JP2007229967A - ホログラム調の特殊表面光沢を有する印刷物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
ホログラム加工の応用として偽造防止として潜像を造るのでなく、特殊表面光沢を有する画像・模様・メッセージを表現するものである。このホログラム模様を形成する方法として、これまでのスクリーン印刷、凹版印刷でなく、オフセット印刷でしかもオフセット印刷の一工程にて印刷物およびその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】
基材の上にオフセット印刷による万線状の撥液性の下刷り印刷層を設け、該下刷り印刷層の上にUV硬化型クリアーインキをオーバーコートすると該クリアーインキがはじかれ、万線を形成する。はじかれた部分はマット調となり、万線は蒲鉾状のインキレンズを形成するために得られた印刷物は傾けることなく、どの角度からも画像・紋様・メッセージを視認できるという視覚効果を有する。
【選択図】
図4
Description
(1)無印刷または図柄印刷層を設けてなる基材の上に、オフセット印刷による万線状の撥液性の下刷り印刷層を部分的又は全面に設け、更にコーターにてクリアーインキでオーバーコートした印刷物において、該クリアーインキが撥液性の下刷り印刷層にはじかれて万線を形成することによりホログラム調の画像・紋様を有することを特徴とする印刷物。
本発明が対象とする印刷物とは、特殊表面光沢を利用した視覚効果を有したパッケージやカタログ、ポスターなど印刷物全般に利用できる。勿論、偽造・変造防止の用途にも使える。
このオーバーコートされたクリアーインキは、撥液性の下刷り印刷層のインキのある部分ははじかれてマット調となる。撥液性の下刷り印刷層のインキがない部分には、はじかれたクリアーインキが集まり万線を形成する。形成された万線は蒲鉾状のインキレンズの形となっている。続いて、オフセット印刷機に付設されたUV照射により、下刷り印刷層およびクリアーインキが硬化されて万線が保持される。図4に形成された万線の断面の模式図を示す。
ここで撥液性のインキとは、オーバーコートするクリアーインキをはじくものであれば良い。例えば、クリアーインキが親水性の場合、下刷りの撥液性インキを撥水性にすれば良いし、クリアーインキが親油性の場合、下刷りの撥液性インキは撥油性のものにすれば良い。
更に、万線を形成するクリアーインキに着色物質等を入れなくとも、透明なままでも視覚効果は得られるが、パール顔料、金属粉顔料、ガラスフレーク、着色顔料、染料、蛍光物質等を混入すると、カラフルな視覚効果が得られる。
万線のピッチは0.01〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.5mmが好ましく、これより、ピッチが大きくても小さくてもメッセージはわかりずらくなる。
特に、オフセット印刷に使用するPS版にて撥液性下刷りインキ版に万線パターンを作製しているので、印刷図柄との見当精度が極めてよく、打って付けである。
図1の☆模様は、0.3(0.1、0.2)mmピッチの線画で形成している。背景には同じく0.3(0.1、0.2)mmピッチで形成された線画像があり、互いの万線の角度は垂直に切れておりこの画像が下刷りニス(撥液インキ部)の印刷される絵柄となる。
基材に下刷りニス(撥液インキ部)のパターン印刷後に、UVクリアーがベタ印刷されると下刷りニスのある部分はマット調になり、下引きニスの無い部分にははじかれたUVクリアーが集まり蒲鉾状のインキレンズが形成された。異なる角度で形成された万線は特殊な視覚効果がある。
また、図2では基材に背景万線に対して15°のストライプ図柄を予め印刷しておくと万線のレンズとの同調によるモアレが発生しホログラム調の効果が得られた。
図3の曲万線模様は、0.3mmピッチの万線で同心円状に形成された。直線で形成される万線とは異なる光の屈折が感じられる視覚効果がある。
下刷りニス(撥液性インキ)には、大日本インキ化学工業株式会社製(ダイキュアハイブライトメジュームEM)、UVクリアーには大日本インキ化学工業株式会社製(ダイキュアクリアーUV1412EM)を使用して印刷した。
万線を使用しない場合の表現はマットとグロスの使い分けとなり、規則的な光学効果を得にくい。また、レンズに規則性がないため基材の図柄印刷との間でホログラム調の効果が得られない。
2:図柄
3:下刷り(撥液性インキ)
4:オーバーコート(UVクリアー)
Claims (8)
- 無印刷または図柄印刷層を設けてなる基材の上に、オフセット印刷による万線状の撥液性の下刷り印刷層を部分的又は全面に設け、更にコーターにてクリアーインキでオーバーコートした印刷物において、該クリアーインキが撥液性の下刷り印刷層にはじかれて万線を形成することによりホログラム調の画像・紋様を有することを特徴とする印刷物。
- 無印刷または図柄印刷層を設けてなる基材の上に、オフセット印刷による万線状の撥液性の下刷り印刷層を部分的又は全面に設け、更にコーターにてクリアーインキでオーバーコートした印刷物において、該クリアーインキが撥液性の下刷り印刷層にはじかれて背景画像としての万線を形成し、且つ該背景画像としての万線と配列方向の角度又はピッチが異なる万線を設けることによりホログラム調のメッセージ画像を有することを特徴とする印刷物。
- 前記クリアーインキによる万線を設けるに際し、万線状の撥液性の下刷り印刷層を部分的又は全面に設けることで、該クリアーインキをはじき、万線を形成する。形成された万線間のはじかれた部分がマット調になることで、いかなる角度からも万線模様が視認できることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載した印刷物。
- 前記背景画像の万線の配列方向と前記メッセージ画像の万線の配列方向の角度が10°から90°であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の印刷物。
- 前記万線のピッチが0.01〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷物。
- 前記万線及び下刷り印刷層が、UV硬化型クリアーインキであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷物。
- 基材の上にオフセット印刷による図柄印刷層が設けられ、該図柄印刷層の表面上に背景画像及び/又はメッセージ画像がオフセット印刷でクリアーインキの万線からなる印刷物において、該背景画像及び/又は該メッセージ画像を形成する万線と同調したり同調しない網点模様や図柄を設けてなる図柄印刷層を有することを特徴とする印刷物。
- 基材の上にオフセット印刷によりベタまたは図柄印刷層を設ける工程、該印刷層の上に部分的または全面にオフセット印刷により万線状の撥液性下刷り印刷層を設ける工程、前記図柄印刷層及び前記下刷り印刷層の上にコーターによりUV硬化型クリアーインキ層を設ける工程、該UV硬化型クリアーインキ層を設けた直後に形成された万線をUV照射により硬化させる工程を、オフセット印刷機による一工程で設けることを特徴とする印刷物の製造方法。
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