JP3911465B2 - ポリビニルアルコール系フィルムの製法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系フィルムの製法 Download PDF

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    • B29K2029/04PVOH, i.e. polyvinyl alcohol

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムの外観に優れたポリビニルアルコール系フィルムの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を溶媒に溶解し、脱泡して原液を調製した後、溶液流延法(キャスティング法)により製膜して、金属加熱ロール等を使用して乾燥することにより製造される。そして、上記乾燥工程を経由し、ついで熱処理機によりフィルムに含有される水分を飛ばして乾燥させた後、さらに調湿機を経由して所定の水分を付与した後、円筒状の芯管に巻き取ることにより製品化される。このようにして巻き取られたポリビニルアルコール系フィルムは、形状安定性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに光学用フィルム、特に偏光膜があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記円筒状の芯管に巻き取る際に、その巻き取りが緩過ぎたり固過ぎたりすると、フィルムに皺が形成されたり、傷がついたりする等のように外観上の問題が生じたり、巻き取られたフィルム同士がブロッキングするという問題が生じる。一旦、このような問題を起こしたフィルムを原反として偏光膜を製造すると、当然ながら、その偏光性能が劣るという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、皺や傷の形成、さらにはフィルム同士のブロッキングを防止し優れた外観を有した、光学的に均質なポリビニルアルコール系フィルムを得ることのできるポリビニルアルコール系フィルムの製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を用いてポリビニルアルコール系フィルムを製膜した後、上記ポリビニルアルコール系フィルムを円筒状芯管の表面に巻き取る工程を備えたポリビニルアルコール系フィルムの製法であって、上記円筒状芯管の表面にフィルムを巻き取る工程が、円筒状芯管に付設するガイドロールと芯管の間にポリビニルアルコール系フィルムを通過させて下記の状態(A)によってポリビニルアルコール系フィルムを巻き取り、かつ上記フィルムを巻き取る工程を経て得られたフィルム巻き取りロールの表面硬度が、25℃×55%RHの条件下において、ショアA60〜95(JIS K6301に準ずる)に設定されているポリビニルアルコール系フィルムの製法を要旨とする。
(A)上記ガイドロールと円筒状芯管とが間隔を保持して設置された非接触状態、または上記ガイドロールと円筒状芯管とがポリビニルアルコール系フィルムを介して接触した状態。
【0006】
そして、本発明は、上記製法により得られるポリビニルアルコール系フィルムを原反として用いて偏光膜とする。
【0007】
すなわち、本発明者らは、芯管にポリビニルアルコール系フィルムを巻き取る工程の間に形成される皺や傷、さらにはフィルム同士のブロッキングを防止し外観的に優れたポリビニルアルコール系フィルムを得るために、円筒状芯管に付設するガイドロールと芯管の間にポリビニルアルコール系フィルムを通過させて上記特定の状態(A)によって巻き取られたフィルム巻き取り後のロールの各種特性について鋭意検討を行った結果、そのロールの表面硬度と上記皺等の形成による外観不良とが密接な関係を有することを突き止めた。そして、上記ロールの表面硬度の適正な範囲について研究を重ねた結果、上記フィルムの巻き上がった状態でのフィルム巻き取りロールの表面硬度を、25℃×55%RHの条件下において、ショアA60〜95(JIS K6301に準ずる)に設定すると、適度な強さで巻き取られるために、皺が形成されたり傷がつくことなく、またフィルム同士のブロッキングもなく、外観的に優れたポリビニルアルコール系フィルムが得られることを見出し本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0009】
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製法では、フィルム形成材料としてポリビニルアルコール系樹脂溶液が用いられる。
【0010】
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、これに限定するものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していてもよい。また、ポリビニルアルコール系樹脂にシリル基を含有させたものでもよく、シリル化剤を用いて後変性したり、シリル基含有オレフィン性不飽和単量体と共重合しケン化させる等の方法があげられる。上記シリル基含有オレフィン性不飽和単量体としては、ビニルシラン、(メタ)アクリルアミド、アルキルシラン等があげられる。
【0011】
上記ポリビニルアルコール系樹脂における重合度は、特に限定されないが、なかでも1000〜7000の範囲が好ましく、より好ましくは1200〜6000、特に好ましくは1400〜5000の範囲である。上記重合度が1000未満では、偏光膜とした場合に充分な偏光性能が得られず、7000を超えると、偏光膜とする場合に延伸が困難となり、工業的な生産が困難となる傾向がみられ好ましくない。
【0012】
さらに、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは85〜100モル%、特に好ましくは98〜100モル%である。ケン化度が80モル%未満では偏光膜とする場合に充分な偏光性能が得られ難く好ましくない。
【0013】
上記ポリビニルアルコール系樹脂には、必要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等、一般的に使用される可塑剤をポリビニルアルコール系樹脂に対して30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下含有することである。上記可塑剤が30重量%を超えるとフィルム強度が劣る傾向がみられ好ましくない。
【0014】
また、さらに好ましくは、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤、なかでも特に好ましくはポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル等の剥離性の作用を有する界面活性剤をポリビニルアルコール系樹脂に対して5重量%以下、より好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは0.001〜2重量%含有させてもよい。上記界面活性剤が5重量%を超えると、フィルム表面の外観が不良となる傾向がみられ好ましくない。
【0015】
本発明においては、上記のポリビニルアルコール系樹脂を溶液とし、この溶液を用いてポリビニルアルコール系フィルムを製造するものである。
【0016】
つぎに、上記ポリビニルアルコール系フィルムの製法について説明する。
【0017】
まず、上記ポリビニルアルコール系樹脂を水または有機溶媒に溶解して溶液を調製した後、このポリビニルアルコール系樹脂溶液を製膜して原反フィルムを製造する。
【0018】
上記ポリビニルアルコール系樹脂溶液の調製に際して使用される溶媒としては、例えば、水はもちろん、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類およびこれらの混合物が用いられる。
【0019】
上記有機溶媒中には、少量、例えば、5〜30重量%の水を含有させても差し支えない。ポリビニルアルコール系樹脂溶液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、5〜70重量%が実用的である。そして、このようにして調製されたポリビニルアルコール系樹脂溶液は、キャスト法、押出法等容易の方法で製膜される。上記製膜方法としては、乾式あるいは湿式製膜法にて、すなわち、上記溶液を口金スリットから一旦空気中、または窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し、ついで凝固浴中に導いて未延伸フィルムを形成する。または、上記溶液を口金スリットから一旦ローラー、あるいはベルトコンベア等の上に吐出し、製膜を行い、乾燥して未延伸フィルムを形成する。
【0020】
そして、上記未延伸フィルムを形成した後、必要に応じて、この未延伸フィルムをさらに乾燥処理、熱処理、調湿処理を行うことによりポリビニルアルコール系フィルムが得られるのである。
【0021】
このようにして得られ、後の巻き取り工程に供給されるポリビニルアルコール系フィルムとしては、含水率が0.5〜7重量%に設定されたものを用いることが好ましい。特に好ましくは含水率が0.5〜6重量%である。すなわち、上記ポリビニルアルコール系フィルムの含水率が上記範囲内であると、ブロッキング等による不具合、特に高速で巻き出す場合の破断等が発生しにくく、またスリット時の端部のクラックも生じにくいものとなる。
【0022】
そして、このようにして得られたポリビニルアルコール系フィルムは、必要に応じてスリッタにかけて所定の幅にカットされ、続いて、円筒状芯管に巻き取られロール形状にして製品化され供給される。上記ポリビニルアルコール系フィルムの円筒状芯管による巻き取りは、予めポリビニルアルコール系フィルムの先頭端部を芯管表面にテープで仮止めした後、円筒状芯管を所定の巻き取り速度となるよう回転させることにより行われる。
【0023】
本発明において、上記ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取る円筒状芯管は、特に限定するものではなく、例えば、アルミニウム等の各種金属製材料や、塩化ビニル樹脂等のプラスチック製材料、紙製材料等によって形成されている。
【0024】
そして、上記円筒状の芯管にポリビニルアルコール系フィルムが巻き取られた状態での表面硬度が、25℃×55%RHの条件下において、ショアA60〜95(JIS K6301に準ずる)に設定されていることが必要である。特に好ましくはショアA70〜90である。すなわち、硬度がショアA60未満では、巻きが柔らか過ぎてロールが楕円形状に変形したり、また取り扱い時にへこみや凹凸等が発生して品質の低下を招く。また、ショアA95を超えると、巻きが固過ぎて、基材変形(永久歪み)を起こす可能性があり、また巻き締まりによる皺の発生を招くからである。なお、本発明において、上記ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った状態での表面硬度は、例えば、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じ、硬度計を用いてロール表面の3点(中央部、両端近傍部)にて各硬度を測定し、その平均値を算出することにより求められる。
【0025】
このような表面硬度を備えたフィルム巻き取りロールを得るための工程手段としては、例えば、図1および図2に示すように、巻き取りロールにガイドロール2を並設させた巻き取り工程があげられる。すなわち、図1に示すように、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取る際に、円筒状芯管1とガイドロール2との空間(ニア量α)を保持した非接触状態でポリビニルアルコール系フィルム3を巻き取る方法があげられる(ニア巻き)。または、図2に示すように、ガイドロール2と円筒状芯管1とをポリビニルアルコール系フィルム3を介して接触した状態で巻き取る方法があげられる(タッチ巻き)。このようにして巻き取ることにより上記表面硬度を備えたフィルム巻き取りロールが得られる。
【0026】
また、上記ガイドロール2としては、例えば、図3に示すように、軸体6の外周に弾性体層5が形成された構造のロールがあげられる。そして、その形状としては、ガイドロール2の弾性体層5が中央部から両端部にかけて曲線を描いて徐々に径が小さくなっていく形状のクラウンロールを用いることが好ましい。このような形状のロールを用いることにより、巻き取り時にフィルムに皺が形成されてもその皺が巻き取りロールの両端側に逃がされ、結果、皺の形成が効果的に防止される。
【0027】
上記ガイドロール2の形成材料としては、特に限定するものではなく従来公知の各種弾性体層5形成材料が用いられるが、例えば、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等があげられる。さらに、上記ガイドロール2の弾性体層5の硬度としては、JIS A 30〜90度に設定することが好ましい。
【0028】
そして、上記ガイドロール2としてクラウンロールを用いる場合、例えば、中央部の直径は50〜200mmで、ロールのクラウン量(ロール中央部の直径と両端部の直径の差)が0.1〜10mmとなるよう設定されていることが好ましい。
【0029】
上記クラウンロールにおけるクラウン曲線(中央部から端部にかけての曲線の度合い)は、例えば、下記に示す四次曲線式(a)、二次曲線式(b)、サインカーブ式(c)にて算出され、その算出は適宜に選択される〔上記式(a)〜(c)中の各符号については図3参照。Dはロール直径(センター値)〕。
【0030】
【数1】
Figure 0003911465
【0031】
【数2】
Figure 0003911465
【0032】
【数3】
Figure 0003911465
【0033】
なお、本発明に用いられるガイドロール2としては、上記クラウンロールの他に、スプリングロール等も使用することができる。
【0034】
つぎに、このようにして得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いた偏光膜の製法について述べる。
【0035】
上記偏光膜の製法としては、得られたポリビニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素あるいは二色性染料の溶液に浸漬して染色する、もしくは延伸と染色を同時に行う、もしくはヨウ素あるいは二色性染料により染色して延伸した後、ホウ素化合物処理する方法があげられる。また、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸する方法等もあげられ、適宜選択することができる。
【0036】
上記偏光膜に用いられるポリビニルアルコール系フィルムの膜厚としては、20〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜90μmである。すなわち、膜厚が20μm未満では、延伸することが困難であり、100μmを超えると、膜厚精度が低下して好ましくない。
【0037】
上記ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)は、上記のように延伸,染色,ホウ素化合物処理が施されるが、この延伸と染色、さらにはホウ素化合物処理は別々の工程にて行っても同時に行ってもよい。本発明では、染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中に一軸延伸を行うことが好ましい。
【0038】
上記延伸は、一軸方向に3〜10倍に延伸することが好ましく、より好ましくは3.5〜6倍の延伸である。この際、前記延伸と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件は40〜170℃の範囲に設定することが好ましい。さらに、上記延伸倍率は最終的に上記範囲に設定されればよく、また延伸操作も一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
【0039】
上記ポリビニルアルコール系フィルムへの染色は、このフィルムにヨウ素あるいは二色性染料を含有する液体を接触させることによって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/リットル、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/リットル、ヨウ素/ヨウ化カリウムの混合重量比は、ヨウ素/ヨウ化カリウム=20〜100の範囲が好ましい。また、染色時間は30〜500秒程度が実用的であり、染色処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。そして、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。また、接触手段としては、浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
【0040】
このようにして染色されたポリビニルアルコール系フィルムは、ついでホウ素化合物によって処理される。上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂が実用的である。このホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液として、濃度0.5〜2モル/リットル程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリウムを共存させることが実用上好ましい。上記ホウ素化合物による処理方法としては、浸漬法が好ましいが、塗布法、噴霧法も実施可能である。また、処理条件としては、温度50〜70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、必要に応じて処理中に延伸操作を行ってもよい。
【0041】
このようにして得られた偏光膜は、その片面または両面に光学的に等方性の高分子フィルムまたはシートを保護膜として積層接着して用いることもできる。上記保護膜としては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド等のフィルムまたはシートがあげられる。
【0042】
また、上記偏光膜には薄膜化を目的とし、上記保護膜に代えてその片面または両面に、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア系樹脂等の硬化性樹脂を塗布し、積層させることもできる。
【0043】
さらに、上記偏光膜(またはその少なくとも片面に保護膜あるいは硬化性樹脂を積層したもの)は、その一方の表面に必要に応じて、透明な感圧性接着剤層が通常の方法で形成されて実用に供される場合もある。上記感圧性接着剤層としては、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルと、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα−モノオレフィンカルボン酸との共重合物(アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチロールのようなビニル単量体を添加したものを含む)を主体とするものが、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがなく特に好ましいが、これに限定されるものではなく、透明性を有する感圧性接着剤であれば使用可能であり、例えば、ポリビニルエーテル系、ゴム系等を用いることもできる。
【0044】
このようにして得られた偏光膜は、例えば、電子卓上計算機、電子時計、ワードプロセッサー、パーソナルコンピューター、携帯情報端末機、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられる。
【0045】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。なお、「%」は特に断りのない限り重量基準である。
【0046】
【実施例1】
平均重合度1700、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール系樹脂、可塑剤としてグリセリン、界面活性剤(剥離剤)としてポリオキシエチレンアルキルアミノエーテルを用いて、45%濃度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(可塑剤、剥離剤も固形分として含む)を調製した後、T型スリットダイよりドラム型ロールで流延製膜し、乾燥、熱処理、調湿を行い含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。
【0047】
つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、図1に示すように、ガイドロール2を並設した円筒状芯管1により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、円筒状芯管1とガイドロール2との空間を保持した非接触状態でポリビニルアルコール系フィルム3を巻き取った(ニア巻き)。
【0048】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0049】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:60
【0050】
〔巻き取り条件〕
ガイドロールのニア量α(空間の距離):15mm
巻き取り張力:100N/m
巻き取り速度:80m/min
【0051】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(島津製作所社製、JIS HARDNESS TESTER)にて測定した結果、ショアA73であった。
【0052】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを1.23m/minで巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素0.17g/リットル)で1.8倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ素12ppm、ホウ酸47g/リットル)で1.7倍の一軸延伸を行い、さらに巻き取り速度5.6m/minでトータル4.6倍の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。
【0053】
【実施例2】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、図1に示すように、ガイドロール2を並設した円筒状芯管1により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、円筒状芯管1とガイドロール2との空間を保持した非接触状態でポリビニルアルコール系フィルム3を巻き取った(ニア巻き)。
【0054】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0055】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:60
【0056】
〔巻き取り条件〕
ガイドロールのニア量α(空間の距離):15mm
巻き取り張力:120N/m
巻き取り速度:80m/min
【0057】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA85であった。
【0058】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。
【0059】
【実施例3】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、図1に示すように、ガイドロール2を並設した円筒状芯管1により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、円筒状芯管1とガイドロール2との空間を保持した非接触状態でポリビニルアルコール系フィルム3を巻き取った(ニア巻き)。
【0060】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0061】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:60
【0062】
〔巻き取り条件〕
ガイドロールのニア量α(空間の距離):15mm
巻き取り張力:140N/m
巻き取り速度:80m/min
【0063】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA92であった。
【0064】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。
【0065】
【実施例4】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ガイドロールを並設した円筒状芯管により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、図2に示すように、円筒状芯管1とガイドロール2とをポリビニルアルコール系フィルム3を介して接触した状態で巻き取った(タッチ巻き)。
【0066】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0067】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:60
【0068】
〔巻き取り条件〕
ガイドロール接触圧:100N/m
巻き取り張力:100N/m
巻き取り速度:80m/min
【0069】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA73であった。
【0070】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。
【0071】
【実施例5】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ガイドロールを並設した円筒状芯管により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、図2に示すように、円筒状芯管1とガイドロール2とをポリビニルアルコール系フィルム3を介して接触した状態で巻き取った(タッチ巻き)。
【0072】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0073】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:60
【0074】
〔巻き取り条件〕
ガイドロール接触圧:150N/m
巻き取り張力:120N/m
巻き取り速度:80m/min
【0075】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA92であった。
【0076】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。
【0077】
【比較例1】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、図1に示すように、ガイドロール2を並設した円筒状芯管1により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、円筒状芯管1とガイドロール2との空間を保持した非接触状態でポリビニルアルコール系フィルム3を巻き取った(ニア巻き)。
【0078】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0079】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:60
【0080】
〔巻き取り条件〕
ガイドロールのニア量α(空間の距離):5mm
巻き取り張力:160N/m
巻き取り速度:80m/min
【0081】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA98であった。
【0082】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。得られた偏光膜は、巻き締まりにより皺が発生し、均一な染色・延伸を行うことができず良好なものではなかった。
【0083】
【比較例2】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、図1に示すように、ガイドロール2を並設した円筒状芯管1により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、円筒状芯管1とガイドロール2との空間を保持した非接触状態でポリビニルアルコール系フィルム3を巻き取った(ニア巻き)。
【0084】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0085】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:25
【0086】
〔巻き取り条件〕
ガイドロールのニア量α(空間の距離):25mm
巻き取り張力:60N/m
巻き取り速度:80m/min
【0087】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA55であった。
【0088】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。しかし、ロールが楕円形状になり安定に巻き出しが行えず皺が発生し、均一な染色・延伸を行うことができず良好なものではなかった。
【0089】
【比較例3】
上記実施例1と同様にして含水率4%のポリビニルアルコール系フィルムを作製した。つぎに、得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ガイドロールを並設した円筒状芯管により、下記に示す条件下で、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取った(1000m巻き)。ただし、図2に示すように、円筒状芯管1とガイドロール2とをポリビニルアルコール系フィルム3を介して接触した状態で巻き取った(タッチ巻き)。
【0090】
〔円筒状芯管〕
材質:アルミニウム
直径(外径):165mm
円筒長:2.7m
【0091】
〔ガイドロール〕
材質:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
中央部の直径:150mm
端部の直径:149mm
クラウン曲線:前記の四次曲線式(a)〔指定クラウン値C=1〕
ガイドロール(クラウンロール)の硬度:25
【0092】
〔巻き取り条件〕
ガイドロール接触圧:50N/m
巻き取り張力:60N/m
巻き取り速度:80m/min
【0093】
そして、ポリビニルアルコール系フィルムを巻き取ったロールの硬度を、25℃×55%RHの条件下、JIS K6301に準じて硬度計(前記と同様)にて測定した結果、ショアA55であった。
【0094】
ついで、巻き取った後のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、上記実施例1と同様にしてトータル4.6倍延伸の一軸延伸を行い、偏光膜を作製した。そして、比較例2と同様、均一な染色・延伸を行うことができず良好なものではなかった。
【0095】
このようにして得られた実施例および比較例のポリビニルアルコール系フィルムを用いて、下記に示す方法にしたがって測定・評価した。その結果を後記の表1〜表2に示す。
【0096】
すなわち、1000m巻き取った後の各ポリビニルアルコール系フィルムの皺の形成の有無を目視により評価した。そして、皺の形成が確認されなかったものを○、皺の形成が確認されたものを×として評価した。また、偏光膜についてその染色ムラを目視により評価した。その結果、染色ムラが確認されなかったものを○、染色ムラが確認されたものを×として評価した。
【0097】
さらに、得られた各偏光膜について、測定装置として日本電色工業社製のΣ90を用いて、偏光物性(単体透過率および偏光度:幅方向に対して5箇所測定し、その平均値を算出した)を測定した。その結果を下記の表1〜表2に示す。
【0098】
【表1】
Figure 0003911465
【0099】
【表2】
Figure 0003911465
【0100】
上記表1〜表2の結果から、実施例品のポリビニルアルコール系フィルムは、フィルム巻き状態が良好であるため、巻き出し時から染色・延伸時における皺の発生もなく、染色ムラの無い光学性能に優れた偏光膜となるものであった。
【0101】
これに対して、比較例品は、フィルム巻き状態が悪く、巻き出し時から皺が発生し、均一な染色・延伸が行えず、そのため染色ムラが発生し光学性能にも劣った偏光膜となるものであった。
【0102】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を用いてポリビニルアルコール系フィルムを製膜した後、上記ポリビニルアルコール系フィルムを円筒状芯管を用いてその表面に巻き取る工程において、上記フィルムを巻き取った巻き取りロールの表面硬度を、25℃×55%RHの条件下において、ショアA60〜95(JIS K6301に準ずる)に設定する。このため、ロールに巻き取られるフィルムには皺等が形成されず、またフィルム同士のブロッキングも生じず、外観的に良好な状態のものが得られ、結果、全体が均質なポリビニルアルコール系フィルムを得ることができる。
【0103】
したがって、このようにして得られたポリビニルアルコール系フィルムを用いて作製される偏光膜は、偏光膜の作製での延伸処理工程時においても延伸むら等が生じず、偏光特性に優れたものが得られるようになる。
【0104】
そして、上記巻き取るポリビニルアルコール系フィルムとして、含水率が0.5〜7重量%のものを用いると、ブロッキング等による不具合、特に高速で巻き出す場合の破断等が発生せず、またスリット時の端部のクラックも生じないものとなる。
【0105】
さらに、上記フィルムを円筒状芯管に巻き取る工程が、円筒状芯管に付設されるガイドロールと芯管の間にポリビニルアルコール系フィルムを通過させて巻き取る工程であって、上記ガイドロールと円筒状芯管とが間隔を保持した非接触状態、または上記ガイドロールと円筒状芯管とがポリビニルアルコール系フィルムを介して接触した状態で巻き取るため、皺の発生が無く巻き取りロールの表面硬度を上記範囲内とすることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製法の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製法の他の例を示す模式図である。
【図3】ガイドロールの一例であるクラウンロールの形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1 円筒状芯管
2 ガイドロール
3 ポリビニルアルコール系フィルム

Claims (3)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂溶液を用いてポリビニルアルコール系フィルムを製膜した後、上記ポリビニルアルコール系フィルムを円筒状芯管の表面に巻き取る工程を備えたポリビニルアルコール系フィルムの製法であって、上記円筒状芯管の表面にフィルムを巻き取る工程が、円筒状芯管に付設するガイドロールと芯管の間にポリビニルアルコール系フィルムを通過させて下記の状態(A)によってポリビニルアルコール系フィルムを巻き取り、かつ上記フィルムを巻き取る工程を経て得られたフィルム巻き取りロールの表面硬度が、25℃×55%RHの条件下において、ショアA60〜95(JIS K6301に準ずる)に設定されていることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製法。
    (A)上記ガイドロールと円筒状芯管とが間隔を保持して設置された非接触状態、または上記ガイドロールと円筒状芯管とがポリビニルアルコール系フィルムを介して接触した状態。
  2. 上記ポリビニルアルコール系フィルムの含水率が、0.5〜7重量%である請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製法。
  3. 上記ガイドロールが、クラウンロールである請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製法。
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