JP2016190480A - 加飾シート - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形品に対して、凹凸形状による優れた意匠感及び手触り感を付与できる加飾シートを提供する。【解決手段】少なくとも、凹凸形状を有する表面層2、及び剥離可能な凹凸保護層3が積層されてなり、凹凸保護層3は、表面層2側から順に、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている接着層31と、剥離フィルム層30とを備えている、加飾シート。【選択図】図1

Description

本発明は、凹凸形状による優れた意匠感及び手触り感を付与できる加飾シートに関する。
車両内装部品、建材内装材、家電筐体等には、樹脂成形品の表面に加飾シートを積層させた加飾樹脂成形品が使用されている。また、近年、消費者ニーズの多様化に伴って、様々な意匠性を備える加飾樹脂成形品が求められている。このように多様化する消費者ニーズに追従するために、表面に凹凸形状を有し、意匠感のみならず手触りも良好な加飾樹脂成形品の開発が望まれている。
従来、加飾樹脂成形品の製造には、予め意匠性が付与された加飾シートを射出成形によって樹脂と一体化させる成形法が用いられており、凹凸形状が形成された加飾樹脂成形品の製造には、表面に凹凸形状を有する加飾シートが使用されている。
しかしながら、凹凸形状を有する加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造する場合、加飾シートを射出成形やそれに先立つ予備成形(真空成形)に供する際において、熱や圧力によって凹凸形状が変形したり、消失したりするため、射出成形後の加飾シートが初期の凹凸形状を維持できず、凹凸形状による意匠感や手触り感が十分に付与できないという欠点がある。
このような欠点を克服するために、熱可塑性基体シートにエンボス加工によって凹凸を形成した加飾シートの表面に、押出し成形やホットメルトコート法により熱可塑性樹脂からなるクッション層を積層させることにより、真空成形や射出成形時に生じる凹凸形状の変形や消失を抑制し、射出成形後に当該クッション層を除去する手法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された手法において、凹凸形状の変形や消失を抑制するために設けられるクッション層は、熱可塑性樹脂の押出し成形やホットメルトコート法により形成されるため、溶融した熱可塑性樹脂の熱によって、熱可塑性基体シート表面の微細な凹凸形状が変形や消失しやすいという問題がある。
特開2008−137216号公報
本発明は、樹脂成形品に対して、凹凸形状による優れた意匠感及び手触り感を付与できる加飾シートを提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品、及びこれらの製造方法を提供することも目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層が積層されてなり、凹凸保護層が、表面層側から順に、表面層の凹凸形状の凹部を埋めている接着層と、剥離フィルム層とを備えている加飾シートは、凹凸保護層によって、表面層の凹凸形状を効果的に保護できることを見出した。そして、当該加飾シートを用いることにより、真空成形や射出成形時に生じる凹凸形状の変形や消失が抑制され、加飾樹脂成形品に対して、凹凸形状による優れた意匠感及び手触り感を付与できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層が積層されてなり、
前記凹凸保護層は、前記表面層側から順に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている接着層と、剥離フィルム層とを備えている、加飾シート。
項2. 前記接着層が、硬化性樹脂の硬化物により形成されている、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記凹凸保護層が、前記表面層側から順に、離型層と、前記接着層と、前記剥離フィルム層とを備えており、
前記離型層及び前記接着層が、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記離型層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記表面層が、硬化性樹脂組成物の硬化物または樹脂フィルムにより形成されている、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 前記表面層の直下にプライマー層が積層されている、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 前記表面層の前記凹凸保護層とは反対側に、絵柄層が積層されている、項1〜6のいずれかに記載の加飾シート。
項8. 凹凸形状を有する表面層を用意する第1工程と、
前記表面層の上に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めるように接着剤を塗布し、接着層を積層する第2工程と、
前記接着層の上に、剥離フィルム層を積層する第3工程と、
を備える、加飾シートの製造方法。
項9. 前記第1工程が、以下の工程を備えている、項8に記載の加飾シートの製造方法。
基材層の上に、絵柄層とプライマー層をこの順に積層する工程と、
前記プライマー層の上からエンボス加工を行い、前記プライマー層の表面に凹凸形状を形成する工程と、
前記プライマー層の上から硬化性樹脂組成物を塗布した後、硬化させて、凹凸形状を有する表面層を積層する工程。
項10. 前記第1工程が、以下の工程を備えている、項8に記載の加飾シートの製造方法。
樹脂フィルムからなる表面層を用意する工程と、
前記表面層の上からエンボス加工を行い、前記表面層の表面に凹凸形状を形成する工程。
項11. 前記第1工程が、以下の工程を備えている、項8に記載の加飾シートの製造方法。
前記基材層の上に、絵柄層とプライマー層をこの順に積層する工程と、
前記プライマー層の上に樹脂フィルムを積層して表面層を積層する工程と、
前記表面層の上からエンボス加工を行い、前記表面層の表面に凹凸形状を形成する工程。
項12. 少なくとも、成形樹脂層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、
前記凹凸保護層は、前記表面層側から順に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている接着層と、剥離フィルム層とを備えている、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品。
項13. 項12に記載の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から、凹凸保護層を剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
項14. 項1〜7のいずれかに記載の加飾シートの表面層側に、樹脂を射出することにより成形樹脂層を形成する工程を備える、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の製造方法。
本発明によれば、樹脂成形品に対して、凹凸形状による優れた意匠感及び手触り感を付与できる加飾シートを提供することができる。また、本発明によれば、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品、及びこれらの製造方法を提供することもできる。
本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。
1.加飾シート
本発明の加飾シートは、少なくとも、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層が積層されてなり、前記凹凸保護層は、前記表面層側から順に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている接着層と、剥離フィルム層とを備えていることを特徴とする。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。なお、本明細書において、特に言及しない限り、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味し、他の類似する表記も同様の意である。また、本発明の加飾シートは、絵柄層などを有していなくてもよく、例えば透明であってもよい。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは少なくとも、凹凸形状を有する表面層2、及び剥離可能な凹凸保護層3が積層された積層構造を有する。
凹凸保護層3は、表面層2側から順に、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている接着層31と、剥離フィルム層30とを備えている。表面層2と凹凸保護層3との剥離性を高めることなどを目的として、凹凸保護層3においては、表面層2側から順に、離型層32と、接着層31と、剥離フィルム層30とが積層されていてもよい。なお、凹凸保護層3が離型層32を有する場合、本発明の加飾シートにおいては、離型層32及び接着層31が、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている。
本発明の加飾シートにおいて、表面層2の凹凸保護層3とは反対側には、加飾シートの支持体等として、基材層1が設けられていてもよい。
本発明の加飾シートにおいて、表面層2の凹凸保護層3とは反対側には、各層同士の接着性を高める目的で、必要に応じてプライマー層4が設けられていてもよい。
また、表面層2の凹凸保護層3とは反対側には、装飾性を付与する目的で、必要に応じて、絵柄層5を設けてもよい。基材層1とプライマー層4を設ける場合には、基材層1とプライマー層4の間に絵柄層5を設ければよい。
また、基材層1を設ける場合、基材層1と表面層2の間には、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、必要に応じて、隠蔽層(図示しない)が設けられていてもよい。プライマー層4を設ける場合であれば、当該隠蔽層は基材層1とプライマー層4の間に設ければよく、また、絵柄層5を設ける場合であれば、当該隠蔽層は、基材層1と絵柄層5の間に設ければよい。
更に、表面層2の凹凸保護層3とは反対側には、耐傷付き性を向上させる目的で、必要に応じて、透明樹脂層6を設けてもよい。プライマー層4を設ける場合であれば、当該透明樹脂層6は、絵柄層5とプライマー層4の間に設ければよい。
更に、本発明の加飾シートにおいて、加飾樹脂成形品の成形の際に成形樹脂との密着性を高めることを目的として、表面層2の凹凸保護層3とは反対側の表面には、必要に応じて、裏面接着層(図示しない)が設けられてもよい。
本発明の加飾シートの積層構造の例として、表面層2/凹凸保護層3(接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造;基材層1/表面層2/凹凸保護層3(接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造;基材層1/絵柄層5/表面層2/凹凸保護層3(接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造;基材層1/絵柄層5/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3(接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造;基材層1/絵柄層5/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3(離型層32/接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造;基材層1/絵柄層5/透明樹脂層6/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3(離型層32/接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造が順に積層された積層構造等が挙げられる。図1及び図2に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層1/表面層2/凹凸保護層3(接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された加飾シートの断面図を示す。図3に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層1/絵柄層5/透明樹脂層6/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3(離型層32/接着層31/剥離フィルム層30)が順に積層された積層構造が順に積層された加飾シートの断面図を示す。
加飾シートの各層の組成
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たす樹脂シート(樹脂フィルム)であり、必要に応じて設けられる。例えば、後述する表面層2が自立性を有しており、支持体としての役割を果たす場合には、本発明の加飾シートは基材層1を有していなくてもよい。
基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や成形樹脂との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。当該熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂(以下「ASA樹脂」と表記することもある)、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂及びアクリル樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
基材層1の曲げ弾性率については、特に制限されない。例えば、本発明の加飾シートをインサート成形法によって成形樹脂と一体化させる場合には、本発明の加飾シートにおける基材層1の25℃における曲げ弾性率が500〜4,000MPa、好ましくは750〜3,000MPaが挙げられる。ここで、25℃における曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して測定された値である。25℃における曲げ弾性率が500MPa以上であると、加飾シートは十分な剛性を備え、インサート成形法に供しても、表面特性と成形性がより一層良好になる。また、25℃における曲げ弾性率が3,000MPa以下であると、ロール トゥ ロールで製造する場合に十分な張力をかけることができ、たるみが発生し難くなるため、絵柄がずれることなく重ねて印刷することができ、所謂絵柄見当が良好となる。
基材層1は、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。基材層1の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、基材層1の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材層1を構成する樹脂成分の種類に応じて適宜選択されるが、効果及び操作性等の観点から、好ましくはコロナ放電処理法が挙げられる。
また、基材層1は公知の接着層を形成する等の処理を施してもよい。
更に、基材層1は、着色剤を用いて着色されていてもよく、着色されていなくてもよい。また、基材層1は、無色透明、着色透明、及び半透明のいずれの態様であってもよい。基材層1に用いられる着色剤としては、特に制限されないが、好ましくは150℃以上の温度条件でも変色しない着色剤が挙げられ、具体的には、既存のドライカラー、ペーストカラー、マスターバッチ樹脂組成物等が挙げられる。
基材層1の厚みは、加飾シートの用途、成形樹脂と一体化させる成形法等に応じて適宜設定されるが、通常25〜1000μm程度、50〜700μm程度が挙げられる。より具体的には、本発明の加飾シートをインサート成形法に供する場合であれば、基材層1の厚みとして、通常50〜1000μm程度、好ましくは100〜700μm、更に好ましくは100〜500μmが挙げられる。また、本発明の加飾シートを射出成形同時加飾法に供する場合であれば、基材層1の厚みとして、通常25〜200μm、好ましくは50〜200μm、更に好ましくは70〜200μmが挙げられる。
[表面層2]
表面層2は、凹凸形状を有しており、好ましくは硬化性樹脂組成物の硬化物または樹脂フィルムにより形成される。
<凹凸形状>
表面層2に形成される凹凸形状については、特に制限されず、付与すべき意匠感や手触り等に応じて適宜設定すればよい。当該凹凸形状としては、例えば、ヘアライン模様、木目模様、幾何学模様(ドット、ストライプ、カーボン)等が挙げられる。
また、表面層2に形成される凹凸形状における凸部の高さ、凸部の幅、隣接する凸部間のピッチ、凹部の幅等については、付与すべき意匠感や手触り等に応じて適宜設定すればよい。例えば、表面層2の中心線平均粗さ(Ra)として、凹凸形状による優れた意匠感や手触りを付与するという観点から、通常1.0〜20μm、好ましくは1.0〜10μm、更に好ましくは1.5〜5μmが挙げられる。表面層2の中心線平均粗さが20μm以下であると、加飾シートをロール状に巻いて保管する等する際に、凹凸が激しすぎることによる、輸送時の傷つきや破け、巻きの崩れ等が起こらず好適である。
また、同様の観点から、最大高さ(Rmax)としては、通常1.0〜100μm、好ましくは1.0〜80μm、更に好ましくは1.0〜60μmが挙げられる。同様の観点から、十点平均高さ(Rz)としては、通常1.0〜100μm、好ましくは1.0〜80μm、更に好ましくは1.0〜60μmが挙げられる。なお、中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)、及び十点平均高さ(Rz)は、それぞれ、実施例に記載の方法により測定した値である。
また、表面層2によって形成される凹凸形状は、図1に示す態様のように凹部の底部が表面層2によって形成されていてもよいし、図2に示す態様のように凹部の底部には表面層2の下層が露出し、表面層2の複数の凸部が部分的に設けられたものであってもよい。加飾樹脂成形品の表面を保護する観点からは、前者が好ましい。なお、図1及び図2は、便宜上、基材層1、表面層2、及び凹凸保護層3を順に積層させた積層構造を示している。
本発明の加飾シートにおいて、上記の凹凸形状は、加飾シートに凹凸形状による高い質感を付与するために、少なくとも一部の領域に形成すればよい。すなわち、本発明の加飾シートにおいては、上記の関係を充足する凹凸形状が一部の領域に形成されていてもよいし、全領域に形成されていてもよい。
<組成>
表面層2を形成する樹脂フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。表面層2が樹脂フィルムにより形成されている場合、表面層2は、通常、自立性を有しており、支持体としての役割を果たすことができる。よって、この場合、本発明の加飾シートは基材層1を有していなくてもよい。
また、表面層2を形成する硬化性樹脂組成物の硬化物において、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられ、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。凹凸形状を有する表面層を、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物にて形成し、且つ後述する特定の凹凸保護層で当該表面層を覆うことによって、真空成形や射出成形時に生じる凹凸形状の変形や消失を抑制し、加飾樹脂成形品に特に優れた意匠感及び手触り感を付与することが可能になる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合には、硬化前の熱硬化性樹脂を積層して、加熱硬化させることにより、表面層2を形成することができる。また、電離放射線硬化性樹脂については、以下の通りである。
(電離放射線硬化性樹脂)
表面層2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。なお、ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面層の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合したものが挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとともに、シラノール基を有するシリコーン化合物を反応させることにより得られる。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの電離放射線硬化性樹脂の中でも、加飾樹脂成形品に対してより一層優れた意匠感及び手触り感を付与するという観点から、好ましくは分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するオリゴマー、更に好ましくはポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、特に好ましくはポリカーボネート(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらの電離放射線硬化性樹脂の中でも、格段に優れた意匠感及び手触り感を付与するという観点から、好ましくは、(1)ポリカーボネート(メタ)アクリレートと、(2)他の多官能性(メタ)アクリレート(多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー又はモノマー)の組み合わせ;更に好ましくは(1)ポリカーボネート(メタ)アクリレートと、(2)多官能性ウレタン(メタ)アクリレートの組み合わせが挙げられる。
前記(1)の電離放射線硬化性樹脂と前記(2)の電離放射線硬化性樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの比率については、これらの分子量、官能基数等を勘案して設定すればよいが、例えば、前記(1)の電離放射線硬化性樹脂と前記(2)の電離放射線硬化性樹脂の質量比(前記(1)の電離放射線硬化性樹脂:前記(2)の電離放射線硬化性樹脂)が、好ましくは50:50〜99:1程度、更に好ましくは80:20〜99:1程度、特に好ましくは85:15〜99:1程度が挙げられる。
以下に、表面層2を形成するための電離放射線硬化性樹脂として、好適に使用されるポリカーボネート(メタ)アクリレート及び多官能性ウレタン(メタ)アクリレートについて詳述する。
ポリカーボネート(メタ)アクリレート
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されず、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜6個が挙げられる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有する多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートであることが好ましい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールの水酸基の一部又は全てを(メタ)アクリレート(アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)に変換して得られる。このエステル化反応は、通常のエステル化反応によって行うことができる。例えば、1)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとを、塩基存在下に縮合させる方法、2)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸無水物又はメタクリル酸無水物とを、触媒存在下に縮合させる方法、或いは3)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸とを、酸触媒存在下に縮合させる方法等が挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端又は側鎖に2個以上、好ましくは2〜50個、更に好ましくは3〜50個の水酸基を有する重合体である。当該ポリカーボネートポリオールの代表的な製造方法は、ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とから重縮合反応による方法が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるジオール化合物(A)は、一般式HO−R1−OHで表される。ここで、R1は、炭素数2〜20の2価炭化水素基であって、基中にエーテル結合を含んでいても良い。例えば、直鎖、又は分岐状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基である。
前記ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジオールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリカーボネートポリオールの原料として用いられる3価以上の多価アルコール(B)の例としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等のアルコール類が挙げられる。また、当該3価以上の多価アルコールは、前記多価アルコールの水酸基に対して、1〜5当量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、あるいはその他のアルキレンオキシドを付加させた水酸基を有するアルコール類であってもよい。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるカルボニル成分となる化合物(C)は、炭酸ジエステル、ホスゲン、又はこれらの等価体の中から選ばれるいずれかの化合物である。当該化合物として、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸ジエステル類;ホスゲン;クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニル等のハロゲン化ギ酸エステル類等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、前記ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とを、一般的な条件下で重縮合反応することにより合成される。ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)との仕込みモル比は、例えば、50:50〜99:1の範囲に設定すればよい。また、ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)とに対する、カルボニル成分となる化合物(C)の仕込みモル比は、例えば、ジオール化合物及び多価アルコールの持つ水酸基に対して0.2〜2当量の範囲に設定すればよい。
前記の仕込み割合で重縮合反応した後のポリカーボネートポリオール中に存在する水酸基の当量数(eq./mol)としては、例えば、1分子中に平均して3以上、好ましくは3〜50、更に好ましくは3〜20が挙げられる。このような等量数を充足すると、後述するエステル化反応によって必要な量の(メタ)アクリレート基が形成され、またポリカーボネート(メタ)アクリレート樹脂に適度な可撓性が付与される。なお、このポリカーボネートポリオールの末端官能基は、通常はOH基であるが、その一部がカーボネート基であってもよい。
以上説明したポリカーボネートポリオールの製造方法は、例えば、特開昭64−1726号公報に記載されている。また、このポリカーボネートポリオールは、特開平3−181517号公報に記載されているように、ポリカーボネートジオールと3価以上の多価アルコールとのエステル交換反応によっても製造することができる。
前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの分子量については、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が500以上、好ましくは1,000以上、更に好ましくは2,000を超える範囲であることが挙げられる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は、特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御するという観点から、例えば、100,000以下、好ましくは50,000以下が挙げられる。前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量として、成形性をより一層向上させるという観点から、好ましくは2,000を超え50,000以下、更に好ましくは5,000〜20,000が挙げられる。
なお、本明細書におけるポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
<多官能性ウレタン(メタ)アクリレート>
多官能性ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にウレタン結合を有し、かつ末端又は側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されない。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。また、ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜12個が挙げられる。表面層2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物に、上記のポリカーボネート(メタ)アクリレートに加えて、ウレタン(メタ)アクリレートをさらに含んでいてもよい。ウレタン(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの分子量については、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が2千以上、好ましくは5千以上が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は、特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御するという観点から、例えば、3万以下、好ましくは1万以下が挙げられる。
なお、本明細書におけるウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
<シリコーン系電離放射線硬化性樹脂>
表面層2を形成する電離放射線硬化性樹脂として、シリコーン系電離放射線硬化性樹脂を含むことにより、加飾樹脂成形品において、凹凸保護層3の剥離作業を容易にしつつ、優れた意匠感及び手触り感を付与することができる。
シリコーン系電離放射線硬化性樹脂としては、特に制限されないが、好ましくはアクリルシリコーン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート及びシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられ、特に好ましくはアクリルシリコーン(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、本発明において、「アクリルシリコーン(メタ)アクリレート」とは、「1分子中に、アクリル樹脂の構造の一部がシロキサン結合(Si−O)に置換しており、かつ官能基としてアクリル樹脂の側鎖及び/又は主鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有しているもの」を意味する。また、「シリコーン(メタ)アクリレート」とは、「ポリシロキサンを主鎖とするシリコーンオイルの側鎖や両末端に(メタ)アクリロイル基を導入した変性シリコーンオイル」を意味する。以下、シリコーン系電離放射線硬化性樹脂として好ましいアクリルシリコーン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート及びシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートについて、詳述する。
(アクリルシリコーン(メタ)アクリレート)
アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、特に限定されず、1分子中に、アクリル樹脂の構造の一部がシロキサン結合(Si−O)に置換しており、かつ官能基としてアクリル樹脂の側鎖及び/又は主鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基)を2個以上有しているものであればよい。このアクリルシリコーン(メタ)アクリレートの例としては、例えば、特開2007−070544号公報に開示されるような側鎖にシロキサン結合を有するアクリル樹脂の構造が好ましく挙げられる。
本発明に用いられるアクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、例えばラジカル重合開始剤の存在下、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより合成することができる。(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で又は2種を組み合わせて用いられる。
シリコーンマクロモノマーは、例えば、n−ブチルリチウム又はリチウムシラノレートを重合開始剤として、ヘキサアルキルシクロトリシロキサンをリビングアニオン重合し、更にラジカル重合性不飽和基含有シランでキャッピングして合成される。シリコーンマクロモノマーとしては、下記式(1);
で表される化合物が好適に用いられる。ここで、式(1)中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、メチル基又はn−ブチル基が好ましい。R2は、1価の有機基を示し、−CH=CH2、−C64−CH=CH2、−(CH23O(CO)CH=CH2又は−(CH23O(CO)C(CH3)=CH2が好ましい。R3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基を示し、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、nの数値は特に制限されず、例えばシリコーンマクロモノマーの数平均分子量が1,000〜30,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましい。
上述の原料を用いて得られるアクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、例えば、下記式(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有する。
式(2)、(3)及び(4)中、R1、R3は式(1)におけるものと同義であり、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は上記(メタ)アクリレートモノマー中のアルキル基又はグリシジル基あるいは上記(メタ)アクリレートモノマー中のアルキル基又はグリシジル基等の官能基を有していてもよいアルキル基を示し、R6は(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を示す。上述のアクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、1種を単独で又は2種を組み合わせて用いられる。
上記のアクリルシリコーン(メタ)アクリレートの分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から150,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましい。三次元成形性と耐薬品性と耐傷付き性とを鼎立させる観点から、2,000〜100,000であることが特に好ましい。
また、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの架橋点間平均分子量は、100〜2,500であることが好ましい。架橋点間平均分子量が100以上であれば、三次元成形性の観点から好ましく、2,500以下であれば、耐薬品性及び耐傷付き性の観点から好ましい。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの架橋点間平均分子量は、同様の観点から、より好ましくは100〜1,500、さらに好ましくは100〜1,000である。
(シリコーン(メタ)アクリレート)
シリコーン(メタ)アクリレートとしては、ポリシロキサンを主鎖とするシリコーンオイルの側鎖や両末端に(メタ)アクリロイル基を導入した変性シリコーンオイルであれば、特に制限されず、1官能または2官能シリコーン(メタ)アクリレート、多官能(3官能以上)シリコーン(メタ)アクリレートを使用することができる。
1官能または2官能シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であり、該有機基を1乃至2つ有する変性シリコーンオイルであれば、特に限定されない。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。このようなシリコーン(メタ)アクリレートとしては、好ましくは重量平均分子量1000〜6000、より好ましくは3000〜6000、官能基当量(重量平均分子量/官能基数)が好ましくは500〜3000、より好ましくは1500〜3000の条件を有するものが用いられる。
また、シリコーン(メタ)アクリレートに用いる多官能(3官能以上)シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であって該有機基を複数、好ましくは4つ以上を、さらには4〜6つ有する変性シリコーンオイルであれば、特に限定されない。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。このようなシリコーン(メタ)アクリレートとしては、好ましくは重量平均分子量3000〜100000、より好ましくは10000〜30000、官能基当量(重量平均分子量/官能基数)が好ましくは750〜25000、より好ましくは3000〜6000の条件を有するものが用いられる。
なお、本明細書におけるシリコーン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
(シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート)
シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、ウレタン(メタ)アクリレートの側鎖の一部をシリコーンで変性された化合物が例示される。シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとともに、シラノール基を有するシリコーン化合物を反応させることにより得られる。
シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートの官能基数及び分子量については、例えば、1分子当たりの官能基数が1〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは3〜6であり、且つ重量平均分子量が1000〜50000、好ましくは3000〜30000、更に好ましくは5000〜10000であるものが挙げられる。
表面層2を形成する電離放射線硬化性樹脂中における、シリコーン系電離放射線硬化性樹脂の割合としては、好ましくは1〜10質量%程度、より好ましくは1〜5質量%程度、さらに好ましくは3〜5質量%程度が挙げられる。
<他の添加剤>
また、表面層2の形成に使用される樹脂組成物には、表面層2に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
<表面層2の厚み>
表面層2の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、例えば、0.01〜20μm、好ましくは0.01〜15μm、更に好ましくは0.01〜12μmが挙げられる。このような範囲の厚みを充足することによって、凹凸形状をより一層効果的に表出させて、優れた意匠感及び手触り感を備えさせることができる。また、同様の観点から、表面層2が樹脂フィルムにより形成されている場合、表面層2の厚みとしては、好ましくは50〜200μmが挙げられる。なお、表面層2の厚みとは、表面層2の凸部の厚みを意味する。
<表面層2の形成>
表面層2として、樹脂フィルムを用いる場合には、表面層2の下に位置する層の上に樹脂フィルムを積層し、樹脂フィルムの上からエンボス加工を行うことにより、凹凸形状を有する表面層2を形成することができる。
また、硬化性樹脂組成物を用いて表面層2を形成する場合、硬化性樹脂組成物の硬化物が、凹凸形状を備えるように所定の層の上に形成すればよく、その具体的方法については特に制限されるものではない。表面層2に凹凸形状を付与する方法としては、例えば、エンボス加工を施す方法、表面層2を形成する樹脂組成物を、凸部を形成させる部分のみに塗布して硬化させる方法等が挙げられるが、エンボス加工を施す方法が好ましい。
硬化性樹脂組成物を用いて表面層2を形成する場合、凹凸形状を有する表面層2の形成方法として、具体的には、以下の第1法〜第3法が挙げられる。
第1法:基材層1、及び必要に応じて設けられる他の層を順に積層させて、表面層2以外を有するシートを調製し、当該シートの表面層2を積層させる側にエンボス加工を施した後に、表面層2の形成に使用される硬化性樹脂組成物を塗布して当該硬化性樹脂組成物を硬化させる方法。
第2法:基材層1、及び必要に応じて設けられる他の層を順に積層させて、表面層2以外を有するシートを調製し、当該シートの表面層2を積層させる側に表面層2の形成に使用される硬化性樹脂組成物を塗布して当該硬化性樹脂組成物を硬化させた後に、表面層2側にエンボス加工を施す方法。
第3法:基材層1、及び必要に応じて設けられる他の層を順に積層させて、表面層2以外を有するシートを調製し、当該シートの表面層2を積層させる側の凸部を形成させる部分のみに表面層2の形成に使用される硬化性樹脂組成物を塗布して当該硬化性樹脂組成物を硬化させる方法。
表面層2の形成に使用される硬化性樹脂組成物を所定の層の上に塗布する方法については、特に制限されないが、例えば、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等が挙げられ、好ましくはグラビアコートが挙げられる。
硬化性樹脂として、電離放射線硬化性樹脂を用いる場合、このようにして所定の層の上に塗布された電離放射線硬化性樹脂組成物(未硬化樹脂層)に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して当該樹脂組成物を硬化させて表面層2を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材層として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が挙げられる。
[凹凸保護層3]
凹凸保護層3は、表面層2上に、表面層2と接面した状態で設けられる層であり、表面層2との界面から剥離可能な状態で積層されており、成形樹脂と一体成形された後に剥離される層である。本発明において、凹凸保護層3は、表面層2側から順に、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている接着層31と、剥離フィルム層30とを備えている。
本発明においては、凹凸保護層3の接着層31は、接着剤により形成されており、凹凸形状を有する表面層2の上に接着剤を塗布することによって形成することができる。このため、接着層の形成には、前述の特許文献1に開示されたクッション層のような押出成形や熱ラミネーションによる加熱が不要である。したがって、本発明においては、表面層2の微細な凹凸形状を好適に維持しながら、表面層2の凹凸形状を保護するための凹凸保護層3を形成することができる。
(接着層31)
凹凸保護層3の接着層31に使用される接着剤としては、表面層2の凹凸形状を埋めるようにして塗布することができ、かつ、剥離フィルム30と共に表面層2の表面から剥離できるものであれば、特に制限はないが、硬化性樹脂が好ましく使用される。硬化性樹脂として、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、なかでも、ウレタン系接着剤は射出成型時にも十分な接着力が維持できる点、表面層2の表面から剥離できる等の点で好ましい。なお、この様なウレタン系接着剤としては、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤などがあり、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ヒドロキシル基含有化合物と、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート等の各種ポリイソシアネート化合物を含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤である。
接着層31の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは5〜70μm程度、より好ましくは15〜60μm程度が挙げられる。なお、接着層31の厚みは、下に位置する層(表面層2または離型層32)の凸部の上に位置する部分の厚みである。
接着層31は、接着層31の下に位置する層(表面層2または離型層32)の上に、前述の接着剤を塗布することによって形成することができる。具体的には、接着剤を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で、表面層2の表面(離型層32を有する場合には、離型層32の表面)に塗布すればよい。
(剥離フィルム30)
剥離フィルム30は、接着層31と共に凹凸保護層3を形成しており、加飾シートの真空成形や射出成形時に表面層2の凹凸形状の変形や消失を抑制するために設けられる層である。
剥離フィルム30の素材としては、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂フィルムにより形成することができる。熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。
剥離フィルム30の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは5〜100μm程度、より好ましくは20〜50μm程度が挙げられる。
(離型層32)
凹凸保護層3は、凹凸保護層3と表面層2との剥離性を高めることなどを目的として、離型層32を備えていてもよい。離型層32を有する場合、凹凸保護層3は、表面層2側から順に、離型層32と、接着層31と、剥離フィルム層30とを備えている。また、離型層32及び接着層31が、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている。
離型層32を形成する素材としては、表面層2の凹凸形状を埋めるようにして塗布することができ、かつ、凹凸保護層3として表面層2の表面から剥離できるものであれば、特に制限されず、例えば樹脂により形成することができる。
表面層2が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている場合には、離型層32についても、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されていることが好ましい。これにより、真空成形や射出成形時に表面層2の凹凸形状の変形や消失をより一層効果的に抑制し、加飾樹脂成形品に優れた意匠感及び手触り感を付与することが可能になる。
<離型層32における電離放射線硬化性樹脂>
離型層32の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂の種類、好ましいもの等については、前記表面層2の形成に使用されるものと同様である。とりわけ、電離放射線樹脂の中でも、表面層2の欄で例示した前記(1)の電離放射線硬化性樹脂と前記(2)の電離放射線硬化性樹脂の組み合わせについては、真空成形や射出成形時に表面層2の凹凸形状の変形や消失を抑制する作用のみならず、成形樹脂と一体成形された後に剥離する際の剥離容易性も備えさせ得るため、離型層32において好適に使用される。離型層32における電離放射線硬化性樹脂としては、3官能ペンタエリスリトールアクリレートが好ましい。また、離型層32の形成に使用する電離放射線硬化性樹脂と、前記表面層2の形成に使用する電離放射線硬化性樹脂とは同一の種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
<他の添加成分>
離型層32の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物には、電離放射線硬化性樹脂以外に、成形性の向上等のために、必要に応じて、他の樹脂成分が含まれていてもよい。このような電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;塩化ビニル樹脂;ウレタン樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂;エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリイミド;ポリ乳酸;ポリビニルアセタール樹脂;液晶性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
離型層32は、電離放射線硬化性樹脂組成物の他、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性したものが好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル系樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルションとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。これらの内、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有する組成物で離型層32を構成することが特に好ましい。
離型層32を形成する樹脂組成物には、凹凸保護層3に備えさせる所望の物性を考慮して、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
離型層32の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは1〜25μm程度、より好ましくは5〜15μm程度が挙げられる。なお、離型層32の厚みは、表面層2の凸部の上に位置する部分の厚みである。
離型層32は、表面層2の上に、前述の樹脂組成物を塗布することによって形成することができる。具体的には、当該樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で、表面層3の表面に塗布すればよい。
<凹凸保護層3の総厚み>
凹凸保護層3の総厚みについては、特に制限されないが、例えば5〜150μmが挙げられる。また、成形樹脂と一体化させた後に凹凸保護層を剥離させ易くするという観点からは、凹凸保護層3の総厚みとして好ましくは10〜100μm、更に好ましくは15〜100μmが挙げられる。なお、ここで、凹凸保護層3の総厚みは、硬化樹脂を用いる場合には硬化後の保護層の厚みを意味する。凹凸保護層3の総厚みは、表面層2の凸部の上に位置する部分の厚みである。
[プライマー層4]
プライマー層4は、表面層2の延伸部に微細な割れや白化を生じ難くすること等を目的として、基材層1と表面層2との間、絵柄層5を設ける場合には絵柄層5と表面層2との間及び/又は基材層1と絵柄層5の間等に、必要に応じて設けられる層である。
表面層2とその下に位置する層との密着性を高める観点から、表面層2の直下にプライマー層4が設けられていることが好ましい。
プライマー層4を構成するプライマー組成物としては、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等をバインダー樹脂とするものが好ましく用いられ、これらの樹脂は一種又は二種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が使用される。前記イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが用いられる。また、ウレタン樹脂とブチラール樹脂を混ぜて構成することも可能である。
架橋後の表面層2との密着性、表面層2を積層後の相互作用の生じ難さ、物性、成形性の面から、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせることが好ましく、特にアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせて用いることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる(メタ)アクリル樹脂が好適に用いられる。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、例えばアクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂が好ましい。硬化剤としては、上記の各種イソシアネートが用いられる。アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂は所望により、アクリル/ウレタン比(質量比)を好ましくは9/1〜1/9、より好ましくは8/2〜2/8の範囲で調整することが好ましい。
プライマー層4の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmが挙げられる。
プライマー層4は、プライマー組成物を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法は、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層や接着層の塗膜を形成し、その後に加飾シート中の対象となる層表面に被覆する方法である。
[絵柄層5]
絵柄層5は、加飾シートに装飾性を付与する目的で、表面層2の凹凸保護層3とは反対側(基材層1を設ける場合は、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合は、基材層1とプライマー層4の間、又は隠蔽層を設ける場合は隠蔽層と表面層2の間等)に、必要に応じて設けられる層である。
絵柄層5は、例えば、インキ組成物を用いて所望の絵柄を形成した層とすることができる。絵柄層5の形成に用いられるインキ組成物としては、バインダーに、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
インキ組成物に使用されるバインダーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が挙げられる。これらのバインダーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
インキ組成物に使用される着色剤としては、特に制限されないが、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。
絵柄層5によって形成される絵柄についても、特に制限されないが、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等が挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様であってもよく、あるいは単色無地(いわゆる全面ベタ)であってもよい。これらの絵柄は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成されるが、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成することができる。
絵柄層5の厚みは、特に制限されないが、例えば1〜30μm、好ましくは1〜20μmが挙げられる。
また、絵柄層5は金属薄膜層であってもよい。金属薄膜層を形成する金属としては、例えば、スズ、インジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、亜鉛、及びこれらのうち少なくとも1種を含む合金などが挙げられる。金属薄膜層の形成方法は特に制限されず、例えば上記の金属を用いた、真空蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。金属薄膜層は全面に設けられても、部分的に設けられてもよい。また、隣接する層との密着性を向上させるため、金属薄膜層の表面や裏面には公知の樹脂を用いたプライマー層を設けてもよい。
[隠蔽層]
隠蔽層は、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合であれば基材層1とプライマー層2の間、又は絵柄層5を設ける場合であれば基材層1と絵柄層5の間に、必要に応じて設けられる層である。
隠蔽層は、基材層が加飾シートの色調や絵柄に悪影響を及ぼすのを抑制するために設けられるため、一般的には、不透明色の層として形成される。
隠蔽層は、バインダーに、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したインキ組成物を用いて形成される。隠蔽層を形成するインキ組成物は、前述した絵柄層に使用されるものから適宜選択して使用される。
隠蔽層は、通常、厚みが1〜20μm程度に設定され、所謂ベタ印刷層として形成されることが望ましい。
隠蔽層は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷等の通常の印刷方法;グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート等の通常の塗布方法等によって形成される。
[透明樹脂層6]
透明樹脂層6は、耐薬品性や耐傷付き性を向上させる目的で、基材層1を設ける場合は基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合は基材層1とプライマー層4の間、絵柄層5を設ける場合は絵柄層5と表面層2の間、又は基材層1上にプライマー層4と絵柄層5をこの順に設ける場合はプライマー層4と絵柄層5の間等に、必要に応じて設けられる層である。透明樹脂層6は、インサート成形法によって成形樹脂と一体化される加飾シートにおいて、好適に設けられる層である。
透明樹脂層6を形成する樹脂成分としては、透明性、三次元成形性、形状安定性、耐薬品性等に応じて適宜選定されるが、通常、熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等が使用される。これらの熱可塑性樹脂の中でも、耐薬品性、耐傷付き性等の観点から、好ましくは、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂;更に好ましくは、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂;より好ましくは、ポリエステル樹脂が挙げられる。
透明樹脂層6は、接面する他の層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。これらの物理的又は化学的表面処理は、基材層に施される表面処理と同様である。
透明樹脂層6の厚みについては、特に制限されないが、例えば10〜200μm、好ましくは15〜150μmが挙げられる。
透明樹脂層6は、接着剤を介して積層させてもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介して積層させる場合、使用される接着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂等が挙げられる。また、接着剤を介さず積層させる場合には、押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の方法で行うことができる。
[裏面接着層]
裏面接着層(図示しない)は、加飾樹脂成形品の成形の際に成形樹脂との密着性を高めることを目的として、表面層2の凹凸保護層3とは反対側の表面に、必要に応じて設けられる層である。
裏面接着層には、加飾樹脂成形品に使用される成形樹脂に応じて、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が用いられる。
裏面接着層の形成に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、裏面接着層の形成に使用される熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
加飾シートの製造方法
本発明の加飾シートは、例えば、下記の第1工程〜第3工程を経て製造することができる。
凹凸形状を有する表面層2を用意する第1工程
表面層2の上に、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めるように接着剤を塗布し、接着層31を積層する第2工程
接着層31の上に、剥離フィルム層30を積層する第3工程。
第1工程〜第3工程において、各層の形成に使用される成分、各層の形成方法の具体的条件、表面層2の凹凸形状の形成方法等については、前記各層の組成の欄で述べた通りである。
さらに、凹凸保護層3を、離型層32、接着層31、及び剥離フィルム層30の積層体により形成する場合、第2工程及び第3工程は、例えば、以下の工程により行うことができる。
表面層2の上に、離型層32を構成する樹脂組成物を塗布し、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めるようにして、離型層32を形成する工程と、
離型層32の上に、接着剤を塗布し、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めるようにして、接着層31を形成する工程と、
接着層31の上に、剥離フィルム層30を積層する工程。
また、表面層2を、樹脂フィルムにより形成する場合、第1工程は、例えば、以下の工程により行うことができる。
樹脂フィルムからなる表面層2を用意する工程と、
表面層2の上からエンボス加工を行い、表面層2の表面に凹凸形状を形成する工程。
この場合において、基材層1と表面層2との間に、絵柄層5、プライマー層4などの他の層を形成する場合には、以下の工程により行うことができる。
基材層1の上に、絵柄層5、プライマー層4などの他の層を積層する工程
絵柄層5、プライマー層4などの他の層の上に樹脂フィルムからなる表面層2を積層する工程
表面層2の上からエンボス加工を行い、表面層2の表面に凹凸形状を形成する工程。
2.凹凸保護層付き加飾樹脂成形品
本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層7、凹凸形状を有する表面層2、及び剥離可能な凹凸保護層3がこの順に積層されてなり、凹凸保護層3は、表面層2側から順に、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている接着層31と、剥離フィルム層30とを備えていることを特徴とする。図4に、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の一態様について、その断面構造を示す。
本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品は、例えば、本発明の加飾シートを用いて、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法により作製される。本発明の加飾シートを各種射出成形法に供して凹凸保護層付き加飾樹脂成形品を作製することによって、射出成形の際に凹凸形状が損なわれることを抑制するという上述の効果を発揮できるので、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品を構成する成形樹脂層7の好適な一例として、射出成形で形成された射出樹脂層が挙げられる。これらの射出成形法の中でも、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法が挙げられる。
インサート成形法では、先ず、真空成形工程において、本発明の加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートの表面層2側(凹凸保護層3とは反対側)を一体化させることにより、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含むインサート成形法によって、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得る工程、及び
前記工程で得られた成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する工程。
インサート成形法における真空成形工程では、加飾シートを加熱して成形してもよい。この時の加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば基材層としてABS樹脂フィルムを用いる場合であれば、通常100〜250℃程度、好ましくは130〜200℃程度とすることができる。また、一体化工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度、好ましくは220〜280℃程度とすることができる。
また、射出成形同時加飾法では、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に本発明の加飾シートの表面層2側(凹凸保護層3とは反対側)を一体化させることにより、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含む射出成形同時加飾法によって、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、前記加飾シートの表面層2側(凹凸保護層3とは反対側)が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、前記可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂成形材料を射出、充填して固化させることにより、形成された樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる射出成形工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す工程。
射出成形同時加飾法の予備成形工程において、加飾シートの加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常70〜130℃程度とすることができる。また、射出成形工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度、好ましくは220〜280℃程度とすることができる。
また、本発明の加飾樹脂成形品は、真空圧着法等の、予め用意された立体的な樹脂成形体(成形樹脂層)上に、本発明の加飾シートを貼着する加飾方法によっても作製することができる。
真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように、且つ加飾シートの表面層2側(凹凸保護層3とは反対側)が樹脂成形体側に向くように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧に開放し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の加飾樹脂成形品を得ることができる。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常60〜200℃程度とすることができる。
本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品において、成形樹脂層は、用途に応じた成形樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
成形樹脂として使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、成形樹脂として使用される熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層を剥離除去することにより、加飾樹脂成形品を得ることができる。また、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品において、凹凸保護層は、加飾樹脂成形品の保護シートとしての役割を果たすので、製造後に剥離させずにそのまま保管しておき、用時に凹凸保護層を剥がしてもよい。このような態様で使用することにより、輸送時の擦れ等によって加飾樹脂成形品に傷付きが生じるのを防止することができる。
3.加飾樹脂成形品
前記凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層3を剥離除去することにより、表面に凹凸形状が付与された加飾樹脂成形品が得られる。前記凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から支持体を剥離除去すると、加飾樹脂成形品の表面に表面層2が現れ、その凹凸形状により優れた意匠感と手触り感が表出される。図5に、凹凸保護層3が除去された加飾樹脂成形品の一態様について、その断面構造を示す。
本発明の加飾樹脂成形品は、凹凸形状による優れた意匠感と手触り感を有しているので、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;幅木、回縁等の造作部材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
[加飾シートの製造]
実施例1
基材層として、ABS樹脂フィルム(厚み200μm)を用いた。当該基材層上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、木目柄の絵柄層(厚さ5μm)をグラビア印刷により形成した。絵柄層上に、主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7部を含む2液硬化型樹脂からなるバインダー樹脂を含むプライマー層用樹脂組成物を塗布し、乾燥させて厚みが2μmのプライマー層を形成し、基材層/絵柄層/プライマー層が順に積層された積層体を得た。
上記で得られた積層体のプライマー層側に、エンボス加工を行い、ドット模様の凹凸形状をプライマー層上に形成させた。エンボス加工に用いたエンボス版のエンボス版深(凹部底部から凸部上面までの高さ)は、60μmである。次に、凹凸形状が形成されたプライマー層上に、表1記載の電離放射線硬化性樹脂組成物(EB1)を硬化後の厚さが8μmとなるように塗布した。この樹脂組成物に加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)を照射して硬化させ、凹凸形状を有する表面層を形成した。
次に、表面層の上に、ポリエステル樹脂組成物からなる接着剤を、硬化後の厚みが30μmとなるように塗布し、表面層の凹凸形状の凹部を埋めるようにして、接着層を形成した。次に、接着層の上から、ポリエチレンにより形成された剥離フィルム層(厚み30μm)を積層して、基材層/絵柄層/プライマー層/凹凸形状を有する表面層/凹凸保護層(接着層/剥離フィルム層)が順に積層された積層構造の加飾シートを得た。
実施例2
表面層として、アクリル樹脂フィルム(厚み75μm)を用いた。当該表面層上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、木目柄の絵柄層(厚さ5μm)をグラビア印刷により形成した。絵柄層上に、基材層としてのABS樹脂フィルム(厚み200μm)を積層した。次に、得られた積層体の表面層側に、エンボス加工を行い、ドット模様の凹凸形状を表面層上に形成させた。エンボス加工に用いたエンボス版は、実施例1と同じである。以上により、基材層/絵柄層/凹凸形状を有する表面層が順に積層された積層体を得た。次に、実施例1と同様にして、表面層の上に接着層、剥離フィルムを積層して、基材層/絵柄層/凹凸形状を有する表面層/凹凸保護層(接着層/剥離フィルム層)が順に積層された積層構造の加飾シートを得た。
実施例3
実施例1と同様にして、基材層/絵柄層/プライマー層が順に積層された積層体を得た後、表1記載の電離放射線硬化性樹脂組成物(EB2)を使用して、凹凸形状を有する表面層を形成した。一方、前記の表面層の上に、後述の電離放射線硬化性樹脂組成物(EB3)を硬化後の厚さが10μmとなるように塗布した。この樹脂組成物に加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)を照射して硬化させ、表面層の上に離型層を形成した。
次に、離型層の上に、ポリエステル樹脂組成物からなる接着剤を、硬化後の厚みが30μmとなるように塗布し、表面層の凹凸形状の凹部を埋めるようにして、接着層を形成した。次に、接着層の上から、前述の剥離フィルム層を、接着層側から積層して、基材層/絵柄層/プライマー層/凹凸形状を有する表面層/凹凸保護層(離型層/接着層/剥離フィルム層)が順に積層された積層構造の加飾シートを得た。
比較例1
凹凸形状を有する表面層の上に、押出成形によりポリエチレン層を形成したこと以外は、実施例2と同様にして、基材層/絵柄層/凹凸形状を有する表面層/凹凸保護層(ポリエチレン層)が順に積層された積層構造の加飾シートを得た。なお、押出成形の条件としては、押出機のダイ下温度を230〜250℃、ポリエチレン層の厚みを50μmとした。
比較例2
凹凸形状を有する表面層の上に、ポリエチレンフィルム(厚み50μm)を積層し、熱ラミネーション法により、表面層と剥離フィルム層を接着したこと以外は、実施例1と同様にして、基材層/絵柄層/プライマー層/凹凸形状を有する表面層/凹凸保護層(ポリエチレンフィルム層)が順に積層された積層構造の加飾シートを得た。なお、熱ラミネーション法の条件としては、加熱温度を200〜230℃、圧力を5kgf/cm2とした。
[加飾樹脂成形品の製造]
各加飾シートを赤外線ヒーターで160℃に加熱し、軟化させた。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、型の内部形状に沿うように予備成形して型締した。その後、ポリカーボネートとABSの混合樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該加飾シートと成形樹脂とを一体化成形し、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品を得た。次いで、得られた凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層を手で剥離することにより、加飾樹脂成形品を得た。
<凹凸形状の評価>
加飾樹脂成形品の表面の凹凸形状を評価するために、表面粗さ・輪郭形状測定機(株式会社東京精密製ハーディサーフE−35A)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)、及び十点平均高さ(Rz)測定した。結果を表1に示す。
<加飾シートの凹凸形状の評価>
実施例及び比較例の加飾シートの製造工程において、凹凸保護層を形成する前後における表面層の凹凸形状の変化について、凹凸感を視覚及び手触りで評価した。なお、加飾シートからの凹凸保護層の剥離は、加飾シートから凹凸保護層を手で剥離することにより行った。評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
〇:凹凸感にほとんど変化がなかった。
△:凹凸感がやや変化した。
×:凹凸感が大きく変化し、凹凸感が感じられなかった。
<加飾樹脂成形品の凹凸形状の評価>
各加飾シートから加飾樹脂成形品を製造する前後における凹凸形状の変化について、凹凸感を視覚及び手触りで評価した。評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
〇:加飾樹脂成形品とした後にも、凹凸感にほとんど変化がなく、凹凸感が強く感じられた。
△:加飾樹脂成形品とした後、凹凸感がやや変化した。
×:加飾樹脂成形品とした後、凹凸感が大きく変化し、凹凸感が感じられなかった。
表1中、「−」は測定を行っていないことを示す。
EB1
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量;10,000) :95質量部
4官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量;6,000):5質量部
EB2
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量;8,000) :95質量部
2官能シリコーンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量;6,000):5質量部
EB3
3官能ペンタエリスリトールアクリレート(重量平均分子量;300):30質量部
アクリルポリマー(重量平均分子量120,000) :70質量部
接着層のポリエステル樹脂組成物
ポリエステルポリオール:イソシアネート=100:10
比較例1で押出成形したポリエチレン
押し出しグレード低密度PE
比較例2で熱ラミネーションしたポリエチレンフィルム
低密度PEフィルム
1 基材層
2 表面層
3 凹凸保護層
4 プライマー層
5 絵柄層
6 透明樹脂層
7 成形樹脂層
30 剥離フィルム層
31 接着層
32 離型層

Claims (14)

  1. 少なくとも、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層が積層されてなり、
    前記凹凸保護層は、前記表面層側から順に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている接着層と、剥離フィルム層とを備えている、加飾シート。
  2. 前記接着層が、硬化性樹脂の硬化物により形成されている、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記凹凸保護層が、前記表面層側から順に、離型層と、前記接着層と、前記剥離フィルム層とを備えており、
    前記離型層及び前記接着層が、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている、請求項1または2に記載の加飾シート。
  4. 前記離型層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
  5. 前記表面層が、硬化性樹脂組成物の硬化物または樹脂フィルムにより形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
  6. 前記表面層の直下にプライマー層が積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
  7. 前記表面層の前記凹凸保護層とは反対側に、絵柄層が積層されている、請求項1〜6のいずれかに記載の加飾シート。
  8. 凹凸形状を有する表面層を用意する第1工程と、
    前記表面層の上に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めるように接着剤を塗布し、接着層を積層する第2工程と、
    前記接着層の上に、剥離フィルム層を積層する第3工程と、
    を備える、加飾シートの製造方法。
  9. 前記第1工程が、以下の工程を備えている、請求項8に記載の加飾シートの製造方法。
    基材層の上に、絵柄層とプライマー層をこの順に積層する工程と、
    前記プライマー層の上からエンボス加工を行い、前記プライマー層の表面に凹凸形状を形成する工程と、
    前記プライマー層の上から硬化性樹脂組成物を塗布した後、硬化させて、凹凸形状を有する表面層を積層する工程。
  10. 前記第1工程が、以下の工程を備えている、請求項8に記載の加飾シートの製造方法。
    樹脂フィルムからなる表面層を用意する工程と、
    前記表面層の上からエンボス加工を行い、前記表面層の表面に凹凸形状を形成する工程。
  11. 前記第1工程が、以下の工程を備えている、請求項8に記載の加飾シートの製造方法。
    前記基材層の上に、絵柄層とプライマー層をこの順に積層する工程と、
    前記プライマー層の上に樹脂フィルムを積層して表面層を積層する工程と、
    前記表面層の上からエンボス加工を行い、前記表面層の表面に凹凸形状を形成する工程。
  12. 少なくとも、成形樹脂層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、
    前記凹凸保護層は、前記表面層側から順に、前記表面層の凹凸形状の凹部を埋めている接着層と、剥離フィルム層とを備えている、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品。
  13. 請求項12に記載の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から、凹凸保護層を剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
  14. 請求項1〜7のいずれかに記載の加飾シートの表面層側に、樹脂を射出することにより成形樹脂層を形成する工程を備える、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の製造方法。
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