JP2007086255A - 防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Toshiaki Shibue
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Katsumi Maejima
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Abstract

【課題】 本発明の目的はヘイズが低く、ムラ、ギラツキが抑制された防眩性反射防止フィルム及び防眩性反射防止フィルムの製造方法を提供することにある。更に該防眩性反射防止フィルムを用いた視認性に優れた偏光板、画像表示装置を提供することにある。
【解決手段】 表面が防眩性を付与する凹凸形状である透明支持体フィルム上にハードコート層を設けてなる防眩性反射防止フィルムにおいて、該透明支持体フィルムは両面が異なる表面平均粗さの凹凸形状を有しており、該ハードコート層を設ける視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さが大きいことを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置に関し、より詳しくはヘイズが低く、ムラ、ギラツキが低減された防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法に関し、それを用いた視認性に優れた偏光板及び画像表示装置に関する。
防眩性性反射防止フィルムは、平滑な支持体フィルム中に防眩性微粒子を含有させたハードコート層を設け、その上に反射防止層を設けることが一般的である。(例えば、特許文献1、2参照。)
最近のフラットパネルデイスプレイ、特に大型TV用の防眩性反射防止フィルムとしては表示画面を暗くしないようにヘイズが小さいことが求められているが、十分な防眩性を持たせようとすると、微粒子を添加する量が増える為に必然的にヘイズ値は高くなる。
このため、微粒子を用いずフィルム表面を凹凸化することにより防眩性を持たせた表面凹凸形状フィルムを用いることがヘイズの点から好ましい(例えば、特許文献3、4参照。)。
しかしフィルム表面を凹凸化することにより防眩性を持たせた防眩性反射防止フィルムは、広い面積でのムラが生じ易いという問題がある。また防眩性反射防止フィルムは、ギラツキの問題があり、ギラツキを解決するために、特許文献5〜10が提案されているが、十分ではなく更なる改善が求められている。
特開2001−264508号公報 特開2003−121620号公報 特開2004−230614号公報 特開2005−84113号公報 特開2000−193804号公報 特開2002−82207号公報 特開2003−248101号公報 特開2004−29240号公報 特開2004−144934号公報 特開2005−156642号公報
従って、本発明の目的はヘイズが低く、ムラ、ギラツキが抑制された防眩性反射防止フィルム及び防眩性反射防止フィルムの製造方法を提供することにある。更に該防眩性反射防止フィルムを用いた視認性に優れた偏光板、画像表示装置を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
(1)表面が防眩性を付与する凹凸形状である透明支持体フィルム上にハードコート層を設けてなる防眩性反射防止フィルムにおいて、
該透明支持体フィルムは両面が異なる表面平均粗さの凹凸形状を有しており、該ハードコート層を設ける視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さが大きいことを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
(2)前記ハードコート層上に少なくとも高屈折率層、低屈折率層の反射防止層を設けていることを特徴とする前記(1)項に記載の防眩性反射防止フィルム。
(3)前記ハードコート層を設ける側の透明支持体フィルムの表面平均粗さが0.3〜2.0μmであることを特徴とする前記(1)または(2)項に記載の防眩性反射防止フィルム。
(4)前記透明支持体フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルム。
(5)表面が防眩性を付与する凹凸形状である透明支持体フィルム上にハードコート層を設けてなる防眩性反射防止フィルムの製造方法において、
該透明支持体フィルムの両面に異なる形状の凹凸を有する2種類の凹凸型ローラで型押しすることにより異なる凹凸形状を設け、次いで表面平均粗さが小さい側に該ハードコート層を設けることを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造方法。
(6)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルムを有することを特徴とする偏光板。
(7)前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルムを有することを特徴とする画像表示装置。
(8)前記(6)項に記載の偏光板を有することを特徴とする画像表示装置。
本発明により、ヘイズが低く、ムラ、ギラツキが抑制された防眩性反射防止フィルム及び防眩性反射防止フィルムの製造方法を提供することが出来る。更に該防眩性反射防止フィルムを用いた視認性に優れた偏光板、画像表示装置を提供することが出来る。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の防眩性反射防止フィルムは、表面が防眩性を付与する凹凸形状である透明支持体フィルム上にハードコート層を設けてなる防眩性反射防止フィルムにおいて、該透明支持体フィルムは両面が異なる表面平均粗さの凹凸形状を有しており、該ハードコート層を設ける視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さが大きいことを特徴とする。
視認側とは、ハードコート層や反射防止層が形成される側であり、防眩性反射防止フィルムを直接この面側から見る側である。
本発明者らは視認側表面に設ける凹凸の形状を各種検討したが、ムラ、ギラツキの問題は解消されず、更に各種検討する中で裏面側に視認側の凹凸形状と異なった凹凸形状を設け、更に視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さを大きくすることでムラ、ギラツキを顕著に防止出来ることを見出したものである。即ち、本発明の効果は、裏面の凹凸を防眩効果に寄与させることで、視認側表面の微妙な凹凸の違いによるムラや、ギラツキを、表面平均粗さの異なる裏面側反射光で視認的に均一に補う効果よりなるものと推定している。更に本発明者は、裏面側と視認側の凹凸形状が同一であると微妙な形状差が干渉縞の様な原理でムラの原因となり、好ましくないことも確認した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防眩性反射防止フィルムは、凹凸形状(エンボスとも言う)付与を防眩性反射防止フィルムの視認側表面にのみ行うだけでなく、その裏面にも行い、かつ両者の凹凸形状を異なる形状にし、視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さを大きくすることによって、ムラ、ギラツキの問題を解決したものである。
防眩性反射防止フィルムの視認側、裏面側に凹凸形状を付与する工程は、透明支持体フィルムへの加工、ハードコート層を塗布した後への加工、反射防止層を塗布した後での反射防止フィルムへの加工等を選択出来るが、ハードコート層への凹凸加工は反射防止層を設ける際の塗布性、密着性に問題が生じることがあり、また反射防止フィルムへの凹凸加工は、凹凸形状の凸部が反射防止層を突き破ったり、反射防止層を変形させて反射防止効果を損なうことがある為、本発明では透明支持体フィルムの視認側、裏面側へ凹凸加工することが必要である。
本発明で言う凹凸形状としては、直円錐、斜円錐、角錐、斜角錐、楔型,凸多角体、半球状等から選ばれる構造、並びにそれらの部分形状を有する構造が挙げられる。なお、本発明で言う半球状は、必ずしもその表面形状は真球形状である必要はなく、楕円体形状や、より変形した凸曲面形状であってもよい。また、凹凸形状の稜線が線状に伸びた、プリズム形状、レンチキュラーレンズ形状、フレネルレンズ形状も挙げられる。その稜線から谷線にかけての斜面は平面状、曲面状、もしくは両者の複合的形状であってもよい。本発明では、裏面側と視認側の凹凸形状を異ならせることで、微妙な形状差による干渉縞の様なムラの発生も防止出来る。
凹凸面の高さについては、視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さが大きいことが本発明の特徴である。視認側の表面平均粗さを(Ra)a、裏面側の表面平均粗さを(Ra)bとした時、視認側の表面平均粗さ(Ra)aは0.05〜5.0μmの範囲であればよく、より好ましくは0.3〜2.0μmである。裏面側の表面平均粗さ(Ra)bは該視認側の表面平均粗さ(Ra)aより大きければよく、(Ra)b=(Ra)a×1.05〜(Ra)a×3の範囲であることが好ましく、より好ましくは(Ra)b=(Ra)a×1.1〜(Ra)a×2.5の範囲である。視認側の表面平均粗さ(Ra)aが0.3μm以下では防眩性の効果が弱く、2.0μm以下の範囲では目視で粗すぎる印象を受けない程度に好ましい防眩性効果を発揮出来る。(Ra)bが(Ra)a×1.05未満であると、微妙な形状差が干渉縞の様な原理でムラの原因となり好ましくなく、(Ra)bが(Ra)a×3以内であると目視で粗すぎる印象を受けず好ましい防眩性を付与することが出来る。
尚、表面平均粗さ(Ra)はJIS B 0601により測定することができる。
凹凸面の構成周期については特に限定はないが、例えば、液晶表示装置に用いる場合はモアレや輝度むらの防止の観点から1〜100μm程度が好ましい。
凹凸形状を形成する方法として、例えば、下記の方法等が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)ロールや原盤に目的とする形状のネガ型を形成しておき、エンボスにて形状を付与する方法。
(2)ロールや原盤に目的とする形状のネガ型を形成しておき、熱硬化性樹脂をネガ型に充填し、加熱硬化後ネガ型から剥離する方法。
(3)目的とする形状のネガ型を流延ベルトに形成しておき、キャスティング時に目的とする形状を付与する溶剤キャスト法。
(4)表面を工作機械等で切削加工する方法。
(5)光または加熱により硬化する樹脂を透明基板上に凸版印刷し、光または加熱により硬化して凹凸を形成する方法。
(6)透明基板表面に光または加熱して硬化する樹脂をインクジェット法により印刷し、光または加熱により硬化して基板表面を凹凸形状にする方法。
最初に、透明支持体フィルムの製膜工程で、フィルム面に鋳型として凹凸型ローラを押し当てて表面または裏面に凹凸を形成する方法について図により説明する。図は一例を示しており、本発明はこれらに限定されるものではない。
鋳型としては表面に凹凸を設けた凹凸型ローラが挙げられるが、板状、フィルム状、ベルト状の鋳型でもよい。
図1は、凹凸型ローラを用いた本発明に係る凹凸面形成装置の概略図である。予め調液された熱可塑性樹脂溶液をダイス1より流延用ベルト2上に流延し、ウェブ(金属支持体上にドープを流延した以降の残留溶媒を含むフィルムをウェブと言う)を形成し、剥離後、凹凸面形成用凹凸型ローラ3及びそれと対向したバックロール4によりウェブ上に凹凸面を形成する。次いで、同様にしてウェブの反対側の面に異なった凹凸形状を有する凹凸面形成用凹凸型ローラ3′とバックロール4によりウェブ裏面上に凹凸面を形成し、その後テンター5によりウェブは延伸され、次のフィルム乾燥装置6により乾燥され、巻き取りロール7により巻き取られる。
本概略図の位置で凹凸面形成する場合は、ウェブの剥離直後である為、ウェブ中の残留溶媒量は通常20〜180質量%での範囲にある。本発明において好ましい残留溶媒量は60〜150質量%で、特に好ましくは80〜140質量%である。
本発明で用いる残留溶媒量は下記の式で表せる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
また、凹凸面形成は、図1のテンター5の後でも、図1の乾燥装置6内でも、更には乾燥が終了した後で行ってもよく、図では表面側、裏面側に一対の凹凸型ローラとバックロールを配して凹凸形成を行っているが、複数の凹凸型ローラとバックロールを用いておこなってもよい。
図2に乾燥装置内における凹凸面形成装置の概略図を示す。この場合は残留溶媒量は、図1の場合に比べ大幅に低下するが、乾燥装置による加熱条件を制御することにより後述する透明支持体フィルム表面の温度を所望の温度に設定出来る為、精度よく凹凸形成が出来る利点がある。
フィルムを室温に戻した後、別ラインで凹凸型ローラを用いた凹凸面形成装置を使用することも出来るが、この場合は残留溶媒や温度が低いと凹凸面形成の安定性に欠ける。また、凹凸型ローラによる凹凸加工前にゴミや異物の付着する危険性があり、図1、2で示したようにフィルム製膜工程の中で行うことが、故障が減るため好ましいだけでなく凹凸も形成し易く好ましい。
図3は、凹凸面形成用凹凸型ローラ3または3′及びそれと対向したバックロール4の拡大図であり、凹凸面形成用凹凸型ローラ3または3′が一つの場合、複数の場合を示した。図3の凹凸型ローラはフィルムの表面側、裏面側のどちらにも適用出来る。複数の場合は、凹凸型ローラに形成された凹凸面が同じ大きさ、パターンの場合、大きな凹凸、小さな凹凸を有する凹凸型ローラを組み合わせることも可能で、透明支持体フィルム上に所望の防眩特性に応じた凹凸面の形成が可能である。
即ち、本発明の凹凸型ローラを用いた凹凸面の形成において、大きな周期の凹凸を形成した後、小さな周期の凹凸を形成する。もしくは小さな周期の凹凸を形成した後、大きな周期の凹凸を形成することが出来る。これによってより防眩効果に優れた凹凸面を形成することが出来る。具体的には2つ以上の凹凸型ローラを用いて、異なる残留溶媒量で凹凸を付与することで、微妙な凹凸形状を形成することも出来る。あるいは凹凸形状の異なる2つ以上の凹凸型ローラを用いることで複雑な凹凸形状を有する凹凸面を形成することが出来る。
2つ以上の凹凸型ローラを用いて、凹凸を形成する際は、該凹凸型ローラ表面の温度を1℃以上異なる温度として凹凸を付与することが好ましい。温度を変更することで凹凸の形状を制御することが出来る。例えば、温度を上げることでよりRaが大きい凹凸を形成することが出来る。
本発明の凹凸面形成に用いられる凹凸型ローラとしては、凹凸が細かいもの、粗いものまで、適宜選択して適用でき、模様、マット状、レンチキュラーレンズ状、球面の一部からなる凹部または凸部、プリズム状の凹凸を形成するためのエンボスが規則正しくもしくはランダムに配列されたものが使用出来る。例えば、凸部または凹部の直径が5〜100μm、高さが0.1〜2.0μmの球の一部からなる凹部または凸部等が挙げられるが、これらは大きな凹凸と小さな凹凸を組み合わせてもよい。
凹凸型ローラ及びバックロールの材質は、金属、ステンレス、炭素鋼、アルミニウム合金、チタン合金、セラミック、硬質ゴム、強化プラスチック、ガラスまたはこれらを組み合わせた素材などが使用できるが、強度の点や加工のし易さの点から凹凸型ローラは金属が好ましい。特に洗浄のし易さ、耐久性も重要であり、ステンレス製の凹凸型ローラを使用することが好ましい。特に好ましくは、視認側用は金属材料、セラミック材料で表面凹凸形状を形成し、裏面側用はゴム材料で表面凹凸形状を形成することである。材質が異なる凹凸型ローラを用いることで、凹凸形状(山、谷、稜線等の形状)が微妙に異なる凹凸が形成出来、ギラツキを効果的に防止することが出来る。
また、表面に撥水もしくは撥水加工を施してもよい。凹凸型ローラに所望の凹凸面を形成する方法としてはエッチングによる方法、サンドブラストによる方法、機械的に加工する方法または金型等を使用して形成することが出来る。凹凸型ローラに対向するバックロールとしては硬質ゴムまたは金属が好ましく用いられる。
本発明では、特に凹凸型ローラにサンドブラスト処理またはエッチング処理を行うことが好ましい。
(サンドブラスト処理)
サンドブラスト処理においては、平均粒径10μm以下のブラスト粒子を200kPa以下のブラスト圧力(ゲージ圧)で使用することが好ましい。ブラスト粒子の平均粒径が10μmを超える場合、またはブラスト圧力が200kPaを超える場合には、初期の微細傷の深さが深くなりすぎ、好ましくない。また、ブラスト粒子の粒径分布はできるだけシャープであることが好ましい。粒径分布がブロードな場合、得られる防眩性光学フィルムの均質性が低下するため、好ましくない。ブラスト粒子としては、例えば、住友化学工業(株)製のスミコランダムAA−5(平均粒径5μm)、スミコランダムAA−18(平均粒径18μm)が挙げられる。
揺動させている凹凸型ローラの表面の全面にわたって、圧搾空気等の力で噴射ノズルの先端から、ブラスト粒子が吹き付けられ、該ブラスト処理により、凹凸型ローラの表面の全面に微細な凹凸が砂目状に形成される。ロールの回転と揺動の量、ブラスト粒子の吹き付け量、吹き付け時間は所望の凹凸形状に合わせて適宜選択すればよい。
(エッチング処理)
フッ化水素処理によるエッチングにおいて、用いるフッ化水素を含む水溶液は1〜10質量%程度の濃度のフッ化水素酸(フッ化水素の水溶液)が適当であり、より好ましくは5〜10質量%濃度のフッ化水素酸である。フッ化水素の濃度が10質量%を超える場合、エッチングにより生成する粗面の面内均一性が低下するため、好ましくない。フッ化水素の濃度が1質量%を下回る場合、エッチング速度が極端に遅くなるので、実用的でない。エッチングの温度は20〜50℃程度が好ましく、30〜40℃がより好ましい。エッチング温度が20℃を下回ると、実用的なエッチング速度が得られないため、好ましくない。また、エッチング温度が40℃を超える場合、エッチングにより生成する粗面の面内均一性が低下するため好ましくない。
なお、表面凹凸化のためには、サンドブラスト処理にて微小な傷を金属やガラス表面に生成させ、その後にフッ化水素を含む水溶液によるエッチングを行って、微細な凹凸を形成させてもよい。
図4には凹凸型ローラの斜視図及び断面の凹凸形状の一例を示した。図に示したように鋳型は凸部や凹部を組み合わせて形成されてもよく、形状は限定されず、四角錐状、三角錐状、円錐状、半球状の凸部または凹部の組み合わせでもよい。或いは波形状のパターン等も好ましく用いられる。
図5(A)、(B)、(C)に本発明で好ましい凹凸形状パターンを示した。
また、凹凸型ローラ及びバックロールの偏芯は50μm以内であることが好ましく、20μm以内が更に好ましく、0〜5μmであることが更に好ましい。
凹凸型ローラの直径は5〜200cmが好ましく、10〜100cmが更に好ましく、10〜50cmが特に好ましい。
本発明において凹凸型ローラの表面温度T1は、用いる透明支持体フィルムの熱変形温度T2に対してT2+10℃〜T2+55℃、好ましくはT2+30℃〜T2+50℃とであることが好ましい。なお、熱変形温度T2とは、ASTMD−648に従って測定した値である。
凹凸型ローラの表面温度T1が熱変形温度T2より低いと微細な凹凸形状が形成しにくくなる。表面温度T1が熱変形温度T2よりも55℃を超えると得られるフィルムの平面性が劣化しやすくなる。凹凸型ローラの表面温度T1は、凹凸型ローラ自身の温度、雰囲気温度、凹凸を形成するフィルム温度、フィルムの残留溶媒量、凹凸形成速度を設定することで制御することができる。凹凸型ローラ自身の温度は凹凸型ローラ内に温度制御された気体もしくは液体の媒体を循環させることで制御することが出来る。例えば、40〜300℃、好ましくは、50〜250℃の範囲で樹脂の種類や形成する凹凸形状に応じて選択される。その時、フィルム中の残留溶媒が発泡しないようにすることが好ましく、凹凸型ローラの表面が例えば残留溶媒の沸点以上の温度であっても、凹凸を形成する速度が速ければ発泡を防ぐことが出来る。例えば10m/min以上の速度で凹凸を形成することが出来る。
バックロールの温度も同様に制御することが好ましく、凹凸型ローラと同等か低い温度に設定することが好ましい。
凹凸を形成する際のロール圧力は、線圧で5〜500N/cm、更に好ましくは30〜500N/cmから熱可塑性樹脂の種類、形成する凹凸の形状、温度等を考慮して適宜決定される。
凹凸型ローラを透明支持体フィルムに押しつけて凹凸面形成する製造方法の好ましい態様を以下に示す。
本発明の製造方法は、表面が平滑である透明支持体フィルムを加熱し、異なる形状の凹凸を有する2種類の凹凸型ローラで型押しすることで視認側表面と裏面で異なる凹凸形状の透明支持体フィルムとし、視認側表面にハードコート層、反射防止層をコーティングすることで防眩性反射防止フィルムを製造することが特徴である。
透明支持体フィルムの製膜工程としては、溶融流延製膜若しくは溶液流延製膜がある。本発明では工程内で加熱されたフィルムを室温まで戻すことなく、フィルム面に凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成する製造方法、透明支持体フィルムの製膜工程でフィルム面に凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成する前もしくは後にテンターで延伸し、長尺方向に延伸した後フィルム面に凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成する製造方法、製膜工程が溶液流延方式であり、透明支持体フィルムを有機溶剤に溶解したドープを平滑面を有する支持体上に流延し、剥離可能となるまで支持体上で有機溶剤を揮発させた後剥ぎ取った平滑面を有するフィルムを乾燥する工程のいずれかで、フィルム面に凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成する製造方法、溶液流延製膜工程で、残留溶媒を含有する透明支持体フィルムに凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成し、残留溶媒中の貧溶媒比率が10質量%以上のときに凹凸型ローラにより凹凸を形成する製造方法、フィルム面に凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成した後、100℃以上で熱処理する工程を有すること、共流延または逐次流延若しくは塗布によって2層以上の多層構成とした透明支持体フィルムに凹凸型ローラを押し当てて表面に凹凸を形成する製造方法、凹凸型ローラによる凹凸付与部の前もしくは後に除電装置を設ける製造方法などが安定再現良く凹凸面を形成する上で好ましい態様である。また、凹凸を形成する際のフィルムの搬送速度は10m/min〜100m/minが好ましい。
除電装置に関しては、特開2001−129839号公報段落番号[0028]〜[0032]及び[0034]〜[0035]に記載されているものが好ましく用いられるが、例えば、キーエンス社製のSJ−B01等の除電バーを凹凸形成用凹凸型ローラの近傍に設置することが静電気によるゴミ等の吸着を防ぎ、ウェブ上に均一な凹凸面を形成する上で好ましい。また、凹凸形成部でのフィルム破断が減るため好ましく用いられる。
〔透明支持体フィルム〕
一般に光学フィルムに用いられる透明フィルム支持体としては、セルロースエステルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることができるが、本発明では、製造が容易であること、活性エネルギー線硬化樹脂層への接着性がよいこと、光学的に等方性であること、光学的に透明性であることから、透明支持体フィルムとしてセルロースエステルフィルムが好ましい。セルロースエステルフィルムの内では、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルムが、製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の面から好ましい。具体的には、例えば、コニカミノルタタックKC8UX2M、KC4UX2M、KC4UY、KC8UT、KC5UN、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4(以上、コニカミノルタオプト(株)製)が好ましく用いられる。
(セルロースエステルフィルム)
本発明に用いられるセルロースエステルは、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独または混合して用いることができる。
セルロースエステルの分子量が小さ過ぎると引裂強度が低下するが、分子量を上げ過ぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなり過ぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で70000〜200000のものが好ましく、100000〜200000のものがさらに好ましい。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、さらに好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。平均酢化度が小さいと寸法変化が大きく、また偏光板の偏光度が低下する。平均酢化度が大きいと溶剤に対する溶解度が低下し生産性が下がる。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロースエステルである。
式(I) 2.6≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
この内、特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
セルロースエステルは綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独または混合して用いることができる。特に綿花リンター(以下、単にリンターとすることがある)から合成されたセルロースエステルを単独または混合して用いることが好ましい。
本発明で用いられるセルロースエステルフィルムは、溶液流延法で製造されるものでも、溶融流延法で製造されるものでもよいが、少なくとも幅手方向に延伸されたものが好ましく、特に溶液流延工程で剥離残留溶媒量が3〜40質量%である時に幅手方向に1.01〜1.5倍に延伸されたものであることが好ましい。より好ましくは幅手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残留溶媒量が3〜40質量%である時に幅手方向及び長手方向に、各々1.01〜1.5倍に延伸されることが望ましい。こうすることによって、視認性に優れた反射防止フィルムを得ることができる。
このときの延伸倍率としては1.01〜1.5倍が好ましく、特に好ましくは、1.03〜1.45倍である。
本発明においては長尺フィルムを用いることが好ましく、長尺とは具体的には100〜5000m程度のものをいう。また、フィルムの幅は1.3m以上が好ましく、1.3〜4m、好ましくは1.3〜2mであることがより好ましい。
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、光透過率が90%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体であることが好ましい。
本発明に用いられるセルロースエステルフィルム支持体は、その厚さが10〜100μmのものが好ましく、透湿性は、25℃、90±2%RHにおいて、200g/m2・24時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは、10〜180g/m2・24時間以下であり、特に好ましくは、160g/m2・24時間以下である。
特には、膜厚20〜70μmで透湿性が上記範囲内であることが好ましい。
ここで、支持体の透湿性は、JIS Z 0208に記載の方法に従い、各試料の透湿性を測定することができる。
(可塑剤)
セルロースエステルフィルムには、下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等を用いることができる。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等を用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
多価アルコールエステル系可塑剤は2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる。好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2ープロパンジオール、1,3ープロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2ーブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ーブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5ーペンタンジオール、1,6ーヘキサンジオール、ヘキサントリオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールであることが好ましい。多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。脂肪族モノカルボン酸としては炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。好ましい脂肪族モノカルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上もつ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸であることが好ましい。多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、分子量300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることがさらに好ましい。保留性向上の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基はカルボン酸で全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
これらの可塑剤は単独または併用するのが好ましい。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3〜13質量%である。
(紫外線吸収剤)
本発明では、支持体に紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式(A)で示される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2007086255
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していてよい。
以下に本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、チバスペシャルティケミカルズ製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、チバスペシャルティケミカルズ製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式(B)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2007086255
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までのアルコキシル基を表し、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基でアリル基、2−ブテニル基等を表す。また、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)等が挙げられる。
以下に一般式(B)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
また、特願平11−295209号に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤は、支持体に用いた時、支持体の面品質に優れ、塗布性にも優れ好ましい。特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
また、特開平6−148430号の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
(微粒子)
本発明において、セルロースエステルフィルム中に防眩性を付与しない程度に微粒子を含有していることが好ましく、微粒子としては、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子には有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類(特にメチル基を有するアルコキシシラン類)、シラザン、シロキサン等が挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmで、より好ましくは7〜16nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィルム中では、通常、凝集体として存在しセルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としてはアエロジル社製のAEROSIL(アエロジル)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSIL(アエロジル)200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例えばAEROSIL(アエロジル)200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用できる。本発明において、微粒子はドープ調製時、セルロースエステル、他の添加剤及び有機溶媒とともに含有させて分散してもよいが、セルロースエステル溶液とは、別に微粒子分散液のような十分に分散させた状態でドープを調製するのが好ましい。微粒子を分散させるために、前もって有機溶媒にひたしてから高剪断力を有する分散機(高圧分散装置)で細分散させておくのが好ましい。その後により多量の有機溶媒に分散して、セルロースエステル溶液と合流させ、インラインミキサーで混合してドープとすることが好ましい。この場合、微粒子分散液に紫外線吸収剤を加え紫外線吸収剤液としてもよい。
上記の劣化防止剤、紫外線吸収剤及び/または微粒子は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
(有機溶媒)
本発明で用いられるセルロースエステルフィルムを溶液流延法で製造する場合のドープを形成するのに有用な有機溶媒は、セルロースエステル、芳香族環を少なくとも二つ有し、かつ少なくとも二つの芳香族環が平面構造を有する化合物、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができ、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。特に酢酸メチルが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系でのセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、かつ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。
ドープ中のセルロースエステルの濃度は15〜40質量%、ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に調整されることが良好なフィルム面品質を得る上で好ましい。
〔ハードコート層〕
本発明のハードコート層は、活性エネルギー線硬化樹脂層であることが好ましく、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。例えば、特開昭59−151110号に記載の、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号)。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂の例として、用いられるエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物を示す。
(a)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの反応により、重合度の異なる混合物として得られる)
(b)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物
(c)4,4′−メチレンビスフェノールのグリシジルエーテル
(d)ノボラック樹脂またはレゾール樹脂のフェノールフォルムアルデヒド樹脂のエポキシ化合物
(e)脂環式エポキシドを有する化合物、例えば、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルピメレート)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−1′−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−6′−メチル−1′−シクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5′,5′−スピロ−3″,4″−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン
(f)2塩基酸のジグリシジルエーテル、例えば、ジグリシジルオキザレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート
(g)グリコールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
(h)ポリマー酸のグリシジルエステル、例えば、ポリアクリル酸ポリグリシジルエステル、ポリエステルジグリシジルエステル
(i)多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グルコーストリグリシジルエーテル
(j)2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテルとしては、前記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例と同様のもの
(k)含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては、上記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物等を挙げることが出来る。
上記エポキシ化合物の分子量は、平均分子量として2000以下で、好ましくは1000以下である。
上記のエポキシ化合物を活性エネルギー線により硬化する場合、より硬度を上げるためには、(h)または(i)の多官能のエポキシ基を有する化合物を混合して用いると効果的である。
エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。
活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
本発明に有用な活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する光重合開始剤または光増感剤により重合する。光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
かかる代表的なものは下記一般式(a)で表される化合物である。
一般式(a)
〔(R1a(R2b(R3c(R4dZ〕w+〔MeXvw-
式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
上記一般式(a)の陰イオン〔MeXvw-の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、テトラフルオロホスフェート(PF4 -)等を挙げることが出来る。
また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 -)、トルエンスルホン酸イオン等を挙げることが出来る。
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが有効であり、中でもVIA族芳香族オニウム塩、オキソスルホキソニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、チオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性けい素化合物系重合開始剤等を挙げることが出来る。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することが出来る。
また、エポキシアクリレート基を有する活性エネルギー線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の光増感剤を用いることが出来る。この活性エネルギー線反応性化合物に用いられる光増感剤や光開始剤は、紫外線反応性化合物100質量部に対して0.1質量部〜15質量部で光反応を開始するには十分であり、好ましくは1質量部〜10質量部である。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
本発明に有用な活性エネルギー線硬化樹脂組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性エネルギー線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質量部に対して0.1質量部〜15質量部の使用が好ましく、更に好ましくは、1質量部〜10質量部の範囲の添加が好ましい。
また、エポキシ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等と併用することも出来、この場合、活性エネルギー線ラジカル重合開始剤と活性エネルギー線カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
また、本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂層には、オキセタン化合物を用いることも出来る。
本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂層には、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダを上記記載の活性エネルギー線硬化樹脂に混合して使用することが出来る。これらの樹脂は、その分子中に極性基を持っていることが好ましい。極性基としては、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO32、−OPO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げることが出来る。
本発明に使用する活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性化させるエネルギー源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が最も好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、またはエキシマランプ等も用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、50mJ/cm2〜10000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50mJ/cm2〜2000mJ/cm2である。
また、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、付与する張力は30〜300N/mが好ましい。張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよい。
本発明に使用する上記活性エネルギー線硬化樹脂を光重合または光架橋反応を開始させるには、上記活性エネルギー線硬化樹脂のみでも開始するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かったりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましく、それにより重合を早めることが出来る。
(光反応開始剤、光増感剤)
本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂は、活性エネルギー線の照射時において光反応開始剤、光増感剤を用いることが出来る。
具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系樹脂の合成に光反応剤を使用する際に、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤及び/または光増感剤の使用量は、組成物の1質量%〜10質量%が好ましく、特に好ましくは2.5質量%〜6質量%である。
また、活性エネルギー線硬化樹脂として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合、前記紫外線硬化性樹脂の光硬化を妨げない程度に、後述する紫外線吸収剤を紫外線硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。
(酸化防止剤)
活性エネルギー線硬化樹脂層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることが出来る。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることが出来る。具体的には、例えば、4,4′−チオビス(6−tert−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスフェート等を挙げることが出来る。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アデカオプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業(株)製)、コーエイハードのA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業(株)製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業(株)製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー(株))、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製)、サンラッド H−601(三洋化成工業(株)製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製)、RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成(株)製)、またはその他の市販のものから適宜選択して利用することが出来る。
活性エネルギー線硬化樹脂を含む塗布組成物は、固形分濃度は10質量%〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
(界面活性剤)
本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂層は界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、シリコン系またはフッ素系界面活性剤が好ましい。
シリコン系界面活性剤としては、疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン界面活性剤が好ましい。
非イオン面活性剤は、水溶液中でイオンに解離する基を有しない界面活性剤を総称していうが、疎水基のほか親水性基として多価アルコール類の水酸基、また、ポリオキシアルキレン鎖(ポリオキシエチレン)等を親水基として有するものである。親水性はアルコール性水酸基の数が多くなるに従って、またポリオキシアルキレン鎖(ポリオキシエチレン鎖)が長くなるに従って強くなる。本発明に係わる非イオン界面活性剤は疎水基としてジメチルポリシロキサンを有することに特徴がある。
疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン界面活性剤を用いると、活性エネルギー線硬化樹脂層や低屈折率層のムラや膜表面の防汚性が向上する。ポリメチルシロキサンからなる疎水基が表面に配向し汚れにくい膜表面を形成するものと考えられる。他の界面活性剤を用いることでは得られない効果である。
これらの非イオン活性剤の具体例としては、例えば、日本ユニカー(株)製、シリコーン界面活性剤 SILWET L−77、L−720、L−7001、L−7002、L−7604、Y−7006、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2120、FZ−2122、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2166、FZ−2191等が挙げられる。
また、SUPERSILWET SS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804、SS−2805等が挙げられる。
また、これら、疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン系の界面活性剤の好ましい構造としては、ジメチルポリシロキサン構造部分とポリオキシアルキレン鎖が交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマーであることが好ましい。主鎖骨格の鎖長が長く、直鎖状の構造であることから、優れている。親水基と疎水基が交互に繰り返したブロックコポリマーであることにより、シリカ微粒子の表面を1つの活性剤分子が、複数の箇所で、これを覆うように吸着することが出来るためと考えられる。
これらの具体例としては、例えば、日本ユニカー(株)製、シリコーン界面活性剤 ABN SILWET FZ−2203、FZ−2207、FZ−2208等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、疎水基がパーフルオロカーボンチェインをもつ界面活性剤を用いることが出来る。種類としては、フルオロアルキルカルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−(フルオロアルキルオキシ)−1−アルキルスルホン酸ナトリウム、3−(ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−(3−パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)等が挙げられる。本発明では非イオン界面活性剤が好ましい。
これらのフッ素系界面活性剤はメガファック、エフトップ、サーフロン、フタージェント、ユニダイン、フローラード、ゾニール等の商品名で市販されている。
好ましい添加量は活性エネルギー線硬化樹脂層の塗布液に含まれる固形分当たり0.01〜3.0%であり、より好ましくは0.02〜1.0%である。
しかしながら、他の界面活性剤も併用して用いてもよく、適宜、例えばスルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、リン酸エステル塩系等のアニオン界面活性剤、また、ポリオキシエチレン鎖親水基として有するエーテル型、エーテルエステル型等の非イオン界面活性剤等を併用してもよい。
(活性エネルギー線硬化樹脂層の作製方法)
本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂層を塗設する際に溶媒が含まれていてもよく、必要に応じて適宜含有し、希釈されたものであってもよい。塗布液に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒の中でもから適宜選択し、あるいはこれらを混合し利用できる。プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等を5質量%以上、より好ましくは5〜80質量%以上含有する上記有機溶媒を用いるのが好ましい。
活性エネルギー線硬化樹脂層組成物塗布液の塗布方法としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等公知の方法を用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚で5μm〜30μmが適当で、好ましくは10μm〜20μmである。ドライ膜厚は0.1〜20μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。塗布速度は10m/分〜60m/分が好ましい。
活性エネルギー線硬化樹脂層組成物は塗布乾燥された後、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化処理されることが好ましいが、前記活性エネルギー線の照射時間は0.5秒〜5分が好ましく、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率等から更に好ましくは、3秒〜2分である。
(微粒子)
こうして得た活性エネルギー線硬化樹脂層には耐傷性、滑り性や屈折率を調整し、また防眩性を調整する為に、無機化合物あるいは有機化合物の微粒子を含んでもよい。
本発明における表面凹凸形状形成は凹凸型ローラを押し付けて形成するがのが基本である。しかし一般に行なわれる活性エネルギー線硬化樹脂層に凹凸形成を目的とした微粒子を含有させる方法を補助的に使用することもできる。
また、微粒子を、巻取り状態のブロッキングの発生防止の目的や、反射防止層との密着性向上や、基材の活性エネルギー線硬化樹脂層の屈折率を高くして反射防止層を積層する場合に反射率低減に寄与させる目的や、帯電防止機能の付与の目的や、搬送時の帯電緩和等の各種の目的で活性エネルギー線硬化樹脂層に含有させることができる。この場合、少量の微粒子の添加で上記効果を得られるようにし、ヘイズの上昇を生じさせないようにすることが好ましい。
活性エネルギー線硬化樹脂層に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。
また有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることができる。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜5μmが好ましく0.1〜5.0μm、さらには、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することが好ましい。紫外線硬化樹脂組成物と微粒子の割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂層の屈折率は、低反射性フィルムを得るための光学設計上から屈折率が1.5〜2.0、特に1.6〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂層の屈折率は添加する微粒子あるいは無機バインダーの屈折率や含有量によって調製することができる。
また、活性エネルギー線硬化樹脂層組成物塗布液には、特にシリコン化合物を添加することが好ましい。例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル等が好ましく添加される。ポリエーテル変性シリコーンオイルの数平均分子量は、例えば、1,000〜100,000、好ましくは、2,000〜50,000が適当であり、数平均分子量が1,000未満では、塗膜の乾燥性が低下し、逆に、数平均分子量が100,000を越えると、塗膜表面にブリードアウトしにくくなる傾向にある。
シリコン化合物の市販品としては、DKQ8−779(ダウコーニング社製商品名)、SF3771、SF8410、SF8411、SF8419、SF8421、SF8428、SH200、SH510、SH1107、SH3749、SH3771、BX16−034、SH3746、SH3749、SH8400、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、BY−16−837、BY−16−839、BY−16−869、BY−16−870、BY−16−004、BY−16−891、BY−16−872、BY−16−874、BY22−008M、BY22−012M、FS−1265(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン社製商品名)、KF−101、KF−100T、KF351、KF352、KF353、KF354、KF355、KF615、KF618、KF945、KF6004、シリコーンX−22−945、X22−160AS(以上、信越化学工業社製商品名)、XF3940、XF3949(以上、東芝シリコーン社製商品名)、ディスパロンLS−009(楠本化成社製)、グラノール410(共栄社油脂化学工業(株)製)、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(GE東芝シリコーン製)、BYK−306、BYK−330、BYK−307、BYK−341、BYK−344、BYK−361(ビックケミ−ジャパン社製)日本ユニカー(株)製のLシリーズ、Yシリーズ、FZシリーズ等が挙げられ、好ましく用いられる。
これらの成分は基材や下層への塗布性を高める。積層体最表面層に添加した場合には、塗膜の撥水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐擦り傷性にも効果を発揮する。これらの成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化樹脂層には導電性を有する金属酸化物微粒子を含有することも出来る。導電性を有する金属酸化物微粒子としては、Zr、Sn、Sb、As、Zn、Nb、In、Alから選択される金属酸化物微粒子が好ましく、具体的には、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO(インジウムティンオキサイド)、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウムを挙げることができる。特に、ITO等が好ましく用いられる。
また、活性エネルギー線硬化樹脂層は、2層以上の重層構造を有していてもよく、その中の1層は例えば前記導電性微粒子、あるいは、イオン性ポリマーを含有する所謂帯電防止層としてもよいし、また、種々の表示素子に対する色補正用フィルタとして色調調整機能を有する色調調整剤を含有させてもよいし、また電磁波遮断剤あるいは赤外線吸収剤等を含有させそれぞれの機能を有するようにすることも出来る。
更に、本発明においては、フレキソ印刷方式、インクジェット方式等により、透明支持体フィルムに形成した凹凸形状よりも小さい凹凸を、予め透明支持体フィルム上に形成されハードコート層が塗設された凹凸上に設けることは、防眩性の風合いを変えて多様なユーザーの好みを満足させる方式として好ましい。
(フレキソ印刷)
一般にフレキソ印刷とは、フレキシブルなゴム又は樹脂からなる凸版と、水又はアルコールを主とする溶剤系の蒸発乾燥型のインキを用いた印刷方法である。被印刷体は、紙の他にポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの延伸、又は未延伸樹脂フィルムなど吸収性、非吸収性のフィルムの印刷に多用されていた。一方、ドラム型の印刷機(単胴型、共通圧胴型)は、中央の大きい単一の圧胴の周囲に4〜6個の印刷ユニットを設けたもので、長尺帯状の被印刷体は圧胴に巻かれた状態で走行・印刷される特徴がある。したがって、薄くて伸縮しやすい、プラスチックフィルムやアルミニウム箔などの印刷にも適するものである。
本発明では、凹凸部のあるハードコート層表面へ更に微細凹凸構造を重ねて形成するのにフレキソ印刷を好ましく用いることが出来る。
本発明に用いられるフレキソ印刷について図をもって説明する。
図6は本発明に用いられるフレキソ印刷の一例を示す模式図である。
連続走行するハードコート層を設けた透明支持体フィルムFは圧胴15と樹脂版ロール12と転移印刷後にハードコート層上に微細凹凸構造を形成するシームレス樹脂版11によって構成される版胴13に挟まれ、ドクターブレード16によって転移インキ量が調整されたアニロックスロール14によってインキ18を版胴13に供給し基材フィルム上に転移印刷される。
フレキソ印刷における、版胴13に対するインキ供給は、アニロックスロール14により行われ、アニロックスロール面のインキ量の制御は、図1に示すドクターブレード方式が好ましい。
図6に示すドクターブレード方式における、版胴13へのインキ転移量は、アニロックスロール14の彫刻線数とセルの形状で決まりインキ転移量としては安定出来るものである。アニロックスロールの材質は、鉄シリンダー表面に銅メッキ等を行ったタイプ、またはセラミックコーテイングしたタイプがあるが、耐摩耗性及び、彫刻線数の細線化が容易な点からセラミックコーテイングしたタイプが好ましい。好ましくは図6に示すようなフレキソ印刷装置により、50〜1000mm径のシームレス樹脂版11を樹脂版ロール12に装着した版胴13と、好ましくはセラミックスコーティングしたアニロックスロール14とを用いて、透明支持体フィルムFにインキを転移印刷することにより微細凹凸構造を形成し、防眩性フィルムを作製することが出来る。上記樹脂版ロール12の材質は特に限定されるものではなく、強度を維持出来るものであればよく、鉄、ステンレス、アルミ等の金属、または合成または天然ゴムであることが好ましく、金属とゴムの複合部材でもよい。樹脂版ロール12の径はシームレス樹脂版11が樹脂版ロール12に装着された時の径(ロールの直径)が50〜1000mmの範囲になるように選択されることが好ましい。シームレス樹脂版11の径が50mm未満では回転速度が速過ぎて強度を維持出来ないこと、また微細凹凸パターンの繰り返しの周期が短くて防眩効果が低下することがあり好ましくない。径が1000mmを超えると、装置が大きくなり過ぎて運転費用がかかりコスト的に不利であり、また回転むらが生じやすく防眩効果が低下する。シームレス樹脂版11に用いる樹脂版は、光反応物質であるポリマーとモノマーとの光重合を応用した感光性樹脂版を用いることが好ましい。この感光性樹脂版は、フォトポリマー、紫外線の露光により光重合するモノマー、ポリマーとモノマー間とで光重合を開始する増感剤、及び版材の物理的性状を調整する可塑剤等の組成物から構成され、感光性樹脂版上に従来のマスク製版により凹凸パターンを刻印するか、または、シリンダー(軸芯)の全面に塗布等により設けた感光性樹脂層にレーザー光を照射することにより直接凹凸パターンを彫刻することも出来る。
ハードコート層上に好ましい微細凹凸形状を印刷作製出来るように上記感光性樹脂版上に版を作製することが好ましい。
フレキソ印刷のインキとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、前記ハードコート層に用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂と同じ樹脂を用いることが出来、紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
また、インキには、二酸化ケイ素等の微粒子やSnO2、ITO、ZnO等の導電性微粒子や架橋カチオンポリマー粒子等の帯電防止剤を含有させることも好ましい。
フレキソ印刷により形成した微細凹凸構造が活性エネルギー線硬化型樹脂を含む場合、活性エネルギー線の照射方法としては、インキをハードコート層上に転移印刷させた後、活性エネルギー線を照射することが好ましい。照射のタイミングは形成する凹凸形状を考慮して決定することが出来、凹凸形状が明確であり高い凸部を形成する場合は、転移印刷後速やかに照射することが好ましく、また比較的凹凸形状がゆるやかで低い凸部を形成する場合は、転移印刷後時間をおいて照射することが出来る。例えば、転移印刷後2sec〜2min後に照射することが出来る。
インキをハードコート層上上に転移印刷させた直後とは、具体的にはインキが転移印刷後0.001〜2.0秒までの間に照射を始めることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒の間である。
また、インキが転移印刷した直後の活性エネルギー線の照射は、転移印刷したインキの流動性を低下させ、所望の凹凸構造が形成出来る程度に照射すればよく、ハーフキュア状態でもよい。この場合には、別途下流側に設置した活性エネルギー線を照射して、完全に硬化させることが出来る。微細凹凸構造の形成が複数回のフレキソ印刷によって行われることも好ましく、この場合は最初のフレキソ印刷によりインキを転移印刷した後に上記活性エネルギー線によりハーフキュア状態までインキを硬化させ、次のフレキソ印刷、活性エネルギー線によるインキ硬化を順次繰り返し、最下流側に設置した活性エネルギー線照射により、完全に硬化させることが好ましい。
本発明に使用することが出来る活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、γ線等で、防眩性付与組成物である活性エネルギー線硬化型樹脂を活性化させる光源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、またはエキシマランプ等も用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は1mJ/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、20mJ/cm2〜10000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50mJ/cm2〜2000mJ/cm2である。
また、電子線も同様に使用出来る。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることが出来る。
活性エネルギー線照射の時の雰囲気中の酸素濃度は10%以下、特に1%以下であることが好ましい。また、活性エネルギー線の硬化反応を効率的に進めるため、透明支持体フィルム等を加熱することも好ましい。加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、或いは転移印刷したインキ表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、フレキソ印刷部の透明支持体フィルムを挟んで反対側に用いられるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。
加熱温度としては、使用する活性エネルギー線硬化型樹脂の種類により一概には規定出来ないが、基材フィルムへの熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
フレキソ印刷に用いるインキが熱硬化性樹脂の場合は、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミドなどを挙げることが出来る。フレキソ印刷により形成した微細凹凸構造が熱硬化性樹脂を含む場合、加熱方法としては、インキを透明支持体フィルム上に転移印刷させた直後に、加熱処理を行うことが好ましい。インキを透明支持体フィルム上に転移印刷させた直後とは、具体的にはインキが転移印刷と同時または5秒以内に加熱が開始されることが好ましく、予め透明支持体フィルムの温度を上げておくことが出来る。例えば、透明支持体フィルムをヒートロール上に巻き付けて、これにインキを転移印刷させることが出来、より好ましくは転移印刷と同時または2.0秒の間である。また、ノズル部と加熱部の距離が接近し過ぎて、熱がヘッド部に伝達すると、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため注意が必要である。また、必要に応じて加熱間隔が5.0秒を超えることによって、転移印刷したインキの流動、変形させなだらかな微細凹凸構造を得ることも出来る。
加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、或いは転移印刷したインキ表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、フレキソ印刷部の透明支持体フィルムを挟んで反対側に設けるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。加熱温度としては、使用する熱硬化性樹脂の種類により一概には規定出来ないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
図7は透明支持体フィルム上にフレキソ印刷により(a)一回、及び(b)複数回のフレキソ印刷で微細凹凸構造の形成を行う製造方法の一例である。詳しくは、透明支持体フィルム上にハードコート層を塗布方式で塗設した後、フレキソ印刷で微細凹凸構造を有する防眩層を形成する製造工程の一例を示してある。
図7(a)において、ロール501より繰り出された透明支持体フィルム502は、搬送されて、第1コータステーションAで、押出し方式の第1コータ503によりハードコート層を塗設する。このとき、ハードコート層は単層構成でも、複数から構成されている層でもよい。また、幅手方向で膜厚を変更して塗設してもよい。ハードコート層を塗設した透明支持体フィルム502は、次いで乾燥ゾーン505Aで乾燥が行われる。乾燥は、透明支持体フィルム502の両面より、温湿度が制御された温風により乾燥が施される。ハードコート層にバインダーとして活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた場合には、乾燥後、活性エネルギー線照射部506Aで、活性エネルギー線、例えば紫外線等を照射して硬化させたり、或いは照射量や照射条件を制御してハーフキュア状態とすることも出来る。活性エネルギー線照射部506Aで透明支持体フィルム502は、20〜120℃に温度制御されたバックロールに巻いた状態で照射することも出来る。
次いで、フレキソ印刷を用いた微細凹凸形成を行うフレキソ印刷部Bに搬送されるが、ハードコート層は、ハーフキュア状態であることが好ましい。インキ供給タンク508からインキ液がアニロックスロール510へ供給され、フレキソ印刷部である微細凹凸構造を有する樹脂版509にインキが転移される。
また、転移印刷による衝撃によって凸部の形状が大きく変形したり、つぶれないようにゆるやかに転移印刷させることも好ましく、例えばインキ粘度、樹脂版のゴム硬度、印刷速度等を調整することも好ましい。
転移印刷したインキは、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いている場合には、フレキソ印刷部である樹脂版509の後に配置されている活性エネルギー線照射部506Bで、活性エネルギー線、例えば紫外線等を照射して硬化させる。また、インキが熱硬化性樹脂を用いている場合には、乾燥ゾーン505B、例えば、ヒートプレートにより加熱、硬化される。また、バックロール504Bをヒートロールとして加熱する方法も好ましい。
フレキソ印刷部Bにおいて、活性エネルギー線照射部506Bの照射光が、樹脂版509のインキに直接影響を与えないように、活性エネルギー線照射部506Bと樹脂版509とを適度な間隔で配置する、或いは活性エネルギー線照射部506Bと樹脂版509との間に、遮光壁等を設置することが好ましい。また、乾燥ゾーン505Bの熱が、樹脂版509のインキに直接影響を与えないように、樹脂版509を断熱カバーで被覆する、或いは図で示すように、乾燥ゾーン505Bの乾燥風が遮断されるような仕切りを設置することが好ましい。
転移印刷したインキにより形成された微細凹凸構造が維持出来る程度に硬化処理を行った透明支持体フィルム502は、乾燥ゾーン505Bで不要な有機溶媒等を蒸発させた後、更に活性エネルギー線照射部506Cで、活性エネルギー線を照射して、硬化を完了させる。
活性エネルギー線照射部506Cの部分では、20〜120℃に温度制御されたバックロール504C上の透明支持体フィルム502に活性エネルギー線を照射することが好ましい。
図7(b)は、複数回のフレキソ印刷で微細凹凸構造形成を行う方法の一例であり、図7(a)のフレキソ印刷部Bの後に樹脂版の径を変えたフレキソ印刷部Cを設置し、2回の印刷を行う製造フローを示している。
フレキソ印刷による微細凹凸構造を形成する方法は、透明支持体フィルムを1〜500m/min、好ましくは10〜300m/minで移送しながら形成することが好ましい。
インキを転移印刷させる際の透明支持体フィルムは帯電に斑がないことが好ましく、直前で徐電することが好ましく、或いは均一に帯電させてもよい。
次いで、ハードコート層上に光または加熱して硬化する樹脂をインクジェット法により印刷し、光または加熱により硬化してハードコート層表面の凹凸部に更に微細凹凸形状を形成する方法について説明する。
(インクジェット方式)
インクジェットヘッドとしては特開2004−58505記載の静電吐出型インクジェットヘッドを用いることも出来、特開2004−58532記載の液体吐出ヘッド、特開2004−54271記載のインクジェットパターニング装置を用いることも出来、特開2004−55520記載の噴射ヘッドを用いることも出来、登録3,5000,636号記載のインクジェットヘッドを用いることも出来、登録3,501,583号記載のインクジェット記録システムを凹凸形状の形成に用いることも出来る。
微細凹凸形状の形成方法は、多ノズルからインク小液滴を吐出して形成するインクジェット方式を用いることが好ましく、図8に、本発明で好ましく用いることの出来るインクジェット方式の一例を示す。
図8において、図8のa)は、インクジェットヘッド20を透明支持体フィルム1の幅手方向に配置し、透明支持体フィルム1を搬送しながらその表面に微細凹凸形状を形成する方法(ラインヘッド方式)であり、図8のb)はインクジェットヘッド10が副走査方向に移動しながらその表面に微細凹凸形状を形成する方法(フラットヘッド方式)であり、図8のc)はインクジェットヘッド10が、透明支持体フィルム1上の幅手方向を走査しながらその表面に微細凹凸形状を形成する方法(キャプスタン方式)であり、いずれの方式も用いることが出来るが、本発明においては、生産性の観点からラインヘッド方式が好ましい。この様な方式のインクジェットヘッドを用いることで、透明支持体フィルム上に任意の位置で、かつ任意なパターンの凹凸部を容易に形成することが出来る。その為従来の塗布方式やエンボス加工方式と比べてインクジェットによる方法は自由度が高く優れている。
図8のa)〜c)に記載の29は、インクとして活性エネルギー線硬化型樹脂を用いる場合に使用する活性エネルギー線照射部である。
本発明では、微細な凹凸を形成するため、インク液滴としては0.1〜100plが好ましく、0.1〜50plがより好ましく、0.1〜10plが特に好ましい。上記条件でインク液滴を出射することにより、視認性にも優れる微細な凹凸を有する防眩性反射防止フィルムを得ることが出来る。
また、インク液滴の粘度は、25mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることが更に好ましい。着弾時のインク粘度は吐出時のインク粘度より高いことが好ましく、15mPa・s以上であることが好ましく、更に好ましくは25mPa・s以上である。着弾時の粘度が高いほどRaが大きな凹凸を形成しやすく、所望の凹凸形状を形成するために粘度は適宜調整することが好ましい。
本発明に用いられるインクジェット方式で用いるインクは、防眩性付与組成物として、活性エネルギー線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂であることが好ましく、上記フレキソ印刷の項で説明した活性エネルギー線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を用いることが出来る。本発明では紫外線硬化型樹脂を用いることが最も好ましい
本発明では、上記で説明したインクジェット記録装置、画像形成方法に限定されることはなく、この他、特開2001−260368に記載のインクジェット式記録ヘッドを用いる画像形成装置および画像形成方法、特開2003−136740記載のインクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法、特開2003−154671記載のクリーニング機構を備えたインクジェット記録装置等を用いることも好ましい。
更に、特開2003−191594に記載の画像形成方法、インク、記録装置などを用いることが好ましく、特に選択的にインク滴の吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドで、活性エネルギー線照射により硬化するインクを吐出する画像形成方法において、記録材料の種類によって、インク着弾後の活性エネルギー線照射条件を変えることを特徴とする画像形成方法を用いることも好ましい。
或いは、特開2003−213183記載の放射線硬化性インクジェット用インク及びインクジェット記録方法、特開2003−231267記載のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法、特開2003−237061記載の画像形成方法、インク、記録装置、特開2003−251796記載の画像形成方法等を適宜本発明に用いることも好ましい。
〔反射防止層〕
本発明では、前記ハードコート層の表面に反射防止層を設け防眩性反射防止フィルムとする。
本発明に用いられる反射防止層について説明する。
本発明に用いられる低屈折率層は、波長λの光に対して低屈折率層の光学膜厚をλ/4に設定して反射防止フィルムを作製する。光学膜厚とは、層の屈折率nと膜厚dとの積により定義される量である。屈折率の高低はそこに含まれる金属または化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物はさらに低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定により計算して算出し得る。
本発明の防眩性反射防止フィルムは低屈折率層を含め、多層の屈折率層を設けることも好ましい。透明なセルロースエステルフィルム支持体上に、活性エネルギー線硬化樹脂層を有し、光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層できる。反射防止層は、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成したり、特に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体または活性エネルギー線硬化樹脂層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましい。
または、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。
本発明に係る反射防止フィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。ここで/は積層配置されていることを示している。
バックコート層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/ハードコート層/低屈折率層
バックコート層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/ハードコート層/中屈折率層/低屈折率層
バックコート層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
バックコート層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
バックコート層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
帯電防止層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
バックコート層/凹凸形状付与透明支持体フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
汚れや指紋のふき取りが容易となるように、最表面の低屈折率層の上に、さらに防汚層を設けることもできる。防汚層としては、含フッ素有機化合物が好ましく用いられる。また、前記層構成の例で裏面側に設けているバックコート層は省くことも出来る。
光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものではない。また、帯電防止層は導電性ポリマー微粒子(例えば架橋カチオン微粒子)または金属酸化物微粒子(例えば、SnO2、ITO等)を含む層であることが好ましく、塗布によって設けることができる。または大気圧プラズマ処理、プラズマCVD等によって金属酸化物層(ZnO2、SnO2、ITO等)を設けることができる。
〈低屈折率層〉
本発明に用いられる低屈折率層では以下の中空シリカ系微粒子が好ましく用いられる。
(中空シリカ系微粒子)
中空微粒子は、(I)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層とからなる複合粒子、または(II)内部に空洞を有し、かつ内容物が溶媒、気体または多孔質物質で充填された空洞粒子である。尚、低屈折率層には(I)複合粒子または(II)空洞粒子のいずれかが含まれていればよく、また双方が含まれていてもよい。
尚、空洞粒子は内部に空洞を有する粒子であり、空洞は粒子壁で囲まれている。空洞内には、調製時に使用した溶媒、気体または多孔質物質等の内容物で充填されている。このような中空球状微粒子の平均粒子径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあることが望ましい。使用される中空球状微粒子は、形成される透明被膜の厚さに応じて適宜選択され、形成される低屈折率層等の透明被膜の膜厚の2/3〜1/10の範囲にあることが望ましい。これらの中空球状微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)及びケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケトンアルコール(例えばジアセトンアルコール)が好ましい。
複合粒子の被覆層の厚さまたは空洞粒子の粒子壁の厚さは、1〜20nm、好ましくは2〜15nmの範囲にあることが望ましい。複合粒子の場合、被覆層の厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆することが出来ないことがあり、後述する塗布液成分である重合度の低いケイ酸モノマー、オリゴマー等が容易に複合粒子の内部に進入して内部の多孔性が減少し、低屈折率の効果が十分得られないことがある。また、被覆層の厚さが20nmを越えると、前記ケイ酸モノマー、オリゴマーが内部に進入することはないが、複合粒子の多孔性(細孔容積)が低下し低屈折率の効果が十分得られなくなることがある。また空洞粒子の場合、粒子壁の厚さが1nm未満の場合は、粒子形状を維持出来ないことがあり、また厚さが20nmを越えても、低屈折率の効果が十分に現れないことがある。
複合粒子の被覆層または空洞粒子の粒子壁は、シリカを主成分とすることが好ましい。また、シリカ以外の成分が含まれていてもよく、具体的には、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P23、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3等が挙げられる。複合粒子を構成する多孔質粒子としては、シリカからなるもの、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、CaF2、NaF、NaAlF6、MgF等からなるものが挙げられる。このうち特にシリカとシリカ以外の無機化合物との複合酸化物からなる多孔質粒子が好適である。シリカ以外の無機化合物としては、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P23、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3等との1種または2種以上を挙げることが出来る。このような多孔質粒子では、シリカをSiO2で表し、シリカ以外の無機化合物を酸化物換算(MOX)で表したときのモル比MOX/SiO2が、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.3の範囲にあることが望ましい。多孔質粒子のモル比MOX/SiO2が0.0001未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても細孔容積が小さく、屈折率の低い粒子が得られない。また、多孔質粒子のモル比MOX/SiO2が、1.0を越えると、シリカの比率が少なくなるので、細孔容積が大きくなり、更に屈折率が低いものを得ることが難しいことがある。
このような多孔質粒子の細孔容積は、0.1〜1.5ml/g、好ましくは0.2〜1.5ml/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.1ml/g未満では、十分に屈折率の低下した粒子が得られず、1.5ml/gを越えると微粒子の強度が低下し、得られる被膜の強度が低下することがある。尚、このような多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法によって求めることが出来る。また、空洞粒子の内容物としては、粒子調製時に使用した溶媒、気体、多孔質物質等が挙げられる。溶媒中には空洞粒子調製する際に使用される粒子前駆体の未反応物、使用した触媒等が含まれていてもよい。また多孔質物質としては、前記多孔質粒子で例表した化合物からなるものが挙げられる。これらの内容物は、単一の成分からなるものであってもよいが、複数成分の混合物であってもよい。
このような中空球状微粒子の製造方法としては、例えば特開平7−133105号公報の段落番号[0010]〜[0033]に開示された複合酸化物コロイド粒子の調製方法が好適に採用される。
このようにして得られた中空微粒子の屈折率は、内部が空洞であるので屈折率が低く、それを用いた本発明に用いられる低屈折率層の屈折率は、1.30〜1.50であることが好ましく、1.35〜1.44であることが更に好ましい。
外殻層を有し、内部が多孔質または空洞である中空シリカ系微粒子の低屈折率層塗布液中の含量(質量)は、10〜80質量%が好ましく、更に好ましくは20〜60質量%である。
(テトラアルコキシシラン化合物またはその加水分解物)
本発明に用いられる低屈折率層には、ゾルゲル素材としてテトラアルコキシシラン化合物またはその加水分解物が含有されることが好ましい。
本発明に用いられる低屈折率層用の素材として、前記無機珪素酸化物以外に有機基を有する珪素酸化物を用いることも好ましい。これらは一般にゾルゲル素材と呼ばれるが、金属アルコレート、オルガノアルコキシ金属化合物及びその加水分解物を用いることが出来る。特に、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン及びその加水分解物が好ましい。これらの例としては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、アリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン等が挙げられる。
本発明に用いられる低屈折率層は前記珪素酸化物と下記シランカップリング剤を含むことが好ましい。
具体的なシランカップリング剤の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
また、珪素に対して2置換のアルキル基を持つシランカップリング剤の例として、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、信越化学工業株式会社製KBM−303、KBM−403、KBM−402、KBM−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−603、KBE−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−802、KBM−803等が挙げられる。
これらシランカップリング剤は予め必要量の水で加水分解されていることが好ましい。シランカップリング剤が加水分解されていると、前述の珪素酸化物粒子及び有機基を有する珪素酸化物の表面が反応し易く、より強固な膜が形成される。また、加水分解されたシランカップリング剤を予め塗布液中に加えてもよい。
また、低屈折率層は、5〜50質量%の量のポリマーを含むことも出来る。ポリマーは、微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持出来るように調整する。ポリマーの量は、低屈折率層の全量の10〜30質量%であることが好ましい。ポリマーで微粒子を接着するためには、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させるか、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシェルを形成するか、或いは(3)微粒子間のバインダーとして、ポリマーを使用することが好ましい。
バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが更に好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。
また、本発明に用いられる低屈折率層が、熱または電離放射線により架橋する含フッ素樹脂(以下、「架橋前の含フッ素樹脂」ともいう)の架橋からなる低屈折率層であってもよい。
架橋前の含フッ素樹脂としては、含フッ素ビニルモノマーと架橋性基付与のためのモノマーから形成される含フッ素共重合体を好ましく挙げることが出来る。上記含フッ素ビニルモノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えば、ビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。架橋性基付与のためのモノマーとしては、グリシジルメタクリレートや、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルグリシジルエーテル等のように分子内に予め架橋性官能基を有するビニルモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有するビニルモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル等)が挙げられる。後者は共重合の後、ポリマー中の官能基と反応する基ともう1つ以上の反応性基を持つ化合物を加えることにより、架橋構造を導入出来ることが特開平10−25388号、同10−147739号に記載されている。架橋性基の例には、アクリロイル、メタクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシル、メチロール及び活性メチレン基等が挙げられる。含フッ素共重合体が、加熱により反応する架橋基、若しくは、エチレン性不飽和基と熱ラジカル発生剤若しくはエポキシ基と熱酸発生剤等の相み合わせにより、加熱により架橋する場合、熱硬化型であり、エチレン性不飽和基と光ラジカル発生剤若しくは、エポキシ基と光酸発生剤等の組み合わせにより、光(好ましくは紫外線、電子ビーム等)の照射により架橋する場合、電離放射線硬化型である。
架橋前の含フッ素共重合体を形成するために用いられる上記各モノマーの使用割合は、含フッ素ビニルモノマーが好ましくは20〜70モル%、より好ましくは40〜70モル%、架橋性基付与のためのモノマーが好ましくは1〜20モル%、より好ましくは5〜20モル%、併用されるその他のモノマーが好ましくは10〜70モル%、より好ましくは10〜50モル%の割合である。
本発明に用いられる低屈折率層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号)により、塗布により形成することが出来る。また、2以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2,761,791号、同2,941,898号、同3,508,947号、同3,526,528号及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
本発明に用いられる低屈折率層の膜厚は50〜200nmであることが好ましく、60〜150nmであることがより好ましい。
〈高屈折率層及び中屈折率層〉
本発明においては、反射率の低減のために凹凸形状の透明支持体、ハードコート層と低屈折率層との間に、高屈折率層を設けることが好ましい。また、該透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率層を設けることは、反射率の低減のために更に好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の厚さは、5nm〜1μmであることが好ましく、10nm〜0.2μmであることが更に好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
本発明に用いられる中、高屈折率層は下記一般式(1)で表される有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層であることが好ましい。
一般式(1) Ti(OR14
式中、R1としては炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基がよいが、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。また、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、アルコキシド基が加水分解を受けて−Ti−O−Ti−のように反応して架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることが出来る。中でもTi(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体が特に好ましい。
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0質量%〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50質量%〜90質量%がより好ましく、55質量%〜90質量%が更に好ましい。この他、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(予め有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)或いは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
本発明に好ましく用いられる高屈折率層及び中屈折率層は、金属酸化物微粒子を固形成分として20〜90%(質量比率)の範囲で含有し、更にバインダーポリマーを含むことが好ましい。微粒子として金属酸化物粒子を含み、更にバインダーポリマーを含むことが好ましい。
上記塗布液調製法で加水分解/重合した有機チタン化合物と金属酸化物粒子を組み合わせると、金属酸化物粒子と加水分解/重合した有機チタン化合物とが強固に接着し、粒子のもつ硬さと均一膜の柔軟性を兼ね備えた強い塗膜を得ることが出来る。
高屈折率層及び中屈折率層に用いる金属酸化物粒子は、屈折率が1.80〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.80であることが更に好ましい。金属酸化物粒子の1次粒子の重量平均径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることが更に好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。層中での金属酸化物粒子の重量平均径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが更に好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。金属酸化物粒子の平均粒径は、20〜30nm以上であれば光散乱法により、20〜30nm以下であれば電子顕微鏡写真により測定される。金属酸化物粒子の比表面積は、BET法で測定された値として、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることが更に好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
金属酸化物粒子の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種の元素を有する金属酸化物であり、具体的には二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、及び酸化ジルコニウムが挙げられる。中でも、酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。金属酸化物粒子は、これらの金属の酸化物を主成分とし、更に他の元素を含むことが出来る。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びS等が挙げられる。
金属酸化物粒子は表面処理されていることが好ましい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施することが出来る。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄が挙げられる。中でもアルミナ及びシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられる。中でも、シランカップリング剤が最も好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層中の金属酸化物粒子の割合は、5〜95体積%であることが好ましく、より好ましくは20〜90体積%であり、更に好ましくは40〜85体積%である。
上記金属酸化物粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、高屈折率層及び中屈折率層を形成するための塗布液に供される。金属酸化物粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
また金属酸化物粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することが出来る。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。
本発明に用いられる高屈折率層及び中屈折率層は、架橋構造を有するポリマー(以下、架橋ポリマーともいう)をバインダーポリマーとして用いることが好ましい。架橋ポリマーの例として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素鎖を有するポリマー、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げられる。中でも、ポリオレフィン、ポリエーテル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルの架橋物が更に好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も好ましい。
前記バインダーポリマーに用いられるモノマーとしては、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが最も好ましいが、その例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミド等が挙げられる。アニオン性基を有するモノマー、及びアミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは市販のモノマーを用いてもよい。好ましく用いられる市販のアニオン性基を有するモノマーとしては、KAYAMARPM−21、PM−2(日本化薬(株)製)、AntoxMS−60、MS−2N、MS−NH4(日本乳化剤(株)製)、アロニックスM−5000、M−6000、M−8000シリーズ(東亞合成化学工業(株)製)、ビスコート#2000シリーズ(大阪有機化学工業(株)製)、ニューフロンティアGX−8289(第一工業製薬(株)製)、NKエステルCB−1、A−SA(新中村化学工業(株)製)、AR−100、MR−100、MR−200(第八化学工業(株)製)等が挙げられる。また、好ましく用いられる市販のアミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーとしてはDMAA(大阪有機化学工業(株)製)、DMAEA,DMAPAA(興人(株)製)、ブレンマーQA(日本油脂(株)製)、ニューフロンティアC−1615(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
ポリマーの重合反応は、光重合反応または熱重合反応を用いることが出来る。特に光重合反応が好ましい。重合反応のため、重合開始剤を使用することが好ましい。例えば、活性エネルギー線硬化樹脂層のバインダーポリマーを形成するために用いられる熱重合開始剤、及び光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤として市販の重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤に加えて、重合促進剤を使用してもよい。重合開始剤と重合促進剤の添加量は、モノマーの全量の0.2〜10質量%の範囲であることが好ましい。
反射防止層の各層またはその塗布液には、前述した成分(金属酸化物粒子、ポリマー、分散媒体、重合開始剤、重合促進剤)以外に、重合禁止剤、レベリング剤、増粘剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、帯電防止剤や接着付与剤を添加してもよい。
本発明に用いられる中〜高屈折率層及び低屈折率層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解または硬化を促進するため、活性エネルギー線を照射することが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに活性エネルギー線を照射することである。
前記活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm2〜2,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、400mJ/cm2〜2,000mJ/cm2である。
〔偏光板〕
本発明に用いられる偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明に係る防眩性反射防止フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面には該フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KV8UY−HA、KV8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)が好ましく用いられる。本発明に係る防眩性反射防止フィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは面内リターデーションRoが590nmで、20〜70nm、Rtが100〜400nmの位相差を有していることが好ましい。これらは例えば、特開2002−71957、同2003−170492記載の方法で作製することができる。または、さらにディスコチック液晶等の液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることが好ましい。例えば、特開2003−98348記載の方法で光学異方性層を形成することができる。本発明に係る防眩性反射防止フィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができる。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。該偏光膜の面上に、本発明に係る防眩性反射防止フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
従来の防眩性反射防止フィルムを使用した偏光板は平面性に劣り、反射像を見ると細かい波打ち状のムラが認められ、60℃、90%RHの条件での耐久性試験により、波打ち状のムラが増大したが、これに対して本発明に係る防眩性反射防止フィルムを用いた偏光板は、平面性に優れていた。また、60℃、90%RHの条件での耐久性試験によっても波打ち状のムラが増加することはなかった。
〔画像表示装置〕
本発明の防眩性反射防止フィルム若しくは偏光板を画像表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた画像表示装置を作製することができる。本発明に係る防眩性反射防止フィルムは反射型、透過型、半透過型LCDまたはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。また、本発明に係る防眩性反射防止フィルムは平面性に優れ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー等の各種表示装置にも好ましく用いられる。特に画面が30型以上、特に30型〜54型の大画面の表示装置では、画面周辺部での白抜け等もなく、その効果が長期間維持され、特にMVA型画像表示装置では顕著な効果が認められる。また、色ムラ、ギラツキや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
〔凹凸型ローラ〕
実施例で用いる凹凸型ローラを列挙する。
(1)金属製エンボスローラ 表面平均粗さ 0.6μ、平均凹凸周期20μ
(2)金属製エンボスローラ 表面平均粗さ 0.4μ、平均凹凸周期15μ
(3)シリコンゴム平滑ローラ 表面平均粗さ 0.05μ
(4)シリコンゴムローラ 表面平均粗さ 0.6μ、平均凹凸周期15μ
(5)シリコンゴムローラ 表面平均粗さ 0.8μ、平均凹凸周期20μ
(6)シリコンゴムローラ 表面平均粗さ 1.0μ、平均凹凸周期30μ
(7)シリコンゴムローラ 表面平均粗さ 2.0μ、平均凹凸周期30μ
金属製エンボスローラ(1)、(2)についてはサンドブラスト法にて凹凸形状を加工し、シリコンゴムローラ(4)〜(7)についてはエッチング法にて凹凸形状を加工した。
〔防眩性反射防止フィルム1の作製〕
(セルローストリアセテートフィルム1の作製)
下記のようにして、下記ドープ組成物1を用いて透明なセルローストリアセテートフィルム1を作製した。
〈ドープ組成物1〉
セルローストリアセテート(平均酢化度62.0%) 100質量部
可塑剤(トリメチロールプロパントリベンゾエート) 5質量部
可塑剤(エチルフタリルエチルグリコレート) 5質量部
紫外線吸収剤(2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール) 1質量部
紫外線吸収剤(2−〔(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール) 1質量部
微粒子(アエロジルR972V、日本アエロジル(株)製) 0.3質量部
メチレンクロライド 430質量部
エタノール 90質量部
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。
次に、このドープ組成物を濾過し、冷却して33℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延した。ステンレスバンド上で、残留溶媒量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムのウェブを図1で示す凹凸型ローラ3、3′、それと対向するゴム製バックロール4を用いてウェブの両面に凹凸形状を形成した。その際、B面(ウェブがステンレスバンド面に接する側:本実施例では視認側)には凹凸型ローラ3として上記凹凸型ローラ(1)を用い、A面(ウェブがステンレスバンド面に接する側とは反対の側:裏面側)には凹凸型ローラ3′として上記凹凸型ローラ(3)を用いた。
次いで50℃で溶媒を蒸発させ、1.7m幅にスリットし、その後、テンターでTD方向(フィルムの搬送方向と直交する方向)に120℃で1.1倍に延伸した。テンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は20%であった。さらに加熱ゾーンを多数のロールで搬送しながら残留溶剤量が0.1%になるまで高温処理した後、1.5m幅にスリットし、フィルム両端にナーリング加工を施して巻き取り、膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム1を得た。
(ハードコート層1の塗設)
上記セルローストリアセテートフィルム1のB面上に下記ハードコート層塗布液1をダイコーターにてドライ膜厚として5μmになるように塗布した後、ハードコート層の残留溶媒量が2%以下になるまで乾燥した。
〈ハードコート層塗布液1〉
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布液1とした。
アクリルモノマー;KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 226質量部
イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ製) 25質量部
FZ−2222(日本ユニカー製、10%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 101質量部
酢酸エチル 101質量部
(反射防止層の塗設)
反射防止層の屈折率の測定は下記の通りである。
(屈折率)
各屈折率層の屈折率は、各層を単独で下記で作製したハードコートフィルム上に塗設したサンプルについて、分光光度計の分光反射率の測定結果から求めた。分光光度計はU−4000型(日立製作所製)を用いて、サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定を行った。
(高、低屈折率層の塗設)
上記セルローストリアセテートフィルムのハードコート層上に、下記高屈折率層塗布液1及び低屈折率層塗布液1を塗布、紫外線照射、乾燥して防眩性反射防止フィルム1を作製した。
〈高屈折率層塗布液1〉
下記材料を攪拌、混合し高屈折率層塗布液1とした。
導電性アンチモン酸亜鉛微粒子分散液(セルナックスCX−Z610M−F2、日産化学社製、溶媒MeOH、固形分60%) 200質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(マトリックス) 50質量部
イルガキュア184(光重合開始剤) 3質量部
γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン(信越化学社製KBM503)
8質量部
ポリ−n−ブチルメタクリレート(マトリックス) 5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 720質量部
イソプロピルアルコール 1470質量部
メチルエチルケトン(MEK) 250質量部
高屈折率層1の厚さは78nm、屈折率は1.62であった。
〈低屈折率層塗布液1〉
下記材料を攪拌、混合し低屈折率層塗布液1とした。
下記テトラエトキシシラン加水分解物A 59.5質量部
下記中空シリカ系微粒子分散液 35質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM503)
5質量部
FZ−2222(日本ユニカー製、10%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 0.5質量部
イソプロピルアルコー−ル 500質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 300質量部
メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
低屈折率層1の厚さは95nm、屈折率は1.37であった。
〈テトラエトキシシラン加水分解物Aの調製〉
テトラエトキシシラン58gとエタノール114gを混合し、これに酢酸水溶液(1%)を60g添加した後に、25℃で1時間攪拌することでテトラエトキシシラン加水分解物Aを調製した。
〈中空シリカ系微粒子分散液の調製〉
平均粒径5nm、SiO2濃度20%のシリカゾル100gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として0.98%のケイ酸ナトリウム水溶液9000gとAl23として1.02%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直後、12.5に上昇し、その後、ほとんど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20%のSiO2・Al23核粒子分散液を調製した。(工程(a))
この核粒子分散液500gに純水1700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られたケイ酸液(SiO2濃度3.5%)3000gを添加して第1シリカ被覆層を形成した核粒子の分散液を得た。(工程(b))
次いで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13%になった第1シリカ被覆層を形成した核粒子分散液500gに純水1125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、第1シリカ被覆層を形成した核粒子の構成成分の一部を除去したSiO2・Al23多孔質粒子の分散液を調製した(工程(c))。上記多孔質粒子分散液1500gと、純水500g、エタノール1,750g及び28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO228%)104gを添加し、第1シリカ被覆層を形成した多孔質粒子の表面をエチルシリケートの加水分解重縮合物で被覆して第2シリカ被覆層を形成した。次いで、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20%の中空シリカ系微粒子分散液を調製した。
この中空シリカ系微粒子の第1シリカ被覆層の厚さは3nm、平均粒径は47nm、MOx/SiO2(モル比)は0.0017、屈折率は1.28であった。ここで、平均粒径は動的光散乱法により測定した。
〔防眩性反射防止フィルム2〜9の作製〕
上記防眩性反射防止フィルム1の作製において、セルローストリアセテートフィルム1の作製時に図1の位置で、B面(視認側)、A面(裏面側)に用いる凹凸型ローラを各々表1に記載の凹凸型ローラに変更した以外は同様にしてセルローストリアセテートフィルム2〜9を作製し、次いで各々のセルローストリアセテートフィルムのB面にハードコート層1及び高屈折率層1、低屈折率層1を順次塗設して、防眩性反射防止フィルム2〜9を作製した。
〔防眩性反射防止フィルムの評価〕
得られた防眩性反射防止フィルム1〜9について、下記の評価を行った。防眩性反射防止フィルムの構成及び評価結果を表1に示す。
(表面平均粗さ)
表面平均粗さ(Ra)はJIS B 0601に準じて測定した。
(ムラ)
凹凸形状を形成し、製造開始時と1000m製造時の光学フィルム(高屈折率層塗布液1及び低屈折率層塗布液1を塗布する前)について、目視にて表面を観察し、以下の基準で評価した。
◎:膜表面にムラがほとんど認められない
○:膜表面にややムラが認められるが実用上問題ない
△:膜表面にムラが認められ実用上問題がある
×:膜表面にムラが多く認められる
(ギラツキ感の評価)
上記作製した各フィルム試料に、ルーバーを有する蛍光灯の拡散光を映し、表面のギラツキ感を以下に示す基準に則り、目視評価した。
◎:ギラツキが全く認められない
○:ほとんどギラツキが認められない
△:わずかにギラツキが認められる
×:明らかに、ギラツキが認められる
Figure 2007086255
表1から明らかなように、本発明の防眩性反射防止フィルム4、5、8、9は、比較例に対し、ムラ、ギラツキが低減していることが明らかである。
実施例2
下記の方法に従って、実施例1で作製した防眩性反射防止フィルム1〜9と位相差フィルムであるコニカミノルタタックKC8UCR−5(コニカミノルタオプト(株)製)、各々1枚を偏光板保護フィルムとして用いて偏光板を作製した。
(a)偏光膜の作製
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺の偏光膜を得た。
(b)偏光板の作製
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光膜と偏光板用保護フィルムとを貼り合わせて偏光板1〜9を作製した。
工程1:KC8UCR−5を2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。防眩性反射防止フィルム1〜9の反射防止層を設けた面には予め剥離性の保護フィルム(PET製)を張り付けて保護した。
工程2:前述の偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、それを工程1でアルカリ処理したKC8UCR−5と表面凹凸形状光学フィルムで挟み込んで、積層配置した。
工程4:2つの回転するロールにて20〜30N/cm2の圧力で約2m/minの速度で貼り合わせた。このとき気泡が入らないように注意して実施した。
工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作製した試料を2分間乾燥処理し、偏光板1〜9を作製した。
市販の液晶表示パネル(NEC製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた上記偏光板1〜9を、防眩性反射防止フィルムの反射防止層側が表面側になるように張り付け画像表示装置1〜9を作製した。
評価の結果、比較例の防眩性反射防止フィルムを使用したものに比べ、本発明の防眩性反射防止フィルムを使用した画像表示装置は表1で示すように視認性も良好であった。
実施例3
実施例1で作製したセルローストリアセテートフィルム8を用いて、ハードコート層1を塗布後、下記フレキソ印刷法、及びインクジェット法により予め設けられていた凹凸部の上に更に微細凹凸形状を形成し、次いで実施例1と同様にして反射防止層を設け防眩性反射防止フィルム10(フレキソ印刷法)、防眩性反射防止フィルム11(インクジェット法)を作製した。
(フレキソ印刷法)
上記ハードコート層の上に、下記仕様のシームレス樹脂版を用い、図7(a)の製造装置によりフレキソ印刷で予め設けられていた凹凸上に更に微細凹凸構造を形成した。印刷後、微細凹凸構造は乾燥ゾーン505Bにて90℃で乾燥の後、紫外線ランプ506Cを用い、紫外線の照度が0.1W/cm2で、照射量が0.1J/cm2で硬化させた。更に実施例1と同様にして反射防止層塗設後、表面平均粗さRaが0.35μmである防眩性反射防止フィルム10を得た。
(シームレス樹脂版の仕様)
感光性樹脂版:2−ヒドロキシエチルアクリレート98部とブタンジオールジアクリレート1部を反応して得られたコアとメタアクリル酸20部とN−ブチルアクリレート80部を反応させて得られたコアシェル型ミクロゲル(コア/シェル=2/1)71g、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート25g、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4gを混合して得られた感光性樹脂組成物を厚み2mmのポリエステルフィルムの上に塗布したのち、波長360nmの紫外線により、1000mJ/cmの露光を行いレーザー彫刻用印刷原版を得た。次いで下記レーザー彫刻条件で微細凹凸構造を彫刻し、図1のように樹脂版ロールに真空引きしながら装着し、全体を120℃20分間加熱を行ったところ継ぎ目が見えなくなりシームレス樹脂版になった。
樹脂版のゴム硬度は50であった。尚、ゴム硬度はJIS K 6253に記載の方法に準じてデュロメータで測定した。
(レーザー彫刻条件)
炭酸ガスレーザー出力:300W、50%出力
彫刻画像:印刷後として、凸部高さ0.2μm、凸部大きさ(長辺)2μm、凸部間距離15μmになるように、樹脂版上に微細凹凸構造を彫刻した。
アニロックスロール:800線2.54cm、セル容積4ml/m2(ニューロング(株)製、ハニカムパターン)
インキ供給:鋼製ドクターブレード方式(図6参照)
インキ:下記組成インキを使用した。
(インキ液1の組成)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
光反応開始剤 4質量部
(イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製))
界面活性剤(シリコーン系界面活性剤;FZ2207(日本ユニカー製)10質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 固形分で0.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 50質量部
メチルエチルケトン 500質量部
インキの粘度は40℃、東京計器社製のB型粘度計BLを用い測定した結果、3Pa・sであった。
(インクジェット法)
上記半硬化のハードコート層の上に、上記のインキ液1をインクジェット方式によりインク液滴として1plで出射し、着弾後85℃で乾燥し、更に0.2J/cm2の照射強度で紫外線照射して凸部高さ0.2μm、凸部大きさ(長辺)2μm、凸部間距離15μmの凸部を硬化させた。更に実施例1と同様にして反射防止層を塗設後、表面平均粗さRaが0.35μmである防眩性反射防止フィルム11を得た。
〈インクジェット出射方法〉
インクジェット出射装置は、ラインヘッド方式(図8の(a))を使用し、ノズル径が3.5μmのノズルを所定数有するインクジェットヘッドを10基を準備した。
インク供給系は、インク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッド及び配管から構成されており、インク供給タンクからインクジェットヘッド部までは、断熱及び加温(40℃)し、出射温度は40℃、駆動周波数は20kHzで行った。
得られた防眩性反射防止フィルム10、11について、実施例1と同様な評価を行ったところ、ムラ、ギラツキ、視認性とも1ランク向上し、いずれも◎の評価になった。また多数のユーザーの官能評価を行ったところ、防眩性の風合いが変化し、より好ましい防眩性であるという評価が得られた。
凹凸型ローラを用いた本発明に係る凹凸面形成装置の概略図である。 乾燥装置内における凹凸面形成装置の概略図を示す。 凹凸面形成用凹凸型ローラ及びそれと対向したバックロールの拡大図である。 凹凸型ローラの斜視図及び断面の凹凸形状の一例である。 本発明で好ましい凹凸形状パターンである。 本発明に用いられるフレキソ印刷の一例を示す模式図である。 フレキソ印刷で微細凹凸構造の形成を行う製造方法の一例である。 本発明で好ましく用いることの出来るインクジェット方式の一例である。
符号の説明
F フィルム
1 ダイ
2 流延用ベルト
3、3′ 凹凸型ローラ
4 バックロール
5 テンター
6 フィルム乾燥装置
7 巻き取りロール
10 静電気除去装置

Claims (8)

  1. 表面が防眩性を付与する凹凸形状である透明支持体フィルム上にハードコート層を設けてなる防眩性反射防止フィルムにおいて、
    該透明支持体フィルムは両面が異なる表面平均粗さの凹凸形状を有しており、該ハードコート層を設ける視認側表面に対して裏面側の表面平均粗さが大きいことを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
  2. 前記ハードコート層上に少なくとも高屈折率層、低屈折率層の反射防止層を設けていることを特徴とする請求項1に記載の防眩性反射防止フィルム。
  3. 前記ハードコート層を設ける側の透明支持体フィルムの表面平均粗さが0.3〜2.0μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の防眩性反射防止フィルム。
  4. 前記透明支持体フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルム。
  5. 表面が防眩性を付与する凹凸形状である透明支持体フィルム上にハードコート層を設けてなる防眩性反射防止フィルムの製造方法において、
    該透明支持体フィルムの両面に異なる形状の凹凸を有する2種類の凹凸型ローラで型押しすることにより異なる凹凸形状を設け、次いで表面平均粗さが小さい側に該ハードコート層を設けることを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルムを有することを特徴とする偏光板。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルムを有することを特徴とする画像表示装置。
  8. 請求項6に記載の偏光板を有することを特徴とする画像表示装置。
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