JP2006264121A - 化粧材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 建築物の、特に内装表面材として、または家具やキャビネット類の面材として使用することのできる化粧材に、金属粉やパール顔料等の光輝性物質をフィルムや樹脂に練り込まなくても、立体的な光沢感と自然な光輝感が発現する装飾性の良い化粧材を生産性よく製造する。
【解決手段】 化粧材は、第1基材3と、第1基材3表面に接着された延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム4と、透明性フィルム4の表面に形成された無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8とからなる。透明性フィルム4と第1基材3との間には着色化粧層5が設けられている。透明性フィルム4の表面側には細かなエンボス凹凸模様7が全面又は部分的に多数刻設される。無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8は、透明性フィルム4の表面側に刻設された細かなエンボス凹凸模様7を埋設する。
【選択図】 図1
【解決手段】 化粧材は、第1基材3と、第1基材3表面に接着された延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム4と、透明性フィルム4の表面に形成された無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8とからなる。透明性フィルム4と第1基材3との間には着色化粧層5が設けられている。透明性フィルム4の表面側には細かなエンボス凹凸模様7が全面又は部分的に多数刻設される。無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8は、透明性フィルム4の表面側に刻設された細かなエンボス凹凸模様7を埋設する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、家具やキャビネット類の面材として、或いは建築物の内装表面材として使用することのできる装飾性の良い化粧材およびその製造方法に関し、特に立体的な光沢感と自然な光輝感とを併せもって発現することができるものに関する。
従来から、キッチンキャビネット等のキャビネット類や家具の扉などの面材、或いは壁材などの内装用表面材として、立体感と光沢感、光輝感を発現する化粧シート等の化粧材が知られており、例えば、特許文献1乃至3などに記載されている。
特許文献1に記載の化粧シートは、表面から順に、透明樹脂フィルム、表面にエンボス模様が形成されたパール顔料等の光沢顔料含有の樹脂フィルム、及び不透明基材シートで構成されている。特許文献2に記載の化粧シートは、表面から順に、紫外線硬化型樹脂層、パール顔料等の光輝性顔料含有の透明樹脂製シート、及び塩化ビニル樹脂製シートで構成されている。また、特許文献3に記載の化粧シートは、表面から順に、平滑透明な樹脂フィルム、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂よりなる透明インキ層、表面にエンボス凹凸模様が形成された透明層、パールインキ等の光輝性インキにより形成された絵柄印刷模様及び着色樹脂材料よりなる基材層で構成されている。
特開平5−92538号公報
特開平7−256834号公報
特開平2003−136666号公報
しかしながら、このような従来の化粧シートは、金属粉やパール顔料等の光輝性物質をフィルムや樹脂に練り込んだり、シート表面を光輝性インキで絵柄印刷するものであるので、光沢感や光輝感が如何にも人工的であり、また高価な光輝性物質を混入する手間もかかるので、生産が煩雑となり生産コストも高くなるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、パール顔料等の光輝性物質を用いなくとも立体的な光沢感、自然な光輝感を発現することのできる装飾性の良い化粧材および該化粧材を生産性良く製造することができる化粧材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、表面に光輝感を有する化粧材として、基材表面に延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムを接着させ、該透明性フィルム表面側にエンボス凹凸模様を刻設し、さらに、上記透明性フィルムの表面に上記エンボス凹凸模様を埋設するように無溶剤系透明性樹脂塗料よりなる塗膜層を形成することを特徴とする。
具体的に、請求項1に記載の化粧材は、基材と、該基材表面に接着された延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムと、該透明性フィルムの表面に形成された無溶剤系透明性樹脂塗料よりなる塗膜層とからなり、上記透明性フィルムと基材との間には着色化粧層が設けられているとともに上記透明性フィルムの表面側には細かなエンボス凹凸模様が全面又は部分的に多数刻設されてなり、上記塗膜層は、上記透明性フィルムの表面側に刻設されたエンボス凹凸模様を埋設するように設けられて、表面に、着色化粧層と、塗膜層に埋設された細かなエンボス凹凸模様による立体的な光沢感を現出させるようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の化粧材は、請求項1に記載の発明において、上記透明性フィルムの厚さは4μm〜200μmであり、上記透明性フィルムの表面側に刻設された細かなエンボス凹凸模様の深さは20μm〜500μmであることを特徴とする。
請求項3に記載の化粧材は、請求項1又は2に記載の発明において、上記着色化粧層は、上記透明性フィルムの裏面に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の化粧材は、請求項1乃至3のいすれか1に記載の発明において、上記基材は、上記透明性フィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂製シートからなることを特徴とする。
請求項5に記載の化粧材は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の発明において、上記基材は、上記透明性フィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂製シートよりなる表面側の第1基材と、シート状物又は板状物よりなる裏面側の第2基材とからなることを特徴とする。
請求項6に記載の化粧材は、請求項4又は5に記載の発明において、上記熱可塑性樹脂製シートは、非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シートからなることを特徴とする。
請求項7に記載の化粧材は、請求項4乃至6のいずれか1に記載の発明において、上記エンボス凹凸模様は、上記熱可塑性樹脂製シートの内部に至る深さに刻設されていることを特徴とする。
請求項8に記載の化粧材の製造方法は、熱可塑性樹脂製シートよりなる基材の表面に、裏面側に印刷又は塗装により着色化粧層が設けられた、上記熱可塑性樹脂製シートよりも融点の高い厚さ4μm〜200μmの延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムを積層又は積層接着した後、該透明性フィルムの表面を細かな凹凸模様が付刻されたエンボス型により加熱加圧することで該透明性フィルムの表面に細かなエンボス凹凸模様を20μm〜500μmの深さとなるように刻設し、次いで、上記エンボス凹凸模様面に、該エンボス凹凸模様が埋設されるように無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布して硬化させることにより、塗膜層を形成することを特徴とする。
請求項9に記載の化粧材の製造方法は、熱可塑性樹脂製シートよりなる第1基材の表面に、裏面側に印刷又は塗装により着色化粧層が設けられた、上記熱可塑性樹脂製シートよりも融点の高い厚さ4μm〜200μmの延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムを積層又は積層接着した後、該透明性フィルムの表面を細かな凹凸模様が付刻されたエンボス型により加熱加圧することで該透明性フィルムの表面に細かなエンボス凹凸模様を20μm〜500μmの深さとなるように刻設し、次いで、上記第1基材と上記透明性フィルムとの積層接着物を、第2基材の表面に接着剤を介して接着した後、上記エンボス凹凸模様面に、該エンボス凹凸模様が埋設されるように無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布して硬化させることにより、塗膜層を形成することを特徴とする。
請求項10に記載の化粧材の製造方法は、請求項8又は9に記載の発明において、上記熱可塑性樹脂製シートは、非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シートからなることを特徴とする。
請求項11に記載の化粧材の製造方法は、請求項8乃至10のいずれか1に記載の発明において、上記エンボス凹凸模様は、上記熱可塑性樹脂製シートの内部に至る深さに刻設されていることを特徴とする。
請求項1の発明に係る化粧材は、基材表面に延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルムが接着され、該透明性フィルムと基材との間に着色化粧層が設けられ、上記透明性フィルムの表面側に細かなエンボス凹凸模様が全面又は部分的に多数刻設され、該エンボス凹凸模様面に、無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層が、上記エンボス凹凸模様を埋設するように設けられているので、着色化粧層や透明性フィルム等にパール顔料等の光輝性物質を混入していなくとも、着色化粧層が、透明性フィルムと無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層を介して、また、透明性樹脂フィルム表面のエンボス凹凸模様が、無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層を介して、立体的な光沢感、自然な光輝感をもって表面に現出することになり、装飾性のよい外観を呈することができる。
請求項2の発明に係る化粧材は、請求項1の発明において、透明性フィルムの厚さとエンボス凹凸模様の深さの好適な範囲を示したものである。
請求項3の発明に係る化粧材は、請求項1又は2に記載の発明において、延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルムの裏面に着色化粧層が形成されているので、透明性フィルムと無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層を介して、所望の着色化粧層を鮮明に表面に現出させることができる。
請求項4の発明に係る化粧材は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の発明において、基材として上記透明性フィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂製シートを用いているので、熱圧により基材内にまで達するエンボス凹凸模様を容易に形成することができる。
請求項5の発明に係る化粧材は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の発明において、
基材として、熱可塑性樹脂製シートよりなる表面側の第1基材を、シート状物又は板状物からなる裏面側の第2基材に接着させてなるので、剛性を向上させて、利用方法に適した化粧板を提供することができる。
基材として、熱可塑性樹脂製シートよりなる表面側の第1基材を、シート状物又は板状物からなる裏面側の第2基材に接着させてなるので、剛性を向上させて、利用方法に適した化粧板を提供することができる。
請求項6の発明に係る化粧材は、請求項4又は5に記載の発明において、基材に用いる熱可塑性樹脂製シートには、エンボス凹凸模様を形成するのに好適な非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シートを用いているので、鮮明なエンボス凹凸模様を形成でき、立体的な光沢感を現出させることができる。
請求項7の発明に係る化粧材は、請求項4乃至6に記載の発明において、エンボス凹凸模様が、基材の内部に至る深さに刻設されているので、深みのあるシャープなエンボス凹凸模様を形成することができる。
請求項8の発明に係る化粧材の製造方法は、透明性フィルムの厚さとエンボス凹凸模様の深さの好適な範囲を示したものであり、請求項2の発明の効果を有する化粧材を、エンボス加工性よく、さらに生産性よく製造することができる。
請求項9の発明に係る化粧材の製造方法は、熱可塑性樹脂製シートからなる表面側の第1基材を、シート状物又は板状物からなる裏面側の第2基材に接着させているので、請求項5の発明の効果を有する化粧材を生産性よく製造することができる。
請求項10の発明に係る化粧材の製造方法は、請求項8又は9に記載の発明において、
基材に用いるのに好適な熱可塑性樹脂製シートを示し、請求項6の発明の効果を有する化粧材に鮮明なエンボス凹凸模様を形成して、立体的な光沢感を現出させて製造することができる。
基材に用いるのに好適な熱可塑性樹脂製シートを示し、請求項6の発明の効果を有する化粧材に鮮明なエンボス凹凸模様を形成して、立体的な光沢感を現出させて製造することができる。
請求項11の発明に係る化粧材の製造方法は、請求項8乃至10のいずれか1に記載の発明において、エンボス凹凸模様の深さの好適な範囲を示し、請求項7の発明の効果を有する化粧材に、深みのあるシャープなエンボス凹凸模様を形成することができる。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1はこの発明の実施形態1に係る化粧材Aを示す。
図1はこの発明の実施形態1に係る化粧材Aを示す。
化粧材Aは、板状の第2基材1の表面に接着剤層2を介して熱可塑性樹脂製シートよりなる第1基材3が接着され、該第1基材3の表面に、裏面側に着色化粧層5が設けられた2軸延伸法で製造された延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルム4が、接着剤層6を介して接着され、さらに、上記透明性フィルム4の表面から第1基材3の内部に到達するようにエンボス凹凸模様7が全面に或いは部分的に多数刻設され、そして、上記エンボス凹凸模様7のエンボス凹部を埋設するように無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布してなる塗膜層8がその表面が略平滑となるように形成されて構成されている。
以下、本発明の実施形態1の構成要素について詳細に説明する。
(1)第1基材3に用いることができる熱可塑性樹脂製シート
加熱によって変形容易な非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シート(以下、非晶質PET樹脂製シートと略す)、ポリメチルメタクリレート樹脂製シート、その他オレフィン系樹脂製シート、ABS系樹脂製シート等を用いることができ、その融点は透明性フィルム4の融点よりも低いものを用いることができる。特に所謂PET−Gと称されるシクロヘキサンジメタノール共重合PETは、その融点が130℃程度と低く、エンボス加工適性が良いので好ましい。このような熱可塑性樹脂製シートは、それ自体の内部にまでエンボス凹凸模様7を刻設するために、その厚さは20μm〜1000μmであるのが好ましい。
加熱によって変形容易な非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シート(以下、非晶質PET樹脂製シートと略す)、ポリメチルメタクリレート樹脂製シート、その他オレフィン系樹脂製シート、ABS系樹脂製シート等を用いることができ、その融点は透明性フィルム4の融点よりも低いものを用いることができる。特に所謂PET−Gと称されるシクロヘキサンジメタノール共重合PETは、その融点が130℃程度と低く、エンボス加工適性が良いので好ましい。このような熱可塑性樹脂製シートは、それ自体の内部にまでエンボス凹凸模様7を刻設するために、その厚さは20μm〜1000μmであるのが好ましい。
(2)板状の第2基材1
第2基材1としては、シート状、又は板状のものを用いることができる。本実施形態では、板状のものを第2基材として用いた場合を例示しており、このような板状の第2基材1として、木材板、木質厚単板、合板、MDF、LVL、パーティクルボード、ウェハーボード、火山性ガラス質複層板(商品名「ダイライト」大建工業株式会社製)、合成樹脂板、金属板等を用いることができる。尚、第2基材1として、シート状のもの同士を複合した複合材、板状のもの同士を複合した複合材、或いはシート状のものと板状のものとを複合した複合材を用いることもできる。
第2基材1としては、シート状、又は板状のものを用いることができる。本実施形態では、板状のものを第2基材として用いた場合を例示しており、このような板状の第2基材1として、木材板、木質厚単板、合板、MDF、LVL、パーティクルボード、ウェハーボード、火山性ガラス質複層板(商品名「ダイライト」大建工業株式会社製)、合成樹脂板、金属板等を用いることができる。尚、第2基材1として、シート状のもの同士を複合した複合材、板状のもの同士を複合した複合材、或いはシート状のものと板状のものとを複合した複合材を用いることもできる。
(3)接着剤層2
接着剤層2に用いる接着剤は、特に限定されない。例えば湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂接着剤や酢酸ビニル樹脂系接着剤を用いることができる。
接着剤層2に用いる接着剤は、特に限定されない。例えば湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂接着剤や酢酸ビニル樹脂系接着剤を用いることができる。
(4)延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム4
延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム4には、2軸延伸法で製造される所謂O−PET、C−PET等の結晶質PET樹脂からなる透明性フィルム4を最も好適に用いることができる。このような延伸配向性の結晶質PET樹脂からなる透明性フィルム4は、耐薬品性、耐溶剤性、耐久性、耐劣化性、耐熱性、耐白濁性等に優れ、また透明性や光の屈折率にも優れている。このような透明性フィルム4の厚さは、4μm〜200μm程度のものを用いることができる。特に上記O−PET、C−PETを用いる場合には、このようなPET樹脂は融点が高く加熱によって変形し難いので、4μm〜100μm程度の比較的薄い透明性フィルムを用いるのが、その表面にシャープで鮮明なエンボス凹凸模様7を刻設するためには好ましい。
延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム4には、2軸延伸法で製造される所謂O−PET、C−PET等の結晶質PET樹脂からなる透明性フィルム4を最も好適に用いることができる。このような延伸配向性の結晶質PET樹脂からなる透明性フィルム4は、耐薬品性、耐溶剤性、耐久性、耐劣化性、耐熱性、耐白濁性等に優れ、また透明性や光の屈折率にも優れている。このような透明性フィルム4の厚さは、4μm〜200μm程度のものを用いることができる。特に上記O−PET、C−PETを用いる場合には、このようなPET樹脂は融点が高く加熱によって変形し難いので、4μm〜100μm程度の比較的薄い透明性フィルムを用いるのが、その表面にシャープで鮮明なエンボス凹凸模様7を刻設するためには好ましい。
(5)着色化粧層5
本実施形態では、着色化粧層5を、透明性フィルム4の裏面に着色塗料の塗布やグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、転写印刷等の印刷により設けた例を示している。上記着色化粧層5を予め透明性フィルム4の裏面に接着しておくと生産効率が良いが、着色化粧層5の形成は、このような方法に限らず、例えば、上記接着剤に着色剤を混入しておくことにより、形成される接着剤層6を着色化粧層5とすることもできる。また、透明性接着剤を用いた場合には、第1基材3の少なくとも表面を着色化粧して着色化粧層5とすることもできる。その他、例えば接着剤層6の少なくとも表面を着色して着色化粧層5にすることもでき、また、接着剤層6と透明性フィルム4の間に着色化粧を施したフィルムやシートを介在させて接着して着色化粧層5とすることもできる。さらには、接着剤層6が透明乃至半透明である場合には、第1基材3の表面色や表面模様を着色化粧層5とすることもできる。なお、着色化粧層5の色調や柄は任意であるが、白色或いはそれに近い淡色であるよりも、茶色、黒色、紺色、赤紫色、モスグリーンのような濃色である方が、光輝の現出が目立つので好ましい。
本実施形態では、着色化粧層5を、透明性フィルム4の裏面に着色塗料の塗布やグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、転写印刷等の印刷により設けた例を示している。上記着色化粧層5を予め透明性フィルム4の裏面に接着しておくと生産効率が良いが、着色化粧層5の形成は、このような方法に限らず、例えば、上記接着剤に着色剤を混入しておくことにより、形成される接着剤層6を着色化粧層5とすることもできる。また、透明性接着剤を用いた場合には、第1基材3の少なくとも表面を着色化粧して着色化粧層5とすることもできる。その他、例えば接着剤層6の少なくとも表面を着色して着色化粧層5にすることもでき、また、接着剤層6と透明性フィルム4の間に着色化粧を施したフィルムやシートを介在させて接着して着色化粧層5とすることもできる。さらには、接着剤層6が透明乃至半透明である場合には、第1基材3の表面色や表面模様を着色化粧層5とすることもできる。なお、着色化粧層5の色調や柄は任意であるが、白色或いはそれに近い淡色であるよりも、茶色、黒色、紺色、赤紫色、モスグリーンのような濃色である方が、光輝の現出が目立つので好ましい。
(6)透明性フィルム4と第1基材3との接着
本実施形態では、接着剤層6は、溶剤系2液ウレタン樹脂系接着剤をドライラミネート法を適用して形成したものを示している。この他に、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト樹脂接着剤、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、シアノアクリレート系、ニトリルゴム系のもの等を用いることができる。例えば、溶剤系2液ウレタン樹脂接着剤を熱可塑性樹脂製シートの表面に塗布し、溶剤を揮発させて半乾き状態にした後、両者を接着するドライラミネート法や、ホットメルト接着剤を使用する方法は生産作業性が良いので好ましい。尚、この透明性フィルム4と第1基材3との接着は、第1基材3に自己融着性のある熱可塑性樹脂製シートを用いる場合には、接着剤の塗布を省略して接着剤層6を介在させずに、直接両者を融着によって接着させることもできる。特に、ホットメルト樹脂接着剤は、熱により軟化するので後加工としてVカット折り曲げ加工等の曲げ加工を容易に行うことができ、また、加熱エンボス型9によって、第1基材3に至る深さのシャープなエンボス凹凸模様7を形成することができるので好ましい。また、ホットメルト樹脂接着剤は溶剤を必要としないため、VOCの発生がなく生産作業性に優れ、冷却により固化するので乾燥工程や接着剤硬化工程を必要としない。尚、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト樹脂接着剤は、耐熱性が良いという利点もある。
本実施形態では、接着剤層6は、溶剤系2液ウレタン樹脂系接着剤をドライラミネート法を適用して形成したものを示している。この他に、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト樹脂接着剤、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、シアノアクリレート系、ニトリルゴム系のもの等を用いることができる。例えば、溶剤系2液ウレタン樹脂接着剤を熱可塑性樹脂製シートの表面に塗布し、溶剤を揮発させて半乾き状態にした後、両者を接着するドライラミネート法や、ホットメルト接着剤を使用する方法は生産作業性が良いので好ましい。尚、この透明性フィルム4と第1基材3との接着は、第1基材3に自己融着性のある熱可塑性樹脂製シートを用いる場合には、接着剤の塗布を省略して接着剤層6を介在させずに、直接両者を融着によって接着させることもできる。特に、ホットメルト樹脂接着剤は、熱により軟化するので後加工としてVカット折り曲げ加工等の曲げ加工を容易に行うことができ、また、加熱エンボス型9によって、第1基材3に至る深さのシャープなエンボス凹凸模様7を形成することができるので好ましい。また、ホットメルト樹脂接着剤は溶剤を必要としないため、VOCの発生がなく生産作業性に優れ、冷却により固化するので乾燥工程や接着剤硬化工程を必要としない。尚、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト樹脂接着剤は、耐熱性が良いという利点もある。
(7)透明性フィルム4表面側に設けるエンボス凹凸模様7
エンボス凹凸模様7は、20μm〜500μm程度の深さに形成されるのが好ましい。本実施形態では図1に示すように、その深さが透明性フィルム4の表面から第1基材3である熱可塑性樹脂製シートの内部に到達するように形成されており、シャープな立体感と良好な光輝感を発現することができる。また、透明性フィルム4の内部に止まるものとすることもできるが、上記良好な立体感と光輝感を現出させるには、上記図1のように透明性フィルム4の表面から第1基材3の内部に到達する深さに形成するのが好ましい。
エンボス凹凸模様7は、20μm〜500μm程度の深さに形成されるのが好ましい。本実施形態では図1に示すように、その深さが透明性フィルム4の表面から第1基材3である熱可塑性樹脂製シートの内部に到達するように形成されており、シャープな立体感と良好な光輝感を発現することができる。また、透明性フィルム4の内部に止まるものとすることもできるが、上記良好な立体感と光輝感を現出させるには、上記図1のように透明性フィルム4の表面から第1基材3の内部に到達する深さに形成するのが好ましい。
(8)エンボス凹凸模様7の形状とパターン
エンボス凹凸模様7の形状は、特に限定されるものではないが、例えば布目模様状、石目模様状、皺模様状等の細かな模様であることが光沢感や光輝感を現出する上で好ましく、また、透明性フィルム4の表面全面に設けることは勿論のこと、その表面の一部に、例えば、ストライプ状、額縁状、幾何学模様状、動植物の形状模様等任意のパターンに設けることができる。
エンボス凹凸模様7の形状は、特に限定されるものではないが、例えば布目模様状、石目模様状、皺模様状等の細かな模様であることが光沢感や光輝感を現出する上で好ましく、また、透明性フィルム4の表面全面に設けることは勿論のこと、その表面の一部に、例えば、ストライプ状、額縁状、幾何学模様状、動植物の形状模様等任意のパターンに設けることができる。
(9)無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8
塗膜層8を構成する無溶剤系透明性樹脂塗料は、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線(UV)や電子線(EB)で硬化するアクリル系樹脂塗料を好適に用いることができる。そして、この塗膜層8は、上記エンボス凹凸模様7の深さより大きい寸法の厚さ、例えばエンボス凹凸模様7の深さが20μmの場合には30μm、200μmの場合には230μmのように形成されて、エンボス凹凸模様7の凹部を埋設するように形成されている。尚、本実施形態を示す図1では、塗膜層8の表面が略平滑面となるように上記エンボス凹凸模様7の凹部を上記透明性樹脂塗料で完全に埋設するようにした例を示したが、これに限らず、図2のように上記塗膜層8の表面に上記エンボス凹凸模様7の凸部の上部が現れるような半埋設状態に埋設することもできる。
塗膜層8を構成する無溶剤系透明性樹脂塗料は、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線(UV)や電子線(EB)で硬化するアクリル系樹脂塗料を好適に用いることができる。そして、この塗膜層8は、上記エンボス凹凸模様7の深さより大きい寸法の厚さ、例えばエンボス凹凸模様7の深さが20μmの場合には30μm、200μmの場合には230μmのように形成されて、エンボス凹凸模様7の凹部を埋設するように形成されている。尚、本実施形態を示す図1では、塗膜層8の表面が略平滑面となるように上記エンボス凹凸模様7の凹部を上記透明性樹脂塗料で完全に埋設するようにした例を示したが、これに限らず、図2のように上記塗膜層8の表面に上記エンボス凹凸模様7の凸部の上部が現れるような半埋設状態に埋設することもできる。
(実施形態2)
図2に実施形態2である化粧材B(シート状)を示す。この化粧材Bは、前記化粧材Aにおける第2基材1及び接着剤層2を設けないシート状の化粧材である。また塗膜層8の表面にエンボス凹凸模様7の凸部上部が現出するように、透明性樹脂塗料が半埋設状態に埋設された例を示している。その他の構成は前記実施形態1の図1と同じである。
図2に実施形態2である化粧材B(シート状)を示す。この化粧材Bは、前記化粧材Aにおける第2基材1及び接着剤層2を設けないシート状の化粧材である。また塗膜層8の表面にエンボス凹凸模様7の凸部上部が現出するように、透明性樹脂塗料が半埋設状態に埋設された例を示している。その他の構成は前記実施形態1の図1と同じである。
(化粧材A及びBの使い方)
次に、本発明に係る実施形態1及び2の化粧材A,Bの使い方について詳細に説明する。
次に、本発明に係る実施形態1及び2の化粧材A,Bの使い方について詳細に説明する。
上記化粧材Aは、第2基材1を有するので、化粧材Aをそのまま直接に上記キッチンキャビネットの扉や側板、或いは内装板等の化粧板として用いることができる。
上記化粧材Bは、その基材3が、樹脂製シート、樹脂製フィルム、木質薄単板のようなフィルム状やシート状のものの場合には、合板、MDF、LVL、パーティクルボード、プラスチック板、金属板、石膏スラグ板、セメントケイ酸カルシウム板、商品名ダイライト(大建工業株式会社製)等の基板に貼り付けて、キッチンキャビネット等の扉や側板、或いは内装板等の化粧板として用いることができる。
また、この化粧材A,Bの裏面の第2基材1又は基板の部分を、表面層を残して裏面に開口する断面略V字状に切り欠いて折り曲げ可能とした、所謂Vカット折り曲げ化粧材に加工すれば、板体、或いは家具やキャビネット等の箱体の表面から角部を介して側面まで連続して貼り付けることのできる化粧材にすることもできる。
さらに、化粧材A及びBに可撓性、柔軟性を付与するように構成しておくと、フラット面でなく表面が曲面状の基板の表面や、基板の表面から角部を介して側面にまで連続してラッピングするように貼り付けることもできる。
(化粧材の製造方法の実施形態1)
次に、図3に基づき本発明の化粧材Aの製造方法について詳細に説明する。
次に、図3に基づき本発明の化粧材Aの製造方法について詳細に説明する。
図3(a)は、透明性フィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂製シートからなる第1基材3の表面に、裏面側に印刷又は塗装により着色化粧層5が設けられた厚さ4μm〜200μmの延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム4を、接着剤層6を介して積層又は積層接着した状態を示す。
同(b)は、上記積層接着物を加熱エンボス型9で押圧して透明性フィルム4の表面に細かなエンボス凹凸模様を刻設しようとする状態を示す。
同(c)は、加熱エンボス型9により透明性フィルム4の表面から熱可塑性樹脂製シートよりなる第1基材3の内部に至るエンボス凹凸模様7を刻設した状態を示す。
同(d)は、板状の第2基材1の表面に、接着剤層2を介して、上記同(c)で製造された積層接着物を接着した状態を示す。
同(e)は、上記第2基材1の表面に接着した積層接着物の表面、つまり透明性フィルム4の表面に無溶剤系透明性樹脂塗料を、エンボス凹凸模様7を埋設するように塗布して、該塗料の塗膜層8を形成し、本発明の化粧材Aを形成した状態を示す。
最初に、図3(a)に示すように、上記のシート状の第1基材3の表面に未硬化の接着剤を塗布する。次に、裏面に予め着色化粧層5を設けた透明性フィルム4を上記第1基材3表面の未硬化の接着剤層6の表面に載置し接着させる。該接着剤の塗布は、ロールコーター、フローコーター等(図示省略)公知の手段で行うことができる。なお、接着剤としてホットメルト樹脂接着剤を用いる場合には、加熱ロールコーターを備えたホットメルト樹脂接着剤塗布装置(図示省略)により行うことができる。ホットメルト樹脂を接着剤として用いる場合は、その塗布の厚さを10μm〜200μm程度に設定する。
次に、同(b)に示すように、70℃〜200℃に加熱した加熱エンボス型9を用意する。そして上記加熱エンボス型9で透明性フィルム4の表面を押圧して、同(c)に示すように、細かなエンボス凹凸模様を第1基材3内に至る深さに形成する。
上記同(c)にはエンボス凹凸模様を第1基材3内に至る深さに形成する例を示したが、エンボス凹凸模様7が接着剤層6に至る場合や、エンボス凹凸模様7が透明性フィルム4に至る場合にすることも勿論可能である。
ここにおいて、加熱エンボス型9は、図3(b)に示すように、表面にエンボス凹凸模様が設けられた板状のエンボス型9であっても、周面にエンボス凹凸模様が設けられたロール状の加熱エンボス型(図示省略)であってもよい。板状の加熱エンボス型9は、ホットプレス等のプレス装置に装着してバッチ式に押圧するようにして用いることができ、また、ロール状の加熱エンボス型は、支持ロールと組み合わせて一対となし、この一対のロール間で被エンボス材を狭圧するようにして用いることができる。さらには、加熱エンボス型9を加熱手段とエンボス型手段とに分離し、加熱手段では、例えば赤外線ヒータを用いて加熱或いは予備加熱し、板状或いはロール状のエンボス型手段で押圧或いは加熱押圧するようにしてもよい。
次に同(d)に示すように、板状の第2基材1の表面に、接着剤層2を介して、上記同(c)で得られた積層接着物を接着させる。
そうして、同(e)に示すように、上記エンボス凹凸模様7を刻設した透明性フィルム4の表面に、このエンボス凹凸模様7が十分に埋設されるように、無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布して表面が平滑な塗膜層8を形成し、本発明の化粧材Aを得る。この無溶剤系透明性樹脂塗料の塗布は、同(e)に示すように、上記エンボス凹凸模様7を十分に埋設させ、平滑な塗布面とするためにフローコーター或いはナイフコーターを用いるのが良い。
上記無溶剤系透明性樹脂塗料は、紫外線硬化型、或いは電子線硬化型のものを用いると、塗膜層8が厚くとも硬化を速め、生産性を良くすることができる。通常は表面の耐傷性などにも優れている透明性アクリル系樹脂塗料を用いる。また、溶剤系の塗料では、硬化収縮するので十分な埋設性が得られないため無溶剤系のものを用いる。
また、形成する塗膜層8の厚さによって、紫外線硬化させるか電子線硬化させるかを決める。塗膜層8の厚さが130μm未満であれば、紫外線硬化と電子線硬化のいずれでも樹脂塗料の硬化に適するが、130μm以上となると、樹脂塗料を良好に硬化させるためには電子線硬化させるのが望ましい。
(化粧材の製造方法の実施形態2)
次に、図2に基づき本発明の化粧材Bの製造方法について説明する。この化粧材Bは、前記化粧材Aにおける第2基材1及び接着剤層2を設けないシート状の化粧材である。また無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8の表面にエンボス凹凸模様7の凸部上部が現出するように、半埋設状態に埋設された例を示している。その他の構成は前記実施の形態1の図1と同じである。
次に、図2に基づき本発明の化粧材Bの製造方法について説明する。この化粧材Bは、前記化粧材Aにおける第2基材1及び接着剤層2を設けないシート状の化粧材である。また無溶剤系透明性樹脂塗料の塗膜層8の表面にエンボス凹凸模様7の凸部上部が現出するように、半埋設状態に埋設された例を示している。その他の構成は前記実施の形態1の図1と同じである。
すなわち、図3(a)〜(c)に示すように、第1基材3、接着剤層6、着色化粧層5、透明性フィルム4からなる積層接着物を用意し、透明性フィルム4の表面からエンボス凹凸模様7を刻設する。そうして、図2に示すように、上記透明性フィルム4の表面に無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布して、塗膜層8の表面にエンボス凹凸模様7の凸部上部が現出するように半埋設状態に埋設することにより化粧材Bを製造する。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例)
2軸延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム(商品名「PETフィルムK−1531」東洋紡績製)の裏面側をコロナ放電処理して厚さ25μmの連続した透明性フィルムを用意し、その裏面側に、グラビアオフセット印刷機を用いて黒色インクをベタ印刷して着色化粧層を形成した透明性フィルムを準備した。また、第1基材として、厚さ200μm、融点130℃のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート製熱可塑性樹脂製シート(所謂PET−G)を準備し、このシート状第1基材の表面に、溶剤系2液ウレタン樹脂接着剤を半乾き状態で約8g/m2 となるように塗布した後、溶剤を揮発させ半乾きの状態で上記透明性フィルムと上記第1基材の熱可塑性樹脂製シートとを積層し、ニップロール等で加熱押圧し接着した。
2軸延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルム(商品名「PETフィルムK−1531」東洋紡績製)の裏面側をコロナ放電処理して厚さ25μmの連続した透明性フィルムを用意し、その裏面側に、グラビアオフセット印刷機を用いて黒色インクをベタ印刷して着色化粧層を形成した透明性フィルムを準備した。また、第1基材として、厚さ200μm、融点130℃のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート製熱可塑性樹脂製シート(所謂PET−G)を準備し、このシート状第1基材の表面に、溶剤系2液ウレタン樹脂接着剤を半乾き状態で約8g/m2 となるように塗布した後、溶剤を揮発させ半乾きの状態で上記透明性フィルムと上記第1基材の熱可塑性樹脂製シートとを積層し、ニップロール等で加熱押圧し接着した。
次に、深さ350μmの布目状の細かなエンボス凹凸模様を周面全面に有した加熱エンボスロール(図示省略)を用いて、上記積層接着物の透明性フィルム面を連続的に押圧し、その表面に上記第1基材の内部に達する約200μmの深さの細かな布目状のエンボス凹凸模様を形成した。
次に、厚さ3mmのMDFからなる第2基材の表面に、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト樹脂接着剤を塗布し、上記エンボス凹凸模様が形成された積層接着物をラミネート法を用いて接着した後、無溶剤系紫外線硬化型透明性アクリル樹脂系塗料をフローコーターにより120g/m2 の割合で塗布して、透明性フィルムの表面の細かな布目状エンボス凹凸模様を、布目の凸部が僅かに表面に現出した略平滑面になるように埋設し、次いで紫外線を照射して上記塗布した塗料を硬化させて、本発明の実施例に係る化粧材を得た。
このようにして得られた化粧材は、黒色で布目状の細かな内部エンボス凹凸模様が立体感と光の反射によるキラキラと輝く自然な光輝感とを持って表面に現出した装飾性の高い外観を有していた。
また、その裏面の第2基材であるMDF部分をVカット加工し、90°の角度に折り曲げ加工を行ったが、その角度表面には割れや亀裂、或いは白濁等の損傷は生じず、良好なVカット加工適正を有していた。
(比較例)
実施例1において、2軸延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルムに代えて、同じ厚さの非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂(所謂PET−G)製透明性フィルムを用い、その他の条件は実施例と同様にして比較例に係る化粧材を製造した。
実施例1において、2軸延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製透明性フィルムに代えて、同じ厚さの非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂(所謂PET−G)製透明性フィルムを用い、その他の条件は実施例と同様にして比較例に係る化粧材を製造した。
この化粧材は、エンボス適正、製造性ともに良好に製造することができ、良好な立体感を有していたが、光輝感の発現は乏しく、その装飾性に劣るものであった。
また、実施例と同様にしてVカット加工を行ったところ、その角部において白濁現象を生じていた。
本発明は、建築物の、特に内装表面材として、または家具やキャビネット類の面材として使用することのできる化粧材及びその製造方法に関する技術について有用である。
1 第2基材
2 接着剤層
3 第1基材
4 透明性フィルム
5 着色化粧層
6 接着剤層
7 エンボス凹凸模様
8 塗膜層
2 接着剤層
3 第1基材
4 透明性フィルム
5 着色化粧層
6 接着剤層
7 エンボス凹凸模様
8 塗膜層
Claims (11)
- 基材と、該基材表面に接着された延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムと、該透明性フィルムの表面に形成された無溶剤系透明性樹脂塗料よりなる塗膜層とからなり、上記透明性フィルムと基材との間には着色化粧層が設けられているとともに上記透明性フィルムの表面側には細かなエンボス凹凸模様が全面又は部分的に多数刻設されてなり、上記塗膜層は、上記透明性フィルムの表面側に刻設されたエンボス凹凸模様を埋設するように設けられていることを特徴とする化粧材。
- 上記透明性フィルムの厚さは4μm〜200μmであり、上記エンボス凹凸模様の深さは20μm〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
- 上記着色化粧層は、上記透明性フィルムの裏面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧材。
- 上記基材は、上記透明性フィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂製シートからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の化粧材。
- 上記基材は、上記透明性フィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂製シートよりなる表面側の第1基材と、シート状物又は板状物よりなる裏面側の第2基材とからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の化粧材。
- 上記熱可塑性樹脂製シートは、非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シートからなることを特徴とする請求項4又は5に記載の化粧材。
- 上記エンボス凹凸模様は、上記熱可塑性樹脂製シートの内部に至る深さに刻設されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1に記載の化粧材。
- 熱可塑性樹脂製シートよりなる基材の表面に、裏面側に印刷又は塗装により着色化粧層が設けられた、上記熱可塑性樹脂製シートよりも融点の高い厚さ4μm〜200μmの延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムを積層又は積層接着した後、該透明性フィルムの表面を細かな凹凸模様が付刻されたエンボス型により加熱加圧することで該透明性フィルムの表面に細かなエンボス凹凸模様を20μm〜500μmの深さとなるように刻設し、次いで、上記エンボス凹凸模様面に、該エンボス凹凸模様が埋設されるように無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布して硬化させることにより塗膜層を形成することを特徴とする化粧材の製造方法。
- 熱可塑性樹脂製シートよりなる第1基材の表面に、裏面側に印刷又は塗装により着色化粧層が設けられた、上記熱可塑性樹脂製シートよりも融点の高い厚さ4μm〜200μmの延伸配向性の結晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる透明性フィルムを積層又は積層接着した後、該透明性フィルムの表面を細かな凹凸模様が付刻されたエンボス型により加熱加圧することで該透明性フィルムの表面に細かなエンボス凹凸模様を20μm〜500μmの深さとなるように刻設し、次いで、上記第1基材と上記透明性フィルムとの積層接着物を、第2基材の表面に接着剤を介して接着した後、上記エンボス凹凸模様面に、該エンボス凹凸模様が埋設されるように無溶剤系透明性樹脂塗料を塗布して硬化させることにより、塗膜層を形成することを特徴とする化粧材の製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂製シートは、非延伸配向性の非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂製シートからなることを特徴とする請求項8又は9に記載の化粧材の製造方法。
- 上記エンボス凹凸模様は、上記熱可塑性樹脂製シートの内部に至る深さに刻設されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1に記載の化粧材の製造方法。
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-
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