JP6724468B2 - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、成形性に優れ、さらに、加飾樹脂成形品に対して、外観及び密着に関する優れた耐薬品性を付与できる加飾シートに関する。さらに、本発明は、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品に関する。
従来、車両内外装部品、建材内装材、家電筐体等には、樹脂成形品の表面に加飾シートを積層させた加飾樹脂成形品が使用されている。このような加飾樹脂成形品の製造においては、予め意匠が付与された加飾シートを、射出成形によって樹脂と一体化させる成形法などが用いられている。かかる成形法の代表的な例としては、加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形しておき、当該加飾シートを射出成形型に挿入し、流動状態の樹脂を型内に射出することにより樹脂と加飾シートとを一体化するインサート成形法や、射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートを、キャビティ内に射出注入された溶融樹脂と一体化させる射出成形同時加飾法が挙げられる。
加飾樹脂成形品の製造に使用される加飾シートには、成形性に加えて、日常生活において使用される種々の製品に対する耐汚染性を加飾樹脂成形品に付与する機能を備えていることが要求されている。とりわけ、近年、日焼け止め化粧料等のスキンケア用品などが多用される傾向にあり、このようなスキンケア用品などを塗布した皮膚が加飾樹脂成形品と接触する頻度が高まっており、加飾シートにはこれらに対する耐薬品性を備えていることが強く求められている。
従来、加飾シートに成形性及び耐薬品性を備えさせる技術について幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、基材シートの片面に離型層及び表面保護層をこの順に有する加飾シートにおいて、表面保護層を、分子量が175〜1000の多官能(メタ)アクリレートモノマー及び重量平均分子量が1万〜10万未満の熱可塑性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物で形成し、且つ当該樹脂組成物中の該多官能(メタ)アクリレートモノマーと該熱可塑性樹脂との質量比を10:90〜75:25にすることにより、日焼け止めクリームに対する耐汚染性や成形性を備え得ることが開示されている。
特許文献1に記載の技術は、優れた成形性及び耐薬品性を備える加飾シートを製造する上では有用であるが、加飾樹脂成形品に対する消費者の要望は昨今高度化・多様化しており、これに追従していくには、加飾シートに対して優れた成形性及び耐薬品性を備えさせる新たな技術の創出が必要とされている。
特開2012−91498号公報
前述の通り、近年、加飾シートには、高い成形性に加えて、より一層優れた耐薬品性が求められている。従来、加飾シートに付与されていた耐薬品性としては、主に外観に関するものであり、日焼け止めクリームなどが加飾樹脂成形品表面に付着した際の外観変化を抑制するものが主流である。従来、加飾シートの外観変化に着目して表面保護層の設計がなされていたが、さらに検討を重ねたところ、日焼け止めクリームなどの薬品によって、外観変化だけでなく、表面保護層の密着性の低下が問題になることが明らかとなった。
このような状況下、本発明は、成形性に優れ、さらに、加飾樹脂成形品に対して、外観及び密着に関する優れた耐薬品性を付与できる加飾シート、及び当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている加飾シートは、成形性に優れると共に、加飾樹脂成形品に対して、外観及び密着に関する優れた耐薬品性を付与できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、
前記第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、
前記第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている、加飾シート。
項2. 少なくとも、基材層と、前記第1プライマー層と、前記第2プライマー層と、前記表面保護層とをこの順に備えている、項1に記載の加飾シート。
項3. 少なくとも、前記第1プライマー層と、前記第2プライマー層と、前記表面保護層と、剥離基材層とをこの順に備えている、項1に記載の加飾シート。
項4. 前記表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記アクリル−ウレタン共重合体が、アクリル−ウレタングラフト共重合体である、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 絵柄層をさらに備えている、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 少なくとも、成形樹脂層と、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、
前記第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、
前記第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている、加飾樹脂成形品。
本発明によれば、成形性に優れ、さらに、加飾樹脂成形品に対して、外観及び密着に関する優れた耐薬品性を付与できる加飾シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品を提供することができる。
本発明の加飾シートの一例(第1の態様)の略図的断面図である。 本発明の加飾シートの一例(第1の態様)の略図的断面図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一例(第1の態様)の略図的断面図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一例(第1の態様)の略図的断面図である。 本発明の加飾シートの一例(第2の態様)の略図的断面図である。 本発明の加飾シートの一例(第2の態様)の略図的断面図である。 本発明の剥離基材層付き加飾樹脂成形品の一例(第2の態様)の略図的断面図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一例(第2の態様)の略図的断面図である。
1.加飾シート
本発明の加飾シートは、少なくとも、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されていることを特徴とする。本発明の加飾シートにおいては、第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、かつ、表面保護層側に位置する第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されていることにより、成形性に優れると共に、外観と密着の観点から加飾樹脂成形品に高い耐薬品性を付与する機能を有する加飾シートとすることができる。本発明の加飾シートが、優れた成形性を備えつつ、外観と密着の両観点から高い耐薬品性を加飾樹脂成形品に付与できる詳細な機構は必ずしも明確でないが、例えば次のように考えることができる。すなわち、第1プライマー層が熱可塑性アクリル系樹脂を含んでいることによって成形性を損なうことなく優れた耐薬品性が付与され、第2プライマー層がアクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されていることによって表面保護層に対して優れた密着性が確保されると共に耐薬品性の向上にも寄与していることで、成形性や成形後の密着性を満足しながらも、外観と密着の両観点から高い耐薬品性が発揮されているものと考えられる。特に、後述するように、表面保護層として、ポリカーボネート(メタ)アクリレートなどのように柔らかく成形性に優れた電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、表面に薬品が付着した際の密着性が低下しやすいが、本発明の加飾シートにおいては、第2プライマー層を形成するアクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物が、このような柔らかい樹脂との密着性に優れているため、より一層優れた成形性を備えつつ、外観と密着の両観点から高い耐薬品性を加飾樹脂成形品に付与することができる。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは、少なくとも、第1プライマー層21と、第2プライマー層22と、表面保護層3とがこの順に積層された積層構造を有する。加飾シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて、第1プライマー層の前記表面保護層3とは反対側に、基材層1を有していてもよい。また、本発明の加飾シートを後述の転写型の加飾シートとする場合、表面保護層3の第2プライマー層22とは反対側には、剥離基材層5を設けてもよい。剥離基材層5の表面保護層3からの剥離性を高めることを目的として、必要に応じて剥離基材層5と表面保護層3との間に離型層(図示しない)を設けてもよい。本発明の加飾シートにおいて、樹脂成形品に装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、絵柄層4を設けてもよい。また、基材層1の色の変化やバラツキを抑制することなどを目的として、後述の基材層1とプライマー層2との間、絵柄層4を設ける場合であれば絵柄層4の裏面(成形樹脂層6側)などに、必要に応じて、隠蔽層(図示しない)を設けてもよい。さらに、成形樹脂層6側の最表面(後述の基材層1を備える態様の場合は基材層1の下、後述の転写基材層5を備える態様の場合は転写基材層5と反対側の表面)に、接着層(図示しない)などを設けてもよい。
本発明の加飾シートを用いて加飾樹脂成形品を製造する場合において、加飾シートの基材層1が加飾樹脂成形品に含まれる第1の態様の加飾シート、または加飾シートの剥離基材層5が加飾樹脂成形品に含まれない第2の態様の転写型の加飾シートとすることができる。すなわち、第1の態様の加飾シートでは、成形樹脂層6を基材層1側に形成することにより、図3または図4に示すように、基材層1が加飾樹脂成形品に含まれる。一方、第2の態様の転写型の加飾シートでは、図5,6に示すように、成形樹脂層6を剥離基材層5とは反対側に形成して、例えば図7のような転写層付きの加飾樹脂成形品を得た後、表面保護層3等を含む転写層10から剥離基材層5を剥離するため、図8のように剥離基材層5が加飾樹脂成形品に含まれない。第2の態様の加飾シートにおいては、加飾樹脂成形品からの剥離基材層5の剥離性を高めることなどを目的として、必要に応じて、剥離基材層5と表面保護層3との間に、離型層(図示しない)を有していてもよい。
本発明の第1の態様の加飾シートの積層構造として、基材層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;接着層/基材層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/絵柄層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/隠蔽層/絵柄層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;接着層/基材層/隠蔽層/絵柄層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。図1に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図2に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/絵柄層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。
本発明において、第2の態様の加飾シートでは、例えば図5、6に示されるように、剥離基材層5の上に、表面保護層3、第2プライマー層22、第1プライマー層21、及び必要に応じて設けられる絵柄層4を含む転写層10を有する。本発明の第2の態様の転写型の加飾シートの積層構造として、剥離基材層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層がこの順に積層された積層構造;剥離基材層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層/絵柄層がこの順に積層された積層構造;剥離基材層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層/絵柄層/隠蔽層がこの順に積層された積層構造;剥離基材層/離型層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層/絵柄層/隠蔽層がこの順に積層された積層構造;剥離基材層/離型層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造;剥離基材層/離型層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層/絵柄層/隠蔽層/接着層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。図5に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、剥離基材層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図6に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、剥離基材層/表面保護層/第2プライマー層/第1プライマー層/絵柄層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。
加飾シートを形成する各層の組成
[基材層1]
基材層1は、本発明の第1の態様の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たす樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や成形樹脂層との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。基材層1を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
基材層1は、隣接する層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。基材層1の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、基材層1の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材層1を構成する樹脂成分の種類に応じて適宜選択されるが、効果及び操作性等の観点から、好ましくはコロナ放電処理法が挙げられる。
また、基材層1には、着色剤などを配合した着色、色彩を整えるための塗装、デザイン性を付与するための模様の形成などがなされていてもよい。
基材層1の厚みは、特に制限されず、加飾シートの用途等に応じて適宜設定されるが、通常50〜800μm程度、好ましくは100〜600μm程度、さらに好ましくは200〜500μm程度が挙げられる。基材層1の厚みが上記範囲内であると、加飾シートに対してより一層優れた三次元成形性、意匠性などを備えさせることができる。
[剥離基材層5]
剥離基材層5は、本発明の第2の態様の加飾シートにおいて、転写層10を成形樹脂層6に転写するために設けられる層であり、支持体としての役割も果たす樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。
剥離基材層5に使用される樹脂成分については、特に制限されず、表面保護層3からの剥離性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、前述の[基材層1]の項目で例示したものと同じものが例示できる。これらの中でも、剥離基材層5としては、PET樹脂が好ましい。剥離基材層5を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、剥離基材層5は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
剥離基材層5の厚みは、特に制限されず、加飾シートの用途等に応じて適宜設定されるが、通常10〜150μm程度、好ましくは10〜125μm程度、さらに好ましくは10〜80μm程度が挙げられる。
[離型層]
離型層は、第2の態様の加飾シートにおいて、必要に応じて剥離基材層5と表面保護層3との間に設けられる。離型層は、剥離基材層5の表面保護層3からの剥離性を高める役割を有する層である。
離型層は、剥離基材層5の全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であっても良いし、一部に設けられるものであっても良い。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性したものが好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル系樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルションとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。これらの内、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有組成物で離型層を構成することが特に好ましい。
離型層の厚みは、通常、0.01〜5μm程度、好ましくは0.05〜3μm程度である。
[第1プライマー層21]
本発明の加飾シートにおいて、第1プライマー層21は、加飾シートの密着に関する耐薬品性などを高めることを目的として設けられる層である。すなわち、第1プライマー層21は、加飾樹脂成形品の表面に日焼け止めクリームなどの薬品が付着した場合に、特に密着性が低下することを抑制するために設けられる。第1の態様において、第1プライマー層21は、基材層1と後述の第2プライマー層22との間に設けられる。また、第2の態様において、第1プライマー層21は、後述の第2プライマー層22の表面保護層3とは反対側に設けられる。
第1プライマー層21は、熱可塑性アクリル系樹脂を含む。熱可塑性アクリル系樹脂の具体例としては、好ましくはアクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂としては、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とするアクリル樹脂が好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられ、これらのうち(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであれば特に限定されないが、本発明では、(メタ)アクリル酸、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン類などの脂環式オレフィンモノマー、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類、ビニルエーテル類などが好ましく挙げられ、特にスチレン及び(無水)マレイン酸が共重合成分として好適である。すなわち、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン又は(無水)マレイン酸の二元共重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン及び(無水)マレイン酸の三元共重合体が好適である。なお、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
アクリルポリオール樹脂としては、水酸基を複数有するアクリル系樹脂であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の1種又は2種以上と、更に必要に応じ、スチレン単量体等とを共重合させて得られた共重合体で、水酸基を複数有するものなどが挙げられる。
熱可塑性アクリル系樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されないが、好ましくは1,000〜100,000程度、より好ましくは5,000〜80,000程度が挙げられる。なお、本明細書における熱可塑性アクリル系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。第1プライマー層21によって、加飾シートに優れた耐薬品性を発現させる観点からは、熱可塑性アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、80℃以上であることが好ましい。当該Tgの上限については、特に制限されないが、通常110℃程度である。当該Tgとしては、好ましくは80〜100℃の範囲が挙げられる。なお、熱可塑性アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(DSC)により測定した値である。
第1プライマー層21は、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、熱可塑性を有しているため、硬化剤などは実施的に含んでいない。このため、硬化剤を含む場合に比して、成形性を高めることができる。
第1プライマー層21は、熱可塑性アクリル系樹脂を含む組成物を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法は、薄いシート(フィルム基材)に第1プライマー層21の塗膜を形成し、その後に加飾シート中の対象となる層表面に第1プライマー層21を転写する方法である。
第1プライマー層21の厚みとしては、特に制限されないが、成形性に優れ、かつ、外観及び密着の両観点からの耐薬品性を高める観点からは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1〜20μm程度、さらに好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。
[第2プライマー層22]
本発明の加飾シートにおいて、第2プライマー層22は、加飾シートの密着性や耐薬品性を高めることなどを目的として、第1プライマー層21と表面保護層3との間に設けられる層である。すなわち、第2プライマー層22は、第1プライマー層21と表面保護層3との密着性を高め、特に加飾シートを成形した後において、これらの層間で剥離が生じることを抑制し、更には日焼け止めクリーム等の薬品によってこれらの層間が侵されて外観変化や密着不良が生じることを抑制する効果を発揮するために設けられる。本発明の加飾シートの密着性を高める観点から、第2プライマー層22は、表面保護層3と隣接して設けられていることが好ましい。
第2プライマー層22は、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている。アクリル−ウレタン共重合体としては、アクリル重合体とウレタン重合体の共重合体であれば、特に制限されず、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
アクリル−ウレタングラフト共重合体とは、アクリル重合体により形成された主鎖に、ウレタン重合体がグラフト重合された樹脂である。アクリル重合体の主鎖にウレタン重合体をグラフト重合する方法としては、アクリル重合体としてアクリルポリオールを用い、アクリルポリオールの水酸基を介してウレタン重合体をグラフト重合する方法が挙げられる。また、アクリル−ウレタンブロック共重合体とは、アクリル重合体とウレタン重合体とをブロック共重合して得られる。これらの中でも、ウレタン(メタ)アクリレートなどのような柔らかい電離放射線硬化性樹脂の硬化物により形成された表面保護層との密着性を高める観点からは、好ましくはアクリル−ウレタングラフト共重合体が好ましい。
アクリル−ウレタン共重合体のアクリル重合体を構成するアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらアクリルモノマーは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
アクリル−ウレタン共重合体のウレタン重合体を構成するポリオール成分としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等を用いることができる。これらの中でも、ポリカーボネート(メタ)アクリレートなどのような柔らかい電離放射線硬化性樹脂の硬化物により形成された表面保護層との密着性を高める観点からは、ポリオール成分としてポリカーボネートポリオールを含むことが特に好ましい。すなわち、アクリル−ウレタン共重合体としては、アクリル−ポリカーボネートウレタン共重合体が好ましく、アクリル−ポリカーボネートウレタングラフト共重合体が特に好ましい。ポリオール化合物は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、アクリル−ウレタン共重合体のウレタン重合体を構成するイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12MDI)などの水添ジイソシアネート類;これらジイソシアネート化合物の2量体、3量体、さらに高分子量のポリイソシアネート類;トリメチロールプロパンなど多価アルコールもしくは水、または低分子量ポリエステル樹脂との付加物などが挙げられる。イソシアネート化合物は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
アクリル−ウレタン共重合体は、硬化剤と反応して硬化する官能基を備えていることが好ましい。このような官能基としては、特に制限されないが、例えば、水酸基などが挙げられる。
アクリル−ウレタン共重合体と共に硬化して第2プライマー層22を形成する硬化剤としては、特に制限されない。例えば、アクリル−ウレタン共重合体が水酸基を有する場合には、当該水酸基と反応するイソシアネート化合物を硬化剤とすることが好ましい。イソシアネート化合物の具体例としては、前述したものと同じものが例示できる。硬化剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
第2プライマー層22におけるアクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との質量比(アクリル−ウレタン共重合体:硬化剤)としては、特に制限されないが、成形性を高めつつ、外観及び密着の両観点からの耐薬品性を高める観点からは、好ましくは100:1〜30程度、好ましくは100:1〜20程度が挙げられる。
アクリル−ウレタン共重合体の重量平均分子量としては、特に制限されないが、好ましくは1,000〜100,000程度、より好ましくは5,000〜80,000程度が挙げられる。なお、本明細書におけるアクリル−ウレタン共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。また、第2プライマー層22と表面保護層3との密着性を高める観点から、アクリル−ウレタン共重合体のガラス転移温度(Tg)としては、65℃以下であることが好ましく、40〜65℃の範囲がより好ましい。当該Tgが40℃以上であることにより、加飾シートを三次元成形する際の加熱による第2プライマー層22の過度の溶融が抑制され、薬品の付着による加飾シートの塗膜劣化を生じにくくできる。なお、示差熱量分析(DSC)法により、ピークショルダーになる温度を、当該ガラス転移温度(Tg)とした。当該Tgの測定には、示差走査熱量計(DSC)装置(NETZSCH 社製 NETZSCH DSC204 μ-Sensor)を用いることができる。
第2プライマー層22は、アクリル−ウレタン共重合体及び硬化剤を含む組成物を、前述の第1プライマー層21で例示した通常の塗布方法や転写コーティング法などの方法により未硬化の層を形成した後、加熱などによって硬化させる方法が挙げられる。
第2プライマー層22の厚みとしては、特に制限されないが、成形性に優れ、かつ、外観及び密着の両観点からの耐薬品性を高める観点からは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1〜20μm程度、さらに好ましくはは1〜10μm程度が挙げられる。
[表面保護層3]
表面保護層3は、加飾樹脂成形品の耐傷付き性、耐薬品性などを高めるために、加飾シートの表面に設けられる層である。表面保護層3を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加飾シートの耐傷付き性を高め、優れた表面特性を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
表面保護層3を形成する熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、アクリルポリオール;ポリエステルポリオール;ポリエステルウレタンポリオール、アクリル−ウレタンポリオールなどのウレタンポリオール;ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィンポリオール;などのポリオール樹脂と硬化剤とを含む樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
表面保護層3を形成する熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(電離放射線硬化性樹脂)
表面保護層3の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層3の形成において好適に使用される。
なお、本発明の加飾シートにおいて、表面保護層の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合、加飾シートの状態での表面保護層は硬化したものであってもよいし、未硬化または半硬化であってもよい。加飾シートの状態での表面保護層が未硬化または半硬化である場合には、加飾シートを加飾樹脂成形品に加工した後、表面保護層を硬化させる。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートとは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの電離放射線硬化性樹脂は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の加飾シートにおいては、これらの電離放射線硬化性樹脂の中でも、成形性を向上させつつ、外観及び密着性の両観点からの耐薬品性をより一層向上させるという観点から、好ましくはポリカーボネート(メタ)アクリレートが好ましい。また、加飾シートの状態での表面保護層を硬化する場合にも、成形性に優れる観点から、ポリカーボネート(メタ)アクリレートが好ましい。
以下、表面保護層3の形成において、電離放射線硬化性樹脂として好適に使用されるポリカーボネート(メタ)アクリレートについて詳述する。
<ポリカーボネート(メタ)アクリレート>
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されず、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜6個が挙げられる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有する多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートであることが好ましい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールの水酸基の一部又は全てを(メタ)アクリレート(アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)に変換して得られる。このエステル化反応は、通常のエステル化反応によって行うことができる。例えば、1)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとを、塩基存在下に縮合させる方法、2)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸無水物又はメタクリル酸無水物とを、触媒存在下に縮合させる方法、或いは3)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸とを、酸触媒存在下に縮合させる方法等が挙げられる。また、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。
ポリカーボネートポリオールは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端又は側鎖に2個以上、好ましくは2〜50個、更に好ましくは3〜50個の水酸基を有する重合体である。当該ポリカーボネートポリオールの代表的な製造方法は、ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とから重縮合反応による方法が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるジオール化合物(A)は、一般式HO−R1−OHで表される。ここで、R1は、炭素数2〜20の2価炭化水素基であって、基中にエーテル結合を含んでいてもよい。R1は、例えば、直鎖、又は分岐状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基である。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジオールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリカーボネートポリオールの原料として用いられる3価以上の多価アルコール(B)の例としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等のアルコール類が挙げられる。また、当該3価以上の多価アルコールは、前記多価アルコールの水酸基に対して、1〜5当量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、あるいはその他のアルキレンオキシドを付加させた水酸基を有するアルコール類であってもよい。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるカルボニル成分となる化合物(C)は、炭酸ジエステル、ホスゲン、又はこれらの等価体の中から選ばれるいずれかの化合物である。当該化合物として、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸ジエステル類;ホスゲン;クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニル等のハロゲン化ギ酸エステル類等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、前記ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とを、一般的な条件下で重縮合反応することにより合成される。ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)との仕込みモル比は、例えば、50:50〜99:1の範囲に設定すればよい。また、ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)とに対する、カルボニル成分となる化合物(C)の仕込みモル比は、例えば、ジオール化合物及び多価アルコールの持つ水酸基に対して0.2〜2当量の範囲に設定すればよい。
前記の仕込み割合で重縮合反応した後のポリカーボネートポリオール中に存在する水酸基の当量数(eq./mol)としては、例えば、1分子中に平均して3以上、好ましくは3〜50、更に好ましくは3〜20が挙げられる。このような等量数を充足すると、後述するエステル化反応によって必要な量の(メタ)アクリレート基が形成され、またポリカーボネート(メタ)アクリレート樹脂に適度な可撓性が付与される。なお、このポリカーボネートポリオールの末端官能基は、通常はOH基であるが、その一部がカーボネート基であってもよい。
以上説明したポリカーボネートポリオールの製造方法は、例えば、特開昭64−1726号公報に記載されている。また、このポリカーボネートポリオールは、特開平3−181517号公報に記載されているように、ポリカーボネートジオールと3価以上の多価アルコールとのエステル交換反応によっても製造することができる。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートの分子量については、特に制限されないが、重量平均分子量が、5百以上であることが好ましく、1千以上であることがより好ましく、2千以上であることがさらに好ましく、5千以上であることが特に好ましい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から10万以下が好ましく、5万以下がより好ましく、2万以下がさらに好ましく、1万以下が特に好ましい。耐傷付き性と三次元成形性とを両立させる観点から、1千〜2万が好ましく、2千〜1万がより好ましい。
なお、本明細書におけるポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いる場合、表面保護層3の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物におけるポリカーボネート(メタ)アクリレートの含有量としては、本発明の効果を奏することを限度として、特に制限されないが、加飾シートの成形性をより高める観点からは、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上が挙げられる。
表面保護層3中には、上記の樹脂の他、表面保護層3に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
表面保護層3の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜20μm程度、さらに好ましくは3〜15μm程度が挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、加飾シートの成形性に優れ、かつ耐傷付き性等の表面保護層としての十分な物性が得られる。また、表面保護層3を電離放射線硬化性樹脂により形成する場合、電離放射線硬化性樹脂組成物に対して電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。
表面保護層3の形成は、例えば、上記の樹脂等を含む樹脂組成物を調製し、これを塗布し、必要により、樹脂成分を架橋硬化することにより行われる。なお、樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、表面保護層3に隣接する層上に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。本発明においては、調製された塗布液を、前記厚みとなるように、表面保護層3に隣接する層上に、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。表面保護層3の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて表面保護層3を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、表面保護層3の下に電子線照射によって劣化しやすい樹脂を使用する場合には、電子線の透過深さと表面保護層3の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定する。これにより、表面保護層3の下に位置する層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による各層の劣化を最小限にとどめることができる。また、照射線量は、保護層2の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈、紫外線発光ダイオード(LED−UV)等が挙げられる。
また、表面保護層3の形成に熱硬化性樹脂を用いる場合には、表面保護層3を加熱することにより硬化させることができる。熱可塑性樹脂を用いる場合には、加熱により軟化した樹脂の層を形成した後、冷却することで硬化させることができる。
[絵柄層4]
絵柄層4は、樹脂成形品に装飾性を与える層であり、必要に応じて設けられる。第1の態様において、絵柄層4は、基材層1と第1プライマー層21との間に設けられる。また、第2の態様において、絵柄層4は、第1プライマー層21の裏面(表面保護層3とは反対側)に設けられる。絵柄層4は、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。絵柄層4によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
絵柄層4に用いる絵柄インキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
着色剤としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
絵柄層4の厚みは、特に制限されないが、例えば1〜30μm程度、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
[隠蔽層]
隠蔽層は、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1とプライマー層2との間、絵柄層4を設ける場合であれば絵柄層4の裏面(成形樹脂層6側)などに必要に応じて設けられる層である(図示していない)。
隠蔽層は、例えば基材層1が加飾シートの色調や絵柄に悪影響を及ぼすのを抑制するために設けられるため、一般には不透明色の層として形成される。
隠蔽層は、バインダーに、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したインキ組成物を用いて形成される。隠蔽層を形成するインキ組成物は、上述の絵柄層4に使用されるものから適宜選択して使用される。
隠蔽層は、通常、厚みが1〜20μm程度に設定され、所謂ベタ印刷層として形成されることが望ましい。
[接着層]
接着層は、加飾シートと成形樹脂との接着性や密着性を向上させることなどを目的として、加飾シートの成形樹脂層側の最表面に必要に応じて設けられる層である(図示していない)。接着層を形成する樹脂としては、加飾シートと成形樹脂との接着性や密着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層は必ずしも必要な層ではないが、本発明の加飾シートを、後述する真空圧着法など、予め用意された樹脂成形体上へ貼着による加飾方法に適用することを想定した場合は、設けられていることが好ましい。真空圧着法に用いる場合、上記した各種の樹脂のうち、加圧又は加熱により接着性を発現する樹脂として慣用のものを使用して接着層6を形成することが好ましい。
2.加飾樹脂成形品
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層と、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されていることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに前述の絵柄層4、隠蔽層、接着層などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。
図1〜4に示されるような前述の第1の態様においては、加飾樹脂成形品に基材層1が設けられていてもよい。図3は、図1に示される加飾シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図であり、図4は、図2に示される加飾シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図である。また、図5〜8に示されるような前述の第2の態様においても、図7のように、加飾樹脂成形品に剥離基材層5が設けられていてもよい(このような状態の加飾樹脂成形品を剥離基材層付き加飾樹脂成形品ともいう)。図8は、図6に示される加飾シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図である。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートを用いて、例えば、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法により作製される。これらの射出成形法の中でも、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法が挙げられる。
インサート成形法では、まず、真空成形工程において、本発明の加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含むインサート成形法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
インサート成形法における真空成形工程では、加飾シートを加熱して成形してもよい。この時の加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば基材層としてABS樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常120〜200℃程度とすることができる。また、一体化工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
また、射出成形同時加飾法では、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に本発明の加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含む射出成形同時加飾法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの基材層の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
射出成形同時加飾法の予備成形工程において、加飾シートの加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常70〜130℃程度とすることができる。また、射出成形工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
また、本発明の加飾樹脂成形品は、真空圧着法等の、予め用意された立体的な樹脂成形体(成形樹脂層)上に、本発明の加飾シートを貼着する加飾方法によっても作製することができる。
真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように、且つ加飾シートの基材層1側が樹脂成形体側に向くように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧に開放し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の加飾樹脂成形品を得ることができる。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常60〜200℃程度とすることができる。
本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層を形成する成形樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、第2の態様においては、上記のような方法により加飾シートと成型樹脂とを一体化して得られた剥離基材層付き加飾樹脂成形品から剥離基材層5を剥離除去することにより、加飾樹脂成形品が得られる。剥離基材層5を剥離除去する工程は任意の時期に行うことができ、例えば得られた剥離基材層付き加飾樹脂成形品を成形装置から取り出すと同時に剥離基材層5を剥離除去することができる。また、剥離基材層付き加飾樹脂成形品において、剥離基材層5は、加飾樹脂成形品の保護シートとしての役割を果たすので、剥離基材層付き加飾樹脂成形品の製造後に剥離させずにそのまま保管しておき、用時に剥離基材層を剥がしてもよい。このような態様で使用することにより、輸送時の擦れ等によって加飾樹脂成形品に傷付きが生じるのを防止することができる。
本発明の加飾樹脂成形品は、優れた耐薬品性と、加飾シートの高い成形性とを有するため、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1〜2及び比較例1〜6>
(加飾シートの作製)
基材としてのABS樹脂フィルム(厚さ:400μm)上に、アクリル樹脂をバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷により木目柄の絵柄層(厚み5μm)を形成した。次に絵柄層の全面に、表1に記載の組成を有するプライマー組成物を用いてグラビア印刷により第1プライマー層(厚み2μm)を設けた。次に、表1に記載の組成を有するプライマー組成物を用いてグラビア印刷により第2プライマー層(厚み2μm)を設けた。次に、電離放射線硬化性樹脂(EB)であるポリカーボネートウレタンアクリレート樹脂を、硬化後の厚みが10μmとなるようにバーコートにより塗工した。未硬化のポリカーボネートウレタンアクリレート樹脂に対して、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、ポリカーボネートウレタンアクリレート樹脂を硬化させて、表面保護層を形成した。以上のようにして、基材層/絵柄層/第1プライマー層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートを得た。なお、表1に示されるように、比較例1、2、5においては、第1プライマー層を設けなかったこと以外は、他の実施例及び比較例と同様にして、基材層/絵柄層/第2プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートを得た。次に、得られた各加飾シートの成形性、成形前後の密着性、外観に関する耐薬品性、密着に関する耐薬品性、及び耐候性を以下のようにして評価した。結果を表1に示す。
(成形性評価)
赤外線ヒータを用いて、加飾シートを160℃に加熱して軟化させた。次に、真空成形型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、加飾シートを型の内部形状に成形した。加飾シートを冷却後、型から加飾シートを離型した。成形後の加飾シートの表面状態を目視で観察し、成形性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:三次元形状部または最大延伸部に、塗膜割れ又は白化が認められない
△:三次元形状部または最大延伸部に、軽微な塗膜割れ又は白化が認められる
×:三次元形状部または最大延伸部に、塗膜割れ又は白化が認められる
(成形前の密着性の評価)
上記の成形性評価を行う前の各加飾シートの表面にカッターナイフを用いて表面に十字の傷を付けた。この傷の上からニチバン社製のセロテープ(登録商標)(No.405−1P)を圧着した後、90度方向に急激に剥離することにより、表面保護層の密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:剥離が見られない
△:僅かな剥離が確認されたが実用上問題ない範囲である
×:著しい剥離が見られる
(成形後の密着性の評価)
上記の成形性評価を行った後の各加飾シートを用いたこと以外は、前述の成形前の密着性の評価と同様にして、成形後の加飾シートの密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:剥離が見られない
△:僅かな剥離が確認されたが実用上問題ない範囲である
×:著しい剥離が見られる
(外観に関する耐薬品性評価)
上記の成形性評価を行う前の各加飾シートの表面に対して、縦50mm×横50mmの部分に市販の日焼け止め化粧料0.5gを均一に塗布した。これを80℃のオーブン内に1時間放置した。加飾シートを取り出し、洗浄液で表面を洗い流した後、日焼け止め化粧料を塗布した部分(試験表面)の状態を目視で観察して、日焼け止め化粧料について耐薬品性を以下の基準で評価した。日焼け止め化粧料は、市販のSPF50のものであり、成分として、1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3−プロパンジオン 3%、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル 10%、サリチル酸2−エチルヘキシル 5%、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル 10%を含有している。
○:試験表面に塗膜の割れや白化、膨潤、艶低下、剥離等の異常が見られず、外観は良好だった
△:試験表面の全体に軽微な塗膜の割れや白化、膨潤、艶低下、剥離等が確認され、外観が悪く実用上問題があった
×:試験表面の全面に塗膜の割れや白化、膨潤、艶低下、剥離等の異常が確認され、外観が悪く実用上問題があった
(密着性に関する耐薬品性評価)
前述の外観に関する耐薬品性評価を行った各加飾シートの表面にカッターナイフを用いて表面に十字の傷を付けた。この傷の上からニチバン社製のセロテープ(登録商標)(No.405−1P)を圧着した後、90度方向に急激に剥離することにより、表面保護層の密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:剥離が見られない
△:僅かな剥離が確認されたが実用上問題ない範囲である
×:著しい剥離が見られる
(耐候性評価)
上記の成形性評価を行った後の各加飾シートを耐候性試験装置(岩崎電気株式会社製のアイスーパーUVテスターSUV W−23)を用いて、紫外線強度60mW/cm2、試験時間24時間、照射時温度63℃の条件で耐候性試験を行い、以下の基準で耐候性を評価した。結果を表1に示す。
○:外観に変化がない
△:外観に軽微な変化がある
×:外観に変化がある

表1の注釈は以下の通りである。
表面保護層の「EB」は、電離放射線硬化性樹脂であるポリカーボネート系ウレタンアクリレート樹脂(重量平均分子量10,000)を示す。
第1プライマー層のアクリルポリオールの重量平均分子量は、30,000程度であり、ガラス転移温度(Tg)は90℃である。
第2プライマー層のアクリル-ポリカーボネートウレタン共重合体(グラフト共重合体)の重量平均分子量は、30,000程度であり、ガラス転移温度(Tg)は45℃である。
第2プライマー層のポリカーボネートウレタンの重量平均分子量は、30,000程度である。アクリルポリオールの重量平均分子量は、30,000程度である。
表1に示されるように、基材層側の第1プライマー層が熱可塑性アクリル系樹脂(アクリルポリオールまたはポリアクリル酸エステル)を含み、かつ、表面保護層側の第2プライマー層がアクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている実施例1,2の加飾シートでは、成形性に優れており、成形前後の密着性、さらに外観及び密着に関する耐薬品性にも優れており、耐候性にも優れていた。
一方、第2プライマー層にアクリルポリオールを用い、第1プライマー層を設けなかった比較例1の加飾シートにおいては、密着に関する耐薬品性に劣っていた。また、第2プライマー層をアクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成したが、第1プライマー層を設けなかった比較例2の加飾シートにおいても、密着に関する耐薬品性に劣っていた。第1プライマー層に熱可塑性アクリル樹脂ではなく、アクリルポリオールと硬化剤との硬化物を用い、第2プライマー層をアクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成した比較例3では、成形性に劣り、また成形性に劣ることに起因してか、成形後の密着性も劣っていた。第1プライマー層に熱可塑性アクリル樹脂(アクリルポリオール)を用いたが、第2プライマー層のアクリル−ウレタン共重合体に硬化剤を使用しなかった比較例4では、成形性に優れるものの、成形前後における密着性に劣り、さらには密着に関する耐薬品性も劣っていた。第1プライマー層を設けず、第2プライマー層をポリカーボネートウレタンとアクリルポリオールとのブレンド樹脂により形成した比較例5では、成形性に優れるものの、成形後の密着性に劣り、さらに密着に関する耐薬品性にも劣っていた。第1プライマー層に熱可塑性アクリル樹脂(アクリルポリオール)を用いたが、第2プライマー層をポリカーボネートウレタンとアクリルポリオールとのブレンド樹脂により形成した比較例6では、成形性に劣り、さらには耐候性に劣っていた。
1…基材層
21…第1プライマー層
22…第2プライマー層
3…表面保護層
4…絵柄層
5…剥離基材層
6…成形樹脂層

Claims (7)

  1. 少なくとも、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、
    前記第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、
    前記第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている、加飾シート。
  2. 少なくとも、基材層と、前記第1プライマー層と、前記第2プライマー層と、前記表面保護層とをこの順に備えている、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 少なくとも、前記第1プライマー層と、前記第2プライマー層と、前記表面保護層と、剥離基材層とをこの順に備えている、請求項1に記載の加飾シート。
  4. 前記表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
  5. 前記アクリル−ウレタン共重合体が、アクリル−ウレタングラフト共重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
  6. 絵柄層をさらに備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
  7. 少なくとも、成形樹脂層と、第1プライマー層と、第2プライマー層と、表面保護層とをこの順に備えており、
    前記第1プライマー層が、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、
    前記第2プライマー層が、アクリル−ウレタン共重合体と硬化剤との硬化物により形成されている、加飾樹脂成形品。
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