JP2000035508A - 光拡散層、光学素子及び液晶表示装置 - Google Patents
光拡散層、光学素子及び液晶表示装置Info
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Abstract
の防止性や防眩性にも優れる光拡散層、光学素子及び液
晶表示装置の開発。 【解決手段】 表面微細凹凸構造(11)の紫外線硬化
樹脂皮膜(1)からなり、その皮膜が平均粒径0.1〜
2μmの粒子を含有して皮膜内部においてヘイズに基づ
き5〜40%の光拡散性を示すと共に、前記の表面微細
凹凸構造が中心線平均粗さ0.08〜0.5μm、平均
山谷間隔20〜80μmの表面粗さを有するものである
光拡散層(1)、及びその光拡散層を光学層の片面又は
両面に有する光学素子、並びに液晶表示素子の視認側に
前記の光拡散層を有する液晶表示装置。
Description
止性、ノングレア性に優れて視認性の良好な液晶表示装
置などを形成しうる光拡散層と光学素子に関する。
に光拡散層を設けることが一般的である。かかる光拡散
層は、表面反射光を拡散するノングレア(防眩)層とし
て機能させて、蛍光灯や太陽光等の照明光やキーボーダ
ーなどの外部環境が画面上に映り込むゴースト現象で視
認性が阻害されることの防止などを目的とする。従来、
その光拡散層としては、サンドブラストや透明粒子の混
入などによる粗面化方式にて表面に微細凹凸構造を付与
したものが知られていた。
リクス表示形式の液晶表示装置の高精細化やカラー化な
どによる画素の小型化に伴って、表示光にランダムな強
弱が発生するギラツキが顕著となり、視認性が著しく低
下する問題点があった。
維持しつつ、ギラツキの防止性や防眩性にも優れる光拡
散層、光学素子、及び液晶表示装置の開発を課題とす
る。
線硬化樹脂皮膜からなり、その皮膜が平均粒径0.1〜
2μmの粒子を含有して皮膜内部においてヘイズに基づ
き5〜40%の光拡散性を示すと共に、前記の表面微細
凹凸構造が中心線平均粗さ0.08〜0.5μm、平均
山谷間隔20〜80μmの表面粗さを有するものである
ことを特徴とする光拡散層、及びその光拡散層を光学層
の片面又は両面に有することを特徴とする光学素子、並
びに液晶表示素子の視認側に前記の光拡散層を有するこ
とを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
るゴーストの防止と共に、ギラツキも防止でき、防眩性
に優れる光拡散層や光学素子を得ることができ、視認性
に優れる表示装置を形成することができる。その理由の
詳細は、不明であるが、本発者らは上記の表面微細凹凸
構造と皮膜内拡散性などにより表示光の歪が抑制される
ことによるものと考えている。
ラツキ問題等は、画素の小型化でそのピッチが光拡散層
の表面凹凸構造との対応性が高まり、画素を通過した表
示光が光拡散層の表面凹凸構造にて屈折や拡散等の歪を
受けやすくなり、その歪によりブラックマトリクスで区
画されて平行光化した画素からの表示光にランダムな強
弱差を発生させて、ギラツキ現象が生じるものと考えら
れる。
表面微細凹凸構造と皮膜内拡散性等に基づいてブラック
マトリクスによる区画にて平行光化された画素からの表
示光が散乱され、かつ表面の微細な凹凸構造が各画素か
らの表示光の画面上での面積を均一化して表示光の強弱
差によるギラツキ現象が抑制され、良好な視認性が達成
されるものと思われる。
凹凸構造の紫外線硬化樹脂皮膜からなり、その皮膜が平
均粒径0.1〜2μmの粒子を含有して皮膜内部におい
てヘイズに基づき5〜40%の光拡散性を示すと共に、
前記の表面微細凹凸構造が中心線平均粗さ0.08〜
0.5μm、平均山谷間隔20〜80μmの表面粗さを有
するものである。その例を図1、図2に示した。1が紫
外線硬化樹脂皮膜からなる光拡散層、11,12が微細
凹凸構造面、2が透明基材であり、3は必要に応じての
接着層である。
皮膜そのものからなるシート等の独立層として形成され
ていてもよいし、透明基材2を介しその片面又は両面上
に紫外線硬化樹脂皮膜1を支持した形態の光拡散シート
からなっていてもよい。また後者に準じて、支持母体に
付設された従属層などとして形成されていてもよい。
ては、例えばポリエステル系やアクリル系、ウレタン系
やアミド系、シリコーン系やエポキシ系等の樹脂を形成
しうるモノマーやオリゴマーやポリマーに紫外線重合開
始剤を配合して、紫外線照射による硬化処理で樹脂皮膜
を形成しうるようにしたものなどの適宜なものを用いう
る。
えば紫外線重合性の官能基を3〜6個有するアクリル系
のモノマーやオリゴマーを成分とするものの如く、付設
対象に対する密着性や透明性、ハードコート性や配合粒
子の分散性などに優れるものである。
形成は、例えば紫外線硬化型樹脂中に屈折率相違の透明
粒子を分散含有させてそれをドクターブレード法やグラ
ビアロールコータ法等の適宜な方式で所定面に塗工し、
その塗工層を紫外線照射を介し硬化処理して透明粒子に
よる凹凸が表面に反映した微細凹凸構造を形成する方
式、あるいは透明基材の表面をサンドブラストやエンボ
スロール、エッチング等の適宜な方式で粗面化し、その
粗面化表面に紫外線硬化樹脂皮膜を塗工形成して皮膜表
面に前記粗面化表面の凹凸を反映させて微細凹凸構造を
形成する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
は、例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、
酸化カルシウムや酸化錫、酸化インジウムや酸化カドミ
ウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系粒
子、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリウレ
タン等の各種ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系
粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いうる。好
ましく用いうる粒子は、透明性に優れて、紫外線硬化型
樹脂中で硬化皮膜形成前には溶解しないものである。
0.1〜2μmのものである。これにより上記した皮膜
内部での光拡散性や、紫外線硬化樹脂皮膜の表面におけ
る微細凹凸構造の表面粗さなどを達成することができ
る。かかる光拡散性や表面粗さ特性の達成などの点より
は、平均粒径が0.2μm以上、就中0.4μm以上、特
に0.6μm以上相違する組合せにて2種又は3種以上
の粒子を含有させることが好ましい。
皮膜がその皮膜内部においてヘイズに基づき5〜40%
の光拡散性を示し、中心線平均粗さが0.08〜0.5
μmで、平均山谷間隔が20〜80μmの表面粗さの表面
微細凹凸構造を有するものである。これにより、ギラツ
キ等を防止して画像の鮮明性等に優れる表示装置を形成
することができる。
より一層好ましい光拡散層は、皮膜内部での光拡散性が
ヘイズに基づいて10〜35%、就中12〜33%であ
り、中心線平均粗さが0.09〜0.4μm、就中0.
1〜0.35μmで、平均山谷間隔が23〜70μm、就
中25〜60μmのものである。なお山谷間隔は、可及
的に一定であることが好ましい。
さなどに基づいて適宜に決定しうるが、一般には紫外線
硬化型樹脂100重量部あたり、5〜150重量部、就
中7〜100重量部、特に10〜50重量部とされる。
が、一般には上記した特性の光拡散層の形成性などの点
より、紫外線硬化樹脂皮膜の厚さに基づいて50μm以
下、就中1〜30μm、特に3〜10μmとされる。
る光拡散層を支持する透明基材としては、例えばポリエ
チレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの如
きポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸
セルロースの如きセルロース系ポリマー、ポリカーボネ
ート系ポリマーやPMMAの如きアクリル系ポリマー等
の透明ポリマーからなるフィルムがあげられる。
チレン共重合体(AS樹脂)の如きスチレン系ポリマ
ー、ポリエチレンやポリプロピレン、シクロ系ないしノ
ルボルネン構造を有するポリオレフィンやエチレン・プ
ロピレン共重合体の如きオレフィン系ポリマー、塩化ビ
ニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドの如きア
ミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムもあ
げられる。
マー、ポリエーテルスルホン系ポリマーやポリエーテル
エーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド
系ポリマーやビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリ
デン系ポリマーやビニルブチラール系ポリマー、アリレ
ート系ポリマーやポリオキシメチレン系ポリマー、エポ
キシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポ
リマーからなるフィルムなどもあげられる。
複屈折による位相差の可及的に小さいフィルムなどが好
ましく用いられる。透明基材の厚さは、適宜に決定しう
るが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの
点より10〜500μm、就中30〜300μm、特に5
0〜200μmの厚さとされる。
る接着層3は、光学層等の他部材に接着することを目的
とし、例えばアクリル系やゴム系、シリコーン系等の粘
着剤やホットメルト系接着剤などの適宜な接着剤にて形
成することができ、透明性や耐候性などに優れるものが
好ましい。
種の目的に用いうる。特にドットマトリクス表示形式の
液晶表示装置の如く所定の間隔で画素を配列してなる表
示装置などに好ましく用いうる。その適用に際しては、
光学層の片面又は両面に光拡散層を設けた光学素子とし
て用いることもできる。
示した。4は偏光板、5は位相差板、6はそれら偏光板
4と位相差板5との積層体からなる楕円偏光板である。
従って光学層としては、偏光板や位相差板、それらの積
層体からなる楕円偏光板などの適宜なものであってよ
い。
ちなみにその例としては、ポリビニルアルコール系フィ
ルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィル
ム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィル
ムの如き親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料
等の二色性物質を吸着させて延伸したもの、ポリビニル
アルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理
物の如き偏光フィルムがあげられる。偏光フィルムの厚
さは、5〜80μmが一般的であるが、これに限定され
ない。
に耐水性等の保護目的で、ポリマーの塗布層やフィルム
のラミネート層等からなる透明保護層を設けたものなど
もあげられる。透明保護層の形成には、上記した透明基
材で例示のポリマーなどの適宜なものを用いうるが、透
明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れる
ものが好ましく用いうる。
いうる。ちなみにその例としては、上記の透明基材で例
示したポリマーフィルムの一軸や二軸等の適宜な方式に
よる延伸フィルムや液晶ポリマーフィルムなどがあげら
れる。位相差板は、2層以上の延伸フィルムの重畳体な
どとして形成されていてもよい。
ることにより形成しうる。その場合、光拡散層は少なく
とも偏光板側に設けることが実用性などの点より好まし
い。なお楕円偏光板における偏光板と位相差板は、上記
の接着層などを介して接着積層されていることがズレ防
止等による光学特性の安定性などの点より好ましい。
例示の如く光学層4に直接付設されていてもよいし、図
4に例示の如く透明基材2と一体化した光拡散シートと
して付設されていてもよい。光拡散シートの場合にも上
記の接着層などを介して光学層と接着積層されているこ
とがズレ防止等による光学特性の安定性などの点より好
ましい。
素子は、画素を介した表示光の歪が問題となる表示装
置、就中、ノート型やディスクトップ型等のパーソナル
コンピュータにおける液晶表示装置などに好ましく用い
うる。特にTFT式やSTN式の液晶表示素子の如く、
表示単位としての画素が遮光部(ブラックマトリクス)
にて等間隔に区切られて所定のピッチで形成され、その
画素ピッチが例えば50〜500μmであるドットマト
リクス表示形式の液晶表示装置などに好ましく用いう
る。
表示装置の視認側に設けられるが、その場合、ギラツキ
防止やノングレア作用などの点より光拡散層は、装置の
最表面等の可及的に外表面に位置させることが好まし
い。なお液晶表示装置は、本発明による光拡散層又は光
学素子を少なくとも1層配置する点を除いて特に限定は
なく、従来に準じたものとして形成することができる。
(重量部、以下同じ)とベンゾフェノン系光重合開始剤
3部からなる紫外線硬化型樹脂に、平均粒径0.5μm
のシリカ粒子15部と平均粒径1.4μmのシリカ粒子
10部を加え、粘度調整用溶剤の添加により固形分濃度
を50重量%としたのち高速撹拌機にて混合し、その混
合液を厚さ50μmのトリアセチルセルロースフィルム
の片面にバーコータにて塗工して溶剤揮発後、紫外線を
照射して硬化処理し、表面微細凹凸構造で厚さ7μmの
紫外線硬化樹脂皮膜からなる光拡散層を有する光拡散シ
ートを得た。
基づき25%の光拡散性を示し、表面の微細凹凸構造に
おける触針式表面粗さ測定器に基づく中心線平均粗さ
(以下同じ)が0.12μm、表面粗さ曲線による平均
山谷間隔(以下同じ)が45μmのものであった。
たほかは実施例1に準じて光拡散層を有する光拡散シー
トを得た。その光拡散層はヘイズに基づく内部光拡散性
2%、表面微細凹凸構造における中心線平均粗さ0.4
2μm、平均山谷間隔120μmであった。
ン用の液晶表示素子(サイズ12.1インチ、解像度X
GA)の上に設置して表示像を視認した。その場合、実
施例1の光拡散シートを用いた液晶表示装置では、ギラ
ツキが少なく非常に鮮明な表示像が得られたが、比較例
では、ギラツキの度合いが大きくて表示像の鮮明さに劣
るものであった。
Claims (5)
- 【請求項1】 表面微細凹凸構造の紫外線硬化樹脂皮膜
からなり、その皮膜が平均粒径0.1〜2μmの粒子を
含有して皮膜内部においてヘイズに基づき5〜40%の
光拡散性を示すと共に、前記の表面微細凹凸構造が中心
線平均粗さ0.08〜0.5μm、平均山谷間隔20〜
80μmの表面粗さを有するものであることを特徴とす
る光拡散層。 - 【請求項2】 請求項1において、透明基材の片面又は
両面に支持されてなる光拡散層。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光拡散層を光学
層の片面又は両面に有することを特徴とする光学素子。 - 【請求項4】 請求項3において、光学層が偏光板、位
相差板、又はそれらの積層体からなる楕円偏光板である
光学素子。 - 【請求項5】 液晶表示素子の視認側に請求項1又は2
に記載の光拡散層を有することを特徴とする液晶表示装
置。
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