JPH10119228A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

Info

Publication number
JPH10119228A
JPH10119228A JP29923896A JP29923896A JPH10119228A JP H10119228 A JPH10119228 A JP H10119228A JP 29923896 A JP29923896 A JP 29923896A JP 29923896 A JP29923896 A JP 29923896A JP H10119228 A JPH10119228 A JP H10119228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ionizing radiation
surface protective
protective layer
layer
decorative sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29923896A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Takemoto
正孝 竹本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP29923896A priority Critical patent/JPH10119228A/ja
Publication of JPH10119228A publication Critical patent/JPH10119228A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 盛り上げ印刷層による意匠性をもち、かつ耐
摩耗性に優れた化粧シートの提供を課題とする。 【解決手段】基材シート1に電離放射線硬化型樹脂を含
む盛り上げ印刷層3、電離放射線硬化型樹脂を含む表面
保護層4を順に形成し、該盛り上げ印刷層3と表面保護
層4とを硬化し、かつ上記盛り上げ印刷層3と表面保護
層4との界面で化学反応により結合接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、壁面、床材
などの表面意匠を付与するとともに表面保護性能が優れ
た建材用、特に水平面の使用に耐える化粧材に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、盛り上げ印刷層をもつ化粧シート
が知られている。そして、その盛り上げ印刷層として
は、ポリ塩化ビニル・アクリル系樹脂からなるインキで
あり、またその表面保護層には、電離放射線硬化型樹脂
を形成して硬化したものが公知である。上記の技術を組
み合わせて盛り上げ印刷層に表面保護層を設けた場合、
表面強度は優れてはいるが、それらの層間の接着強度が
劣るという欠点がある。したがって、耐磨耗性に優れた
材料を表面に設けても一部剥離したり、また剥離したも
のが研磨作用をもち、化粧シートに傷を発生し易く使用
上の用途が限定されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
で述べた欠点を解消し、盛り上げ印刷による意匠性をも
ち、かつ耐磨耗性に優れた、特に水平面の使用に耐える
化粧シートの提供を課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、基材に、電離放射線硬化型樹脂を含む盛
り上げ印刷層、電離放射線硬化型樹脂を含む表面保護層
とを順に形成し、そして該盛り上げ印刷層及び表面保護
層とを反応硬化させた化粧シートである。更に、上記盛
り上げ印刷層と該表面保護層との界面で化学反応により
結合接着させた化粧シートである。また、上記の表面保
護層の架橋間平均分子量が150〜1000である電離
放射線硬化型樹脂であり、かつヌープ硬度が1300k
g/mm2 を超える球状粒子を含む化粧シートである。
そして、上記の盛り上げ印刷層の架橋間平均分子量が1
50〜1000である電離放射線硬化型樹脂の化粧シー
トである。
【0005】
【発明の実施の形態】本願発明は、図1に示すように、
基材シートに、電離放射線硬化型樹脂を含む盛り上げ印
刷層3、電離放射線硬化型樹脂を含む表面保護層4とを
順に形成し、盛り上げ印刷層及び表面保護層とを反応硬
化させた化粧シート5である。また、表面保護層の架橋
間平均分子量が150〜1000である電離放射線硬化
型樹脂であり、かつヌープ硬度が1300kg/mm2
を超える球状の粒子を含むものである。
【0006】本発明の化粧シートの基材、特に基材シー
トは、紙、プラスチック、金属箔、板などが用いられ、
その形状は、プラスチックシート、不織布などのシート
状のもの、あるいは金属板、木質板、プラスチック板な
どのいずれの形状のものにも用いることができる。製造
工程において柔軟性をもつシート状のものを用いる場合
は、厚さが5〜200μmのものが搬送の容易さからも
好ましい。また、基材シートの表面は凹凸をもつものの
他に、立体形状の成形体も使用することができる。
【0007】基材シートとして用いられる紙は、紙又は
紙に類似した繊維質シートからなるものを使用できる。
例えば、薄葉紙、クラフト紙、和紙、チタン紙、リンタ
ー紙、コート紙、板紙、石膏ボード紙、パーチメント
紙、グラシン紙などの天然パルプを用いたり加工したり
した紙がある。ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊
維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維などの無機質
繊維又はポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコ
ールのアセタール化物(商品名:ビニロン)、アクリル
などの有機高分子化合物の繊維からなる紙に類似したシ
ート、不織布が使用できる。また、紙にポリ塩化ビニル
をゾルコートしたり、フィルムをドライラミネーション
したビニル壁紙用紙も使用できる。これらは、晒、未
晒、着色のいずれのものもデザインに応じて選択するこ
とができる。
【0008】また、基材としてのプラスチックシートを
用いる場合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメ
チルペンテンなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩化
ビニル・酢酸ビニル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ビニロ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などのビニ
ル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート・イソフタ
レート共重合体などのポリエステル、ポリ(メタ)アク
リル酸メチル(本明細書においては、メタアクリ・・・
とアクリ・・・とを(メタ)アクリ・・・と記載す
る。)、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)
アクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ナイロン6、
ナイロン66などのポリアミド、三酢酸セルロース、セ
ロハンなどのセルロース誘導体、ポリスチロール、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリイミドなどのプラ
スチックフィルムの延伸又は未延伸フィルムの単層ある
いは積層体のシートがある。また金属箔に用いられる金
属は、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄又は銅などがあ
る。
【0009】この他の基材として用いられる板状のもの
は、木材単板、木材合板、パーチクルボード、中密度繊
維板(MDF)などの木質板、及び石膏板、石膏スラグ
板などの石膏系板、珪酸カルシウム板などが適し、この
他に石綿スレート板、コンクリート板、軽量発泡コンク
リート板、中空押出しセメント板、パルプセメント板、
石綿セメント板、木片セメント板などの繊維セメント
板、陶板、磁器、石器、土器、ガラス、ほうろうなどの
セラミック板がある。また、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ポ
リ塩化ビニルゾル塗工鋼板、アルミニウム板、銅板、ス
テンレス板などの金属板がある。その他、ポリオレフィ
ン板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネートな
どの熱可塑性樹脂板がある。また、フェノール樹脂板、
尿素樹脂板、不飽和ポリエステル板、ポリウレタン板、
エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板、ジアリルフタレート
樹脂板などの熱硬化性樹脂板がある。更に、これらの樹
脂とガラス繊維、不織布、紙、その他の各種繊維質基材
に含浸硬化したいわゆる繊維強化プラスチック(FRP
板)などの板並びに上記の各種基材シートを2種以上積
層した複合基材シートがある。
【0010】本発明の、盛り上げ印刷層及び表面保護層
に用いる電離放射線硬化型樹脂は、具体的には分子中に
重合性の不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマ
ー、オリゴマー及び/又はモノマーを適宜に混合した、
電離放射線により硬化できる組成物が使用できる。尚、
ここでいう電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のう
ち分子を重合あるいは架橋するエネルギー量子をもつも
のを意味し、通常は紫外線又は電子線が用いられる。
【0011】上記プレポリマー、オリゴマーの例として
は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物な
どの不飽和ポリエステル類、ポリエステル(メタ)アク
リレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオ
ールアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリ
レートなどの(メタ)アクリレート、カチオン重合型エ
ポキシ化合物などがある。
【0012】本発明の電離放射線硬化型樹脂が、反応し
た後の架橋間平均分子量は、通常150〜1000、好
ましくは200〜1000、特に好ましくは250〜8
00である。架橋間平均分子量が150未満では、樹脂
全体の可撓性が低下し、塗膜が屈曲したときにひび割れ
し易くなり、また1000を超えると樹脂自体が柔らか
くなり過ぎて球状粒子の保持力に欠けるため耐擦傷性が
不充分となる。
【0013】ここでいう架橋間平均分子量Aとは、電離
放射線硬化型樹脂の重合性官能基の平均官能基数をf、
平均分子量をmとしたとき、数1で示される数値であ
る。
【0014】
【数1】 A=m/〔2×(f−1)〕
【0015】本発明において、電離放射線硬化型樹脂の
溶解パラメーター(SP値)は通常9.7〜11.0好
ましくは9.9〜10.5である。SP値が9.7未満
では基材シートとの接着強度が充分ではなく、表面の光
沢調整に使用する球状粒子の保持力に欠け、耐擦傷性が
劣るものとなる。また、SP値が11.0を超えると
紙、プラスチックフィルムに塗工したときに基材シート
との接着強度を満足できないことがある。
【0016】ここでいうSP値は、「ポリマー・エンジ
ニアリング・アンド・サイエンス、14巻、174頁
(1974年)」に記載されたものより算出する。な
お、電離放射線硬化型樹脂が2種以上の化合物を混合す
るときは、それぞれの成分がもつSP値の加重平均であ
る。
【0017】更に、上記の表面保護層は、塗装適性を向
上するために炭酸カルシウム、シリカ、アルミナなどの
充填材や、増粘剤やレベリング剤、着色材、光輝性顔料
を添加することもできる。
【0018】上記表面保護層の耐摩耗性を向上するため
の添加剤として、球状粒子を使用してもよい、球状粒子
には球状あるいは扁平にした楕円形球状などの球状に近
い形状などのように表面が滑らかな曲面で囲まれていれ
ばよい。球状粒子は、特に粒子表面に突起や角のない、
いわゆるカッティングエッジのない球状が好ましい。球
状粒子は同一材質の不定形の粒子と比較して、表面保護
層の耐摩耗性を向上させる。また、塗工装置を摩耗させ
ず、塗膜が硬化した後もこれと接する他の物を摩耗させ
ず、更には透明度がよくなるという特徴があり、カッテ
ィングエッジがない場合特にその効果が大きい。
【0019】本発明の表面保護層に含まれる球状粒子
は、通常5〜30重量%、好ましくは、5〜25重量
%、特に好ましくは5〜15重量%である。球状粒子の
含有量が5%未満では耐擦傷性は不充分であり、30重
量%を超えると電離放射線硬化型樹脂によるバインダー
効果が損なわれ、可撓性が低下するなどの弊害が生じ
る。
【0020】球状粒子の径は、通常5〜100μmがよ
く、5μm未満になると塗膜が不透明になるおそれがあ
る。一方、平均粒径が100μmを超えると、塗膜の表
面平滑性が低下するおそれがある。また、球状粒子の粒
径が小さくなると耐磨耗性は低下する。一方、球状粒子
の粒径が大きくなると耐摩耗性は向上するが、塗膜の厚
さによっては大きくなると均一な塗工が困難となる。例
えば、表面保護層の厚さを10〜30μmにするときは
球状粒子の粒径が10〜50μmの範囲に選定すること
が好ましい。
【0021】球状粒子の平均粒径を、表面保護層の厚さ
に応じて選定することが更に好ましい。特に、表面保護
層の平均厚さをt(mm)とし、球状粒子の平均粒径を
d(mm)とした場合、下記の数2式を満足するように
球状粒子を選択することが望ましい。球状粒子の平均粒
径d(mm)が2.0tを超えると、表面保護層の表面
に球状粒子がはみ出し、該層の外観が低下するおそれが
ある。一方球状粒子の平均粒径d(mm)が、0.3t
未満の場合は充分な耐摩耗性が得られないおそれがあ
る。
【0022】
【数2】 0.3t≦d≦2.0t
【0023】球状粒子の材質は、電離放射線硬化型樹脂
よりも高い硬度であればよく、無機粒子及び有機粒子の
いずれも用いることができる。球状粒子と電離放射線硬
化型樹脂との硬度の差は、モース硬度、ビッカス硬度な
どの方法で計測できる。例えば、モース硬度で表した場
合、1以上であることが好ましく、ヌープ硬度は130
0g/mm2 以上が好ましく、更に好ましいヌープ硬度
は1800g/mm2以上である。
【0024】なお、ここで記述したヌープ硬度とは、ヌ
ープ圧子を用いて測定される微小押し込み硬さで試験前
に菱形の圧痕をつけたときの荷重を、永久凹みの長い方
の対角線の長さより求めた凹みの投影面積で除した商で
表せる数値である。この試験方法は、ASTM C−8
49に記載されている。
【0025】球状粒子の材質は、αーアルミナ、シリ
カ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、黒鉛などの無
機粒子、及び架橋アクリルなどの合成樹脂ビーズなどの
有機の樹脂粒子がある。また、上記のαーアルミナには
溶融アルミナ、バイヤー法アルミナなどがある。また、
上記以外の無機粒子には、ジルコニア、チタニアあるい
はこれらと溶融アルミナ、バイヤー法アルミナなどとの
共融混合物が挙げられる。これらの無機粒子の形状を球
状にする方法としては、粉砕した不定形の上記無機化合
物を融点以上の高温で溶融したものを霧状に吹き出して
球状にする方法がある。
【0026】特に好ましい球状粒子は、非常に硬度が高
く、耐摩耗性に対する効果が大きいことと、球形状のも
のが比較的容易に得やすいなどの理由から、球形のαー
アルミナを挙げることができる。球形のαーアルミナ
は、特開平2ー55269号公報に記載されている。す
なわち、アルミナ水和物、ハロゲン化合物、ほう素化合
物などの硬化剤あるいは結晶剤を、電融あるいは焼結ア
ルミナの粉砕品に少量添加し、1400℃以上の高温で
2時間以上熱処理することで、アルミナのカッティング
エッジが減少して、同時に形状が球形化したものが得ら
れる。この様な球形状のアルミナは昭和電工(株)より
「球状アルミナ(Spherical Alumin
a)AS−10、AS−20、AS−30、AS−40
及びAS−5」として、各種の平均粒子径のものが市販
されている。
【0027】球状粒子はその粒子の表面を処理してバイ
ンダーとの接着を強固にしたり分散性を向上することが
できる。例えば、ステアリン酸などの脂肪酸で処理する
ことにより分散性が向上する。また、表面をシランカッ
プリング剤で処理することで、バインダーとして使用す
る電離放射線硬化型樹脂との間で接着性や塗工液の組成
物のなかで粒子の分散性が向上する。シランカップリン
グ剤としては、分子中にメタアクリルなどのラジカル重
合不飽和結合をもつアルコキシシランや、分子中にエポ
キシ、アミノ、メルカプトなどの官能基をもつアルコキ
シシランが挙げられる。シランカップリング剤は、球状
粒子とともに使用する架橋性樹脂の種類に応じて、例え
ば(メタ)アクリレートなどの電離放射線硬化型樹脂の
場合にはラジカル重合性不飽和結合をもつアルコキシシ
ランを用い、二液硬化型ウレタン樹脂の場合にはエポキ
シ基やアミノ基をもつアルコキシシランを用いるよう
に、ラジカル重合性不飽和結合や官能基の種類などを選
択することが好ましい。
【0028】球状粒子の表面をシランカップリング剤で
処理する方法は特に制限がなく、公知の方法を使用でき
る。例えば、球状粒子を激しく攪拌しながら所定量のシ
ランカップリング剤を吹きつける乾式法、トルエンなど
の溶剤中に球状粒子を分散させた後に、所定量のシラン
カップリング剤を加えて湿式で反応する方法などがあ
る。球状粒子を処理するに必要なシランカップリング剤
の量は、球状粒子の比表面積100に対してシランカッ
プリング剤の最小被覆面積が10以上となる量が好まし
い。球状粒子の最小被覆面積が球状粒子の比表面積10
0に対して10未満の場合はバインダーとの接着を強化
する効果が少ない。
【0029】本発明の盛り上げ印刷層に使用するインキ
のバインダーは上記の表面保護層に使用するものと同種
の電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
【0030】更に、本発明の盛り上げ印刷層と表面保護
層との界面で化学反応により結合・接着させるには、双
方の層に含まれる電離放射線硬化型樹脂同志が互いに化
学反応する種類のものを選択する必要がある。例えば、
分子中に重合性不飽和結合基をもつプレポリマー、オリ
ゴマー、及び/又はモノマーを両層に使用する。あるい
は、エポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー、及び
/又はモノマーを両層に使用できる。重合性不飽和結合
基としてはアクリロイル基が好ましく、更に好ましく
は、アクリロイル基又はエポキシ基を分子中に2個以上
をもつことである。
【0031】また、盛り上げ印刷層の印刷方法は、通常
に用いられる、凹版(グラビア版を含む)、平版、凸
版、孔版による、枚葉又は輪転印刷やオフセット印刷の
他に静電印刷、インクジェットにより絵柄層を形成する
ことができる。これらのなかでも、グラビア輪転印刷、
フレキソ輪転印刷、シルクスクリーン印刷による方法が
好ましく使用される。また、離形性フイルムに一旦絵柄
層を形成した転写フイルムを用いて、所定の基材シート
に絵柄層を転写印刷で設けることもできる。
【0032】本発明の表面保護層を形成する方法は、グ
ラビアコート、ロールコート、フローコート、コンマー
コートなどが挙げられる。塗工を行うときの電離放射線
硬化型組成物の粘度は、塗工方法、塗工量によって決め
られるが1000センチポイズ以下が好ましい。組成物
は、揮発性溶剤を含まない無溶剤型のものと、揮発性溶
剤を含むもののいずれをも選ぶことができる。無溶剤型
で常温では粘度が高いために塗工が困難なときは、電離
放射線硬化型組成物を40°〜80℃に加熱して適度な
粘度、例えば1000センチポイズ以下に下げて塗工す
ることもできる。その他、剥離性の基材シートの表面に
予め形成した耐磨耗性層を剥離貼着して表面保護層を設
ける転写コーティングもできる。この場合、剥離性基材
シートの表面形状によって、鏡面状の強光沢表面や、凹
凸模様のある表面を自由に構成することができる。そし
て、その塗膜の厚さは、3〜100μm、好ましくは5
〜30μmである。
【0033】本発明の電離放射線硬化型組成物を含む表
面保護層及び盛り上げ印刷層を硬化するために用いる電
離放射線照射装置として、紫外線を照射する場合は、超
高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、ブラックライトランプ、又はメタルハライドランプ
などの光源を用いることができる。また、電子線を照射
する装置は、コックロフトワルト型、バンデラフ型、共
振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイ
ナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器などを
用いる。
【0034】盛り上げ印刷層及び表面保護層を硬化する
ときの電子線の照射量は、通常100〜1000ke
V、好ましくは、100〜300keVのエネルギーを
もつ電子を0.1〜30Mrad、好ましくは1〜10
Mradの照射量である。照射量が0.1Mrad未満
の場合は硬化が不充分となるおそれがあり、また、照射
量が30Mradを超えると硬化した塗膜あるいは基材
シートが損傷をうけるおそれがでてくる。
【0035】電離放射線硬化型樹脂を紫外線により硬化
する場合の光反応開始剤には、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、アセトフエノン、ミヒラーケトン、ジ
フエニルサルフアイド、ジベンジルサルフアイド、ジエ
チルオキサイド、トリフエニルビイミダゾール、イソプ
ロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエートなどの1
種又は2種以上を該電離放射線硬化型組成物100重量
部に対して、0.1〜10重量部を混合して用いること
ができる。そして、紫外線の照射量は、好ましくは50
〜100mj/cm2 である。紫外線の照射量が50m
j/cm2 未満では硬化が不充分となるおそれがあり、
また照射量が100mj/cm2 を超えると硬化した塗
膜が黄変するおそれがある。
【0036】絵柄層やべた印刷層を形成する印刷インキ
は、印刷方式に適合した通常のインキで、基材シートシ
ートとの接着や盛り上げ印刷層、表面保護層の形成など
の後加工に支障のない材料から選択する。耐久性のある
着色料、体質顔料、熱可塑性樹脂、反応硬化型樹脂、又
は電離放射線硬化型樹脂などのバインダー、硬化剤、添
加剤、溶剤などからなる組成物でインキを構成する。な
お、絵柄層は木目、石目、布目などの天然物を模写した
階調のあるもの、文字、記号、線画などのベタ印刷のも
のや、抽象柄などから適宜に選択できる。
【0037】表面保護層は、凹凸部を形成してもよく、
その方法には加熱加圧によるエンボス法がある。すなわ
ち、溶剤に溶解した表面保護層を塗工・乾燥してタック
フリーとして、未硬化の状態で80〜180℃に加熱
し、冷却した凸状模様をもつエンボスロールで賦型・冷
却したのち電離放射線で硬化して凹凸模様をもつ表面保
護層を形成するものである。
【0038】上記のエンボス法により設けた凹部にワイ
ピング法により着色を施すこともできる。ワイピング法
は、ドクターブレードコート法、ナイフコート法などで
凹部を含むシートの全面にインキを塗工し、そして凹部
以外のインキをスキージで除去し、凹部にインキを充填
して凹部と着色とを同調するものである。着色に使用す
るインキは、無機あるいは光輝性顔料などの着色顔料
を、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹
脂、可塑剤、滑剤などからなるバインダーを樹脂及び塗
工方法に適した溶剤で分散したベヒクルによるインキを
使用できる。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に具体的に
説明する。
【0040】(実施例1)図1に示すように、坪量30
g/m2 の紙間強化紙F1X−30(三興製紙(株)製
商品名)を基材シート1とし、その一方の面にアクリ
ルポリオールを含むグラビアインキUE(昭和インク工
業(株)製 商品名)を用いてベタ印刷層22及び木目
の絵柄層21とからなる化粧柄2をグラビア印刷した。
次に、下記組成の電離放射線硬化型樹脂をバインダーと
した「盛り上げ印刷層用組成物1」を用いてグラビア印
刷により盛り上げ印刷層3を形成した。 「盛り上げ印刷層用組成物1」 ・ウレタンアクリレートオリゴマー 60重量部 ・多官能アクリレートモノマー 5重量部 ・溶剤 35重量部 上記の印刷面側の全面に、ポリエチレングリコールジア
クリレートを主成分とする電離放射線硬化型樹脂をグラ
ビアコーターで厚さ15μmで塗工し、電子線照射装置
(ESI製)により電子線175keV、5Mradを
照射・硬化して表面保護層4を形成した実施例1の化粧
シート5を作成した。
【0041】(実施例2)図1に示すように、坪量60
g/m2 の樹脂含浸紙紙間強化紙GF(興人(株)製
商品名)を基材シート1とし、その一方の面に実施例1
と同様にベタ印刷層22及び木目の絵柄層21とからな
る化粧柄2をグラビア印刷で設け、次いで、実施例1と
同様の電離放射線硬化型樹脂をバインダーとした「盛り
上げ印刷層用組成物1」を用いてグラビア印刷により盛
り上げ印刷層3を形成した。上記の印刷面側の全面に、
ポリエステルアクリレートを主成分とする電離放射線硬
化型樹脂をグラビアコーターで厚さ15μmで塗工し、
電子線照射装置(ESI製)により電子線175ke
V、5Mradを照射・硬化して表面保護層4を形成し
た実施例2の化粧シート5を得た。
【0042】(実施例3)図1に示すように、実施例1
と同様の基材シートを用いて、ベタ印刷層2及び木目模
様の絵柄層3とからなる化粧柄2をグラビア印刷した。
次いで、下記の表面保護層の電離放射線硬化型樹脂組成
物を、絵柄層全面にロールコートにより15μmの厚さ
で塗工し、電子線照射装置(ESI製)で電子線を17
5KeV、5Mrad照射・硬化して(平均架橋間分子
量272)の表面保護層5を形成し、実施例2の化粧シ
ート10を得た。 〔表面保護層の電離放射線硬化型樹脂組成物〕 ・ウレタンアクリレートオリゴマー 20重量部 (平均分子量1700) ・トリメチロールプロパントリアクリレート 20重量部 (平均分子量296、官能基数3) ・ビスフェノールAエチレンオキサイドジアクリレート 20重量部 (平均分子量500、官能基数2) ・フェノールエチレンオキサイドジアクリレート 20重量部 (平均分子量236、官能基数1) ・トリレンジイソシアネート 5重量部 ・αーアルミナ粒子 2重量部 (平均粒径30μm、ヌープ硬度1800g/mm2
【0043】(比較例1)図1に示すように、実施例1
と同様の基材シートを用いて、ベタ印刷層21及び木目
模様の絵柄層22とからなる化粧柄2をグラビア印刷し
た。次いで、ポリ塩化ビニル・アクリル樹脂系インキを
用いてグラビア印刷により盛り上げ印刷層3をを形成
し、更に二液硬化型ウレタン系ワニスでグラビアコート
で厚さ15μmの表面保護層4を設けて、比較例1の化
粧シート5を得た。
【0044】実施例1〜3及び比較例の化粧シートを次
の方法で接着性と耐摩耗性とを評価した。 接着性:試験片に粘着テープを圧着後、瞬間的に剥離
する動作を繰り返し、盛り上げ印刷層の剥離するまでの
回数を観察する。 耐摩耗性:テーバー型摩耗試験装置S−42を用いて
表面化粧柄の50%が摩耗するまでの回数を目視で評価
する。 上記の評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、盛り上げ印刷層
により表面は凹凸形状をもつにもかかわらず、盛り上げ
印刷層、表面保護層ともに電離放射線硬化型樹脂がもつ
特性、特に耐摩耗性を維持し、盛り上げ印刷層と表面保
護層とが化学的に接着しているために剥離することもな
く、水平面のような表面強度を必要とする化粧シートに
使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの層構成を示す断面概略図
である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 化粧柄 21 べた印刷層 22 絵柄層 4 表面保護層 5 化粧シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、電離放射線硬化型樹脂を含む盛
    り上げ印刷層、電離放射線硬化型樹脂を含む表面保護層
    を順に形成してなり、該盛り上げ印刷層及び表面保護層
    を反応硬化させてなることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化粧シートにおいて、該
    盛り上げ印刷層と該表面保護層との界面で化学反応によ
    り結合接着させてなることを特徴とする化粧シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の表面保護層の架橋
    間平均分子量が150〜1000である電離放射線硬化
    型樹脂であり、かつヌープ硬度が1300kg/mm2
    を超える球状粒子を含むことを特徴とする化粧シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載盛り上げ印刷層
    の架橋間平均分子量が150〜1000である電離放射
    線硬化型樹脂であることを特徴とする化粧シート。
JP29923896A 1996-10-24 1996-10-24 化粧シート Withdrawn JPH10119228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29923896A JPH10119228A (ja) 1996-10-24 1996-10-24 化粧シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29923896A JPH10119228A (ja) 1996-10-24 1996-10-24 化粧シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10119228A true JPH10119228A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17869945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29923896A Withdrawn JPH10119228A (ja) 1996-10-24 1996-10-24 化粧シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10119228A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003062928A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toppan Printing Co Ltd 金属光沢を有する印刷物
JP2006272737A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 化粧材
JP2008087157A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2009234159A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Dainippon Printing Co Ltd 成形用加飾フィルム
JP2014195874A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 大建工業株式会社 化粧板
WO2020196377A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 大日本印刷株式会社 化粧材
JP2020163829A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 化粧材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003062928A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toppan Printing Co Ltd 金属光沢を有する印刷物
JP4582280B2 (ja) * 2001-08-23 2010-11-17 凸版印刷株式会社 金属光沢を有する印刷物
JP2006272737A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 化粧材
JP2008087157A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2009234159A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Dainippon Printing Co Ltd 成形用加飾フィルム
JP2014195874A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 大建工業株式会社 化粧板
WO2020196377A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 大日本印刷株式会社 化粧材
JPWO2020196377A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01
JP2020163829A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 化粧材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6103352A (en) Decorated sheet
JP2740943B2 (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP5353605B2 (ja) 床材用化粧シート及びその製造方法
JP2001138470A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP2001105541A (ja) 耐摩耗性化粧材
JPH10119228A (ja) 化粧シート
JP2001260301A (ja) 化粧シート及びそれを用いた化粧材
JP3295877B2 (ja) 耐摩耗性化粧材
JP2002001748A (ja) 化粧ボードの製造方法
JP2000006325A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JPH10286932A (ja) 耐摩耗性化粧材
JP2000238196A (ja) 耐摩耗性を有する化粧紙
JP4390942B2 (ja) 化粧シート
JPH1058631A (ja) 化粧シート
JPH1177944A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
CA2235542C (en) Decorative sheet
JP4289528B2 (ja) 耐摩擦性を有する化粧材およびその製造方法
JP2001129928A (ja) 化粧材
JP2002036451A (ja) 化粧材
JP2002103528A (ja) 化粧シート
JP2000117910A (ja) 化粧シート
JP4109344B2 (ja) 化粧板の製造方法
JP2000117909A (ja) 化粧シート
JP2020147036A (ja) 不燃性基材、不燃性基材を備える不燃性化粧板
JP2001030435A (ja) 耐摩耗性化粧材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040106