JPH06190999A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JPH06190999A
JPH06190999A JP4358208A JP35820892A JPH06190999A JP H06190999 A JPH06190999 A JP H06190999A JP 4358208 A JP4358208 A JP 4358208A JP 35820892 A JP35820892 A JP 35820892A JP H06190999 A JPH06190999 A JP H06190999A
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JP
Japan
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uneven
resin layer
base material
resin
decorative sheet
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JP4358208A
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English (en)
Inventor
Satomi Sadasue
さとみ 貞末
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部に設けられた凹凸模様がシャープで且つ
立体感のある、優れた意匠性を有する化粧シートを提供
する。 【構成】 透明基材2裏面に凹凸樹脂層3が設けられた
凹凸基材4と不透明基材6とを、上記凹凸基材4の凹凸
樹脂層3側が上記不透明基材6と対面するように、透明
で且つ光輝性を有する光輝性樹脂層5を介して積層一体
化し、光輝性樹脂層5表面側に、凹凸樹脂層3の形状に
対応した凹凸樹脂層3の凸部が凹部となった凹凸形状が
設けられ、化粧シート1内部に埋設された凹凸模様とし
て形成された構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物品の表面あるいは内面
等に貼付して、該物品の意匠性を高めるために用いられ
る化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、表面に種々の模様を形成した
化粧シートが、プラスチック、容器、家具、壁、家電等
の表面、或いはガラス等の透明なものの内面に貼付する
ことによって、これらの外観に美的効果を与えるために
用いられている。
【0003】従来の化粧シートとしては、プラスチック
シート等の着色された基材表面に平坦な印刷模様を付与
し、これを透明な樹脂に貼り合わせただけのもの、また
は透明な樹脂基材に表面に平坦な印刷模様を付与し、こ
れを着色された基材に貼り合わせただけのもの等が用い
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の化粧シートは立体感に乏しくて品質的に安価な印象
を与えてしまうという問題があった。そこでこのような
問題を解決するために、光輝性を有する基材の表面にエ
ンボス加工を施す等して凹凸を付与し、該凹凸面に透明
な樹脂層を貼り合わせた化粧シートが、従来の化粧シー
トに比較して、立体感に富む美麗な意匠を持つものとし
て提案されている(例えば、特開平3−8477号公報
等)。この化粧シートは、透明な樹脂層と基材との界面
に凹凸面が形成されているため、深みのある凹凸が透明
樹脂層を通して化粧シート内部に観察されるが、エンボ
ス加工の凹凸であるため、貼り合わせの加工や経時変化
で凹凸形状の輪郭が不鮮明になってしまうという不具合
があった。また、エンボスによる凹凸はシャープさが不
充分なものであってよりシャープな意匠が望まれてい
た。
【0005】本発明は、上記従来技術の欠点を解決しよ
うとするものであり、内部の凹凸模様がシャープで且つ
立体感のある優れた意匠性を有する化粧シートを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明化粧シートは、透
明基材の裏面に凹凸樹脂層が設けられた凹凸基材と、不
透明基材とを、上記凹凸基材の凹凸樹脂層側が、上記不
透明基材と対面するように透明で光輝性を有する光輝性
樹脂層を介して積層一体化されていることを特徴とす
る。
【0007】また、透明基材の裏面に形成する凹凸樹脂
層は、電離放射線硬化性樹脂により形成することができ
る。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明化粧シートの1例を示す断面図であ
る。本発明の化粧シート1は図1に示すように、透明基
材2裏面に凹凸樹脂層3が設けられた凹凸基材4と不透
明基材6とを、上記凹凸基材4の凹凸樹脂層3側が上記
不透明基材6と対面するように、透明で且つ光輝性を有
する光輝性樹脂層5を介して積層一体化した構成を有す
る。
【0009】化粧シート1の光輝性樹脂層5表面側は、
凹凸樹脂層3の形状に対応して凹凸樹脂層3の凸部が凹
部となった凹凸形状に設けられ、化粧シート1内部に埋
設された凹凸模様として形成されている。
【0010】上記凹凸基材4の透明基材2は、凹凸樹脂
層3との接着性及び透明性を有し、化粧シート1に塗装
感や立体感等の意匠を付与し、更に化粧シート1の表面
保護層としての機能も有する。該透明基材2には一般に
樹脂フィルムが用いられ、その透明性性は下層の光輝性
樹脂層5や不透明樹脂層6の表面を認めることができれ
ば良く、半透明のものも含まれる。また、その厚みは3
〜40μmに形成されるのが好ましい。
【0011】上記透明基材2の材質としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重
合体等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合
体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等の
アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リアクリレート、ポリイミド等が挙げられる。
【0012】本発明において凹凸基材4に形成される凹
凸樹脂層3は、化粧シート1の内部エンボスとして形成
しようとする光輝性樹脂層5表面側の凹凸形状に対応し
た凹凸形状に形成される(即ち、光輝性樹脂層5の表面
側の凹部が凹凸樹脂層3の凸部となる。)。該凹凸樹脂
層3の形状は、所望の形状に形成すれば良いが、例えば
木目の導管溝、石目、布目、砂目等天然物の凹凸形状を
模写したもの、文字記号、万線(平行な直線群又は曲線
群)、各種の抽象模様が挙げられる。尚、凹凸樹脂層3
は凸部のみの構成としても、或いは図2に示すように凸
部と凹部とからなる構成としても良い。
【0013】具体的に、図3に示すような閉曲線23で
区劃された領域24の中に万線状の溝22を有し、且つ
任意の辺を介して隣接する2区劃の万線22どうしが走
行方向を常に異なるように複数連結させた凹凸形状或い
は図4に示すような正弦波の如き波状曲線を多数平行に
並べた曲線群状の溝22よりなる凹凸形状であって、且
つ凸部の幅d1 、凹部の幅d2 及び深さd3 を各々1〜
100μmの範囲に凹凸樹脂層3を形成すると、凹凸模
様それ自体は目視で殆ど確認されず、その代わり入射光
の入射方向と観察者の観察する方向との組み合わせに対
して、特定の方向に万線状溝22がはしる領域のみが明
るく輝き、該領域が周囲よりも視覚的に突出して見える
という視覚的効果を奏する。また、万線状溝凹凸22の
パターンを選ぶことにより、種々の立体的に突出する光
輝性パターンを得ることができ、該光輝性パターンは光
源からの光入射方向、観察方向の組み合わせを変える
と、明暗(突出、凹陥)の領域が反転(或いは、移動)
する。即ち、図6(a)に示すように、万線状溝凹凸の
溝方向と直交する方向に光源Lから光線lが入射し、こ
れを入射光平面P内の非鏡面反射方向の観察者O1 が観
察したとき、凹凸模様は最も暗く見え、逆に観察者O2
では明るく見える(図中、φP は万線状溝凹凸の溝方向
と入射光平面Pとのなす角、θi は入射光とz軸とのな
す角、θo は観察者O1 の観察方向とz軸とのなす角で
あって、このときφP ≒90°、θi ≠θo であ
る。)。一方図6(b)に示すように、溝方向と平行な
方向に光線lが入射し、これを入射光平面P内で且つ鏡
面反射方向の観察者O1 が観察したとき、凹凸模様は最
も明るく見え、逆に観察者O2 では暗く見える(このと
きφP =0°、θi ≒θo である。)。尚、図7は或る
方向から入射した入射光lとこれを観察する観察者Oと
の組み合わせによる明暗の変化を示す模式図であり、図
7(1)は光線照射前の本発明化粧シートの凹凸模様の
一例を示し、図7(2)は領域aのみが明るく見える場
合、図7(3)は領域bのみが明るく見える場合、図7
(4)は領域cのみ明るく見える場合をそれぞれ示して
いる。図中l’は入射光線lのxy平面(即ち、凹凸模
様)への射影である。
【0014】上記凹凸樹脂層3の材質は、光輝性樹脂層
5との積層時や積層後に変形しないものであればよい
が、電離放射線硬化性樹脂が物性の点から好ましい。該
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば分子中に重合性
不飽和結合又は、エポキシ基を有するプレポリマー、オ
リゴマー、及び/又はモノマーに、光重合開始剤及び/
又は光重合促進剤を添加したものであって、電離放射線
により硬化可能な組成物が用いられる。尚、ここで電離
放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合、
架橋し得るエネルギー粒子を有するものを意味し、通常
紫外線、電子線等が用いられる。
【0015】前記プレポリマー、オリゴマーの例として
は不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不
飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポ
リエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレー
ト、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオ
ールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレ
ート等がある。
【0016】前記モノマーの例としては、スチレン、α
メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メ
チル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メ
トキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニ
ル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリ
ル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチル
アミノ)エチル、メメタクリル酸−2−(N、N−ジメ
チルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベ
ンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジ
エチルアミノ)プロピル等の不飽和置酸の置換アミノア
ルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジ
アクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等
の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個
以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば
トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメ
チロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリス
リトールテトラチオグリコール等がある。
【0017】以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2
種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性塗料に通
常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又は
ポリチオールを5重量%以上、前記モノマー及び又はポ
リチオールを95重量%以下とするのが好ましい。
【0018】モノマーの選定にさいしては、硬化物の可
撓性が要求される場合は塗工適性上支障のない範囲でモ
ノマーの量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリ
レートモノマーを用い、比較的低架橋密度の構造とす
る。又、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求され
る場合には塗工適性上支障のない範囲でモノマーの量を
多めにしたり、3官能以上のアクリレートモノマーを用
い高架橋密度の構造とするのが好ましい。1、2官能モ
ノマーと3官能以上のモノマーを混合し塗工適性と硬化
物の物性とを調整することもできる。
【0019】以上のような1官能性アクリレートモノマ
ーとしては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシ
ルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が、
また2官能アクリレートとしてはエチレングリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト等が、また3官能以上のアクリレートとしては、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(テトラ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0020】このような電離放射線硬化性樹脂を硬化さ
せるために紫外線を照射する場合には、光重合開始剤と
して、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラー
ベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、
テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサント
ン類、又、光重合促進剤(増感剤)としてn−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン
等を混合して用いることができる。
【0021】また、電離放射線硬化性樹脂には、硬化物
の可撓性、表面硬度等の物性を調整するための電離放射
線非硬化性樹脂、表面の艶を調整するためのマット剤、
パール顔料、ビーズ顔料、その他の着色顔料等を添加す
ることができる。尚、上記電離放射線非硬化性樹脂はウ
レタン系、繊維素系、ポリエステル系、アクリル系、ブ
チラール系、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可
塑性樹脂が用いられ、特に繊維素系、ウレタン系、ブチ
ラール系が可撓性の点から好ましい。
【0022】本発明において凹凸樹脂層3を透明基材2
の上に形成するには、例えば図8に示すように凹凸樹脂
層3の凹凸模様に対応した凹部8が形成されたロール凹
版7を用い、該ロール凹版7の凹部8にも充填されるよ
うに、前述の如き電離放射線硬化性樹脂3aをロール凹
版7に塗工し、ロール凹版7の側面に塗工された電離放
射線硬化性樹脂3aに透明基材2を押圧ロール13を用
いて接触させ、電離放射線硬化性樹脂3aが透明基材2
とロール凹版7との間に保持されている間(具体的には
図中の押圧ロール10と送りロール11との間に位置し
ている時期)に電離放射線照射装置12から電離放射線
を照射して電離放射線硬化性樹脂3aを硬化させ、電離
放射線硬化性樹脂3aと透明基材2とを密着させて、透
明基材2に凹凸樹脂層3を設けるのが好ましい。
【0023】このようにして、ロール凹版7の凹部8に
も充填されるように該ロール版6に塗工した電離放射線
硬化性樹脂3aを、ロール凹版7とフィルム基材2bと
の間に保持されている間に電離放射線を照射して硬化さ
せることによって凹凸樹脂層3を形成すると、該凹凸樹
脂層3の凸部形状を再現性良好に形成することができ
る。
【0024】照射装置12を通過した後、透明基材2を
ロール凹版7から剥離すると、硬化した電離放射線硬化
性樹脂3aからなる凹凸樹脂層3が該透明基材2と一体
となり凹凸基材4が形成される。尚、一度硬化してロー
ル凹版7の凹部8より脱離した電離放射線硬化性樹脂3
aに、電離放射線照射装置13を用いて電離放射線を更
に照射して、より充分に硬化させることもできる。
【0025】電離放射線硬化性樹脂3aをロール凹版7
に塗工する手段としては、図8に示すようにTダイ型の
ノズル塗工装置14を用いることができるが、これ以外
にもロールコート法、ナイフコート法等の適当な手段の
塗工装置を用いることができる。また、上記樹脂3aの
塗工は、気泡混入防止及び凹部8の形状の忠実な再現性
の為には、ロール凹版7側に塗工することが望ましい
が、透明基材2の側に塗工し、その後ロール凹版7に塗
工面を押圧することによって凹凸形状を付与することも
できる。
【0026】ロール凹版7に樹脂を塗工する際に樹脂の
流動性をある程度制御するために、溶剤タイプの電離放
射線硬化性樹脂を使用することができる。この場合、温
風や赤外線ヒーター等の乾燥装置15を用い、電離放射
線を照射する前に樹脂中の溶剤を乾燥する。溶剤型の樹
脂を用いると使用する樹脂の選択の幅が広がり塗工性の
調節も容易になる。尚、無溶剤型の電離放射線硬化性樹
脂を用いる場合は、乾燥装置15は不要である。
【0027】また、ロール凹版7と押圧ロール10の間
の間隙や圧力を調節して凹凸樹脂層3の厚さをコントロ
ールすることができる。また本発明においては、凹部8
に充填した樹脂以外をドクターブレート等で除去するこ
とにより凸部のみの凹凸樹脂層3を形成することができ
る。
【0028】電離放射線照射装置12、13としては、
紫外線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低
圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メ
タルハライドランプ等の光源を用いることができる。ま
た、電子線を照射する場合には、コックロフトワルトン
型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器
型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の
各種電子線加速器等を用いる。尚、電子線を照射する場
合、通常100〜1000keV、好ましくは100〜
300keVのエネルギーを持つ電子を0.1〜30M
rad程度の照射量で照射する。
【0029】前述のロール凹版7は、クロムメッキした
銅、鉄等の金属、ガラス、石英等のセラミックス、シリ
コン樹脂等の合成樹脂を用い、光腐食法、電鋳法、ミル
加工法等の公知の方法により凹部を形成することができ
る。尚、電離放射線照射時の透明基材2及び塗工樹脂3
aの熱損傷防止の為、あるいはまた塗工樹脂3aの粘度
調整の為にロール凹版7を中空または2重壁とし、その
内部に冷水または温水、冷気または熱気を供給すること
によりロール凹版7の版面を温度調節することが好まし
い。
【0030】一般に、電離放射線の照射は図示したよう
に透明基材2側から行なわれるが、ロール凹版7を石
英、ガラス等の電離放射線透過性材質により形成して、
凹版6の内部側より照射することもできる(具体的には
ロール中空内に設置した照射装置により)。またフィル
ム基材側と凹版内部側と両側から照射してもよい。但
し、透明基材2側から電離放射線を照射する場合には該
透明基材2は電離放射線透過性であることが必要であ
る。
【0031】本発明化粧シート1に用いる光輝性樹脂層
5は、透明性と光輝性を有する樹脂から形成され、透明
樹脂に光輝性顔料を分散したものが用いられるが、上記
光輝性樹脂層5は、不透明基材6の表面の色や図柄模様
が認識できれば良く半透明のものも含まれる。また、上
記光輝性顔料としては、例えば、1)パール顔料と称す
るもので、具体的には貝殻の内側の部分や真珠を粉砕し
たもの、マイカの微粒子に酸化チタン又は酸化鉄を焼き
つけたもの、2)金属粉(例えば銅、アルミニウム、真
鍮、青銅、金、銀等)の好ましくは1〜120μmの微
粒子、3)蒸着されたプラスチックの破片、例えばポリ
エチレンテレフタレートフィルムに上記のような金属
(通常はアルミニウム)を蒸着して粉砕したもの(銀色
粉)、蒸着の後透明な黄色塗装を行って粉砕したもの
(金色粉)等がある。
【0032】上記光輝性樹脂層5を介して透明基材2と
積層される不透明基材6の材質は、化粧シート1の色調
を与える不透明な着色樹脂が通常用いられる。
【0033】本発明化粧シート1は、透明基材2の凹凸
樹脂層3側と不透明基材6の間に、透明性と光輝性を有
する光輝性樹脂層5が設けられているので、内部の光輝
性樹脂層5は化粧シート1に入射した光を乱反射するた
め、光輝性樹脂層5の表面にある凹凸樹脂層3の凹凸形
状が鮮明にきわ立ち、不透明基材6の着色された表面と
相俟って、厚み方向に変化に富み深みのある凹凸感が発
現し、意匠的に優れたものである。また、本発明におい
ては図4に示すように、透明基材2の凹凸樹脂層3側及
び/又は不透明基材6の光輝性樹脂層5側に、図柄模様
層16を設けて意匠性を更に向上させることもできる。
【0034】上記図柄印刷層16は、ベヒクルに必要に
応じて、公知の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶
剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した印
刷用インキにて印刷される。上記ベヒクルとしては熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の中
から必要な物性、印刷適性等に応じて適宜選択したもの
を使用する。また、顔料としては、通常使用される有機
系又は無機系の顔料が使用できる。希釈溶剤としてはベ
ヒクルの樹脂、顔料等の着色剤、その他添加物の溶解、
分散能力があり、また適度な乾燥性を有する液体溶剤が
使用される。一般には、溶解度パラメータがベヒクルと
近似する液体溶剤を選定するのが溶解性の点から好まし
い。尚、図柄印刷層16は、透明基材2及び/又は不透
明基材6の一部にパターン状(例えば木目、布目、図
形、文字等の絵柄模様)に設けるても、該透明基材2及
び/又は不透明基材6の全面に設けても良い。
【0035】次に、本発明化粧材の製造方法について説
明する。化粧シート1を製造するには、例えば図5に示
すように、ロール17から凹凸基材4を供給して該凹凸
基材4の凹凸樹脂層3側に、リバースロールコーター等
の塗工装置19を用いて光輝性顔料を添加した透明樹脂
3を塗工する。次に、透明樹脂5を塗工した凹凸基材4
を乾燥ゾーン20に通して透明樹脂5を乾燥させた後、
不透明基材6をロール18から供給して該不透明基材6
を透明樹脂5を介して凹凸基材4に積層し、加熱ロール
21で凹凸基材4と不透明基材6とを加熱圧着してラミ
ネートする(ドライラミネート法)。凹凸基材4と不透
明基材6との貼り合わせは、上記したようなドライラミ
ネート法によって行うのが好ましいが、液状の紫外線硬
化性樹脂又は電子線硬化性樹脂に前述の光輝性顔料を分
散させたものを接着剤として用い、紫外線(UV)又は
電子線(EB)で接着させる、所謂UVウエットラミネ
ート、EBウエットラミネート等他のラミネート法によ
り行うこともできる。
【0036】また、ラミネート法以外にも図4に示すよ
うに不透明基材6に、グラビアダイレクトコート、グラ
ビアリバースコート、リバースロールコート、グラビア
ダイレクトロールコート、グラビアリバースロールコー
ト、ロールコート、ナイフコート等の適当な方法により
透明樹脂5を塗工した後、これに凹凸基材4を凹凸樹脂
層3側から貼り合わせることもできる。この場合、合板
等の他の基材に積層した不透明基材6を用いても良い。
【0037】凹凸基材4と不透明基材6とを貼り合わせ
る透明樹脂5は、両者を貼り合わせる方法や、要求され
る物性等に応じて、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、また
は電離放射線硬化性樹脂等から適宜選択して用いられ、
上記凹凸基材4及び不透明基材6を貼り合わせた後、光
輝性樹脂層5を形成する。
【0038】本発明の化粧シート1を使用するにあたっ
ては、裏面側の不透明基材6を被貼着体の上に貼付し
て、化粧シート1の表面側から意匠が見えるように使用
すればよい。また、本発明の化粧シート1の被貼着体は
特に限定されず、プラスチック、容器、家具、壁、家電
等の種々の被貼着体に使用することができる。特にガラ
ス等のように透明な被貼着体の場合には、本発明の化粧
シート1を上記のように被貼着体の外部側に貼るだけで
はなく、内部側に貼ってガラス窓等の透明な被貼着体に
意匠を付与することもできる。尚、この場合粘着剤は透
明な材質を用いる。
【0039】次に具体的実施例を挙げて、本発明を更に
詳しく説明する。
【0040】〔実施例1〕 0.1mmの茶褐色に着色されたポリ塩化ビニルフ
ィルム(可塑剤DOP20重量部)に、グラビア印刷に
より図柄印刷層を設けた。 図8の装置を用い、紫外線硬化性樹脂(ウレタンオ
リゴマーを主体とする)を図3に示すパターンで凹部及
び凸部の幅が30μm、深さが10μmのロール凹版に
塗工し、50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)透明フィルム〔帝人製:HP−7〕を塗工
された紫外線硬化型樹脂に接触させ、該樹脂を紫外線照
射により硬化させた後、PETフィルムに賦形された硬
化樹脂を接着させたままPETフィルムをロール凹版か
ら剥離し、上記PETフィルムに凹凸樹脂層を設けた。 接着剤(イソシアネート硬化型ポリウレタン)にパ
ール顔料(二酸化チタン被覆雲母の鱗片状粒子)を50
重量部分散させたものを用いて、上記、で得られた
フィルムを、それぞれ図柄印刷層、凹凸樹脂層を向かい
合わせて、ニップロール間でドライラミネートして40
度雰囲気中で3日間養生して接着を完了させて化粧シー
トを得た。
【0041】〔実施例2〕 25μmの2軸延伸PET透明フィルム〔帝人製:
HP−7〕に、グラビア印刷により図柄印刷層を設け
た。 図4に示すパターンで凹部及び凸部の幅が10μ
m、深さが10μmの凹凸が刻設されたロール凹版を用
いて、実施例1のと同様な方法によって、上記で得
られたフィルムに凹凸樹脂層を設けた。 接着剤(多官能ポリエステルアクリレートオリゴマ
ーを用いた紫外線硬化性のもの)にパール顔料(二酸化
チタン被覆雲母の鱗片状粒子)を30重量部分散させた
ものを用いて、上記で得られたフィルムと、0.1m
mの黒色のポリ塩化ビニルフィルム(可塑剤はトリメリ
ット酸系を10重量部)を、それぞれ凹凸樹脂層、図柄
印刷層を向かい合わせて、ニップルロール間でドライラ
ミネートした後、水銀灯で紫外線を照射して接着を完了
させて化粧シートを得た。
【0042】上記実施例1及び2で得られた化粧シート
は、いづれも鮮明な凹凸模様が観察され、深みのある立
体感を有する意匠性の優れたものであった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明化粧シート
は、透明基材の裏面に凹凸樹脂層が設けられた凹凸基材
と、不透明基材とを、上記凹凸基材の凹凸樹脂層側が、
上記不透明基材と対面するように透明で光輝性を有する
光輝性樹脂層を介して積層一体化された構成を有するこ
とにより、単に光輝性顔料により着色した基材層に凹凸
を賦型した樹脂層と透明な樹脂層を貼り合わせてなる従
来の化粧シートと比較して、透明性と光輝性を有する光
輝性樹脂層によって凹凸樹脂層の凹凸形状が鮮明にきわ
立ち、厚み方向に変化に富んだより深みのある凹凸感が
発現し、立体感に富み意匠的に優れた立体感が付与され
たものである。
【0044】また、特定の凹凸模様を付与することによ
り該凹凸模様それ自体は目視で殆ど確認されず、その代
わり入射光の入射方向と観察者の観察する方向との組み
合わせに対して、特定の方向に凹凸模様がはしる領域の
みが明るく輝き、該領域が周囲よりも視覚的に突出して
見えるという視覚的効果を奏し、種々の立体的に突出す
る光輝性パターンを得ることができる。更に、該光輝性
パターンは光源からの光入射方向、観察方向の組み合わ
せを変えると、明暗(突出、凹陥)の領域が反転(或い
は、移動)するものである。
【0045】また、内部の凹凸がエンボスにより付与さ
れた従来の化粧シートと比べて、予め凹凸が形成された
凹凸基材を用いているため、シャープな内部凹凸を有す
る意匠が得られ、経時変化等のない優れたものである。
特に、電離放射線硬化性樹脂で凹凸樹脂層を形成した場
合、該凹凸樹脂層は耐溶剤性、耐久性等に優れたものと
なるため、化粧シート製造時の貼り合わせ工程における
加熱、加圧、或いは溶剤によって凹凸形状の輪郭がボケ
たりすることなく、凹凸形状のよりシャープなものが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧シートの実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明化粧シートの他の実施例を示す縦断面図
である。
【図3】本発明化粧シートの凹凸模様の一例を示す要部
平面図である。
【図4】本発明化粧シートの凹凸模様の他の一例を示す
要部平面図である。
【図5】本発明化粧シートに設けられる凹凸模様の一部
を示す断面図である。
【図6】光源からの光入射方向と観察方向の組み合わせ
を変えたときに観察される凹凸模様の明暗を説明する模
式図である。
【図7】光源からの光入射方向と観察方向の組み合わせ
による明暗の変化を示す模式図である。
【図8】本発明化粧シートの凹凸基材の製造方法の一例
を示す概略図である。
【図9】本発明化粧シートの他の実施例を示す縦断面図
である。
【図10】本発明化粧シートの製造方法の一例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 透明基材 3 凹凸樹脂層 3a 電離放射線硬化性樹脂 4 凹凸基材 6 不透明基材 5 光輝性樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材の裏面に凹凸樹脂層が設けられた
    凹凸基材と、不透明基材とを、上記凹凸基材の凹凸樹脂
    層側が、上記不透明基材と対面するように透明で光輝性
    を有する光輝性樹脂層を介して積層一体化されているこ
    とを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】凹凸樹脂層が電離放射線硬化性樹脂により
    形成されている請求項1記載の化粧シート。
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