JP4252765B2 - フォトマスク画像面からの異物除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面が傷付き易い写真製版用原稿あるいはプリント配線基板用原稿等のフォトマスクを保護するのに好適な保護膜を転写可能なフォトマスク用保護膜転写シートに関し、特に転写後の保護膜の一部を取り除くことができる保護膜を提供できるフォトマスク用保護膜転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面が傷つきやすいフォトマスクを保護するには、ポリエチレンテレフタレート等の薄いプラスチックフィルムを支持体とし、該プラスチックフィルム上に粘着剤あるいは接着剤を積層し、該粘着剤あるいは接着剤上に離型フィルムを積層してなる表面保護フィルムが使用されている。ところで最近、写真製版やプリント配線基板に用いる原稿であるフォトマスクは、作成するパターンが複雑化し、高い解像力が要求されるようになってきた。このため、保護フィルムの厚みはさらに薄いものが要求されている。しかしながら、前記のような構造を有する表面保護フィルムでは、プラスチックフィルムをさらに薄くすると、フォトマスクに積層する際の作業性が悪くなり、シワ、気泡等が発生しやすくなるという問題があった。
【0003】
このようなものを改善するものとして、例えば実公平6-20601号公報には、剥離可能な支持体側から保護層、接着層を順次積層してなる保護膜が設けられた保護膜形成用多層シートが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そしてこのような表面保護フィルムや保護膜形成用多層シートをフォトマスクの画像面へ貼着する際には、粉塵等の異物が挟み込まれないようにクリーンな環境下で行うようにしているが、完全に異物が挟み込まれるのを防止することはできない。このようにフォトマスクと表面保護フィルムや転写した保護膜との間に異物が挟み込まれてしまうと、該異物が露光障害を起こしてしまうため、フォトマスク自体が不良品になってしまう。
【0005】
ここで表面保護フィルムを用いる場合には、このような異物が挟み込まれた場合、貼着した表面保護フィルムを剥離して、新しいもので貼り直すことができるが、これではコスト高になってしまう。一方、保護膜形成用多層シートによって転写した保護膜では、該保護膜の厚みが極めて薄いため、転写後の保護膜の全面を貼り直すことは不可能である。
【0006】
そこで本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、フォトマスク自体が不良品にならないようにするために、フォトマスクに転写させた後に、転写させた保護膜の一部を異物と共に容易に取り除くことができるような保護膜を転写可能なフォトマスク用保護膜転写シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のフォトマスク用保護膜転写シートは、剥離可能な支持体上に保護膜を設けた保護膜転写シートであって、前記保護膜が、前記保護膜をフォトマスク画像面へ転写した際に前記保護膜が前記フォトマスク画像面に対して接着していない部分を生じた場合に、前記保護膜の未接着部分を転写後の前記保護膜から部分的に取り除くことができるものであることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明のフォトマスク用保護膜転写シートは、前記保護膜が、前記保護膜の未接着部分を転写後の前記保護膜から部分的に取り除く際に、粘着部材を用いることによって取り除くことができるものであることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明のフォトマスク用保護膜転写シートは、前記保護膜が、前記支持体側から保護層及び接着層がこの順に積層されてなるものであることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明のフォトマスク用保護膜転写シートは、前記保護層及び前記接着層の厚みが、それぞれ0.5〜3.0μmであることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明のフォトマスク用保護膜転写シートは、前記保護層及び前記接着層が、少なくとも熱硬化性樹脂若しくは電離放射線硬化型樹脂を含むものからなるものであることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフォトマスク用保護膜転写シートの実施の形態について説明する。
【0013】
本発明のフォトマスク用保護膜転写シートは、剥離可能な支持体上に保護膜を設けたものであり、必要に応じてセパレータを当該保護膜に積層して用いることができるものである。そしてこの保護膜は、保護膜をフォトマスク画像面へ転写した後に、保護膜が前記フォトマスク画像面に対して接着していない部分(以下、「未接着部分」という)について、当該未接着部分を転写後の保護膜から部分的に取り除くことができるものである。
【0014】
ここで特に、本発明における保護膜は、前記未接着部分を転写後の保護膜から部分的に取り除く際に、粘着部材を用いることによって容易に取り除くことができるものである。ここで粘着部材としては、例えば粘着テープや粘着ローラー等の、少なくとも部分的に粘着性を有することで貼り付けと剥離が繰り返して行える表面を持った材料であれば、特に制限されることなく使用することができる。取り除く方法をもう少し具体的に言うと、例えば、粘着部材が粘着テープであるような場合には、粘着テープを未接着部分の上に擦り付けながら貼り付けた後、当該粘着テープを勢い良く引き剥がすことにより行い得る。
【0015】
次に本発明のフォトマスク用保護膜転写シートにおける支持体は、保護膜を設ける際に基材となるものであり、保護膜を作業性良くフォトマスクの画像面に転写させる機能を担うものである。
【0016】
このような支持体としては、保護膜が剥離可能なものであれば特に限定されるものではないが、支持体を通して保護膜に電離放射線を照射して保護膜を硬化させることができるようなものとして、電離放射線透過性を有するものであることが望ましい。このような支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン等の透明なプラスチックフィルムが用いられる。特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが強度、耐熱性、寸法安定性に優れているため、好適に用いられる。支持体の厚みは、取り扱い性を考慮して、6〜125μmが好ましい。
【0017】
さらに支持体としては、保護膜の剥離性を向上するために、支持体として前記プラスチックフィルムの表面に離型層等の離型処理を施したものを用いても良い。
【0018】
この場合の離型層は、転写後もプラスチックフィルムの表面に残留し、保護膜との剥離を容易ならしめる層である。このような離型層は、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アミノアルキッド樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体などの中から適宜選択できる。好ましくは、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体などの水溶性樹脂が、剥離力及び積層性の点から好適に用いられる。また、転写後の表面を凹凸にしたい場合は、離型層にマット剤を含有してもよい。また、離型層を設ける場合、離型層とプラスチックフィルムとの間に、接着性を向上させるための易接着層を設けても構わない。
【0019】
次いで本発明における保護膜は、保護膜をフォトマスク画像面へ転写した後に、保護膜が前記フォトマスク画像面に対して接着していない未接着部分を、転写後の保護膜から部分的に取り除くことができるものであれば、特に限定されるものではない。そこでこのようなものとしては、特に支持体側から保護層及び接着層がこの順に積層されてなるものであることが好ましい。このように保護膜を保護層と接着層との二層構造にすることにより、保護膜として要求される、フォトマスク画像面に対する十分な接着性や、耐フォトレジスト性や耐溶剤性等の耐薬品性等に優れると共に、例えばフォトマスク画像面と保護膜との間に異物が挟み込まれてしまうことによって生じる、保護膜がフォトマスク画像面に接着していない未接着部分を容易に見つけることができるようになる。このように保護膜の未接着部分を容易に見つけられるようになる理由は定かではないが、恐らく保護層一層のみからなる保護膜よりも、二層構造からなる保護膜の方のが、転写前の保護膜の剛性を得られ易くなり、フォトマスクの画像面に異物があった場合でも、当該異物の凹凸に追従せずに、当該異物を中心に比較的大きな未接着部分を得られるからではないかと考えられる。
【0020】
ここでこのような保護層は、保護膜がフォトマスクの画像面に転写したあと最表面にくるため、保護膜の耐擦傷性及び耐溶剤性に影響を及ぼすものであり、部分的に取り除くことができるという他に、高い耐擦傷性や耐薬品性などが要求される。
【0021】
ここで保護層を部分的に取り除くことができるようにすると共に耐擦傷性や耐薬品性を高くする手段としては、少なくとも熱硬化性樹脂若しくは電離放射線硬化型樹脂を含むものからなる組成物を従来公知のコーティング方法によりコーティングした後、硬化させることにより保護層を形成することが好ましい。
【0022】
ここでいう従来公知のコーティング方法としては、ナイフコーティング、ドクターコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、キスコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
【0023】
またここで熱硬化性樹脂としては、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アミノアルキッド系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系等の架橋性樹脂を熱によって架橋硬化させるものが使用できる。この中でも、良好な耐光性及び電離放射線透過性を有するアクリル系熱硬化性樹脂が好適に使用される。これらは単独でも使用可能であるが、架橋性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるためには、硬化剤を加えることが望ましい。
【0024】
ここで硬化剤としては、ポリイソシアネート、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、カルボン酸などの化合物を適合する樹脂に合わせて適宜使用することができる。
【0025】
また電離放射線硬化型樹脂としては、少なくとも電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することができる塗料から形成されるものを使用することが好ましい。このような電離放射線硬化塗料としては、光カチオン重合可能な光カチオン重合性樹脂や、光ラジカル重合可能な光重合性プレポリマー若しくは光重合性モノマー、などの1種又は2種以上を混合したものを使用することができる。
【0026】
ここで光カチオン重合性樹脂としては、ビスフェノール系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂やビニルエーテル系樹脂等を挙げることができる。
【0027】
また光重合性プレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどの各種(メタ)アクリレート類などを用いることができる。
【0028】
また光重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルなどの不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステル(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテルなどの多官能性化合物、およびトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレートなどの分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、などを用いることができる。
【0029】
この他このような電離放射線硬化塗料には、種々の添加剤を添加しうるが、硬化の際に紫外線を用いる場合には、光重合開始剤、紫外線増感剤等を添加することが好ましい。この光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等の光ラジカル重合開始剤や、オニウム塩類、スルホン酸エステル、有機金属錯体等の光カチオン重合開始剤が挙げられ、紫外線増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
【0030】
次いで接着層としては、常温では感圧接着性を有することでフォトマスク画像面に貼着することができ、加熱ないしは電離放射線照射等によって架橋硬化してフォトマスク画像面に対する接着性が上昇するものであることが好ましい。
【0031】
このような接着層としては、少なくとも硬化性樹脂を含有してなるものであることが好ましい。
【0032】
このような硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂等が挙げられる。
【0033】
ここで熱硬化性樹脂としては、保護層で使用され得るものと同じものを用いることができる。特に硬化剤としては、常温では全く反応せずにある温度以上に加熱すると架橋反応を起こすような一液型硬化反応となる硬化剤を用いることが望ましい。このような硬化剤としては、触媒や官能基をブロック化する手法が用いられたブロックイソシアネート等を用いることができる。
【0034】
ここでブロックイソシアネートとは、ポリイソシアネートをマスク剤でマスク化したものであり、常温では全く反応せず硬化反応を進行させることはなく、マスク剤が解離する温度以上に加熱すると活性なイソシアネート基が再生されて十分な架橋反応を起こすものである。またこのようなブロックイソシアネートは、イソシアネート成分を含むことからフォトマスクの乳剤層との接着が良好となり、保護膜の耐久性を向上させる役割も果たすものである。
【0035】
ポリイソシアネートは、イソシアネートモノマーを重合若しくは共重合させたものであり、特に制限されること無く使用することができる。イソシアネートモノマーとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、m−若しくはp−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネートなどがあげられる。
【0036】
マスク剤は特に制限されることなく使用することができ、例えば、フェノール系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、ラクタム系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ヒドラジン化合物などがあげられる。具体的には、フェノール、クレゾール、2−ヒドロキシピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、エタノール、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ブチルメルカプタン、アセトアニリド、酢酸アミド、コハク酸イミド、ε−カプロラクタム、イミダゾール、尿素、チオ尿素、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサンオキシム、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ジメチルヒドラジンなどがあげられる。
【0037】
マスク剤の解離温度は100℃以上であることが好ましい。100℃以上とすることにより、常温において接着層の感圧接着性が失われることなく維持することができる。また、フォトマスクの基材がプラスチックフィルム等のように耐熱性に劣るようなものである場合には、マスク剤の解離温度は120℃以下であるものが好ましい。マスク剤の解離温度を120℃以下とすることにより、プラスチックフィルムの熱収縮等による寸法変化によってフォトマスクの精密性が低下することを防止することができる。
【0038】
また電離放射線硬化型樹脂としても、保護層で使用され得るものと同じものが使用できる。
【0039】
また接着層には、硬化性樹脂の他にアクリル系粘着性樹脂等の熱可塑性樹脂を混合して形成してなるものとすることもできる。
【0040】
ここで保護膜の厚みとしては1.0〜6.0μmであることが好ましく、保護層及び接着層の厚みとしてはそれぞれ0.5〜3.0μmであることが好ましい。保護膜の厚みを1.0μm以上、保護層及び接着層の厚みをそれぞれ0.5μm以上にすることにより、保護膜として要求される耐擦傷性及び耐薬品性を得易くでき、保護膜としての厚みを6.0μm以下、保護層及び接着層の厚みをそれぞれ3.0μm以下にすることにより、転写後の保護膜の一部を部分的に取り除き易くできる。
【0041】
必要に応じて保護膜に積層するセパレータとしては、保護膜の感圧接着性によって作業性が低下するのを防止するためのものである。ここでセパレータとしては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムや紙等の表面にシリコーン系離型剤等の離型処理を施したものが使用できる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。
【0043】
1.フォトマスク用保護膜転写シートの作製
[実施例1]
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(T−600E:三菱化学ポリエステルフィルム社)の一方の表面に、以下の組成の離型層用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚み約1μmの離型層を設けた支持体を作製した。
【0044】
<離型層用塗工液>
・ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体
(GANTREZ AN119:ISP社) 50部
・蒸留水 414部
・メタ変性アルコール 36部
【0045】
次いで、当該支持体の離型層上に、以下の組成の保護層用塗工液及び接着層用塗工液aを順次塗布、乾燥することにより、厚み約2μmの保護層及び厚み約2μmの接着層を積層形成した。その際、保護層については、乾燥後、高圧水銀灯により紫外線照射を行って硬化させた。さらに、当該接着層上に厚み38μmのセパレータ(エステルフィルムE7006:東洋紡績社)の離型処理面を貼り合わせて、フォトマスク用保護膜転写シートを得た。
【0046】
<保護層用塗工液>
・ウレタンアクリレート(ユニディックV4005 <固形分
64%>:大日本インキ化学工業社) 125部
・光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184:チバスペ
シャリティケミカルズ社) 2.4部
・トルエン 275部
【0047】
<接着層用塗工液a>
・光カチオン重合性樹脂(ビスフェノールA型エポキシ
樹脂 <商品名:アデカオプトマーKRM-2410>:旭電化
工業社) 1.5部
・光カチオン重合開始剤(トリフェニルスルホニウム
塩 <商品名:アデカオプトマーSP-170>:旭電化工業
社) 0.1部
・アクリル系粘着性樹脂(SKダイン1102 <固形分40
%>:綜研化学社) 4部
・酢酸エチル 20部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
【0048】
[実施例2]
実施例1の接着層用塗工液aの代わりに、下記の接着層用塗工液bを使用した以外は実施例1と同様にしてフォトマスク用保護膜転写シートを得た。
【0049】
<接着層用塗工液b>
・熱硬化性アクリル樹脂(アクリディックA-814 <固形
分50%>:大日本インキ化学工業社) 10部
・ブロックイソシアネート硬化剤(DB-980K <固形分7
5%>:大日本インキ化学工業社、マスク剤の解離温
度:130℃) 0.86部
・アクリル系粘着性樹脂(SKダイン1102 <固形分40
%>:綜研化学社) 20部
・酢酸エチル 50部
・メチルエチルケトン 50部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
【0050】
2.フォトマスク用保護膜転写シートから転写された保護膜の評価
実施例1及び2で得られたフォトマスク用保護膜転写シートからセパレータを剥離して露出した接着層を、ガラスの表面に回路配線パターンを形成したフォトマスクの当該回路パターンを形成した画像面に、ラミネーターを用いて100℃に加熱したヒートロールによって貼着した。
【0051】
次いで実施例1で得られたフォトマスク用保護膜転写シートでは、高圧水銀灯にて紫外線を照射して接着層を硬化させた後、保護膜から支持体を剥離して、保護膜をフォトマスクの画像面に転写させた。また実施例2で得られたフォトマスク用保護膜転写シートでは、140℃で180分間加熱してブロックイソシアネートのマスク剤を解離させて接着層を硬化させた後、保護膜から支持体を剥離して、保護膜をフォトマスクの画像面に転写させた。
【0052】
次いで転写させた保護膜とフォトマスク画像面との間に直径約300μm程度の異物が挟み込まれてしまっているために保護膜がフォトマスク画像面に対して接着していない未接着部分を発見し、当該未接着部分にセロハン粘着テープ(CT-405A-18:ニチバン社)を爪で擦りながら圧着した。次いで当該粘着テープを勢いよく引き剥がしたところ、実施例1及び2のどちらのフォトマスク用保護膜転写シートから転写された保護膜とも、当該未接着部分を異物と共に保護膜から部分的に容易に取り除くことができた。
【0053】
【発明の効果】
本発明のフォトマスク用保護膜転写シートによれば、保護膜をフォトマスクに転写させた後、保護膜がフォトマスクに接着していない未接着部分を転写した保護膜から部分的に取り除くことができるものであるため、仮に転写した保護膜とフォトマスクとの間に異物等が挟み込まれてしまっているような場合でも、当該異物と共に保護膜の一部分を取り除くことができ、その後に当該保護膜の欠損部分を補修液等によって補修することができるため、フォトマスク自体が不良品になるのを防ぐことができるようになる。
Claims (1)
- 剥離可能な支持体上に、それぞれの厚み0.5〜3.0μmの保護層及び接着層からなる保護膜が設けられた保護膜転写シートを用いて、前記保護膜をフォトマスク画像面へ転写した際に、前記保護膜が異物を挟み込んで前記フォトマスク画像面に接着していない部分に、粘着部材を貼り付けた後、当該粘着部材を引き剥がすことによって、転写後の保護膜を異物と共に部分的に取り除くことを特徴とするフォトマスク画像面からの異物除去方法。
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