JPH09239779A - キーパッドの製造方法およびキーパッド製造用金型 - Google Patents

キーパッドの製造方法およびキーパッド製造用金型

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JPH09239779A
JPH09239779A JP8479996A JP8479996A JPH09239779A JP H09239779 A JPH09239779 A JP H09239779A JP 8479996 A JP8479996 A JP 8479996A JP 8479996 A JP8479996 A JP 8479996A JP H09239779 A JPH09239779 A JP H09239779A
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mold
core
cavity
plate
button
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JP8479996A
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Takuji Shibata
卓治 柴田
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Nissha Printing Co Ltd
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工程数が少なく、大量生産にも対応が可能な
キーパッドの製造方法およびキーパッド製造用金型を得
る。 【構成】 キャビティ型1とコア型2とプレート型3か
らなり、プレート型3がキャビティ型1とコア型2との
間に出入り可能である金型を用意し、コア型2とプレー
ト型3とで形成する空隙に透明樹脂を注入してボタン部
4を得、次いでボタン部4を保持したままのコア型2と
キャビティ型1とを型締めし、コア型2とキャビティ型
1とボタン部4とで形成する空隙に透明または半透明の
熱可塑性エラストマーを注入してマット部5を得ると同
時にマット部5とボタン部4の一体化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電話機、携帯電
話、卓上計算機、オーディオ、家電製品、自動車などの
スイッチ部に使用できるキーパッドの製造方法およびキ
ーパッド製造用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電話機、携帯電話、卓上計算機、
オーディオ、家電製品、自動車などのスイッチ部には、
キーパッドを多く使用している。キーパッドとしては、
裏面に光源を配置してボタン部が光るようにしたものが
ある。つまり、ボタン部を透明とし、複数のボタン部を
連結する透明または半透明のマット部をボタン部の裏面
に形成したものである。
【0003】キーパッドに文字などの図柄がない場合
は、透明ボタンを成形後、金型より成形品を取り出しバ
リを取り除いた後、透明ボタン部をマット部成形用金型
にインサートし熱可塑性エラストマーを成形一体化する
方法があった。また、透明または半透明のシリコーンゴ
ムでボタン部とマット部を一体的に成形する方法があっ
た。
【0004】キーパッドに文字などの図柄がある場合
は、透明ボタンを成形後、金型より成形品を取り出しゲ
ート部をカット処理し、加飾部をスクリーン印刷し加飾
透明ボタン部を形成し、加飾透明ボタン部をマット成形
用金型にインサートし、熱可塑性エラストマーを成形一
体化する方法があった。また、透明または半透明のシリ
コーンゴムでボタン部とマット部を一体的に成形した
後、ボタン部に図柄を形成する方法があった。ボタン部
に図柄を形成するには、スクリーン印刷法や塗装法で図
柄を形成する方法や、ボタン部にスクリーン印刷法で黒
塗装した後、レーザーエッチングで抜き文字部のパター
ンを形成する方法があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、透明ボタン部
を成形する金型と、マット部を形成する金型との2面の
金型が必要であり、工程が煩雑で製造コストが上昇する
という問題点がある。
【0006】また、シリコン製キーパッドは、材料注
入、圧縮・加熱、硬化、冷却、とり出しという工程を経
て製造するため、成形サイクルが長く、製造するのに時
間がかかるという問題点がある。
【0007】また、圧縮成形時にバリが出ることは、シ
リコンの成形につきものであるため、バリ取りが必須で
あるという問題点がある。つまり、生産性が低く、大量
生産に向かない。
【0008】また、図柄はシリコン成形後に印刷によっ
て形成するため、図柄が限られるという問題点がある。
つまり、スクリーン印刷法によって図柄を形成する場合
は、被印刷面であるシリコン製キーパッドのボタン部の
表面が曲面であるため、印刷しづらいという理由で図柄
が限られる。また、塗装法によって図柄を形成する場合
は、色調が単純、設備が大変という理由で図柄が限られ
る。また、スクリーン印刷後に塗装を施し、最後にレー
ザエッチング法によって不要部分のインキ皮膜を除去し
て図柄を形成する場合は、レーザエッチング法のため塗
装は黒色系統になり図柄が限られ、またコスト高でもあ
る。
【0009】また、図柄がシリコン製キーパッドの上に
設けられ、キーパッドとして手に触れる部分に印刷され
るため、図柄の耐摩耗性がよくないという問題点があ
る。
【0010】したがって、この発明は、上記のような欠
点を解消したキーパッドの製造方法およびキーパッド製
造用金型を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明のキーパッドの
製造方法およびキーパッド製造用金型は、以上の目的を
達成するために、つぎのように構成した。
【0012】つまり、この発明のキーパッドの製造方法
は、キャビティ型とコア型とプレート型からなり、プレ
ート型がキャビティ型とコア型との間に出入り可能であ
る金型を用意し、コア型とプレート型とで形成する空隙
に透明樹脂を注入してボタン部を得、次いでボタン部を
保持したままのコア型とキャビティ型とを型締めし、コ
ア型とキャビティ型とボタン部とで形成する空隙に透明
または半透明の熱可塑性エラストマーを注入してマット
部を得ると同時にマット部とボタン部の一体化を行うよ
うに構成した。
【0013】また、キャビティ型とコア型とプレート型
からなり、プレート型がキャビティ型とコア型との間に
出入り可能である金型を用意し、コア型とプレート型の
間にインサートフィルムを配置し、コア型とプレート型
とで形成する空隙に透明樹脂を注入してボタン部を得、
次いでボタン部を保持したままのコア型とキャビティ型
とを型締めし、コア型とキャビティ型とボタン部とで形
成する空隙に透明または半透明の熱可塑性エラストマー
を注入してマット部を得ると同時にマット部とボタン部
の一体化を行うように構成してもよい。
【0014】また、キャビティ型とコア型とプレート型
からなり、プレート型がキャビティ型とコア型との間に
出入り可能である金型を用意し、コア型とプレート型の
間に転写材を配置し、コア型とプレート型とで形成する
空隙に透明樹脂を注入してボタン部を得、次いで転写材
の基体シートを剥離したボタン部を保持したままのコア
型とキャビティ型とを型締めし、コア型とキャビティ型
とボタン部とで形成する空隙に透明または半透明の熱可
塑性エラストマーを注入してマット部を得ると同時にマ
ット部とボタン部の一体化を行うように構成してもよ
い。
【0015】また、この発明のキーパッド製造用金型
は、キャビティ型とコア型とプレート型からなり、プレ
ート型がキャビティ型とコア型との間に出入り可能であ
り、コア型とプレート型とを型締めした場合にはボタン
部の形状を有する空隙ができ、プレート型をキャビティ
型とコア型の間から排出してキャビティ型とコア型とを
型締めしたときには、キーパッド全体の形状を有する空
隙ができるように構成した。
【0016】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0017】図1〜6は、この発明のキーパッド製造方
法の一工程とキーパッド製造用金型を示す断面図であ
る。図7はこの発明に用いるインサートフィルムの一実
施例を示す断面図である。図8はこの発明に用いる転写
材の一実施例を示す断面図である。図中、1はキャビテ
ィ型、2はコア型、3はプレート型、4はボタン部、5
はマット部、6はゲート、10はインサートフィルム、
11は基体シート、12は図柄層、13は接着層、20
は転写材、21は基体シート、22は離型層、23は剥
離層、24は図柄層、25は接着層、26は転写層であ
る。
【0018】この発明のキーパッド製造用金型は、キャ
ビティ型1とコア型2とプレート型3からなり、プレー
ト型3がキャビティ型1とコア型2との間に出入り可能
であり、コア型2とプレート型3とを型締めした場合に
はボタン部4の形状を有する空隙ができ、プレート型3
をキャビティ型1とコア型2の間から排出してキャビテ
ィ型1とコア型2とを型締めしたときには、キーパッド
全体の形状を有する空隙ができるものである(図1〜2
参照)。
【0019】プレート型3は、2段型開き機構によりプ
レート型3の形状に応じて開き量を設定し、コア型2と
の成形後タイマーを利用して油圧シリンダーで上方向ま
たは横方向にスライドするように構成するとよい。プレ
ート型3のスライド後、キャビティ型1とコア型2とを
型締めすることになる。ボタン部4を形成するための透
明樹脂を注入するゲート6はピンゲートとし、ボタン部
4の底部に通じるように構成するとよい。また、マット
部5を形成するための熱可塑性エラストマーを注入する
ゲート6はサイドゲートとし、マット部5の側部に通じ
るように構成するとよい(図1〜6参照)。インサート
フィルム10や転写材20をコア型2とプレート型3と
の間に挟む場合、インサートフィルム送り装置または転
写材送り装置をプレート型3と連動して横方向にスライ
ドするように構成することができる。また、所定の大き
さに打ち抜いたインサートフィルム10や転写材20
を、位置決めピンが設けられたプレート型3にピンを介
して装着してもよい。この場合、インサートフィルム1
0や転写材20の装着は、金型の上方向から行うのが好
ましい。
【0020】このように構成された金型を用い、キーパ
ッドを得ることができる。
【0021】まず、コア型2とプレート型3で形成した
ボタン部4を形成する空隙に透明樹脂を注入してボタン
部4を得る(図1参照)。透明ボタン部4を形成する透
明樹脂としては、AS系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などがある。また、こ
れらの樹脂に着色剤などを加えたものを使用してもよ
い。また、下記の熱可塑性エラストマーを透明樹脂とし
て使用してもよい。ボタン部4が透明であることが必要
な理由は、キーパッドの背面に配置する光源からの光を
導くためである。また、図柄層12を透過して見るた
め、あるいは図柄層12の透光性部分に光を透過させる
ためである。
【0022】次いで、コア型2とプレート型3を型開き
し、コア型2にボタン部4を保持したままプレート型3
をキャビティ型1とコア型2の間から排出する。
【0023】次いでキャビティ型1とコア型2とを型締
めし、コア型2とキャビティ型1とボタン部4とで形成
した空隙に透明または半透明の熱可塑性エラストマーを
注入してマット部5を得ると同時にマット部5とボタン
部4の一体化を行う(図2参照)。熱可塑性エラストマ
ーとしては、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エ
ステル系樹脂などがある。熱可塑性エラストマーが、透
明または半透明であることが必要な理由は、キーパッド
の背面に配置する光源からの光を導くためである。ま
た、図柄層12の透光性部分に光を透過させるためであ
る。溶融した熱可塑性エラストマーを射出することによ
りボタン部4とマット部5とが接着し、2種類の樹脂か
らなるキーパッドを得ることができる。
【0024】上記の方法において、インサートフィルム
10を用いることにより、文字などの図柄をボタン部4
に容易に形成することができる。インサートフィルム1
0は、基体シート11の片面または両面に図柄層12が
形成され、基体シート11の両面に接着層13が形成さ
れたものである(図7参照)。
【0025】基体シート11の材質としては、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔な
どの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセ
ルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体な
ど、通常のインサートフィルムの基体シート11として
用いられるものを使用することができる。図柄層12と
の密着性を高めるため、コロナ処理、易接着コートをし
てもよい。基体シート11の膜厚としては、12〜150μ
mのものを使用するとよい。
【0026】図柄層12は、基体シート11の片面また
は両面に形成する。図柄層12は、通常、着色層または
金属薄膜層のいずれか一方、あるいは両方からなる。着
色層と金属薄膜層は、文字などを表現したい部分に形成
する。
【0027】着色層の材質としては、ポリビニル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステ
ル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、
適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色
インキを用いるとよい。着色層の形成方法としては、オ
フセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法な
どの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、
スプレーコート法などのコート法がある。特に、多色刷
りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア
印刷法が適している。
【0028】金属薄膜層は、金属光沢そのものや金属光
沢を有するヘアライン模様などを表現するために設け
る。金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、鍍金法などで形成する。金属薄
膜層には、表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金または化合物を使用する。金属薄膜層を部分的に
形成する方法としては、金属薄膜層を必要としない部分
に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金
属薄膜を形成し、溶剤で洗浄して溶剤可溶性樹脂層とと
もに不要な金属薄膜を除去する方法がある。溶剤として
よく用いられるのは、水または水溶液である。また、金
属薄膜層を部分的に形成する別の方法としては、全面的
に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残したい部分にレ
ジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行
い、レジスト層を除去する方法がある。
【0029】また、金属薄膜層の密着性を向上させるた
めに、前アンカー層や後アンカー層を形成してもよい。
前アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液
性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系
樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹
脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを用いるとよい。前
アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、グ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、グ
ラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法がある。
【0030】接着層13は、ボタン部4とマット部5に
上記の基体シート11と図柄層12を接着するものであ
る。接着層13は、基体シート11の両面に形成する。
接着層13としては、ボタン部4とマット部5の素材に
適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。た
とえば、ボタン部4またはマット部5の材質がアクリル
系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、
ボタン部4またはマット部5の材質がポリフェニレンオ
キシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド
樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使
用すればよい。さらに、ボタン部4またはマット部5の
材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフ
ィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、
環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接
着層13の形成方法としては、グラビアコート法、ロー
ルコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア
印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。接着層
13の乾燥膜厚は、0.5〜10μmとするのが一般的であ
る。
【0031】なお、上記のインサートフィルム10の層
構成は、インサートフィルムの一例であり、このほかの
層構成であってもよい。たとえば、基体シート11や図
柄層12が接着層13の機能を兼ね備えている場合に
は、接着層13を省略することができる。
【0032】インサートフィルム10を利用してキーパ
ッドを得るには、次のようにするとよい。
【0033】まず、コア型2とプレート型3の間にイン
サートフィルム10を配置し、コア型2とプレート型3
で形成したボタン部4を形成する空隙に透明樹脂を注入
してボタン部4を得る(図3参照)。ボタン部4の形成
と同時に射出成形の熱圧を利用してインサートフィルム
10の接着層13を溶着し、ボタン部4の加飾を行うこ
とができる。
【0034】次いで、コア型2とプレート型3を型開き
しコア型2にボタン部4とインサートフィルム10を保
持したままプレート型3をキャビティ型1とコア型2の
間から排出する。
【0035】次いで、キャビティ型1とコア型2とを型
締めし、コア型2とキャビティ型1とボタン部4とで形
成した空隙に透明または半透明の熱可塑性エラストマー
を注入してマット部5を得ると同時にマット部5とイン
サートフィルム10とボタン部4の一体化を行う(図4
参照)。このようにして、マット部5分を形成すると共
にインサートフィルム10と溶着し、ボタン部4の加飾
されたキーパッドを得ることができる。
【0036】また、上記の方法において、インサートフ
ィルム10に代えて転写材20を用いることにより、文
字などの図柄をボタン部4に容易に形成することができ
る。転写材20は、剥離性を有する基体シート21上
に、剥離層23、図柄層24、接着層25などの転写層
26を順次積層したものである(図8参照)。
【0037】基体シート21としては、インサートフィ
ルム10の基体シート11と同様の素材のものを使用す
ることができる。基体シート21の膜厚としては、12〜
150μmのものを使用するとよい。
【0038】基体シート21からの転写層26の剥離性
がよい場合には、基体シート21上に転写層26を直接
設ければよい。基体シート21からの転写層26の剥離
性を改善するためには、基体シート21上に転写層26
を設ける前に、離型層22を全面的に形成してもよい。
離型層22の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シ
リコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロー
ス誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン
樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合
型離型剤などを用いることができる。離型層22の形成
方法としては、ロールコート法、スプレーコート法など
のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷法がある。離型層22の乾燥膜厚は、0.2〜10μm
とするのが一般的である。
【0039】剥離層23は、基体シート21または離型
層22上に全面的に形成する。剥離層23は、成形同時
転写後に基体シート21を剥離した際に、基体シート2
1または離型層22から剥離する層である。剥離層23
の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂など
のほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用
いるとよい。剥離層23に硬度が必要な場合には、紫外
線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂な
どの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用
いるとよい。剥離層23は、着色したものでも、未着色
のものでもよい。剥離層23の形成方法としては、グラ
ビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などの
コート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印
刷法がある。剥離層23の乾燥膜厚は、0.5〜10μmと
するのが一般的である。なお、剥離層23上にマット部
5を形成するため、剥離層23はマット部5に対する接
着性を有することが必要である。
【0040】図柄層24および接着層25は、インサー
トフィルム10の図柄層12および接着層13と同様に
形成するとよい。ただし、転写材20における接着層2
5は、インサートフィルム10とは異なり、転写材20
の図柄層24側にのみ形成する。
【0041】なお、上記の転写材20の層構成は、転写
材20の一例であり、このほかの層構成であってもよ
い。たとえば、図柄層24が剥離層23の機能を兼ね備
えている場合には、剥離層23を省略することができ
る。また、図柄層24が接着層25の機能を兼ね備えて
いる場合には、接着層25を省略することができる。
【0042】転写材20を利用してキーパッドを得るに
は、次のようにするとよい。
【0043】まず、コア型2とプレート型3の間に転写
材20を配置し、コア型2とプレート型3で形成したボ
タン部4を形成する空隙に透明樹脂を注入してボタン部
4を得る(図5参照)。転写材20を配置する際、枚葉
の転写材20を1枚ずつ送り込んでもよいし、長尺の転
写材20の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺
の転写材20を使用する場合、位置決め機構を有する転
写材送り装置を使用して、転写材20の図柄層24と成
形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、
転写材20を間欠的に送り込む際に、転写材20の位置
をセンサーで検出した後に転写材20を固定するように
すれば、常に同じ位置で転写材20を固定することがで
き、図柄層24の位置ずれが生じないので便利である。
ボタン部4の形成と同時に射出成形の熱圧を利用して転
写材20の接着層25をボタン部4に接着し、ボタンの
加飾を行うことができる。プレート型3を横方向にスラ
イドする場合には、プレート型3に対して転写材20を
位置決めし、転写材20送り装置とプレート型3とを連
動させて油圧によりスライドさせるとよい。
【0044】次いで、コア型2とプレート型3を型開き
して転写材20の基体シート21を剥離する。
【0045】次いで、コア型2にボタン部4を保持した
ままプレート型3をキャビティ型1とコア型2の間から
排出する。
【0046】次いでキャビティ型1とコア型2とを型締
めし、コア型2とキャビティ型1とボタン部4とで形成
した空隙に透明または半透明の熱可塑性エラストマーを
注入してマット部5を得ると同時にマット部5とボタン
部4の一体化を行う(図6参照)。このようにして、こ
のようにして、マット部5分を形成すると共にボタン部
4と転写層26と溶着し、ボタン部4の加飾されたキー
パッドを得ることができる。
【0047】
【実施例】厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの裏面に、エポキシ系樹脂からなる離型コート
と、剥離性を有し後の工程でエラストマー樹脂に接着す
るウレタン樹脂からなる剥離層と、アクリルビニル系樹
脂からなる図柄層と、塩化ビニル系樹脂からなる接着層
をグラビア印刷法で順次形成して転写材を得た。
【0048】金型の上方に転写材送り装置の送り出し部
を、金型の下方に転写材送り装置の卷き取り部を、金型
に対して横方向にスライドするようにガイドレール上に
配置した。また、プレート型と転写材送り装置が連動す
るように、両者を連結した。プレート型の形状は、キャ
ビティ型とコア型とのパーティング面と平行である面を
有するようにした。
【0049】転写材を、接着層がコア型に面するように
転写材送り装置に取り付ける。転写材送り装置に対して
間欠的に転写材を上下・左右に位置決めし、キャビティ
型とプレート型との型開きとともに転写材送り装置とプ
レート型とを連動して横方向にスライドしてキャビティ
型とプレート型との間に挿入すると、転写材はコア型に
対しても位置決めしたことになる。
【0050】転写材の位置決め完了後、型締めを行い、
コア型面に転写材の接着層が面するようにコア型とプレ
ート型とで形成された空隙に溶融したアクリル樹脂をピ
ンゲートから射出しボタン部を成形するとともに転写材
をボタン部に一体的に接着した。
【0051】型開き後、転写材の基体シートを剥離し、
油圧により転写材送り装置とプレート型をキャビティ型
とプレート型との間から排出した。排出が完了した後に
再び型締めを行い、コア型とキャビティ型とボタン部と
で形成する空隙にサイドゲートより溶融したウレタン系
熱可塑性エラストマーを射出してマット部を得ると同時
に転写層をマット部とボタン部で挟むように一体化した
キーパッドを得た。
【0052】このようにして得たキーパッドは、自動復
帰機能を有し、製品コスト、金型コストの低減、導光性
があり、図柄層の耐摩耗性を考慮する必要のない意匠効
果が優れたものであった。
【0053】
【発明の効果】この発明は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0054】この発明のキーパッドの製造方法は、キャ
ビティ型とコア型とプレート型からなり、プレート型が
キャビティ型とコア型との間に出入り可能である金型を
用いるため、成形機のみですべての工程が完了し、しか
も工程数が少なく、大幅なコストダウンが可能となる。
また、生産性が高く、生産ロスか少なく、大量生産にも
対応が可能である。しかも、得られたキーパッドは、ボ
タン部とマット部との間に文字などの図柄を有するの
で、耐性的にも優れている。
【0055】また、この発明のキーパッド製造用金型
は、1面の金型で2種類の樹脂からなるボタン部とマッ
ト部を成形することが可能となり、生産性が高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のキーパッド製造方法の一工程とキー
パッド製造用金型を示す断面図である。
【図2】この発明のキーパッド製造方法の一工程とキー
パッド製造用金型を示す断面図である。
【図3】この発明のキーパッド製造方法の一工程とキー
パッド製造用金型を示す断面図である。
【図4】この発明のキーパッド製造方法の一工程とキー
パッド製造用金型を示す断面図である。
【図5】この発明のキーパッド製造方法の一工程とキー
パッド製造用金型を示す断面図である。
【図6】この発明のキーパッド製造方法の一工程とキー
パッド製造用金型を示す断面図である。
【図7】この発明に用いるインサートフィルムの一実施
例を示す断面図である。
【図8】この発明に用いる転写材の一実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 キャビティ型 2 コア型 3 プレート型 4 ボタン部 5 マット部 6 ゲート 10 インサートフィルム 11 基体シート 12 図柄層 13 接着層 20 転写材 21 基体シート 22 離型層 23 剥離層 24 図柄層 25 接着層 26 転写層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ型とコア型とプレート型から
    なり、プレート型がキャビティ型とコア型との間に出入
    り可能である金型を用意し、コア型とプレート型とで形
    成する空隙に透明樹脂を注入してボタン部を得、次いで
    ボタン部を保持したままのコア型とキャビティ型とを型
    締めし、コア型とキャビティ型とボタン部とで形成する
    空隙に透明または半透明の熱可塑性エラストマーを注入
    してマット部を得ると同時にマット部とボタン部の一体
    化を行うことを特徴とするキーパッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 キャビティ型とコア型とプレート型から
    なり、プレート型がキャビティ型とコア型との間に出入
    り可能である金型を用意し、コア型とプレート型の間に
    インサートフィルムを配置し、コア型とプレート型とで
    形成する空隙に透明樹脂を注入してボタン部を得、次い
    でボタン部を保持したままのコア型とキャビティ型とを
    型締めし、コア型とキャビティ型とボタン部とで形成す
    る空隙に透明または半透明の熱可塑性エラストマーを注
    入してマット部を得ると同時にマット部とボタン部の一
    体化を行うことを特徴とするキーパッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 キャビティ型とコア型とプレート型から
    なり、プレート型がキャビティ型とコア型との間に出入
    り可能である金型を用意し、コア型とプレート型の間に
    転写材を配置し、コア型とプレート型とで形成する空隙
    に透明樹脂を注入してボタン部を得、次いで転写材の基
    体シートを剥離したボタン部を保持したままのコア型と
    キャビティ型とを型締めし、コア型とキャビティ型とボ
    タン部とで形成する空隙に透明または半透明の熱可塑性
    エラストマーを注入してマット部を得ると同時にマット
    部とボタン部の一体化を行うことを特徴とするキーパッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】 キャビティ型とコア型とプレート型から
    なり、プレート型がキャビティ型とコア型との間に出入
    り可能であり、コア型とプレート型とを型締めした場合
    にはボタン部の形状を有する空隙ができ、プレート型を
    キャビティ型とコア型の間から排出してキャビティ型と
    コア型とを型締めしたときには、キーパッド全体の形状
    を有する空隙ができることを特徴とするキーパッド製造
    用金型。
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