JP5262061B2 - インサート加飾成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、車両用、住宅用、家具用等の各種の加飾成形品を製造するためのインサート加飾成形品の製造方法に関するものである。
プラスチック成形品に成形工程で、連続した2種以上の絵柄を付すという要望に対して、これまで種々の試みがなされてきた。例えば、加飾成形品を製造するに際し、インモールド工法により、連続した2種以上の絵柄をプラスチック成形品に付する方法がある。すなわち、ベースフィルムに連続した2種以上の絵柄を施しておき、プラスチック成形品に金型内で転写する方法である。
しかしながら、この方法は絞りが浅い場合には有効であるが、絞りの深い成形品に適用する場合には絵柄の見当合わせが困難であり、意匠性の低いものとなってしまう。
また、水圧転写法により連続した2種以上の絵柄を付す方法があるが、マスク塗装をする必要があり、作業が煩雑である上に環境負荷の高い溶剤を使用する必要性があって好ましい方法とはいえない。
一方、インサート成形法において、2種以上の絵柄を付す方法も提案されている。例えば、平板形状の樹脂成形品の一方の面に木目柄などの装飾を行い、他方の面に金属光沢層の形成を行いたい場合などは、金型内に木目柄を形成した加飾シートと、金属光沢を形成した加飾シートとを配置し、2枚の加飾シートの間に溶融樹脂を射出して樹脂成形品の成形と同時にその両面に加飾フィルムを一体化する方法である(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法は2種の加飾シートが離れた状態の場合には適用可能であるが、2種の絵柄を連続的に表現したい場合には適用が困難であった。すなわち、2枚の加飾シートは射出成形時に収縮するため、その端部を完全に接触した状態とすることが困難であり、図1に示すように、2種の加飾シート10a及び10bの境界部分に隙間Sができ、ここに溶融樹脂が流れ込む。このことにより、成形品となった場合に、連続した2種の絵柄の境界部分に樹脂の色が見えてしまい、意匠性が損なわれる。
一方、2種の絵柄の境界部分に隙間を生じさせないように、図2に示すように、2種の加飾シート10a及び10bを重ねると、加飾シートが重なった部分Lには樹脂が入り込まないために、その部分において加飾シートが樹脂成形品に接着せず、加飾シートが一部剥がれた状態となり、意匠性の低いものとなってしまう。
特開2000−254938号公報
本発明は上記問題点に対し、インサート成形法において、成形品に連続した2種以上の絵柄を付す方法であって、絵柄の境界部分から樹脂色が見えない意匠性の高いインサート加飾成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、2種の加飾シートのうちの第1の加飾シートの端面が第2の加飾シートの裏面に接するか又は裏面の近傍に位置するように配置し、第1の加飾シートの端面の位置から第2の加飾シートの端面までの距離を特定の範囲にすることで上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)2種以上の加飾シートを真空成形する真空成形工程と、真空成形された加飾シートの少なくとも2種を並べて雌金型に配し、該加飾シートに成形樹脂を射出する射出工程とを含むインサート加飾成形品の製造方法であって、第1の加飾シートと第2の加飾シートとを、第1の加飾シートの端面が、第2の加飾シートの雌金型側の面に向かい合うように配置し、かつ第1の加飾シートの端面が第2の加飾シートの雌金型側の面に接するか又は該面の近傍に位置し、第1の加飾シートの端面の雌金型側とは反対側の位置から、第2の加飾シートの端面までの距離が、成形樹脂の肉厚の15〜100%であることを特徴とするインサート加飾成形品の製造方法、
(2)前記第1の加飾シートの端面の雌金型側とは反対側の位置から、第2の加飾シートの端面までの距離が、成形樹脂の肉厚の20〜50%である上記(1)に記載のインサート加飾成形品の製造方法、
(3)成形樹脂を射出するためのゲートが複数あり、複数のゲートから射出される樹脂の合流点が、前記第1の加飾シートの端面であって第2の加飾シートの雌金型側の面に接するか又は該面の近傍に位置する端面よりも、第1の加飾シートの内側にあることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインサート加飾成形品の製造方法、
(4)前記成形樹脂の肉厚が2〜5mmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインサート加飾成形品の製造方法、
(5)前記第1の加飾シートの端面であって第2の加飾シートの雌金型側の面に接するか又は該面の近傍に位置する端面が、雌金型から離れる方向にカールしている上記(1)〜(4)のいずれかに記載のインサート加飾成形品の製造方法、及び
(6)前記加飾シートが加飾層とバッカー層からなり、加飾層を構成する基材がアクリル樹脂であり、バッカー層がABS樹脂で構成される上記(1)〜(5)のいずれかに記載のインサート加飾成形品の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、成形品に連続した2種以上の絵柄を付すことができ、かつ、絵柄の境界部分から樹脂色が見えない意匠性の高いインサート加飾成形品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のインサート加飾成形品の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明のインサート加飾成形品の製造方法の真空成形工程において、真空成形前の加熱段階を示す工程模式図であり、図4は、本発明のインサート加飾成形品の製造方法の真空成形工程において、加熱段階終了後の真空成形準備段階を示す工程模式図であり、図5は、本発明のインサート加飾成形品の製造方法の真空成形工程において、真空成形を示す工程模式図である。
真空成形工程において、図3に示すように、本発明の製造方法に用いられる加飾シート10は、真空成形に先立ち、ヒーター22及び22'により通常140〜180℃に加熱される。加熱され軟化した加飾シート10は、図4及び5に示すように、真空成形金型21に装着され、真空吸引により凸部101と凸部101に続く鍔状部102とを形成するように真空成形される。
次に、トリミング工程において、後に詳述するように、本発明では形態の異なる2種の加飾シートが必要である。第1の加飾シート10aは、図6(a)に示すように、両端が凸部101の側面部分でトリミングされるものである。これに対し、第2の加飾シートは、図6(b)に示すように、少なくとも一方の端部は鍔状部102の部分でトリミングされるものである。従って、第1の加飾シート10aは図7(a)に、第2の加飾シート10bは図7(b)に示されるような構造となる。なお、トリミング工程は真空成形工程内で、真空成形された直後に設けられてもよい。
また、加飾シート10の厚さは、通常200〜800μmであり、その内、バッカー層の厚さは通常100〜500μmである。
図8は本発明のインサート加飾成形品の製造方法において、射出成形の準備段階を示す工程模式図である。少なくとも2種の加飾シート10a及び10bが並列した状態で雌金型31に配され、第1の加飾シート10aの端面13aが第2の加飾シート10bの裏面に位置するものである。該端面13aは該裏面に接しているのが好ましいが、該裏面の近傍に位置しており、本発明の効果を奏する範囲で近接していればよい。
また、該端面13aの位置から第2の加飾シートの端面13bまでの距離xが、成形樹脂の肉厚の15〜100%であることを必須とする。該距離xが成形樹脂の肉厚の15%未満であると、加飾シート10の収縮によって、絵柄の境界部分から樹脂色が見え、加飾成形品の意匠性が悪化する場合がある。一方、距離xが成形樹脂の肉厚の100%を超えると、図8に示すように、加飾シート10bの端部13bを回り込むように、成形樹脂Pが流れ込む可能性があり、インサート加飾成形ができない場合がある。以上の観点から、距離xは成形樹脂の肉厚の20〜50%であることが好ましい。
なお、距離xは上述のように成形樹脂の肉厚によってその好ましい値は適宜決定されるが、通常は0.5〜3mmの範囲が好ましい。また、成形樹脂の肉厚は用途等に応じて適宜決定されるが、通常、2〜5mmの範囲であることが好ましい。肉厚が2mm以上であると、成形品としての形態が十分保持され、5mm以下であると成形品としての重量が過度に重くなく、ハンドリング容易となり、かつ、経済的にもメリットがある。以上の観点から、成形樹脂の肉厚は2.5〜4mmの範囲がより好ましい。
さらに、第1の加飾シート10aの端面13aは、雌金型31から離れる方向、すなわち図8においては右側の方向にカールしていることが好ましい。このようにカールさせることで、第1の加飾シートと第2の加飾シートが成形時に重なることがなく、第1の加飾シートと第2の加飾シートが浮くことがないため、成形樹脂と加飾シートの密着がさらに良好となる。
次に、図9は本発明のインサート加飾成形品の製造方法において、射出成形直後を示す工程模式図である。雄金型32と雌金型31を型締めして、ゲートGから成形樹脂Pを射出する。成形樹脂Pは通常200〜260℃の温度で、20〜300MPaの射出圧で射出される。
ゲートGの位置はゲートが1箇所の場合には、図9に示すように、第1の加飾シート10aの端面13aが第2の加飾シート10bの裏面に接する部分よりも、第2の加飾シート10bの内側にあることが好ましい。このような位置にゲートがあると、加飾シート10bを回り込むように、成形樹脂Pが流れ込む際に圧力がかかりにくく、加飾シートが成形品から剥がれる等の問題が起き難い。
また、成形樹脂を射出するためのゲートが複数ある場合には、複数のゲートから射出される成形樹脂の合流点が、第1の加飾シート側にあることが好ましい。すなわち、図10において、2ヶ所のゲートG1とG2から成形樹脂Pが射出される場合には、ゲートG1から射出される成形樹脂P1とゲートG2から射出される成形樹脂P2の合流点Jが、第1の加飾シート10aの端面13aと第2の加飾シート10bの裏面が接する部分よりも、第1の加飾シートの内側にあることが好ましい。ゲートが複数ある場合に、このような態様であると、第1の加飾シート10aと第2の加飾シート10bとの間に、成形樹脂Pが流れ込む際に圧力がかかりにくく、加飾シートが成形品から剥がれる等の問題が起き難い。
なお、射出成形の効率化の観点から、成形樹脂を射出するためのゲートは複数あることが好ましい。
本発明のインサート加飾成形品の製造方法に用いられる加飾シート10の加飾層11は、通常、基材シートの上に絵柄層及び/又は隠蔽層がその順に積層され、所望により更に接着剤層が積層される。
基材シートとしては、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリル樹脂(二種以上のアクリル樹脂の混合物も含む)、あるいは、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、あるいは、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等が使用される。そして、基材シートは、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートとして使用される。
本発明においては、アクリル樹脂が好ましく、より具体的には、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられる。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを指す。
基材シートの厚みは、用途に応じて選定され、通常、20〜500μm程度であるが、コスト、印刷適性、表面平滑性等を考慮すると50〜300μm程度が好ましい。
絵柄層の絵柄は、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼調模様、煉瓦積調模様、布目模様、皮絞模様、文字、記号、図形、幾何学模様の他、メタリック模様等も含まれる。
絵柄層等のインキには、用途に合わせて公知のインキを使用すれば良い。バインダー樹脂には、アクリル樹脂、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂等が使用され、着色剤には、チタン白、カーボンブラック、弁柄、コバルトブルー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン等の有機顔料、アルミニウム粉末等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母粉末等の真珠光沢(パール)顔料、或いは、染料等が使用される。
隠蔽層は、全面ベタ層であり、絵柄層と同様なバインダー樹脂や顔料、染料等が使用される。
絵柄層又は隠蔽層の印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等、従来公知の適宜方法が採用される。隠蔽層は、グラビア塗工、ロールコート等の塗工法により形成することが好ましい。
絵柄層の厚さは、絵柄模様に応じて適宜選択すればよい。また、隠蔽層の厚さは1〜10μm程度であり、通常グラビア印刷では1〜5μm 程度である。
所望により積層される接着剤層は、バッカー層に応じて、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、ゴム系樹脂が、具体的には例えば、ウレタン樹脂(例えば、2液硬化型ウレタン樹脂)、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が用いられる。接着剤層の厚みは要求物性等に応じて適宜変更することができるが、通常1〜20μm程度である。また、接着剤層の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記樹脂を希釈溶剤で希釈した樹脂液からなるインキ又は塗液として、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。接着剤層はバッカー層12に塗工してもよい。
本発明のインサート加飾成形品の製造方法に用いられる加飾シート10のバッカー層12としては、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好ましい。これらの樹脂の内、ABS樹脂及びポリプロピレン樹脂が特に好ましい。成形樹脂PがABS樹脂である場合はABS樹脂が、ポリプロピレン樹脂である場合はポリプロピレン樹脂が通常用いられる。本発明においては、バッカー層がABS樹脂である場合が最も好ましい。
本発明に用いられる加飾シート10は、通常、加飾層11とバッカー層12とを接着剤層を介してドライラミネーション又は、バッカー樹脂をTダイから押し出した直後にラミネートすること等により接着し一体化して製造される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、インサート加飾成形品の外観は目視により評価した。
実施例1
(1)第1の加飾シートの製造
ポリメチルメタクリレート樹脂からなる基材シート(厚さ75μm)に、アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂にフタロシアニンブルー、イソインドリノン、及びキナクリドンからなる有機着色顔料を含有させたインキ組成物を用い、グラビア印刷によって木目柄の絵柄層(厚さ1μm)を形成した。次いで、ポリメチルメタクリレート及びポリブチルメタクリレートの混合物及び無機顔料からなる隠蔽層(厚さ2μm)及び2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤からなる接着剤層(厚さ10μm)を順次積層して得た加飾層11と、黒色のABS樹脂からなるバッカー層12とをドライラミネーションにより接着し一体化して、厚さ400μmの加飾シート10aを得た。
(2)第2の加飾シートの製造
上記第1の加飾シートの製造で用いたのと同様の基材シートに、アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂にアルミニウム粉末を顔料として含有させたインキ組成物を用い、グラビア印刷によってメタリック調の柄としたこと以外は上記(1)と同様にして加飾シート10bを得た。
(3)真空成形工程
上記加飾シート10a及び10bをそれぞれ加飾シートの温度が約160℃になるまで約300℃のヒーターで加熱した。加熱され軟化した加飾シート10a及び10bを真空成形金型21に装着し、真空吸引により凸部101と凸部101に続く鍔状部102とを形成するように真空成形した。
次に、真空成形された加飾シート10a及び10bを図6に示すようにトリミングして加飾シート10a及び10bを得た。
(4)射出成形工程
上記加飾シート10a及び10bを図8に示すように、加飾シート10aの端部13aが加飾シート10bの裏面に接するように雌金型31に配した。第1の加飾シートの端部13aの位置から第2の加飾シートの端部13bまでの距離xは1.5mmとした。次いで、図10に示すように雄金型32及び雌金型31で型締めをし、キャビティ内にゲートG1及びG2より、黒色のABS樹脂からなる成形樹脂P1及びP2を、射出温度240℃、射出圧100MPaで射出し、インサート加飾成形品を得た。なお、樹脂の肉厚は4mmとした。
(5)評価結果
木目模様とメタリック模様の境界部分から黒色のABS樹脂は見られず、意匠性の高いインサート加飾成形品が得られた。
実施例2
実施例1において、第1の加飾シートの端部13aの位置から第2の加飾シートの端部13bまでの距離xを0.7mmとし、樹脂の肉厚を3mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてインサート加飾成形品を得た。実施例1と同様に木目模様とメタリック模様の境界部分から黒色のABS樹脂は見られず、意匠性の高いインサート加飾成形品が得られた。
実施例3
実施例1において、第1の加飾シートの端部13aの位置から第2の加飾シートの端部13bまでの距離xを2.0mmとし、樹脂の肉厚を3mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてインサート加飾成形品を得た。実施例1と同様に木目模様とメタリック模様の境界部分から黒色のABS樹脂は見られず、意匠性の高いインサート加飾成形品が得られた。
実施例4
実施例1において、第1の加飾シートの端部13aの位置から第2の加飾シートの端部13bまでの距離xを3.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてインサート加飾成形品を得た。実施例1と同様に木目模様とメタリック模様の境界部分から黒色のABS樹脂は見られず、意匠性の高いインサート加飾成形品が得られた。
実施例5
第1の加飾シート及び第2加飾シートの製造方法を以下の方法で製造したこと以外は実施例1と同様にして、インサート加飾成形品を得た。
(1)第1の加飾シートの製造
厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)フィルムに、アクリル樹脂を主成分とする剥離層を、乾燥後の厚さが3μmとなるように、グラビア印刷により形成した。次にアクリル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂にフタロシアニンブルー、イソインドリノン、及びキナクリドンからなる有機着色顔料を含有させたインキ組成物を用い、グラビア印刷によって木目柄の絵柄層(厚さ1μm)を形成した。該絵柄層の上に、さらに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる感熱接着層を、乾燥後の厚さが2μmとなるように、グラビア印刷により形成し、加飾層となる転写箔を得た。
次に、Tダイ法により押し出された黒色ABS樹脂に、上記転写箔の感熱接着層面が接するようにラミネートし、押し出されたABS樹脂を冷却した後に、基材のPETフィルムを剥離して、厚さ400μmの第1の加飾シート10aを得た。
(2)第2の加飾シートの製造
上記第1の加飾シートの製造において、絵柄層を形成するためのインキ組成物として、アクリル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂にアルミニウム粉末を顔料として含有させたインキ組成物を用い、メタリック調の柄としたこと以外は上記(1)と同様にして加飾シート10bを得た。
(5)評価結果
実施例1と同様に木目模様とメタリック模様の境界部分から黒色のABS樹脂は見られず、意匠性の高いインサート加飾成形品が得られた。
比較例1
実施例1において、第1の加飾シートの端部13aと第2の加飾シートの端部13bの位置を合わせたこと以外は実施例1と同様にしてインサート加飾成形品を得た。すなわち、第1の加飾シートの端部13aの位置から第2の加飾シートの端部13bまでの距離xを0mmとした。木目模様とメタリック模様の境界部分から黒色のABS樹脂が見られ、意匠性に劣るものであった。
本発明の製造方法によれば、連続した2種以上の絵柄を付したインサート加飾成形品であって、絵柄の境界部分から樹脂色が見えない意匠性の高いインサート加飾成形品が得られる。これらのインサート加飾成形品は、各種の自動車用内装品や外装品、ビルディング・家屋等の内装品や家具、高級日用雑貨品等の各種のインサート加飾成形品の製造方法として好適に用いられる。
本発明の課題を説明するためのインサート加飾成形方法を示す模式図である。 本発明の課題を説明するためのインサート加飾成形方法を示す模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法の真空成形工程において、真空成形前の加熱段階を示す工程模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法の真空成形工程において、加熱段階終了後の真空成形準備段階を示す工程模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法の真空成形工程において、真空成形を示す工程模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法において、トリミングされた加飾シートの断面を示す模式図である。 トリミングされた加飾シートの部分断面を示す模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法において、射出成形の準備段階を示す工程模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法において、射出成形直後を示す工程模式図である。 本発明のインサート加飾成形品の製造方法において、射出成形直後を示す工程模式図である。
符号の説明
10、10a、10b 加飾シート
11 加飾層
12 バッカー層
13a、13b 加飾シートの端部
101 加飾シートの凸部
102 加飾シートの鍔状部
21 真空成形金型
22、22' ヒーター
31 射出成形金型(雌金型)
32 射出成形金型(雄金型)
S 隙間
L 2種の加飾シートの重なり部分
P、P1、P2 成形樹脂
G、G1、G2 ゲート
x 第1の加飾シートの端部13aの位置から第2の加飾シートの端部13bまでの距離

Claims (7)

  1. 2種以上の加飾シートを真空成形する真空成形工程と、真空成形された加飾シートの少なくとも2種を並べて雌金型に配し、該加飾シートに成形樹脂を射出する射出工程とを含むインサート加飾成形品の製造方法であって、
    第1の加飾シートと第2の加飾シートとを、第1の加飾シートの端面が、第2の加飾シートの雌金型側の面に向かい合うように配置し、かつ第1の加飾シートの端面が第2の加飾シートの雌金型側の面に接するか又は該面の近傍に位置し、
    第1の加飾シートの端面の雌金型側とは反対側の位置から、第2の加飾シートの端面までの距離が、成形樹脂の肉厚の15〜100%であることを特徴とするインサート加飾成形品の製造方法。
  2. 2種以上の加飾シートを真空成形する真空成形工程と、真空成形された加飾シートの少なくとも2種を並べて雌金型に配し、該加飾シートに成形樹脂を射出する射出工程とを含むインサート加飾成形品の製造方法であって、
    複数のキャビティを有する雌金型を用い、
    前記複数のキャビティで隣接する位置関係にある2つのキャビティの一方に第1の加飾シートを配置し、他方に第2の加飾シートを配置し、
    第2の加飾シートは少なくとも一方の端部が他方のキャビティ側に突出する突出部を有し、
    第1の加飾シートは、端面が第2の加飾シートの突出部に接するか又は近傍に位置し、
    第1の加飾シートの端面のキャビティ側とは反対側の位置から、第2の加飾シートの突出部の先端までの距離が、成形樹脂の肉厚の15〜100%であることを特徴とする加飾成形品の製造方法。
  3. 前記第1の加飾シートの端面の雌金型側とは反対側の位置から、第2の加飾シートの端面までの距離が、成形樹脂の肉厚の20〜50%である請求項1に記載のインサート加飾成形品の製造方法。
  4. 成形樹脂を射出するためのゲートが複数あり、複数のゲートから射出される樹脂の合流点が、前記第1の加飾シートの端面であって第2の加飾シートの雌金型側の面に接するか又は該面の近傍に位置する端面よりも、第1の加飾シートの内側にあることを特徴とする請求項1又は3に記載のインサート加飾成形品の製造方法。
  5. 前記成形樹脂の肉厚が2〜5mmである請求項1、3及び4のいずれかに記載のインサート加飾成形品の製造方法。
  6. 前記第1の加飾シートの端面であって第2の加飾シートの雌金型側の面に接するか又は該面の近傍に位置する端面が、雌金型から離れる方向にカールしている請求項1、3〜5のいずれかに記載のインサート加飾成形品の製造方法。
  7. 前記加飾シートが加飾層とバッカー層からなり、加飾層を構成する基材がアクリル樹脂であり、バッカー層がABS樹脂で構成される請求項1、3〜6のいずれかに記載のインサート加飾成形品の製造方法。
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