JP2003121620A - 防眩性低反射フィルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置 - Google Patents

防眩性低反射フィルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置

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JP2003121620A
JP2003121620A JP2001321854A JP2001321854A JP2003121620A JP 2003121620 A JP2003121620 A JP 2003121620A JP 2001321854 A JP2001321854 A JP 2001321854A JP 2001321854 A JP2001321854 A JP 2001321854A JP 2003121620 A JP2003121620 A JP 2003121620A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視認性が高く、接着性が良好であり、塗布ム
ラもなく、且つ、耐擦り傷耐性も良好な防眩性低反射フ
ィルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置
を提供する。 【解決手段】 支持体の一方の面に、表面に微細な凹凸
を有する防眩層を有し、該防眩層が平均粒径0.01μ
m〜4μmの粒子を1種以上含有し、且つ、前記防眩層
上に屈折率1.55〜2.5の高屈折率層と屈折率1.
3〜1.5の低屈折率層を各々1層以上含む反射防止層
を有し、該反射防止層の中心線平均粗さ(Ra)が0.
08μm〜0.5μmであることを特徴とする防眩性低
反射フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防眩性低反射フィル
ム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型軽量ノートパソコンの開発が
進んでいる。それに伴って、液晶表示装置等の表示装置
で用いられる偏光板の保護フィルムもますます薄膜化、
高性能化への要求が強くなってきている。また、視認性
向上のために反射防止層を設けたり、また、写り込みを
防いだり、ギラツキの少ない表示性能を得るために表面
を凹凸にして反射光を散乱させる防眩層を付与した、コ
ンピュータやワープロ等の液晶画像表示装置(液晶ディ
スプレイともいう)が多く使用されるようになってき
た。
【0003】反射防止層や防眩層は用途に応じてさまざ
まな種類や性能の改良がなされ、これらの機能を有する
種々の前面板を液晶ディスプレイの偏光子等に貼り合わ
せることで、ディスプレイに視認性向上のために反射防
止機能または防眩機能等を付与する方法が用いられてい
る。これら、前面板として用いる光学用フィルムには、
塗布または、スパッタリング等で形成した反射防止層ま
たは防眩層が設けられている。
【0004】防眩層は、表面に反射した像の輪郭をぼか
すことによって反射像の視認性を低下させて、液晶ディ
スプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレ
イといった画像表示装置などの使用時に反射像の映り込
みが気にならないようにするものである。
【0005】表面に適切な凹凸を設けることによって、
このような性質を持たせることができる。従来、このよ
うな凹凸を形成する方法としては、例えば、特開昭59
−58036号等で開示されているような微粒子を塗布
液に添加する方法が用いられている。このほか、特開平
6−234175号で開示されているエンボス加工する
方法、特開昭63−298201号で開示されているあ
らかじめ型を転写させる方法等が知られている。しかし
ながら、上述のエンボス加工では、微細な凹凸を形成す
ることが困難で、そのため、ぎらつきを防止するのには
不十分であった。
【0006】また、上述の技術においては、しばしば塗
布むらを発生することがあり、生産性に劣るという欠点
を有しており、早急な改良手段の開発が要望されてい
る。
【0007】また、近年、防眩性と反射防止性を同時に
兼ね備えるフィルムについても検討されているが、従来
は、防眩性を有する支持体に蒸着等による物理的な手法
を用いて反射防止層を付与して、防眩性と反射防止性能
を両立したものは知られているが、生産性が極めて低く
大量生産に向かない、防眩性層と反射防止層との接着性
が不十分である等の問題点があった。
【0008】また、視認性を改善するため、従来でも、
表示装置の表面には防眩層あるいは反射防止層が設けら
れているが、表示装置のカラー化、高精細化に伴って、
より視認性の優れた表示装置が求められている。
【0009】又、防眩性と反射防止性を同時に兼ね備え
るフィルムについて、長尺ロール状フィルムの保管中に
平面性が劣化するといった問題が生じ、その改善が求め
られていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は視認性が高
く、反射防止層と防眩層との接着性が良好であり、色ム
ラもなく、且つ、耐擦り傷耐性も良好な防眩性低反射フ
ィルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び高精細で
視認性に優れた表示装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の構成1〜19により達成された。
【0012】1.支持体の一方の面に、表面に微細な凹
凸を有する防眩層を有し、該防眩層が平均粒径0.01
μm〜4μmの粒子を1種以上含有し、且つ、前記防眩
層上に屈折率1.55〜2.5の高屈折率層と屈折率
1.3〜1.5の低屈折率層を各々1層以上含む反射防
止層を有し、JIS B 0601で規定される、該反
射防止層の中心線平均粗さ(Ra)が0.08μm〜
0.5μmであることを特徴とする防眩性低反射フィル
ム。
【0013】2.反射防止層が、屈折率1.55〜1.
85未満の中屈折率層、屈折率が1.85〜2.5の高
屈折率層を有することを特徴とする前記1に記載の防眩
性低反射フィルム。
【0014】3.反射防止層表面の微細な凹凸が、隣接
する凹部底を基準とした高さが0.5μm〜2μmであ
る凸部を100μm2あたり5〜20個有する微細構造
として形成されていることを特徴とする前記1または2
に記載の防眩性低反射フィルム。
【0015】4.反射防止層表面が、表面の平均水準を
基準とした高さが0.2μm以上の凸部を100μm2
あたり80個以上有する微細構造を有することを特徴と
する前記3に記載の防眩性低反射フィルム。
【0016】5.防眩層の内部がヘイズ5%〜40%の
光拡散性を有し、反射防止層表面の微細な凹凸の平均山
谷間隔が1μm〜80μmであることを特徴とする前記
1〜4のいずれか1項に記載の防眩性低反射フィルム。
【0017】6.反射防止層表面に平均山谷間隔40μ
m以下、且つ、平均傾斜角5度以上の微細な凹凸を有す
ることを特徴とする前記5に記載の防眩性低反射フィル
ム。
【0018】7.支持体が少なくとも幅手方向に延伸さ
れたセルロースエステルフィルムであることを特徴とす
る前記1〜6のいずれか1項に記載の防眩性低反射フィ
ルム。
【0019】8.支持体が溶液流延製膜工程で2軸延伸
されたセルロースエステルフィルムであることを特徴と
する前記7に記載の防眩性低反射フィルム。
【0020】9.反射防止層が設けられている支持体の
面の反対側の面が高さ0.1μm以上の突起を100μ
2あたり10個〜500個有することを特徴とする前
記7または8に記載の防眩性低反射フィルム。
【0021】10.支持体の膜厚が10μm〜100μ
mで透湿性200g/m2・24時間以下であることを
特徴とする前記7〜9のいずれか1項に記載の防眩性低
反射フィルム。
【0022】11.支持体が長尺フィルムであり、且
つ、該長尺フィルムの幅手両端部に膜厚の25%以下の
ナーリング加工が施されていることを特徴とする前記7
〜10のいずれか1項に記載の防眩性低反射フィルム。
【0023】12.前記1〜11のいずれか1項に記載
の防眩性低反射フィルムを有することを特徴とする偏光
板。
【0024】13.前記1〜11のいずれか1項に記載
の防眩性低反射フィルムを有することを特徴とする表示
装置。
【0025】14.前記1〜11のいずれか1項に記載
の防眩性低反射フィルムを製造するに当たり、支持体の
構成成分及び溶媒を含むドープを溶液流延製膜法を用い
てウェブ(ドープ膜)を形成させ、該ウェブ中の残留溶
媒量を3質量%〜40質量%に調整しながら前記ウェブ
を幅手方向に1.01倍〜1.5倍に延伸した後、幅手
両端部に膜厚の25%以下のナーリング加工を施す工程
を経て作製した支持体上に、防眩層と反射防止層を設け
ることを特徴とする防眩性低反射フィルムの製造方法。
【0026】15.残留溶媒量が3質量%〜40質量%
のときに幅手方向に1.01倍〜1.5倍、長手方向に
1.01倍〜1.5倍に2軸延伸することを特徴とする
前記14に記載の防眩性低反射フィルムの製造方法。
【0027】16.支持体の一方の面に、表面に微細な
凹凸を有する防眩層を有し、該防眩層を有する面の反対
側の面に高さ0.1μm以上の突起が100μm2あた
り10個〜500個設けられている防眩性フィルムの該
防眩層上に反射防止層を設ける工程を有することを特徴
とする前記14または15に記載の防眩性低反射フィル
ムの製造方法。
【0028】17.前記14〜16のいずれか1項に記
載の製造方法により製造されたことを特徴とする防眩性
低反射フィルム。
【0029】18.前記17に記載の防眩性低反射フィ
ルムを有することを特徴とする偏光板。
【0030】19.前記17に記載の防眩性低反射フィ
ルムを有することを特徴とする表示装置。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
等は、上記の問題点を種々検討した結果、支持体の一方
の面に、表面に微細な凹凸を有する防眩層を有し、該防
眩層が平均粒径0.01μm〜4μmの粒子を1種以上
含有し、且つ、前記防眩層上に屈折率1.55〜2.5
の高屈折率層と屈折率1.3〜1.5の低屈折率層を各
々1層以上含み、且つ、JISB 0601で規定され
る中心線平均粗さ(Ra)が0.08μm〜0.5μm
である反射防止層を有する防眩性低反射フィルムによ
り、本発明に記載の効果が得られることを見出した。
【0032】また、本発明者等は、支持体上に、表面に
凹凸を有する層を塗設する方法、表面に凹凸をつくるた
めに微粒子を添加する方法等を詳細に検討し、支持体上
に、平均粒径0.01μm〜4μmの粒子を含有させた
防眩層を塗設し、且つ、前記防眩層の凹凸として、中心
線平均粗さ(Ra)を0.08μm〜0.5μmの範囲
に調整することにより、塗布液の流動が部分的に発生し
ても、塗布ムラもなく、反射防止膜性能と防眩性の効果
が両立することも併せて見出した。
【0033】《防眩層》本発明に係る防眩層について説
明する。
【0034】本発明に係る防眩層は、少なくとも支持体
の一方の面に設けられる。本発明においては、前記防眩
層上に、反射防止層(高屈折率層、低屈折率層等)が設
けられ本発明の防眩性低反射フィルムを構成する。
【0035】本発明に係る防眩層は表面に微細な凹凸を
有するが、前記凹凸は、下記に記載のような平均粒径
0.01μm〜4μmの粒子を防眩層中に含有させるこ
とが必須の要件である。また、後述するように、表面粗
さとして、JIS B 0601で規定される中心線平
均粗さ(Ra)が0.08μm〜0.5μmの範囲に調
整されることが好ましい。
【0036】(防眩層に含有される粒子)本発明に係る
防眩層中に含有される粒子としては、例えば、無機また
は有機の微粒子が用いられる。
【0037】無機微粒子としては酸化けい素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウ
ム等を挙げることができる。
【0038】また、有機微粒子としては、ポリメタアク
リル酸メチルアクリレート樹脂微粒子、アクリルスチレ
ン系樹脂微粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒
子、シリコン系樹脂微粒子、ポリスチレン系樹脂微粒
子、ポリカーボネート樹脂微粒子、ベンゾグアナミン系
樹脂微粒子、メラミン系樹脂微粒子、ポリオレフィン系
樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒子、ポリアミド系
樹脂微粒子、ポリイミド系樹脂微粒子、またはポリ弗化
エチレン系樹脂微粒子等を挙げることができる。
【0039】上記記載の無機または有機の微粒子は、防
眩層の作製に用いられる樹脂等を含む塗布組成物に加え
て用いることが好ましい。また、これらの微粒子の平均
粒径としては、0.01μm〜4μmであることが必要
であるが、好ましくは、0.01μm〜3μmである。
【0040】本発明に係る防眩層に防眩性を付与するた
めには、無機または有機微粒子の含有量は、防眩層作製
用の樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜30質
量部が好ましく、更に好ましくは、0.1質量部〜20
質量部となるように配合することである。より好ましい
防眩効果を付与するには、平均粒径0.1μm〜1μm
の微粒子を防眩層作製用の樹脂100質量部に対して1
質量部〜15質量部を用いるのが好ましい。又、異なる
平均粒径の微粒子を2種以上用いることも好ましい。
【0041】(防眩層の中心線平均粗さ(Ra))本発
明に係る防眩層はその表面が微細な凹凸を有することが
好ましいが、前記の凹凸を得るためには、上記記載のよ
うな微粒子を添加し、JIS B 0601で規定され
る中心線平均表面粗さRaを0.08μm〜0.5μm
の範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは、
0.1μm〜0.3μmの範囲である。
【0042】(防眩層の屈折率)本発明に係る防眩層の
屈折率は、低反射性フィルムを得るための光学設計上か
ら屈折率が1.45〜1.65の範囲にあることが好ま
しい。
【0043】(防眩層の膜厚)充分な耐久性、耐衝撃性
を付与する観点から、防眩層の膜厚は0.5μm〜15
μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、1.0μm〜
7μmである。
【0044】(防眩層の微細な凹凸)本発明に係る防眩
層表面の微細な凹凸は、上記記載の微粒子の添加量、粒
径、膜厚等を調整することにより、より好ましい凹凸を
有する防眩層を得ることができる。また、本発明に係る
防眩層表面の微細な凹凸は、隣接する凹部底を基準とし
た高さが0.5μm〜2μmである凸部を100μm2
あたり5〜20個有する微細構造として形成されている
ことが好ましい。
【0045】防眩層表面の微細な凹凸は市販の触針式表
面粗さ測定機あるいは市販の光学干渉式表面粗さ測定機
等によって測定することができる。例えば、光学干渉式
表面粗さ測定機によって、約4000μm2の範囲(5
5μm×75μm)について凹凸を2次元的に測定し、
凹凸を底部側より等高線のごとく色分けして表示する。
【0046】ここで隣接する底部を基準とした高さが
0.5μm〜2μmである凸部の数をカウントし、10
0μm2の面積あたりの数で示した。測定は防眩性低反
射フィルム1m2あたり任意の10点を測定してその平
均値として求めた。
【0047】また、本発明に係る防眩層の表面は、表面
の平均水準を基準とした高さが0.2μm以上の凸部を
100μm2あたり80個以上有する微細構造を有する
ことが好ましいが、この微細構造についても、上記と同
様に光学干渉式表面粗さ測定機によって、約4000μ
2の範囲(55μm×75μm)について凹凸を2次
元的に測定し、平均水準未満の部分、平均水準以上〜高
さが0.2μm未満の部分、高さが0.2μm以上の部
分の少なくとも3つ以上の領域に色分けして表示し、高
さが0.2μm以上の部分で凸となっている部分の数を
カウントし、100μm2の面積あたりの数で示すこと
が出来る。
【0048】(防眩層表面の微細な凹凸の平均山谷間
隔)本発明に係る防眩層は、表面の微細な凹凸の平均山
谷間隔が1μm〜80μmであることが好ましく、更に
好ましくは、10μm〜40μmである。
【0049】ここで、微細凹凸構造の形状は、触針式表
面粗さ測定機などにより測定でき、例えばダイヤモンド
からなる先端部を頂角55度の円錐形とした直径1mm
の測定針を介して微細凹凸構造面上を一定方向に3mm
の長さで走査し、その場合の測定針の上下方向の移動変
化を測定してそれを記録した表面粗さ曲線として知見を
得ることが出きる。あるいは前述のごとく光学干渉式表
面粗さ測定機によっても測定することができる。
【0050】ここで、平均山谷間隔とは、前記の表面粗
さ曲線における凹凸変化が微小な部分(平坦に近い部
分)に基づいて表面粗さ曲線の凹凸変化が凸部として評
価できる基準線を想定し、その基準線からの当該凸部の
高さの平均を中心線として、表面粗さ曲線がその中心線
を下から上(又は上から下)に通過する際の交点に基づ
きその交点間の距離の平均として定義することができ
る。
【0051】(防眩層のヘイズ)本発明に記載の効果
(視認性向上)を得る為に、防眩層のヘイズは、5%〜
40%であることが好ましく、更に好ましくは、6%〜
30%である。
【0052】ここで、ヘイズの測定は、ASTM−D1
003−52に準じて測定できる。本発明に係る防眩層
のヘイズ値を好ましい範囲に調整する為の手段として
は、上記記載の有機微粒子及び/または、無機微粒子を
防眩層中に含有させることが好ましいが、中でも、二酸
化ケイ素が均一に分散しやすい為好ましく用いられる。
また、二酸化ケイ素のような微粒子を有機物により表面
処理したものも好ましく用いられる。
【0053】(活性エネルギー線硬化樹脂)本発明に係
る防眩層は、紫外線等活性エネルギー線照射により硬化
する活性エネルギー線硬化樹脂を含有することが好まし
い。
【0054】活性エネルギー線硬化樹脂とは紫外線や電
子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応等を
経て硬化する樹脂である。活性エネルギー線硬化樹脂と
しては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的
なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性
エネルギー線照射によって硬化する樹脂でもよい。
【0055】紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外
線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエ
ステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアク
リレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート
系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0056】紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、
一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマ
ー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に
更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタク
リレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示
する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸
基を有するアクリレート系のモノマーを反応させること
によって容易に得ることができる。例えば、特開昭59
−151110号に記載の、ユニディック17−806
(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日
本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく
用いられる。
【0057】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシ
ル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応さ
せることによって容易に得ることができる(例えば、特
開昭59−151112号)。
【0058】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂
は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリ
ル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノ
マーを反応させて得られる。
【0059】紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹
脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げる
ことができる。
【0060】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹
脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂の例として、有用に用い
られるエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物を示
す。
【0061】(a)ビスフェノールAのグリシジルエー
テル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノー
ルAとの反応により、重合度の異なる混合物として得ら
れる) (b)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有
する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイ
ド及び/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端に
グリシジルエーテル基を有する化合物 (c)4,4′−メチレンビスフェノールのグリシジル
エーテル (d)ノボラック樹脂またはレゾール樹脂のフェノール
フォルムアルデヒド樹脂のエポキシ化合物 (e)脂環式エポキシドを有する化合物、例えば、ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレー
ト、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−シクロヘキシ
ルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルピメレート)、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘ
キシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シク
ロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−1′−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ
−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エ
ポキシ−6′−メチル−1′−シクロヘキサンカルボキ
シレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−
5′,5′−スピロ−3″,4″−エポキシ)シクロヘ
キサン−メタ−ジオキサン (f)2塩基酸のジグリシジルエーテル、例えば、ジグ
リシジルオキザレート、ジグリシジルアジペート、ジグ
リシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサ
ヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート (g)グリコールのジグリシジルエーテル、例えば、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、コポリ(エチレングリコール−プロピレン
グリコール)ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジ
オールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル (h)ポリマー酸のグリシジルエステル、例えば、ポリ
アクリル酸ポリグリシジルエステル、ポリエステルジグ
リシジルエステル (i)多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば、
グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテル、グルコーストリグリシジルエーテル (j)2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグ
リシジルエーテルとしては、前記低屈折率物質のフッ素
含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例
と同様のもの (k)含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテ
ルとしては、上記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ
素含有エポキシ化合物等を挙げることができる。
【0062】上記エポキシ化合物の分子量は、平均分子
量として2000以下で、好ましくは1000以下であ
る。
【0063】上記のエポキシ化合物を活性エネルギー線
により硬化する場合、より硬度を上げるためには、
(h)または(i)の多官能のエポキシ基を有する化合
物を混合して用いると効果的である。
【0064】エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物
をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、
活性エネルギー線照射によりカチオン重合開始物質を放
出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照
射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出する
オニウム塩の一群の複塩である。
【0065】活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹
脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合に
より重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカ
ル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好
ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
【0066】本発明に有用な活性エネルギー線反応性エ
ポキシ樹脂は、活性エネルギー線照射によりカチオン重
合を開始させる物質を放出する光重合開始剤または光増
感剤により重合する。光重合開始剤としては、光照射に
よりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニ
ウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
【0067】かかる代表的なものは下記一般式(a)で
表される化合物である。 一般式(a) 〔(R1a(R2b(R3c(R4dZ〕w+〔Me
vw− 式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、T
e、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、
Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1
2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい有
機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数
であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meは
ハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属
(metalloid)であり、B、P、As、Sb、
Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、S
c、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであ
り、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、v
はハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
【0068】上記一般式(a)の陰イオン〔MeXvw
−の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4
−)、テトラフルオロホスフェート(PF4−)、テト
ラフルオロアンチモネート(SbF4−)、テトラフル
オロアルセネート(AsF4−)、テトラクロロアンチ
モネート(SbCl4−)等を挙げることができる。
【0069】また、その他の陰イオンとしては過塩素酸
イオン(ClO4−)、トリフルオロメチル亜硫酸イオ
ン(CF3SO3−)、フルオロスルホン酸イオン(FS
3−)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベン
ゼン酸陰イオン等を挙げることができる。
【0070】このようなオニウム塩の中でも特に芳香族
オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが有
効であり、中でも特開昭50−151996号、同50
−158680号等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開
昭50−151997号、同52−30899号、同5
9−55420号、同55−125105号等に記載の
VIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、
同56−149402号、同57−192429号等に
記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−170
40号等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第
4,139,655号等に記載のチオピリリュム塩等が
好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性けい素化
合物系重合開始剤等を挙げることができる。上記カチオ
ン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用する
ことができる。
【0071】また、エポキシアクリレート基を有する活
性エネルギー線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等
の光増感剤を用いることができる。この活性エネルギー
線反応性化合物に用いられる光増感剤や光開始剤は、紫
外線反応性化合物100質量部に対して0.1質量部〜
15質量部で光反応を開始するには十分であり、好まし
くは1質量部〜10質量部である。この増感剤は近紫外
線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好まし
い。
【0072】本発明に有用な活性エネルギー線硬化樹脂
組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性エネ
ルギー線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質
量部に対して0.1質量部〜15質量部の使用が好まし
く、更に好ましくは、1質量部〜10質量部の範囲の添
加が好ましい。
【0073】また、エポキシ樹脂を上記ウレタンアクリ
レート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等と併
用することもでき、この場合、活性エネルギー線ラジカ
ル重合開始剤と活性エネルギー線カチオン重合開始剤を
併用することが好ましい。
【0074】また、本発明に係る防眩層には、オキセタ
ン化合物を用いることもできる。用いられるオキセタン
化合物は、酸素または硫黄を含む3員環のオキセタン環
を有する化合物である。中でも酸素を含むオキセタン環
を有する化合物が好ましい。オキセタン環は、ハロゲン
原子、ハロアルキル基、アリールアルキル基、アルコキ
シル基、アリルオキシ基、アセトキシ基で置換されてい
てもよい。具体的には、3,3−ビス(クロルメチル)
オキセタン、3,3−ビス(ヨードメチル)オキセタ
ン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,
3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−メチル
−3クロルメチルオキセタン、3,3−ビス(アセトキ
シメチル)オキセタン、3,3−ビス(フルオロメチ
ル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセ
タン、3,3−ジメチルオキセタン等が挙げられる。
尚、本発明ではモノマー、オリゴマー、ポリマーのいず
れであってもよい。
【0075】本発明に係る防眩層には、公知の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等の
バインダを上記記載の活性エネルギー線硬化樹脂に混合
して使用することができる。これらの樹脂は、その分子
中に極性基を持っていることが好ましい。極性基として
は、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO
3M、−OSO3M、−PO32、−OPO3M(ここ
で、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基
を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アル
キル基を表す)等を挙げることができる。
【0076】(活性エネルギー線の種類、照射方法につ
いて)本発明に係る防眩層が活性エネルギー線硬化型樹
脂を含む場合、活性エネルギー線の照射方法としては、
支持体上に、防眩層、反射防止層(中〜高屈折率層及び
低屈折率層)等の塗設後に活性エネルギー線を照射して
もよいが、防眩層塗設時に活性エネルギー線を照射する
ことが好ましい。
【0077】本発明に使用する活性エネルギー線は、紫
外線、電子線、γ線等で、化合物を活性化させるエネル
ギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線
が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易
に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性
化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を
発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧
水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カー
ボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ
等を用いることができる。また、ArFエキシマレー
ザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシン
クロトロン放射光等も用いることができる。照射条件は
それぞれのランプによって異なるが、照射光量は20m
J/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、50mJ
/cm2〜10000mJ/cm2であり、特に好ましく
は、50mJ/cm2〜2000mJ/cm2である。
【0078】紫外線照射は、反射防止層を構成する複数
の層(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)それぞれ
に対して1層設ける毎に照射してもよいし、積層後照射
してもよい。あるいはこれらを組み合わせて照射しても
よい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射す
ることが好ましい。
【0079】また、電子線も同様に使用できる。電子線
としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、
共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される5
0〜1000keV、好ましくは100〜300keV
のエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
【0080】本発明に使用する上記活性エネルギー線反
応性化合物を光重合または光架橋反応を開始させるに
は、上記活性エネルギー線反応性化合物のみでも開始す
るが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かった
りするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好まし
く、それにより重合を早めることができる。
【0081】(光反応開始剤、光増感剤)本発明に係る
防眩層が活性エネルギー線硬化樹脂を含有する場合、活
性エネルギー線の照射時においては、光反応開始剤、光
増感剤を用いることができる。
【0082】具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェ
ノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α
−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれら
の誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリ
レート系樹脂の合成に光反応剤を使用する際に、n−ブ
チルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホス
フィン等の増感剤を用いることができる。塗布乾燥後に
揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含
まれる光反応開始剤及び/または光増感剤の使用量は、
組成物の1質量%〜10質量%が好ましく、特に好まし
くは2.5質量%〜6質量%である。
【0083】また、活性エネルギー線硬化樹脂として、
紫外線硬化性樹脂を用いる場合、前記紫外線硬化性樹脂
の光硬化を妨げない程度に、後述する紫外線吸収剤を紫
外線硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。
【0084】(酸化防止剤)防眩層の耐熱性を高めるた
めに、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選ん
で用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール
誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体
等を挙げることができる。具体的には、例えば、4,
4′−チオビス(6−tert−3−メチルフェノー
ル)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メ
シチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−tert−ブチルベンジルホスフェート等を挙げ
ることができる。
【0085】紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アデ
カオプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR
−410、KR−550、KR−566、KR−56
7、BY−320B(以上、旭電化工業(株)製)、コ
ーエイハードのA−101−KK、A−101−WS、
C−302、C−401−N、C−501、M−10
1、M−102、T−102、D−102、NS−10
1、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−1
06、M−101−C(以上、広栄化学工業(株)
製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHCX
−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−
20、DP−30、P1000、P1100、P120
0、P1300、P1400、P1500、P160
0、SCR900(以上、大日精化工業(株)製)、K
RM7033、KRM7039、KRM7130、KR
M7131、UVECRYL29201、UVECRY
L29202(以上、ダイセル・ユーシービー
(株))、RC−5015、RC−5016、RC−5
020、RC−5031、RC−5100、RC−51
02、RC−5120、RC−5122、RC−515
2、RC−5171、RC−5180、RC−5181
(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、オーレック
スNo.340クリヤ(中国塗料(株)製)、サンラッ
ド H−601(三洋化成工業(株)製)、SP−15
09、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製)、
RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロ
ニックスM−6100、M−8030、M−8060
(以上、東亞合成(株)製)、またはその他の市販のも
のから適宜選択して利用することができる。
【0086】活性エネルギー線硬化樹脂を含む塗布組成
物は、固形分濃度は10質量%〜95質量%であること
が好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
【0087】(防眩層の作製方法)本発明に係る防眩層
を塗設する際の溶媒は、例えば、炭化水素類、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、
その他の溶媒の中から適宜選択し、または混合して使用
できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1
〜C4)アルキルエーテルまたはプロピレングリコール
モノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量
%以上、さらに好ましくは5質量%〜80質量%以上含
有する溶媒が用いられる。
【0088】防眩層組成物塗布液の塗布方法としては、
グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコ
ーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コー
ター、エアードクターコーター等公知の方法を用いるこ
とができる。塗布量はウェット膜厚で5μm〜30μm
が適当で、好ましくは10μm〜20μmである。塗布
速度は10m/分〜60m/分が好ましい。
【0089】防眩層組成物は塗布乾燥された後、紫外線
や電子線等の活性エネルギー線を照射され硬化処理され
ることが好ましいが、前記活性エネルギー線の照射時間
は0.5秒〜5分が好ましく、紫外線硬化性樹脂の硬化
効率、作業効率等から更に好ましくは、3秒〜2分であ
る。
【0090】《反射防止層》本発明に係る反射防止層に
ついて説明する。
【0091】(反射防止層の構成)本発明に係る反射防
止層は、防眩層の上に、防眩層側から高屈折率層、低屈
折率層を順に積層したもの(後述のように他の層を追加
することもある)であり、波長λの光に対して高屈折率
層及び低屈折率層の光学膜厚をλ/4に設定して防眩性
低反射フィルムを作製する。光学膜厚とは、層の屈折率
nと膜厚dとの積により定義される量である。屈折率の
高低はそこに含まれる金属または化合物によってほぼ決
まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化
合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率
が設定される。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定によ
り計算して算出し得る。
【0092】本発明の防眩性低反射フィルムは多層の屈
折率層からなる。透明な支持体上に、防眩層を有し、そ
の上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折
率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されている。
反射防止層は、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層
と、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせ
て構成されている。得に好ましくは、3層以上の屈折率
層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折
率の異なる3層を、中屈折率層(支持体または防眩層よ
りも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)
/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが
好ましく用いられる。
【0093】各層は表1の特性を有していることが好ま
しい。
【0094】
【表1】
【0095】または、2層以上の高屈折率層と2層以上
の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反
射防止層も好ましく用いられる。
【0096】本発明の防眩性低反射フィルムの好ましい
層構成の例を下記に示す。ここで/は積層配置されてい
ることを示している。
【0097】バックコート層/支持体/防眩層/高屈折
率層/低屈折率層 バックコート層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折
率層/低屈折率層 バックコート層/支持体/帯電防止層/防眩層/中屈折
率層/高屈折率層/低屈折率層 帯電防止層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層
/低屈折率層 バックコート層/支持体/防眩層/高屈折率層/低屈折
率層/高屈折率層/低屈折率層 汚れや指紋のふき取りが容易となるように、最表面の低
屈折率層の上に、さらに防汚層を設けることも好まし
い。前記防汚層としては、含フッ素有機化合物が好まし
く用いられる。
【0098】光学干渉により反射率を低減できるもので
あれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものでは
ない。また、帯電防止層は導電性ポリマー微粒子(例え
ば架橋カチオン微粒子)または金属酸化物微粒子(例え
ば、SnO2、ITO等)を含む層であることが好まし
く、塗布によって設けることができる。または大気圧プ
ラズマ処理、プラズマCVD等によって金属酸化物層
(ZnO2、SnO2、ITOなど)を設けることができ
る。
【0099】(中〜高屈折率層)本発明に係る高屈折率
層は好ましくはチタン酸化物を含有することが望まし
い。これらは微粒子として添加することもできるが、よ
り好ましくは、下記一般式(1)で表される有機チタン
化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解
物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折
率1.55〜2.5の層である。
【0100】一般式(1) Ti(OR1)4 式中、R1としては炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基が
よいが、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基で
ある。また、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマー
またはそれらの加水分解物は、アルコキシド基が加水分
解を受けて−Ti−O−Ti−のように反応して架橋構
造を作り、硬化した層を形成する。
【0101】本発明に用いられる有機チタン化合物のモ
ノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH34、Ti
(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−
i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−
n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C
374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2
〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは
単独で、または2種以上組み合わせて用いることができ
る。中でもTi(O−n−C374、Ti(O−i−
374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−
374の2〜10量体、Ti(O−n−C494
2〜10量体が特に好ましい。
【0102】本発明に用いられる有機チタン化合物のモ
ノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布
液に含まれる固形分中の50.0質量%〜98.0質量
%を占めていることが望ましい。固形分比率は50質量
%〜90質量%がより好ましく、55質量%〜90質量
%が更に好ましい。このほか、塗布組成物には有機チタ
ン化合物のポリマー(あらかじめ有機チタン化合物の加
水分解を行って架橋したもの)あるいは酸化チタン微粒
子を添加することも好ましい。
【0103】また、本発明においては、塗布液中に上記
有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーの部分または
完全加水分解物を含むが、有機チタン化合物のモノマ
ー、オリゴマーは、自己縮合して架橋し網状結合するも
のである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使
用することができ、それらには、金属キレート化合物、
有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有
する有機けい素化合物、光による酸発生剤(光酸発生
剤)等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好
ましいのは、アルミキレート化合物と光酸発生剤であ
る。アルミキレート化合物の例としては、エチルアセト
アセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニ
ウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトア
セテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウ
ムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であ
り、光酸発生剤の例としては、ベンジルトリフェニルホ
スホニウムヘキサフルオロホスフェート、その他のホス
ホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロ
ホスフェートの塩等を挙げることができる。
【0104】(バインダ)反射防止層の塗布液中の固形
分比率として0.5質量%〜20質量%のバインダが含
まれることが好ましい。
【0105】バインダとしては、重合可能なビニル基、
アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプ
ロペニル基、エポキシ基、オキセタン環等の重合性基を
2つ以上有し、活性エネルギー線照射により架橋構造ま
たは網目構造を形成するアクリルまたはメタクリル系活
性エネルギー線反応性化合物、エポキシ系活性エネルギ
ー線反応性化合物またはオキセタン系活性エネルギー線
反応性化合物が好ましい。これらの化合物はモノマー、
オリゴマー、ポリマーを含む。重合速度、反応性の点か
ら、これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロ
イル基またはエポキシ基が好ましく、多官能モノマーま
たはオリゴマーがより好ましい。また、アルコール溶解
性アクリル樹脂も好ましく用いられる。
【0106】アクリルまたはメタクリル系活性エネルギ
ー線反応性化合物としては、紫外線硬化型アクリルウレ
タン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外
線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂等を挙げること
ができる。
【0107】紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、
一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマ
ー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に
更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタク
リレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示
する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸
基を有するアクリレート系のモノマーを反応させること
によって容易に得ることができる(例えば特開昭59−
151110号)。
【0108】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシ
ル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応さ
せることによって容易に得ることができる(例えば、特
開昭59−151112号)。
【0109】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂
は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリ
ル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノ
マーを反応させて得られる。
【0110】紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹
脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げる
ことができる。
【0111】(中〜高屈折率層用バインダ)チタン化合
物を含む中〜高屈折率層には、バインダとしてアルコー
ル溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられ、これによっ
て、膜厚むらが少ない中、高屈折率層を得ることができ
る。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート重合体
またはアルキル(メタ)アクリレート共重合体、例えば
n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート等の共重合体が好ましく用いられ
るが、共重合成分としてはこれらに限定されるものでは
ない。市販品としては、ダイヤナールBR−50、BR
−51、BR−52、BR−60、BR−64、BR−
65、BR−70、BR−73、BR−75、BR−7
6、BR−77、BR−79、BR−80、BR−8
2、BR−83、BR−85、BR−87、BR−8
8、BR−89、BR−90、BR−93、BR−9
5、BR−96、BR−100、BR−101、BR−
102、BR−105、BR−107、BR−108、
BR−112、BR−113、BR−115、BR−1
16、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨ
ン(株)製)等が使用できる。これらのモノマー成分も
中〜高屈折率層用バインダとして添加することができ
る。バインダの添加比率を変更することによって屈折率
を調整することができる。
【0112】(すべり剤)低屈折率層にはすべり剤を添
加することが好ましく、滑り性を付与することによって
耐傷性を改善することができる。すべり剤としては、シ
リコンオイルまたはワックス状物質が好ましく用いられ
る。例えば、下記一般式(b)で表される化合物が好ま
しい。
【0113】一般式(b) R1COR2 式中、R1は炭素原子数が12以上の飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基を表す。アルキル基またはアルケニ
ル基が好ましく、さらに炭素原子数が16以上のアルキ
ル基またはアルケニル基が好ましい。R2は−OM1基
(M1はNa、K等のアルカリ金属を表す)、−OH
基、−NH2基、または−OR3基(R3は炭素原子数が
12以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、好ま
しくはアルキル基またはアルケニル基を表す)を表し、
2としては−OH基、−NH2基または−OR3基が好
ましい。具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、
ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然物と
してこれらの成分を多く含んでいるカルナバワックス、
蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特公昭
53−292号に開示されているようなポリオルガノシ
ロキサン、米国特許第4,275,146号に開示され
ているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−3354
1号、英国特許第927,446号または特開昭55−
126238号及び同58−90633号に開示されて
いるような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜24の
脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステ
ル)、そして米国特許第3,933,516号に開示さ
れているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−372
17号に開示されているような炭素数10までのジカル
ボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリ
エステル化合物、特開平7−13292号に開示されて
いるジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル
等を挙げることができる。
【0114】低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は
0.01mg/m2〜10mg/m2が好ましい。必要に
応じて、中屈折率層や高屈折率層に添加することもでき
る。
【0115】(耐擦り傷性)本発明の低屈折率層には、
界面活性剤、柔軟剤、柔軟平滑剤等を添加することが好
ましく、これによって耐擦り傷性が改善される。中でも
アニオン系または非イオン系の界面活性剤が好ましく、
例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、多価
アルコール脂肪酸エステルの非イオン界面活性剤乳化物
等が好ましい。例えば、リポオイルNT−6、NT1
2、NT−33、TC−1、TC−68、TC−78、
CW−6、TCF−208、TCF−608、NKオイ
ルCS−11、AW−9、AW−10、AW−20、ポ
リソフターN−606、塗料用添加剤PC−700(日
華化学株式会社製)等が用いられる。
【0116】好ましい添加量は低屈折率層の塗布液に含
まれる固形分当たり0.01〜3%であり、より好まし
くは0.03〜1%である。
【0117】(低屈折率層)本発明の低屈折率層は酸化
珪素等の珪素化合物微粒子あるいはフッ素含有化合物微
粒子等を塗設して設けることができるが、特に好ましく
は、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される有
機けい素化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの
混合物を含有する塗布液を塗布し乾燥して形成した屈折
率が1.35〜1.55以下の低屈折率層であることが
好ましい。
【0118】一般式(2) Si(OR24 一般式(3) Si−X4 一般式(4) R3−Si(OR23 一般式(5) R3−Si−X3 式中、R2は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、R3はメ
チル基またはエチル基、Xはハロゲン原子を表す。
【0119】好ましい有機けい素化合物としては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げ
ることができ、これらを加水分解することによりシリケ
ートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方
法により行うことができ、例えば、上記テトラアルコキ
シシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副
生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100
℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加
水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を
2個以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平
均重合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物と
して得ることができる。加水分解の程度は、使用する水
の量により適宜調節することができるが、本発明におい
ては40〜90%、好ましくは60〜80%である。こ
こで、加水分解の程度は、加水分解可能な基、即ちテト
ラアルコキシシランにおいては、アルコキシル基を全て
加水分解するために必要な理論水量、即ちアルコキシル
基の数の1/2の水を添加したときを加水分解率100
%とし、 加水分解率(%)=(実際の添加水量/加水分解理論水
量)×100 として求められる。
【0120】こうして得られたシリケートオリゴマーに
はモノマーが通常2〜10%程度含有されている。本発
明においてはモノマー状態で用いてもオリゴマー状態で
用いても、またはモノマーとオリゴマーを混合して用い
ても差し支えないが、モノマーが含有されていると貯蔵
安定性に欠け、保存中に増粘し、膜形成が困難となるこ
とがあるので、モノマー含有量が1質量%以下、好まし
くは0.3質量%以下になるように、このモノマーをフ
ラッシュ蒸溜や真空蒸溜等で除去するのが好ましい。
【0121】本発明には、上記の如くテトラアルコキシ
シランに触媒、水を添加して得られる部分加水分解物が
用いられるが、完全加水分解物を用いるのが好ましい。
加水分解物に溶媒を配合し、次いで下記硬化触媒と水を
添加する等の方法により硬化した加水分解物が得られ
る。かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、オ
クタノール等を1種または2種以上併用して使用するの
が好ましい。
【0122】溶媒量は部分加水分解物100質量部に対
して50〜400質量部、好ましくは100〜250質
量部である。
【0123】(硬化触媒)硬化触媒としては、酸、アル
カリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることがで
きるが、本発明においては酸、特にスルホニル基または
カルボキシル基を有する有機酸が好ましく用いられる。
例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が用いら
れる。有機酸は1分子内に水酸基とカルボキシル基を有
する化合物であればいっそう好ましく、例えば、クエン
酸または酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸が用いられ
る。また、有機酸は水溶性の酸であることが更に好まし
く、例えば上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、
ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハ
ク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキ
ソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−
グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソク
エン酸、乳酸等が好ましく用いられる。また、安息香
酸、ヒドロキシ安息香酸、アトロバ酸等も適宜用いるこ
とができる。
【0124】上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、
硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産
時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでな
く、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加
水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解
物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましく
は0.2〜5質量部がよい。また、水の添加量について
は部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以
上であればよく、100〜300%相当量、好ましくは
100〜200%相当量を添加するのがよい。
【0125】このようにして得られた低屈折率層用の塗
布組成物は極めて安定である。 (熟成工程)更に、本発明では熟成工程により、有機け
い素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、
得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリ
ゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架
橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間で
ある。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸で
は室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時
間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟
成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近
まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に
高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱すると
ゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱
が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴ
マーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミ
ノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を
有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)
等により変性した変性物であってもよく、単独または上
記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0126】このようにして、前記一般式(2)、
(3)、(4)及び(5)で表される有機けい素化合物
のシリケートオリゴマーが得られるが、シリケートオリ
ゴマー中のSiO2含有量は1〜100%、好ましくは
10〜99%である。
【0127】また、本発明においては上記低屈折率層に
酸化けい素微粒子を含有させることができる。粒径0.
1μm以下の酸化けい素微粒子を含むことが好ましい。
例えば、アエロジル200V(日本アエロジル(株)
製)等を添加することができる。特に表面がアルキル基
で修飾された酸化けい素微粒子が好ましく用いられ、例
えばアエロジルR972、R972V(日本アエロジル
(株)製)として市販されている表面がメチル基で修飾
された酸化けい素微粒子を好ましく添加することができ
る。このほか特開2001−002799号に記載され
ている表面がアルキル基で置換された酸化けい素微粒子
を用いることもでき、前述のシリケートオリゴマーの加
水分解後にアルキルシランカップリング剤により処理す
ることでも容易に得ることができる。添加量としては低
屈折率層中の固形分比率で0.1質量%〜40質量%の
範囲となるように添加することが好ましい。
【0128】本発明の各屈折率層には、屈折率の調整あ
るいは膜質の改善のために更にシラン化合物を添加する
ことができる。具体的には、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−
プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2
Si(OCH33、C25CH2CH2Si(OC
33、C25OCH2CH2CH2Si(OCH33
37OCH2CH2CH2Si(OC253、(C
32CHOCH2CH2CH2Si(OCH334
9CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、H(C
24CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、3−
(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジ
エチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、
ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピル
ジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラ
ン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CF3
CH2CH22Si(OCH32、(C37OCH2CH
2CH22Si(OCH32、〔H(CF26CH2OC
2CH2CH22Si(OCH32、(C25CH2
22Si(OCH32、メチルトリフェノキシシラ
ン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェ
ネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシ
シラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αー
グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシド
キシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチ
ルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエ
トキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフ
ェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシ
シラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
ブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルト
リメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシ
ラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラ
ン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルト
リエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキ
シシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラ
ン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、
α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−
グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリ
シドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプ
ロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニル
ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジ
エトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、
3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルト
リエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、
クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ
−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロ
プロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキ
シシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メ
チルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシ
シラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリ
シドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラ
ン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、
α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリ
シドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシ
ブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキ
シシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラ
ン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリ
シドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシ
メチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチ
ルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメ
チルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチル
ジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメ
トキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン
等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせ
て使用することが出来る。これら以外のシランカップリ
ンク剤を添加することもできる。
【0129】(溶媒)本発明に係る高〜低屈折率層(光
学干渉層ともいう)を塗設する際の塗布液に使用する溶
媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキ
シレングリコール等のグリコール類;エチルセルソル
ブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカ
ルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフ
ォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げら
れ、それらを単独または2種以上混合して使用すること
ができる。特に、1気圧における沸点が120〜180
℃で、かつ20℃における蒸気圧が2.3kPa以下の
溶媒を塗布液中に少なくとも1種用いることで、硬化速
度を適度に遅らせ、塗布後の白濁を防ぐことができ、塗
布ムラの解消や、塗布液のポットライフ向上等もでき
る。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ま
しく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0130】グリコールエーテル類としては、具体的に
は下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。なお、溶剤名の後に1気圧における沸点及び20℃
における蒸気圧を示す。
【0131】 溶媒名 沸点℃ 蒸気圧kPa (1気圧) (20℃) プロピレングリコールモノメチルエーテル 121 106 プロピレングリコールモノエチルエーテル 132.8 0.53以上 プロピレングリコールモノブチルエーテル 171.1 0.13 ジエチレングリコールジメチルエーテル 162 0.40 エチレングリコールモノメチルエーテル 124.4 0.78 エチレングリコールモノメチルエーテルAc 145 0.27 エチレングリコールモノブチルエーテル 171.2 0.09 エチレングリコールモノエチルエーテル 135.6 0.51 エチレングリコールモノエチルエーテルAc 156.3 0.16 エチレングリコールジエチルエーテル 121 1.25 注:Ac=アセテートを表す。
【0132】特に好ましくは、グリコールエーテル類と
してはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキ
ルエーテル、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)
アルキルエーテルエステルであり、具体的にはプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール
モノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。また、プロピレングリ
コールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルと
しては特にプロピレングリコールモノアルキルエーテル
アセテートが挙げられ、具体的にはプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これ
らの溶媒は、塗布液中に全有機溶媒の1質量%〜90質
量%添加されていることが好ましい。
【0133】また、中心線表面粗さRaが0.08μm
〜0.5μm程度の防眩層に対して中〜高屈折率層及び
低屈折率層を塗設して反射防止加工する場合、防眩層の
微細な凹凸上にできるだけ均一な層を形成するため、塗
設後速やかに乾燥することが好ましく、沸点130℃以
下、好ましくは100℃以下の溶媒を全溶媒の30質量
%、より好ましくは50質量%以上含有する溶媒を用い
ることが好ましい。これらの溶媒は特に限定されない
が、アルコール類、ケトン類、炭化水素類、エーテル
類、エステル類等から適宜選択される。好ましくは、前
述の溶媒から選択することができる。
【0134】また、本発明に係る高〜低屈折率層の各層
の塗布液には各種のレベリング剤、界面活性剤、シリコ
ンオイル等の低表面張力物質を添加することが好まし
い。具体的なシリコンオイルとしては表2の化合物が挙
げられる。
【0135】
【表2】
【0136】これらの成分は防眩層や下層への塗布性を
高める。積層体最表面層に添加した場合には、塗膜の撥
水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐擦
り傷性にも効果を発揮する。これらの成分は添加量が多
過ぎると塗布時にハジキの原因となるため、塗布液中の
固形分成分に対し、0.01質量%〜3質量%の範囲で
添加することが好ましい。
【0137】本発明の中〜高屈折率層及び低屈折率層の
塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解また
は硬化を促進するため、活性エネルギー線を照射するこ
とが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに
活性エネルギー線を照射することである。
【0138】本発明に使用する活性エネルギー線は、紫
外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギ
ー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が
好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に
得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化
合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発
生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水
銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボ
ンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等
を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、
KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロ
トロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれ
ぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/
cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ま
しくは、100mJ/cm2〜2,000mJ/cm2
あり、特に好ましくは、400mJ/cm2〜2,00
0mJ/cm2である。
【0139】紫外線を用いる場合、多層の反射防止層を
1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよい。生
産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが
好ましい。
【0140】また、電子線も同様に使用できる。電子線
としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、
共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される5
0〜1000keV、好ましくは100〜300keV
のエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
【0141】(反射防止層の屈折率)本発明に記載の効
果を得る観点から、上記記載の防眩層上に屈折率1.5
5〜2.5の高屈折率層と屈折率1.3〜1.5の低屈
折率層を、各々1層以上含む反射防止層が設けられる
が、高屈折率層の好ましい屈折率は、1.85〜2.5
であり、低屈折率層の好ましい屈折率は、1.30〜
1.46である。
【0142】また、中屈折率層を設ける場合、中屈折率
層の屈折率は、1.55〜1.85未満が好ましく、更
に好ましくは、1.60〜1.80である。
【0143】(反射防止層の膜厚)反射防止層を構成す
る各屈折率層の膜厚としては、各々1nm〜200nm
の範囲が好ましく、更に好ましくは、5nm〜150n
mであるが、各層の屈折率に応じて、各々適切な膜厚を
選択することが好ましい。
【0144】(反射防止層の反射率)本発明に係る反射
防止層は、450nm〜650nmにおける平均反射率
が1%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.
5%以下である。また、この範囲における最低反射率は
0.00〜0.3%にあることが特に好ましい。反射防
止層の屈折率と膜厚は、分光反射率の測定より計算して
算出することができる。また、作製した低反射フィルム
の反射光学特性は、分光光度計を用い、5度正反射の条
件にて反射率を測定することが出来る。この測定法にお
いて、反射防止層が塗布されていない側の基板面を粗面
化した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、
フィルム裏面での光の反射を防止して、反射率が測定さ
れる。
【0145】測定に際しては、透過率550nmにおけ
る透過率を分光光度計を用いて空気を参照として測定を
行う。
【0146】(反射防止層の中心線平均粗さ(Ra))
本発明に記載の効果である、視認性を向上させる観点か
ら、本発明に係る反射防止層の表面は微細な凹凸を有す
ることが必要である。前記の凹凸としては上記記載の微
粒子を添加し、JIS B 0601で規定される中心
線平均表面粗さRaを0.08μm〜0.5μmの範囲
に調整することが必須であるが、好ましくは、0.1μ
m〜0.3μmの範囲に調整することである。
【0147】また、二酸化珪素のような凝集性の微粒子
を用いる場合は、分散条件等によっても凹凸の微調整が
可能である。
【0148】(反射防止層の微細な凹凸の測定)また、
本発明に係る反射防止層の微細な凹凸は、隣接する凹部
底を基準とした高さが0.5μm〜2μmである凸部を
100μm2あたり5〜20個有する微細構造として形
成されることが好ましい。
【0149】反射防止層の微細な凹凸については、上記
記載の防眩層の微細な凹凸と同様な方法を用いて測定す
ることが出来る。
【0150】また、本発明に係る反射防止層の表面は、
表面の平均水準を基準とした高さが0.2μm以上の凸
部を100μm2あたり80個以上有する微細構造を有
することが好ましいが、この微細構造についても、上記
の防眩層の微細構造の測定と同様に光学干渉式表面粗さ
測定機等を用いた方法により測定できる。
【0151】(反射防止層表面の微細な凹凸の平均山谷
間隔)本発明に係る反射防止層表面の微細な凹凸の平均
山谷間隔も、上記記載の防眩層表面の微細な凹凸の平均
山谷間隔の場合と同様に定義され、且つ、市販の触針式
表面粗さ測定機または光学干渉式表面粗さ測定機等によ
り測定することが出来る。
【0152】反射防止層が形成されている面の微細凹凸
構造が、前記のような範囲に調整されることにより、画
素サイズの小型化、画面の大型化によるギラツキ現象の
発生を防止し、かつ外光の表面反射による視認妨害の発
生を防止する効果がある。
【0153】《支持体》本発明に係る支持体について説
明する。
【0154】本発明に係る支持体としては、製造が容易
であること、防眩層、または反射防止層等との接着性が
良好である、光学的に等方性である、光学的に透明であ
ること等が好ましい要件として挙げられる。
【0155】上記の性質を有していれば特に限定はない
が、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエス
テル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリア
リレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスル
ホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロ
ースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデ
ンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン
ビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリ
スチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノル
ボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィル
ム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトン
イミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフ
ィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることができ
る。中でも、セルローストリアセテートフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルス
ルホンを含む)が好ましく、本発明においては、特にセ
ルローストリアセテートフィルム(例えばコニカタック
製品名KC8UX2MW、KC4UX2MW (コニ
カ(株)製)が好ましく用いられる。)またはセルロー
スアセテートプロピオネートフィルムが、製造上、コス
ト面、透明性、等方性、接着性等の観点から好ましく用
いられる。
【0156】支持体の光学特性としては膜厚方向のリタ
ーデーションRtが0nm〜300nm、面内方向のリ
ターデーションR0が0nm〜1000nmのものが好
ましく用いられる。
【0157】(セルロースエステルフィルム)低い反射
率の積層体が得られるため、基材としてはセルロースエ
ステルフィルムを用いることが好ましい。セルロースエ
ステルとしては、セルロースアセテート、セルロースア
セテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネ
ートが好ましく、中でもセルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用
いられる。
【0158】特にアセチル基の置換度をX、プロピオニ
ル基またはブチリル基の置換度をYとしたとき、XとY
が下記の範囲にあるセルロースの混合脂肪酸エステルを
有する支持体上に防眩層と高屈折率層及び低屈折率層を
設けた防眩性低反射フィルムが好ましく用いられる。
【0159】 2.3≦X+Y≦3.0 0.1≦Y≦1.2 特に、2.5≦X+Y≦2.85 0.3≦Y≦1.2であることが好ましい。
【0160】本発明に係る支持体として、セルロースエ
ステルを用いる場合、セルロースエステルの原料のセル
ロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木
材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げ
ることができる。またそれらから得られたセルロースエ
ステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができ
る。これらのセルロースエステルは、アシル化剤が酸無
水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である
場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等
の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用い
てセルロース原料と反応させて得ることができる。
【0161】アシル化剤が酸クロライド(CH3COC
l、C25COCl、C37COCl)の場合には、触
媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行
われる。具体的には、特開平10−45804号に記載
の方法等を参考にして合成することができる。また、本
発明に用いられるセルロースエステルは各置換度に合わ
せて上記アシル化剤量を混合して反応させたものであ
り、セルロースエステルはこれらアシル化剤がセルロー
ス分子の水酸基に反応する。セルロース分子はグルコー
スユニットが多数連結したものからなっており、グルコ
ースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基
にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)という。
例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニッ
トの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している(実
際には2.6〜3.0)。
【0162】本発明に用いられるセルロースエステルと
しては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート、またはセルロースアセテー
トプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他に
プロピオネート基またはブチレート基が結合したセルロ
ースの混合脂肪酸エステルが特に好ましく用いられる。
なお、ブチレートを形成するブチリル基としては、直鎖
状でも分岐していてもよい。
【0163】プロピオネート基を置換基として含むセル
ロースアセテートプロピオネートは耐水性に優れ、液晶
画像表示装置用のフィルムとして有用である。
【0164】アシル基の置換度の測定方法はASTM−
D817−96の規定に準じて測定することができる。
【0165】セルロースエステルの数平均分子量は、7
0,000〜250,000が、成型した場合の機械的
強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好ましく、
更に好ましくは、80,000〜150,000であ
る。
【0166】(流延製膜法による支持体の作製)これら
セルロースエステルは後述するように一般的に溶液流延
製膜法と呼ばれるセルロースエステル溶解液(ドープ)
を、例えば、無限に移送する無端の金属ベルトまたは回
転する金属ドラムの流延用支持体上に加圧ダイからドー
プを流延(キャスティング)し製膜する方法で製造され
ることが好ましい。
【0167】これらドープの調製に用いられる有機溶媒
としては、セルロースエステルを溶解でき、かつ、適度
な沸点であることが好ましく、例えばメチレンクロライ
ド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−
ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,
2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラ
フルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2
−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,
2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、
ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の
有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即
ち、良溶媒)として挙げられる。
【0168】また、下記の製膜工程に示すように、溶媒
蒸発工程において流延用支持体上に形成されたウェブ
(ドープ膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の
発泡を防止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点と
しては、30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の
良溶媒の沸点は、メチレンクロライド(沸点40.4
℃)、酢酸メチル(沸点56.32℃)、アセトン(沸
点56.3℃)、酢酸エチル(沸点76.82℃)等で
ある。
【0169】上記記載の良溶媒の中でも溶解性に優れる
メチレンクロライド、酢酸メチルが好ましく用いられ、
特にメチレンクロライドが全有機溶媒に対して50質量
%以上含まれていることが好ましい。
【0170】上記有機溶媒の他に、0.1質量%〜30
質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させるこ
とが好ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記ア
ルコールが含まれることが好ましい。これらは上記記載
のドープを流延用支持体に流延後、溶媒が蒸発を始めア
ルコールの比率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル
化し、ウェブを丈夫にし流延用支持体から剥離すること
を容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの
割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエステ
ルの溶解を促進する役割もある。
【0171】炭素原子数1〜4のアルコールとしては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール等を挙げることができる。
【0172】これらの溶媒のうち、ドープの安定性がよ
く、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、且つ毒性がない
こと等からエタノールが好ましい。好ましくは、メチレ
ンクロライド70質量%〜95質量%に対してエタノー
ル5質量%〜30質量%を含む溶媒を用いることが好ま
しい。メチレンクロライドの代わりに酢酸メチルを用い
ることもできる。このとき、冷却溶解法によりドープを
調製してもよい。
【0173】本発明で用いられるセルロースエステルフ
ィルムは少なくとも幅手方向に延伸されたものが好まし
く、特に溶液流延工程で剥離残溶量が3質量%〜40質
量%であるときに幅手方向に1.01倍〜1.5倍に延
伸されたものであることが好ましい。より好ましくは幅
手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残溶
量が3質量%〜40質量%であるときに幅手方向及び長
手方向に、各々1.01倍〜1.5倍に延伸されること
が望ましい。こうすることによって、視認性に優れた防
眩性低反射フィルムを得ることが出来る。更に、2軸延
伸し、後述のナーリング加工をすることによって、長尺
状防眩性低反射フィルムのロール状での保管中の巻き形
状の劣化を著しく改善することができる。
【0174】このときの延伸倍率としては1.01倍〜
1.5倍が好ましく、特に好ましくは、1.03倍〜
1.45倍である。
【0175】更に好ましくは後述する裏面側の突起の数
が所定範囲内に調整することにより、ロール状の防眩性
低反射フィルムの保管安定性の向上効果が得られる。
【0176】(支持体の透過率)本発明に係る二軸延伸
されたセルロースエステルフィルムは、光透過率が90
%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体である
ことが好ましい。
【0177】(支持体の膜厚と透湿性)本発明に係るセ
ルロースエステルフィルム支持体は、その厚さが10μ
m〜100μmのものが好ましく、透湿性は、200g
/m2・24時間以下であることが好ましく、更に好ま
しくは、10〜180g/m2・24時間以下であり、
特に好ましくは、160g/m2・24時間以下であ
る。
【0178】特には、膜厚10μm〜60μmで透湿性
が上記範囲内であることが好ましい。
【0179】ここで、支持体の透湿性は、JIS Z
0208に記載の方法に従い、各試料の透湿性を測定し
た。
【0180】(長尺フィルム)本発明に係る長尺フィル
ムとは、具体的には、100m〜5000m程度のもの
を示し、通常、ロール状で提供される形態のものであ
る。更に、上記の長尺フィルムは下記に記載のナーリン
グ加工を施すことがこのましい。ここで、ナーリング加
工について説明する。
【0181】《ナーリング加工》本発明では、上記の長
尺フィルムの幅方向の両端に凹凸を付与して端部を嵩高
くするいわゆるナーリング加工が施されていることが好
ましい。ここで、ナーリング高さとは、下記のように定
義される。
【0182】ナーリング高さ(a:μm)のフィルム膜
厚(d:μm)に対する比率X(%)=(a/d)×1
00 本発明においては、X=1〜25%の範囲であることが
好ましく、5%〜20%が更に好ましく、10%〜15
%が特に好ましい。
【0183】また、本発明においては、上記のナーリン
グ加工は、フィルムの製膜工程において乾燥終了後、巻
き取りの前に設けることが好ましい。
【0184】(可塑剤)本発明の防眩性低反射フィルム
の支持体にセルロースエステルフィルムを用いる場合、
下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤と
しては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エ
ステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピ
ロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン
酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を好まし
く用いることができる。
【0185】リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジル
ジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェ
ート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸
エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキ
シエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニ
ルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメ
リット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、ト
リフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート
等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチ
ルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テ
トラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤で
は、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチ
ルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、
ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステ
ル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブ
チルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセ
チルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−
(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いる
ことができる。その他のカルボン酸エステルの例には、
オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバ
シン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含ま
れる。
【0186】ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基
酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグ
リコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪
族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、
セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロ
ヘキシルジカルボン酸等を用いることができる。グリコ
ールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等
を用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコー
ルはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して
用いてもよい。
【0187】特に、特願2000−338883記載の
エポキシ系化合物、ロジン系化合物、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、ケトン樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等の添
加物を有するセルロースエステルも好ましく用いられ
る。
【0188】具体的には、ロジン及びロジン誘導体とし
ては、以下の構造式のものが挙げられる。
【0189】
【化1】
【0190】上記化合物のうち、KE−604とKE−
610は荒川化学工業(株)からそれぞれ酸価237と
170で市販されている。同じく、荒川化学工業(株)
からアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びパラスト
リン酸3者の混合物のエステル化物として、KE−10
0及びKE−356が、それぞれの酸価は8と0で市販
されている。また、アビエチン酸、デヒドロアビエチン
酸及びパラストリン酸3者の混合物は、播磨化成(株)
からそれぞれの酸価167、168のG−7及びハート
ールR−Xで市販されている。
【0191】本発明に用いるエポキシ樹脂としては、以
下の構造を有するものが挙げられる。
【0192】
【化2】
【0193】アラルダイドEPN1179及びアラルダ
イドAER260は旭チバ(株)から市販されている。
【0194】ケトン樹脂としては、以下の構造のものが
挙げられる。
【0195】
【化3】
【0196】ハイラック110及びハイラック110H
は日立化成(株)から市販されている。
【0197】パラトルエンスルホンアミド樹脂として
は、以下の構造のものが挙げられ、トップラーとして、
フジアミドケミカル(株)から市販されている。
【0198】
【化4】
【0199】これらの可塑剤は単独または併用するのが
好ましい。これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、
加工性等の点で、セルロースエステルに対して1質量%
〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3質量%〜
13質量%である。
【0200】(紫外線吸収剤)本発明に係る支持体に用
いられる紫外線吸収剤について説明する。防眩性低反射
フィルム用の支持体には、紫外線吸収剤が好ましく用い
られる。
【0201】紫外線吸収剤としては、波長370nm以
下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観
点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないも
のが好ましく用いられる。
【0202】本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤
の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0203】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は下記一般式(7)で示される化合物が好ましく用いら
れる。
【0204】
【化5】
【0205】式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一
でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しく
はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員
の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素
環を形成してもよい。
【0206】また、上記記載のこれらの基は、任意の置
換基を有していてよい。以下に本発明に係る紫外線吸収
剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0207】UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,
4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール) UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェ
ノール(TINUVIN171、Ciba製) UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチル
ヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2
−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINU
VIN109、Ciba製) また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般
式(8)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0208】
【化6】
【0209】式中、Yは水素原子、ハロゲン原子または
アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェ
ニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及び
フェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原
子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロア
ルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル
基または−CO(NH)n1−D基を表し、Dはアルキ
ル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフ
ェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0210】上記において、アルキル基としては、例え
ば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表
し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までの
アルコキシル基を表し、アルケニル基としては例えば、
炭素数16までのアルケニル基でアリル基、2−ブテニ
ル基等を表す。また、アルキル基、アルケニル基、フェ
ニル基への置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、フェ
ニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン
原子等を置換していてもよい)等が挙げられる。
【0211】以下に一般式(8)で表されるベンゾフェ
ノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されない。
【0212】UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スル
ホベンゾフェノン UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5
−ベンゾイルフェニルメタン) 本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤としては、透
明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫
外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられ
る。
【0213】また、特開2001−187825に記載
されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤は、支
持体の面品質を向上させ、塗布性にも優れている。特に
分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが
好ましい。
【0214】また、特開平6−148430号に記載の
一般式(1)または一般式(2)、特願2000−15
6039の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子
紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好まし
く用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA
−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
【0215】本発明に用いられる紫外線吸収剤添加液の
添加方法としては、下記に記載の方法が挙げられる。
【0216】《添加方法A》紫外線吸収剤添加液の調製
方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオ
キソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解してから
直接ドープ組成中に添加する。
【0217】《添加方法B》紫外線吸収剤添加液の調製
方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオ
キソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤と少量のセルロ
ースエステルを溶解してからインラインミキサーでドー
プに添加する。
【0218】本発明においては、添加方法Bの方が、紫
外線吸収剤の添加量を容易に調整できるため、生産性に
優れていて好ましい。
【0219】紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使
用条件などにより一様ではないが、通常はセルロースエ
ステルフィルム1m2当り、0.2〜2.0gが好まし
く、0.4〜1.5gがさらに好ましく、0.6〜1.
0gが特に好ましい。
【0220】本発明に用いられるセルロースエステルフ
ィルムには滑り性を付与するために微粒子を添加するこ
とができる。微粒子としては、無機化合物の微粒子また
は有機化合物の微粒子が挙げられる。
【0221】無機化合物としては、珪素を含む化合物、
二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭
酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケ
イ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が
好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や
酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステル積層フ
ィルムの濁度を低減できるので、二酸化珪素が特に好ま
しく用いられる。
【0222】二酸化珪素の微粒子としては、例えば、ア
エロジルR972、R972V、R974、R812、
200、200V、300、R202、OX50、TT
600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使
用できる。
【0223】酸化ジルコニウムの微粒子としては、例え
ば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロ
ジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0224】有機化合物としては、例えば、シリコーン
樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好まし
く、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
【0225】上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に
三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、ト
スパール103、同105、同108、同120、同1
45、同3120及び同240(以上東芝シリコーン
(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0226】本発明に用いられるセルロースエステルフ
ィルムに添加される微粒子の1次平均粒子径としては、
ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好
ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好
ましくは、5〜12nmである。これらの微粒子は0.
1〜5μmの粒径の2次粒子を形成してセルロースエス
テルフィルムに含まれることが好ましく、好ましい平均
粒径は0.1〜2μmであり、更に好ましくは0.2〜
0.6μmである。これにより、フィルム表面に高さ
0.1〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによって
フィルム表面に適切な滑り性を与えることが出来る。
【0227】本発明に用いられる微粒子の1次平均粒子
径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万
倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その
平均値をもって、1次平均粒子径とした。
【0228】微粒子の見掛比重としては、70g/リッ
トル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g
/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g
/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散
液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化する
ため好ましく、また、本発明のように固形分濃度の高い
ドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
【0229】1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比
重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例え
ば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1
000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得る
ことができる。また例えばアエロジル200V、アエロ
ジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品
名で市販されており、それらを使用することができる。
【0230】上記記載の見掛比重は二酸化珪素微粒子を
一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、
下記式で算出したものである。
【0231】見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質
量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル) 本発明に用いられる微粒子の分散液を調製する方法とし
ては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
【0232】《調製方法A》溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0233】《調製方法B》溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。別に溶剤に少量のセルローストリアセテートを加
え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹
拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をイ
ンラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0234】《調製方法C》溶剤に少量のセルロースト
リアセテートを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加
えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。
微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混
合する。
【0235】調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に
優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい
点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸
化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が再凝集し
にくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
【0236】《分散方法》二酸化珪素微粒子を溶剤など
と混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5質量%
〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がさ
らに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散
濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向
があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0237】使用される溶剤は低級アルコール類として
は、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチル
アルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒
としては特に限定されないが、セルロースエステルの製
膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
【0238】セルロースエステルに対する二酸化珪素微
粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対し
て、二酸化珪素微粒子は0.01質量部〜0.3質量部
が好ましく、0.05質量部〜0.2質量部がさらに好
ましく、0.08質量部〜0.12質量部が最も好まし
い。添加量は多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少
ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れてい
る。
【0239】分散機は通常の分散機が使用できる。分散
機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機
に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレ
ス分散機がヘイズが低く好ましい。
【0240】メディア分散機としてはボールミル、サン
ドミル、ダイノミルなどがあげられる。
【0241】メディアレス分散機としては超音波型、遠
心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散
装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合
した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断
や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧
分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μ
mの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MP
a以上であることが好ましい。更に好ましくは19.6
13MPa以上である。またその際、最高到達速度が1
00m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/
時間以上に達するものが好ましい。
【0242】上記のような高圧分散装置にはMicro
fluidics Corporation社製超高圧
ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいは
ナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴー
リン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホ
モジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げ
られる。
【0243】また、微粒子を含むドープを流延支持体に
直接接するように流延することが、滑り性が高く、ヘイ
ズが低いフィルムが得られるので好ましい。
【0244】又、ロール状に巻き取られた後、出荷され
るまでの間、汚れや静電気によるゴミ付着等から製品を
保護するために通常、包装加工がなされる。この包装材
料については、上記目的が果たせれば特に限定されない
が、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが好
ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、紙、各種不織
布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス状になったも
のは、より好ましく用いられる。
【0245】本発明のセルロースエステルフィルムは複
数のドープを用いた共流延法等による多層構成を有する
ものであってもよい。
【0246】共流延とは、異なったダイを通じて2層ま
たは3層構成にする逐次多層流延方法、2つまたは3つ
のスリットを有するダイ内で合流させ2層または3層構
成にする同時多層流延方法、逐次多層流延と同時多層流
延を組み合わせた多層流延方法のいずれであっても良
い。
【0247】本発明のセルロースエステルフィルムの作
製に用いられる好ましい製造装置の例を図1を用いて説
明する。
【0248】図1において、エンドレスステンレスベル
ト1は、乾燥ゾーン3と乾燥ゾーン4の間を循環してい
る。ドープ組成物は、ダイ2から流延部5でエンドレス
ステンレスベルト1の上に流延され、矢印方向に運ば
れ、乾燥ゾーン3と乾燥ゾーン4で、乾燥され、剥離部
6で剥離ロール7によりエンドレスステンレスベルト1
から剥離される。剥離されたフィルムは、更に第1乾燥
ゾーン8を通り、第2乾燥ゾーン10から、第3乾燥ゾ
ーン11へ運ばれ、製品として巻き取り部12で巻き取
られる。尚、第1乾燥ゾーン8と第3乾燥ゾーン11
は、パスを長くとるため、搬送ロール9により搬送され
る。
【0249】第2乾燥ゾーンにおいては、テンター等の
延伸手段により幅手または、幅手と長手の両方向に延伸
される。
【0250】又、本発明で用いられるセルロースエステ
ルはフィルムにしたときの輝点異物が少ないものが、支
持体として好ましく用いられる。本発明において、輝点
異物とは、2枚の偏光板を直交に配置し(クロスニコ
ル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置し
て、一方の面から光源の光を当てて、もう一方の面から
セルロースエステルフィルムを観察したときに、光源の
光がもれて見える点のことである。
【0251】このとき評価に用いる偏光板は輝点異物が
ない保護フィルムで構成されたものであることが望まし
く、偏光子の保護にガラス板を使用したものが好ましく
用いられる。輝点異物の発生は、セルロースエステルに
含まれる未酢化のセルロースがその原因の1つと考えら
れ、対策としては、未酢化のセルロース量の少ないセル
ロースエステルを用いることや、また、セルロースエス
テルを溶解したドープ液の濾過等により、除去、低減が
可能である。又、フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積
当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに含まれる
セルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物
は少なくなる傾向がある。
【0252】輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上
のものが200個/cm2以下であることが好ましく、
更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2
以下、30個/cm2以下、10個/cm2以下であるこ
とが好ましいが、特に好ましくは、0であることであ
る。
【0253】又、0.005mm〜0.01mmの輝点
についても200個/cm2以下であることが好まし
く、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/
cm2以下、30個/cm2以下、10個/cm2以下で
あることが好ましいが、特に好ましいのは、輝点が0の
場合である。0.005mm以下の輝点についても少な
いものが好ましい。
【0254】輝点異物を濾過によって除去する場合、セ
ルロースエステルを単独で溶解させたものを濾過するよ
りも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点
異物の除去効率が高く好ましい。濾材としては、ガラス
繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂な
どのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられ
るが、セラミックス、金属等も好ましく用いられる。絶
対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく、更
に好ましくは、30μm以下、10μm以下であるが、
特に好ましくは、5μm以下のものである。
【0255】これらは、適宜組み合わせて使用すること
もできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプ
でも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的
目詰まりしにくく好ましく用いられる。
【0256】《バックコート層》 (支持体のバックコート層の突起)本発明の防眩性低反
射フィルムは、支持体の一方の面には防眩層、反射防止
層等を有するが、もう一方の面(裏面ともいう)には、
表面からの高さが、0.1μm以上の突起を10個〜5
00個/100μm2有することが好ましく、更に好ま
しくは、50個〜500個/100μm2であり、特に
好ましくは、100個〜450個/100μm2であ
る。
【0257】ここで、表面の突起数の測定は、光学干渉
式表面粗さ計(例えばWYKO社製RST PLUS)
を用い、フィルム表面から高さ0.1μm以上の突起の
数をカウントすることができる。
【0258】このような裏面側の突起は、あらかじめフ
ィルム中に微粒子を添加する方法、あるいは微粒子を含
有する塗布液を塗設してバックコート層を設ける方法に
よって形成することが出来る。突起の数や大きさは微粒
子の添加量や分散状態を制御することによって制御する
ことができる。
【0259】これによって、各光学干渉層塗設中に一旦
ロール状に巻き取りをしてもブロッキングの発生が防止
できるだけでなく、次の光学干渉層を塗設する際の塗布
むらを著しく低減することができる。塗布むらの原因は
完全に明らかにはなっていないが、原因の1つとしてロ
ール状に巻き取ったフィルムを塗布工程に送り出す際の
剥離帯電が関係していると推測される。基材フィルム中
に微粒子を添加することで、裏面に高さ0.1〜10μ
mの突起を10〜500個/100μm2有するように
することができる。このとき、基材フィルムを多層構成
として、表層のみに微粒子を含ませることもできる。
【0260】裏面の突起を上記の範囲に調整することに
より、長尺ロール状の防眩性低反射フィルムの保管性の
改善に効果がある。
【0261】バックコート層には、樹脂と微粒子が含ま
れていることが好ましく、添加する微粒子の種類として
は、有機化合物でも無機化合物でもよく、例えば二酸化
けい素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ
酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機
微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好まし
い。中でも二酸化けい素がフィルムのヘイズを小さくで
きるので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.
1〜10μmで、その含有量は基材のセルロースエステ
ルに対して0.04〜0.3質量%が好ましい。二酸化
けい素のような微粒子には有機物により表面処理されて
いる場合が多いが、これはフィルムのヘイズを低下でき
るため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、
ハロシラン類、アルコキシシラン類(特にメチル基を有
するアルコキシシラン類)、シラザン、シロキサン等が
挙げられる。微粒子の平均粒径は大きい方がマット効果
が大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れる
ため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50
nmで、より好ましくは7〜16nmである。二酸化け
い素の微粒子としてはアエロジル(株)製のAEROS
IL(アエロジル)200、200V、300、R97
2、R972V、R974、R202、R812,OX
50、TT600等を挙げることができ、好ましくはA
EROSIL(アエロジル)200V、R972、R9
72V、R974、R202、R812である。これら
の微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併用する
場合、任意の割合で混合して使用することができる。こ
の場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例えばAER
OSIL(アエロジル)200VとR972Vを質量比
で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用で
きる。
【0262】この塗布組成物には樹脂を含ませることが
でき、ここで用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分
加水分解した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル/アクリロ
ニトリル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合
体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合
体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセ
テートプロピオネート、セルロースジアセテート、セル
ローストリアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセル
ロースエステル系樹脂、マレイン酸及び/またはアクリ
ル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ロニトリル/スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、
アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重
合体、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共
重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹
脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネート
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン/ブタジエ
ン樹脂、ブタジエン/アクリロニトリル樹脂等のゴム系
樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げること
ができるが、これらに限定されるものではない。アクリ
ル樹脂としては、アクリペットMD、VH、MF、V
(以上、三菱レーヨン(株)製)、ハイパールM−40
03、M−4005、M−4006、M−4202、M
−5000、M−5001、M−4501(以上、根上
工業(株)製)、ダイヤナールBR−50、BR−5
2、BR−53、BR−60、BR−64、BR−7
3、BR−75、BR−77、BR−79、BR−8
0、BR−82、BR−83、BR−85、BR−8
7、BR−88、BR−90、BR−93、BR−9
5、BR−100、BR−101、BR−102、BR
−105、BR−106、BR−107、BR−10
8、BR−112、BR−113、BR−115、BR
−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レ
ーヨン(株)製)等が用いられる。特に好ましくはジア
セチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネー
トのようなセルロースエステル樹脂が用いられる。
【0263】添加する微粒子の添加量、粒径を調整する
ことによって裏面の突起数を調整することが出来る。ま
た、反射防止層(光学干渉層ともいう)の裏面側に微粒
子を含む層を塗設することによって、裏面に高さ0.1
〜10μmの突起を1〜500個/0.01mm2有す
る防眩性低反射フィルムを提供することができる。
【0264】上記のような樹脂、微粒子の混合組成物を
溶解、膨潤または分散させる溶媒としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、
メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、
酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレ
ンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタ
ン、トリクロロエタン、クロロホルム等がある。溶解さ
せない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、n−ブタノール等が挙げられる。
【0265】本発明に用いられるバックコート層には、
アンチカール機能を付与することもできる。具体的には
支持体を溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒を含む組
成物を塗布することによって行われる。用いる溶媒とし
ては、溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒の混合物の
他、さらに溶解させない溶媒を含む場合もある。これら
を樹脂フィルムのカール度や樹脂の種類によって適宜選
択した割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。
【0266】カール防止機能を強めたい場合は、溶解さ
せる溶媒または膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、
溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的であ
る。この混合比率は好ましくは、(溶解させる溶媒また
は膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0
〜1:9で用いられる。
【0267】これらの塗布組成物をグラビアコーター、
ディップコーター、リバースロールコーター、押し出し
コーター等を用いて基材の表面にウェット膜厚1〜10
0μm塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであ
るとよい。
【0268】本発明に用いられるバックコート層を塗設
する順番は、反射防止層を塗設する前であることが好ま
しく、更に好ましくは、防眩層を設ける前に支持体上に
設けることである。
【0269】本発明の防眩性低反射フィルムに設けられ
る各層の組成物の塗布方法としては、ディッピング、ス
ピンコート、ナイフコート、バーコート、エアードクタ
ーコート、ブレードコート、スクイズコート、リバース
ロールコート、グラビアロールコート、カーテンコー
ト、スプレイコート、ダイコート等の公知の塗布方法を
用いてことができ、連続塗布または薄膜塗布が可能な塗
布方法が好ましく用いられる。
【0270】前記組成物を基材に塗布する際、塗布液中
の固形分濃度や塗布量を調整することにより、層の膜厚
及び塗布均一性等をコントロールすることができる。
【0271】(偏光板及びそれを用いる表示装置)本発
明の偏光板、それを用いた本発明の表示装置について説
明する。本発明の偏光板に用いる偏光子としては、従来
公知のものを用いることができる。偏光子とは、一定方
向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られてい
る代表的な偏光偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光
フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムに
ヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたもの
がある。これらは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜
し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸
延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を
行ったものが用いられている。
【0272】本発明の偏光板はこうして得られた偏光子
と本発明の防眩性低反射フィルムと貼合して得られる。
【0273】本発明の防眩性低反射フィルムは偏光板保
護フィルムとして好ましく用いられ、偏光子の少なくと
も片側に積層し、貼合されて偏光板とすることができ
る。
【0274】本発明に係る偏光板は、一般的な方法で作
製することができる。例えば、本発明の防眩性低反射フ
ィルムをアルカリ処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作
製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコ
ール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。上記記載
のアルカリケン化処理とは、このときの水系接着剤の濡
れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエ
ステルフィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理を
示す。このとき、反射防止層の表面には再剥離性の保護
フィルム(例えばPET等のポリエステル樹脂製)を設
けることにより、アルカリや汚れから保護することがで
きる。
【0275】本発明の防眩性低反射フィルムを一方の偏
光板保護フィルムとして用いた場合、もう一方の偏光板
保護フィルムには、光学補償機能を持たせることが出来
る。例えば、直接または配向層を介して、液晶を塗布し
て配向、固定化した光学異方層(例えばハイブリッド配
向で固定化した層)を設け、これを偏光板保護フィルム
として用いて視野角拡大効果を有する偏光板を作製する
ことも出来る。又、必要に応じて、反射防止層の表面に
防汚性を持たせるかあるいは防汚層を設けることが出来
る。防汚層としてはSi系あるいはF系の公知の化合物
を用いた層が好ましく用いられる。
【0276】反射防止層/防眩層/セルロースエステル
フィルム/偏光子/セルロースエステルフィルム/配向
層/光学異方層 (液晶セル)この様にして得られた偏
光板は、液晶セルの一方の面もしくは、両面に設けても
よい。本発明の防眩性低反射フィルムは反射防止層が外
側を向くように液晶セルに貼りつけ、本発明の表示装置
が得られる。本発明の防眩性低反射フィルムを用いるこ
とにょって、高精細でありながら視認性に優れた表示装
置を提供することができる。
【0277】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0278】実施例1 反射防止層を構成する各層の屈折率、膜厚、支持体のセ
ルロースエステルの置換度、反射防止層の表面粗さ、凸
部の数、裏面の突起数は下記方法で測定した。
【0279】(屈折率、膜厚)各屈折率層の屈折率と膜
厚は、各層を単独で塗設したサンプルについて、分光光
度計の分光反射率の測定結果から求めた。分光光度計は
U−4000型(日立製作所製)を用いて、サンプルの
測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光
吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正
反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)
の反射率の測定を行った。
【0280】(反射防止層の表面粗さ、凸部の数、平均
山谷間隔、平均傾斜角)光学干渉式表面粗さ計(WYK
O社製 RSTPLUS非接触三次元微少表面形状測定
システム)を用い、表面粗さを2次元的に測定した。こ
の測定結果より所定面積あたりの凸部の数を数えた。
又、表面粗さを2次元的に測定した結果より、直線で長
さ150μmで間隔10μmで平行である20本の表面
粗さ曲線(長さの合計:3000μm)を得て、該表面
粗さ曲線より平均山谷間隔と平均傾斜角を求めた。
【0281】ここで、平均山谷間隔とは、前記の表面粗
さ曲線における凹凸変化が微小な部分(平坦に近い部
分)に基づいて表面粗さ曲線の凹凸変化が凸部として評
価できる基準線を想定し、その基準線からの当該凸部の
高さの平均を中心線として、表面粗さ曲線がその中心線
を下から上(又は上から下)に通過する際の交点に基づ
きその交点間の距離の平均として定義することができ
る。
【0282】(裏面側の突起の数)光学干渉式表面粗さ
計(WYKO社製 RSTPLUS非接触三次元微少表
面形状測定システム)を用い、反射防止層を有する支持
体の面の裏面側の表面粗さを2次元的に測定した。この
測定結果より所定面積あたりの隣接する底部に対して高
さ0.1μm以上の突起の数を数えた。
【0283】(微粒子の平均粒子径)使用する微粒子の
粒子径は電子顕微鏡観察(SEM)にて各々100個の
微粒子を観察し、各微粒子に外接する円の直径を粒子径
としてその平均値を平均粒子径とした。
【0284】(セルロースエステルの置換度)ASTM
−D817−96に規定の方法に準じて行った。
【0285】《セルロースエステルフィルムの作製》下
記のように各種添加液、各種ドープを調製して、セルロ
ースエステルフィルムを作製した。
【0286】(セルロースエステルフィルム1の作製:
長尺物) 〈酸化けい素分散液Aの調製〉 アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製) 1kg エタノール 9kg 以上をディゾルバで30分間撹拌混合した後、マントン
ゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化けい
素分散液Aを調製した。
【0287】 〈添加液Bの調製〉 セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.88) 6kg メチレンクロライド 140kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液Aを撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した
後、濾過し、添加液Bを調製した。
【0288】 〈ドープCの調製〉 メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.88)100kg トリフェニルホスフェート 9kg エチルフタリルエチルグリコレート 2kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.3kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混合し
た。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡
操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙N
o.244を使用して濾過した。更に上記溶液に添加液
Bを3kg添加し、インラインミキサー(東レ(株)製
静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で10分
間混合し、濾過し、ドープCを調製した。
【0289】ドープCを濾過した後、ベルト流延装置を
用い、35℃のドープを35℃のステンレスバンド支持
体上に均一に流延した。その後、支持体上で乾燥させた
後、ステンレスバンド支持体上からフィルムを剥離し
た。このときのフィルムの残留溶媒量は80%であっ
た。ステンレスバンド支持体から剥離した後、80℃に
維持された乾燥ゾーンで1分間乾燥させた後、2軸延伸
テンターを用いて、残留溶媒量3〜10質量%であると
きに100℃の雰囲気下で長手方向に1.03倍、幅方
向に1.1倍に延伸し、幅把持を解放して、多数のロー
ルで搬送させながら125℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了
させ、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナー
リング加工を施して、膜厚80μmのセルロースエステ
ルフィルム1を作製した。フィルム幅は1300mm、
巻き取り長は1500mとした。面内リターデーション
0は1nmであった。
【0290】(セルロースエステルフィルム2の作製)
セルロースエステルフィルム1の作製において、ドープ
CをドープEに替えた以外は同様にして、膜厚60μ
m、ナーリング高さ10μmのセルロースエステルフィ
ルム2を作製した。
【0291】 (添加液Dの調製) セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基の置換度1.9、プロピオ ニル基の置換度0.7) 6kg 酢酸メチル 100kg エタノール 40kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶
解し、濾過した。これに10kgの上記酸化けい素分散
液Aを撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した
後、濾過し、添加液Dを調製した。
【0292】 (ドープEの調製) セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基の置換度1.9、プロピオ ニル基の置換度0.7) 100kg 酢酸メチル 290kg エタノール 85kg トリフェニルフォスフェート 8kg エチルフタリルエチルグリコレート 2kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.3kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg 上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素
材を投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混合し
た。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡
操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙N
o.244を使用して濾過した。更に上記溶液に添加液
Dを3kg添加し、インラインミキサー(東レ(株)製
静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で十分混
合し、濾過し、ドープEを調製した。
【0293】(セルロースエステルフィルム3の作製)
セルロースエステルフィルム1の作製において、2軸延
伸テンターを行わずに乾燥させた以外は同様にして、膜
厚80μmのセルロースエステルフィルム3を作製し
た。
【0294】(セルロースエステルフィルム4の作製)
セルロースエステルフィルム2の作製において、2軸延
伸テンターを行わずに乾燥させた以外は同様にして、膜
厚60μmのセルロースエステルフィルム4を作製し
た。
【0295】(セルロースエステルフィルム5の作製)
セルロースエステルフィルム1の作製において、2軸延
伸テンターの際の延伸倍率を長手方向に1.03倍、幅
方向に1.08倍、ナーリング高さ5μmにした以外は
同様にして膜厚40μmのセルロースエステルフィルム
5を作製した。
【0296】《バックコート層を有するセルロースエス
テルフィルム1〜5の作製》上記で作製したセルロース
エステルフィルム1〜5の各々のa面(流延製膜の際に
ステンレスバンド支持体に接していた側(b面)の反対
側の面)に、下記バックコート層組成物(1)をウェッ
ト膜厚14μmとなるように押し出しコーターで塗布
し、85℃にて乾燥し巻き取り、バックコート層を設け
た。
【0297】バックコート層の表面の高さ0.1μm以
上の突起数は480個/100μm 2であった。
【0298】 〈バックコート層組成物(1)〉 アセトン 30質量部 酢酸エチル 45質量部 イソプロピルアルコール 10質量部 ジアセチルセルロース 0.6質量部 超微粒子シリカ2%アセトン分散液 (日本アエロジル(株)製アエロジル200V) 0.2質量部 上記で作製したバックコート層を有するセルロースエス
テルフィルム1〜5の作製に用いたドープ、製造条件等
を表3に示す。
【0299】
【表3】
【0300】《防眩性低反射フィルムの作製》 (防眩性低反射フィルム1〜5の作製)上記で作製した
バックコート層を有するセルロースエステルフィルム1
〜5を用いて各々のb面上にワイヤーバーコータを用い
て下記の防眩層組成物1を塗布し、酢酸メチルを蒸発さ
せて厚さ10μmの塗布層を形成し、次いで、前記塗布
層に高圧水銀ランプを用いて150mJ/cm2とにな
るように紫外線を照射し、防眩層1を有するセルロース
エステルフィルム1〜5を、各々作製した。
【0301】 (防眩層組成物1) 合成シリカ粒子(平均粒径1.8μm) 8質量部 紫外線硬化型のアクリルウレタン系樹脂 100質量部 ベンゾフェノン(光開始剤) 3質量部 上記の材料を酢酸エチル中で高速撹拌して固形分50質
量%の混合分散液を調製した。
【0302】上記で得られた防眩層1を有するセルロー
スエステルフィルム1〜5の防眩層上に、下記のように
中屈折率層、高屈折率層、次いで、低屈折率層の順に反
射防止層を塗設し、表4に記載の防眩性低反射フィルム
1〜5を作製した。
【0303】《反射防止層の作製:中屈折率層》防眩層
を有するセルロースエステルフィルム1の防眩層の上
に、下記中屈折率層組成物M−1を押し出しコーターで
塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ
(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射し
て硬化させ、厚さが78nmとなるように中屈折率層を
設けた。なお、この中屈折率層の屈折率は1.70であ
った。
【0304】 (中屈折率層組成物M−1) イソプロピルアルコール 510質量部 水 2質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 227質量部 メチルエチルケトン 84質量部 テトラ(n)ブトキシチタン 39質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学社製KBM503) 6質量部 5%アクリル樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製、 ダイヤナールBR−102、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルに 溶解) 31質量部 10%シリコーンオイル(信越化学工業(株)社製KF−96−1,000C S、溶媒:メチルエチルケトン) 1.5質量部 《反射防止層の作製:高屈折率層》前記の中屈折率層上
に、下記の高屈折率層組成物H−1を押し出しコーター
で塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ラン
プ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射
して硬化させ、厚さが66nmとなるように高屈折率層
を設けた。尚、この高屈折率層の屈折率は1.85であ
った。
【0305】 〈高屈折率層組成物H−1〉 イソプロピルアルコール 445質量部 水 1.5質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 223質量部 メチルエチルケトン 73質量部 テトラ(n)ブトキシチタン 545質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学社製KBM503) 0.8質量部 10%シリコーンオイル(信越化学工業(株)社製KF−96−1,000C S、溶媒:メチルエチルケトン) 1.4質量部 《反射防止層の作製:低屈折率層》前記の高屈折率層上
に、下記の低屈折率層組成物L−1を押し出しコーター
で塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、更に120℃
で5分間熱硬化させ、さらに紫外線を175mJ/cm
2照射して硬化させ、厚さ95nmとなるように低屈折
率層を設けた。尚、この低屈折率層の屈折率は1.45
であった。
【0306】〈テトラエトキシシラン加水分解物Aの調
製〉テトラエトキシシラン580gとエタノール114
4gを混合し、これにクエン酸水溶液(クエン酸1水和
物5.4gを水272gに溶解したもの)を添加した後
に、室温(25℃)にて1時間攪拌することでテトラエ
トキシシラン加水分解物Aを調製した。
【0307】 (低屈折率層組成物L−1) プロピレングリコールモノメチルエーテル 303質量部 イソプロピルアルコール 305質量部 テトラエトキシシラン加水分解物A 139質量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学社製KBM503) 1.6質量部 10%FZ−2207、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液 (日本ユニカー社製) 1.3質量部 (防眩性低反射フィルム6〜10の作製:比較)上記記
載の防眩性低反射フィルム1〜5の作製において、防眩
層1を下記の防眩層2の塗設に変更した以外は同様にし
て、表4に記載の防眩性低反射フィルム6〜10を各々
作製した。
【0308】 (防眩層組成物2:比較用) 合成シリカ粒子(平均粒径4.5μm) 5質量部 紫外線硬化型のアクリルウレタン系樹脂 100質量部 ベンゾフェノン(光開始剤) 3質量部 上記記載の材料を酢酸エチル中で高速撹拌して固形分5
0質量%の混合分散液を調製した。
【0309】(防眩制定反射フィルム11〜15の作
製:比較)防眩層組成物1を下記の防眩層組成物3に変
更した以外は同様にして防眩層3及び上記反射防止層を
有する表4記載の防眩性低反射フィルム11〜15を各
々作製した。
【0310】 (防眩層組成物3:比較用) 合成シリカ粒子(平均粒径16nm) 1質量部 紫外線硬化型のアクリルウレタン系樹脂 100質量部 ベンゾフェノン(光開始剤) 3質量部 上記記載の材料を酢酸エチル中で高速撹拌して固形分5
0質量%の混合分散液を調製した。
【0311】得られた防眩性低反射フィルム1〜5の反
射防止層表面における微細凹凸構造を光学干渉式表面粗
さ計で観察したところ、隣接の凹部底を基準とした高さ
が0.5μm〜2μmの100μm2あたり凸部数(凸
部数A)を、平均で5.3個有していた。また、上記の
防眩性低反射フィルム1〜5は鉛筆硬度2Hのハードコ
ート性を示し、ヘイズ20%の光拡散性を示した。
【0312】防眩性低反射フィルム6〜10の反射防止
層表面における微細凹凸構造を光学干渉式表面粗さ計で
観察したところ、隣接の凹部底を基準とした高さが0.
5μm〜2μmの凸部を100μm2あたり、平均で
2.3個有していた。ヘイズ15%の光拡散性であっ
た。
【0313】防眩性低反射フィルム11〜15の反射防
止層表面における微細凹凸構造を光学干渉式表面粗さ計
で観察したところ、隣接の凹部底を基準とした高さが
0.5μm〜2μmの凸部を100μm2あたり、0個
であり、ヘイズ4.8%の光拡散性であった。
【0314】次いで、得られた防眩性低反射フィルム1
〜15の各々について下記のような評価を行った。
【0315】《反射率評価》分光光度計(日立製作所製
U−4000型)を用い、反射防止層(中屈折率層、高
屈折率層、低屈折率層)が塗布されていない側の防眩性
低反射フィルムのもう一方の面(バックコート層が塗設
されている面)を粗面化した後、黒色のスプレーを用い
て光吸収処理を行い、裏面での光の反射を防止して5度
の正反射の条件にて反射率の測定した。450nm〜6
50nmにおける平均反射率を反射率とした。
【0316】《接着性評価》JIS K 5400に準
拠した碁盤目試験を行った。具体的には、得られた防眩
性低反射フィルムの反射防止層に1mm間隔で縦、横に
11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個作
り、この上にセロハン粘着テープを貼り付け、90°で
素早く剥がし、剥がれずに残った碁盤目の数をカウント
し、下記に示すようなランク評価を行った。本発明の防
眩性低反射フィルム1〜5はいずれもAであった。これ
に対して比較の防眩性低反射フィルム6〜15はいずれ
もBであった。
【0317】A:100 B:90〜99 C:80〜89 D:50〜79 E:49以下 Bランク以上が実用可である。
【0318】《耐擦り傷性評価》1cm2当たり100
gの重りを載せた#0000のスチールウールを用い、
試料表面を10回擦って、発生する傷を目視でカウント
し、下記に示すようなランク評価を行った。その結果、
本発明の防眩性低反射フィルム1〜5はいずれもAであ
った。これに対して比較の防眩性低反射フィルム6〜1
5はいずれもBであった。
【0319】A:5本未満 B:5〜10本未満 C:10〜20本未満 D:20本以上 Bランク以上が実用可である。
【0320】《反射色むら評価》作製した防眩性低反射
フィルムの反射光の色むらを1m2について目視により
下記のようにランク評価した。
【0321】A:反射光の色調変化が認められない B:ごく一部に反射光の色調変化が認められる。(面積
の10%未満) C:部分的に反射光の色調変化が認められる(面積の1
0%以上30%未満) D:全体的に反射光の色調変化が認められる。
【0322】《視認性評価》防眩性低反射フィルムの視
認性については、防眩性低反射フィルム1〜15を各々
用いて下記のようにして偏光板1〜15を各々作製し、
それらの偏光板を液晶表示パネルに組み込み、視認性を
評価した。
【0323】下記の方法に従って、防眩性低反射フィル
ムと該フィルムに支持体として用いられているセルロー
スエステルフィルム各々1枚を偏光板保護フィルムとし
て用いて本発明の偏光板を作製した。
【0324】(a)偏光膜の作製 厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルム
を、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。こ
れをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水10
0gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨ
ウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率
からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥
し長尺の偏光膜を得た。
【0325】(b)偏光板の作製 次いで、下記工程1〜5に従って、偏光膜と偏光板用保
護フィルムとを貼り合わせて偏光板を作製した。
【0326】工程1:長尺のセルロースエステルフィル
ム1と防眩性低反射フィルム1を2mol/Lの水酸化
ナトリウム溶液に60℃で90秒間浸漬し、次いで水
洗、乾燥させた。防眩性低反射フィルム1の反射防止層
を設けた面にはあらかじめ剥離性の保護フィルム(PE
T製)を張り付けて保護した。
【0327】同様に長尺のセルロースエステルフィルム
1を2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で9
0秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。
【0328】工程2:前述の長尺の偏光膜を固形分2質
量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸
漬した。
【0329】工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の
接着剤を軽く取り除き、それを工程1でアルカリ処理し
たセルロースエステルフィルム1と防眩性低反射フィル
ム1で挟み込んで、積層配置した。
【0330】工程4:2つの回転するローラにて20〜
30N/cm2の圧力で約2m/minの速度で張り合
わせた。このとき気泡が入らないように注意して実施し
た。
【0331】工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作
製した試料を2分間乾燥処理し、本発明の偏光板1を作
製した。
【0332】防眩性低反射フィルム1を防眩性低反射フ
ィルム2〜15に代えて一方の偏光板保護フィルムとし
て用いた以外は同様にしてそれぞれ偏光板2〜15を作
製した。このときもう一方の偏光板保護フィルムにはそ
れぞれの防眩性低反射フィルムに支持体として用いられ
ているセルロースエステルフィルムを各々使用した。
【0333】市販の液晶表示パネル(NEC製 カラー
液晶ディスプレイ MultiSync LCD152
5J:型名 LA−1529HM)の最表面の偏光板を
注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた本発明の偏
光板1〜5又は比較例である偏光板6〜15を張り付け
た。
【0334】上記のようにして得られた液晶パネルを床
から80cmの高さの机上に配置し、床から3mの高さ
の天井部に昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−
X松下電器産業(株)製)40W×2本を1セットとし
て1.5m間隔で10セット配置した。このとき評価者
が液晶パネル表示面正面にいるときに、評価者の頭上よ
り後方に向けて天井部に前記蛍光灯がくるように配置し
た。液晶パネルは机に対する垂直方向から25°傾けて
蛍光灯が写り込むようにして画面の見易さ(視認性)を
下記のようにランク評価した。
【0335】A:もっとも近い蛍光灯の移りこみから気
にならず、フォントの大きさ8以下の文字もはっきりと
読める B:近くの蛍光灯の写りこみはやや気になるが、遠くは
気にならず、フォントの大きさ8以下の文字もなんとか
と読める C:遠くの蛍光灯の写りこみも気になり、フォントの大
きさ8以下の文字を読むのは困難である D:蛍光灯の写りこみがかなり気になり、写り込みの部
分はフォントの大きさ8以下の文字を読むことはできな
い 得られた防眩性低反射フィルム1〜15の各々の物理的
特性、評価結果を表4に示す。
【0336】
【表4】
【0337】表4から、比較と比べて本発明の試料は、
視認性が高く、反射率も低く、反射光の色むらもなく、
反射防止層と防眩層との接着性も良好であり、且つ、耐
擦り傷耐性も良好であることが明らかである。
【0338】実施例2実施例1の防眩性低反射フィルム
1〜5の作製において、防眩層組成物1を下記の防眩層
組成物4に変更した以外は同様にして防眩性低反射フィ
ルム16〜20を各々作製した。
【0339】同様に防眩層組成物4を防眩層組成物5に
変更した以外は同様にして防眩性低反射フィルム21〜
25を各々作製した。
【0340】 (防眩層組成物4) 合成シリカ粒子(平均粒径0.016μm) 5質量部 合成シリカ粒子(平均粒径1.8μm) 3質量部 ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート 100質量部 ベンゾフェノン(光開始剤) 3質量部 上記記載の材料を酢酸エチル中で高速撹拌して固形分5
0質量%の混合分散液を調製した。
【0341】 (防眩層組成物5) 合成シリカ粒子(平均粒径0.012μm) 10質量部 ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート 100質量部 ベンゾフェノン(光開始剤) 3質量部 上記記載の材料を酢酸エチル中で高速撹拌して固形分5
0質量%の混合分散液を調製した。
【0342】得られた防眩性低反射フィルム16〜25
の各々を実施例1に記載と同様の方法で評価した。得ら
れた結果を表5に示す。
【0343】
【表5】
【0344】表5から、比較と比べて本発明の試料は、
反射率が低減し、色むらも少なく、且つ、視認性も良好
であることが明らかである。又、反射防止層と防眩層と
の接着性も良好であり、耐擦り傷耐性も良好であった。
【0345】実施例3 実施例1の防眩性低反射フィルム1〜5の作製におい
て、防眩層組成物1にかえて防眩層組成物6を用いて、
膜厚6μmの表面微細凹凸構造の防眩層6を設けた以外
は同様にして、防眩層の内部のヘイズ及び、反射防止層
の表面の微細な凹凸の平均山谷間隔を表6に記載のよう
に調整した防眩性低反射フィルム26〜30を作製し
た。
【0346】同様に、防眩層組成物1にかえて防眩層組
成物7を用いて膜厚6μmの表面微細凹凸構造の防眩層
7を設けた以外は同様にして防眩性低反射フィルム31
〜35を作製した。
【0347】(防眩層組成物6)平均粒径0.5μmの
合成シリカ微粒子15部(質量部、以下同じ)、平均粒
径1.4μmの合成シリカ微粒子10部(質量部、以下
同じ)、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂100部
(ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)
99部、コロネートL(ポリイソシアネート化合物:日
本ポリウレタン(株)製)1部)、光重合開始剤(イル
ガキュア184 チバガイギー社製)3部を溶剤(酢酸
エチル)にてホモジナイザーにより混合して揮発分濃度
50%の均質な分散液を調製した。
【0348】(防眩層組成物7)平均粒径2.5μmの
合成シリカ微粒子5部(質量部、以下同じ)、紫外線硬
化型アクリルウレタン系樹脂100部(ユニディック1
7−806(大日本インキ(株)製)99部、コロネー
トL(ポリイソシアネート化合物:日本ポリウレタン
(株)製)1部)、光重合開始剤(イルガキュア184
チバガイギー社製)5部を溶剤(酢酸エチル)にてホ
モジナイザーにより混合して揮発分濃度50%の均質な
分散液を調製した。
【0349】得られた防眩性低反射フィルム26〜35
の各々を実施例1に記載と同様の方法で反射率、色む
ら、視認性を評価した。得られた結果を表6に示す。
【0350】
【表6】
【0351】表6から、ヘイズが5%〜40%の範囲で
あり、且つ、反射防止層表面の微細な凹凸の平均山谷間
隔が1μm〜80μmの範囲にある防眩性低反射フィル
ム試料26〜30は、各々が範囲外である、防眩性低反
射フィルム31〜35に比べて、反射率がより小さく、
色むらが改良され、且つ、視認性もより優れていること
が明らかである。
【0352】また、防眩性低反射フィルム26〜30
は、反射防止層と防眩層との接着性も良好であり、且
つ、耐擦り傷性についてもAランクの評価であった。
【0353】実施例4 実施例1の防眩性低反射フィルム1〜5の作製におい
て、防眩層組成物1にかえて防眩層組成物8または9を
用いて、膜厚1μmの表面微細凹凸構造の防眩層を作製
した以外は同様にして防眩層の内部のヘイズ及び、該反
射防止層の表面の微細な凹凸の平均山谷間隔を表7に記
載のように調整した以外は同様にして、防眩性低反射フ
ィルム36〜45を作製した。
【0354】(防眩層組成物8)平均粒径2.5μmの
球状ポリスチレン微粒子20質量部、紫外線硬化型アク
リルウレタン系樹脂100質量部、ベンゾフェノン光重
合開始剤5質量部を溶剤(酢酸エチル)にてホモジナイ
ザーにより混合して揮発分濃度60%の均質な分散液を
調製し、防眩層組成物8とした。
【0355】(防眩層組成物9)平均粒径2.5μmの
球状ポリスチレン微粒子3質量部、紫外線硬化型アクリ
ルウレタン系樹脂100質量部、ベンゾフェノン光重合
開始剤5質量部を溶剤(酢酸エチル)にてホモジナイザ
ーにより混合して揮発分濃度60%の均質な分散液を調
製し、防眩層組成物9とした。
【0356】得られた防眩性低反射フィルム36〜45
の各々を実施例1に記載と同様の方法で反射率、色む
ら、視認性を評価した。得られた結果を表7に示す。
【0357】
【表7】
【0358】表7から、反射防止層表面に平均山谷間隔
が40μm以下、且つ、平均傾斜角5度以上の微細な凹
凸を有する、防眩性低反射フィルム試料36〜40は、
各々が範囲外である、防眩性低反射フィルム41〜45
に比べて、反射率がより小さく、色むらが低減し、且
つ、視認性がより優れていることが明らかである。
【0359】実施例5 (巻きの長さが2000mの防眩性低反射フィルム1〜
5、26〜30、36〜40の作製)実施例1で作製し
た防眩性低反射フィルム1〜5、実施例3で作製した防
眩性低反射フィルム26〜30、実施例4で作製した防
眩性低反射フィルム36〜40について、巻きの長さ2
000mのロール状で作製した。
【0360】(防眩性低反射フィルム46〜52の作
製)実施例1に記載の防眩性低反射フィルム1の作製に
おいて、支持体として用いたセルロースエステルフィル
ム1〜5のナーリング高さのみを、各々表9に記載のよ
うに変更したセルロースエステルフィルム6〜10を用
い、又、セルロースエステルフィルム5,2のナーリン
グ高さのみを、各々表9に記載のように変更したセルロ
ースエステルフィルム11,12を用い巻きの長さを2
000mのロール状に調整した以外は同様にして防眩性
低反射フィルム46〜52を作製した。
【0361】(防眩性低反射フィルム53〜57の作
製)次いで、実施例1に記載の防眩性低反射フィルム1
〜5の作製において、支持体としてバックコート層のみ
を設けないセルロースエステルフィルム13〜17を用
い、巻きの長さを2000mのロール状に調整した以外
は同様にして防眩性低反射フィルム53〜57を作製し
た。
【0362】(防眩性低反射フィルム58、59の作
製)セルロースエステルフィルム1の作製において、ド
ープCへの添加液B(酸化珪素微粒子分散液Aを含有)
を添加しない以外は同様に調製したドープFを用い、二
軸延伸を行わず、ナーリング高さを表9に記載のように
調整し、バックコート層を設けず、且つ、巻きの長さを
2000mのロール状に調整した以外は同様にしてセル
ロースエステルフィルム18、19を各々作製した。
【0363】次いで、防眩性低反射フィルム1の作製に
おいて、セルロースエステルフィルム1の代わりにセル
ロースエステルフィルム18または19を各々用いた以
外は同様にして防眩性低反射フィルム58、59を作製
した。
【0364】(保管性評価)上記のようにして作製した
長尺ロール状の防眩性低反射フィルム1〜5、26〜3
0、36〜40、46〜59について、各々の試料を埃
付着防止のためポリエチレンシートで包んだ後、35
℃、70%RHの倉庫で1ヶ月間保管し、1ヶ月経過後
の巻きの状態を目視で観察し、下記のようにランク評価
した。
【0365】A:ロールの表面に皺、変形等の変化は認
められない B:ロールの表面に僅かに皺が認められるが、変形は認
められない C:ロールの表面に弱い皺が認められ、一部に変形も認
められる D:ロールの表面〜内部に強い皺、表面に強い変形が有
り、内部まで変形有り上記のランクについての実用性判
断は下記の通りである。
【0366】Aは実用上まったく問題なく、Bもなんと
か使用できる。Cは表面から数巻き分(数m〜数10m
程度)を切除することによって使用できる。Dは巻きの
変形が認められなくなるまで、内部(100m以上)ま
で切除しなければ使用できない。
【0367】得られた結果を表8、表9に示す。
【0368】
【表8】
【0369】
【表9】
【0370】表8、9から、2軸延伸処理したセルロー
スエステルフィルム支持体を用い、膜厚に対して25%
未満のナーリング高さを設け、且つ、反射防止層が設け
られている支持体の面の反対側の面(裏面)に高さ0.
1μm以上の突起を100μm2当たり、10個〜50
0個設けられている防眩性低反射フィルム1、2、5、
26、27、30、36、37、40、46、47、5
0、51、52、53、54、57は、上記特性が各々
範囲外の試料に比べて、更に優れた保管性を示すことが
明らかである。また、高い面品質が要求される高精細表
示装置用に用いられる防眩性低反射フィルムとして好適
であることが判った。
【0371】実施例6 (防眩性低反射フィルム60、61の作製)実施例1の
防眩性低反射フィルム1の作製において、支持体として
用いたセルロースエステルフィルム1のナーリング高さ
のみを表10に記載のように変更したセルロースエステ
ルフィルム20を使用し、防眩層組成物1の代わりに防
眩層組成物10を用いてb面に塗布し、115℃で2分
間乾燥させた後、130mJ/cm2の紫外線を照射し
て硬化させ、膜厚4μmの防眩層を形成し、且つ、巻き
の長さを3000mのロール状に調整した以外は同様に
して、防眩性低反射フィルム60を作製した。
【0372】また、防眩性低反射フィルム2の作製にお
いて、セルロースエステルフィルム2のナーリング高さ
のみを表10に記載のように変更して作製したセルロー
スエステルフィルム21に変更した以外は同様にして防
眩性低反射フィルム61を作製した。
【0373】(防眩層組成物10の調製と防眩層の塗
設)紫外線硬化型樹脂〔ウレタンアクリレートモノマ
ー〕100質量部、平均粒子径3.5μmの球状ポリス
チレン微粒子 12質量部、ベンゾフェノン系光重合開
始剤5質量部、トルエン175質量部を混合・分散し、
防眩層組成物10とした。
【0374】(防眩性低反射フィルム62、63の作
製)防眩層低反射フィルム60、61の作製において、
防眩層の膜厚を、各々3μmに調整した以外は同様にし
て、表10に記載の防眩性低反射フィルム62、63を
作製した。
【0375】(防眩性低反射フィルム64、65の作
製)防眩性低反射フィルム60の作製において、支持体
として実施例1のセルロースエステルフィルム5の製膜
工程において2軸延伸を行わずに製膜し、且つ、ナーリ
ング高さを0μmになるように調整し、作製したセルロ
ースエステルフィルム22を用いた以外は同様にして、
防眩性低反射フィルム64を作製した。
【0376】また、防眩性低反射フィルム61の作製に
おいて、支持体として実施例1のセルロースエステルフ
ィルム4の製膜工程において2軸延伸を行わずに製膜
し、且つ、ナーリング高さを0μmになるように調整
し、作製したセルロースエステルフィルム23を用いた
以外は同様にして防眩性低反射フィルム65を作製し
た。
【0377】得られた防眩性低反射フィルム60〜65
の各々の表面凹凸構造の形状については、JIS B
0601に規定された表面粗さ曲線から、平均山間隔
(Sm)、中心線平均粗さ(Ra)、十点平均表面粗さ
(Rz)を算出し、表10に示した。
【0378】また、JIS K7105−1981に準
じて、60°光沢度をスガ試験機(株)製(デジタル変
角光沢計UGV−5DP)を用いて測定し、目視により
ギラツキを評価したところ、防眩性低反射フィルム60
〜65は、いずれもギラツキは殆どないことが判った。
【0379】更に、実施例5に記載と同様にして、保管
性評価を行った。得られた結果を表10に示す。
【0380】
【表10】
【0381】表10から、2軸延伸処理したセルロース
エステルフィルム支持体を用い、膜厚に対して25%未
満のナーリング高さを設け、且つ、反射防止層が設けら
れている支持体の面の反対側の面(裏面)に高さ0.1
μm以上の突起を100μm 2当たり、10個〜500
個設けられている防眩性低反射フィルム60〜63は、
上記特性が各々範囲外の試料に比べて、更に優れた保管
性を示すことが明らかである。また、高い面品質が要求
される高精細表示装置用に用いられる防眩性低反射フィ
ルムとして好適であることが判った。
【0382】
【発明の効果】本発明により、視認性が高く、反射防止
層と防眩層との接着性が良好であり、塗設時の塗布ムラ
もなく、且つ、耐擦り傷耐性も良好な防眩性低反射フィ
ルム、前記フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置を
提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセルロースエステルフィルムを製造す
る装置の模式図である。
【符号の説明】
1 エンドレスステンレスベルト 2 ダイ 3、4 乾燥ゾーン 5 流延部 6 剥離部 7 剥離ロール 8 第1乾燥ゾーン 9 搬送ロール 10 第2乾燥ゾーン 11 第3乾燥ゾーン 12 巻き取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02F 1/1335 510 4F210 G02F 1/1335 G09F 9/00 313 5G435 510 B29K 1:00 G09F 9/00 313 B29L 7:00 // B29K 1:00 G02B 1/10 A B29L 7:00 Z Fターム(参考) 2H042 BA02 BA03 BA13 BA15 BA20 2H049 BA02 BA27 BB33 BB43 BB51 BB63 BB65 BB67 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA37X FB02 FC09 LA02 LA03 LA16 LA20 MA04 2K009 AA05 BB28 CC03 CC09 CC21 CC42 DD02 DD05 EE03 EE05 4F100 AJ06A AR00B AR00C AR00D AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D DD07B DE01B EJ37A EJ38A GB90 JA20B JD04A JK15B JN06B JN18C JN18D YY00B YY00C YY00D 4F210 AA01 AG01 AH73 QC03 QC06 QD01 QG01 QG18 5G435 AA01 AA09 AA17 FF05 GG43 HH01 HH03 KK07

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に、表面に微細な凹凸
    を有する防眩層を有し、該防眩層が平均粒径0.01μ
    m〜4μmの粒子を1種以上含有し、且つ、前記防眩層
    上に屈折率1.55〜2.5の高屈折率層と屈折率1.
    3〜1.5の低屈折率層を各々1層以上含む反射防止層
    を有し、JIS B 0601で規定される、該反射防
    止層の中心線平均粗さ(Ra)が0.08μm〜0.5
    μmであることを特徴とする防眩性低反射フィルム。
  2. 【請求項2】 反射防止層が、屈折率1.55〜1.8
    5未満の中屈折率層、屈折率が1.85〜2.5の高屈
    折率層を有することを特徴とする請求項1に記載の防眩
    性低反射フィルム。
  3. 【請求項3】 反射防止層表面の微細な凹凸が、隣接す
    る凹部底を基準とした高さが0.5μm〜2μmである
    凸部を100μm2あたり5〜20個有する微細構造と
    して形成されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の防眩性低反射フィルム。
  4. 【請求項4】 反射防止層表面が、表面の平均水準を基
    準とした高さが0.2μm以上の凸部を100μm2
    たり80個以上有する微細構造を有することを特徴とす
    る請求項3に記載の防眩性低反射フィルム。
  5. 【請求項5】 防眩層の内部がヘイズ5%〜40%の光
    拡散性を有し、反射防止層表面の微細な凹凸の平均山谷
    間隔が1μm〜80μmであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の防眩性低反射フィルム。
  6. 【請求項6】 反射防止層表面に平均山谷間隔40μm
    以下、且つ、平均傾斜角5度以上の微細な凹凸を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の防眩性低反射フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 支持体が少なくとも幅手方向に延伸され
    たセルロースエステルフィルムであることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の防眩性低反射フィ
    ルム。
  8. 【請求項8】 支持体が溶液流延製膜工程で2軸延伸さ
    れたセルロースエステルフィルムであることを特徴とす
    る請求項7に記載の防眩性低反射フィルム。
  9. 【請求項9】 反射防止層が設けられている支持体の面
    の反対側の面が高さ0.1μm以上の突起を100μm
    2あたり10個〜500個有することを特徴とする請求
    項7または8に記載の防眩性低反射フィルム。
  10. 【請求項10】 支持体の膜厚が10μm〜100μm
    で透湿性200g/m2・24時間以下であることを特
    徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の防眩性低
    反射フィルム。
  11. 【請求項11】 支持体が長尺フィルムであり、且つ、
    該長尺フィルムの幅手両端部に膜厚の25%以下のナー
    リング加工が施されていることを特徴とする請求項7〜
    10のいずれか1項に記載の防眩性低反射フィルム。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の防眩性低反射フィルムを有することを特徴とする偏光
    板。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の防眩性低反射フィルムを有することを特徴とする表示
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の防眩性低反射フィルムを製造するに当たり、支持体の
    構成成分及び溶媒を含むドープを溶液流延製膜法を用い
    てウェブ(ドープ膜)を形成させ、該ウェブ中の残留溶
    媒量を3質量%〜40質量%に調整しながら前記ウェブ
    を幅手方向に1.01倍〜1.5倍に延伸した後、幅手
    両端部に膜厚の25%以下のナーリング加工を施す工程
    を経て作製した支持体上に、防眩層と反射防止層を設け
    ることを特徴とする防眩性低反射フィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 残留溶媒量が3質量%〜40質量%の
    ときに幅手方向に1.01倍〜1.5倍、長手方向に
    1.01倍〜1.5倍に2軸延伸することを特徴とする
    請求項14に記載の防眩性低反射フィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】 支持体の一方の面に、表面に微細な凹
    凸を有する防眩層を有し、該防眩層を有する面の反対側
    の面に高さ0.1μm以上の突起が100μm2あたり
    10個〜500個設けられている防眩性フィルムの該防
    眩層上に反射防止層を設ける工程を有することを特徴と
    する請求項14または15に記載の防眩性低反射フィル
    ムの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項14〜16のいずれか1項に記
    載の製造方法により製造されたことを特徴とする防眩性
    低反射フィルム。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の防眩性低反射フィ
    ルムを有することを特徴とする偏光板。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の防眩性低反射フィ
    ルムを有することを特徴とする表示装置。
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