JP4747769B2 - 凹凸パターンフイルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、エンボスロールを用いた凹凸パターンフイルムの製造方法に関する。
パソコン、ワープロ、液晶テレビなどの液晶表示装置は液晶自体が発光しないので、面光源装置(バックライトともいう)で裏側から照明する。該バックライトは、液晶画面の全体を均一に照射させるため、線状光源からの光を光散乱パターンが設けられた導光板の側端面より入射させて面状に光らせるエッジライト方式などがある。
このような面光源装置は、例えば、裏面側に反射板を有する導光板の側面から入射した光源からの光を光出射面から出射させ、更に光を散乱、拡散させ、照射面の輝度を均一にするために光拡散フィルム、偏光分離フィルム、レンズフィルム、保護光拡散フィルムなどの光学機能を有する光学フィルムが設けられ、更に表面側には外光の写り込みを防止する防眩フィルムを有している。このような光学フィルムは光散乱性及び拡散性、光線透過率、並びに演色性がよく、導光板の光散乱パターンを隠せる等が要求され、また他の偏光分離フィルムやレンズフィルムと組み合されて使用する際には、接触しても干渉縞が発生しないことが要求される。
また、カラー液晶表示装置で要求される充分な輝度を得るため、なお一層の光透過性と正面方向への出射光が要求される。このため光拡散フィルム、保護光拡散フィルム、防眩フィルムなどの光学フィルムの1種として、透明な基材フィルムへ表面に微細な凹凸を有する光学機能層を形成したものがある。
この微細な凹凸を形成する方法として、微細凹凸形状を形成したエンボスロールを回転させ、該エンボスロールの凹部に電離放射線硬化性樹脂液を充填し、エンボスロールの回転方向に同期して走行する透明基材を接触させて、接触している間に電離放射線を照射して硬化させ、該硬化と同時に電離放射線硬化樹脂と透明基材とを密着させ、エンボスロールから剥離する方法がある。該エンボスロールの凹凸は必要面積内で均一で、所望の光学機能を有する凹凸形状を有することが重要である。
従来、エンボスロールはロール芯材(単にロールともいう)、板材、フィルムの表面へ微細な凹凸形状を形成し、その方法としては彫刻、電鋳、サンドブラスト処理、放電加工処理、エッチング処理が知られている。しかしながら、必要面積の全域に亘ってムラなく均一な凹凸形状を形成することは極めて難しいという欠点がある。また、レジストを用いるブラスト法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。更に、ロール芯材(エンボスロールに相当する)などの表面凹凸形状を転写する光拡散部材の製造法において、凹凸形状をサンドブラスト処理工程後、エッチング工程及び/または薄膜の積層工程で作成することが知られている(例えば、特許文献2参照。)。エンボスロールの表面に金属メッキ層を形成し、この金属メッキ層面にセラミックビーズをブラスト処理して、表面に微細な凹凸を形成する技術(例えば、特許文献3参照。)が知られている。また表面に規則的な凹凸パターンが形成されている型ローラの表面に塗布手段で電離放射線硬化性樹脂を塗布し、型ローラの凹凸パターンに電離放射線硬化性樹脂を充填させ、次いで回転するこの型ローラに連続走行される透明基材フィルムを押し当て、その状態で透明基材フィルムを透過して電離放射線硬化性樹脂に電離放射線を照射し、電離放射線硬化性樹脂を硬化させるとともに、この電離放射線硬化性樹脂を透明基材フィルムに接着させ、その後、規則的な凹凸パターンが形成された電離放射線硬化性樹脂を透明基材フィルムと共に型ローラから剥離することにより反射防止材を得る方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。また、紫外線硬化樹脂を塗布したシート状フィルムとエンボスロールの凹凸面を密着させると共に、シート状フィルム面側から紫外線を照射して、硬化した凹凸面を有するフィルムを作製する方法(例えば、特許文献5参照。)が開示されている。
しかし、これら技術においては、長尺フィルムで均一な凹凸を連続的に製造することが難しいという問題があった。
なお、表面に凹凸の形状を有するロールとして石英ガラス管等のように紫外線を透過する透明な中空ロールを用いることにより、ロール内部に高圧水銀灯等の紫外線光源を設置することにより紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることができ、これによりロール凹凸面を転写した状態で高分子フィルムシート原反上の紫外線硬化性樹脂層を硬化して凹凸面を成形した高分子フィルムシートを製造することができる(例えば、特許文献6参照。)。これらの文献では、石英ガラス管等のように紫外線を透過する透明な中空ロールを用いる具体的な装置は提案されていなかった。本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、石英ガラス管等のように紫外線を透過する透明な中空ロールを用いた場合、凹凸パターンの斑が発生したり、連続生産中に凹凸パターンが変動する現象がおきることが判明し、その改善が必要であった。
特開平7−144364号公報 特開2000−284106号公報 特開2004−90187号公報 特開2002−333508号公報 特開2005−138296号公報 特開2001−347220号公報
本発明の目的は、連続生産において、均一な凹凸パターンが得られるとともに平面性にも優れ、更に形成された凹凸パターンフイルム上に反射防止層を設けたとき斑が少ない凹凸パターンフイルムの製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
(1)表面に凹凸を有するエンボスロールを用いて透明樹脂フイルム上に凹凸パターンを形成する凹凸パターンフイルムの製造方法において、該透明樹脂フイルムが該エンボスロールの直前に配置したクラウンロールに接触した後、該エンボスロールに巻きまわした透明樹脂フイルムと該エンボスロールとの間に紫外線硬化型樹脂組成物を導入し、該エンボスロールの内側より紫外線を照射した後、表面に凹凸が形成された紫外線硬化樹脂層を透明樹脂フイルムと共にエンボスロールから剥離することを特徴とする凹凸パターンフイルムの製造方法。
(2)前記エンボスロールが石英であることを特徴とする前記(1)に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
(3)前記エンボスロールがサンドブラスト処理によって形成されたものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
(4)前記エンボスロールがフッ化水素処理によって形成されたものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
(5)前記紫外線硬化型樹脂組成物中に離型剤を含ませることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
(6)前記透明樹脂フイルムが紫外線吸収性であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
(7)前記エンボスロールからのからの剥離が剥離ロールによって行われることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
(8)前記凹凸パターンフイルムが防眩性フイルムであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
本発明によって、連続生産において、均一な凹凸パターンが得られるとともに平面性にも優れ、更に形成された凹凸パターンフイルム上に反射防止層を設けたとき斑が少ない凹凸パターンフイルムの製造方法を提供することができた。
本発明は、表面に凹凸を有するエンボスロールを用いて透明樹脂フィルム上に凹凸パターンを形成する凹凸パターンフイルムの製造方法において、該透明樹脂フィルムが該エンボスロールの直前に配置したクラウンロールに接触した後、該エンボスロールに巻きまわした透明樹脂フィルムと該エンボスロールとの間に紫外線硬化型樹脂組成物を導入し、該エンボスロールの内側より紫外線を照射した後、表面に凹凸が形成された紫外線硬化樹脂層を透明樹脂フイルムと共にエンボスロールから剥離することを特徴とする凹凸パターンフイルムの製造方法に関する。
エンボスロールの直前にクラウンロールを配置することによって、エンボスロール上の鋳型に速やかに、且つ均一に紫外線硬化型樹脂組成物が導入され、これによって幅手方向で均一な凹凸パターンが長尺方向で連続的に得られる。本発明におけるクラウンロールのようなウエブの幅手方向外側に向かって張力がかかる構造のロールを用いることによって、中心部へ収縮する力と幅手外側に向けて伸ばそうとする力と動きが打ち消しあって平面性劣化を抑制する。
クラウンロールとは、ロールの断面の直径が中央部の径より端部の径が小さい形状を有するロールである。フィルムの幅手方向の中央部分が接している部分のロール半径とフィルム端部が接している部分のロール半径との差が0.05〜5mmであることが好ましく、0.1〜2.5mmであることが好ましく0.15〜1.5mmであることが特に好ましい。
これを用いることで、透明樹脂フィルムとエンボスロールの間に配置される紫外線硬化型樹脂組成物に該フィルムの幅手中央付近から端部方向にスムーズにニップ圧がかかるため、エンボスロール表面の凹凸部分、即ち鋳型の部分に該紫外線硬化型樹脂組成物が入り込みやすくなり、結果として均一な凹凸を有する凹凸パターンフィルムが得られるものと考えられる。
図1に本発明の凹凸パターンフイルムの製造方法に用いられる製造装置の一例を示した。アンワインダーから繰り出された透明樹脂フィルム上に、紫外線硬化型樹脂組成物が塗布される。溶媒を含有する場合は乾燥装置を通過させる。乾燥後、エンボスロールの直前に配置されたクラウンロールに接した後、該クラウンロールとエンボスロールとの間を紫外線硬化型樹脂組成物がエンボスロール側に接するようにして搬送され、紫外線硬化型樹脂組成物にエンボスロール表面の凹凸が転写される。
クラウンロールの材質は特に限定されないが、アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属の他、6−ナイロン、66−ナイロン、共重合体ナイロンなどのポリウアミドや、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合体ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録商標)等のポリハロゲン化ビニルや、天然ゴム、ネオプレンゴム、二トリルゴム、ノーデル、バイトンゴム、ハイパロン、ポリウレタン、フッ素ゴムなどが好ましく用いられる。特にクラウンロール表面はゴム等の弾性体でできていることが好ましい。
紫外線硬化型樹脂組成物を有する透明樹脂フィルムは、該クラウンロールとエンボスロールの間でニップされることが好ましい。
図1で示しているようにエンボスロールは複数の支持部で支えられていることが好ましい。この支持部(サポートロール)、剥離ロール、クラウンロールの少なくともいずれか1つが駆動ロールであることが好ましい。特に剥離ロールが駆動ロールであることが好ましい。また、剥離ロールはクラウンロールもしくはコンケイブロールであってもよい。
また、エンボスロール内に別途駆動ロールを設けることも好ましい。その場合は紫外線照射に支障とならない位置に設けることが望ましく、図1の場合は剥離ロールの内側からクラウンロールの内側との間の上半分側のいずれかの位置に設けることが好ましい。
本発明のエンボスロールは複数の支持部で支持された空洞ロールであることが好ましい。
図2では、中空石英ロール表面に鋳型となる凹凸を形成したエンボスロールを複数の支持部で支持している例(a)〜(f)を示している。支持部の数は2個以上が好ましく、特に3箇所以上であることが好ましい。また、エンボスロールの下部のみならず側面、更に上部にも支持部を有することが好ましい。(f)はニップロールを有する例を示しており、これは支持部も兼ねることができる。
また図3は図2(a)の斜視図であり、(A1)〜(C1)は支持部で支持されているエンボスロールを斜めから見た図であり、支持部としてはエンボスロールよりも直径が小さなロール状(C1)やエンボスロール端部のみで支えるように幅手で直径が変化しているもの(B1)、両端部にそれぞれ独立した支持部を設けたものなどが挙げられる。このようにすることによって、金属ロールのように高い加工精度のロールが得にくい石英ロールを用いても、軸の偏芯などの影響によって凹凸パターンが周期的に変化するという問題も著しく低減され、設備の製作が容易になる。
図4は比較の凹凸パターンフイルムの製造方法であり、エンボスロールの直前に設けたロールは幅方向で直径が同じロールである。また、石英製の中空エンボスロールの両端に回転軸を取り付けたものである。内部に紫外線照射装置を設けるため、電力供給のための電源ケーブルを取り回すため、構造が複雑になるという欠点がある。また、エンボスロールを交換する際、あるいは紫外線照射装置のメンテナンスの際にも回転軸から取り外したりする必要があり、メンテナンス性にも劣っている。
図5は図4の断面図であり、(a)は横から、(b)は軸方向からの断面図である。
図6は本発明の凹凸パターンフイルムの製造方法に用いられる凹凸パターン製造装置を示した図である。(a)は支持部で支持されたエンボスロールとその内部に配置された紫外線照射装置を示している。(c)はそれを横から見た図であり、(b)は樹脂フイルムが該エンボスロール部を通過して、凹凸パターンフイルムが形成される搬送の様子を示してる。図6で示したように、エンボスロールは複数の支持部によって支えられており、その内部に紫外線照射装置が配置されている。紫外線照射装置は支柱によって支えられ、エンボスロール内の所定の位置に配置されている。紫外線照射装置は支柱によって支えられている水平支持材に固定されていることが好ましい。支柱は強度があれば1本でもよく、エンボスロールの両側から2本で支えてもよい。
図7は紫外線照射装置の移動式設置を示す図である。(a)で示したように、レールによってエンボスロール内の所定の位置からエンボスロールの外までスライド可能に配置されていることが好ましく、これによってメンテナンス性が更に向上する。そのため、例えば、前記水平支持材はエンボスロールの幅の2倍より長いことが好ましい。水平支持材は常時エンボスロールの幅の2倍より長くてもよいが、(b)に示したようにスライド構造、折りたたみ構造もしくは継ぎ足し構造で水平支持材が長くなるような構造を有していることが好ましい。このとき支柱の一方の側をレールなどでスライドさせることが好ましい。なお、紫外線照射装置を支えている支柱の少なくとも1方は、一方の側のみで該紫外線照射装置を支えられる強度を有していることが特に好ましい。これによって、エンボスロールを交換する場合に一方の支柱をスライドさせて外した後、そちら側からエンボスロールをぬきとり、別のエンボスロールを挿入するという交換作業が可能となり、更にメンテナンス性が向上する。また、(c)に示すようにエンボスロールの一方の側から紫外線照射装置と水平支持部材がエンボスロール外に移動可能であるか、もしくは(b)のようにそれらを支えている支柱ごと移動可能であり、紫外線照射装置をエンボスロール外に移動可能であるようにすると、エンボスロールの交換と紫外線照射装置のメンテナンスが容易に行えるため特に好ましい。更に(d)に示すように、支柱は動かずに水平支持部材とそれに取り付けられた紫外線照射装置が移動する方法もまたメンテナンスが容易に行えるため好ましい。
水冷式の紫外線照射装置を内部に設置するとメンテナンス製が更に悪くなるため、紫外線照射装置は空冷式が一般的であるが、本発明において、特に好ましい紫外線照射装置は水冷式であり、例えば、これらは特開平6−267509号公報、同6−267512号公報に記載されている。水冷式紫外線照射装置を用いることによって、凹凸パターンフィルムで形成される凹凸パターンの斑が著しく低減することが確認された。また、連続生産中に凹凸パターンが変化していくことも低減された。これらは、凹凸パターン生産中のエンボスロール温度変化や温度斑が低減されたことによるものと推測している。
また、紫外線照射装置では光源より発生する赤外線を吸収することが好ましく、熱線カットフィルタを有することが好ましい。
またエンボスロール表面には、剥離が不十分なとき紫外線硬化樹脂が残る可能性があり、そのため本発明の凹凸パターンフイルムの製造方法においては、粘着ロール、ブラシ、エアブロア等の清掃装置を有することが好ましい。連続生産中に連続的に異物除去してもよいし、リーダーフィルムが通過中のみ清掃するように制御してもよい。
また、剥離後のフィルムに更に紫外線を照射して硬化を促進させることもできる。
本発明において、表面に凹凸を形成した石英のエンボスロールの製造方法は特に限定されないが、石英ロールにサンドブラスト処理またはフッ化水素によるエッチング処理を施すことによって作製することができる。本発明に係る石英ロールは特に石英ガラスで出来ていることが好ましい。石英ガラス(quartz glass)は溶融石英(fused quartz)、シリカガラス(silica glass)、溶融シリカ(fused silica)とも呼ばれる二酸化ケイ素(SiO2)単独からなるガラスである。密度2.20g・cm-3、軟化点1650℃、比熱4.19J・g-1、熱膨張率は5.5〜5.8×10-7/℃と極めて小さく、従って耐熱衝撃性に優れている。屈折率nD1.4585、紫外線透過能は大きい。石英ロールの作製は石英、水晶、ケイ石あるいはケイ砂を溶融した後、冷却、加工して作製される。
エンボスロールの直径は10〜300cmが好ましく、20〜150cmが更に好ましい。
上記のように石英は紫外線透過能が大きいため、本発明のようにエンボスロールの内側より紫外線を照射する配置とすることができた。
また、エンボスロール表面には酸化チタンなどの光触媒層を設けることも好ましい。
(サンドブラスト処理)
サンドブラスト処理においては、平均粒径10μm以下のブラスト粒子を200kPa以下のブラスト圧力(ゲージ圧)で使用することが好ましい。ブラスト粒子の平均粒径が10μmを超える場合、またはブラスト圧力が200kPa以下とすることで、初期の微細傷が適度な深さとなるため好ましい。また、ブラスト粒子の粒径分布はできるだけシャープであることが好ましい。粒径分布がシャープな場合、得られる防眩性光学フィルムの均質性が向上するため、好ましい。ブラスト粒子としては、例えば、住友化学工業(株)製のスミコランダムAA−5(平均粒径5μm)、スミコランダムAA−18(平均粒径18μm)が挙げられる。
図8に本発明に係るサンドブラスト処理について説明する。
図8のように、ロール20はロール軸27によって、コンベア31上の台座33上に、左右の軸受け部35によって、回転自在に固定される。ロール20は、既に金属メッキ層を設け、鏡面研磨されている。該ロール1は、図示しない駆動源でエンボスロール軸27を経て回転され、またコンベア31に左右揺動される。該回転と揺動により、ロール20の表面の全面にわたって、圧搾空気等の力で噴射ノズル37の先端から、ブラスト粒子が吹き付けられる。該ブラスト処理により、ロール20の表面の全面に微細な凹凸が砂目状に形成され、エンボスロールが得られる。ロールの回転と揺動の量、ブラスト粒子が吹き付け量、吹き付け時間は所望の凹凸形状に合わせて適宜選択すればよい。なお、エンボスロールは、端部まで全面にエンボス加工を施してもよいが、端部にはエンボス加工しない部分を1〜20cm程度残すことが好ましく、この部分でエンボスロールを支持することが好ましい。
(エッチング処理)
フッ化水素処理によるエッチングにおいて、用いるフッ化水素を含む水溶液は1〜10質量%程度の濃度のフッ化水素酸(フッ化水素の水溶液)が適当であり、より好ましくは5〜10質量%濃度のフッ化水素酸である。フッ化水素の濃度が10質量%を超える場合、エッチングにより生成する粗面の面内均一性が低下するため、好ましくない。フッ化水素の濃度が1質量%を下回る場合、エッチング速度が極端に遅くなるので、実用的でない。
エッチングの温度は20〜50℃程度が好ましく、30〜40℃がより好ましい。エッチング温度が20℃を下回ると、実用的なエッチング速度が得られないため、好ましくない。また、エッチング温度が40℃を超える場合、エッチングにより生成する粗面の面内均一性が低下するため好ましくない。
なお、表面凹凸化のためには、サンドブラスト処理にて微小な傷をガラス表面に生成させ、その後にフッ化水素を含む水溶液によるエッチングを行って、微細な凹凸を形成させてもよい。
(エンボス加工)
表面に凹凸を形成した石英のエンボスロールにおいて、凹凸はランダムに形成されていることが好ましい。表面の算術平均粗さ(Ra)は0.02μm以上2μm以下であることが好ましく、且つその凹凸の平均周期(Sm)が200μm以下、特に好ましくは100μm以下であることが好ましい。算術平均粗さは0.05μm以上1.50μm以下とすることが好ましく、0.07μm以上1.2μm以下とすることが更に好ましく、0.1μm以上1.0μm以下とすることが最も好ましい。算術平均粗さが0.02μm未満であると、充分な防眩機能を得ることができず、また2μmを越えると、解像度が低下したり、外光が当たった際に像が白く光ったりする。
Smが200μmより大きい場合には、解像度が低下したり、フィルムの表面にざらつき感が生じてしまい、質感が悪くなる。凹凸の平均周期は好ましくは5μm以上100μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
Ra、SmはJIS B0601に規定されている。
なお、凹凸の算術平均粗さ及び平均周期は、市販の表面粗さ測定器を用いて測定と解析を行うことができる。本発明においては、小型表面粗さ測定器(型番;SJ−401、(株)ミツトヨ製)を用いて求めることができる。
本発明におけるエンボス加工は、エンボスロールとバックアップロールによるプレス線圧を100N/cm以上12000N/cm以下とすることが好ましく、500N/cm以上4000N/cm以下とすることがより好ましい。
エンボスロールは温度調整機構を設けて、適宜その温度を調整することができる。例えば、エンボスロール内部に温度調整用のエアを送風したり、温度制御されたロールを前記エンボスロールの内側もしくは外側から押し当てて温度制御することができる。あるいはエンボスロール全体を恒温槽内に設置することができる。クラウンロールもしくは剥離ロールを温度制御することもできる。あるいは紫外線硬化樹脂組成物を塗布した後の乾燥部で温度制御されたフィルムをエンボスロールへと導くことも好ましい。
これにより、フィルムの温度を20℃〜150℃に加熱することが好ましい。エンボスローラ14の温度は40℃以上140℃以下とすることが好ましい。温度分布は幅手で±10℃以内が好ましく、±5℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。凹凸パターン付与の処理の速度は0.3m/分以上50m/分以下とすることが好ましく、1m/分以上30m/分以下とすることがより好ましい。
なお、エンボスロールの表面にはフッ素系もしくはシリコン系の撥水性もしくは撥油性の被膜を形成することも好ましく、フルオロアルキルシラン化合物、フルオロアルキルエーテルシラン化合物、シリコンオイルなどを含む塗布組成物を塗布もしくはCVD処理によって表面に撥水性もしくは撥油性の被膜を形成することが好ましい。特に接触角90°以上とすることが好ましい。これらの化合物は反射防止フィルムの低屈折率層や防汚層に添加することが知られている化合物を用いることができる。
(紫外線硬化型樹脂組成物)
本発明に係る紫外線硬化型樹脂組成物としては、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/またはモノマーを適宜に混合したものである。
紫外線硬化型樹脂組成物中のプレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂組成物中のモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/または分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチローラプロパントリチオグリコレート、トリメチローラプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合においては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアークまたはメタルハライドランプ等の光源から発する紫外線等を使用することができる。これらの光源は空冷式であっても水冷式であつてもよいが、水冷式であることがより好ましい。紫外線硬化型樹脂組成物には光重合開始剤を添加させることが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、o−ベンゾイル安息香酸メチル、アルドオキシム、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン、及び/または光増感剤であるn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−ブチルホスフィン等が挙げられる。
本発明で用いられる紫外線硬化型樹脂組成物は、ノンソルベントタイプであっても溶媒で希釈して用いるタイプであってもよい。
本発明に係る上記紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて溶媒を含有させることができる。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類も好ましく用いられる。
グリコールエーテル類としては、具体的には下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル等を挙げることができる。
本発明に係る上記紫外線硬化型樹脂組成物には、屈折率調整あるいは内部散乱性を付与するなどの目的のため、必要に応じて微粒子を含有させることができる。
本発明において、紫外線硬化型樹脂組成物中に含有せしめることのできる微粒子としては、例えば、無機微粒子または有機微粒子を挙げることができる。
無機微粒子としては、例えば、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
また、有機微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂微粒子、アクリルスチレン系樹脂微粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子、シリコン系樹脂微粒子、ポリスチレン系樹脂微粒子、ポリカーボネート樹脂微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子、メラミン系樹脂微粒子、ポリオレフィン系樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒子、ポリアミド系樹脂微粒子、ポリイミド系樹脂微粒子、またはポリ弗化エチレン系樹脂微粒子等を挙げることができる。
また、微粒子の表面は公知の方法で表面処理されていることが好ましく、これによって分散性を改善した微粒子が好ましく用いられる。
本発明で用いる微粒子の平均粒径は、0.001〜5μmが好ましく、更に好ましくは0.005〜3μmであり、特に好ましくは0.01〜1μmである。粒径や屈折率の異なる2種以上の微粒子を含有させてもよい。例えば、平均1次粒径が0.001〜0.1μmの微粒子と平均1次粒径が0.1〜5μmの微粒子を含有することが好ましい。微粒子の添加量は紫外線硬化型樹脂組成物に対して0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%である。
(離型剤)
本発明において、剥離性という観点から紫外線硬化型樹脂組成物に離型剤を含ませることが好ましい。離型剤としては、ワックス系、シリコーン化合物系、もしくはフッ素化合物等を挙げることができる。本発明における離型剤は、樹脂組成物中に配合して適用され、成型の際に型面に接する必要があることから、樹脂組成物中の他の成分との親和性が過度ではないものを用いることが好ましく、ジメチルシリコーンオイルを種々の置換基で置換した変性シリコーンを使用することがより好ましい。変性シリコーンとしては反応性変性シリコーンであるアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、もしくはアルコール変性のものか、または非反応性変性シリコーンであるポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸含有、もしくはフッ素変性のものがある。
離型剤として反応性変性シリコーンを配合すると、紫外線照射を受けた際に、紫外線硬化樹脂やモノマー等との反応が起こるので、離型剤として配合したシリコーンが表面に出てくることが阻害されやすいので、本発明においては非反応性変性シリコーンを離型剤として配合したものが好ましい。
離型剤は樹脂組成物全体の質量100に対し、0.01〜2程度を配合することが好ましく、離型剤の配合量が下限未満であると脱型を円滑にする効果が乏しくなり、また上限を超えると紫外線を照射した際の硬化が充分に行なわれない。
(透明樹脂フィルム)
本発明において、紫外線硬化型樹脂組成物により凹凸パターンを形成する透明樹脂フィルムとしては、幅1〜4m、膜厚10〜500μm、特に好ましくは30〜200μmの透明樹脂フィルムが好ましく用いられる。本発明の製造方法は特に膜厚30〜70μmの薄いフィルム上に、均一な凹凸パターンを形成することができ、得られた凹凸パターンフィルムの平面性にも優れるため特に好ましい。
透明樹脂フィルムとしては、溶融流延法によって製膜されたフィルムであっても、溶液流延法によって製膜されたフィルムであっても好ましく用いることができる。具体的には、セルロースエステル(例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートセルロースアセテートプロピオネートブチレート、ニトロセルロース等)、ポリアミド、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー(例えば、アートン(JSR社製)、ゼオノア(日本ゼオン社製))ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリスチレン(例えば、シンジオタクチックポリスチレン等)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンが含まれる。特に好ましくはセルロースエス手フィルムが挙げられる。
具体的には市販のセルロースエステルフィルムとしては、コニカミノルタタックKC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UY−HA、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5(以上、コニカミノルタオプト(株)製)、フジタックTD80UF(富士写真フィルム(株)製)が好ましく用いられる。
本発明に係る透明樹脂フィルムにおいては、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下となるように添加されていることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、またチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等のチヌビン類があり、これらはいずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の市販品であり、好ましく使用することができる。また、特開2002−169020号公報、同2002−31715号公報、同2002−47357号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができる。
(防眩性反射防止フィルム)
液晶表示装置をはじめとする画像表示装置は、その画像表示面に外光が映り込むと視認性が著しく損なわれる。画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータなどの用途、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラなどの用途、また反射光を利用して表示を行う携帯電話のような反射型液晶表示装置などの用途では、これらの映り込みを防止する処理が表示装置表面になされるのが通例である。映り込み防止処理は、光学多層膜による干渉を利用した無反射処理と、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させ、映り込み像をぼかすいわゆる防眩処理とに大別される。前者の無反射処理は、均一な光学膜厚の多層膜を形成する必要上、コスト高になるという問題がある。これに対して後者の防眩処理は、比較的安価に実現できるため大型のパーソナルコンピュータやモニタなどの用途に用いられている。
防眩性のフィルムは、例えば、フィラーを分散させた紫外線硬化型樹脂を透明基材上に塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して樹脂を硬化させ、フィルム表面にランダムな凹凸を形成する等の方法により製造されている。そしてこれまでにも、画像表示装置に用いるフィルムの表面に微細な凹凸を形成して防眩性を付与する提案が多数なされている。
本発明の凹凸パターンフィルムの製造方法で作製された防眩性フィルムは防眩効果に優れ、且つ表面の白ちゃけが良好に改善され、画像表示装置に装着したときに視認性に優れる。
画像表示装置が液晶ディスプレイである場合には、この防眩性フィルムを偏光板保護フィルムとすることができる。即ち、偏光板は一般にヨウ素または二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子の少なくとも片面に保護フィルムが積層された形のものが多いが、このような偏光子の一方の面に上記のような防眩性の凹凸が付与された光学フィルムを貼合することにより、防眩性の偏光板を得ることができる。偏光子のもう一方の面には別の偏光板保護フィルムを用いることができる。具体的には、位相差フィルムや光学補償フィルムあるいはRt 0nm、R0 0nmの光学的等方性フィルムを配置することができる。例えば、コニカミノルタタックKC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5(以上、コニカミノルタオプト(株)製)、フジタックTD80UF(富士写真フィルム(株)製)等が好ましく用いられる。
〈反射防止層〉
本発明に係る防眩性反射防止フィルムは紫外線硬化樹脂層上に、少なくとも含フッ素樹脂もしくは無機微粒子を含有する低屈折率層を含む反射防止層を有し、該無機微粒子が多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層を有する複合粒子、あるいは内部に溶媒、気体、または多孔質物質で充填された空洞粒子であることが好ましい。
本発明では反射防止層を設ける方法は特に限定されず、スパッタ、大気圧プラズマ処理、塗布などが挙げられるが、塗布により形成することが好ましい。反射防止層を塗布により形成する方法としては、溶剤に溶解したバインダー樹脂中に金属酸化物の粉末を分散し、塗布乾燥する方法、架橋構造を有するポリマーをバインダー樹脂として用いる方法、エチレン性不飽和モノマーと光重合開始剤を含有させ、活性線を照射することにより層を形成する方法等の方法を挙げることができる。
好ましい防眩性反射防止フィルムの構成を下記に示すが、これらに限定されるものではない。ここで透明樹脂フィルムとして、セルロースエステルフィルムが好ましい例として挙げられる。
ここでハードコート層とは、凹凸を形成した紫外線硬化樹脂層を意味する。
セルロースエステルフィルム/ハードコート層/低屈折率層
セルロースエステルフィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
セルロースエステルフィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
セルロースエステルフィルム/熱可塑性樹脂層/ハードコート層/低屈折率層
セルロースエステルフィルム/熱可塑性樹脂層/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
セルロースエステルフィルム/熱可塑性樹脂層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
いずれもセルロースエステルフィルムのハードコート層を塗設した側と反対面には、バックコート層を設けることが好ましい。また、中屈折率層もしくは高屈折率層が帯電防止層を兼ねてもよい。
防眩性反射防止フィルムでは最上層に低屈折率層を形成し、紫外線硬化樹脂層との間に高屈折率層の金属酸化物層を形成したり、更に紫外線硬化樹脂層と高屈折率層との間に中屈折率層(金属酸化物の含有量あるいは樹脂バインダーとの比率、金属の種類を変更して屈折率を調整した金属酸化物層)を設けることは、反射率の低減のために好ましい。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、基材であるセルロースエステルフィルムの屈折率(約1.5)と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は1.55〜1.80であることが好ましい。低屈折率層の屈折率は1.3〜1.44、より好ましくは1.35〜1.41であることが好ましい。各層の厚さは5nm〜0.5μmであることが好ましく、10nm〜0.3μmであることが更に好ましく、30nm〜0.2μmであることが最も好ましい。
また、CIE−Lab表色系において、反射色相が(−10≦a*≦+10、−15≦b*≦+15、1≦L≦10)にあることが好ましく、透過色相が無彩色(−2≦a*及びb*≦2)であることが好ましい。これらは各屈折率層の屈折率と膜厚を調整することによって達成することできる。
金属酸化物層のヘイズは5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。金属酸化物層の強度は1kg荷重の鉛筆硬度で3H以上であることが好ましく、4H以上であることが最も好ましい。金属酸化物層を塗布により形成する場合は、無機微粒子とバインダーポリマーとを含むことが好ましい。
低屈折率層に好ましく含有される、多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層を有する複合粒子、あるいは内部に溶媒、気体、または多孔質物質で充填された空洞粒子について説明する。
無機微粒子は、(I)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層とからなる複合粒子、または(II)内部に空洞を有し、且つ内容物が溶媒、気体または多孔質物質で充填された空洞粒子である。なお、低屈折率層には(I)複合粒子または(II)空洞粒子のいずれかが含まれていればよく、また双方が含まれていてもよい。なお、空洞粒子は内部に空洞を有する粒子であり、空洞は粒子壁で囲まれている。空洞内には、調製時に使用した溶媒、気体または多孔質物質などの内容物で充填されている。
この様な無機微粒子の平均粒子径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあることが望ましい。使用される無機微粒子の平均粒径は形成される透明被膜の厚さに応じて適宜選択され、形成される低屈折率層などの透明被膜の膜厚の2/3〜1/10の範囲にあることが望ましい。これらの無機微粒子は、低屈折率層の形成のため適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)及びケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケトンアルコール(例えば、ジアセトンアルコール)が好ましい。
複合粒子の被覆層の厚さまたは空洞粒子の粒子壁の厚さは1〜20nm、好ましくは2〜15nmの範囲にあることが望ましい。複合粒子の場合、被覆層の厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆することができないことがあり、後述する塗布液成分である重合度の低いケイ酸モノマー、オリゴマーなどが容易に複合粒子の内部に進入して内部の多孔性が減少し、低屈折率の効果が十分得られないことがある。また、被覆層の厚さが20nmを越えると、前記ケイ酸モノマー、オリゴマーが内部に進入することはないが、複合粒子の多孔性(細孔容積)が低下し低屈折率の効果が十分得られなくなることがある。また空洞粒子の場合、粒子壁の厚さが1nm未満の場合は粒子形状を維持できないことがあり、また厚さが20nmを越えても、低屈折率の効果が十分に現れないことがある。
前記複合粒子の被覆層または空洞粒子の粒子壁は、シリカを主成分とすることが好ましい。また複合粒子の被覆層または空洞粒子の粒子壁には、シリカ以外の成分が含まれていてもよく、具体的には、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P23、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3などが挙げられる。複合粒子を構成する多孔質粒子としては、シリカからなるもの、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、CaF2、NaF、NaAlF6、MgFなどからなるものが挙げられる。この内特にシリカとシリカ以外の無機化合物との複合酸化物からなる多孔質粒子が好適である。シリカ以外の無機化合物としては、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P23、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3等との1種または2種以上を挙げることができる。
この様な多孔質粒子では、シリカをSiO2で表し、シリカ以外の無機化合物を酸化物換算(MOx)で表したときのモル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.3の範囲にあることが望ましい。多孔質粒子のモル比MOx/SiO2が0.0001未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても更に屈折率が低いものを得ることはない。また、多孔質粒子のモル比MOx/SiO2が1.0を越えると、シリカの比率が少なくなるので細孔容積が小さく、且つ屈折率の低い粒子を得られないことがある。
この様な多孔質粒子の細孔容積は0.1〜1.5ml/g、好ましくは0.2〜1.5ml/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.1ml/g未満では、十分に屈折率の低下した粒子が得られず、1.5ml/gを越えると微粒子の強度が低下し、得られる被膜の強度が低下することがある。
なお、この様な多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法によって求めることができる。また、空洞粒子の内容物としては、粒子調製時に使用した溶媒、気体、多孔質物質などが挙げられる。溶媒中には空洞粒子調製する際に使用される粒子前駆体の未反応物、使用した触媒などが含まれていてもよい。また多孔質物質としては、前記多孔質粒子で例示した化合物からなるものが挙げられる。これらの内容物は、単一の成分からなるものであってもよいが、複数成分の混合物であってもよい。
この様な無機微粒子の製造方法としては、例えば、特開平7−133105号公報の段落番号[0010]〜[0033]に開示された複合酸化物コロイド粒子の調製方法が好適に採用される。具体的には複合粒子がシリカ、シリカ以外の無機化合物とからなる場合、以下の第1〜第3工程から無機化合物粒子は製造される。
第1工程:多孔質粒子前駆体の調製
第1工程では、予めシリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料のアルカリ水溶液を個別に調製するか、またはシリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料との混合水溶液を調製しておき、この水溶液を目的とする複合酸化物の複合割合に応じて、pH10以上のアルカリ水溶液中に攪拌しながら徐々に添加して多孔質粒子前駆体を調製する。
シリカ原料としては、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基のケイ酸塩を用いる。アルカリ金属のケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)やケイ酸カリウムが用いられる。有機塩基としては、テトラエチルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類を挙げることができる。なお、アンモニウムのケイ酸塩または有機塩基のケイ酸塩には、ケイ酸液にアンモニア、第4級アンモニウム水酸化物、アミン化合物などを添加したアルカリ性溶液も含まれる。
また、シリカ以外の無機化合物の原料としては、アルカリ可溶の無機化合物を用いられる。具体的には、Al、B、Ti、Zr、Sn、Ce、P、Sb、Mo、Zn、Wなどから選ばれる元素のオキソ酸、該オキソ酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩を挙げることができる。より具体的には、アルミン酸ナトリウム、四硼酸ナトリウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、アンチモン酸カリウム、錫酸カリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニウム、燐酸ナトリウムが適当である。
これらの水溶液の添加と同時に混合水溶液のpH値は変化するが、このpH値を所定の範囲に制御するような操作は特に必要ない。水溶液は最終的に無機酸化物の種類及びその混合割合によって定まるpH値となる。このときの水溶液の添加速度には特に制限はない。また、複合酸化物粒子の製造に際して、シード粒子の分散液を出発原料と使用することも可能である。当該シード粒子としては特に制限はないが、SiO2、Al23、TiO2またはZrO2等の無機酸化物またはこれらの複合酸化物の微粒子が用いられ、通常、これらのゾルを用いることができる。更に前記の製造方法によって得られた多孔質粒子前駆体分散液をシード粒子分散液としてもよい。シード粒子分散液を使用する場合、シード粒子分散液のpHを10以上に調整した後、該シード粒子分散液中に前記化合物の水溶液を、上記したアルカリ水溶液中に攪拌しながら添加する。この場合も必ずしも分散液のpH制御を行う必要はない。この様にしてシード粒子を用いると、調製する多孔質粒子の粒径コントロールが容易であり、粒度の揃ったものを得ることができる。
上記したシリカ原料及び無機化合物原料はアルカリ側で高い溶解度を有する。しかしながら、この溶解度の大きいpH領域で両者を混合するとケイ酸イオン及びアルミン酸イオンなどのオキソ酸イオンの溶解度が低下し、これらの複合物が析出して微粒子に成長したり、あるいはシード粒子上に析出して粒子成長が起る。従って、微粒子の析出、成長に際して、従来法のようなpH制御は必ずしも行う必要がない。
第1工程におけるシリカとシリカ以外の無機化合物との複合割合は、シリカに対する無機化合物を酸化物(MOx)に換算し、MOx/SiO2のモル比が0.05〜2.0、好ましくは0.2〜2.0の範囲内にあることが望ましい。この範囲内において、シリカの割合が少なくなる程、多孔質粒子の細孔容積が増大する。しかしながら、モル比が2.0を越えても、多孔質粒子の細孔の容積は殆ど増加しない。他方、モル比が0.05未満の場合は細孔容積が小さくなる。空洞粒子を調製する場合、MOx/SiO2のモル比は0.25〜2.0の範囲内にあることが望ましい。
第2工程:多孔質粒子からのシリカ以外の無機化合物の除去
第2工程では、前記第1工程で得られた多孔質粒子前駆体から、シリカ以外の無機化合物(珪素と酸素以外の元素)の少なくとも一部を選択的に除去する。具体的な除去方法としては、多孔質粒子前駆体中の無機化合物を鉱酸や有機酸を用いて溶解除去したり、あるいは、陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去する。
なお、第1工程で得られる多孔質粒子前駆体は、珪素と無機化合物構成元素が酸素を介して結合した網目構造の粒子である。この様に多孔質粒子前駆体から無機化合物(珪素と酸素以外の元素)を除去することにより、一層多孔質で細孔容積の大きい多孔質粒子が得られる。また、多孔質粒子前駆体から無機酸化物(珪素と酸素以外の元素)を除去する量を多くすれば、空洞粒子を調製することができる。
また、多孔質粒子前駆体からシリカ以外の無機化合物を除去するに先立って、第1工程で得られる多孔質粒子前駆体分散液に、シリカのアルカリ金属塩を脱アルカリして得られるケイ酸液あるいは加水分解性の有機珪素化合物を添加してシリカ保護膜を形成することが好ましい。シリカ保護膜の厚さは0.5〜15nmの厚さであればよい。なおシリカ保護膜を形成しても、この工程での保護膜は多孔質であり厚さが薄いので、前記したシリカ以外の無機化合物を多孔質粒子前駆体から除去することは可能である。
この様なシリカ保護膜を形成することによって、粒子形状を保持したまま、前記したシリカ以外の無機化合物を多孔質粒子前駆体から除去することができる。また、後述するシリカ被覆層を形成する際に、多孔質粒子の細孔が被覆層によって閉塞されてしまうことがなく、このため細孔容積を低下させることなく後述するシリカ被覆層を形成することができる。なお、除去する無機化合物の量が少ない場合は、粒子が壊れることがないので必ずしも保護膜を形成する必要はない。
また空洞粒子を調製する場合は、このシリカ保護膜を形成しておくことが望ましい。空洞粒子を調製する際には、無機化合物を除去すると、シリカ保護膜と、該シリカ保護膜内の溶媒、未溶解の多孔質固形分とからなる空洞粒子の前駆体が得られ、該空洞粒子の前駆体に後述の被覆層を形成すると、形成された被覆層が粒子壁となり空洞粒子が形成される。
上記シリカ保護膜形成のために添加するシリカ源の量は、粒子形状を保持できる範囲で少ないことが好ましい。シリカ源の量が多過ぎると、シリカ保護膜が厚くなり過ぎるので、多孔質粒子前駆体からシリカ以外の無機化合物を除去することが困難となることがある。シリカ保護膜形成用に使用される加水分解性の有機珪素化合物としては、一般式RnSi(OR′)4-n〔R、R′:アルキル基、アリール基、ビニル基、アクリル基等の炭化水素基、n=0、1、2または3〕で表されるアルコキシシランを用いることができる。特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。
添加方法としては、これらのアルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、前記多孔質粒子の分散液に加え、アルコキシシランを加水分解して生成したケイ酸重合物を無機酸化物粒子の表面に沈着させる。このとき、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
多孔質粒子前駆体の分散媒が水単独、または有機溶媒に対する水の比率が高い場合には、ケイ酸液を用いてシリカ保護膜を形成することも可能である。ケイ酸液を用いる場合には、分散液中にケイ酸液を所定量添加し、同時にアルカリを加えてケイ酸液を多孔質粒子表面に沈着させる。なお、ケイ酸液と上記アルコキシシランを併用してシリカ保護膜を作製してもよい。
第3工程:シリカ被覆層の形成
第3工程では、第2工程で調製した多孔質粒子分散液(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体分散液)に加水分解性の有機珪素化合物またはケイ酸液等を加えることにより、粒子の表面を加水分解性有機珪素化合物またはケイ酸液等の重合物で被覆してシリカ被覆層を形成する。
シリカ被覆層形成用に使用される加水分解性の有機珪素化合物としては、前記したような一般式RnSi(OR′)4-n〔R、R′:アルキル基、アリール基、ビニル基、アクリル基等の炭化水素基、n=0、1、2または3〕で表されるアルコキシシランを用いることができる。特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。
添加方法としては、これらのアルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を前記多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液に加え、アルコキシシランを加水分解して生成したケイ酸重合物を多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)の表面に沈着させる。このとき、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)の分散媒が水単独、または有機溶媒との混合溶媒であって、有機溶媒に対する水の比率が高い混合溶媒の場合には、ケイ酸液を用いて被覆層を形成してもよい。ケイ酸液とは、水ガラス等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液をイオン交換処理して脱アルカリしたケイ酸の低重合物の水溶液である。
ケイ酸液は多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液中に添加され、同時にアルカリを加えてケイ酸低重合物を多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)表面に沈着させる。なお、ケイ酸液を上記アルコキシシランと併用して被覆層形成用に使用してもよい。被覆層形成用に使用される有機珪素化合物またはケイ酸液の添加量は、コロイド粒子の表面を十分被覆できる程度であればよく、最終的に得られるシリカ被覆層の厚さが1〜20nmとなるように量で多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液中で添加される。また前記シリカ保護膜を形成した場合はシリカ保護膜とシリカ被覆層の合計の厚さが1〜20nmの範囲となるような量で、有機珪素化合物またはケイ酸液は添加される。
次いで、被覆層が形成された粒子の分散液を加熱処理する。加熱処理によって、多孔質粒子の場合は、多孔質粒子表面を被覆したシリカ被覆層が緻密化し、多孔質粒子がシリカ被覆層によって被覆された複合粒子の分散液が得られる。また空洞粒子前駆体の場合、形成された被覆層が緻密化して空洞粒子壁となり、内部が溶媒、気体または多孔質固形分で充填された空洞を有する空洞粒子の分散液が得られる。
このときの加熱処理温度は、シリカ被覆層の微細孔を閉塞できる程度であれば特に制限はなく、80〜300℃の範囲が好ましい。加熱処理温度が80℃未満では、シリカ被覆層の微細孔を完全に閉塞して緻密化できないことがあり、また処理時間に長時間を要してしまうことがある。また加熱処理温度が300℃を越えて長時間処理すると緻密な粒子となることがあり、低屈折率の効果が得られないことがある。この様にして得られた無機微粒子の屈折率は1.44未満と低い。この様な無機微粒子は多孔質粒子内部の多孔性が保持されているか、内部が空洞であるので屈折率が低くなるものと推察される。
低屈折率層のバインダーマトリックスとしては、熱または電離放射線により架橋する含フッ素樹脂(以下、「架橋前の含フッ素樹脂」ともいう)も好ましく用いられる。
架橋前の含フッ素樹脂としては、含フッ素ビニルモノマーと架橋性基付与のためのモノマーから形成される含フッ素共重合体を好ましく挙げることができる。上記含フッ素ビニルモノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えば、ビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。
架橋性基付与のためのモノマーとしては、グリシジルメタクリレートや、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルグリシジルエーテル等のように分子内に予め架橋性官能基を有するビニルモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有するビニルモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル等)が挙げられる。後者は共重合の後、ポリマー中の官能基と反応する基ともう1つ以上の反応性基を持つ化合物を加えることにより、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号、同10−147739号の各公報に記載されている。架橋性基の例には、アクリロイル、メタクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシル、メチロール及び活性メチレン基等が挙げられる。
含フッ素共重合体が、加熱により反応する架橋基、もしくはエチレン性不飽和基と熱ラジカル発生剤もしくはエポキシ基と熱酸発生剤等の組み合わせにより、加熱により架橋する場合、熱硬化型であり、エチレン性不飽和基と光ラジカル発生剤、もしくはエポキシ基と光酸発生剤等の組み合わせにより、光(好ましくは紫外線、電子ビーム等)の照射により架橋する場合、電離放射線硬化型である。
また上記モノマーに加えて、含フッ素ビニルモノマー及び架橋性基付与のためのモノマー以外のモノマーを併用して形成された含フッ素共重合体を架橋前の含フッ素樹脂として用いてもよい。併用可能なモノマーには特に限定はなく、例えば、オレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
また、含フッ素共重合体中に滑り性、防汚性付与のため、ポリオルガノシロキサン骨格やパーフルオロポリエーテル骨格を導入することも好ましい。これは、例えば、末端にアクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、スチリル基等を持つポリオルガノシロキサンやパーフルオロポリエーテルと上記のモノマーとの重合、末端にラジカル発生基を持つポリオルガノシロキサンやパーフルオロポリエーテルによる上記モノマーの重合、官能基を持つポリオルガノシロキサンやパーフルオロポリエーテルと含フッ素共重合体との反応等によって得られる。
架橋前の含フッ素共重合体を形成するために用いられる上記各モノマーの使用割合は、含フッ素ビニルモノマーが好ましくは20〜70モル%、より好ましくは40〜70モル%、架橋性基付与のためのモノマーが好ましくは1〜20モル%、より好ましくは5〜20モル%、併用されるその他のモノマーが好ましくは10〜70モル%、より好ましくは10〜50モル%の割合である。
含フッ素共重合体は、これらモノマーをラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合法等の手段により重合することにより得ることができる。
架橋前の含フッ素樹脂は市販されており、使用することができる。市販されている架橋前の含フッ素樹脂の例としては、サイトップ(旭硝子製)、テフロン(登録商標)AF(デュポン製)、ポリフッ化ビニリデン、ルミフロン(旭硝子製)、オプスター(JSR製)等が挙げられる。
架橋した含フッ素樹脂を構成成分とする低屈折率層は、動摩擦係数が0.03〜0.15の範囲、水に対する接触角が90〜120度の範囲にあることが好ましい。
架橋した含フッ素樹脂を構成成分とする低屈折率層は前述の無機粒子を含有する。
また、他の低屈折率層用のバインダーマトリックスとして、各種ゾルゲル素材を用いることもできる。この様なゾルゲル素材としては、金属アルコレート(シラン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等のアルコレート)、オルガノアルコキシ金属化合物及びその加水分解物を用いることができる。特に、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン及びその加水分解物が好ましい。これらの例としては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、アリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン等が挙げられる。また、各種の官能基を有するオルガノアルコキシシラン(ビニルトリアルコキシシラン、メチルビニルジアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキジシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン等)、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等)、フルオロアルキルエーテル基含有シラン化合物を用いることも好ましい。特にフッ素含有のシラン化合物を用いることは、層の低屈折率化及び撥水・撥油性付与の点で好ましい。
前述のオルガノアルコキシ金属化合物及びその加水分解物は、また酸触媒としては、塩酸、硝酸などの無機酸と蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、蓚酸、クエン酸などの有機酸を用いることができる。更に低屈折率層の物性改善のため、塗布組成物中に金属化合物を含有することが好ましい。
金属化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウム化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウム化合物などが挙げられる。
これらの金属化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。
これらの金属化合物は1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属化合物の部分加水分解物を使用することもできる。金属化合物の組成物中の割合は、ゾル液の原料であるオルガノシランに対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。
低屈折率層は5〜50質量%の量のポリマーを含むことが好ましい。ポリマーは微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持できるように調整する。ポリマーの量は低屈折率層の全量の10〜30質量%であることが好ましい。
ポリマーで微粒子を接着するためには、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させるか、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシェルを形成するか、あるいは(3)微粒子間のバインダーとして、ポリマーを使用することが好ましい。(1)の表面処理剤に結合させるポリマーは、(2)のシェルポリマーまたは(3)のバインダーポリマーであることが好ましい。(2)のポリマーは、低屈折率層の塗布液の調製前に微粒子の周囲に重合反応により形成することが好ましい。(3)のポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に、重合反応により形成することが好ましい。上記(1)〜(3)の内の二つまたは全てを組み合わせて実施することが好ましく、(1)と(3)の組み合わせ、または(1)〜(3)全ての組み合わせで実施することが特に好ましい。(1)表面処理、(2)シェル及び(3)バインダーについて順次説明する。
(1)表面処理
微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施してポリマーとの親和性を改善することが好ましい。表面処理はプラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合物(例えば、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子がSiO2からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理が特に有効に実施できる。具体的なシランカップリング剤の例としては、後述するシランカップリング剤が好ましく用いられる。
カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物にカップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸(例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこれらの塩(例えば、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
(2)シェル
シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子を側鎖に含むポリマーが更に好ましい。ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好ましく、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸とのエステルが最も好ましい。シェルポリマーの屈折率は、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増加に伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下させるため、シェルポリマーは35〜80質量%のフッ素原子を含むことが好ましく、45〜75質量%のフッ素原子を含むことが更に好ましい。フッ素原子を含むポリマーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの例としては、フルオロオレフィン(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテル及びフッ素置換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが挙げられる。
シェルを形成するポリマーは、フッ素原子を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し単位からなるコポリマーであってもよい。フッ素原子を含まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの例としては、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート)、スチレン及びその誘導体(例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例えば、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド及びアクリロニトリルが挙げられる。
後述する(3)のバインダーポリマーを併用する場合は、シェルポリマーに架橋性官能基を導入して、シェルポリマーとバインダーポリマーとを架橋により化学的に結合させてもよい。シェルポリマーは、結晶性を有していてもよい。シェルポリマーのガラス転移温度(Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易である。但し、Tgが低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、微粒子が融着せず、低屈折率層が連続層として形成されない(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合は、後述する(3)のバインダーポリマーを併用し、バインダーポリマーにより低屈折率層を連続層として形成することが望ましい。微粒子の周囲にポリマーシェルを形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェル微粒子中に無機微粒子からなるコアが5〜90体積%含まれていることが好ましく、15〜80体積%含まれていることが更に好ましい。二種類以上のコアシェル微粒子を併用してもよい。また、シェルのない無機微粒子とコアシェル粒子とを併用してもよい。
(3)バインダー
バインダーポリマーは飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが更に好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例としては、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が挙げられる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、架橋基は、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
バインダーポリマーの重合反応及び架橋反応に使用する重合開始剤は、熱重合開始剤や、光重合開始剤が用いられるが、光重合開始剤の方がより好ましい。光重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが挙げられる。ベンゾイン類の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが挙げられる。ベンゾフェノン類の例としては、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが挙げられる。ホスフィンオキシド類の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが挙げられる。
バインダーポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に重合反応(必要ならば更に架橋反応)により形成することが好ましい。低屈折率層の塗布液に、少量のポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
また、本発明に係る低屈折率層あるいは他の屈折率層には滑り剤を添加することが好ましく、滑り性を付与することによって耐傷性を改善することができる。滑り剤としては、シリコンオイルまたはワックス状物質が好ましく用いられる。例えば、下記一般式で表される化合物が好ましい。
一般式 R1COR2
式中、R1は炭素原子数が12以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を表す。アルキル基またはアルケニル基が好ましく、更に炭素原子数が16以上のアルキル基またはアルケニル基が好ましい。R2は−OM1基(M1はNa、K等のアルカリ金属を表す)、−OH基、−NH2基、または−OR3基(R3は炭素原子数が12以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、好ましくはアルキル基またはアルケニル基を表す)を表し、R2としては−OH基、−NH2基または−OR3基が好ましい。
具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然物としてこれらの成分を多く含んでいるカルナバワックス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特公昭53−292号公報に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号明細書に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号公報、英国特許第927,446号明細書または特開昭55−126238号公報及び同58−90633号公報に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜24の脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステル)、そして米国特許第3,933,516号明細書に開示されているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−37217号公報に開示されているような炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリエステル化合物、特開平7−13292号公報に開示されているジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル等を挙げることができる。
特に好ましく用いられるシリコンオイルは、特開2005−156801号公報の表1に記載の化合物である。
例えば、低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は0.01〜10mg/m2が好ましい。
本発明においては、反射率の低減のために、紫外線硬化樹脂層を付与した透明支持体と低屈折率層との間に高屈折率層を設けることも好ましい。また、透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率層を設けることは、反射率の低減のために更に好ましい。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は1.55〜1.80であることが好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の厚さは、5nm〜1μmであることが好ましく、10nm〜0.2μmであることが更に好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の強度は1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
本発明に用いられる中、高屈折率層は下記一般式で表される有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層であることが好ましい。
一般式 Ti(OR14
式中、R1としては炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基がよいが、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。また、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、アルコキシド基が加水分解を受けて−Ti−O−Ti−のように反応して架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。中でもTi(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体が特に好ましい。
高屈折率層用塗布液は、水と後述する有機溶媒が順次添加された溶液中に上記有機チタン化合物を添加することが好ましい。水を後から添加した場合は、加水分解/重合が均一に進行せず、白濁が発生したり、膜強度が低下する。水と有機溶媒は添加された後、良く混合させるために攪拌し混合溶解されていることが好ましい。
また、別法として有機チタン化合物と有機溶媒を混合させておき、この混合溶液を上記水と有機溶媒の混合攪拌された溶液中に添加することも好ましい態様である。
また、水の量は有機チタン化合物1モルに対して、0.25〜3モルの範囲であることが好ましい。0.25モル未満であると、加水分解、重合の進行が不十分で膜強度が低下する。3モルを超えると加水分解、重合が進行し過ぎて、TiO2の粗大粒子が発生し白濁するため好ましくない。従って水の量は上記範囲で調整する必要がある。
また、水の含有率は塗布液総量に対して10質量%未満であることが好ましい。水の含有率を塗布液総量に対して10質量%以上にすると、塗布液の経時安定が劣り白濁を生じたりするため好ましくない。
本発明に用いられる有機溶媒としては、水混和性の有機溶媒であることが好ましい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられるが、特に、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールエーテル類が好ましい。
これらの有機溶媒の使用量は、前述したように水の含有率が塗布液総量に対して10質量%未満であるように、水と有機溶媒のトータルの使用量を調整すればよい。
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50〜90質量%がより好ましく、55〜90質量%が更に好ましい。この他、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(予め有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)あるいは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
更に高屈折率層、中屈折率層には、物性改善のため、塗布組成物中に金属化合物を含有することが好ましい。金属化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウム化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウム化合物などが挙げられる。
これらの金属化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。
これらの金属化合物は1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属化合物の部分加水分解物を使用することもできる。金属化合物の組成物中の割合は、各層の固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。
高屈折率層及び中屈折率層は、微粒子として金属酸化物粒子を含み、更にバインダーポリマーを含むものも好ましく用いられる。
あるいは、上記塗布液調製法で加水分解/重合した有機チタン化合物と金属酸化物粒子を組み合わせると、金属酸化物粒子と加水分解/重合した有機チタン化合物とが強固に接着し、粒子のもつ硬さと均一膜の柔軟性を兼ね備えた強い塗膜を得ることができる。
高屈折率層及び中屈折率層に用いる金属酸化物粒子は、屈折率が1.80〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.80であることが更に好ましい。金属酸化物粒子の1次粒子の質量平均径は1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることが更に好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。層中での金属酸化物粒子の質量平均径は1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが更に好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。金属酸化物粒子の平均粒径は20〜30nm以上であれば光散乱法により、20〜30nm以下であれば電子顕微鏡写真により測定される。金属酸化物粒子の比表面積は、BET法で測定された値として10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることが更に好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
金属酸化物粒子の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種の元素を有する金属酸化物であり、具体的には酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、及び酸化ジルコニウムが挙げられる。中でも、酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。金属酸化物粒子は、これらの金属の酸化物を主成分とし、更に他の元素を含むことが出来、導電性を付与した微粒子も好ましく用いられる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びS等が挙げられる。
金属酸化物粒子は表面処理されていることが好ましい。表面処理は無機化合物または有機化合物を用いて実施することができる。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄が挙げられる。中でもアルミナ及びシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられる。中でも、シランカップリング剤が最も好ましい。
具体的なシランカップリング剤の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシジルオキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポシシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びβ−シアノエチルトリエトキシシランが挙げられる。
また、珪素に対して2置換のアルキル基を持つシランカップリング剤の例として、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエトキシシランが挙げられる。
これらの内、分子内に二重結合を有するビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、珪素に対して2置換のアルキル基を持つものとしてγ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエトキシシランが好ましく、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが特に好ましい。
2種類以上のカップリング剤を併用してもよい。上記に示されるシランカップリング剤に加えて、他のシランカップリング剤を用いてもよい。他のシランカップリング剤には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例えば、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オルトケイ酸sec−ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)及びその加水分解物が挙げられる。
カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物にカップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸(例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこれらの塩(例えば、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
これらシランカップリング剤は予め必要量の水で加水分解されていることが好ましい。シランカップリング剤が加水分解されていると、前述の有機チタン化合物及び金属酸化物粒子の表面が反応し易く、より強固な膜が形成される。また、加水分解されたシランカップリング剤を予め塗布液中に加えることも好ましい。この加水分解に用いた水も有機チタン化合物の加水分解/重合に用いることができる。
2種類以上の表面処理を組み合わせて処理されていても構わない。金属酸化物粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましい。2種類以上の金属酸化物粒子を高屈折率層あるいは中屈折率層に用いてもよい。
高屈折率層及び中屈折率層中の金属酸化物粒子の割合は、5〜65体積%であることが好ましく、より好ましくは10〜60体積%であり、更に好ましくは20〜55体積%である。
上記金属酸化物粒子は、媒体に分散した分散体の状態で高屈折率層及び中屈折率層を形成するための塗布液に供される。金属酸化物粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、ケトンアルコール(例えば、ジアセトンアルコール)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
また、金属酸化物粒子は分散機を用いて媒体中に分散することができる。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例えば、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。
高屈折率層及び中屈折率層は、架橋構造を有するポリマー(以下、架橋ポリマーともいう)をバインダーポリマーとして用いることが好ましい。架橋ポリマーの例として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素鎖を有するポリマー(以下、ポリオレフィンと総称する)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げられる。中でも、ポリオレフィン、ポリエーテル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルの架橋物が更に好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も好ましい。また、架橋ポリマーがアニオン性基を有することは更に好ましい。アニオン性基は無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋構造はポリマーに皮膜形成能を付与して皮膜を強化する機能を有する。上記アニオン性基は、ポリマー鎖に直接結合していてもよいし、連結基を介してポリマー鎖に結合していてもよいが、連結基を介して側鎖として主鎖に結合していることが好ましい。
アニオン性基の例としては、カルボン酸基(カルボキシル)、スルホン酸基(スルホ)及びリン酸基(ホスホノ)が挙げられる。中でも、スルホン酸基及びリン酸基が好ましい。ここでアニオン性基は塩の状態であってもよい。アニオン性基と塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオンであることが好ましい。また、アニオン性基のプロトンは解離していてもよい。アニオン性基とポリマー鎖とを結合する連結基は、−CO−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせから選ばれる二価の基であることが好ましい。好ましいバインダーポリマーである架橋ポリマーは、アニオン性基を有する繰り返し単位と架橋構造を有する繰り返し単位とを有するコポリマーであることが好ましい。この場合、コポリマー中のアニオン性基を有する繰り返し単位の割合は2〜96質量%であることが好ましく、4〜94質量%であることが更に好ましく、6〜92質量%であることが最も好ましい。繰り返し単位は2以上のアニオン性基を有していてもよい。
アニオン性基を有する架橋ポリマーには、その他の繰り返し単位(アニオン性基も架橋構造も有しない繰り返し単位)が含まれていてもよい。その他の繰り返し単位としては、アミノ基または4級アンモニウム基を有する繰り返し単位及びベンゼン環を有する繰り返し単位が好ましい。アミノ基または4級アンモニウム基は、アニオン性基と同様に無機微粒子の分散状態を維持する機能を有する。ベンゼン環は高屈折率層の屈折率を高くする機能を有する。なお、アミノ基、4級アンモニウム基及びベンゼン環はアニオン性基を有する繰り返し単位、あるいは架橋構造を有する繰り返し単位に含まれていても、同様の効果が得られる。
上記アミノ基または4級アンモニウム基を有する繰り返し単位を構成単位として含有する架橋ポリマーにおいて、アミノ基または4級アンモニウム基はポリマー鎖に直接結合していてもよいし、あるいは連結基を介し側鎖としてポリマー鎖に結合していてもよいが、後者がより好ましい。アミノ基または4級アンモニウム基は、2級アミノ基、3級アミノ基または4級アンモニウム基であることが好ましく、3級アミノ基または4級アンモニウム基であることが更に好ましい。2級アミノ基、3級アミノ基または4級アンモニウム基の窒素原子に結合している基としては、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。4級アンモニウム基の対イオンは、ハライドイオンであることが好ましい。アミノ基または4級アンモニウム基とポリマー鎖とを結合する連結基は、−CO−、−NH−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせから選ばれる2価の基であることが好ましい。
架橋ポリマーがアミノ基または4級アンモニウム基を有する繰り返し単位を含む場合、その割合は0.06〜32質量%であることが好ましく、0.08〜30質量%であることが更に好ましく、0.1〜28質量%であることが最も好ましい。
架橋ポリマーは、架橋ポリマーを生成するためのモノマーを配合して高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布液を調製し、塗布液の塗布と同時または塗布後に、重合反応によって生成させることが好ましい。架橋ポリマーの生成と共に各層が形成される。アニオン性基を有するモノマーは、塗布液中で無機微粒子の分散剤として機能する。アニオン性基を有するモノマーは、無機微粒子に対して好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは10〜30質量%使用される。また、アミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは、塗布液中で分散助剤として機能する。アミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは、アニオン性基を有するモノマーに対して好ましくは3〜33質量%使用される。塗布液の塗布と同時または塗布後に、重合反応によって架橋ポリマーを生成する方法により、塗布液の塗布前にこれらのモノマーを有効に機能させることができる。
本発明に用いられるモノマーとしては、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが最も好ましいが、その例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミド等が挙げられる。
アニオン性基を有するモノマー、及びアミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは市販のモノマーを用いてもよい。好ましく用いられる市販のアニオン性基を有するモノマーとしては、KAYAMARPM−21、PM−2(日本化薬(株)製)、AntoxMS−60、MS−2N、MS−NH4(日本乳化剤(株)製)、アロニックスM−5000、M−6000、M−8000シリーズ(東亞合成化学工業(株)製)、ビスコート#2000シリーズ(大阪有機化学工業(株)製)、ニューフロンティアGX−8289(第一工業製薬(株)製)、NKエステルCB−1、A−SA(新中村化学工業(株)製)、AR−100、MR−100、MR−200(第八化学工業(株)製)等が挙げられる。また、好ましく用いられる市販のアミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーとしてはDMAA(大阪有機化学工業(株)製)、DMAEA,DMAPAA(興人(株)製)、ブレンマーQA(日本油脂(株)製)、ニューフロンティアC−1615(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
ポリマーの重合反応は光重合反応または熱重合反応を用いることができる。特に光重合反応が好ましい。重合反応のため、重合開始剤を使用することが好ましい。例えば、紫外線硬化樹脂層のバインダーポリマーを形成するために用いられる後述する熱重合開始剤、及び光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤として市販の重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤に加えて、重合促進剤を使用してもよい。重合開始剤と重合促進剤の添加量は、モノマーの全量の0.2〜10質量%の範囲であることが好ましい。塗布液(モノマーを含む無機微粒子の分散液)を加熱して、モノマー(またはオリゴマー)の重合を促進してもよい。また、塗布後の光重合反応の後に加熱して、形成されたポリマーの熱硬化反応を追加処理してもよい。
中屈折率層及び高屈折率層には、比較的屈折率が高いポリマーを用いることが好ましい。屈折率が高いポリマーの例としては、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが挙げられる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高く用いることができる。
反射防止層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法、スプレーコート法、インクジェット法により、塗布により形成することができる。また、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を塗布する前に、塗布面にコロナ放電処理もしくはプラズマ処理を施して塗布性や各層の密着性を改善することが好ましい。
〈バックコート層〉
本発明に係る凹凸パターンフィルムの凹凸を形成した紫外線硬化樹脂層を設けた側と反対側の面にはバックコート層を設けることが好ましい。バックコート層は、凹凸面の形成や紫外線硬化樹脂層、その他の層を設けることで生じるカールを矯正するために設けられる。即ち、バックコート層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせることができる。あるいはバックコート層はブロッキング防止層として塗設され、その場合、バックコート層塗布組成物にはブロッキング防止機能を持たせるために微粒子が添加されることが好ましい。
バックコート層に添加される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は珪素を含むものがヘイズが低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
これらの微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上、東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもでアエロジル200V、アエロジルR972Vがヘイズを低く保ちながら、ブロッキング防止効果が大きいため特に好ましく用いられる。本発明で用いられる防眩性反射防止フィルムは、紫外線硬化樹脂層の裏面側の動摩擦係数が0.9以下、特に0.1〜0.9であることが好ましい。
バックコート層に含まれる微粒子は、バインダーに対して0.1〜50質量%含有することが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。バックコート層を設けた場合のヘイズの増加は1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、特に0.0〜0.1%であることが好ましい。
バックコート層は、具体的にはセルロースエステルなどの透明樹脂フィルムを溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布することによって行われる。用いる溶媒としては、溶解させる溶媒及び/または膨潤させる溶媒の混合物の他更に溶解させない溶媒を含む場合もあり、これらを透明樹脂フィルムのカール度合いや樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。
カール防止機能を強めたい場合は、用いる溶媒組成を溶解させる溶媒及び/または膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的である。この混合比率は好ましくは(溶解させる溶媒及び/または膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0〜1:9で用いられる。この様な混合組成物に含まれる、透明樹脂フィルムを溶解または膨潤させる溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルムなどがある。溶解させない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、シクロヘキサノールあるいは炭化水素類(トルエン、キシレン)などがある。
これらの塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、あるいはスプレー塗布、インクジェット塗布等を用いて透明樹脂フィルムの表面にウェット膜厚1〜100μmで塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであることが好ましい。バックコート層のバインダーとして用いられる樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体あるいは共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、アクリル樹脂としては、アクリペットMD、VH、MF、V(三菱レーヨン(株)製)、ハイパールM−4003、M−4005、M−4006、M−4202、M−5000、M−5001、M−4501(根上工業株式会社製)、ダイヤナールBR−50、BR−52、BR−53、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118等(三菱レーヨン(株)製)のアクリル及びメタクリル系モノマーを原料として製造した各種ホモポリマー並びにコポリマーなどが市販されており、この中から好ましいモノを適宜選択することもできる。
特に好ましくはジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートのようなセルロース系樹脂層である。
バックコート層を塗設する順番は凹凸を有する紫外線硬化樹脂層を設ける前でも後でも構わないが、凹凸を有する紫外線硬化樹脂層を設けた後でバックコート層を設けることが好ましい。
図9には本発明に係る防眩性反射防止フィルムの断面を示した模式図である。
透明樹脂フィルム100の上に本発明の方法で形成された凹凸を有する紫外線硬化樹脂層104及び反射防止層105が積層されている。106はバックコート層である。特に凹凸を有する紫外線硬化樹脂層104に添加する微粒子は内部散乱効果を与え、更に優れた防眩効果を与えることができる。
(偏光板)
本発明によって製造された防眩性フィルムあるいは防眩性反射防止フィルムは、偏光板保護フィルムとして好ましく用いられる。
偏光板の厚みは70〜250μmであることが好ましい。該偏光板は、本発明の方法で製造された防眩性フィルムあるいは防眩性反射防止フィルムと別の偏光板保護フィルムとで偏光子を挟持した構造を有していることが好ましい。
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の防眩性フィルムあるいは防眩性反射防止フィルムをアルカリ鹸化処理し、処理したフィルムを、本発明に係る偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面には別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは、位相差フィルムもしくは光学補償フィルムを兼ねることが好ましい。あるいは、面内リターデーション値(Ro)0nm及び厚み方向のリターデーション値(Rt)0nmのセルロースエステルフィルムを用いることもできる。もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムには、市販のセルロースエステルフィルムを用いることもできる。例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5(以上、コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
あるいは更にディスコチック液晶、棒状液晶、コレステリック液晶などの液晶化合物もしくはポリイミドを配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることも好ましい。例えば、特開2003−98348号公報記載の方法で光学異方性層を形成することができる。また、本発明に用いられる偏光板保護フィルムが反射防止層付き偏光板保護フィルムである場合、反射防止性に優れ、安定した視野角拡大効果を有する偏光板を得ることもできる。
偏光板は、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを反対面にセパレートフィルムを貼合して構成することができる。
この偏光板を用いることによって、高い表示性能の液晶表示装置を提供することができる。特に直下型バックライトを使用した液晶表示装置において、環境変動が少なく、画面周辺部の光漏れが低減された液晶表示装置を得ることができる。
(表示装置)
本発明に係る偏光板を表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた本発明に係る表示装置を作製することができる。本発明に係る位相差フィルムは、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPSなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。好ましくはVA(MVA、PVA)型液晶表示装置である。特に画面が30型〜50型の大画面の液晶表示装置にも好ましく用いることができる。
以下、実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
《石英ガラスロールのエンボス化》
石英ガラスロール(幅1.6m、直径1m)の表面に図8の装置でロールを回転及び揺動しながら、住友化学工業(株)製の単分散アルミナ結晶「スミコランダムAA−5」(平均粒径5μm)でサンドブラスト処理を行った。ブラスト圧力は50kPa、ブラスト時間は130秒とした。こうしてサンドブラスト処理した石英ロールを超音波洗浄し、乾燥した後、3質量%のフッ化水素酸に40℃で10分程度浸漬し、次に純水で十分洗浄し、乾燥して、石英エンボスロールを作製した。こうして作製された石英エンボスロールにおける算術平均粗さ(Ra)0.2μm、平均凹凸周期は30μmであった。
《紫外線硬化型樹脂組成物》
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
光反応開始剤(イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製))
4質量部
酢酸エチル 150質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150質量部
シリコン化合物(BYK−307(ビックケミージャパン社製)) 0.4質量部
微粒子(酸化珪素微粒子 平均1次粒径16nm) 10質量部
微粒子は溶媒の一部で分散して添加した。
上記組成物をコニカミノルタオプト(株)製の厚さ40μm、幅1.5mのトリアセチルセルロースフィルムの片面にダイコーターを用いて塗布した。これを80℃のオーブン中で5分間乾燥させた後、図1に示すように配置されたクラウンロールに紫外線硬化型樹脂組成物を塗布したトリアセチルセルロースフィルムが接触し、該クラウンロールとエンボスロールとの間でニップされ、紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した面をエンボスロール側にしてエンボスロールに巻きまわされ、エンボスロール内に設置された紫外線照射装置(高圧水銀ランプ)により紫外線照射され、硬化させた。この時の紫外線の光量は0.5J/cm2である。紫外線が照射された後、剥離ロールにてエンボスロールから剥離した。
更に、下記バックコート層組成物を凹凸パターンを形成した面と反対側にウェット膜厚14μmとなるように押し出しコーターで塗布し、85℃にて乾燥し巻き取り、バックコート層を設け、表面に凹凸を有する紫外線硬化型樹脂層が設けられた凹凸パターンフィルムを得た。
〈バックコート層組成物〉
アセトン 30質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
ジアセチルセルロース 0.6質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(日本アエロジル(株)製アエロジル200V)
0.2質量部
比較例
図4の比較の凹凸パターンフィルム製造装置を用いた以外は実施例1と同様にして凹凸パターンフィルムを得た。紫外線硬化型樹脂組成物を塗布したトリアセチルセルロースフィルムは、幅手方向で直径が変化していないロールに接した後、エンボスロールに巻きまわされた後、紫外線照射し硬化された後、剥離ロールによって剥離され、表面に凹凸を有する紫外線硬化型樹脂層が設けられた凹凸パターンフィルムを得た。
得られた凹凸パターンフィルムについて、幅手で10点及び長さ方向に500m間隔で10点の合計100箇所について、下記の方法で表面粗さを測定し、その平均値とバラツキを求めた。
《表面粗さRaの測定方法》
測定装置としては、WYKO社製RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて、以下に記載の測定条件で行った。
VSIモードにおいて対物レンズ40倍、中間レンズ1.0倍を用いた。測定条件の詳細については、下記のように設定した。
Scan depth:40μm
Mod thresh:2.0%
Scan back:15.0μm
Resolution:368×238full view
Scan speed:HIGH
解析時はTerm removalをtilt only(傾斜補正)で補正し、FilteringはMedian Smoothingで行った。結果の解析方法はプロファイルを3次元で表示し、149.7×111.2μm測定視野内において、それぞれの中心線平均粗さRaを求めた。
その結果、実施例1で得られた紫外線硬化樹脂の凹凸パターンは表面粗さのばらつきが少なく、均一な凹凸が形成できていることが確認された。一方、比較例では、表面粗さのばらつきが大きく、目視によっても凹凸面が違って見えた。また、実施例1は平面性が良好な凹凸パターンフィルムが得られていたが、比較例では、ツレが認められ平面性に劣っていることが確認され、本発明の凹凸パターンフィルムの製造方法が優れていることが確認された。
実施例1 Ra 0.21μm±0.02μm
比較例 Ra 0.21μm±0.15μm
実施例2
実施例1及び比較例で作製した硬化紫外線樹脂による凹凸パターンフイルム上に、下記のように反射防止層を設けた。
《反射防止層(低屈折率層)の作製》
最初に、複合粒子の調製を行った。
(複合粒子P−1の調製)
平均粒径5nm、SiO2濃度20質量%のシリカゾル100gと純水1900gとを混合して反応母液を調製し、80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.5質量%のケイ酸ナトリウム水溶液9000gとAl23として0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHはケイ酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウムの添加直後、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のSiO2・Al23多孔質粒子前駆体の分散液(A)を調製した。(第1工程)
上記で得られた多孔質粒子前駆体の分散液(A)100gに純水1900gを加えて95℃に加温し、この温度を保持しながら、ケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2として1.5g質量%)27000g及びアルミン酸ナトリウム水溶液(Al23として0.5質量%)27000gを同時に徐々に添加し、多孔質粒子前駆体の分散液(A)の粒子をシード粒子として粒子成長を行った。添加終了後、室温まで冷却した後、限外濾過膜で洗浄、濃縮して、固形分濃度20質量%のSiO2・Al23多孔質粒子前駆体の分散液(B)を得た。(第1工程)
この多孔質粒子前駆体の分散液(B)500gを採り、次いでpH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、一部のアルミニウムが除去されたSiO2・Al23多孔質粒子の分散液(C)を調製した。(第2工程)
上記多孔質粒子の分散液(C)1500gと、純水500g、エタノール1750g及び28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO228質量%)104gを添加し、多孔質粒子の表面をエチルシリケートの加水分解重縮合物で被覆した。次いで、エバポレーターで固形分濃度5質量%まで濃縮した後、濃度15質量%のアンモニア水を加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時間加熱処理し、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20質量%の複合粒子(P−1)の分散液を調製した。(第3工程)
この複合粒子(P−1)の平均粒径、SiO2/MOx(モル比)、及び屈折率を表1に示す。ここで、平均粒径は動的光散乱法により測定し、屈折率は標準屈折液としてCARGILL製のSeriesA、AAを用い、以下の方法で測定した。
〈粒子の屈折率の測定方法〉
(1)粒子分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率をコロイド粒子の屈折率とする。
Figure 0004747769
《反射防止フィルムの作製》
(表面処理)
上記の夫々の凹凸パターンフイルム(実施例1及び比較例)を50℃に加熱した1.5M−NaOH水溶液に2分間浸漬し、アルカリ処理を行い、水洗後、0.5質量%−H2SO4水溶液に室温で30秒間浸漬し中和させ、水洗、乾燥を行った。
上記作製した凹凸パターンフィルム(防眩フィルム)上に、下記のように中屈折率層(屈折率1.60、膜厚95nm)、高屈折率層(屈折率1.83、膜厚70nm)、次いで、低屈折率層(屈折率1.37、膜厚105nm)の順に反射防止層を塗設し、防眩性反射防止フィルムを作製した。
《中屈折率層の作製》
ハードコートフィルム上に下記中屈折率層塗布組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させ、次いで紫外線を0.1J/cm2照射して硬化させ、更に100℃で1分熱硬化させ、屈折率は1.60、厚さが95nmの中屈折率層を設けた。
〈中屈折率層塗布組成物〉
アンチモン酸亜鉛ゾル(CX−Z610M−F2、日産化学工業(株)製)
55質量部
電離放射線硬化型樹脂:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 9質量部
光重合開始剤:イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
2質量部
直鎖ジメチルシリコーン−EOブロックコポリマー(FZ−2207、日本ユニカー(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 250質量部
イソプロピルアルコール 500質量部
メチルエチルケトン 80質量部
《高屈折率層の作製》
前記中屈折率層の上に下記高屈折率層塗布組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させ、次いで紫外線を0.2J/cm2照射して硬化させ、更に100℃で1分熱硬化させ、屈折率1.83、厚さが70nmの高屈折率層を設けた。
〈高屈折率層塗布組成物〉
下記二酸化チタン分散物 70質量部
テトラ(n)ブトキシキチタン 1.5質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM503)
3質量部
シリコン界面活性剤;FZ2207(日本ユニカー製)10質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液 2質量部
イソプロピルアルコール 555質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 278質量部
メチルエチルケトン(MEK) 93質量部
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン(一次粒子質量平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30質量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(PM21、日本化薬(株)製)4.5質量部、カチオン性メタクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)製)0.3質量部及びメチルエチルケトン65.2質量部をサンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。
《低屈折率層の作製》
前記高屈折率層上に下記の低屈折率層塗布組成物を押し出しコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥させた後、紫外線を0.1J/cm2照射して硬化させ、更に120℃で5分間熱硬化させ、厚さ105nmとなるように低屈折率層を設け、反射防止フィルムを作製した。なお、この低屈折率層の屈折率は1.37であった。
〈低屈折率層塗布組成物〉
(テトラエトキシシラン加水分解物Aの調製)
テトラエトキシシラン289gとエタノール553gを混和し、これに1.6%酢酸水溶液157gを添加し、25℃のウォーターバス中で30時間攪拌することで加水分解物Aを調製した。
テトラエトキシシラン加水分解物A 102質量部
中空シリカ系微粒子分散液(上記P−1) 26質量部
アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート 0.5質量部
KBM503(シランカップリング剤、信越化学(株)製) 4質量部
直鎖ジメチルシリコーン−EOブロックコポリマー(FZ−2207、日本ユニカー(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 2質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 430質量部
イソプロピルアルコール 430質量部
このようにして作製した反射防止フィルムの斑を以下のように評価した。
(斑の評価)
防眩性反射防止フィルムを500mごとに10点サンプリングし、表面を目視で観察し、以下の基準に則り、反射光の斑の評価を行った。その結果、実施例1からの防眩性反射防止フィルムは10点のサンプルで比較したところ、実施例1からの防眩性反射防止フィルムでは10サンプルとも目視で違いが認められず均一であることが確認された。それに対して、比較例からの防眩性反射防止フィルムは10点ともそれぞれ違いが認識でき、斑によってばらついていることが確認された。
実施例3
下記の方法に従って、実施例2で作製した反射防止フィルムと下記の方法で作製された位相差フィルムA、各々1枚を偏光板保護フィルムとして用いて偏光板を作製した。
(a)偏光膜の作製
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し、長尺の偏光膜を得た。
(b)偏光板の作製
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光膜と偏光板用保護フィルムとを貼り合わせて偏光板を作製した。
工程1:位相差フィルムAを2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。と防眩性反射防止フィルムの反射防止層を設けた面には予めプロテクトフィルム(PET製)を張り付けて保護した。
工程2:前述の偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、それを工程1でアルカリ処理した位相差フィルムAと防眩性反射防止フィルムで挟み込んで、積層配置した。
工程4:2つの回転するローラにて20〜30N/cm2の圧力で約2m/minの速度で貼り合わせた。このとき気泡が入らないように注意して実施した。
工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作製した試料を2分間乾燥処理し、偏光板を作製した。
〈位相差フィルムAの作製〉
(微粒子分散液)
微粒子(アエロジルR972V(日本アエロジル株式会社製)、一次粒子の平均径16nm、見掛け比重90g/L) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
(微粒子添加液)
メチレンクロライドを入れた溶解タンクにセルロースアセテートプロピオネートを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を充分に攪拌しながら、ここに上記微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.6、プロピオニル基置換度0.8) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
次に下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルAを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、更に可塑剤及び紫外線吸収剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
主ドープ液100質量部と微粒子添加液5質量部となるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合し、次いでベルト流延装置を用い、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦(MD)延伸倍率が1.1倍となるように延伸し、次いで、テンターでウェブ両端部を把持し、幅手(TD)方向の延伸倍率が1.3倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて乾燥を行い、幅1.5m、且つ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する膜厚40μm、面内リターデーション値Roが45nm、厚み方向のリターデーション値Rt130nmの位相差フィルムAを作製した。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 360質量部
エタノール 70質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.6、プロピオニル基置換度0.8) 100質量部
可塑剤:トリメチロールプロパントリベンゾエート 5質量部
可塑剤:エチルフタリルエチルグリコレート 5質量部
紫外線吸収剤:チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)1質量部
紫外線吸収剤:チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)1質量部
〈リターデーション値の測定〉
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
式中、nx、ny、nzはそれぞれ屈折率楕円体の主軸x、y、z方向の屈折率を表し、且つnx、nyはフィルム面内方向の屈折率を、nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表す。またnx>nyであり、dはフィルムの厚み(nm)を表す。
アッベ屈折率計(1T)に偏光板付き接眼鏡を付け、分光光源を用いて位相差フィルムの両方の面のフィルム面内の一方向とそれに直行する方向およびフィルム面に垂直方向の屈折率を測定し、それらからの平均値より平均屈折率を求めた。また、市販のマイクロメーターを用いてフィルムの厚さを測定した。
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて、同環境下、波長が590nmにおけるフィルムのリターデーション測定を行った。上述の平均屈折率と膜厚を上記式に入力し、面内リターデーション値(Ro)及び厚み方向のリターデーション値(Rt)の値を得た。
実施例1で作製した凹凸パターンフィルムを用いた防眩性反射防止フィルムと上記位相差フィルムAを用いて作製した偏光板は平面性に優れており、VA型液晶表示装置に用いた場合優れた視認性を示した。それに対して、比較例で作製した凹凸パターンフィルムを用いた防眩性反射防止フィルムと上記位相差フィルムAを用いて作製した偏光板は平面性に劣っていた。
本発明の凹凸パターンフィルム製造方法に用いられる凹凸パターンフィルムを模式的に示した図である。 本発明の凹凸パターンフィルム製造方法に用いられる複数の支持部で支持されたエンボスロールの具体例を模式的に示した図である。 図1の(a)についての具体例を斜視図で示したものである。 比較の凹凸パターンフィルム製造方法を模式的に示した図である。 図4の概略断面図である。 本発明の凹凸パターンフィルム製造方法に用いられる凹凸パターン製造装置を示した図である。 紫外線照射装置の移動式設置を示す図である。 本発明に係るサンドブラスト処理を模式的に説明する断面図である。 本発明に係る防眩性反射防止フィルムの断面を示した模式図である。
符号の説明
20 ロール
27 ロール軸
31 コンベア
33 台座
35 軸受け部
37 噴射ノズル
1 エンボスロール
2 透明樹脂フィルム
3 塗布装置
4 紫外線硬化型樹脂組成物
5 透明樹脂フィルム供給ロール
6 ガイドロール
7 乾燥ゾーン
8 バックアップロール
9 凹凸パターンフィルム巻き取りロール
10 紫外線照射装置
11 支持部
12 クラウンロール
101 低屈折率層
102 高屈折率層
103 中屈折率層
104 紫外線硬化樹脂層
105 反射防止層
106 バックコート層

Claims (8)

  1. 表面に凹凸を有するエンボスロールを用いて透明樹脂フイルム上に凹凸パターンを形成する凹凸パターンフイルムの製造方法において、該透明樹脂フイルムが該エンボスロールの直前に配置したクラウンロールに接触した後、該エンボスロールに巻きまわした透明樹脂フイルムと該エンボスロールとの間に紫外線硬化型樹脂組成物を導入し、該エンボスロールの内側より紫外線を照射した後、表面に凹凸が形成された紫外線硬化樹脂層を透明樹脂フイルムと共にエンボスロールから剥離することを特徴とする凹凸パターンフイルムの製造方法。
  2. 前記エンボスロールが石英であることを特徴とする請求項1に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
  3. 前記エンボスロールがサンドブラスト処理によって形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
  4. 前記エンボスロールがフッ化水素処理によって形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
  5. 前記紫外線硬化型樹脂組成物中に離型剤を含ませることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
  6. 前記透明樹脂フイルムが紫外線吸収性であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
  7. 前記エンボスロールからのからの剥離が剥離ロールによって行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
  8. 前記凹凸パターンフイルムが防眩性フイルムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の凹凸パターンフイルムの製造方法。
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