の見掛比重は二酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、下記式で算出したものである。
【0110】
見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル)
本発明に用いられる微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
【0111】
《調製方法A》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0112】
《調製方法B》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶剤に少量のセルローストリアセテートを加え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0113】
《調製方法C》
溶剤に少量のセルローストリアセテートを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0114】
調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
【0115】
《分散方法》
二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0116】
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
【0117】
セルロースエステルに対する二酸化珪素微粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対して、二酸化珪素微粒子は0.01質量部〜0.3質量部が好ましく、0.05質量部〜0.2質量部がさらに好ましく、0.08質量部〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れている。
【0118】
分散機は通常の分散機が使用できる。分散機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレス分散機がヘイズが低く好ましい。
【0119】
メディア分散機としてはボールミル、サンドミル、ダイノミルなどがあげられる。
【0120】
メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.613MPa以上である。またその際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/時間以上に達するものが好ましい。
【0121】
上記のような高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げられる。
【0122】
また、微粒子を含むドープを流延支持体に直接接するように流延することが、滑り性が高く、ヘイズが低いフィルムが得られるので好ましい。
【0123】
又、ロール状に巻き取られた後、出荷されるまでの間、汚れや静電気によるゴミ付着等から製品を保護するために通常、包装加工がなされる。この包装材料については、上記目的が果たせれば特に限定されないが、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、紙、各種不織布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス状になったものは、より好ましく用いられる。
【0124】
本発明に係るセルロースエステルフィルムは複数のドープを用いた共流延法等による多層構成を有するものであってもよい。
【0125】
共流延とは、異なったダイを通じて2層または3層構成にする逐次多層流延方法、2つまたは3つのスリットを有するダイ内で合流させ2層または3層構成にする同時多層流延方法、逐次多層流延と同時多層流延を組み合わせた多層流延方法のいずれであっても良い。
【0126】
本発明に係るセルロースエステルフィルムの作製に用いられる好ましい製造装置の一例を図6を用いて説明する。
【0127】
図6において、エンドレスステンレスベルト51は、乾燥ゾーン53と乾燥ゾーン54の間を循環している。ドープ組成物は、ダイ52から流延部55でエンドレスステンレスベルト51の上に流延され、矢印方向に運ばれ、乾燥ゾーン53と乾燥ゾーン54で、乾燥され、剥離部56で剥離ロール57によりエンドレスステンレスベルト51から剥離される。剥離されたフィルムは、更に第1乾燥ゾーン58を通り、第2乾燥ゾーン60から、第3乾燥ゾーン61へ運ばれ、製品として巻き取り部62で巻き取られる。尚、第1乾燥ゾーン58と第3乾燥ゾーン61は、パスを長くとるため、搬送ロール59により搬送される。
【0128】
第2乾燥ゾーンにおいては、テンター等の延伸手段により幅手または、幅手と長手の両方向に延伸される。
【0129】
又、本発明で用いられるセルロースエステルはフィルムにしたときの輝点異物が少ないものが、支持体として好ましく用いられる。本発明において、輝点異物とは、2枚の偏光板を直交に配置し(クロスニコル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を当てて、もう一方の面からセルロースエステルフィルムを観察したときに、光源の光がもれて見える点のことである。
【0130】
このとき評価に用いる偏光板は輝点異物がない保護フィルムで構成されたものであることが望ましく、偏光子の保護にガラス板を使用したものが好ましく用いられる。輝点異物の発生は、セルロースエステルに含まれる未酢化のセルロースがその原因の1つと考えられ、対策としては、未酢化のセルロース量の少ないセルロースエステルを用いることや、また、セルロースエステルを溶解したドープ液の濾過等により、除去、低減が可能である。又、フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向がある。
【0131】
輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上のものが200個/cm2以下であることが好ましく、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2以下、30個/cm2以下、10個/cm2以下であることが好ましいが、特に好ましくは、0であることである。
【0132】
又、0.005mm〜0.01mmの輝点についても200個/cm2以下であることが好ましく、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2以下、30個/cm2以下、10個/cm2以下であることが好ましいが、特に好ましいのは、輝点が0の場合である。0.005mm以下の輝点についても少ないものが好ましい。
【0133】
輝点異物を濾過によって除去する場合、セルロースエステルを単独で溶解させたものを濾過するよりも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、セラミックス、金属等も好ましく用いられる。絶対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく、更に好ましくは、30μm以下、10μm以下であるが、特に好ましくは、5μm以下のものである。
【0134】
これらは、適宜組み合わせて使用することもできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ましく用いられる。
【0135】
次いで、本発明に係るインクジェット方式で用いるインクについて説明する。
本発明に係るインクは、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有することが特徴であるが、該防眩性付与組成物としては、活性光線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0136】
はじめに、本発明に係る活性光線硬化型樹脂について説明する。
活性光線硬化型樹脂とは、紫外線や電子線のような活性光線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。活性光線硬化型樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性光線照射によって硬化する樹脂でもよい。
【0137】
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0138】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載の、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
【0139】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号)。
【0140】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
【0141】
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
【0142】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂の例として、有用に用いられるエポキシ系活性光線反応性化合物を示す。
【0143】
(a)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの反応により、重合度の異なる混合物として得られる)
(b)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物
(c)4,4′−メチレンビスフェノールのグリシジルエーテル
(d)ノボラック樹脂またはレゾール樹脂のフェノールフォルムアルデヒド樹脂のエポキシ化合物
(e)脂環式エポキシドを有する化合物、例えば、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルピメレート)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−1′−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−6′−メチル−1′−シクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5′,5′−スピロ−3″,4″−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン
(f)2塩基酸のジグリシジルエーテル、例えば、ジグリシジルオキザレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート
(g)グリコールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
(h)ポリマー酸のグリシジルエステル、例えば、ポリアクリル酸ポリグリシジルエステル、ポリエステルジグリシジルエステル
(i)多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グルコーストリグリシジルエーテル
(j)2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテルとしては、前記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例と同様のもの
(k)含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては、上記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物等を挙げることができる。
【0144】
上記エポキシ化合物の分子量は、平均分子量として2000以下で、好ましくは1000以下である。
【0145】
上記のエポキシ化合物を活性光線により硬化する場合、より硬度を上げるためには、(h)または(i)の多官能のエポキシ基を有する化合物を混合して用いると効果的である。
【0146】
エポキシ系活性光線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、活性光線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。
【0147】
活性光線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性光線反応性樹脂である。
【0148】
本発明に有用な活性光線反応性エポキシ樹脂は、活性光線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する光重合開始剤または光増感剤により重合する。光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
【0149】
かかる代表的なものは下記一般式(a)で表される化合物である。
一般式(a)
〔(R1a(R2b(R3c(R4dZ〕w+〔MeXvw-
式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
【0150】
上記一般式(a)の陰イオン〔MeXvw-の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、テトラフルオロホスフェート(PF4 -)、テトラフルオロアンチモネート(SbF4 -)、テトラフルオロアルセネート(AsF4 -)、テトラクロロアンチモネート(SbCl4 -)等を挙げることができる。
【0151】
また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン酸陰イオン等を挙げることができる。
【0152】
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが有効であり、中でも特開昭50−151996号、同50−158680号等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、同52−30899号、同59−55420号、同55−125105号等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、同56−149402号、同57−192429号等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号等に記載のチオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性けい素化合物系重合開始剤等を挙げることができる。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することができる。
【0153】
また、エポキシアクリレート基を有する活性光線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の光増感剤を用いることができる。この活性光線反応性化合物に用いられる光増感剤や光開始剤は、紫外線反応性化合物100質量部に対して0.1質量部〜15質量部で光反応を開始するには十分であり、好ましくは1質量部〜10質量部である。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
【0154】
本発明に有用な活性光線硬化型樹脂組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性光線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質量部に対して0.1質量部〜15質量部の使用が好ましく、更に好ましくは、1質量部〜10質量部の範囲の添加が好ましい。
【0155】
また、エポキシ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等と併用することもでき、この場合、活性光線ラジカル重合開始剤と活性光線カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
【0156】
また、本発明に係る防眩層には、オキセタン化合物を用いることもできる。用いられるオキセタン化合物は、酸素または硫黄を含む3員環のオキセタン環を有する化合物である。中でも酸素を含むオキセタン環を有する化合物が好ましい。オキセタン環は、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アリールアルキル基、アルコキシル基、アリルオキシ基、アセトキシ基で置換されていてもよい。具体的には、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、3,3−ビス(ヨードメチル)オキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−メチル−3クロルメチルオキセタン、3,3−ビス(アセトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フルオロメチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等が挙げられる。尚、本発明ではモノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。
【0157】
本発明で用いることのできる紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、アデカオプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業(株)製)、コーエイハードのA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業(株)製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業(株)製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー(株))、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製)、サンラッド H−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業(株)製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製)、RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成(株)製)、またはその他の市販のものから適宜選択して利用することができる。
【0158】
本発明に係るインクには、公知の熱可塑性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダを上記記載の活性光線硬化型樹脂に混合して使用することができる。これらの樹脂は、その分子中に極性基を持っていることが好ましい。極性基としては、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO32、−OPO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げることができる。
【0159】
本発明に使用する上記活性光線反応性化合物を光重合または光架橋反応を開始させるには、上記活性光線反応性化合物のみでも開始するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かったりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましく、それにより重合を早めることができる。
【0160】
本発明に係るインクが、活性光線硬化型樹脂を含有する場合、活性光線の照射時においては、光反応開始剤、光増感剤を用いることができる。
【0161】
具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリレート系樹脂の合成に光反応剤を使用する際に、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
【0162】
また、活性光線硬化型樹脂として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合、前記紫外線硬化性樹脂の光硬化を妨げない程度に、紫外線吸収剤を紫外線硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。
【0163】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0164】
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式(1)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0166】
【化1】
Figure 0004506070
【0167】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0168】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していてよい。
以下に本発明に係る紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0169】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、Ciba製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式(2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0170】
【化2】
Figure 0004506070
【0171】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0172】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までのアルコキシル基を表し、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基でアリル基、2−ブテニル基等を表す。また、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)等が挙げられる。
【0173】
以下に一般式(2)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0174】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0175】
また、特開2001−187825に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤は、支持体の面品質を向上させ、塗布性にも優れている。特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
【0176】
また、特開平6−148430号に記載の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
【0177】
また、インクジェット方式により形成した防眩層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。具体的には、例えば、4,4′−チオビス(6−tert−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスフェート等を挙げることができる。
【0178】
本発明に係るインクには、SnO2、ITO、ZnO等の導電性微粒子や架橋カチオンポリマー粒子等の帯電防止剤を含有させることが好ましい。また、これらの化合物は、透明基材上に設ける後述のハードコート層に添加してもよい。
【0179】
本発明において、インクジェット方式により形成した防眩層が活性光線硬化型樹脂を含む場合、活性光線の照射方法としては、インク液滴を透明基体上に着弾させた直後に、活性光線を照射することが好ましい。
【0180】
本発明でいうインク液滴を透明基体上に着弾させた直後とは、具体的にはインク液滴が着弾後0.001〜2.0秒の間が好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒の間である。照射光源の照射間隔が0.001秒より短いと、ノズル部と照射光源の距離が接近しすぎて、硬化反応により昇華物質によるヘッドの汚染や、照射光のインク出射部への回り込みにより、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため好ましくない。また、照射光源の照射間隔が2.0秒を超えると、着弾したインク液滴の流動、変形等により、本発明で規定する所望の凹凸構造を得ることが困難となる。
【0181】
上記照射時のノズル部への光の回り込みを防止するため、本発明のインクジェット方式においては、活性光源照射部をインクジェットヘッドのノズル部に直接作用させない位置に配置することが好ましく、更に、照射される活性光線が、インクジェットヘッドのノズル部に作用しないように遮光板をその間に設けることが好ましい。
【0182】
また、インク液滴が着弾した直後の活性光線の照射は、着弾したインク液滴の流動性を低下させ、所望の凹凸構造が形成できる程度に照射すればよく、ハーフキュア状態でもよい。この場合には、別途下流側に設置した活性光源を照射して、完全に硬化させることができる。このようにすることにより、インクジェットヘッドのノズル部に、活性光線が作用し目詰まりを起こすことを防止することができる。
【0183】
本発明に使用することができる活性光線としては、紫外線、電子線、γ線等で、防眩性付与組成物である活性光線硬化型樹脂を活性化させる光源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は1mJ/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、20mJ/cm2〜10000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50mJ/cm2〜2000mJ/cm2である。
【0184】
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
【0185】
本発明においては、活性線照射の時の雰囲気中の酸素濃度が1%以下であることがより好ましい。
【0186】
また、本発明においては、活性光線の硬化反応を効率的に進めるため、透明基材等を加熱することもできる。加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、あるいは着弾したインク表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、インクジェット出射部の透明支持体を挟んで反対側に用いられるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。
【0187】
加熱温度としては、使用する活性光線硬化型樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
【0188】
次いで、本発明に係る熱硬化性樹脂について説明する。
本発明で用いることのできる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミドなどを挙げることができる。
【0189】
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、オルソフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、ビスフェノール系樹脂、プロピレングリコール−マレイン酸系樹脂、ジシクロペンタジエンないしその誘導体を不飽和ポリエステル組成に導入して低分子量化した、或いは被膜形成性のワックスコンパウンドを添加した低スチレン揮発性樹脂、熱可塑性樹脂(ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、飽和ポリエステルなど)を添加した低収縮性樹脂、不飽和ポリエステルを直接Br2でブロム化する、或いはヘット酸、ジブロムネオペンチルグリコールを共重合するなどした反応性タイプ、塩素化パラフィン、テトラブロムビスフェノール等のハロゲン化物と三酸化アンチモン、燐化合物の組み合わせや水酸化アルミニウムなどを添加剤として用いる添加タイプの難燃性樹脂、ポリウレタンやシリコーンとハイブリッド化、またはIPN化した強靭性(高強度、高弾性率、高伸び率)の強靭性樹脂等がある。
【0190】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ノボラックフェノール型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型を含むグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系、グリシジルエステル系、環式脂肪系、複素環式エポキシ系を含む特殊エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0191】
ビニルエステル樹脂としては、例えば、普通エポキシ樹脂とメタクリル酸等の不飽和一塩基酸とを開環付加反応して得られるオリゴマーをスチレン等のモノマーに溶解した物である。また、分子末端や側鎖にビニル基を持ちビニルモノマーを含有する等の特殊タイプもある。グリシジルエーテル系エポキシ樹脂のビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノール系、ノボラック系、臭素化ビスフェノール系等があり、特殊ビニルエステル樹脂としてはビニルエステルウレタン系、イソシアヌル酸ビニル系、側鎖ビニルエステル系等がある。
【0192】
フェノール樹脂は、フェノール類とフォルムアルデヒド類を原料として重縮合して得られ、レゾール型とノボラック型がある。
【0193】
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例えば、マレイン酸系ポリイミド、例えばポリマレイミドアミン、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド・O,O′−ジアリルビスフェノール−A樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂等、またナジック酸変性ポリイミド、及びアセチレン末端ポリイミド等がある。
【0194】
また、上述した活性光線硬化型樹脂の一部も、熱硬化性樹脂として用いることができる。
【0195】
なお、本発明に係る熱硬化性樹脂からなるインクには、活性光線硬化型樹脂を含むインクに記載した酸化防止剤や紫外線吸収剤を適宜用いてもよい。
【0196】
本発明において、インクジェット方式により形成した防眩層が熱硬化性樹脂を含む場合、加熱方法としては、インク液滴を透明基体上に着弾させた直後に、加熱処理を行うことが好ましい。
【0197】
本発明でいうインク液滴を透明基体上に着弾させた直後とは、具体的にはインク液滴が着弾と同時または5秒以内に加熱が開始されることが好ましく、より好ましくは0.001〜2.0秒の間である。加熱間隔が0.001秒より短いと、ノズル部と加熱部の距離が接近しすぎて、熱がヘッド部に伝達すると、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため注意が必要である。また、加熱間隔が5.0秒を超えると、着弾したインク液滴の流動、変形等により、本発明で規定する所望の凹凸構造を得ることが困難となる。
【0198】
上記加熱時のノズル部への熱の伝達を防止するため、本発明のインクジェット方式においては、加熱部をインクジェットヘッドのノズル部に直接作用させない位置に配置することが好ましい。
【0199】
加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、あるいは着弾したインク表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、インクジェット出射部の透明支持体を挟んで反対側に設けるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。加熱温度としては、使用する熱硬化性樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
【0200】
本発明に係るインクにおいては、防眩性付与組成物として、上述した活性光線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができるが、好ましくは活性光線硬化型樹脂を用いることである。
【0201】
本発明に係る上記インクには、必要に応じて溶媒を含有させることができる。例えば、水系溶媒に前記活性光線硬化型樹脂モノマー成分、あるいは熱硬化性樹脂モノマー成分を溶解もしくは分散させてもよく、あるいは有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒は低沸点のものでも高沸点のものでも適宜選択して用いることができ、これらの溶媒の添加量や種類、組成はインクの粘度を調整するため適宜調整することが好ましい。
【0202】
本発明に係るインクで用いることができる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類も好ましく用いられる。
【0203】
グリコールエーテル類としては、具体的には下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルAc、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルAc、エチレングリコールジエチルエーテル等を挙げることができる、なおAcはアセテートを表す。本発明に係るインクにおいては、上記溶剤の中でも、沸点が100℃未満の溶剤が好ましい。
【0204】
次いで、本発明におけるインクジェット方式による凹凸構造を形成する好ましい態様について説明する。
【0205】
本発明における凹凸構造を有する防眩層の好ましい形成方法の一つは、2種以上の屈折率の異なるインク液滴を出射して形成する方法である。詳しくは、硬化後の550nmにおける屈折率が0.01以上異なる2種以上のインク液滴を用いることにより、視認性に優れる防眩層が形成できるため好ましい。好ましくは屈折率差が0.01〜2.0、特に屈折率差が0.03〜1.0異なるインク滴を組み合わせることが好ましい。本発明に係るインクにおいて、上記条件を満たすための方法として、特に制限はなく、例えば、活性光線硬化型樹脂あるいは熱硬化性樹脂の種類や添加量、あるいは不揮発性有機溶媒の種類や添加量、その他の添加剤の種類や添加量を適宜調整することにより、実現することができる。
【0206】
本発明における凹凸構造を有する防眩層の他の好ましい形成方法として、2種以上の粒径の異なるインク液滴を出射して形成することが好ましく、更に好ましくは、粒径の大きなインク液滴で透明基材上に微細凹凸構造を形成した後、該インク液滴より粒径の小さなインク液滴で、より微細な凹凸構造を形成することである。
【0207】
図7は、透明基材上にインクジェット方式により、粒径の大きなインク液滴で微細構造71を形成した後、より粒径の小さなインク液滴で、更に微細な凹凸構造72を形成した一例を表す模式図である。
【0208】
図7の(a)は、比較的低粘度のインクを用いて、コニーデ型の凸部71を設けた後、その表面及び未着弾部により微小の凸部72を設けた一例であり、図7の(b)は、インク液滴と基材表面との接触角を制御し、球体状の凸部71′を設けた後、その表面及び未着弾部により微小の凸部72を設けた一例である。
【0209】
本発明において、凹凸構造を形成するインクとして粒径の異なるインク液滴を用いて形成することにより、干渉縞を生じにくくするとともに、表示装置の視認性にも優れる微細な凹凸を形成することができる。各々のインク液滴は、0.1〜100plが好ましく、0.1〜50plが更に好ましく、0.1〜10plが特に好ましい。2種以上の大きさの異なるインク液滴を用いる場合、平均粒径が最も大きい粒径のインク液滴に対し、平均粒径が最も小さな粒径のインク液滴の容量としては、0.1〜80体積%、更に好ましくは1〜60体積%、特に好ましくは3〜50体積%であることが好ましい。また、3種以上の容量が異なるインク液滴を組み合わせることがより好ましい態様である。
【0210】
また、2種以上のインク液滴を用いる場合、固形分濃度が異なる各インク液滴を用いることができる。例えば、主に後から出射するより微小な液滴は、より大きなインク液滴よりも固形分濃度として低く設定することが好ましい。このように各インク液滴の固形分濃度を適宜調整することにより、微細な凹凸構造の形成や形状を容易に制御することができる。
【0211】
更に、本発明においては、異なる容量のインク滴を組み合わせて凹凸構造を形成する場合、大きなインク液滴を透明基材上に着弾させた後、より微細なインク液滴をその上に着弾させることが好ましい。大きなインク滴を着弾させて、未硬化の状態でその上により微細なインク液滴を着弾させてもよいが、本発明では、大きなインク液滴を着弾させた後、活性光線を照射すること、あるいは加熱処理を施してより完全に硬化させるか、あるいはハーフキュアの状態にした後、より微細なインク液滴をその上に着弾させることが好ましい。
【0212】
本発明における凹凸構造を有する防眩層の他の好ましい形成方法として、インク液滴が、該インク液滴より小さい粒子径を有する微粒子を含有することが好ましい。
【0213】
本発明において、インク液滴中に含有せしめることのできる微粒子としては、例えば、無機微粒子または有機微粒子を挙げることができる。
【0214】
無機微粒子としては、例えば、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
【0215】
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0216】
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0217】
また、有機微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂微粒子、アクリルスチレン系樹脂微粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子、シリコン系樹脂微粒子、ポリスチレン系樹脂微粒子、ポリカーボネート樹脂微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子、メラミン系樹脂微粒子、ポリオレフィン系樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒子、ポリアミド系樹脂微粒子、ポリイミド系樹脂微粒子、またはポリ弗化エチレン系樹脂微粒子等を挙げることができる。
【0218】
本発明で用いる微粒子の平均粒径は、0.001〜10μmが好ましく、さらに好ましくは0.005〜3μmであり、特に好ましくは0.01〜1μmである。粒径や屈折率の異なる2種以上の微粒子を含有させてもよい。
【0219】
本発明における凹凸構造を有する防眩層の他の好ましい形成方法として、インク液滴が、該インク液滴より小さい粒子径を有する微小液滴を含有することが好ましい。
【0220】
本発明でいう微小液滴とは、インク液滴より小粒径で、相分離状態にあるか、あるいは乳化物の形態でインク中に液状で存在しているものが好ましく、インクの主成分とは完全に混じりあわないものであることが好ましく、また、インクが硬化した後、550nmにおける屈折率が、インク液滴媒体と0.01以上異なることが好ましい。好ましくは屈折率が0.01〜2.0異なること、特に屈折率が0.03〜1.0異なることが好ましい。
【0221】
上述したインク液滴に微粒子を用いた場合には、インクジェットヘッドの目詰まりを起こす可能性も残るが、液状物であれば目詰まりを起こしにくく特に好ましい。また、微小液滴自身も硬化性成分を含んでいることが好ましく、着弾後に硬化させることが好ましい。これらを用いることによって、より微細な凹凸や光散乱の効果が得られ、視認性の向上が期待できる。
【0222】
本発明に係る微小液滴として、金属アルコキシド又はその加水分解物あるいは部分重合物を用いることが特に好ましい。
【0223】
金属原子としては、Si、Ti、Zr等を挙げることができ、本発明で用いることのできる金属アルコキシドの具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のシランカップリング剤、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、テトラブチルジルコニウム、テトライソプロピルジルコニウム、テトラエトキシチタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの金属アルコキシドは、インク液滴が透明基材に着弾した後、活性光線等による硬化処理により硬化し、その種類により屈折率の異なる凹凸構造を形成することができる。
【0224】
次いで、本発明の防眩フィルムの他の構成要素について説明する。
本発明の防眩フィルムにおいては、透明基材上に直接インクジェット方式により防眩層を形成することができるが、より好ましくは1層以上のハードコート層を形成した後、そのハードコート層表面上に凹凸構造からなる防眩層を形成することが好ましい。
【0225】
ハードコート層には、インクで用いたのと同様の熱硬化性樹脂または活性線硬化型樹脂を好ましく用いることができるが、特に紫外線硬化樹脂が好ましい。また、ハードコート層の形成に際しては、上記各樹脂の他に、インクで記載したのと同様な光反応開始剤、光増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機微粒子、有機微粒子等を適宜添加することができる。
【0226】
また、本発明においては、ハードコート層は複数層で構成されてもよいが、インク液滴を着弾させるハードコート層の最表層が、可塑剤を含有していることが好ましい。
【0227】
ハードコート層で用いることのできる可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
【0228】
リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
【0229】
ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等を用いることができる。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等を用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
【0230】
特に、特願2000−338883記載のエポキシ系化合物、ロジン系化合物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ケトン樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等の添加物を有するセルロースエステルも好ましく用いられる。
【0231】
上記化合物としては、KE−604とKE−610は荒川化学工業(株)からそれぞれ酸価237と170で市販されている。同じく、荒川化学工業(株)からアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びパラストリン酸3者の混合物のエステル化物として、KE−100及びKE−356が、それぞれの酸価は8と0で市販されている。また、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びパラストリン酸3者の混合物は、播磨化成(株)からそれぞれの酸価167、168のG−7及びハートールR−Xで市販されている。
【0232】
また、エポキシ樹脂としては、アラルダイドEPN1179及びアラルダイドAER260は旭チバ(株)から市販されている。
【0233】
ケトン樹脂としては、ハイラック110及びハイラック110Hは日立化成(株)から市販されている。
【0234】
パラトルエンスルホンアミド樹脂としては、トップラーとして、フジアミドケミカル(株)から市販されている。
【0235】
防眩層を形成するインク液滴を着弾させるハードコート層最表層には、可塑剤が0.1〜10質量%を含有することが好ましい。たとえば前記ハードコート層の塗布組成物にあらかじめ可塑剤を添加することが好ましく、あるいはハードコート層を塗設前にあらかじめ基材表面に可塑剤を塗布もしくは付着させておくこともできる。これらによって、硬化後のインク滴の密着性が改善される。
【0236】
本発明に係るハードコート層を塗設する際の溶媒は、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、または混合して使用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5質量%〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
【0237】
上記説明した組成からなるハードコート層組成物塗布液を透明基材上に塗布する方法としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等公知の方法を用いることができる。塗布量はウェット膜厚で5μm〜30μmが適当で、好ましくは10μm〜20μmである。塗布速度は10m/分〜60m/分が好ましい。また、乾燥膜厚保としては、1〜10μmが好ましい。
【0238】
ハードコート層組成物は塗布乾燥された後、インクの硬化と同様の方法で、紫外線や電子線等の活性光線を照射したり、あるいは加熱処理により硬化されることが好ましいが、前記活性光線の照射時間は0.1秒〜5分が好ましく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率等から更に好ましくは、0.1〜10秒である。
【0239】
本発明においては、上記方法で透明基材上に塗布したハードコート層が未硬化の状態、あるいは完全に硬化が終了した後のいずれの時期で、インクジェット方式により、防眩層を形成するインク液滴を着弾させてもよいが、好ましくはハードコート層が硬化した後にインクジェット方式により、インク液滴を着弾させて凹凸構造を形成することが好ましく、特に好ましくはハードコート層がハーフキュア(半硬化状態)のときにインク液滴を着弾させて凹凸構造を形成させることが、微細な凹凸が形成しやすく、かつ生産性にも優れるため好ましく、更に、凹凸構造部とハードコート層表面との密着性を向上することができる。
【0240】
また、上記方法で透明基材上に塗布したハードコート層表面に、防眩層を形成するインク液滴を着弾する前に、プラズマ処理を施すことが、より微細な凹凸構造を形成することができるため好ましい。特に、大気圧プラズマ処理を施すことが好ましく、ヘリウム、アルゴン等の希ガスもしくは窒素、空気などの放電ガスと必要に応じて、酸素、水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、水蒸気、メタン、4フッ化メタンなどを1種以上含有する反応ガスによって表面改質することができ、例えば、特開2000−356714号公報に記載の方法を参考にして、ハードコート層表面に、プラズマ処理を施すことができる。
【0241】
本発明の防眩フィルムは、透明基材上にハードコート層を塗布、乾燥させた後、本発明に係るインクジェット方式により凹凸構造を有する防眩層を形成し、更に、防眩層上に反射防止層あるいは防汚層を設けることが好ましい。
【0242】
本発明に係る反射防止層は、防眩層の上に、防眩層側から複数の屈折率層を設けることが好ましく、更には、高屈折率層、低屈折率層を順に積層したものであることが好ましい。屈折率の高低は、そこに含まれる金属または化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定により計算して算出し得る。
【0243】
本発明の防眩フィルムは、透明な基材(支持体)上に防眩層を有し、その上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されていることが好ましい。反射防止層は、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成されている。得に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体または防眩層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましく用いられる。または、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。
【0244】
また、必要に応じて、汚れや指紋のふき取りが容易となるように、最表面の低屈折率層の上に、さらに防汚層を設けることも好ましい。防汚層としては、含フッ素有機シラン化合物が好ましく用いられる。
【0245】
本発明に係る反射防止層は、前述の塗布方式により形成することもでき、また大気圧プラズマ処理、CVD等のドライプロセスによって金属酸化物層(SiO2、TiO2、Ta25、ZrO2、ZnO、SnO2、ITOなど)を設けることができる。
【0246】
本発明に係る高屈折率層としては、好ましくはチタン酸化物を含有することが望ましい。これらは微粒子として添加することもできるが、より好ましくは、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層である。
【0247】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。中でもTi(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体が特に好ましい。
【0248】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0質量%〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50質量%〜90質量%がより好ましく、55質量%〜90質量%が更に好ましい。このほか、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(あらかじめ有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)あるいは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
【0249】
また、本発明においては、塗布液中に上記有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーの部分または完全加水分解物を含むが、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーは、自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機けい素化合物、光による酸発生剤(光酸発生剤)等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光酸発生剤である。アルミキレート化合物の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、光酸発生剤の例としては、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、その他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることができる。
【0250】
反射防止層の塗布液中の固形分比率として0.5質量%〜20質量%のバインダが含まれることが好ましい。
【0251】
バインダとしては、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基、オキセタン環等の重合性基を2つ以上有し、活性光線照射により架橋構造または網目構造を形成するインクで用いたのと同様なアクリルまたはメタクリル系活性エネルギー線反応性化合物、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物またはオキセタン系活性エネルギー線反応性化合物を用いることができる。これらの化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマーを含む。重合速度、反応性の点から、これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が好ましく、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。また、前述のインク及びハードコート層に用いられる活性光線硬化型樹脂も好ましく用いることができる。更に、アルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられる。
【0252】
チタン化合物を含む中〜高屈折率層には、バインダとしてアルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられ、これによって、膜厚むらが少ない中、高屈折率層を得ることができる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート重合体またはアルキル(メタ)アクリレート共重合体、例えばn−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等の共重合体が好ましく用いられるが、共重合成分としてはこれらに限定されるものではない。市販品としては、ダイヤナールBR−50、BR−51、BR−52、BR−60、BR−64、BR−65、BR−70、BR−73、BR−75、BR−76、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−89、BR−90、BR−93、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)製)等が使用できる。これらのモノマー成分も中〜高屈折率層用バインダとして添加することができる。バインダの添加比率を変更することによって屈折率を調整することができる。
【0253】
低屈折率層にはすべり剤を添加することが好ましく、滑り性を付与することによって耐傷性を改善することができる。すべり剤としては、シリコンオイルまたはワックス状物質が好ましく用いられる。
【0254】
具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然物としてこれらの成分を多く含んでいるカルナバワックス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特公昭53−292号に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号、英国特許第927,446号または特開昭55−126238号及び同58−90633号に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜24の脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステル)、そして米国特許第3,933,516号に開示されているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−37217号に開示されているような炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリエステル化合物、特開平7−13292号に開示されているジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル等を挙げることができる。
【0255】
低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は0.01mg/m2〜10mg/m2が好ましい。必要に応じて、中屈折率層や高屈折率層に添加することもできる。
【0256】
本発明の低屈折率層には、界面活性剤、柔軟剤、柔軟平滑剤等を添加することが好ましく、これによって耐擦り傷性が改善される。中でもアニオン系または非イオン系の界面活性剤が好ましく、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、多価アルコール脂肪酸エステルの非イオン界面活性剤乳化物等が好ましい。例えば、リポオイルNT−6、NT12、NT−33、TC−1、TC−68、TC−78、CW−6、TCF−208、TCF−608、NKオイルCS−11、AW−9、AW−10、AW−20、ポリソフターN−606、塗料用添加剤PC−700(日華化学株式会社製)等が用いられる。
【0257】
本発明に係る低屈折率層は、酸化珪素等の珪素化合物微粒子あるいはフッ素含有化合物微粒子等を塗設して設けることが好ましい。好ましい有機けい素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方法により行うことができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2個以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平均重合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることができる。
【0258】
硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、本発明においては酸、特にスルホニル基またはカルボキシル基を有する有機酸が好ましく用いられる。例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が用いられる。有機酸は1分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物であればいっそう好ましく、例えば、クエン酸または酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸が用いられる。また、有機酸は水溶性の酸であることが更に好ましく、例えば上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等が好ましく用いられる。また、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アトロバ酸等も適宜用いることができる。
【0259】
上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでなく、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部がよい。また、水の添加量については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加するのがよい。
【0260】
このようにして得られた低屈折率層用の塗布組成物は極めて安定である。
(熟成工程)
更に、本発明では熟成工程により、有機けい素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間である。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した変性物であってもよく、単独または上記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0261】
また、本発明においては上記低屈折率層に酸化けい素微粒子を含有させることができる。粒径0.1μm以下の酸化けい素微粒子を含むことが好ましい。例えば、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)等を添加することができる。特に表面がアルキル基で修飾された酸化けい素微粒子が好ましく用いられ、例えばアエロジルR972、R972V(日本アエロジル(株)製)として市販されている表面がメチル基で修飾された酸化けい素微粒子を好ましく添加することができる。このほか特開2001−2799号に記載されている表面がアルキル基で置換された酸化けい素微粒子を用いることもでき、前述のシリケートオリゴマーの加水分解後にアルキルシランカップリング剤により処理することでも容易に得ることができる。添加量としては低屈折率層中の固形分比率で0.1質量%〜40質量%の範囲となるように添加することが好ましい。
【0262】
本発明の各屈折率層には、屈折率の調整あるいは膜質の改善のために更にシラン化合物を添加することができる。
【0263】
本発明に係る高〜低屈折率層(光学干渉層ともいう)を塗設する際の塗布液に使用する溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0264】
また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0265】
グリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルであり、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルとしては特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられ、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は、塗布液中に全有機溶媒の1質量%〜90質量%添加されていることが好ましい。
【0266】
また、本発明に係る高〜低屈折率層の各層の塗布液には各種のレベリング剤、界面活性剤、シリコンオイル等の低表面張力物質を添加することが好ましい。
【0267】
本発明に係る中〜高屈折率層及び低屈折率層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解または硬化を促進するため、活性光線を照射することが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに活性エネルギー線を照射することである。
【0268】
本発明に使用する活性光線は、インクの硬化で用いるのと同様の光源を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm2〜2,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、400mJ/cm2〜2,000mJ/cm2である。
【0269】
紫外線を用いる場合、多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよいが、多層を積層した後、紫外線を照射することが特に好ましい。
【0270】
また、本発明においては、ドライプロセスにより反射防止層を設ける方法も好ましく用いることができ、例えば、特開平7−333404号、同11−133205号、同11−61406、特開2002−228803号の各公報に記載の方法に従って、反射防止層あるいは防汚層を形成することができるが、本発明においては、大気圧プラズマ処理方法により反射防止層を形成することが、特に好ましい。
【0271】
次いで、本発明の防眩フィルムの製造方法について説明する。
図8は、透明基材上のインクジェット方式により防眩層を設けて防眩フィルムを製造するフローの一例を示す模式図である。詳しくは、透明基材上にハードコート層を塗布方式で塗設した後、インクジェット方式で凹凸構造を有する防眩層を形成し、次いで複数の反射防止層を塗布方式で設けて防眩フィルムを製造するフローを示してある。
【0272】
図8において、積層ロール101より繰り出された透明基材102は、搬送されて、第1コータステーションAで、押し出し方式の第1コータ103によりハードコート層を塗設する。このとき、ハードコート層は単層構成でも、複数から構成されている層でもよい。ハードコート層を塗設した透明基材102は、次いで乾燥ゾーン105Aで乾燥が行われる。乾燥は、透明基材102の両面より、温湿度が制御された温風により乾燥が施される。乾燥後、ハードコート層にバインダーとして活性光線硬化型樹脂を用いている場合には、活性光線照射部106Aで、活性光線、例えば紫外線等を照射して硬化させたり、あるいは照射量や照射条件を制御してハーフキュア状態とすることもできる。
【0273】
次いで、インクジェット方式を用いた防眩層を設ける第2コータステーションBに搬送されるが、ハードコート層は、ハーフキュア状態であることが好ましい。あるいは、防眩層を形成する前にプラズマ処理部107で表面処理を施すことが好ましい。インクジェット出射部109には、インク供給タンク108が接続されており、そこからインク液が供給される。インクジェット出射部109は、図4の(b)で示すような複数のインクジェットノズルを透明基材の幅全域に千鳥状に配置し、インク液滴をハードコート層上に出射して、その表面に凹凸構造を形成する。また、2種以上のインク液滴を出射する場合には、2列以上配置したインクジェットノズルより、各々のインク液滴を出射してもよいし、あるいはランダムに任意のインクジェットノズルよりインク液滴を出射してもよい。また、インクジェット出射部を複数配置し、各々のインク出射部より異なるインク液滴を出射してもよい。本発明においては、0.1〜100pl、場合によっては0.1〜10plという微細な液滴を出射するため、インク液滴の飛翔性に対し、外気の気流の影響を受けやすくなるため、第2コータステーションB全体を、隔壁等で覆って防風処理を施すことが好ましい。また、1pl以下の極めて微細な液滴を精度高く飛翔させるため、インクジェット出射部109と透明基材102あるいはバックロール104B間に電圧を印加し、インク液滴に電荷を与えて電気的にインク液滴の飛翔安定性を補助する方法も好ましい。また、着弾したインク液滴の変形を防止するため、透明基材を冷却して着弾後のインク液滴の流動を速やかに低下させる方法を用いることも好ましい。あるいは、インク液滴が出射後、着弾するまでの飛翔中に含有する溶媒を揮発させて、インク液滴中の含有溶媒量が減少した状態で着弾させることが、より微細な凹凸構造を形成する上で好ましい。そのため、インク飛翔空間の温度を高くしたり、あるいは気圧を、1気圧以下、例えば20〜100kPaに制御する方法も好ましい。
【0274】
ハードコート層表面に着弾したインク液滴は、活性光線硬化型樹脂を用いている場合には、インクジェット出射部109の直後に配置されている活性光線照射部106Bで、活性光線、例えば紫外線等を照射して硬化させる。また、インク液滴が熱硬化性樹脂を用いている場合には、加熱部110、例えば、ヒートプレートにより加熱、硬化される。また、バックロール104Bをヒートロールとして加熱する方法も好ましい。
【0275】
第2コータステーションBにおいて、活性光線照射部106Bの照射光が、インクジェット出射部109のインクジェットノズルに直接影響を与えないように、活性光線照射部106Bとインクジェット出射部109とを適度な間隔で配置する、あるいは活性光線照射部106Bとインクジェット出射部109とを間に、遮光壁等を設置することが好ましい。また、加熱部110の熱が、インクジェット出射部109のインクジェットノズルに直接影響を与えないように、インクジェット出射部109を保温カバーで被覆する、あるいは図8で示すように、加熱部110を透明基材102の裏面側に配置し、インクジェット出射部109に影響を及ぼさないようにすることが好ましい。
【0276】
着弾したインク液滴により形成された凹凸構造が維持できる程度に硬化処理を行った透明基材102は、乾燥ゾーン105Bで不要な有機溶媒等を蒸発させた後、更に活性光線照射部106Cで、活性光線を照射して、硬化を完了させる。
【0277】
防眩層を設けた透明基材102は、次いで第3コータステーションC、あるいは複数の反射防止層を設ける場合には第4コータステーションD、第5コータステーション(不図示)により、第1コータステーションAと同様にして、塗布、乾燥、硬化処理を行って防眩フィルムが作製され、その後巻き取りロール113に積層される。
【0278】
図8においては、反射防止層の形成方法としては塗布方式を例示したが、塗布方式に代えて、公知の大気圧プラズマ処理方法により反射防止層あるいは防汚層を形成してもよい。
【0279】
以上のようにして作製した防眩フィルムは、偏光板保護フィルムとして好ましく用いることができ、偏光子の少なくとも片側に積層し、貼合されて偏光板とすることができ、あるいは有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種表示装置の前面板としても有用である。
【0280】
本発明の防眩フィルムを用いた偏光板、それを用いた表示装置について説明する。
【0281】
偏光板に用いる偏光子としては、従来公知のものを用いることができる。偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。これらは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
【0282】
偏光板は、こうして得られた偏光子と本発明の防眩フィルムと貼合して得られる。あるいは、防眩フィルムの裏面側に塗布により偏光子を設けてもよい。
【0283】
本発明に係る偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、本発明の防眩フィルムをアルカリ処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。上記記載のアルカリケン化処理とは、このときの水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理を示す。このとき、反射防止層の表面には再剥離性の保護フィルム(例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、またはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂製)を設けることにより、アルカリや汚れから保護することができる。
【0284】
本発明の防眩フィルムを一方の偏光板保護フィルムとして用いた場合、もう一方の偏光板保護フィルムには、光学補償機能を持たせることができる。例えば、直接または配向層を介して、液晶を塗布して配向、固定化した光学異方層(例えば、ハイブリッド配向で固定化した層)を設け、これを偏光板保護フィルムとして用いて視野角拡大効果を有する偏光板を作製することもできる。
【0285】
又、必要に応じて、反射防止層の表面に防汚性を持たせるかあるいは防汚層を設けることができる。防汚層としてはシリコーン系あるいはフッ素系の公知の化合物を用いた膜厚が1〜30nmの層が好ましく用いられる。
【0286】
代表的な偏光板の構成を、以下に示す。
防汚層/反射防止層/防眩層/セルロースエステルフィルム/偏光子/セルロースエステルフィルム/配向層/光学異方層(液晶セル側)
この様にして得られた偏光板は、液晶セルの一方の面もしくは、両面に設けてもよい。本発明の防眩フィルムは、反射防止層が外側を向くように液晶セルに貼りつけ、表示装置が得られる。本発明の防眩フィルムを用いることにょって、高精細でありながら視認性に優れた表示装置を提供することができる。
【0287】
【実施例】
以下、実施例を示し本発明の構成と効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0288】
実施例1
《透明基材の作製》
下記のように各種添加液、各種ドープを調製して、透明基材であるセルロースエステルフィルムを作製した。
【0289】
(セルロースエステルフィルムの作製)
〈酸化けい素分散液Aの調製〉
アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製) 1kg
エタノール 9kg
以上をディゾルバで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化けい素分散液Aを調製した。
【0290】
〈添加液Bの調製〉
セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.88) 6kg
メチレンクロライド 140kg
以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散液Aを撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した後、濾過し、添加液Bを調製した。
【0291】
〈ドープCの調製〉
メチレンクロライド 440kg
エタノール 35kg
セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.88) 100kg
トリフェニルホスフェート 10kg
エチルフタリルエチルグリコレート 2kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.3kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg
上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素材を投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混合した。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。更に上記溶液に添加液Bを3kg添加し、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で10分間混合し、濾過し、ドープCを調製した。
【0292】
ドープCを濾過した後、ベルト流延装置を用い、35℃のドープを35℃のステンレスバンド支持体上に均一に流延した。その後、支持体上で乾燥させた後、ステンレスバンド支持体上からフィルムを剥離した。このときのフィルムの残留溶媒量は80%であった。ステンレスバンド支持体から剥離した後、80℃に維持された乾燥ゾーンで1分間乾燥させた後、2軸延伸テンターを用いて、残留溶媒量3〜10質量%であるときに100℃の雰囲気下で長手方向に1.03倍、幅方向に1.1倍に延伸し、幅把持を解放して、多数のロールで搬送させながら125℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナーリング加工を施して、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを作製した。
【0293】
《防眩フィルム1の作製》
〔ハードコート層の塗布〕
セルロースエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層塗布組成物をスリットダイで塗布し、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、続いて活性光線照射部より115mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で5μmの中心線平均表面粗さ(Ra)12nmのハードコート層を設けた。
【0294】
〈ハードコート層塗布組成物〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分20質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
メチルエチルケトン 75質量部
〔反射防止層の形成〕
上記の様にして形成したハードコート層上に、下記のようにして中屈折率層、高屈折率層、次いで、低屈折率層の順に反射防止層を塗設し、防眩フィルム1を作製した。
【0295】
(中屈折率層の塗布)
セルロースエステルフィルムのハードコート層上に、下記中屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さが78nmとなるように中屈折率層を設けた。なお、この中屈折率層の屈折率は1.70であった。
【0296】
〈中屈折率層組成物〉
イソプロピルアルコール 510質量部
水 2質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 227質量部
メチルエチルケトン 84質量部
テトラ(n)ブトキシチタン 39質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学社製KBM503) 6質量部
5%アクリル樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製、ダイヤナールBR−102、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解) 31質量部
10%シリコーンオイル(信越化学工業(株)社製KF−96−1,000CS、溶媒:メチルエチルケトン) 1.5質量部
(高屈折率層の形成)
上記中屈折率層上に、下記の高屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さが66nmとなるように高屈折率層を設けた。尚、この高屈折率層の屈折率は1.85であった。
【0297】
〈高屈折率層組成物〉
イソプロピルアルコール 445質量部
水 1.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 223質量部
メチルエチルケトン 73質量部
テトラ(n)ブトキシチタン 545質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学社製KBM503) 0.8質量部
10%シリコーンオイル(信越化学工業(株)社製KF−96−1,000CS、溶媒:メチルエチルケトン) 1.4質量部
(低屈折率層の形成)
上記高屈折率層上に、下記の低屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、更に120℃で5分間熱硬化させ、さらに紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さ95nmとなるように低屈折率層を設けた。尚、この低屈折率層の屈折率は1.45であった。
【0298】
〈テトラエトキシシラン加水分解物Aの調製〉
テトラエトキシシラン580gとエタノール1144gを混合し、これにクエン酸水溶液(クエン酸1水和物5.4gを水272gに溶解したもの)を添加した後に、室温(25℃)にて1時間攪拌することでテトラエトキシシラン加水分解物Aを調製した。
【0299】
〈低屈折率層組成物〉
プロピレングリコールモノメチルエーテル 303質量部
イソプロピルアルコール 305質量部
テトラエトキシシラン加水分解物A 139質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学社製KBM503) 1.6質量部
10%FZ−2207、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液
(日本ユニカー社製) 1.3質量部
《防眩フィルム2の作製》
上記作製した防眩フィルム1において、ハードコート層を塗設した後、下記の防眩層を塗布方式で用いて形成し、次いで上記反射防止層を設けた以外は同様にして防眩フィルム2を作製した。
【0300】
〔防眩層の塗布〕
ハードコート層上に、下記の防眩層塗布組成物をウェット膜厚で10μmとなるようにスリットダイで塗布し、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、続いて活性光線照射部より115mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で5μmの防眩層を設けた。
【0301】
〈防眩層塗布組成物〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分20質量部
合成シリカ粒子(平均粒径1.8μm) 8質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
メチルエチルケトン 75質量部
《防眩フィルム3の作製》
上記作製した防眩フィルム1において、ハードコート層を塗設した後、下記の防眩層をインクジェット方式で形成し、次いで上記反射防止層を設けた以外は同様にして防眩フィルム3を作製した。
【0302】
〔防眩層の形成〕
ハードコート層上に、下記の防眩層インク液1をインクジェット方式によりインク液滴として1plで出射し、0.2秒後に活性光線照射部より100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射して硬化させた後、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、更に100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射して、中心線表面粗さが2μm、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm2あたり1個有している防眩層を形成した。
【0303】
〈インクジェット出射方法〉
インクジェット出射装置は、ラインヘッド方式(図4の(a))を使用し、ノズル径が3.5μmのノズルを所定数有するインクジェットヘッドを10基を準備した。インクジェットヘッドは図3に記載の構成のものを使用した。
【0304】
インク供給系は、インク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッド及び配管から構成されており、インク供給タンクからインクジェットヘッド部までは、断熱及び加温(40℃)し、出射温度は40℃、駆動周波数は20kHzで行った。
【0305】
〈防眩層インク液1の組成〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30質量部
メチルエチルケトン 100質量部
《防眩フィルム4〜9の作製》
上記防眩フィルム3の作製において、防眩層インク液の種類(上記防眩層インク液1及び下記の防眩層インク液2、3)及びインク液滴量を、表1に記載の様に変更した以外は同様にして、防眩フィルム4〜9を作製した。
【0306】
〈防眩層インク液2の組成〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
アセトン 900質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
酢酸エチル 10質量部
〈防眩層インク液3の組成〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
アセトン 10000質量部
イソプロピルアルコール 5質量部
酢酸エチル 5質量部
《防眩フィルム10の作製》
前記防眩フィルム9の作製において、形成した防眩層の上に、更に防眩層インク液3をインク液適量0.1plの条件で出射して、同様に紫外線を照射、硬化させ、さらに微細な凹凸を形成した以外は同様にして、防眩フィルム10を作製した。
【0307】
《防眩フィルム11の作製》
上記防眩フィルム8の作製において、ハードコート層がハーフキュアの状態で、インクジェット方式により防眩層を形成した以外は同様にして、防眩フィルム11を作製した。
【0308】
《防眩フィルム12の作製》
上記防眩フィルム8の作製において、ハードコート層塗布液に可塑剤としてトリフェニルフォスフェートを1質量部添加した以外は同様にして、防眩フィルム12を作製した。
【0309】
《防眩フィルム13の作製》
上記防眩フィルム8の作製において、インクジェット方式による防眩層を形成する前に、ハードコート層表面を、1%酸素を含有する窒素雰囲気の大気圧下で、100kHzの高周波電圧でプラズマ放電により表面処理した後、インクジェット方式による防眩層を形成した以外は同様にして、防眩フィルム13を作製した。
【0310】
《防眩フィルム14の作製》
上記防眩フィルム11の作製において、防眩層インク液1に、約12nmの気相法シリカ(トクヤマ製:レオロシールQS−20)を1質量部添加した以外は同様にして、防眩フィルム14を作製した。
【0311】
《防眩フィルム15の作製》
上記防眩フィルム11の作製において、防眩層インク液1に、下記のテトラエトキシシラン加水分解物を20質量部添加した以外は同様にして、防眩フィルム15を作製した。
【0312】
(テトラエトキシシラン加水分解物:微小液滴としてインク中に含有)
テトラエトキシシランの580質量部と、エタノールの1100質量部とを混合し、クエン酸・1水和物の5.4質量部を水300質量部に溶解したものを添加し、室温で1時間攪拌して、テトラエトキシシラン加水分解物を調製した。
【0313】
《防眩フィルム16の作製》
上記防眩フィルム11の作製において、防眩層形成時に、同時に0.5plと0.3plのインク液滴を出射した以外は同様にして、防眩フィルム16を作製した。
【0314】
《防眩フィルム17の作製》
上記防眩フィルム11の作製において、0.5plのインク液滴を出射して、活性線を照射した1秒後に、0.3plのインク液滴を出射し、同様に硬化させた以外は同様にして、防眩フィルム17を作製した。
【0315】
《防眩フィルム18の作製》
上記防眩フィルム11の作製において、防眩層形成時の活性光線の照射時期を、インクが着弾した4秒後に変更した以外は同様にして、防眩フィルム18を作製した。
【0316】
【表1】
Figure 0004506070
【0317】
《防眩フィルムの評価》
以上により作製した反射防止層を有する防眩フィルム1〜18について下記の各評価を行った。
【0318】
(接着性の評価)
JIS K 5400に準拠した碁盤目試験を行った。具体的には、得られた防眩フィルムの防眩層を形成した段階の試料を用いて、1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個作り、この上にセロハン粘着テープを貼り付け、90°で素早く剥がし、剥がれずに残った碁盤目の数をカウントし、下記に示すようなランク評価を行った。
【0319】
A:100
B:95〜99
C:90〜94
D:70〜89
E:69以下
Cランク以上が実用可である。
【0320】
(反射性の評価)
作製した各防眩フィルムの反射光の色むらを1m2について目視により下記のようにランク評価した。
【0321】
A:反射光の色調変化が認められない
B:わずかに反射光の色調変化が認められる。(面積の5%未満)
C:ごく一部に反射光の色調変化が認められる。(面積の5%以上、10%未満)
D:部分的に反射光の色調変化が認められる(面積の10%以上、30%未満)
E:全体的に反射光の色調変化が認められる。
【0322】
(視認性の評価)
各防眩フィルムの視認性については、防眩フィルム1〜18を用いて下記のようにして偏光板1〜18を作製し、それらの偏光板を液晶表示パネルに組み込み、視認性を評価した。
【0323】
下記の方法に従って、防眩フィルムと該フィルムに支持体として用いられているセルロースエステルフィルム各々1枚を偏光板保護フィルムとして用いて偏光板を作製した。
【0324】
a)偏光膜の作製
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺の偏光膜を得た。
【0325】
b)偏光板の作製
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光膜と偏光板用保護フィルムとを貼り合わせて偏光板を作製した。
【0326】
工程1:長尺のセルロースエステルフィルムと防眩フィルム1とを2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。防眩フィルムの反射防止層を設けた面にはあらかじめ剥離性の保護フィルム(ポリエチレン製)を張り付けて保護した。
【0327】
同様に長尺のセルロースエステルフィルムを2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。
【0328】
工程2:前述の長尺の偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
【0329】
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、それを工程1でアルカリ処理したセルロースエステルフィルムと防眩フィルム1で挟み込んで、積層配置した。
【0330】
工程4:2つの回転するローラにて20〜30N/cm2の圧力で約2m/minの速度で張り合わせた。このとき気泡が入らないように注意して実施した。
【0331】
工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作製した試料を2分間乾燥処理し、本発明の偏光板1を作製した。
【0332】
防眩フィルム1を防眩フィルム2〜18に代えて一方の偏光板保護フィルムとして用いた以外は同様にしてそれぞれ偏光板2〜18を作製した。
【0333】
市販の液晶表示パネル(NEC製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた偏光板1〜18を張り付けた。
【0334】
上記のようにして得られた液晶パネルを床から80cmの高さの机上に配置し、床から3mの高さの天井部に昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X 松下電器産業(株)製)40W×2本を1セットとして1.5m間隔で10セット配置した。このとき評価者が液晶パネル表示面正面にいるときに、評価者の頭上より後方に向けて天井部に前記蛍光灯がくるように配置した。液晶パネルは机に対する垂直方向から25°傾けて蛍光灯が写り込むようにして画面の見易さ(視認性)を下記のようにランク評価した。
【0335】
A:もっとも近い蛍光灯の写り込みが全く気にならず、またフォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める
B:もっとも近い蛍光灯の写り込みがほぼ気にならず、フォントの大きさ8以下の文字も読める
C:近くの蛍光灯の写りこみはやや気になるが、遠くは気にならず、フォントの大きさ8以下の文字もなんとか読める
D:遠くの蛍光灯の写りこみも気になり、フォントの大きさ8以下の文字を読むのは困難である
E:蛍光灯の写りこみがかなり気になり、写り込みの部分はフォントの大きさ8以下の文字を読むことはできない
(画質及び鮮鋭性の評価)
上記視認性評価で作製した各液晶パネルに、動画及び鮮鋭性評価用のテストチャート画像を出力し、画像のしまり及び鮮鋭性を下記の基準に則り評価した。
【0336】
A:動画の黒のしまりが非常に良好で、かつテストパターンが、極めて鮮鋭に映し出されている
B:動画の黒のしまりが良好で、かつ高周波のテストパターンで、わずかに鮮鋭性の低下が認められるものの全く問題はない
C:動画の黒のしまりが稍弱く、また高周波及び中高周波のテストパターンで稍鮮鋭性の低下が認められるが実用上問題はない
D:動画の黒のしまりが弱く、かつ全周波域のテストパターンで鮮鋭性の低下が認められ、実用上問題がある
E:動画の黒のしまりが悪く、かつ全周波域のテストパターンで、明らかな鮮鋭性の低下が認められ、実用上問題がある
以上により得られた結果を表2に示す。
【0337】
【表2】
Figure 0004506070
【0338】
表2より明らかなように、インクジェット方式により防眩層を形成した本発明の防眩フィルムは、比較例に対し、接着性、膜均一性が良好で、また液晶パネルに使用した際の写り込みが気にならないと同時に動画を表示した際の黒のしまりが良好で、かつ鮮鋭性に優れていることが分かる。その中でも、特に防眩フィルム6〜17が、より良好な結果を示した。
【0339】
【発明の効果】
本発明により、膜物性(膜均一性、接着性)が良好で、ぎらつき防止効果、鮮鋭性、視認性及び動画を表示したときの黒のしまりに優れた防眩層の形成方法、防眩フィルムとその製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置を提供するができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明基材上に、インクジェット方式で凹凸構造からなる防眩層を設けた一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係る防眩層を構成する他の凹凸構造の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るインクジェット方法に用いることのできるインクジェットヘッドの一例を示す断面図である。
【図4】本発明で用いることのできるインクジェットヘッド部、ノズルプレートの一例を示す概略図である。
【図5】本発明で好ましく用いることのできるインクジェット方式の一例を示す模式図である。
【図6】本発明に係るセルロースエステルフィルムの作製に用いられる好ましい製造装置の一例を示す概略図である。
【図7】インクジェット方式により、粒径の大きなインク液滴で微細構造を形成した後、より粒径の小さなインク液滴で、更に微細な凹凸構造を形成した一例を表す模式図である。
【図8】透明基材上のインクジェット方式により防眩層を設けて防眩フィルムを製造するフローの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、102 透明基材
2 ハードコート層
3、31 インク液滴
10 インクジェットヘッド
12 圧電素子
29、106A〜E 活性光線照射部
35 バックロール
51 エンドレスステンレスベルト
52 ダイ
53 乾燥ゾーン
55 流延部
56 剥離部
101 積層ロール
103 第1コータ
104A〜D バックロール
105A〜D 乾燥ゾーン
107 プラズマ処理部
108 インク供給タンク
109 インクジェット出射部
110 加熱部
113 巻き取りロール

Claims (24)

  1. 透明基材上に、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該基材表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成するにあたり、2種以上の粒径の異なるインク液滴を用い、粒径の大きなインク液滴で透明基材上に微細凹凸構造を形成した後、該インク液滴より粒径の小さなインク液滴で、より微細な凹凸構造を形成することを特徴とする防眩層の形成方法。
  2. 前記微細凹凸構造の中心線平均粗さ(Ra)が、0.05〜5.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の防眩層の形成方法。
  3. 前記微細凹凸構造が、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm 2 あたり1〜50個有していることを特徴とする請求項1または2に記載の防眩層の形成方法。
  4. 前記防眩性付与組成物が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  5. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする請求項4に記載の防眩層の形成方法。
  6. 前記防眩性付与組成物が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  7. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、加熱硬化処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の防眩層の形成方法。
  8. 前記インク液滴が、該インク液滴より小さい粒子径を有する微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  9. 透明基材上に、インクジェット方式により微細な凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該基材表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成するにあたり、前記インク液滴が、該インク液滴より小さい粒子径を有する微小液滴を含有することを特徴とする防眩層の形成方法。
  10. 前記微細凹凸構造の中心線平均粗さ(Ra)が、0.05〜5.0μmであることを特徴とする請求項9に記載の防眩層の形成方法。
  11. 前記微細凹凸構造が、凹部底を基準とした高さaが0.5〜10.0μmである凸部を100μm 2 あたり1〜50個有していることを特徴とする請求項9または10に記載の防眩層の形成方法。
  12. 前記防眩性付与組成物が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  13. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする請求項12に記載の防眩層の形成方法。
  14. 前記防眩性付与組成物が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  15. 前記インク液滴を透明基体上に着弾させた直後より、加熱硬化処理を行うことを特徴とする請求項14に記載の防眩層の形成方法。
  16. 前記微小液滴と、インク液滴媒体との屈折率差が0.01以上であることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  17. 前記インクジェット方式が、インクジェットヘッド部に振動を与えてインク液滴を吐出することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  18. 前記透明基材上に少なくとも1層のハードコート層を有し、該ハードコート層表面に、前記凹凸構造を形成する防眩性付与組成物を含有するインク液滴を出射して、該ハードコート層表面に微細凹凸構造を有する防眩層を形成することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  19. 前記ハードコート層がハーフキュア状態で、該ハードコート層表面に前記インク液滴を出射して微細凹凸構造を形成することを特徴とする請求項18に記載の防眩層の形成方法。
  20. 前記ハードコート層表面をプラズマ処理した後、該ハードコート層表面に前記インク液滴を出射して微細凹凸構造を形成することを特徴とする請求項18または19に記載の防眩層の形成方法。
  21. 前記ハードコート層が、可塑剤を含有することを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の防眩層の形成方法により、透明基材上に防眩層を形成して防眩フィルムを製造することを特徴とする防眩フィルムの製造方法。
  23. 透明基材上に防眩層を形成した後、該防眩層上に反射防止層を設けることを特徴とする請求項22に記載の防眩フィルムの製造方法。
  24. 請求項22または23に記載の防眩フィルムの製造方法により製造される防眩フィルムを製造するための防眩層形成用のインクジェット装置であって、インクジェットヘッド部に直接活性光線または熱が作用しないように配置された活性光線照射部または加熱部を備えていることを特徴とする防眩層形成用のインクジェット装置。
JP2002319665A 2002-11-01 2002-11-01 防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置 Expired - Fee Related JP4506070B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002319665A JP4506070B2 (ja) 2002-11-01 2002-11-01 防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置
TW092129766A TWI273282B (en) 2002-11-01 2003-10-27 Method for forming anti-glare layer and anti-glare film, and ink-jet apparatus for forming anti-glare layer
US10/695,616 US7638163B2 (en) 2002-11-01 2003-10-28 Method for forming anti-glare layer and anti-glare film, and ink-jet apparatus for forming anti-glare layer
KR1020030075733A KR101090580B1 (ko) 2002-11-01 2003-10-29 방현층의 형성 방법, 방현 필름과 그의 제조 방법 및방현층 형성용의 잉크젯 장치
CNB2003101026890A CN1327251C (zh) 2002-11-01 2003-10-29 形成抗眩光层的方法、抗眩光膜和其制造方法以及用于形成抗眩光层的油墨喷射装置
CN2007101018604A CN101109826B (zh) 2002-11-01 2003-10-29 形成抗眩光层的方法、抗眩光膜和其制造方法以及用于形成抗眩光层的油墨喷射装置
CN200710101877A CN100580482C (zh) 2002-11-01 2003-10-29 形成抗眩光层的方法、抗眩光膜和其制造方法以及用于形成抗眩光层的油墨喷射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002319665A JP4506070B2 (ja) 2002-11-01 2002-11-01 防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004151642A JP2004151642A (ja) 2004-05-27
JP4506070B2 true JP4506070B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=32211818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002319665A Expired - Fee Related JP4506070B2 (ja) 2002-11-01 2002-11-01 防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7638163B2 (ja)
JP (1) JP4506070B2 (ja)
KR (1) KR101090580B1 (ja)
CN (3) CN100580482C (ja)
TW (1) TWI273282B (ja)

Families Citing this family (66)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7066234B2 (en) 2001-04-25 2006-06-27 Alcove Surfaces Gmbh Stamping tool, casting mold and methods for structuring a surface of a work piece
US7148937B2 (en) * 2004-05-21 2006-12-12 Eastman Kodak Company Display comprising blended mixture of different uniform domain sizes with the ratio of smallest to largest domain size no more than 1:2
JP2005342929A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Konica Minolta Opto Inc 樹脂フィルムの製造方法、樹脂フィルムを用いて作製した偏光板、及び偏光板を用いて作製した液晶表示装置
JP2006003511A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルムとその製造方法、偏光板及び表示装置
JP2006130471A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Toshiba Corp 液滴噴射塗布方法及び表示デバイスの製造方法
JP4760275B2 (ja) * 2005-05-23 2011-08-31 ソニー株式会社 液晶表示装置
US7375039B2 (en) * 2005-05-24 2008-05-20 International Business Machines Corporation Local plasma processing
US7803449B2 (en) * 2005-08-02 2010-09-28 Fujifilm Corporation Optical film and process for production the same, antireflection film and process for production the same, polarizing plate including the film, liquid crystal display device including the polarizing plate, and liquid crystal display device
WO2007046275A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Konica Minolta Opto, Inc. 防眩性フィルム、偏光板及び表示装置
JP2007121605A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Konica Minolta Opto Inc 防眩性フィルム、防眩性フィルム製造方法、防眩性反射防止フィルム、偏光板及び表示装置
WO2007066467A1 (ja) * 2005-12-05 2007-06-14 Konica Minolta Opto, Inc. ロール状光学フィルム、ロール状光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置
US20080081132A1 (en) * 2006-03-30 2008-04-03 Bourdelais Robert P Light redirecting film having surface nano-nodules
TW200816880A (en) * 2006-05-30 2008-04-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd Atmospheric pressure plasma generating method, plasma processing method and component mounting method using same, and device using these methods
JP5182092B2 (ja) * 2006-08-31 2013-04-10 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 光学フィルムとその製造方法、偏光板及び液晶表示装置
JP4902437B2 (ja) * 2006-09-27 2012-03-21 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP4907414B2 (ja) * 2006-09-29 2012-03-28 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP4907413B2 (ja) * 2006-09-29 2012-03-28 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP4609433B2 (ja) * 2007-01-25 2011-01-12 パナソニック電工株式会社 木質基材の化粧方法および化粧された木質基材
EP1955858B1 (en) * 2007-02-06 2014-06-18 FUJIFILM Corporation Ink-jet recording method and device
JP4924505B2 (ja) * 2007-03-31 2012-04-25 コニカミノルタオプト株式会社 防眩性フィルム、その製造方法、防眩性フィルムを用いた偏光板、及び表示装置
PL2147067T3 (pl) * 2007-05-16 2016-06-30 Lg Chemical Ltd Kompozycja na folię przeciwodblaskową i folia przeciwodblaskowa wytworzona z jej użyciem
JP5150625B2 (ja) * 2007-05-22 2013-02-20 株式会社アルバック 液晶表示装置の製造方法
DE102007052133A1 (de) * 2007-09-04 2009-03-05 Osram Opto Semiconductors Gmbh Optisches Bauteil, Verfahren zur Herstellung des Bauteils und optoelektronisches Bauelement mit dem Bauteil
US20090145314A1 (en) * 2007-12-07 2009-06-11 Chemque, Inc. Intaglio Printing Methods, Apparatuses, and Printed or Coated Materials Made Therewith
TWI377365B (en) * 2008-03-14 2012-11-21 Chunghwa Picture Tubes Ltd Method of anti-glare surface treatment
US8758589B2 (en) * 2008-06-06 2014-06-24 Sharp Kabushiki Kaisha Antireflection film, optical element comprising antireflection film, stamper, process for producing stamper, and process for producing antireflection film
JP4798185B2 (ja) 2008-08-05 2011-10-19 パナソニック電工株式会社 積層造形装置
JP5112360B2 (ja) * 2009-02-27 2013-01-09 株式会社ミマキエンジニアリング インクジェットプリンタ及びプリント方法
WO2010143524A1 (ja) * 2009-06-10 2010-12-16 コニカミノルタホールディングス株式会社 ナーリング部形成方法、可撓性帯状基材
CN102666941B (zh) * 2009-11-06 2015-01-21 夏普株式会社 模具的制造方法和模具
EP2585862B8 (en) * 2010-06-25 2017-10-11 Andrew Richard Parker Optical effect structures
KR101290924B1 (ko) * 2010-10-18 2013-07-29 박성호 Uv 반응형 핫멜트 점착제를 사용한 통기성 테이프 제조방법
CN107718800B (zh) 2010-10-22 2021-05-18 大日本印刷株式会社 防眩性膜、偏振片和图像显示装置
WO2012071740A1 (zh) * 2010-12-03 2012-06-07 Lee Chun-Yuan 雾面基板与其制造方法
TWI545338B (zh) 2011-12-26 2016-08-11 Dainippon Printing Co Ltd Anti-glare film, polarizing plate and image display device
WO2013129290A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 三菱製紙株式会社 透過型スクリーン
FR2992313B1 (fr) * 2012-06-21 2014-11-07 Eurokera Article vitroceramique et procede de fabrication
JP2014188902A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Oji Holdings Corp 表示物
CN103323902B (zh) * 2013-06-21 2016-03-16 南京中电熊猫液晶显示科技有限公司 一种防炫目光学薄膜及其制造方法
JP6167005B2 (ja) * 2013-10-04 2017-07-19 富士フイルム株式会社 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置
WO2015133431A1 (ja) * 2014-03-03 2015-09-11 富士フイルム株式会社 光学素子、レンズユニット、撮像モジュール、電子機器、及び光学素子の製造方法
GB2527271A (en) * 2014-04-07 2015-12-23 Ujett D P Ltd Coated optical substrates
WO2015182614A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 日本ゼオン株式会社 複層フィルム及び巻回体
WO2016006651A1 (ja) * 2014-07-10 2016-01-14 Scivax株式会社 光学部材およびその製造方法
EP3179280B1 (en) * 2014-08-04 2020-03-25 AGC Inc. Translucent structure
TWI556002B (zh) * 2014-08-05 2016-11-01 群創光電股份有限公司 抗反射結構及電子裝置
EP3257907B1 (en) * 2015-02-09 2020-03-25 Konica Minolta, Inc. Inkjet ink and image-forming method
CH711562A1 (en) * 2015-09-24 2017-03-31 Regent Beleuchtungskörper Ag Optical film and luminaire with such.
JP2017072692A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 アルプス電気株式会社 アンチグレア層の形成方法、アンチグレア層、表示パネル、及び、表示装置
JP6536393B2 (ja) * 2015-12-18 2019-07-03 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
JP2018177914A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用水系インク
JP2019031599A (ja) 2017-08-07 2019-02-28 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用水系インク
CN111093843B (zh) * 2017-09-26 2023-01-24 富士胶片株式会社 薄膜的制造方法
CN109991687A (zh) * 2018-01-02 2019-07-09 元太科技工业股份有限公司 抗眩光层的制造方法
TWI653461B (zh) * 2018-01-02 2019-03-11 元太科技工業股份有限公司 抗眩光層的製造方法
US10996382B1 (en) 2018-01-23 2021-05-04 Facebook Technologies, Llc Diffraction grating with a variable refractive index formed using an energy gradient
US10895671B1 (en) 2018-01-23 2021-01-19 Facebook Technologies, Llc Diffraction grating with a variable refractive index using ion implantation
US10823887B1 (en) * 2018-01-23 2020-11-03 Facebook Technologigegs, Llc Diffraction grating with a variable refractive index using multiple resins
US11220028B1 (en) 2018-03-08 2022-01-11 Facebook Technologies, Llc Method of manufacture for thin, multi-bend optics by compression molding
JP6561193B1 (ja) * 2018-12-21 2019-08-14 東京インキ株式会社 すりガラス調の装飾シートを製造するための装飾シート製造方法
CN110485663B (zh) * 2019-08-06 2021-04-23 佛山希望数码印刷设备有限公司 立体裂纹及凹纹的制作工艺及其装饰板结构、制备系统
CN110485664B (zh) * 2019-08-06 2021-04-13 佛山希望数码印刷设备有限公司 凹纹及裂纹效果的制作工艺及其装饰板结构、制备系统
CN111267488B (zh) * 2020-03-04 2021-06-15 深圳市汉森软件有限公司 控制喷墨打印机制备幕布折光层的方法、装置、设备及介质
CN111474768A (zh) * 2020-04-21 2020-07-31 Tcl华星光电技术有限公司 背光模组及其制备方法与显示装置
TWI742936B (zh) * 2020-11-20 2021-10-11 大陸商廣東譽品實業有限公司 防眩光遮光片
US20240026179A1 (en) 2022-07-15 2024-01-25 Yeti Coolers, Llc Thermoplastic and thermosetting resin-containing ink compositions and methods for their application

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0618706A (ja) * 1992-01-24 1994-01-28 Dainippon Printing Co Ltd 耐擦傷性防眩フィルム、偏光板及びその製造方法
JPH0766530A (ja) * 1993-08-26 1995-03-10 Olympus Optical Co Ltd パターン形成方法
JPH10180950A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Lintec Corp 防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法
JPH11109111A (ja) * 1997-10-02 1999-04-23 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 防眩処理層
JPH11119001A (ja) * 1997-10-14 1999-04-30 Seiko Epson Corp プラスチックレンズ
JP2000035508A (ja) * 1998-07-16 2000-02-02 Nitto Denko Corp 光拡散層、光学素子及び液晶表示装置
WO2000067051A1 (fr) * 1999-04-28 2000-11-09 Asahi Lite Optical Co., Ltd. Lentille en plastic et son procede de traitement
JP2001033606A (ja) * 1999-07-15 2001-02-09 Seiko Epson Corp 反射板の製造方法および液晶表示装置の製造方法
JP2002022952A (ja) * 2000-07-11 2002-01-23 Nitto Denko Corp 反射防止機能付き偏光板
JP2002120311A (ja) * 2000-10-13 2002-04-23 Jsr Corp 構造体
JP2002311204A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4040727A (en) * 1975-09-10 1977-08-09 Rockwell International Corporation Transflector
US4575730A (en) * 1984-11-14 1986-03-11 Metromedia, Inc. Ink jet printing randomizing droplet placement apparatus
FR2764844B1 (fr) * 1997-06-23 1999-08-06 Gemplus Card Int Reticulation d'encre u.v.
JP2000250027A (ja) * 1999-03-02 2000-09-14 Nec Corp 反射型液晶表示装置及びその製造方法
JP3661491B2 (ja) * 1999-05-28 2005-06-15 住友化学株式会社 画像表示装置および防眩性直線偏光板
US6533852B2 (en) * 2000-01-31 2003-03-18 Canon Kabushiki Kaisha Recording ink, method for ink jet recording, method for producing color filter, color filter, method for producing liquid crystal display panel, liquid crystal display panel, and yellow ink
US6505942B2 (en) * 2000-04-07 2003-01-14 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Anti-reflection material, polarization film, and production methods therefor
JP4872142B2 (ja) * 2000-04-28 2012-02-08 Jsr株式会社 帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体
JP2002022908A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Kimoto & Co Ltd 光拡散性シート
JP2002169001A (ja) * 2000-09-22 2002-06-14 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性フィルムおよび液晶表示装置
JP2002114928A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体超微粒子を含有する塗布組成物
US6545422B1 (en) * 2000-10-27 2003-04-08 Science Applications International Corporation Socket for use with a micro-component in a light-emitting panel
KR20020093920A (ko) * 2001-02-16 2002-12-16 닛폰 이타가라스 가부시키가이샤 볼록형 막 및 그 제조 방법

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0618706A (ja) * 1992-01-24 1994-01-28 Dainippon Printing Co Ltd 耐擦傷性防眩フィルム、偏光板及びその製造方法
JPH0766530A (ja) * 1993-08-26 1995-03-10 Olympus Optical Co Ltd パターン形成方法
JPH10180950A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Lintec Corp 防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法
JPH11109111A (ja) * 1997-10-02 1999-04-23 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 防眩処理層
JPH11119001A (ja) * 1997-10-14 1999-04-30 Seiko Epson Corp プラスチックレンズ
JP2000035508A (ja) * 1998-07-16 2000-02-02 Nitto Denko Corp 光拡散層、光学素子及び液晶表示装置
WO2000067051A1 (fr) * 1999-04-28 2000-11-09 Asahi Lite Optical Co., Ltd. Lentille en plastic et son procede de traitement
JP2001033606A (ja) * 1999-07-15 2001-02-09 Seiko Epson Corp 反射板の製造方法および液晶表示装置の製造方法
JP2002022952A (ja) * 2000-07-11 2002-01-23 Nitto Denko Corp 反射防止機能付き偏光板
JP2002120311A (ja) * 2000-10-13 2002-04-23 Jsr Corp 構造体
JP2002311204A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN1327251C (zh) 2007-07-18
JP2004151642A (ja) 2004-05-27
CN100580482C (zh) 2010-01-13
KR101090580B1 (ko) 2011-12-08
US7638163B2 (en) 2009-12-29
TWI273282B (en) 2007-02-11
KR20040038764A (ko) 2004-05-08
US20040091642A1 (en) 2004-05-13
CN1501100A (zh) 2004-06-02
CN101109826B (zh) 2010-10-13
CN101109826A (zh) 2008-01-23
CN101034166A (zh) 2007-09-12
TW200417754A (en) 2004-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4506070B2 (ja) 防眩層の形成方法、防眩フィルムの製造方法及び防眩層形成用のインクジェット装置
JP4306318B2 (ja) 光拡散層の形成方法、光拡散フィルムとその製造方法及び光拡散層形成用のインクジェット装置
JP5298857B2 (ja) 反射防止フィルムの製造方法
US8110128B2 (en) Method of manufacturing an anti-glare anti-reflection film
JP4120196B2 (ja) 防眩性低反射フィルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置
JP4419407B2 (ja) 防眩性反射防止層の形成方法及び防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP4924505B2 (ja) 防眩性フィルム、その製造方法、防眩性フィルムを用いた偏光板、及び表示装置
JP2007233129A (ja) 防眩性フィルムの製造方法、防眩性フィルム、防眩性反射防止フィルム及び画像表示装置
JP2007052333A (ja) 表面凹凸形状光学フィルム、その製造方法及び偏光板、画像表示装置
JP4622472B2 (ja) 防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置
JP2008089969A (ja) 反射防止フィルム、偏光板、及び表示装置
JP2005300576A (ja) 防眩性反射防止フィルム、偏光板及び表示装置
JP2007240707A (ja) 防眩性反射防止フィルムの製造方法、防眩性反射防止フィルム及び画像表示装置
JP4765670B2 (ja) 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、防眩性反射防止フィルム、偏光板及び表示装置
JP4032771B2 (ja) 低反射フィルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置
JP2010097005A (ja) 反射防止フィルム、その製造方法、反射防止フィルムを用いた偏光板、及び表示装置
JP2007156145A (ja) 反射防止フィルム、その製造方法及び画像表示装置
JP4225110B2 (ja) 防眩性反射防止フィルムとその製造方法、及びそれを用いた偏光板と表示装置
JP2007086255A (ja) 防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP2008134394A (ja) 反射防止フィルム、偏光板及び表示装置
JP2005164890A (ja) 長尺防眩性フィルム、防眩性反射防止フィルム、偏光板及びそれらを用いた表示装置並びに防眩加工方法
JP4370814B2 (ja) 反射防止フィルムの製造方法
JP2008250276A (ja) 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、それを用いた偏光板及び表示装置
JP2008176116A (ja) 防眩性フィルム、防眩性反射防止フィルム、これらを用いた偏光板、及び表示装置
JP2006259647A (ja) 反射防止フィルムの製造方法、反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees