JPWO2012133339A1 - 反射防止フィルム及び偏光板 - Google Patents

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Abstract

透明基材と、第1層と、屈折率が前記第1層の屈折率と比較して低い第2層とをこの順で積層してなる反射防止フィルムが提供される。第1層は、電離放射線硬化型材料と4級アンモニウム塩材料とレベリング材料とを含んだ塗膜を硬化させてなる。

Description

本発明は、優れたハードコート性、帯電防止性、透明性、耐擦傷性を備え、耐アルカリ性に優れた反射防止フィルム、及びその反射防止フィルムを使用した偏光板、透過型液晶表示装置に関する。
一般にディスプレイは、室内であろうと室外であろうと、外光などが入射する環境下で使用される。この外光等の入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、それによる反射像が表示画像と混合することにより、画面表示品質を低下させてしまう。そのため、ディスプレイ表面等に反射防止機能を付与することは必須であり、この反射防止機能には、さらなる高性能化及び他の反射防止機能との複合化が求められている。
一般に反射防止機能は、透明基材上に多層構造、具体的には、金属酸化物等の透明材料から各々がなる高屈折率層と低屈折率層との繰り返し構造を有している反射防止層を形成することで得られる。これらの多層構造からなる反射防止層は、化学蒸着(CVD)法や、物理蒸着(PVD)法といったドライコーティング法により形成することができる。また、反射防止層の形成方法として、大面積化、連続生産、低コスト化が可能であるウェットコーティング法も提案されている。
これらの反射防止層は、表面が比較的柔軟な透明基材上に形成することがある。この場合、表面硬度を付与するために、一般にアクリル多官能化合物の重合体からなるハードコート層を設け、その上に反射防止層を形成するという手法が用いられている。このハードコート層はアクリル樹脂の特性により、高い表面硬度、光沢性、透明性及び耐擦傷性を有する。しかしながら、絶縁性が高いために帯電しやすく、ハードコート層を設けた製品表面への埃等の付着による汚れや、ディスプレイ製造工程において帯電することにより障害が発生するといった問題を抱えている。
このため、透明基材上に反射防止層とハードコート層とを備える反射防止フィルムについては、ハードコート層に帯電防止機能を付与する方法や、透明基材とハードコート層との間又は反射防止層とハードコート層との間に帯電防止層をさらに設ける方法が提案されている。
また、反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OLED)や陰極線管(CRT)表示装置のような様々な画像表示装置において、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に設置される。中でも、LCDについては、大画面化に伴い、反射防止フィルムを配置したものが増大している。LCDにおいて、偏光板は、光学材料として不可欠である。一般に、偏光板は、偏光層が2枚の保護フィルムによって保護されている構造を有している。これらの保護フィルムに反射防止機能を付与することにより、大幅なコスト削減及び表示装置の薄型化が可能となる。一方、保護フィルムには、偏光層と貼り合わせた場合に、偏光層と十分な密着性を有することが求められる。
上述の技術に関連する技術は、例えば、特開平11−92750号公報、特開平7−314619号公報、特開2003−45234号公報及び特開2005−144858号公報に記載されている。
通常、保護フィルムと偏光層との密着性は、保護フィルムの表面を鹸化処理に供し、親水化することによって向上させることができる。また、鹸化処理にかかるコストは、保護フィルムの上に反射防止層及び/又は防眩層を形成した後に鹸化処理を実施することによって削減することができる。しかしながら、鹸化処理では、アルカリ溶液により保護フィルムの表面近傍が加水分解される。そのため、反射防止層を形成した後に保護フィルムの表面を鹸化処理した場合、保護フィルムとハードコート層の上に形成された反射防止層との密着性を悪化させるか又は反射防止性能を変化させることがある。
本発明の目的は、高い表面硬度、並びに、優れた帯電防止性、透明性、耐擦傷性及び耐アルカリ性を備えた反射防止フィルムを提供することにある。
本発明者は、4級アンモニウム塩材料を含むハードコート層と、該ハードコート層上に設けられた低屈折率層とを備えた反射防止フィルムは、その耐アルカリ性が、ハードコート層の微小押し込み硬さ、具体的には、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さと相関していることを見出した。そして、この知見に基づき、以下の第1及び第2側面に係る発明をするに至った。
即ち、本発明の第1側面は、透明基材と、第1層と、屈折率が前記第1層の屈折率と比較して低い第2層とをこの順で積層してなり、前記第1層は、電離放射線硬化型材料と4級アンモニウム塩材料とレベリング材料とを含んだ塗膜を硬化させてなる反射防止フィルムに関する。
前記レベリング材料は、フッ素系レベリング材料であってもよい。
前記レベリング材料の量は、前記電離放射線硬化型材料と前記4級アンモニウム塩材料と前記レベリング材料との合計100質量部中、0.05乃至5.0質量部の範囲内であってもよい。
前記第2層の形成前の第1層の表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さが0.45GPa乃至1.0GPaの範囲であってもよい。
前記反射防止フィルムは、(1)前記第1層の表面の中心線平均粗さRaが0.001μm乃至0.010μmの範囲内であること、及び(2)前記ハードコート層表面の凹凸の平均間隔Smが0.15mm乃至1.00mmの範囲内であることのうちの少なくとも1つの要件を満足してもよい。
また、本発明の第2側面は、透明基材と、第1層と、屈折率が前記第1層の屈折率と比較して低い第2層とをこの順で積層してなる反射防止フィルムの製造方法であって、前記透明基材の少なくとも一方の主面に、電離放射線硬化型材料と4級アンモニウム塩材料とレベリング材料とを含んだ塗液を塗布して第1塗膜を形成する塗布工程と、前記第1塗膜に電離放射線を照射して、前記第1層を前記第1塗膜の硬化物として得る工程とを含んだ反射防止フィルムの製造方法に関する。
前記製造方法において、前記第1塗膜に、前記電離放射線を、酸素濃度1体積%以下の雰囲気下で照射してもよい。
前記電離放射線は紫外線であってもよい。
本発明の第3側面は、前記反射防止フィルムと、前記反射防止フィルムの前記透明基材を間に挟んで前記反射防止フィルムの前記第1層と向き合った偏光層と、前記偏光層を間に挟んで前記反射防止フィルムと向き合った透明基材とを備えた偏光板に関する。
図1は、一実施形態に係る反射防止フィルムの断面模式図である。 図2は、一実施形態に係る反射防止フィルムを備えた偏光板の断面模式図である。 図3は、一実施形態に係る偏光板を備えた透過型表示装置の断面模式図である。
<<反射防止フィルム>>
本発明の一態様に係る反射防止フィルムについて図面を参照して説明する。
図1は、一態様に係る反射防止フィルムの断面模式図を示す。
本態様に係る反射防止フィルム1は、図1に示すように、透明基材11と、ハードコート層12と、低屈折率層13とを備える。ハードコート層12と低屈折率層13とは、透明基材11の少なくとも一方の主面に設置されている。ハードコート層12と低屈折率層13とは、透明基材11側からこの順で積層されている。低屈折率層13の屈折率は、偏在層12の屈折率と比較して低い。低屈折率層13の屈折率は、例えば、偏在層12の屈折率と比較して、0.05乃至0.30低い。ここで、屈折率は、例えば、波長589nmで測定された屈折率である。
以下にハードコート層12及び低屈折率層13について説明する。
<ハードコート層>
ハードコート層12は、電離放射線硬化型材料と4級アンモニウム塩材料とから得られる。
ハードコート層12は、例えば、これら材料を含んだハードコート層形成塗液に電離放射線を照射することによって硬化して得られる。具体的には、ハードコート層12は、例えば、この塗液を、透明基材の少なくとも一方の主面に塗布し、電離放射線により塗液に含まれる電離放射線硬化型材料を硬化することにより形成する。
また、ハードコート層において、4級アンモニウム塩材料は、反射防止フィルムに導電性を付与し、帯電防止性を備える反射防止フィルムを得ることができる。
ハードコート層12の膜厚は、好ましくは、5μm乃至10μmの範囲内にある。ハードコート層の膜厚は3μm以上あれば十分な強度となるが、5μm乃至10μmの範囲内とすることにより塗工精度及び取扱い性の観点から好ましい。膜厚が10μmを超える場合には、硬化収縮による基材の反り、ゆがみ及び/又は基材折れが発生する可能性がある。ハードコート層12の膜厚は、より好ましくは、5μm乃至7μmの範囲内である。
<低屈折率層>
図1に示す通り、低屈折率層13は、ハードコート層12上設けられている。
低屈折率層13とハードコート層12の間には、他の層は介在しない。即ち、低屈折率層13の上には、直接、低屈折率層13が設けられている。
低屈折率層13は、電離放射線硬化型材料と低屈折率粒子とから得られる。例えば、低屈折率層13は、これらの材料を含んだ低屈折率層形成用塗液に電離放射線を照射して硬化することにより得られる。具体的には、低屈折率層13は、例えば、この塗液を、ハードコート層上に塗布し、電離放射線により電離放射線硬化型材料を硬化することにより形成する。
低屈折率層13の膜厚(d)は、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)をかけることによって得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計される。低屈折率層13の膜厚(d)は、例えば、50nm乃至150nmの範囲内にある。
反射防止フィルム1は、機能層(図示せず)を更に含んでいてもよい。反射防止フィルム1が機能層を含む場合、機能層は透明基材11とハードコート層12との間に設けられる。機能層は、例えば、電磁波シールド性能を有する電磁波シールド層、赤外線吸収性能を有する赤外吸収層、紫外線吸収性能を有する紫外線吸収層、色補正性能を有する色補正層である。
反射防止フィルムは、低屈折率層形成前のハードコート層12の該ハードコート層表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さが、0.45GPa乃至1.0GPaの範囲内である。微小押し込み硬さがこのような範囲内にあることにより、反射防止フィルムは、十分な耐アルカリ性を備えることができる。反射防止フィルムが十分な耐アルカリ性を備えるためには、低屈折率層形成前のハードコート層の該ハードコート層表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さが0.45GPa以上であればよい。しかし、表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さが1.0GPaを超える場合、ハードコート層表面の柔軟性がなくなりフィルムを曲げた際にクラック(亀裂)が入り易くなる。したがって、本態様の反射防止フィルムは、低屈折率層形成前のハードコート層の表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さが、0.45GPa乃至1.0GPaの範囲内であることを特徴とする。
前記微小押し込み硬さが0.45GPa未満の場合には、反射防止フィルムは十分な耐アルカリ性を有さず、反射防止フィルムをアルカリ溶液に浸漬させた際に低屈折率層13の膜剥がれが発生する。また、ハードコート層表面近傍の硬度不足により、耐擦傷性が弱くなる。
反射防止フィルムのハードコート層12表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さは、超微小押し込み硬度試験機を使用して求めることができる。
前記微小押し込み硬さが0.45GPa以上であるハードコート層12は、例えば、電離放射線硬化型材料を硬化させる際に酸素濃度1体積%以下の雰囲気下で紫外線照射することにより得られる。この酸素濃度1体積%以下の雰囲気は、紫外線照射部分を窒素等の不活性ガスでパージすることにより達成される。
また、反射防止フィルムは、好ましくは、ハードコート層表面の中心線平均粗さRaが0.001μm乃至0.010μmの範囲内であること、及び、前記ハードコート層表面の凹凸の平均間隔Smが0.15mm乃至1.00mmの範囲内であることのうち少なくとも一方を満たすものである。本態様の反射防止フィルム1において、低屈折率層を形成する前において、ハードコート層の表面は微細な凹凸を有さず、できる限り平滑であることが好ましい。
ハードコート層の表面を平滑にすることにより、反射防止フィルムの耐アルカリ性を十分なものとすることができる。ハードコート層の中心線平均高さ(Ra)は小さければ小さいほどハードコート層が平滑となる。微細な凹凸があったとしても、凹凸の平均間隔(Sm)は大きければ、ハードコート層が平滑となる。中心性平均高さ(Ra)が0.010μmを超える場合には、ハードコート層表面が微細な凹凸を有し、反射防止フィルムの耐アルカリ性を十分なものとすることができない場合がある。ただし、中心線平均粗さ(Ra)が0.10μmを超える場合であっても、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上である場合には、ハードコート層が平滑であるとすることができる。中心線平均高さ(Ra)が0.010μmを超え、かつ、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm未満である場合にはハードコート層表面が微細な凹凸を有し得られる反射防止フィルムの耐アルカリ性を十分なものとすることができない場合がある。
なお、中心線平均高さ(Ra)が0.001μm未満のハードコート層を形成することは困難であり、同様に、凹凸の平均間隔(Sm)が1.00mmを超えるハードコート層を形成することも困難である。反射防止フィルムは、ハードコート層表面の中心線平均粗さRaが0.001μm乃至0.010μmの範囲内であること、もしくは、ハードコート層表面の凹凸の平均間隔Smが0.15mm乃至1.00mmの範囲内であることが好ましい。
また、ハードコート層表面の中心線平均粗さRaが0.001μm乃至0.010μmの範囲内であること、もしくは、ハードコート層表面の凹凸の平均間隔Smが0.15mm乃至1.00mmの範囲内である微小な凹凸のないハードコート層を形成するためには、フッ素系レベリング剤をハードコート層形成材料100質量部に対し0.05乃至5.0質量部添加することが望ましい。透明基材11上にアクリル系樹脂等をコーティングし、硬化させる際に、アクリル系樹脂の希釈溶剤を揮発させる必要があるが、この際、気化熱により樹脂表面付近の空気が冷やされ、空気中の水分が凝集する。この水分が樹脂表面に取り込まれ、電離放射線硬化型材料が硬化する際にハードコート層表面に微小な凹凸が発生する。フッ素系レベリング剤が、ハードコート層形成材料100質量部に対して0.05質量部未満の場合、ハードコート層表面のレベリング性が弱く、この表面の微細な凹凸を平滑にすることができないことがある。一方、フッ素系レベリング剤が、ハードコート層形成材料100質量部に対して5.0質量部を超える場合、ハードコート層形成用と液を塗布した際に透明基材11との間にハジキが発生する。
なお、本明細書においてハードコート層形成材料とは、ハードコート層形成用塗液から溶剤を除いたものであり、ハードコート層形成用塗液の固形分のことをいう。
<<反射防止フィルムの製造方法>>
本態様に係る反射防止フィルムは、例えば、以下のようにして製造される。
<ハードコート層の形成>
まず、透明基材を用意する。
使用される透明基材としては、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルムを好適に用いることができる。トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルムは、複屈折が少なく、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点に優れており、液晶表示装置に対し好適に用いることができる。さらに、セルロース系フィルムも好適に使用することができる。セルロース系フィルムは、ハードコート層形成用塗液を透明基材上に塗布する際に溶剤によって容易に溶解又は膨潤させることができるため、後述するように、透明基材上にハードコート層を形成する際に形成されるハードコート層の膜厚に起因する干渉ムラの発生を効果的に防ぐことができる。
透明基材には、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が添加されていても良い。
透明基材の厚さは特に限定されるものではないが、20μm乃至200μmの範囲内であることが好ましい。透明基材としてトリアセチルセルロースフィルムを使用する場合には、透明基材の厚さは、40μm乃至80μmの範囲内であることが好ましい。
[塗布工程]
次に、透明基材の一方の主面に、ハードコート層形成用塗液を塗布する。例えば、透明基材の一方の主面に、湿式成膜法によりハードコート層形成用塗液を塗布する。
湿式成膜法は、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法である。ハードコート層12は、特に、薄く、均一に形成する必要あるため、湿式成膜法としてはマイクログラビアコーティング法を用いることが好ましい。厚い層を形成する必要がある場合には、湿式成膜法として、ダイコーティング法を用いることができる。
塗膜は、例えば、ハードコート層の膜厚が3μm以上となるように塗布される。膜厚が3μm以上であれば十分な強度となる。また、塗膜は、塗工精度及び取扱い性の観点から、ハードコート層の膜厚が5μm乃至10μmの範囲となるように塗布されることが好ましい。ハードコート層の膜厚が10μmを超えるように塗布された場合、硬化収縮による基材の反り、ゆがみ、基材折れが発生しすることがある。さらに、ハードコート層の膜厚が5μm乃至7μmの範囲内となるように塗布されることが非常に好ましい。
ハードコート層形成用塗液は、電離放射線硬化型材料と四級アンモニウム塩材料を含んでいる。
(電離放射線硬化型材料)
電離放射線硬化型材料としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。また、これらの他にも、アクリル系材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計することができ、形成されるハードコート層の物性のバランスを容易にとることが可能であるという理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
(4級アンモニウム塩材料)
4級アンモニウム塩材料としては、−Nの構造を示し、四級窒素原子(−N)とアニオン(X)とを備えることによりハードコート層に導電性を発現させる。このとき、Xとしては、Cl、Br、I、F、HSO 、SO 2−、NO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、SO 、OH等を挙げることができる。
中でも4級アンモニウム塩材料として、4級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含んだアクリル系材料を好適に用いることができる。四級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含むアクリル系材料としては、四級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含む多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
4級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含んだアクリル系材料としては、具体的には、ライトエステルDQ−100(共栄社化学製)等を用いることができる。4級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含むアクリル系材料を用いることにより、ハードコート層上に安定して低屈折率層を形成することができる。4級アンモニウムカチオンを有しアクリル基及び/又はメタクリル基を有さない材料と4級アンモニウムカチオンを有さないアクリル系材料を用いてハードコート層を形成した場合には、四級アンモニウムカチオンを含む材料が表面に偏析し、これによりハードコート層上に低屈折率層形成用塗液を塗布した際に低屈折率層形成用塗液をはじいてしまう場合がある。また、形成される低屈折率層が白化してしまう場合がある。4級アンモニウムカチオンを分子内に含んだアクリル系材料はマトリックスを形成し、表面偏析を防ぐことができる。
4級アンモニウム塩材料を用いてハードコート層を形成することにより、ハードコート層に帯電防止機能を付与することができる。導電性材料の中でも4級アンモニウム塩材料を用いてハードコート層を形成することにより、金属粒子や金属酸化物粒子といった導電性材料のみを用いて帯電防止性を有するハードコート層を形成する場合と比較して、全光線透過率の低下を防ぐことができ、さらには、干渉ムラの発生を抑えることができる。
反射防止フィルムの干渉ムラは、透明基材とハードコート層の屈折率差が大きくなるにつれて顕著に発生する。金属粒子及び金属酸化物粒子等の導電性粒子のみを用いてハードコート層を形成した場合には、反射防止層表面の耐擦傷性の低下やハードコート層と透明基材の間の密着性の低下が確認される。しかしながら、四級アンモニウムカチオンを用いることにより、金属粒子及び金属酸化物粒子等の導電性粒子のみを用いてハードコート層を形成した場合と比較して、ハードコート層の屈折率の上昇を防ぐことができ、干渉ムラの無い反射防止フィルムを得ることができる。
なお、4級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含んだアクリル系材料は、電離放射線硬化型材料及び4級アンモニウム塩材料の両方に該当する。4級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含むアクリル系材料を用いた場合には、4級アンモニウムカチオンを持たない電離放射線硬化型材料が必要に応じて塗液に加えられる。
ハードコート層形成用塗液は、レベリング剤を含んでいてもよい。レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤が好ましい。フッ素系レベリング剤としては、例えば、パーフルオロアルキル基またはフッ素化アルケニル基を主鎖ないし側鎖に有する化合物を用いることができる。パーフルオロアルキル基はC2n+1(n=自然数)の構造を有し、疎水・疎油基として機能する。そのため、表面に整然と配列する特徴を持つため、少量で表面を覆うレベリング材料として機能する。パーフルオロアルキル基を、親油基と組み合わせることで、さらにレベリング材料としての効果を増加させることが可能となる。フッ素系レベリング剤としては、具体的には、ビックケミージャパン社製BYK−340、ネオス社製フタージェント222F、DIC社製 F470、大阪有機化学工業社製 V−8FM等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
フッ素系レベリング剤の含有量は、ハードコート層形成材料100質量部に対し0.05乃至5.0質量部の範囲内であることが好ましい。フッ素系レベリング剤の含有量をこのような範囲とすることにより、ハードコート層の中心線平均粗さRaが0.001μm乃至0.010μmの範囲内であるか、又はハードコート層表面の凹凸の平均間隔Smが0.15mm乃至1.00mm以下の範囲である反射防止フィルムを得ることができる。
ハードコート層形成用塗液は、溶剤を更に含んでいてもよい。溶剤は、好ましくは、透明基材表面を溶解又は膨潤させる溶剤である。透明基材表面を溶解又は膨潤させる溶剤を含む塗液用いてハードコート層を形成することにより、透明基材11とハードコート層12との密着性を向上させることができる。また、透明基材成分とハードコート層成分が混在したハードコート層を形成することができ、得られるハードコートフィルムの干渉ムラの発生を防ぐことができる。
透明基材としてセルロース系フィルムを用いる場合には、セルロース系フィルム表面を溶解又は膨潤させる溶剤は、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類である。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。また、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、シクロヘキサノンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。
ハードコート層形成用塗液を塗布して得られる塗膜に電離放射線として紫外線を用い硬化してハードコート層を形成する場合には、塗液に光重合開始剤が添加される。この場合、光重合開始剤は、ハードコート層形成用塗液の固形分100質量部に対して0.5乃至10.0質量部の範囲内で添加されることが好ましい。光重合開始剤の含有量がハードコート層形成材料100質量部に対して0.5質量部未満の場合、電離放射線硬化型材料を紫外線により硬化させる際に、重合反応が不十分となり樹脂が硬化せず、ハードコート層の硬度が低くなる。また、光重合開始剤の含有量がハードコート層形成材料100質量部に対して10.0質量部を超える場合、光重合後の樹脂の重合度が低くなり、その結果、ハードコート層が脆くなり、表面の耐擦傷性が弱くなる。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。
また、光重合開始剤と合わせて光増感剤を用いることができる。光増感剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアルキルフォスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系を挙げることができる。光増感剤は、これらのうちの1種類又は2種類以上を混合して使用することもできる。
ハードコート層形成用塗液は、さらなる性能改良のため、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤等を含んでいてもよい。
[乾燥工程]
次に、透明基材上に形成した塗膜を乾燥する。
塗膜の乾燥方法としては、送風乾燥、熱風乾燥、加熱乾燥及びこれらの組み合わせが挙げられる。
[放射線照射工程]
続いて、乾燥した塗膜に電離放射線を照射して硬化してハードコート層を得る。
電離放射線としては、例えば、紫外線及び電子線を用いることができる。紫外線を使用する場合、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、フュージョンランプ等を使用することができる。なお、電離放射線として紫外線照射する場合、紫外線照射量は100mJ/cm乃至800mJ/cmの範囲内であることが好ましい。
この工程では、電離放射線として紫外線を使用し、酸素濃度1体積%以下の雰囲気で紫外線照射を行うことが好ましい。ハードコート層を酸素濃度が1体積%以下の雰囲気で硬化することにより、ハードコート層上に積層する低屈折率層の間の接着性を改良することができる。好ましくは、酸素濃度0.1体積%以下の雰囲気下で、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋反応又は重合反応を生じさせる。酸素濃度1体積%以下の雰囲気は、好ましくは、大気(窒素濃度約80体積%、酸素濃度約20体積%)を別の気体で置換することによって達成され、特に好ましくは、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスで置換(例えば、窒素パージ)することによって達成される。
このようにしてハードコート層を形成する。
なお、ハードコート層と透明基材のフィルムの間に、機能層を設けてもよい。機能層は、例えば、電磁波シールド性能を有する電磁波シールド層、赤外線吸収性能を有する赤外吸収層、紫外線吸収性能を有する紫外線吸収層、色補正性能を有する色補正層である。
<低屈折率層の形成>
次に、ハードコート層上に低屈折率層を形成する。
低屈折率層は、一般的には、湿式成膜法又は乾式成膜法によって形成される。湿式成膜法は、低屈折率層形成用塗液をハードコート層表面に塗布して反射防止層を形成する。乾式成膜法は、真空中で反射防止層を形成する。乾式成膜法は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びCVD法である。
本態様では、電離放射線硬化型材料と低屈折率粒子を含んだ低屈折率形成用塗液を用いた湿式成膜法を使用することにより、安価に反射防止フィルムを製造することができる。以下に、湿式成膜法により低屈折率層を形成する場合について説明する。
[塗布工程]
低屈折率層は、低屈折率層形成用塗液から得られる。具体的には、低屈折率層形成用塗液をハードコート層上に湿式成膜法により塗布して塗膜を形成する。湿式成膜法としては、ハードコート層形成用塗液を塗布する際に例示した湿式成膜法を用いることができる。低屈折率層形成用塗液は、電離放射線硬化型材料と低屈折率粒子とを含んでいる。
低屈折率層形成用塗液は、低屈折率層の膜厚(d)が、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)を乗じて得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように塗布される。
(電離放射線硬化型材料)
電離放射線硬化型材料としては、ハードコート層形成用塗液に含まれる電離放射線硬化型材料として例示したアクリル系材料を使用することができる。
(低屈折率粒子)
低屈折率粒子としては、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、または、NaAlF(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子は、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができる。そのため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、多孔質シリカ粒子や、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。
低屈折率粒子は、粒径が1nm乃至100nmの範囲内であることが好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層が白化して反射防止フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による低屈折率層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
低屈折率層形成用塗液は、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を含んでいてもよい。
溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、光増感剤等を加えることもできる。
なお、バインダマトリックスとして電離放射線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより低屈折率層を形成する場合には、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、ハードコート層形成用塗液に含まれる光重合開始剤として例示した光重合開始剤を使用することができる。
[乾燥工程]
調液された低屈折率層形成用塗液はハードコート層上に塗布され塗膜を形成し、該塗膜に対し、必要に応じて乾燥を行う。乾燥方法としては、上記ハードコート層の形成の項で説明したのと同様の方法を使用することができる。
[放射線照射工程]
その後、電離放射線を塗膜に照射して、低屈折率層を得る。電離放射線を照射することにより電離放射線硬化型材料の硬化反応をおこなうことによりバインダマトリックスし、低屈折率層を得る。
使用される電離放射線は、例えば、紫外線及び電子線である。
以上のようにして、反射防止フィルムを得る。
<<偏光板>>
次に、偏光板について説明する。
図2は、本態様に係る偏光板の断面模式図である。
偏光板2は、上述の反射防止フィルム1を含んでいる。反射防止フィルム1は、基板11a、ハードコート層12及び低屈折率層13を含んでいる。
偏光板2は、更に、基板11bを含んでいる。即ち、偏光板2は、2つの透明基材11a及び11bと、偏光層23と、基板11とを含んでいる。偏光板2において、偏光層23は、透明基材11aと11bとの間に介在している。
偏光板2において、透明基材11aの低屈折率層13が設けられている面とは反対側の面に、偏光層23と透明基材11bとを備える。偏光層23と第2透明基材11bとは、透明基材11b上にこの順で積層されている。即ち、偏光板2においては、2つの透明基材11a及び11bが、偏光層23を狭持している。
偏光層23としては、例えば、ヨウ素を加えた延伸ポリビニルアルコール(PVA)を用いることができる。
透明基材11bとしては、上記の反射防止フィルムの項で説明したのと同様のものを使用することができる。透明機材11bとしては、トリアセチルセルロースからなるフィルムを好適に用いることができる。
反射防止フィルム1及び透明基材11bを、偏光層23と貼りあわされる前に、鹸化処理を行う。鹸化処理は、反射防止フィルム1及び透明基材11bをアルカリ溶液に浸漬することにより行われる。アルカリ溶液は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液である。
反射防止フィルム1は、上述の通り、耐アルカリ性を有し、このような鹸化処理に供しても反射防止性能が変化しない。即ち、鹸化耐性に優れている。鹸化耐性のない反射防止フィルムは、鹸化処理をする際に低屈折率層上に保護フィルムを設ける必要があるが、本態様では、保護フィルムを必要としない。そのため、安価に反射防止フィルム及び偏光板を提供することができる。
<<透過型液晶表示装置>>
次に、透過型液晶表示装置について説明する。
図3は、透過型表示装置6の断面模式図を示す。
図3に示すように、透過型液晶表示装置6において、反射防止フィルム1は、透過型液晶表示装置6の最表面に設けられる。透過型液晶表示装置6が使用される状態において、透過型液晶表示装置6の最表面は、前面、即ち、観察者側となるように配置される。
透過型表示装置6は、上述の偏光板2を含んでいる。偏光板2は、反射防止フィルム1と、偏光層23と、透明基材11bとを備えている。偏光層23は、透明基材11aを間に挟んで、ハードコート層12と向き合っている。透明基材11a及び11bは、偏光層23を挟持している。
透過型表示装置6は、更なる偏光板4を更に含んでいる。偏光板4は、2つの透明基材41及び42と偏光層43とを含んでいる。偏光板4において、透明基材41及び42が、偏光層23を挟持している。
透過型表示装置6は、液晶セル3を更に含んでいる。液晶セル3は、偏光板2及び4間に設置されている。液晶セル3において、一方の透明基板は、画素電極と薄膜トランジスタ(TFT)とを各々が含んだ複数の画素回路が設けられたTFT基板であり、もう一方の透明基板は、対向電極及びカラーフィルタが設けられたカラーフィルタ基板である。両基板間には、液晶材料が封入されている。
透過型表示装置6は、バックライトユニット5を更に含んでいる。バックライトユニット5は、光源と光拡散板とを備えている。バックライトユニット5は、偏光板4を間に挟んで、液晶セル3と向き合っている。
透過型液晶表示装置6は、他の機能性部材を更に備えていても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(ハードコート層形成用塗液1)
四級アンモニウムカチオンを含有するアクリル系材料であるライトエステルDQ100(共栄社化学製)10質量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))2質量部、フッ素系レベリング剤BYK−340(ビックケミー社製)0.2質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成用塗液1を調整した。
(ハードコート層形成用塗液2)
四級アンモニウムカチオンを含有するアクリル系材料であるライトエステルDQ100(共栄社化学製)10質量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))5質量部、
フッ素系レベリング剤BYK−340(ビックケミー社製)0.5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成用塗液2を調整した。
(ハードコート層形成用塗液3)
四級アンモニウムカチオンを含有するアクリル系材料であるライトエステルDQ100(共栄社化学製)10質量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))20質量部、フッ素系レベリング剤BYK−340(ビックケミー社製)0.5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液2を調整した。
(ハードコート層形成用塗液4)
四級アンモニウムカチオンを含有するアクリル系材料であるライトエステルDQ100(共栄社化学製)10質量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成塗液2を調整した。
(低屈折率層形成用塗液)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)14.94質量部、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPEA−12、日本化薬製)1.99質量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184)0.07質量部、TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)0.20質量部を、溶媒であるメチルイソブチルケトン82質量部で希釈して低屈折率層形成用塗液を調整した。
<実施例1>
(ハードコート層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製:膜厚80μm)の片面にハードコート層形成用塗液1を塗布し、80℃・60秒オーブンで乾燥し、乾燥後、酸素濃度0.1体積%の雰囲気下で紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量200mJ/m2 で紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明なハードコート層を形成した。
(低屈折率層の形成)
上記方法にて形成したハードコート層上に低屈折率層形成用塗液を乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量200mJ/m2 で紫外線照射をおこなって硬化させて低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを作製した。
<実施例2>
ハードコート層形成用塗液1に代えてハードコート層形成用塗液2を使用したこと以外は実施例1と同様にして、反射防止フィルムを得た。
<比較例1>
ハードコート層形成用塗液1に代えてハードコート層形成用塗液3を使用したこと以外は実施例1と同様にして、反射防止フィルムを得た。
<比較例2>
ハードコート層形成用塗液1に代えてハードコート層形成用塗液4を使用したこと以外は実施例1と同様にして、反射防止フィルムを得た。
<比較例3>
ハードコート層形成用塗液1を使用し、ハードコート層を形成する際に大気下(酸素濃度20体積%)で紫外線照射を行ったこと以外は実施例1と同様にして、反射防止フィルムを得た。
得られた<実施例1>、<実施例2>及び<比較例1>〜<比較例3>の反射防止フィルムに対し以下の評価をおこなった。
[ヘイズ値測定]
得られた反射防止フィルムについて、写像性測定器(日本電色工業社製、NDH−2000)を使用して、JIS−K7105−1981に準拠して、ヘイズ値を測定した。
[平均視感反射率]
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面について、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、入射角5°における分光反射率を測定した。また、得られた分光反射率曲線から平均視感反射率を求めた。なお、測定の際には透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置をおこなった。
[表面抵抗値]
得られた反射防止フィルムについて、高抵抗抵抗率計(株式会社ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスターMCP−HT260)を使用して、JIS−K6911−1994に準拠して、表面抵抗値を測定した。
[耐擦傷性]
スチールウール(#0000)を用い、250g荷重で反射防止フィルムの低屈折率層表面を10往復擦り、傷の有無を目視評価した。傷が確認されなかったものを○、傷が確認されたものを×とした。
[白化]
低屈折率層を積層する前のフィルムのハードコート層表面に蛍光灯の光を当て、ハードコート層表面の光の拡散具合を評価した。光の拡散具合が小さく、ハードコート層表面が白化していないものを○、ハードコート層表面が白化しているものを×とした。
[微小押し込み硬さ]
低屈折率層を積層する前の得られたフィルムのハードコート層表面について、超微小押し込み硬度試験機(MTSシステムズ社製NanoIndenterSA2)を用い、ハードコート層表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さを測定した(圧子:先端曲率半径100nm、稜角度80°の三角錐圧子、押し込み速度=2.0nm/s)。
[ハードコート層表面の中心線平均高さ(Ra)]
低屈折率層を積層する前の得られたフィルムのハードコート層表面について、高精度微細形状測定器(小坂研究所製サーフコーダーET4000A)を用い、JIS−B0601−1994に準拠して、ハードコート層表面の中心線平均高さ(Ra)を測定した(カットオフ=0.8mm、評価長さ=2.4mm、走査速度=0.2mm/sec)。
[ハードコート層表面凹凸の平均間隔(Sm)]
低屈折率層を積層する前の得られたハードコートフィルムについて、高精度微細形状測定器(小坂研究所製サーフコーダーET4000A)を用い、JIS−B0601−1994に準拠して、ハードコート層表面凹凸の平均間隔(Sm)を測定した(カットオフ=0.8mm、評価長さ=2.4mm、走査速度=0.2mm/sec)。
[耐アルカリ性]
得られた反射防止フィルムを5.0規定の水酸化カリウム水溶液に浸漬させ、その後水で表面を洗浄した際の反射防止フィルム表面状態を目視により評価した。反射防止フィルムに塗膜(低屈折率層)の剥れがないものを○、剥れがあるものを×とした。
以上の試験・評価について、反射防止フィルムの性能評価結果を表1に示す。
Figure 2012133339
表1から分かるように、<実施例1>及び<実施例2>の反射防止フィルムは、耐アルカリ性及び耐擦傷性に優れていた。また、これらの反射防止フィルムは、帯電防止性、及び透明性を備えていた。更に、これらの反射防止フィルムにおいて、ハードコート層表面の白化が抑えられていた。
これに対し、<比較例1>の反射防止フィルムは、耐擦傷性が弱いことが認められた。また、<比較例2>の反射防止フィルムは、表面に白化の発生が認められた。また、<比較例3>の反射防止フィルムは、耐擦傷性及び耐アルカリ性が弱いことが認められた。
1…反射防止フィルム、11a,11b…透明基材、12…ハードコート層、13…低屈折率層、2…偏光板、23…偏光層、3…液晶セル、4…偏光板、41,42…透明基材、43…偏光層、5…バックライトユニット、6…透過型液晶表示装置

Claims (9)

  1. 透明基材と、第1層と、屈折率が前記第1層の屈折率と比較して低い第2層とをこの順で積層してなる反射防止フィルムであって、
    前記第1層は、電離放射線硬化型材料と4級アンモニウム塩材料とレベリング材料とを含んだ塗膜を硬化させてなる反射防止フィルム。
  2. 前記レベリング材料は、フッ素系レベリング材料である請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記レベリング材料の量は、前記電離放射線硬化型材料と前記4級アンモニウム塩材料と前記レベリング材料との合計100質量部中、0.05乃至5.0質量部の範囲内である請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記第2層の形成前の第1層の表面について、圧子の押し込み深さを100nmとして得られる微小押し込み硬さが0.45GPa乃至1.0GPaの範囲内である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  5. (1)前記第1層の表面の中心線平均粗さRaが0.001μm乃至0.010μmの範囲内であること、及び、
    (2)前記ハードコート層表面の凹凸の平均間隔Smが0.15mm乃至1.00mmの範囲内であること
    の少なくとも1つの要件を満足する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  6. 透明基材と、第1層と、屈折率が前記第1層の屈折率と比較して低い第2層とをこの順で積層してなる反射防止フィルムの製造方法であって、
    前記透明基材の少なくとも一方の主面に、電離放射線硬化型材料と4級アンモニウム塩材料とレベリング材料とを含んだ塗液を塗布して第1塗膜を形成する塗布工程と、
    前記第1塗膜に電離放射線を照射して、前記第1層を前記第1塗膜の硬化物として得る工程と
    を含んだ反射防止フィルムの製造方法。
  7. 前記第1塗膜に、前記電離放射線を、酸素濃度1体積%以下の雰囲気下で照射する請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記電離放射線は紫外線である請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 請求項1に記載の反射防止フィルムと、
    前記反射防止フィルムの前記透明基材を間に挟んで前記反射防止フィルムの前記第1層と向き合った偏光層と、
    前記偏光層を間に挟んで前記反射防止フィルムと向き合った透明基材とを備えた偏光板。
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