JP3144196B2 - 離型シートおよびその製造方法 - Google Patents

離型シートおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は離型シートに関するもの
である。さらに詳しく述べるならば、本発明は、高平滑
な表面を有する合成皮革の製造に使用される離型シート
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】離型シートは、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン等の材料を用いてキャスティング法等により合成
皮革を製造する工程において使用されており、その構成
としては、シート状支持体上にポリプロピレンフィルム
層などをラミネートしたもの、あるいはシート状支持体
上にシリコーン化合物、アミノアルキッド樹脂、もしく
はクロム化合物などの離型性材料を塗布し熱硬化したも
のなどが用いられている。しかし、前記ポリプロピレン
フィルム層などをラミネートしたものは光沢がないこと
に加え耐熱性が低く、また離型性材料を塗布して熱硬化
させたものは塗工欠陥を生じやすく、また、地合ムラが
離型シート表面に残るため、平滑性が低く、離型シート
上で成型後離型して得られるフィルムにも上記塗工欠陥
を反映して高平滑な表面は得られないという問題があ
る。
【0003】これらの問題点を解決するために、シート
状支持体として、比較的高い平滑性を有し、塗布欠陥が
生ずることの少ないキャストコート紙のようなコート層
の厚いコート紙が用いられている。しかし、このコート
紙においてもキャストコート紙基体の地合ムラが依然と
して残っており、又ピック等の塗工欠陥を完全に解消し
ていないため、高平滑性を有し、かつ塗工欠陥のない合
成皮革を製造し得る離型シートは未だ得られていない。
【0004】一方、シート状支持体として平滑性の良好
なプラスチックフィルムを利用することも試みられてい
るが、このプラスチックフィルムは静電気が発生し易く
粉塵を吸着するため繰り返し使用に適さないという問題
点を有し、それに加えて、紙基材に比べて加熱時の寸法
安定性が悪いという欠点を有する。
【0005】これらの問題点を解決するために、本発明
者らは鋭意検討を重ねた結果、シート状支持体上と熱硬
化性樹脂を主成分とする離型層との間に高平滑表面を有
する中間層を配置し、この中間層の高平滑面上に離型層
を形成すること、および鏡面を有する成型面上において
電子線硬化性樹脂含有塗料層を電子線硬化することによ
り、上記高平滑表面を有する中間層が得られることを見
い出し、このような離型シートを用いることにより高平
滑表面を有する合成皮革を得ることができることを見い
だした(特願平4−303991号)。特に、シート状
支持体としてプラスチックフィルムを用いる場合は、極
めて高平滑な表面を有する合成皮革が得られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記離
型シートにおいて、シート状支持体として紙基体を用い
る場合は、プラスチックフィルムに比べやや高平滑性が
低いという問題点がある。合成皮革表面の高平滑性を更
に向上させるためには、合成皮革製造時の紙中水分蒸発
に伴う紙基体収縮による離型シート表面の小波模様発生
を押さえることにより、この小波模様が合成皮革表面に
転写することを防ぐ必要があることが明らかになった。
本発明者はこのような離型シートの有する前記問題点を
解消し、さらに平滑性を向上させた合成皮革の製造に有
用な離型シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成するために更に鋭意検討を重ねた結果、シート状
紙基体上に電子線硬化性樹脂を主成分として含む離型層
あるいは中間層を設ける際に、紙基体の紙中水分を2%
以下に抑えることで、セルロース繊維を収縮させた状態
で電子線硬化性樹脂からなる離型層あるいは中間層表面
を形成することが可能となり、その結果電子線により硬
化した中間層上に熱硬化性離型層を設ける場合に離型シ
ート表面が変化せずに高平滑性を維持することができ、
また製造後紙基体が水分を吸収して膨潤して合成皮革製
造時に紙中水分が蒸発することでセルロース繊維が収縮
しても離型シート表面は変化せず、合成皮革製造時に離
型シート表面に発生する小波模様が全くなく、高平滑成
形面と同様な高平滑面を離型シートを介して合成皮革表
面に転写することが可能なことを見いだし本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明に係る離型シートは、シ
ート状紙基体と、このシート状紙基体の一面上に形成さ
れ、かつ電子線硬化性樹脂の硬化体を含む離型層、また
は前記シート状紙基体の一面上に形成され、かつ電子線
硬化性樹脂の硬化体を含む中間層とこの中間層上に形成
され、かつ熱硬化性樹脂の硬化体からなる離型層とを有
し、前記シート状紙基体の紙中水分が2%以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0009】本発明の離型シートの製造方法は、紙中水
分が2%以下であるシート状紙基体の一面上に、電子線
硬化性樹脂の硬化体を含む離型層を形成する工程、また
は電子線硬化性樹脂の硬化体を含む中間層を形成し、こ
の中間層上に熱硬化性樹脂の硬化体を含む離型層を形成
する工程を含み、前記電子線硬化性樹脂の硬化体を含む
離型層もしくは中間層形成工程において、前記シート状
紙基体の一面上に、電子線硬化性樹脂含有塗料を塗布
し、この塗料層を高平滑成型面に圧着させるか、または
前記塗料を高平滑成型面に塗布し、この塗料層に前記シ
ート状紙基体を圧着させ、しかるのちに電子線照射によ
り前記塗料層を硬化させ、硬化された塗膜層と前記シー
ト状紙基体との積層体を前記高平滑成型面から剥離する
ことを含むことを特徴とするものである。
【0010】本発明において使用する離型シートを構成
するシート状紙基体としては、上質紙、塗工紙、または
それらを組み合わせた積層シートなどを用いることがで
きるが、更に接着性、バリヤー性を改善する目的で、ア
ンカー処理等の表面処理した基体を用いることもでき
る。このような基体の厚さには特に制限はないが、強
度、作業性、電子線透過能等の点から20〜250μm
であることが好ましく、またその坪量は20〜250g
/m2 であることが好ましい。
【0011】本発明で使用されるシート状紙基体の紙中
水分をコントロールするには、熱風乾燥器、赤外線乾燥
器等を使用することにより、紙基体抄紙時において、塗
工層を有する紙基体の場合は塗工層乾燥時において、あ
るいは離型層、中間層塗工直前においてのいつでも可能
であり、紙中水分コントロール後は、例えば高防湿性を
有するポリエチレンフィルム等で包装することにより既
定の紙中水分を維持することができる。シート状紙基体
の紙中水分量は電子線硬化性樹脂を主成分とする離型層
または中間層形成用塗料の硬化時においてできるだけ少
ないほうが、合成皮革製造時に離型シート表面に発生し
合成皮革表面に転写される小波状模様を抑えることがで
きるが、この水分量が2%以下であれば高平滑を有する
成形面と同程度の平滑性を表面に有する合成皮革を作製
することができる。
【0012】本発明の離型層または中間層形成に用いら
れる電子線硬化性樹脂とは、電子線によって硬化する1
種以上の不飽和有機化合物を含むものであって、このよ
うな不飽和有機化合物としては、1個以上のエチレン性
不飽和結合を有するモノマーあるはオリゴマー等を使用
することができ、その種類に特に限定はないが、例えば
1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては
N−ビニルピロリドン、アクリロニトリルあるいはその
誘導体、スチレンあるいはその誘導体、アクリルアミド
等のアミド基含有モノマー、ラウリル(メタ)アクリレ
ートのような脂肪酸のアクリレートあるいはメタクリレ
ート、ベンジルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチル
アクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、
ε−カプロラクトン付加物のアクリレート、ブトキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、3−フェノキシプロピルアクリレート、および
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリレ
ートあるいはメタクリレートが挙げられる。
【0013】また、2個以上のエチレン性不飽和結合を
有するモノマーとしては、ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロ
デカンジメチロールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、およびエチレンオキサイド変性ビス
フェノールAのジアクリレート等を挙げることができ
る。これら1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化
合物は、必要に応じ1種または2種以上を混合して使用
してよい。
【0014】上記のエチレン性不飽和モノマー組成物
に、分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する
アクリレート、あるいはメタクリレートオリゴマー、例
えばウレタンアクリレートオリゴマー、およびブタジエ
ン変性アクリレートオリゴマー等の1種以上を配合する
ことは、塗料の粘度調整、および塗膜の柔軟性を調整す
る点から有効である。
【0015】離型層を形成する電子線硬化性樹脂含有塗
料に要求される性能としては、合成皮革の製造時に要求
される剥離性、耐薬品性、耐摩耗性、さらには繰り返し
使用性等の点から、表面硬化性が良好であり、かつ表面
張力が35 dyn/cm以下であることが望ましい。このた
め、離型層に用いられる電子線硬化性樹脂含有塗料とし
ては、2個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマ
ー、および/又はオリゴマーを主成分として含む配合、
例えばポリエチレン変性又はポリブテン変性アクリレー
トオリゴマー、長鎖アルキル基を有するアクリレートオ
リゴマーと長鎖アルキル基を有するモノマーとを主成分
として含む配合が好ましい。又、表面硬化性を損なわな
い範囲内で硬化塗膜の表面張力をコントロールする目的
で離型層形成用塗料に可溶な非反応性重合体、シリコー
ン、もしくはワックス等を加えても良い。
【0016】中間層を形成する電子線硬化性樹脂含有塗
料に要求される性能としては、成型面の高平滑性を中間
層表面上に忠実に再現できること、シート状紙基体及び
熱硬化性樹脂からなる離型層との接着性が良好であるこ
と、およびシート状紙基体を通して塗料層に電子線を照
射した時のシート状紙基体の損傷がなく、もしくは少な
く、かつ、離型シートの繰り返し使用性に影響を与えな
い範囲で硬化可能であることなどが求められる。このた
め、例えば接着性および硬化性の良いウレタンアクリレ
ートオリゴマーと、2個以上のエチレン性不飽和結合を
有するアクリレートあるいはメタクリレートモノマーと
を主成分とする配合が望ましい。又、中間層のこれら性
能を向上させる目的で、他の重合体を添加してもよい。
【0017】電子線照射により塗料を硬化させて得られ
る離型層あるいは中間層の重量は、固形分で、2〜30
g/m2 であることが好ましく、より好ましくは5〜2
0g/m2 である。この重量が2g/m2 未満で、高平
滑を有する成型面から良好に剥離して、かつシート状紙
基体の地合ムラ、塗工欠陥を解消させるには不十分であ
り、またそれが30g/m2 を越えて多くなると、低線
量の電子線照射では硬化が十分に行われなくなる。
【0018】上記の如く本発明の電子線硬化性樹脂含有
塗料は、不飽和有機化合物を主成分とした組成物で構成
されるが、必要に応じて離型シートに要求される性能を
損なわない範囲内で、有色の染料、有色の顔料、潤滑
剤、帯電防止剤等の助剤を配合することは何らさしつか
えなく、更に炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、カオリンクレー、タルク、水酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、ケイソウ土、サチンホワイト、硫酸バ
リウム、塩基性炭酸カルシウム、二酸化珪素、および酸
化アルミニウム等の白色顔料を配合することも可能であ
る。
【0019】又、電子線により硬化した塗膜からなる離
型層もしくは中間層と紙基体の接着性を向上させる目的
で、例えばコロナ放電処理等の表面処理を紙基体あるい
は中間層に施すことも可能である。
【0020】本発明の電子線硬化性樹脂を含む離型層及
び中間層を硬化する方法としては、紙基体上に電子線硬
化性樹脂含有塗料を塗布し、この塗料層を高平滑成型面
に圧着させ、紙基体側からあるいは高平滑成型面が充分
な電子線透過能を有する場合は成型面側から、電子線を
照射して硬化させる方法と、予め高平滑成型面上に電子
線硬化性樹脂含有塗料を塗布後、この塗料層を紙基体と
圧着させ、紙基体側からあるいは高平滑を有する成型面
が充分な電子線透過能を有する場合は成型面側から、電
子線を照射して硬化させる方法がある。後者の方法は有
機溶剤で希釈した電子線硬化性樹脂含有塗料や水溶性あ
るいは水分散性の電子線硬化性樹脂含有塗料の場合で
も、有機溶剤、水を蒸発除去した後紙基体と圧着させる
ことができる利点がある。
【0021】電子線硬化性樹脂含有塗料を塗布もしくは
圧着させる成型面としては、金属製ドラム、金属製ロー
ル、金属フィルム、プラスチックフィルム等の如く、寸
法安定性を有するものであれば使用が可能であり、表面
は高度に磨かれた鏡面光沢を有する面であることが必要
である。必要に応じて成型面からの剥離を容易にするた
めに、成型面にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛等の高級脂肪酸系離型剤、ポリエチレンエマルジョ
ン等のポリエチレン系離型剤、ワックス、シリコーン系
等の離型剤を塗布することも可能である。
【0022】調整された電子線硬化性樹脂含有塗料を塗
布した塗料層に電子線を照射する電子線加速器として
は、特にその方法を限定するものではなく、例えばスキ
ャニング方式、エレクトロンカーテン方式などの電子線
照射装置を使用することができるが、この中でも比較的
安価で大出力の得られるエレクトロンカーテン方式のも
のが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は1
00〜300KVであることが好ましく、吸収線量として
は、基材の損傷を最小限にする点から硬化可能な範囲内
でできる限り少ないことが好ましい。成型面が電子線に
対して透過能を有していないかあるいは小さい場合は、
シート状紙基体側から電子線が照射されるが、プラスチ
ックフィルムのように電子線に対して十分な透過能を有
する場合には、シート状紙基体、成型面のいずれかから
でも照射が可能である。
【0023】シート状紙基体上の中間層上に表面に形成
される熱硬化性樹脂の硬化体からなる離型層は、アミノ
アルキッド樹脂、およびシリコーン化合物等の熱硬化性
樹脂を主成分として含む塗料により形成されるが、熱硬
化温度を下げる目的の触媒、合成皮革を離型する際の離
型性を調整する離型コントロール剤等の添加剤も適時使
用してよい。また、熱硬化性樹脂の硬化体からなる離型
層の塗布量(固形分)は、1〜30g/m2 であること
が好ましく、より好ましくは3〜20g/m2である。
離型層の塗布量が1g/m2 未満では、塗工欠陥がなく
かつ高平滑な中間層の表面性を維持することができなく
なり、離型性および繰り返し使用性が不十分となる。ま
た塗布量が30g/m2 を越えて多くなると、得られる
塗布層に気泡が形成されやすくなり、また得られる離型
シートにカールを生じやすくなる等の問題を生じる。一
般に、熱硬化性樹脂の硬化のために、100〜200℃
の温度において、10秒〜2分間の熱処理が施される。
【0024】上述のようにして形成される電子線硬化性
樹脂の塗膜からなる離型層表面、あるいは中間層上に熱
硬化性樹脂からなる離型層を設ける場合その表面は、高
平滑性を有するが、具体的には、JIS−K−7105
で規定される像鮮鋭度のうち、光学くしの巾1mmを使用
した時の値を写像性の尺度にした場合、それが40%以
上、好ましくは50%以上の値を示すことが望ましく、
またJIS−Z−8714で規定される20度光沢が9
0%以上であること、さらにJIS−B−0601で規
定される中心線表面粗さRaの点からは、0.2μm以
下であることが望ましい。
【0025】電子線硬化性塗料の塗布方法としては、ロ
ールコーター、メイヤーバー、スリットダイコーター、
カーテンコーター等を用いる通常の塗布方法のすべてが
使用可能であり、特に金属製ドラムの平滑表面を成型面
として使用する場合には、成型面表面に傷をつけないた
めの配慮から、ゴムロールを使用するロールコート法あ
るいはオフセットグラビア法等が用いられる。
【0026】
【実施例】下記実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】実施例1 下記組成を有する離型層用塗料(組成物1)を、カウレ
スミキサーで均一になるように分散し、これを厚さ75
μmのPETフィルム(東レ製、商標:ルミラーT)上
に、メイヤーバーを用いて塗布量が7.0g/m2 にな
るように塗布し、この塗料層に紙中水分1.5%にコン
トロールしたキャストコート紙(127.9g/m2
王子製紙製、商標:OKエナメルコート)からなるシー
ト状紙基体を圧着させたのち、この塗料層に加速電圧1
70KV、塗料層表面での吸収線量4.0Mradの条件でP
ETフィルム側から電子線を照射し、この塗料層を硬化
させ離型層を形成した。その後、この硬化した塗料層を
成型面から剥離して離型シートを得た。
【0028】組成物1 成 分 ノナンジオールジアクリレート 70重量部 水素添加ポリブタジエン変性アクリレートオリゴマー 30重量部 (日本曹達製、商標:TEAI1000)
【0029】この離型シート上に下記組成を有するポリ
ウレタン樹脂溶液(組成物2)をアプリケーターバーを
用いて乾燥後の塗布量が15g/m2 になるように塗布
し、これを120℃で3分間加熱硬化させ、ポリウレタ
ンシート層を成型し、更に下記組成を有する接着剤溶液
(組成物3)をメイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量が
12g/m2 になるように塗布し、105℃で2分間加
熱硬化させた後、基布(角田化学製、商標:湿式フラッ
ト#7)と貼り合わせ、次いで離型シートを剥離して、
ポリウレタン合成皮革を得た。
【0030】組成物2 成 分 ポリウレタン樹脂 100重量部 (大日本インキ(株)製、商標:NB637) トルエン 50重量部
【0031】組成物3 成 分 ポリウレタン樹脂(東洋モートン社製、商標:AD527) 100重量部 硬化剤(東洋モートン社製、商標:AD9LI) 6重量部 トルエン 30重量部
【0032】実施例2 下記組成を有する中間層用塗料(組成物4)を、カウレ
スミキサーで均一になるように分散させ、これをクロム
メッキを施した鏡面光沢を有する金属板の表面上に、メ
イヤーバーを用いて塗布量が7.0g/m2 になるよう
に塗布し、この塗料層に紙中水分1.2%にコントロー
ルしたキャストコート紙(127.9g/m2 、王子製
紙製、商標:OKエナメルコート)からなるシート状紙
基体を圧着させたのち、この塗料層に加速電圧170K
V、塗布層下での吸収線量4.0Mradの条件でキャスト
コート紙側から電子線を照射し、この塗料層を硬化させ
て中間層を形成し、この中間層を金属板から剥離し中間
層形成シートを得た。次いで、この中間層上に下記組成
を有する離型層用塗料(組成物5)を乾燥後の塗布量が
7g/m2 になるように塗布し、この塗料層に170℃
で1分間の熱処理を施してこれを熱硬化させ離型層を形
成し、離型シートを得た。
【0033】組成物4 成 分 テトラプロピレングリコールジアクリレート 40重量部 ウレタンアクリレートオリゴマー 60重量部 (荒川化学製、商標:BS551B)
【0034】組成物5 成 分 アミノアルキッド樹脂(固形分50%) 100重量部 (日立化成ポリマー製、商標:テスファイン303) 触媒(固形分50%) 6重量部 (日立化成ポリマー製、商標:ドライヤー900) トルエン 40重量部
【0035】この離型シートを用いて、実施例1と同様
にしてポリウレタンシートを成型し、さらに接着剤層を
設け、基布と貼り合わせた後、離型シートを剥離し、ポ
リウレタン合成皮革を得た。
【0036】実施例3 下記組成を有する中間層用塗料(組成物6)を、カウレ
スホモミキサーで均一になるように分散し、これを、ポ
リビニルアルコールでサイズプレスし紙中水分を1.0
%にコントロールした上質紙(127.9g/m2 、王
子製紙製、商標:サンフラワー)からなるシート状紙基
体上に、アプリケーターバーを用いて塗布量が15g/
2 になるように塗布し、この塗布層を、成形面として
使用する厚さ75μmのPETフィルム(東レ製、商
標:ルミラーT)上に圧着させた後、加速電圧170K
V、塗料層表面での吸収線量4.0Mradの条件で電子線
をPETフィルムの側から照射し、この塗料層を硬化さ
せて中間層を形成した。この中間層と紙基体からなる積
層体を成型面から剥離して中間層形成シートを得た。次
いで、この中間層上に実施例2の離型層用塗料(組成物
5)を乾燥後の塗布量が7g/m2 になるように塗布
し、170℃で1分間熱硬化させ離型層を形成し、離型
シートを得た。
【0037】組成物6 成 分 テトラエチレングリコールジアクリレート 45重量部 ノナンジオールジアクリレート 10重量部 ウレタンアクリレートオリゴマー 45重量部 (日本合成化学製、商標:UV7550B)
【0038】この離型シートを用いて、実施例1と同様
にしてポリウレタンシート層を成型し、さらに接着剤層
を設け、基布と貼り合わせた後、離型シートから剥離
し、ポリウレタン合成皮革を得た。
【0039】比較例1 実施例1と同様にして離型シートを作製し、これを用い
てポリウレタン合成皮革を作製した。ただし、紙基材の
代わりに100μmPETフィルム(東レ製、商標:ル
ミラーT、アンカー品)を用いた。
【0040】比較例2 実施例1と同様にして離型シートを作製し、これを用い
てポリウレタン合成皮革を作製した。ただし、成型面と
してのPETフィルムを使用せずに、水分コントロール
した紙基材上に離型層用塗料を塗布し、直接電子線を塗
料層上から実施例1と同一条件になるよう照射した。
【0041】比較例3 実施例1と同様にして離型シートを作製し、これを用い
てポリウレタン合成皮革を作製した。ただし、成型面と
してのPETフィルムを使用せずに、水分コントロール
しない紙基材上(紙中水分6.2%)に離型層用塗料を
塗布し、直接電子線を塗料層上から実施例1と同一条件
になるよう照射した。
【0042】比較例4 実施例2と同様にして離型シートを作製し、これを用い
てポリウレタン合成皮革を作製した。ただし、中間層を
設けずに、キャストコート紙上に直接実施例2の離型層
用塗料(組成物5)の乾燥後の塗布量が7g/m2 にな
るように塗布し、これを170℃で1分間熱硬化させ離
型層を形成し、離型シートを得た。
【0043】上記実施例1〜3および比較例1〜4で得
られたポリウレタン合成皮革について、下記に示す方法
で剥離力、写像性、光沢度、表面粗さの測定を行った。
【0044】(1)剥離力 JIS−K−6555に準拠して測定した。 (2)写像性 JIS−K−7105で規定される像鮮鋭度のうち光学
くしの巾1mmを使用した時の値をポリウレタンシートに
ついて測定した。
【0045】(3)光沢 JIS−Z−8741の方法(入射角20度、受光角2
0度の鏡面光沢度)に従い、グロスメーター(日本電色
工業製、VG−10)で測定し5回の測定値を平均し
た。 (4)表面粗さ JIS−B−0601で規定される中心線表面粗さRa
をポリウレタンシートについて測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】表1から明かなように、本発明の離型シ
ートを使用して得られる合成皮革は、高光沢、高写像性
を有するものであり実用上極めて有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状紙基体と、このシート状紙基体
    の一面上に形成され、かつ電子線硬化性樹脂の硬化体を
    含む離型層、または前記シート状紙基体の一面上に形成
    され、かつ電子線硬化性樹脂の硬化体を含む中間層とこ
    の中間層上に形成され、かつ熱硬化性樹脂の硬化体を含
    む離型層とを有し、前記シート状紙基体の紙中水分が2
    %以下であることを特徴とする、離型シート。
  2. 【請求項2】 紙中水分が2%以下であるシート状紙基
    体の一面上に、電子線硬化性樹脂の硬化体を含む離型層
    を形成する工程、または電子線硬化性樹脂の硬化体を含
    む中間層を形成し、この中間層上に熱硬化性樹脂を主成
    分として含む離型層を形成する工程を含み、前記電子線
    硬化性樹脂の硬化体を含む離型層もしくは中間層形成工
    程において、前記シート状紙基体の一面上に、電子線硬
    化性樹脂含有塗料を塗布し、この塗料層を高平滑成型面
    に圧着させるか、または前記塗料を高平滑成型面に塗布
    し、この塗料層に前記シート状紙基体を圧着させ、しか
    るのちに電子線照射により前記塗料層を硬化させ、硬化
    された塗膜層と前記シート状紙基体との積層体を前記高
    平滑成型面から剥離することを含むことを特徴とする、
    離型シートの製造方法。
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