JPH06344655A - マーキングシート - Google Patents

マーキングシート

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Publication number
JPH06344655A
JPH06344655A JP5134695A JP13469593A JPH06344655A JP H06344655 A JPH06344655 A JP H06344655A JP 5134695 A JP5134695 A JP 5134695A JP 13469593 A JP13469593 A JP 13469593A JP H06344655 A JPH06344655 A JP H06344655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coating layer
marking sheet
paper
base material
Prior art date
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Pending
Application number
JP5134695A
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English (en)
Inventor
Sukeji Wakaura
資治 若浦
Junji Harada
純二 原田
Toshihiko Matsushita
壽彦 松下
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06344655A publication Critical patent/JPH06344655A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筆記性、繰り返しの筆記−消去性に優れたマ
ーキングシートを提供する。 【効果】 紙基材の少なくとも片面に、水性塗工層、樹
脂被覆層を順次積層してなり、該樹脂被覆層組成物が放
射線硬化性樹脂と放射線硬化性シリコーン樹脂を主成分
とするものであり、且つJIS S8117で規定され
るガーレー透気度が1000秒以上であるマーキングシ
ート。好ましくは水性塗工層と樹脂被覆層との間にアン
カー層を設けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マーキングシートに関
するものであり、詳しくは、白板用マーキングペンを用
いて、筆記−消去を繰り返して行うことのできるマーキ
ングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】白色または有色のチョークを使用して、
文字や図形などを筆記−消去するものとして黒板がある
が、従来の黒板は、文字や図形などの消去の際に飛散す
る該チョークの粉を吸い込んだり、衣類を汚したりする
という問題があった。
【0003】黒板に代わって、白色の筆記面に、水性あ
るいは油性の消去性マーキングペン、所謂白板用マーキ
ングペンと呼ばれる筆記具を用いて筆記し、さらに、乾
布や軟質紙にて軽く擦過することによって、筆記面から
拭い去って筆跡を消去するようにした白板、所謂ホワイ
トボードと呼ばれる筆記面が、近年になって急速に普及
されてきている。
【0004】ホワイトボードには、非吸収性乃至は非浸
透性の基材、すなわち、プラスチック板、金属板、琺瑯
板、ガラス板等が使用されている。ホワイトボードは、
該基材面に白板用マーキングペンのインキ組成物が浸透
せず、該基材面から該インキ組成物中の水や有機溶剤が
揮発し、残った色素と他の組成物のみが残って文字など
の筆記ができるものである。そして筆記された文字など
の筆跡については、これを乾いた布や柔軟な紙で軽く擦
過することで容易に消去することができるものである。
このホワイトボードは、従来の黒板そのものの大きさで
代替化したり、筆記した記録を直ちに複写することので
きる電子黒板などのような据置型のタイプが主流であ
る。また、これを小さくした黒板形式の物も各種見られ
る。
【0005】しかし、従来のホワイトボードは、これを
使用する場合に、据え付けられた場所で使用するか、持
ち運びが容易な大きさのものを用意する必要があり、使
用者の身近な場所で使用する場合に制限されることが多
かった。また、学校や家庭などで個人的に使用する場合
には、大きさ、重さ、価格等の制約を受けて利用しにく
い側面もあった。
【0006】このような問題点を解決する手段として、
紙基材を用いたホワイトボード(本発明ではマーキング
シートと称する)の利用が考えられるが、非吸収性乃至
は非浸透性の剛直な金属板や琺瑯板を用いた場合に比
べ、紙基材が基本的に有する多孔性を原因とする溶剤や
染料の浸透性のために、マーキングペンで筆記はできる
ものの消去が困難であったり、筆跡が残るという致命的
な欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記から、本発明の目
的は、十分な可撓性を有しており、通常の紙と同様に扱
うことができ、手軽に携帯して白板用マーキングペンで
記録及び記録の消去が繰り返し可能なマーキングシート
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決する手段を鋭意研究した結果、本発明のマーキ
ングシートを発明するに至った。即ち、本発明のマーキ
ングシートは、紙基材の少なくとも片面に、水性塗工層
と、放射線照射により硬化する放射線硬化性樹脂と放射
線硬化性シリコーン樹脂を主成分とする樹脂被覆層を順
次塗設してなり、且つJIS P8117で規定される
ガーレー透気度が1000秒以上であることを特徴とす
るものである。
【0009】本発明のマーキングシートは、樹脂被覆層
が、該樹脂被覆層組成物中に0.5〜10重量%の珪素
を含有することを特徴とするものである。
【0010】本発明のマーキングシートは、樹脂被覆層
の表面が、合成樹脂フィルムの表面形状を転写させて得
た該表面であることを特徴とするものである。
【0011】本発明のマーキングシートは、水性塗工層
と樹脂被覆層との間に、アンカー層を設けてなることを
特徴とするものである。
【0012】以下、本発明のマーキングシートについ
て、詳細に説明する。なお、本発明において、樹脂被覆
層を形成する放射線硬化性樹脂と放射線硬化性シリコー
ン樹脂を主成分とする樹脂組成物を、単に樹脂組成物と
称する。
【0013】本発明のマーキングシートは、支持体とし
て紙基材を使用することが特徴である。例えば、グラシ
ン紙、上質紙、板紙、パルプ繊維と合成繊維を混抄した
不織布等のような紙基材が挙げられる。該紙基材の少な
くとも片面に、水性顔料による塗工層或はキャスト層等
の水性塗工層を塗設したものを使用する。一般に天然パ
ルプを主成分とするシート状の紙は、すべて本発明にお
いても使用できるが、特に、表面平滑性の向上及び放射
線硬化性樹脂組成物の支持体内への浸み込み防止を目的
として、紙基材の表面に、水性塗工層を塗設してカレン
ダー処理を施したコーテッド紙が有効に用いられる。こ
こでいう水性塗工層は、水溶性高分子又は水分散性高分
子の内の少なくとも一種類以上と顔料を、水に溶解又は
分散して得られる塗工液を支持体上に塗工、乾燥して形
成させたものである。
【0014】本発明のマーキングシートに使用される紙
基材の坪量は、支持体の種類により異なるが、例えば、
紙の場合では、40〜250g/m2、より好ましくは
50〜200g/m2である。
【0015】本発明のマーキングシートにおいて、白板
用マーキングペンによる記録の筆記−消去を繰り返し行
うことができる機能を発現するのは、放射線硬化性樹脂
と放射線硬化性シリコーン樹脂の混合物からなる樹脂被
覆層であり、得られたマーキングシートのJIS P8
117に規定されるガーレー透気度が1000秒以上で
あることが必要である。透気度が1000秒以上である
ことで、紙基材面に白板用マーキングペンのインキ組成
物が浸透せず、該基材面から該インキ組成物中の水や有
機溶剤が揮発することで記録の筆記を行うことができ
る。ここで、透気度が1000秒未満であると、マーキ
ングペンインキ中の溶剤が浸透し易くなるために、紙基
材にまでインキ成分が達し、マーキングシート上の記録
の消去ができ難くなるばかりか、樹脂被覆層が紙基材か
ら脱落し易くなるという欠点がある。
【0016】又、本発明のマーキングシートにおいて、
記録の消去を、乾布や軟質紙にて擦過することにより、
樹脂被覆層を傷付けることなく行えるのは、樹脂被覆層
中に含まれる離型特性を有するシリコーン樹脂の影響で
ある。特に、放射線照射により硬化するシリコーン樹脂
は、放射線硬化性樹脂との共重合が可能であり、アクリ
ロイル基等の炭素−炭素間の不飽和結合同士で3次元的
に架橋するために、白板用マーキングペンによる記録の
筆記−消去を繰り返し行っても、樹脂被覆層が溶剤によ
って浸食され難く、紙基材からの樹脂被覆層の脱落も起
こり難い。
【0017】樹脂被覆層中のシリコーン樹脂の含有率と
しては、該樹脂被覆層を構成する樹脂組成物中の0.5
〜10重量%が、シリコーン樹脂由来の珪素であること
が好ましい。珪素の比率がこの範囲未満であると、得ら
れるマーキングシートの消去性に問題が生じ、白板用マ
ーキングペンで記録した筆跡を、乾布や軟質紙にて擦過
することで筆記面から拭い去ることで完全に消去でき
ず、繰り返して記録を筆記して使用することができなく
なる。又、この範囲を超えると、得られるマーキングシ
ートの筆記性に問題が生じ、白板用マーキングペンで記
録しても、インキがはじきやすく記録を筆記する筆記面
として使用し難いばかりか、樹脂被覆層の強度が低下
し、耐スクラッチ性が悪くなり、記録の消去動作に伴う
筆記面の擦過により筆記面に傷が付き易くなる傾向にあ
る。
【0018】本発明のマーキングシートは、紙基材上
に、水性塗工層、樹脂被覆層を順次積層した2層構造か
らなる。又、水性塗工層と樹脂被覆層との間にアンカー
層を設けた3層構造からなるものである。
【0019】紙基材上に塗設される水性塗工層として
は、水溶性高分子又は水分散性高分子が用いられる。水
溶性高分子としては、例えば、次のものを挙げることが
できる。天然高分子又は半合成高分子としては、デンプ
ン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド
化デンプン、エステル化デンプン等の変性デンプン化合
物;アルギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル等のアルギン酸化合物;カゼイン、ゼラチ
ン、プルラン、デキストラン、キチン、キトサン、アラ
ビアゴム、フノリ、天然ガム、デキストリン、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の変性セルロース化合
物;等が挙げられる。合成高分子としては、完全ケン化
或は部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル
化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールと多価
カルボン酸とのエステル化物、カルボキシ変性化ポリビ
ニルアルコール、スルホン酸変性化ポリビニルアルコー
ル、オレフィン変性化ポリビニルアルコール、ニトリル
変性化ポリビニルアルコール、アミド変性化ポリビニル
アルコール、ピロリドン変性化ポリビニルアルコール等
の変性化ポリビニルアルコール化合物;ポリエチレング
リコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ソーダ等の
ポリアクリル酸化合物;ポリビニルピロリドン、ポリエ
チレンイミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共
重合体、水溶性アルキド樹脂等が挙げられる。
【0020】又、水分散性高分子としては、例えば、次
のものを挙げることができる。スチレン−無水マレイン
酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエ
ン−メタクリレート共重合体等の合成高分子を水に分散
した各種ラテックス等が挙げられる。これら水溶性高分
子又は水分散性高分子を単独或は混合し、水溶液として
用いることができる。
【0021】水性塗工層には、各種顔料が用いられる
が、例えば、炭酸カルシウム、二酸化珪素、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸亜鉛、カオリン、タルク、クレー、焼成カオリ
ン、焼成クレー等の無機顔料、ポリエチレンパウダー、
ポリスチレンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂パウダー
等の有機顔料が挙げられる。
【0022】更に、必要に応じてこの塗液中には、界面
活性剤、消泡剤等の各種助剤を混合してもよい。
【0023】水性塗工層の上に塗設される樹脂被覆層
は、放射線硬化性樹脂及び放射線硬化性シリコーン樹脂
を主成分とする樹脂組成物からなる。なお、本発明で
は、紫外線と電子線をまとめて放射線と称する。本発明
に用いられる放射線硬化性シリコーン樹脂は、分子末
端、又は側鎖にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビ
ニル基、エポキシ基等の中から選択される官能基を有す
るポリシロキサンであり、具体的には、特公昭51−4
2961号、同54−6512号、同57−57096
号、同58−53656号、同63−18985号、特
公平5−21070号、特開昭60−190427号、
同60−233162号、特開平1−230668号、
同2−163166号等の各公報に開示されているよう
な化合物である。商品名では、FM0711、FM07
21、FM0725、PS583(以上、チッソ
(株))、KNS−50002、KNS−5100、K
NS−5200、KNS−5300、KP−600、X
−62−7052、X−62−7100、X−62−7
112、X−62−7140、X−62−7144、X
−62−7153、X−62−7157、X−62−7
158、X−62−7166、X−62−7168、X
−62−7177、X−62−7180、X−62−7
181、X−62−7192、X−62−7200、X
−62−7203、X−62−7205、X−62−7
931、KM−875、X−62−7296A/B、X
−62−7305A/B、X−62−7028A/B、
X−62−5039A/B、X−62−5040A/B
(以上、信越化学工業(株))、RC149、RC30
0、RC450、RC802、RC710、RC71
5、RC720、RC730(以上、ゴールドシュミッ
ト社)、EBECRYL350、EBECRYL136
0(以上、ダイセルUCB(株))等が挙げられる。上
記の放射線硬化性シリコーン樹脂は、単独もしくは複数
混合して用いられるが、紙基材と樹脂被覆層の密着性、
放射線硬化性シリコーン樹脂の移行性、筆跡の消去動作
によって生じるラブオフの低減等を考慮して、単独もし
くはシリコーン骨格を有さない放射線硬化性樹脂と混合
させて用いることができる。
【0024】本発明に用いる放射線硬化性樹脂について
は、放射線照射による重合が可能な不飽和結合を有する
化合物であれば、いずれも使用可能である。即ち、炭素
−炭素不飽和結合を一個以上有する化合物であり、アク
リロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、ア
リル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基など
を含む化合物であり、例えばアクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドンなどが挙げ
られる。分子内に不飽和結合が二個以上あってもよい。
特に、ポリオールの不飽和エステル類、例えばエチレン
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート等が挙げられる。又、エポキシ環を一個も
しくは二個以上有する化合物、例えば、グリシジルアク
リレートなども好ましい。更には、これらの化合物は高
分子量体であってもよい。特に好ましくは高分子鎖の末
端或は側鎖にアクリレート基を有する化合物であり、ポ
リエステル骨格、ポリウレタン骨格、エポキシ樹脂骨
格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格を有する
プレポリマーなどが挙げられる。これら上記のモノマー
とプレポリマーを単独もしくは混合して用いてもよい。
【0025】又、放射線硬化性シリコーン樹脂と放射線
硬化性樹脂の混合を均一化させるため、界面活性剤等を
混入してもよい。
【0026】更に、本発明に用いられる樹脂組成物中に
顔料を混合させることができる。顔料としては、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化珪素、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸亜鉛、カオリン、タルク、クレー、焼成カオリ
ン、焼成クレー、リトポン、サチンホワイトなどの無機
顔料、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、
尿素−ホルマリン樹脂パウダー等の有機顔料が挙げられ
る。又、無機顔料に表面処理を施したものも用いること
ができるが、特に、放射線硬化性樹脂との分散性から、
疎水化処理を施した無機顔料が好ましく用いられる。
【0028】本発明のマーキングシートは、水性塗工層
及び樹脂被覆層との間にアンカー層を設け、水性塗工層
と樹脂被覆層間の結合を強固にすることができるため
に、水性塗工層と樹脂被覆層の間に、アンカー層を設け
ることが好ましい。アンカー層に用いられる樹脂として
は、放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、溶剤硬化性樹脂
等が挙げられるが、特に制限されるものではない。放射
線硬化性樹脂とは、放射線照射することにより重合反応
が開始され、硬化できる樹脂のことである。熱硬化性樹
脂とは、加熱することにより重合反応が開始され、硬化
できる樹脂のことである。溶剤硬化性樹脂とは、紙基材
上等に樹脂を塗布する際、溶剤を溶媒もしくは希釈剤と
して使用する必要があり、塗布後、何等かの方法により
溶剤を揮発させることで樹脂の硬化が成される樹脂のこ
とである。アンカー層に用いられる樹脂は、樹脂被覆層
を構成する放射線硬化性樹脂と放射線硬化性シリコーン
樹脂の混合物との相性、紙基材と樹脂被覆層の密着性向
上、記録の消去動作に伴う筆記面のラブオフ低減等を考
慮して選択される。
【0029】本発明のマーキングシートにおいて、筆記
面である樹脂被覆層を形成する樹脂組成物を調製する際
には、放射線硬化性樹脂、放射線硬化性シリコーン樹脂
及び顔料等の各成分をすべて同時に、或は個々順次に混
練機に投入して行なう。組成物の混練分散には、各種の
混練機が使用される。例えば、二本ロール、三本ロー
ル、ボールミル、サンドグラインダー、ディスパー、高
速インペラー分散機、高速ミキサーホモジナイザー等が
挙げられる。
【0030】本発明のマーキングシートにおいて、樹脂
被覆層を設ける方法としては、樹脂被覆層を形成する樹
脂組成物を合成樹脂フィルム上、或は紙基材の水性塗工
層上に塗工し、次いで塗工済みの樹脂組成物を介して、
合成樹脂フィルムと水性塗工層を密着させて、密着状態
のまま放射線照射により硬化させた後、フィルムを剥離
させることで樹脂被覆層を作製してもよい。又、アンカ
ー層樹脂に放射線硬化性樹脂を用いる場合に、水性塗工
層上にアンカー層を形成する樹脂を、合成樹脂フィルム
上に樹脂被覆層を形成する樹脂混合物をそれぞれ塗工
し、塗工面同士を重ね合わせて密着させ、放射線照射に
より硬化することにより、アンカー層と樹脂被覆層を同
時に製造することもできる。樹脂被覆層の表面に、合成
樹脂フィルムの表面形状を転写させることで、該マーキ
ングシートの筆記面を平滑にし、白板用マーキングペン
による記録の筆記を滑らかにすることができる。マーキ
ングシートに高平滑な筆記面を設ける場合には、アンカ
ー層、樹脂被覆層共にこの方法を用いて塗工することが
より好ましい。
【0031】上記方法で使用される合成樹脂フィルムと
しては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の合成樹脂
フィルムであり、好ましくは加工性、耐熱性等の良い二
軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムが望ましい。
【0032】使用される合成樹脂フィルムの厚さは、特
に制限されるものではないが、5〜300μmであり、
特に取り扱いの点から10μm以上が好ましく、電子線
をフィルム側から照射した場合の電子線の吸収損失の点
から、150μm以下が好ましい。
【0033】樹脂被覆層或はアンカー層を紙基材上、も
しくはフィルム上に設ける方法としては、ドクターコー
タ、ブレードコータ、エアナイフコータ、スクイズコー
タ、リバースロールコータ、グラビアロール及びトラン
スファーロールコータ、4本或は5本ロールコータ、又
はマルチロールコータ、カーテンコータ、エクストルー
ジョンコータ、ダイコータ、スライドコータ、リップコ
ータ、ユーコンマコータ、マイクログラビアコータ等等
いかなる塗工機を用いた方法でもよい。
【0034】樹脂組成物を介して合成樹脂フィルムと紙
基材とを密着させる方法としては、従来から広く行われ
ている方法に従って、塗工済み合成樹脂フィルムと紙基
材を適度に圧着できる二本のロールの間を通すことによ
り容易に行うことができる。
【0035】又、本発明の放射線硬化性樹脂と放射線硬
化性シリコーン樹脂の混合物を主成分とする樹脂組成物
は、そのまま塗工しても良いし、適当な溶剤を混合して
塗工しても良い。
【0036】樹脂組成物の塗工量は、マーキングシート
となる紙基材の種類により異なるが0.5〜30g/m
2、より好ましくは1.0〜10g/m2である。樹脂組
成物の塗工量がこの範囲より少ないと、紙基材上に均一
に樹脂被覆層を塗設することが困難であり、記録の筆記
性或は消去性を悪くする。又、樹脂組成物の塗工量がこ
の範囲を超えて多くしても特性上変わらず、コストのみ
上がって好ましくない。
【0037】アンカー層を形成するアンカー層樹脂の塗
工量は、マーキングシートとなる紙基材の種類により異
なるが、0.5〜20g/m2、より好ましくは1.0
〜10g/m2である。アンカー層樹脂の量がこの範囲
より少ないと、紙基材上をむらなくアンカー層で覆うこ
とが困難であり、紙基材と筆記面を構成する樹脂被覆層
との接着性を悪くする。又、アンカー層樹脂の塗工量を
この範囲を超えて多くしても特性状変わらず、コストの
み向上する。
【0038】樹脂被覆層及びアンカー層を電子線照射に
より硬化するために用いられる電子線加速器としては、
カーテン方式、スキャン方式、ダブルスキャン方式が採
用できるが、比較的安価で大出力が容易に得られるカー
テン方式が好ましい。電子線の加速電圧は、100〜1
000kV、好ましくは150〜300kVであり、照
射線量としては0.5〜10Mradである。加速電圧
が100kV未満ではエネルギーの透過量が不足し、1
000kVを超えるとエネルギー効率が低下して経済的
ではない。照射線量がこの範囲より小さいと、硬化反応
が不十分になり強靱な層が得られない。照射線量がこの
範囲より多いと、エネルギー効率が低下するばかりか、
紙基材の劣化が著しくなり好ましくない。
【0039】電子線の照射方向は、紙基材側、樹脂組成
物層塗工側のいずれからでもよいが、紙基材の劣化防止
の点から樹脂組成物層塗工側からとするのが好ましい。
【0040】紫外線照射により樹脂被覆層或はアンカー
層を硬化させる場合には、樹脂組成物或はアンカー層を
構成する樹脂に、光開始剤、必要に応じて増感剤を配合
して用いることができる。紫外線の光源としては、例え
ば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンラ
ンプ、タングステンランプ等が好適に使用される。
【0041】紫外線照射の場合に用いる光開始剤として
は、ジ又はトリクロロアセトフェノンのようなアセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジ
ル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジ
ルジメチルケタールテトラメチルチウラムモノサルファ
イド、チオキサントン類、アゾ化合物等があり、放射線
硬化性樹脂の重合反応のタイプ、安定性、及び紫外線照
射装置との適性等の観点から選ばれる。光開始剤の使用
量は、放射線硬化性樹脂に対して、通常0.1〜5%の
範囲である。又、光開始剤にハイドロキノンのような貯
蔵安定剤が併用される場合もある。
【0042】紫外線は電子線に比べてエネルギーが小さ
いことから、紫外線を紙基材側から照射しても樹脂組成
物層全域を硬化させることは困難なため、紫外線の照射
方向は樹脂組成物層塗工側から照射するのが好ましい。
【0043】紫外線或は電子線照射による硬化はラジカ
ル反応であり、雰囲気中の酸素濃度に依存するので、窒
素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を
行ない、酸素濃度600ppm以下、好ましくは400
ppm以下に抑制した雰囲気中で照射することが好まし
い。
【0044】
【作用】本発明のマーキングシートにおいては、JIS
P8117に規定されるガーレー透気度が1000秒
以上であることで、白板用マーキングペンを用いた記録
の筆記の際に、樹脂被覆層から紙基材への白板用マーキ
ングペンのインキ組成物の浸透が防げ、且つ基材面から
インキ組成物中の水や有機溶剤が揮発することで、記録
の筆記が行える。又、樹脂被覆層を構成する放射線硬化
性樹脂と放射線硬化性シリコーン樹脂の混合物からなる
樹脂組成物中にシリコーン樹脂由来の珪素が0.5〜1
0重量%含有されることで、筆記面に離型性が得られ、
白板用マーキングペンで記録した筆跡を、乾布や軟質紙
にて擦過することで筆記面から拭い去ることで完全に消
去できる。又、放射線硬化性樹脂に含まれる炭素−炭素
間の不飽和結合と、放射線硬化性シリコーン樹脂に含ま
れる炭素−炭素間の不飽和結合が3次元的に架橋し強固
に結合するために、筆記面に耐傷性が得られ、記録の筆
記−消去の繰り返し使用による、紙基材からの樹脂被覆
層の脱落が防げる。又、基材に天然パルプを主成分とし
た紙を使用しているため、通常の紙と同様に扱うことが
でき、手軽に携帯して利用することができる。
【0045】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に詳細に説明するが、本発明の内容は、実施例に限られ
るものではない。
【0046】実施例1 マーキングシート用の紙基材として、市販のキャストコ
ート紙(三菱製紙製、LKカラー白、157g/m2
を使用した。この紙基材上に、放射線硬化性樹脂(東亜
合成化学工業製、アロニックスM−309)と放射線硬
化性シリコーン樹脂(信越化学工業製、X−62−72
00)の混合物を、比率を変えて3本ローラーでよく混
練して樹脂組成物とし、グラビアコーターで4g/m2
で塗工した。 この樹脂組成物中に含まれる珪素の重量
比率は、硬化後、熱重量分析により求めた結果、0.2
%、0.5%、3%、6%、10%、12%、15%で
あった。次いで、この樹脂組成物を塗布した紙基材を、
窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中で、200
kVの加速電圧で、吸収線量が3Mradとなるように
電子線照射(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キュ
アトロン)を行い、樹脂組成物を硬化させて樹脂被覆層
とし、マーキングシートを得た。各々のサンプルについ
て、ガーレー・デンソメーターを用い、JIS P81
17に規定される透気度を表1に記す。
【0047】実施例2 マーキングシート用の紙基材として、塗工紙(三菱製紙
製、パールデラックス、165g/m2)を使用した。
この紙基材上に、放射線硬化性樹脂(東亜合成化学工業
製、アロニックスM−350)と放射線硬化性シリコー
ン樹脂(信越化学工業製、X−62−7200)を3本
ローラーでよく混練して樹脂組成物とし、グラビアコー
ターで6g/m2で塗工した。この樹脂組成物中に含ま
れる珪素の重量比率は、硬化後、熱重量分析により求め
た結果、8%であった。この樹脂組成物を塗工した紙基
材を、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中で、
200kVの加速電圧で、吸収線量が3Mradとなる
ように電子線照射(日新ハイボルテージ(株)製、商品
名キュアトロン)を行い、樹脂組成物を硬化させて樹脂
被覆層となし、透気度が1000秒であるマーキングシ
ートを得た。
【0048】実施例3 マーキングシート用の紙基材として、実施例1と同様の
キャストコート紙を使用した。この紙基材上に、放射線
硬化性樹脂にエポキシアクリレート(昭和高分子製、リ
ポキシUR−90)と、光開始剤(樹脂に対し、2.5
重量%のチバガイギー社製イルガキュア905)を混合
した放射線硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業製、K
NS5300)を3本ローラーでよく混練して樹脂組成
物とし、グラビアコーターで6g/m2で塗工した。こ
の樹脂組成物中に含まれる珪素の重量比率は、硬化後、
熱重量分析により求めた結果、0.5%であった。この
樹脂組成物を塗工した紙基材を、120W/cmの高圧
水銀紫外線照射ランプ2灯を用いて照射して樹脂被覆層
を硬化させ、透気度が1500秒であるマーキングシー
トを得た。
【0049】実施例4 マーキングシート用の紙基材として、実施例1と同様の
キャストコート紙を使用した。この紙基材上に、放射線
硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、アロニックスM−3
09)をグラビアコーターで5g/m2で塗工した後、
窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中で、200
kVの加速電圧で、吸収線量が1Mradとなるように
電子線照射(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キュ
アトロン)を行って硬化させることでアンカー層を設け
た。次いで、放射線硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、
アロニックスM−360)と放射線硬化性シリコーン樹
脂(信越化学工業製、X−62−7200)の混合物を
3本ローラーでよく混練して樹脂組成物とし、グラビア
コーターで紙基材上のアンカー層塗工面に3g/m2
塗工した。この樹脂組成物中に含まれる珪素の重量比率
は、硬化後、熱重量分析により求めた結果、4%であっ
た。次いで、この樹脂組成物を塗布した紙基材を、窒素
雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中で、200kV
の加速電圧で、吸収線量が3Mradとなるように電子
線照射(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キュアト
ロン)を行い、樹脂組成物を硬化させて樹脂被覆層とな
し、透気度が3500秒であるマーキングシートを得
た。
【0050】実施例5 マーキングシート用の紙基材として、実施例1と同様の
キャストコート紙を使用した。この紙基材上に、熱硬化
性樹脂であるアルキド樹脂(日立化成工業製、メラン4
74A)に硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸を7
重量%混合した樹脂を、グラビアコーターで10g/m
2の塗工量で塗工した後、120℃の熱風乾燥器中に6
0秒入れることで熱硬化させ、アンカー層を設けた。次
いで、放射線硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、アロニ
ックスM−360)と放射線硬化性シリコーン樹脂(信
越化学工業製、X−62−7200)の混合物を3本ロ
ーラーでよく混練して樹脂組成物とし、グラビアコータ
ーで紙基材上のアンカー層塗工面に3g/m2で塗工し
た。この樹脂組成物中に含まれる珪素の重量比率は、硬
化後、熱重量分析により求めた結果、4%であった。次
いで、この樹脂組成物を塗布した紙基材を、窒素雰囲気
(酸素濃度200ppm以下)中で、200kVの加速
電圧で、吸収線量が3Mradとなるように電子線照射
(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キュアトロン)
を行い、樹脂組成物を硬化させ樹脂被覆層となし、透気
度が3500秒であるマーキングシートを得た。
【0051】実施例6 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイア
ホイル製、厚さ50μm、PETと略す)上に、放射線
硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、アロニックスM−3
50)と放射線硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業
製、X−62−7200)を3本ローラーでよく混練し
て樹脂組成物とし、グラビアコーターで4g/m2で塗
工した。このPETフィルムと、紙基材として実施例1
と同様のキャストコート紙の水性塗工層面とを重ね合わ
せ、二本の圧着ロール間を通し、更に、密着状態のまま
で、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中で、2
00kVの加速電圧で、吸収線量が3Mradとなるよ
うにPETフィルム側から電子線照射(日新ハイボルテ
ージ(株)製、商品名キュアトロン)を行い、樹脂組成
物を硬化させた後、PETフィルムを剥離することによ
り、透気度が3200秒であるマーキングシートを得
た。樹脂組成物中に含まれる珪素の重量比率は、硬化
後、熱重量分析により求めた結果、7%であった。
【0052】実施例7 マーキングシート用の紙基材として、実施例1と同様の
キャストコート紙を使用した。この紙基材上に、放射線
硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、アロニックスM−3
09)をグラビアコーターで5g/m2で塗工した後、
窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中で、200
kVの加速電圧で、吸収線量が1Mradとなるように
電子線照射(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キュ
アトロン)を行い、樹脂組成物を硬化させることでアン
カー層を設けた。一方、放射線硬化性樹脂(東亜合成化
学工業製、アロニックスM−360)と放射線硬化性シ
リコーン樹脂(信越化学工業製、X−62−7200)
の混合物を3本ローラーでよく混練して樹脂組成物と
し、グラビアコーターでPETフィルム上に3g/m2
で塗工した。このPETフィルムの樹脂組成物塗布面
と、アンカー層を設けた紙基材のアンカー層面とを重ね
合わせ、二本の圧着ロール間を通し、更に、密着状態の
ままで、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)中
で、200kVの加速電圧で、吸収線量が3Mradと
なるようにPETフィルム側から電子線照射(日新ハイ
ボルテージ(株)製、商品名キュアトロン)を行い、樹
脂組成物を硬化させた後、PETフィルムを剥離するこ
とにより、透気度が3200秒であるマーキングシート
を得た。この樹脂組成物中に含まれる珪素の重量比率
は、硬化後、熱重量分析により求めた結果、7%であっ
た。
【0053】比較例1 マーキングシート用の紙基材として、実施例1と同様の
キャストコート紙を使用した。この紙基材上に、放射線
硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、アロニックスM−3
09)をグラビアコーターで4g/m2で塗工した。次
いで、この樹脂組成物を塗布した紙基材を、窒素雰囲気
(酸素濃度200ppm以下)中で、200kVの加速
電圧で、吸収線量が3Mradとなるように電子線照射
(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キュアトロン)
を行い、樹脂組成物を硬化させ樹脂被覆層となし、透気
度が3000秒であるマーキングシートを得た。
【0054】比較例2 マーキングシート用の紙基材として、塗工紙(三菱製紙
製、ダイヤホワイトコートS、165g/m2)を使用
した。この紙基材上に、放射線硬化性樹脂(東亜合成化
学工業製、アロニックスM−350)と放射線硬化性シ
リコーン樹脂(信越化学工業製、X−62−7200)
を3本ローラーでよく混練して樹脂組成物とし、グラビ
アコーターで4g/m2で塗工した。この樹脂組成物中
に含まれる珪素の重量比率は、硬化後、熱重量分析によ
り求めた結果、8%であった。この樹脂組成物を塗工し
た紙基材を、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)
中で、200kVの加速電圧で、吸収線量が3Mrad
となるように電子線照射(日新ハイボルテージ(株)
製、商品名キュアトロン)を行い、樹脂組成物を硬化さ
せ樹脂被覆層となし、透気度が800秒であるマーキン
グシートを得た。
【0055】比較例3 マーキングシート用の紙基材として、上質紙(三菱製紙
製、表紙用紙、150g/m2)を使用した以外は、実
施例6と同様にして、ガーレー・デンソメーターを用い
JIS P8117に規定される透気度が100秒であ
るマーキングシートを得た。このマーキングシートの樹
脂組成物中に含まれる珪素の重量比率は、硬化後、熱重
量分析により求めた結果、7%であった。
【0056】比較例4 マーキングシート用の紙基材として、塗工紙(三菱製紙
製、パールデラックス、165g/m2)を使用し、水
性塗工面にコロナ処理を行った後、ポリプロピレン樹脂
を15μmの厚みで溶融押し出ししてラミネートするこ
とで、マーキングシートを得た。
【0057】以上、実施例1〜7、及び比較例1〜4で
得られたマーキングシートについて、以下に示す試験を
行った。その結果を表1に示す。試験方法は、以下の通
りである。
【0058】試験1[筆記性] 得られたマーキングシートの筆記面に、白板用マーキン
グペンにより模様を筆記し、10分間放置した後、筆記
された模様の形状がそのまま保持されて完全に読み取れ
るものを優とし、インキがはじいたり、筆記面である樹
脂被覆層に浸透して滲んだりすることで、模様の筆跡が
保たれていなかったものを並とした。
【0059】試験2[筆記−消去性] マーキングシート筆記面上に、白板用マーキングペンに
より記録の筆記を行い、一般に市販されているホワイト
ボード用イレーザーにより筆跡の消去を行った。この作
業を繰り返して行い、筆跡が完全に消去できなくなる繰
り返し回数が300回よりも大のものを筆記−消去性
優、50〜300回の範囲のものを並、50回未満のも
のを劣とした。
【0060】試験3[非定着性] マーキングシート筆記面上に、白板用マーキングペンに
より記録の筆記を行い、1週間放置した後、一般に市販
されているホワイトボード用イレーザーにより筆跡の消
去を行った。筆跡が完全に消去できるものを非定着性
優、やや跡が残り、強く擦らないと筆跡が完全に消去で
きないものを並、筆跡の10%以上が消去できないもの
を劣として判定を行った。
【0061】
【表1】
【0062】評価・・実施例において作製したマーキン
グシートは、白板用マーキングペンによる記録の筆記性
は良好であり、筆記面である樹脂被覆層を構成する樹脂
組成物により、筆記動作を、筆記面に傷をつけたりイン
キをはじいたりすることなく滑らかに行え、且つ筆跡の
消去においても、樹脂組成物中に含まれるシリコーン樹
脂の働きで、筆記後に時間が経過しても筆跡を残すこと
なく完全に消去でき、ホワイトボード用イレーザーの擦
過に伴う樹脂被覆層の脱落なしに、繰り返しの筆記−消
去を行うことができた。
【0063】
【発明の効果】本発明の評価からも明らかなように、本
発明のマーキングシートは、白板用マーキングペンによ
る筆記性、繰り返しの筆記−消去性に優れており、更
に、紙基材を使用していることから、通常の紙同様の携
帯性が得られ、実用的価値が大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材の少なくとも片面に、水性塗工層
    と、放射線照射により硬化する放射線硬化性樹脂と放射
    線硬化性シリコーン樹脂を主成分とする樹脂被覆層を順
    次塗設してなり、且つJIS P8117で規定される
    ガーレー透気度が1000秒以上であることを特徴とす
    るマーキングシート。
  2. 【請求項2】 樹脂被覆層が、該樹脂被覆層組成物中に
    0.5〜10重量%の珪素を含有することを特徴とする
    請求項1記載のマーキングシート。
  3. 【請求項3】 樹脂被覆層の表面が、合成樹脂フィルム
    の表面形状を転写させて得た該表面であることを特徴と
    する請求項1又は2記載のマーキングシート。
  4. 【請求項4】 水性塗工層と樹脂被覆層との間に、アン
    カー層を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか記載のマーキングシート。
JP5134695A 1993-06-04 1993-06-04 マーキングシート Pending JPH06344655A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100408986B1 (ko) * 2000-02-17 2003-12-11 이철규 분필가루 비산 방지 용제 및 그 제조방법
WO2005005156A1 (en) * 2003-07-07 2005-01-20 3M Innovative Properties Company Rewritable and erasable writing sheet
JP2010158892A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Ideapaint Inc 書込み可能−消去可能表面のための常温硬化型水性コーティング
US8309653B2 (en) 2007-07-13 2012-11-13 Ideapaint, Inc. Ambient cure water-based coatings for writable-erasable surfaces
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US11149158B2 (en) 2016-05-20 2021-10-19 Icp Construction, Inc. Dry-erase compositions and methods of making and using thereof

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