JP3873397B2 - 画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の屈折率の透明基材上に、耐湿性に優れ、帯電防止性能を持つ組成物を重合した特定の屈折率の帯電防止材料の層と、この上に反射防止層を備える、画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にCRT、LCD、プラズマディスプレイ等の画像表示装置の表面は帯電しやすく、この静電気によって表面にほこり等が付着し画面の視認性を悪くするという問題点がある。また、太陽光や蛍光灯等の外光が反射して映り込むために画面の視認性が悪くなるという問題点もある。
【0003】
これらの問題点を解決するために、従来より透明基材上にイオン伝導性物質と樹脂成分からなる帯電防止層を形成し、この上に金属酸化物等から成る反射防止膜層をスパッタリング法等によりコーティングをすることが行われている。
【0004】
また、特開平5−339306号公報では、1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個以上のアクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は1分子中にカルボキシル基と少なくとも1個以上のアクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する光硬化性樹脂組成物が示されており、その際に併用する帯電防止剤としてアルカリ金属、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩とイミダゾリン型界面活性剤との併用が開示されている。
【0005】
特開平5−341103号公報では、透明基板上に電導性塗膜と有機ポリシロキサン系化合物を20重量%含有する液状組成物を用いてなる反射防止性を有する物品が開示されている。
【0006】
またさらに、特開平6−228500号公報では、平均粒径1〜100nmで屈折率1.6以上である超微粒子とシリコンアルコキシド加水分解物とを溶媒に分散させてなる塗料で、前記シリコンアルコキシド加水分解物の一部をジルコニウムアルコキシド又はチタンアルコキシドに代えた帯電防止反射防止形成用塗料が開示されている。
【0007】
しかしながら、上記のような形態にすると十分な帯電防止性能を得るためには、多くのイオン伝導性物質の添加が必要となるため耐湿性が悪くなる欠点がある。
【0008】
また、イオン伝導性物質の屈折率が高いため、帯電防止層と基板の屈折率差によって、干渉模様が見られる。この結果、反射防止層の性能が悪くなり、画面の視認性を悪くする欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電防止性、耐湿性、反射防止性能及び視認性に優れた画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、屈折率1.47〜1.57の透明基材上に、A成分として、平均粒径が1〜100nmの五酸化アンチモン酸亜鉛微粒子とB成分として、下記一般式(1)
【化3】
(ただし、Xは炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルコール残基、炭素数6〜20の芳香環状若しくは脂肪族環状の炭化水素、又は炭素数1〜20のエーテル基を表し、Q 1 及びQ 2 は、同一又は異なる基であってアクリロイル基又はメタアクリロイル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基若しくはアシル基を表し、pは0≦p≦8を満たす整数であり、nは1≦n≦6を満たす整数であり、mは1≦m≦6を満たす整数である)で示される多官能(メタ)アクリレートとを含有し、前記A成分の含有割合が前記A成分と前記B成分との合計に対して20〜50重量%である帯電防止性組成物を重合してなる帯電防止性材料の層を備え、該帯電防止性材料の層上に反射防止層を備え、反射率の最低値が520〜620nmの範囲内にあることを特徴とする画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルムが提供される。
また本発明によれば、屈折率1.57〜1.67の透明基材上に、上記A成分と上記B成分とを含有し、前記A成分の含有割合が前記A成分と前記B成分との合計に対して50〜80重量%である帯電防止性組成物を重合してなる帯電防止性材料の層を備え、該帯電防止性材料の層上に反射防止層を備え、反射率の最低値が520〜620nmの範囲内にあることを特徴とする画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルムが提供される。
【0020】
【発明の実施形態】
本発明に用いる帯電防止性組成物は、A成分として五酸化アンチモン酸亜鉛微粒子を含有する。
【0021】
前記五酸化アンチモン酸亜鉛微粒子の平均粒径は、1〜100nmであり、好ましくは、10〜50nmである。この平均粒径が1nmより小さいと、導電性が低下し、かつ、凝集しやすくなる。また、平均粒径が100nmを越えるとレイリー散乱によって透過光が著しく散乱され、白く見えるようになり透明度が低下する。前記五酸化アンチモン酸亜鉛微粒子としては、日産化学社製、商品名「セルナックス」(30重量%メタノール分散溶液、平均粒径10〜15nm)等の市販のもの等が挙げられる。
【0022】
本発明に用いる帯電防止性組成物は、B成分として前記一般式(1)で示される多官能(メタ)アクリレートを含有する。
【0023】
前記一般式(1)中、Xは炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルコール残基、炭素数6〜20の芳香環状若しくは脂肪族環状の炭化水素、又は炭素数1〜20のエーテル基を表し、Q1及びQ2は、同一又は異なる基であってアクリロイル基又はメタアクリロイル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基若しくはアシル基を表す。またpは0≦p≦8を満たす整数であり、nは1≦n≦6を満たす整数であり、mは1≦m≦6を満たす整数である。
【0024】
B成分の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(アクリロイルオキシプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル)メタン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を好ましく挙げることができる。特に好ましくは、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、前記の化合物の遊離の水酸基を一部エステル化したものも挙げることができる。
【0026】
本発明に用いる帯電防止性組成物を、屈折率が1.47〜1.57である透明基材の帯電防止材料の原材料として用いる場合のA成分の含有割合は、A成分とB成分との合計に対して20〜50重量%である。A成分が20重量%より少ない場合には、十分な帯電防止効果が得られず、50重量%より多い場合には、透明基板との屈折率差が大きくなり、干渉模様が見られるようになるので好ましくない。また、屈折率が1.57〜1.67である透明基材の帯電防止材料の原材料として用いる場合のA成分の含有割合は、A成分とB成分との合計に対して50〜80重量%である。A成分が50重量%より少ない場合には、透明基板との屈折率差が大きくなり、干渉模様が見られるようになり、80重量%より多い場合には、塗膜中の架橋成分が少なくなりすぎるため耐湿性が悪くなるので好ましくない。
【0027】
ここでいう干渉模様とは、透明基板上に塗膜を形成したフィルムの反射光で虹色に見える模様のことをいう。また、この干渉模様は、反射スペクトルでは、山と谷が連続した波形で表される。その強度は、山と谷の差(フリンジ幅)が大きい程強く見られ、逆に小さい程弱い。
【0028】
本発明に用いる帯電防止性組成物は、前記A成分及びB成分の他に、必要に応じて他の単官能(メタ)アクリレートを本発明の所望の効果を損ねない範囲で含有しても良い。他の単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。
前記帯電防止性組成物中の、前記他の単官能(メタ)アクリレートの含有割合は、B成分の多官能(メタ)アクリレートに対して50重量%以下、より好ましくは30重量%以下であることが好ましい。
【0029】
前記帯電防止性組成物を重合してなる帯電防止材料の層の屈折率1.5〜1.7の材料である。
【0030】
前記重合は、(イ)加熱による重合、及び(ロ)紫外線、電子線又は放射線等の活性エネルギー線の照射による重合を含む。
【0031】
加熱による重合あるいは紫外線照射による重合の際には適宜、重合開始剤を前記帯電防止性組成物に加えて重合硬化することができる。
【0032】
前記重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系のラジカル重合開始剤;過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンパーオキシド、ジアシルパーオキシド等の有機過酸化物系のラジカル重合開始剤を用いることができ、更に光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;ベンジル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ミヒラーズケトン等のカルボニル化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物;α−ジケトンと三級アミンとの混合物等が使用できる。前記重合開始剤を用いる場合の使用量は、B成分100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。
【0033】
前記重合の具体的な方法は、例えば前記帯電防止性組成物に必要に応じて重合開始剤とイソプロピルアルコール又はトルエン等の溶媒等を添加混合した後、通常行われる塗布方法で基材上への塗布等を行い、前記溶媒を一部揮発させた後重合させることができる。
【0034】
本発明の帯電防止性反射防止フィルムは、屈折率1.47〜1.67の透明基材上に前記帯電防止材料の層を備える。
【0035】
前記透明基材としては、屈折率が1.47〜1.67で透明であれば特に限定されないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリカーボネートフィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、アクリルフィルム等を用いることができる。
【0036】
前記帯電防止材料の層の厚さは、特に限定されないが、乾燥膜厚として1〜10μmであることが好ましい。また、前記透明基材の厚さは、特に限定されず所望の厚さとすることができる。
【0038】
本発明の帯電防止性反射防止フィルムは、屈折率1.47〜1.67の前記透明基板上に、前記帯電防止性組成物を乾燥膜厚が1〜10μmになるように塗布し、乾燥後、加熱硬化法、若しくは紫外線、電子線又は放射線等、活性エネルギー線の照射等の方法により重合硬化を行うことにより透明基材上に帯電防止性材料の層を設けることができる。
【0039】
前記塗布の方法としては、通常公知の方法、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ディップコート法、スピンコート法等により行うことができる。
【0040】
本発明の帯電防止性反射防止フィルムは、前記帯電防止材料の層上に、さらに反射防止層を備える。
【0041】
前記反射防止層としては、無機物によるもの、有機物によるもの等の従来公知のものを用いることができる。前記無機物としては、酸化チタン、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、フッ化セリウム、酸化セリウム、フッ化ランタン等の無機酸化物等の層を挙げることができる。また前記有機物としては、フッ素系化合物、シラン化合物等の層を挙げることができる。
【0042】
前記反射防止層の膜厚は、帯電防止性反射防止フィルムの反射率の最低値が、520〜620nmとなるように設定する。
【0043】
前記反射防止層の形成方法は特に限定されないが、例えば、無機物による反射防止層の場合、前記各種の無機酸化物等をスパッタ法等により帯電防止フィルム上に形成することができる。また、有機物による反射防止層の場合、前記各種の化合物等を所望の膜厚となるよう塗布、乾燥後そのまま用いるかあるいは加熱硬化法、若しくは紫外線、電子線又は放射線等、活性エネルギー線の照射等の方法により固化することで形成することができる。前記反射防止層は、このような方法等で形成された層の1層のみからなってもよく、これらの方法等を組み合わせて形成された2層以上の層を含んでもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性反射防止フィルムは、前記帯電防止性材料の層上に、さらに反射防止層を備えるので、帯電防止性、耐湿性、反射防止性能及び視認性に優れ、画像表示装置の表面に使用する帯電防止性反射防止フィルムとして有用である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0048】
製造例1
1リットルのガラス製容器に「セルナックス CX−Z200M改2」(日産化学社製、商品名、五酸化アンチモン亜鉛超微粒子30重量%:メタノール70重量%)233gを秤取り、かき混ぜ機でかき混ぜながら、多官能アクリレートとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート(以下「PE−3A」と略す)30gと硬化開始剤「イルガキュア184」(チバガイギー社製、商品名)(以下「I184」と略す)4gを添加し帯電防止性組成物を得た。
【0049】
次いでマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて厚さ100μmのPET基材上に乾燥膜厚が4μmとなるように塗布した。乾燥後、紫外線照射器(岩崎電気社製)により800mJ/cm2の紫外線を照射し硬化を行って帯電防止フィルムを作製した。作製した帯電防止性組成物及び帯電防止フィルムの(イ)屈折率、(ロ)フリンジ幅、(ハ)表面抵抗値、及び(ニ)耐湿性について、下記に示す手順で評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0050】
(イ)屈折率
帯電防止性組成物を乾燥後の厚さが100μmになるようにガラス上に塗布し、紫外線照射器により800mJ/cm2の紫外線を照射し硬化を行い、得られた膜をガラスから剥離し、アッベ屈折率計(アタゴ株式会社製)を用いて25℃での屈折率を計測した。
【0051】
(ロ)フリンジ幅
5°正反射測定装置を備えた分光光度計(日本分光社製、商品名「U−best50」)により得られた帯電防止フィルムの反射スペクトルを測定した。このスペクトルデータから反射率の最大値と最小値の差の絶対値をフリンジの幅とした。
【0052】
(ハ)表面抵抗値
得られた帯電防止フィルムを10×10cmの大きさに切り出し、極超絶縁計(東亜電波工業株式会社製、商品名「SM−8210」)により室温25℃湿度50%に調整された部屋の中で90時間放置し、その後表面抵抗値を測定した。
【0053】
(ニ)耐湿性
温度60℃、湿度90%に保たれた恒温恒湿糟(タバイエスペック株式会社製、商品名「Platinous PR−1SP」)の中に得られた帯電防止フィルムを100時間入れた後、碁盤目剥離試験をJIS K 5400に従って行った。評価は、JIS K 5400に記載の評価基準に基づき評価した。
【0054】
製造例2,3及び比較製造例1,2
表1に示した配合組成を用いた以外は、製造例1と同様にして帯電防止性組成物を得た。
【0055】
また、得られた帯電防止性組成物を、それぞれ製造例1と同様にして表1に示した基材の上に塗布して乾燥、重合して、帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止性組成物及び帯電防止フィルムの(イ)屈折率、(ロ)フリンジ幅、(ハ)表面抵抗値、及び(ニ)耐湿性について、製造例1と同様に評価した。結果を表1と図2,3,4及び5に示す。
【0056】
比較製造例3
PE−3A 60gに、帯電防止剤としてアクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド(以下「DMAEA−Q」と略す)40gと、硬化開始剤としてI184 4gとを、固形分の配合比が表1のようになるように混合し単量体組成物を調整した。この組成物100重量部に溶媒としてイソプロピルアルコール40重量部を混合して塗液を調製した。次いでマイクログラビアコーターを用いてPETの上に乾燥膜厚が4μmとなるように塗布した。乾燥後、紫外線照射器(岩崎電気社製)により800mJ/cm2の紫外線を照射し硬化を行って帯電防止フィルムを作製した。作製した組成物及び帯電防止フィルムの(イ)屈折率、(ロ)フリンジ幅、(ハ)表面抵抗値、及び(ニ)耐湿性について、製造例1と同様に評価した。結果を表1と図6に示す。
【0057】
実施例1
製造例1で作製した帯電防止フィルムを真空蒸着装置内にセットし、真空度を10-7Torrまで排気した後、酸素ガスを10-4Torrになるまで真空室へ導入して、電子線ビーム蒸発源によりフッ化マグネシウムを蒸発させて、膜厚0.25λ(λ=550nm)になるまで蒸着を行い反射防止層を形成し、帯電防止性反射防止フィルムを作製した。
【0058】
作製した帯電防止性反射防止フィルムの(ホ)反射スペクトルと(ヘ)視感平均反射率について、下記に示す手順で評価を行った。結果を表2及び図7に示す。
【0059】
(ホ)反射スペクトル
5°正反射測定装置を備えた分光光度計(日本分光社製、商品名「U−best50」)により反射スペクトルを測定した。但し、塗布面を測定面とし裏面は反射を遮るためにサンドペーパーで荒らして測定した。
【0060】
(ヘ)視感平均反射率
JIS Z 8701に基づき視感平均反射率を求めた。
【0061】
実施例2
ジアクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコール(以下「OPDA」と略す)10重量部、ポリ(アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(以下「PF17A」と略す)1重量部、トリフルオロメチルベンゼン80重量部を混合して反射防止層塗液を調製した。次いでマイクログラビアコーターを用いて製造例3で作製した帯電防止フィルムに乾燥膜厚が0.25λ(λ=550nm)になるように塗布し、電子線照射器(岩崎電気社製)により加速電圧175kV、ビーム電流5mAで吸収線量30Mradの電子線を照射し、硬化を行って反射防止層を形成し、帯電防止性反射防止フィルムを作製した。
【0062】
作製した帯電防止性反射防止フィルムの(ホ)反射スペクトルと(ヘ)視感平均反射率について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2及び図8に示す。
【0063】
比較例1
基材として比較製造例1で作製した帯電防止フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして帯電防止性反射防止フィルムを得た。
【0064】
作製した帯電防止性反射防止フィルムの(ホ)反射スペクトルと(ヘ)視感平均反射率について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2及び図9に示す。
【0065】
比較例2
基材として比較製造例2で作製した帯電防止フィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして帯電防止性反射防止フィルムを得た。
【0066】
作製した帯電防止性反射防止フィルムの(ホ)反射スペクトルと(ヘ)視感平均反射率について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2及び図10に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
以上の結果より、製造例1〜3のフィルムは、比較製造例1〜3に比べて帯電防止性、耐湿性が優れており、かつフリンジ幅の小さいことが分かる。
【0070】
また、上部に反射防止膜を形成させた実施例1及び2は、比較例1及び2に比べて視感平均反射率が低く、反射防止性能が優れていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造例1の反射スペクトルを示す。
【図2】 製造例2の反射スペクトルを示す。
【図3】 製造例3の反射スペクトルを示す。
【図4】 比較製造例1の反射スペクトルを示す。
【図5】 比較製造例2の反射スペクトルを示す。
【図6】 比較製造例3の反射スペクトルを示す。
【図7】 実施例1の反射スペクトルを示す。
【図8】 実施例2の反射スペクトルを示す。
【図9】 比較例1の反射スペクトルを示す。
【図10】 比較例2の反射スペクトルを示す。
Claims (2)
- 屈折率1.47〜1.57の透明基材上に、
A成分として、平均粒径が1〜100nmの五酸化アンチモン酸亜鉛微粒子とB成分として、下記一般式(1)
該帯電防止性材料の層上に反射防止層を備え、
反射率の最低値が520〜620nmの範囲内にあることを特徴とする画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルム。 - 屈折率1.57〜1.67の透明基材上に、
A成分として、平均粒径が1〜100nmの五酸化アンチモン酸亜鉛微粒子とB成分として、下記一般式(1)
該帯電防止性材料の層上に反射防止層を備え、
反射率の最低値が520〜620nmの範囲内にあることを特徴とする画像表示装置用帯電防止性反射防止フィルム。
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