JPH1016163A - 離形フイルム - Google Patents

離形フイルム

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JPH1016163A
JPH1016163A JP8177889A JP17788996A JPH1016163A JP H1016163 A JPH1016163 A JP H1016163A JP 8177889 A JP8177889 A JP 8177889A JP 17788996 A JP17788996 A JP 17788996A JP H1016163 A JPH1016163 A JP H1016163A
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JP
Japan
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film
resin
release film
fine particles
polyester
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JP8177889A
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English (en)
Inventor
Toshiya Koyama
俊也 小山
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離形特性に優れ、厚みの薄い樹脂シート、セ
ラミックグリーンシート等に欠陥を生ぜず、かつ取扱い
性に優れた離形フイルムを提供する。 【解決手段】 中心線平均表面粗さが0.01μm以下
のポリエステルフイルムの一方の表面にシリコーン離形
層を塗設し、他方の表面に平均粒径0.05〜0.5μ
mの微細粒子を含有する滑性付与層を塗設してなる離形
フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離形フイルムに関
し、更に詳しくは溶剤系の溶液やスラリーを用いて成形
される樹脂シート、樹脂皮膜、セラミックシートの成形
用キャリヤーフイルムに有用な、或いは溶剤系の塗液を
用いて塗設される粘着剤被膜の保護フイルムに有用な離
形フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】離形フイルムは樹脂シート、樹脂被膜或
いはセラミックシート等を成形する際のキャリヤーフイ
ルムとして用いられる。例えば塩化ビニル樹脂の樹脂シ
ートは、塩化ビニル樹脂と溶媒からなる樹脂液を離形フ
イルム(キャリヤーフイルム)上に塗工(流延)した
後、溶媒を加熱除去することにより塩化ビニルシート
(例えばマーキングシート用)として成形される。また
樹脂被膜は、キャリヤーフイルムの表面に樹脂(粘着剤
等)と溶媒からなる塗液を塗布した後、加熱して溶媒を
除去することにより成形される。
【0003】また、セラミックシートは、例えばセラミ
ック粉体とバインダー剤とを溶媒に分散させたスラリー
をキャリヤーフイルム上に塗工した後、溶媒を加熱除去
することによりセラミック生シート(セラミックグリー
ンシート)として成形される。
【0004】この離形フイルムの表面に大きな突起が存
在すると、この突起によるフイルム表面の凸状形状が樹
脂シートやセラミックグリーンシートに凹状に転写され
る。そして、この凹状に転写された部分が樹脂シートや
セラミックグリーンシートの形状欠陥となる。この欠陥
はこれらシートの厚みが薄くなるにつれて重大化し、特
に近年のように厚みの極薄化が進むと、例えば厚みの薄
いセラミックグリーンシートの場合には、単なる凹みに
止まらず、貫通したピンホールとなり、その後の工程に
おいて種々の不良が発生するという重大な欠点となる。
【0005】一方、離形フイルムはその製造工程ないし
加工工程で滑り性(走行性)が要求されるが、フイルム
表面が平滑であると滑り性が悪くなり、さらにシリコー
ン離形層はブロッキング性が強く、フイルム巻き取りに
おいてシワ等が発生し、良好な巻き姿を得ることが難し
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、各種粘着剤被膜、樹脂シー
ト、樹脂被膜、セラミックシート等に対し適度の力で剥
離が可能(離型性が良い)であり、さらにフイルム表面
の粗大突起による、樹脂シート、セラミックシート等の
表面欠陥を生じず、かつ取扱い性に優れた離形フイルム
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、中心線平均表面粗さが0.01μm以下のポ
リエステルフイルムの一方の表面にシリコーン離形層を
塗設し、他方の表面に平均粒径0.05〜0.5μmの
微細粒子を含有する滑性付与層を塗設してなる離形フイ
ルムによって達成される。
【0008】本発明において、フイルムを構成するポリ
エステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とから
なる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好まし
く、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン―2,6―ナフタレート等を好ましく例示
することができる。この中、ポリエチレンテレフタレー
トが好ましい。
【0009】このポリエステルはホモポリマーでもコポ
リマーでも良いが、ホモポリマーがより好ましい。この
ポリエステルはそれ自体公知であり、また従来から知ら
れている方法で製造することができる。
【0010】本発明のポリエステルフイルムは二軸延伸
フイルムであることが好ましく、中心線平均表面粗さが
0.01μm以下となる範囲内で滑剤、顔料、安定剤、
帯電防止剤、UV吸収剤、その他の改良剤を含有させる
ことができる。例えば、滑剤としてはシリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、架橋ポリスチレン粒子、架橋シリ
コーン樹脂粒子等を、顔料としては酸化チタン、硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム等を、また帯電防止剤防止剤と
してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きス
ルホン酸塩基を有する化合物等を好ましく挙げることが
できる。当然のことながら、これらの改良剤を含まない
ポリエステルも用いることができる。
【0011】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、二軸延伸ポリエステルフイルムは、ポリエステル
を乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えはT―ダイ、
I―ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して
未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを二軸方
向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造す
ることができる。フイルムの厚みは特に制限するもので
はないが、5〜250μmが好ましい。
【0012】本発明のポリエステルフイルムはその一方
の表面が平滑、すなわち中心線平均表面粗さRaが0.
01μm以下であることが必要である。この表面粗さR
aが0.01μmを超えると、シリコーン離形層の表面
に無視できない表面欠陥を形成し、ひいては離形フイル
ムの使用で種々のトラブルを引き起こす。例えば厚みが
5μm以下のセラミックグリーンシートを製造する場
合、欠陥のあるグリーンシートを造る頻度が高く、この
ものより作成された積層コンデンサーを使用した携帯通
信機が使用不可となる恐れがある。
【0013】本発明においては、ポリエステルフイルム
の、中心線平均表面粗さが0.01μm以下の表面にシ
リコーン離形層を塗設するが、この方法は特に制限され
ない。その中、シリコーン樹脂を含む塗液を塗布し加熱
することにより塗設する方法が好ましく、特に硬化シリ
コーン樹脂塗膜を塗設することが好ましい。この硬化シ
リコーン樹脂塗膜は、硬化性シリコーン樹脂を含む塗液
をフイルムの少くとも片面に塗布し、乾燥、硬化させる
ことにより形成できる。
【0014】硬化性シリコーン樹脂としては、例えば縮
合反応系のもの、付加反応系のもの、紫外線もしくは電
子線硬化系のものなどいずれの反応系のものも用いるこ
とができる。これらは一種以上用いることができる。
【0015】各種シリコーンの硬化反応は、次のように
示すことができる。
【0016】
【化1】
【0017】上記縮合反応系のシリコーン樹脂として
は、例えば、末端に―OH基をもつポリジメチルシロキ
サンと、末端に―H基をもつポリジメチルシロキサン
(ハイドロジェンシラン)を有機錫触媒(例えば有機錫
アシレート触媒)を用いて縮合反応させ、三次元架橋構
造をつくるものを挙げることができる。
【0018】また、付加反応系のシリコーン樹脂として
は、例えば末端にビニル基を導入したポリジメチルシロ
キサンとハイドロジエンシランを白金触媒を用いて反応
させ、三次元架橋構造をつくるものがあげられる。
【0019】更に、紫外線硬化反応系のシリコーン樹脂
としては、例えば最も基本的なタイプとして通常のシリ
コーンゴム架橋と同じラジカル反応を利用するもの、ア
クリル基を導入して光硬化させるもの、紫外線でオニウ
ム塩を分解して強酸を発生させ、これでエポキシ基を開
裂させて架橋させるもの、ビニルシロキサンへのチオー
ルの付加反応で架橋するもの等を挙げることができる。
また、電子線硬化反応系のシリコーン樹脂には、紫外線
硬化反応系のシリコーン樹脂と同じものを用いることが
できる。電子線は紫外線よりもエネルギーが強いので、
紫外線硬化の場合のように開始剤を用いずとも電子線を
照射することによりラジカルによる架橋反応を進行させ
ることができる。
【0020】硬化性シリコーン樹脂としては、その重合
度が50〜200,000程度、好ましくは1,000
〜100,000程度のものが好ましく、これらの具体
例としては信越シリコーン(株)製のKS―718,―
774,―775,―778,―779H,―830,
―835,―837,―838,―839,―841,
―843,―847,―847H,X―62―241
8,―2422,―2125,―2492,―249
4,―470,―2366,―630,X―92―14
0,―128,KS―723A・B,―705F,―7
08A,―883,―709,―719;東芝シリコー
ン(株)製のTPR―6701,―6702,―670
3,―3704,―6705,―6722,―672
1,―6700,XSR―7029,YSR―302
2,YR―3286,ダウコーニング(株)製のDK―
Q3―202,―203,―204,―210,―24
0,―3003,―205,―3057,SFXF―2
560,東レシリコーン(株)製のSD―7226,7
320,7229,BY24―900,171,31
2,374,SRX―375,SYL―OFF23,S
RX―244,SEX―290,アイ・シー・アイ・ジ
ャパン(株)製のSILCOLEASE425等を挙げ
ることができる。また、特開昭47―34447号公
報、特公昭52―40918号公報等に記載のシリコー
ン樹脂も用いることができる。
【0021】前記硬化シリコーン樹脂塗膜(シリコーン
離形層)をフイルム表面に形成させる場合、塗液をフイ
ルム表面に塗布させる方法としてはバーコート法、ドク
ターブレード法、リバースロールコート法またはグラビ
アロールコート法等の従来から知られている方法を用い
ることができる。尚、かかるシリコーン樹脂塗膜の塗設
は異物の混入を防ぐ対策が講じてある設備でおこなう。
【0022】塗膜の乾燥および硬化(熱硬化、紫外線硬
化等)は、それぞれ個別または同時に行うことができ
る。同時に行うときには100℃以上で行うことが好ま
しい。乾燥および熱硬化の条件としては100℃以上で
30秒程度が望ましい。乾燥温度が100℃以下、及び
硬化時間が30秒以下では塗膜の硬化が不完全であり、
塗膜の脱落等耐久性に不安が残る。
【0023】硬化シリコーン樹脂塗膜の厚みは、特に限
定されないが、0.05〜0.5μmの範囲が好まし
い。あまり薄くなると、離型性能を低下し、満足すべき
性能が得られない。一方あまり厚いと、キュアリングに
時間がかかり、生産上不都合を生じる。
【0024】またシリコーン離形層の、硬化度を表わす
尺度である残留接着率は95%以上が好ましい。この残
留接着率が95%未満であると、粘着剤へのシリコーン
樹脂の転写が顕在化し、製品の歩留りが悪くなるので、
好ましくない。
【0025】本発明においては、さらに、ポリエステル
フイルムのシリコーン離形層を設けた表面と反対側の表
面に平均粒径が0.05〜0.5μmの微細粒子を含む
滑性付与層を塗設する。この滑性付与層を設けないと、
シリコーン離形層による、フイルムのブロッキングを生
じる恐れがあり、またフイルムの巻き取りにおいてフイ
ルムの滑り性が悪く、シワ等が発生し、良好なる巻き姿
を形成するのが難しい。
【0026】前記微細粒子としては、例えばポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート
共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、
ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂、ポリス
チレン粒子の外殻をアクリル系樹脂で覆ったコアシエル
型粒子等の有機微粒子、及びシリカ、アルミナ、二酸化
チタン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシ
ウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫
酸バリウム等の無機微粒子等があげられる。これらの
中、有機微粒子が好ましい。
【0027】この微細粒子の平均粒径が0.05μm未
満であるとフイルムの滑り性が不足し、一方0.5μm
より大きくなると塗膜からの粒子の脱落が発生し、工程
を汚すか、粘着層や樹脂シート、セラミックグリーンシ
ート層中に混入し、製品不良の原因となる。
【0028】微細粒子を固着するバインダーとしては、
アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエ
ステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ア
クリル―ポリエステル樹脂等を例示することができる。
これら樹脂は単一重合体でも共重合体でもよく、また混
合体でもよい。
【0029】前記微細粒子と被膜形成樹脂(バインダ
ー)との割合は被膜表面特性の設計で定めるのが好まし
く、全被膜形成成分当り、微細粒子が1〜40重量%で
あり、結合剤となる被膜形成樹脂(バインダー)が20
〜95重量%であることが好ましい。微細粒子が少なす
ぎると、被膜に均一かつ所定量の突起を付与することが
できず、他方多すぎると、分散性が悪化し、均一かつ所
定量の突起を付与することが難しい。バインダーの被膜
形成樹脂が少なすぎると、被膜のポリエステルフイルム
への密着性が低下し、他方多すぎると耐ブロッキング性
が低下する。
【0030】ポリエステルフイルムに滑性付与層を設け
る方法としては、微細粒子及び被膜形成樹脂を含有する
塗液、好ましくは水性塗液をポリエステルフイルムの製
造工程中で結晶配向が完了する前のフイルム表面に塗布
・乾燥固化する方法(インラインコーライング法)、又
は二軸配向したポリエステルフイルムに微細粒子を含有
する樹脂塗液を塗布・乾燥固化する方法等を採用するこ
とができるが、前者の方が好ましい。殊に、縦延伸ポリ
エステルフイルムの表面に水性塗液を塗布し、次いで乾
燥、横延伸処理するのが好ましい。
【0031】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフイルムとは、ポリエステルを溶融押出し、急冷固
化した未延伸フイルム、該未延伸フイルムを縦方向又は
横方向の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フイルム、
更には二軸方向に延伸されているが、少くとも一方向は
低倍率延伸であって更に該方向の延伸配向を要する二軸
延伸フイルム(最終的に縦方向及び/又は横方向に再延
伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フイ
ルム)等を含むものである。
【0032】前記水性塗液の塗布に際しては、ポリエス
テルフイルムの表面に塗膜を円滑に塗設できるようする
ために、予備処理としてフイルム表面にコロナ放電処理
を施すか、又は被膜組成物とともに、これと化学的に不
活性な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界
面活性剤は、水性塗液の表面張力を40dyne/cm
以下に降下でき、ポリエステルフイルムの濡れを促進す
るものであり、例えばポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
脂肪酸金属石けん、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン
酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニ
オン型の界面活性剤を挙げることができる。更に、本発
明の効果を消失させない範囲において、例えば帯電防止
剤、紫外線吸収剤、潤滑剤等の他の添加剤を混合するこ
とができる。
【0033】この塗液の調製において、微細粒子は乳化
剤等を用いて分散液、好ましくは水分散液としたもので
あってもよく、また微粉末状で溶媒に添加配合してもよ
い。被膜形成樹脂についても同様である。
【0034】本発明において、滑性付与塗液殊に水性塗
液の固形分濃度は通常30重量%以下であり、15重量
%以下が好ましい。この粘度は通常100センチポイズ
(cps)以下、好ましくは20cps以下である。塗
布量は走行しているフイルム1m2 当り約0.5〜20
g、更には約1〜10gが好ましい。換言すれば、最終
的に得られる二軸配向フイルムにおいて、フイルムの一
表面に1m2 当り約0.001〜1g、更には約0.0
05〜0.3gの固形分量となるのが好ましい。
【0035】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独又
は組合せて適用するとよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。尚、例中の「部」は重量部である。またフイル
ムの各特性値は下記の方法で測定した。
【0037】1.剥離強度(ラビングテスト) ポリエステルフイルムの離形層面にポリエステル粘着テ
ープ(ニット―31B)を貼合わせ、5kgの圧着ロー
ラーで圧着し20時間放置後、離形層と粘着テープとの
剥離力を引張り試験機にて測定する。
【0038】2.残存接着率 ポリエステル粘着テープ(ニット―31B)をJIS・
G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS3
04)に貼付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f
0 )とする。また前記ポリエステル粘着テープをサンプ
ルフイルムの離形層塗設面に5kgの圧着ローラーで圧
着し、30秒間放置した後粘着テープを剥がす。そして
剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼
合部の剥離力を測定し、残留接着力(f)とする。得ら
れた基礎接着力(f0 )と残留接着力(f)より下記式
を用いて残留接着率を求める。
【0039】
【数1】残留接着率(%)=(f/f0 )×100
【0040】3.表面粗さRa Ra(Center Line Average :中心線平均粗さ) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精
度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2μ
m、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.
08mmの条件下にチャートをかかせ、フイルム表面粗
さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き
取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向
をY軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わしたと
き、次の式で与えられた値をμmまたはnm単位で表わ
す。
【0041】
【数2】
【0042】4.静摩擦係数 重ね合せた2枚のフイルムの下側に固定したガラス板を
置き、重ね合せたフイルムの下側(ガラス板と接してい
るフイルム)のフイルムを定速ロールにて引取り(約1
0〜15cm/分)、上側のフイルムの一端(下側フイ
ルムの引取り方向と逆端)に検出機を固定してフイルム
/フイルム間の引張力を検出する。尚、その時に用いる
スレッドは重さ1〜5kg、下側面積10〜100cm
2 のものを使用する。
【0043】[実施例1]ジメチルテレフタレート10
0部、エチレングリコール70部、エステル交換触媒と
して酢酸カルシウム1水塩0.028部及び酢酸マグネ
シウム4水塩0.043部を反応器に仕込み、内温を1
45℃から徐々に上げながらエステル交換反応を行っ
た。エステル交換反応率が95%となった時点で、安定
剤としてトリメチルフォスフェート0.014部を添加
し、更に重合触媒としてテトラブチルチタネート0.0
3部を添加した。なおエステル交換反応時の内温が19
0℃になった時点で平均粒径0.10μmの二酸化ケイ
素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケイ素の10
wt%/エチレングリコールスラリー)0.03部を添
加した。次いで反応生成物を重合反応器に移し、高温真
空下(最終内温290℃)にて重縮合反応を行い、固有
粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを得た。
【0044】このポリエチレンテレフタレートを常法に
従って溶融押出し、急冷して厚さ138μmの未延伸フ
イルムを作成し、次いで該未延伸フイルムを縦方向に9
0℃で3.4倍、横方向に120℃で4.0倍の逐次二
軸延伸を行い、更に220℃で30秒間熱固定を行っ
て、厚さ9.8μmの二軸配向フイルムを作成した。こ
の際、横延伸前の一軸延伸フイルムに次の組成の塗液
(滑性付与塗液)をロールコート法でフイルムの片面に
塗布した。
【0045】塗液: ・アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製IN
―170―6)の1.0wt%溶液 76.9部、 ・ポリメタクリル酸メチル微粒子(平均粒径は0.06
μmである)の1.0wt%溶液 3.1部、 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS208.5)の1.0wt%溶液 2.
0部、 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS240)の1.0wt%溶液 18.0
部。 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0046】次に、この二軸配向ポリエチレンテレフタ
レートフイルムの片面に、ポリジメチルシロキサンとジ
メチルハイドロジエンシランの混合溶液に白金触媒を加
えて付加反応させるタイプの硬化型シリコーン(信越シ
リコーン(株)製・KS―847(H))をメチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合
溶剤中に溶解させたシリコーン樹脂塗液を塗布量(we
t)8g/m2 で塗布し、130℃×30秒の条件で乾
燥、硬化処理して塗膜厚み0.24μmの離形フイルム
を得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0047】[比較例1]実施例1におけるポリメタク
リル酸メチル微粒子の平均粒径を0.04μmに変更す
る以外は実施例1と同様に行って離形フイルムを得た。
この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0048】[比較例2]実施例1におけるポリメタク
リル酸メチル微粒子の平均粒径を0.8μmのポリスチ
レン粒子に変更する以外は実施例1と同様に行って離形
フイルムを得た。このフイルムの滑性付与層は指でこす
ると粒子が脱落し、実用に耐え得なかった。特性を表1
に示す。
【0049】[比較例3]フイルムの背面に滑性付与層
を設けない以外は実施例1と同様に行って離形フイルム
を得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、フイルム表面に粗大突
起がなく、厚みの薄い樹脂シート、セラミックグリーン
シート等に欠陥を生じず、かつ取扱い性に優れた離形フ
イルムを提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心線平均表面粗さが0.01μm以下
    のポリエステルフイルムの一方の表面にシリコーン離形
    層を塗設し、他方の表面に平均粒径0.05〜0.5μ
    mの微細粒子を含有する滑性付与層を塗設してなる離形
    フイルム。
  2. 【請求項2】 シリコーン離形層が硬化シリコーン樹脂
    層であり、この残留接着率が95%以上である請求項1
    記載の離形フイルム。
  3. 【請求項3】 シリコーン離形層の厚みが0.05〜
    0.5μmである請求項1又は2記載の離形フイルム。
  4. 【請求項4】 微細粒子が有機微粒子である請求項1記
    載の離形フイルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートである請求項1記載の離形フイルム。
JP8177889A 1996-07-08 1996-07-08 離形フイルム Pending JPH1016163A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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