JP2001182117A - ユニットルームの床パン - Google Patents

ユニットルームの床パン

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JP2001182117A
JP2001182117A JP34009099A JP34009099A JP2001182117A JP 2001182117 A JP2001182117 A JP 2001182117A JP 34009099 A JP34009099 A JP 34009099A JP 34009099 A JP34009099 A JP 34009099A JP 2001182117 A JP2001182117 A JP 2001182117A
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resin sheet
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sheet
thermoplastic resin
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Yuichi Ishino
裕一 石野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、加飾性に優れた見栄えの良い、かつ
耐久性に優れた床パンを提供する。 【解決手段】透明樹脂シートと熱可塑性樹脂シートとを
ラミネートした表面材と、当該表面材の熱可塑性樹脂シ
ート側に加熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、かつこれを前
記熱可塑性樹脂シートに接触しつつ圧縮成形した基盤材
と、からなるユニットルームの床パン。1‥アクリル系
樹脂シート、1a‥熱可塑性樹脂シート、3、5‥射出
圧縮成形機の金型、4‥熱可塑性樹脂、6‥射出圧縮成
形機のゲート、10‥表面材、20‥基盤材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユニットルーム等
の床パンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ユニットバスルームにて代表されるユニ
ットルームの床パンは、強度の大きな材質によらねばな
らないことから、ガラス繊維強化プラスチック(FR
P)製床パンであり、これは例えばガラス短繊維を配合
した未架橋のポリエステル樹脂をプレス成形或いはハン
ドレイアップ法によってFRPの層を形成するもので、
特にハンドレイアップ法にあっては、このFRP層を脱
泡させながら平滑にし、その後硬化させることが行われ
ている。
【0003】近年、ユニットルームにおける内表面は見
栄えの優れた形状や模様が採用され、かつ機能的にも優
れた構造のものが極めて多くなっている。このため、ユ
ニットルームの表面材は、例えば透明感のあるかつ見栄
えの良いアクリル樹脂シートをもって形成し、更に加飾
性をも高めたものとなっている。
【0004】しかるに、床パン自体はFRP樹脂製その
ままであるため、表面の加飾性は比較的限定されたもの
であり、例えば透明感のあるかつ高度に加飾された床パ
ンは得られにくく、加飾する場合にあっても人工大理石
調の印刷プレートを貼り合わせる程度のものであった。
【0005】また、合成樹脂製の床パンは従来からかび
などの汚れが付着することが問題となっており、汚れが
付着しにくいか若しくは汚れが付着しても容易に落とす
ことができる浴槽が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、加飾性に優れ、かつ見
栄えの良い、さらには汚れが付着しにくい床パンを提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明樹脂シー
トと熱可塑性樹脂シートとをラミネートした好ましくは
このラミネート材を真空成形によって床パンの表面形状
に賦形した表面材と、当該表面材の熱可塑性樹脂シート
側に加熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、かつこれを前記熱
可塑性樹脂シートに接触しつつ圧縮成形した基盤材と、
からなることを特徴とするユニットルームの床パンにか
かるもので、好ましくは、透明樹脂シートが撥水性を示
すものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は表面材を透明樹脂シート
と熱可塑性樹脂シートをラミネートしたもので、表面と
なる透明樹脂シートに対し、熱可塑性樹脂シートをもっ
て補強し、好ましくはかかる熱可塑性樹脂シートを加飾
したものである。そして、熱可塑性樹脂シート側に加熱
溶融熱可塑性樹脂の射出圧縮成形によって基盤材を形成
して更に補強したもので、熱可塑性樹脂シートとの間の
接着性を高めて接着不良や樹脂間の剥離を防止したもの
である。この基盤材は生産効率にすぐれ、かつ熱可塑性
樹脂を用いることで環境にも易しく、さらに低圧成形法
であるため成形歪が生じにくく、経年変化も少ないとい
う特徴を備えたものである。そして場合によってはこの
基盤材の表面に好ましくはガラス繊維強化ポリエステル
樹脂にて外補強材が構成され、全体として強度保持がな
されたものであってもよい。通常は外補強材の周囲及び
表面に格子状の突条を形成して更に補強効果を増す。
【0009】本発明で用いられる表面材としての透明樹
脂シートにあっては、例えばアクリル樹脂、PET樹
脂、AS樹脂、PVC樹脂、PP樹脂、PE樹脂、AB
S樹脂、PS樹脂から選択されたシートが用いられる
が、中でもアクリル樹脂シートあるいはPET樹脂シー
トが好適に用いられる。
【0010】アクリル樹脂シートは、光沢でソフト感の
ある材料であって、汚れにくく、傷が付きにくいという
特徴などがあり、また修理の点でもメリットがあり、表
面材としてはすぐれたものである。なお、透明感のある
ままで用いることも可能であるが、必要に応じて選択さ
れる顔料などの着色剤あるいは無機質鉱物などが配合さ
れたものであってもよい。また、アクリル樹脂シートの
裏側に例えばアクリル系塗料で模様を付してデザイン性
を向上させることも可能である。なお、内面材を構成す
る透明樹脂シートや後述する熱可塑性樹脂シートの厚さ
は夫々適宜選択されるものであり、プレート状、シート
状、フィルム状のものがあるが、本発明ではこれらを総
称して単にシートと称する。
【0011】表面材に用いるアクリル樹脂シートは通常
は平板状のものを用いるが、その厚さは特に限定はな
く、2μm〜20mm程度、好ましくは5μm〜500
μm、更に好ましくは10μm〜250μmのものが使
われる。
【0012】このアクリル樹脂シートは、例えばポリメ
チルメタクリレートのアクリル系樹脂製のキャストシー
トなどであり、これは未架橋のままでも用いられるが、
部分架橋のアクリル樹脂シートは表面硬度や耐薬品性に
すぐれ、また成形時にすぐれた特性を持つもので本発明
に好んで使用される。
【0013】また、表面材としてはPET樹脂シートも
好んで用いられ、これはテレフタル酸ジメチルとエチレ
ングリコールを縮重合させたものであり、機械的強度に
優れ、耐摩耗性にも優れた樹脂シートである。
【0014】本発明において、透明樹脂シ−トの最表面
即ち最終製品の表面が撥水性を示すことが汚れの付着を
防止し、また汚れを取れ易くするという意味で好まし
い。撥水性としては水の接触角が90°以上であること
が好ましい。透明樹脂シ−トの表面に撥水性を発現させ
る手段としては、透明樹脂シ−トの表面にシリコ−ン系
化合物を塗布するか、またはシリコ−ン系化合物が配合
された撥水性樹脂シ−トをさらにラミネ−トするか、ま
たは透明樹脂シ−トの表面にフッ素系化合物を塗布する
かまたはフッ素系化合物からなるまたは配合された撥水
性樹脂シ−トをさらにラミネ−トすることにより達成さ
れる。
【0015】透明樹脂シ−トの表面を撥水性にするため
にはシリコ−ン系化合物、例えば、ポリジメチルシロキ
サン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリジフェニル
シロキサンのようなポリオルガノシロキサンを主鎖とす
るものが用いられる。PETやアクリル樹脂の透明樹脂
表面にシリコ−ン系化合物を塗布する方法としては、熱
縮合型または熱付加型のシリコ−ン系化合物のエマルジ
ョンまたは溶剤溶液をバ−コ−ト法、ドクタ−ブレ−ド
法、ロ−ルコ−ト法、フロ−コ−ト法などで塗布し、熱
風オ−ブンの中で乾燥架橋させるか、若しくは、放射線
または紫外線硬化型反応性ポリオルガノシロキサンのエ
マルジョンまたは溶剤溶液をバ−コ−ト法、ドクタ−ブ
レ−ド法、ロ−ルコ−ト法、フロ−コ−ト法などで塗布
し放射線または紫外線を照射して、ポリオルガノシロキ
サンを架橋硬化する。熱縮合型としては、両末端シラノ
−ル官能性ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジ
ェンポリシロキサンあるいはメチルメトキシシロキサン
とを有機錫系触媒の存在下で反応させたものが挙げられ
る。また熱付加反応型としては分子両末端あるいは両末
端及び側鎖にビニル基を有するメチルビニルポリシロキ
サンと、メチルハイドロジェンポリシロキサンとを白金
系触媒の存在下で反応させたものが挙げられる。紫外線
硬化型はアルケニル基とメルカプト基を含有するポリオ
ルガノシロキサンに光重合剤を加えたもの、(メタ)ア
クリル基を含有するポリオルガノシロキサンに光重合剤
を加えたもの、エポキシ基を含有するポリオルガノシロ
キサンにオニウム塩光開始剤を添加したものなどが例示
され、電子線硬化型はラジカル重合性基含有ポリオルガ
ノシロキサンが例示される。
【0016】PETやアクリル樹脂の透明樹脂シートの
表面にシリコ−ン系化合物が配合された撥水性樹脂シ−
トをさらにラミネ−トする方法としてはアクリル樹脂、
PET樹脂、AS樹脂、PVC樹脂、PP樹脂、PE樹
脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂にアクリロイル基、
メタクリロイル基、ビニル基、メルカプト基などを片末
端または両末端、あるいは側鎖に有する重合性のあるポ
リオルガノシロキサン、あるいはこれに必要に応じた多
官能性化合物を添加した撥水性フィルムまたはアクリル
シリコ−ン共重合体などのそれ自身で撥水性を示すシリ
コ−ン系樹脂からなるフィルムを熱融着、または接着剤
や接着用フィルムを介して押し出しラミネ−ト法、共押
し出し法、ドライラミネ−ション法などでラミネ−トす
る。必要があれば電子線などの放射線照射または紫外線
照射によって固定化する。
【0017】透明樹脂シ−トの表面をフッ素系化合物で
撥水性にするためにはフルオロアルキルアクリレ−トや
フルオロアルキル基含有のポリオルガノシロキサンなど
のフッ素化合物で透明樹脂シ−ト表面を処理するか、エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共
重合体、PTFE、FEP、PCTFE、ECTFE、
PVdF、PVFなどのフッ素系化合物からなる撥水性
樹脂シ−トを透明樹脂シ−トに熱融着や接着剤または接
着用フィルムを介して押し出しラミネ−ト法、共押し出
し法、ドライラミネ−ション法などでラミネ−トする。
必要があれば電子線などの放射線照射または紫外線照射
によって固定化する。
【0018】本発明の表面材は、これらの透明樹脂シー
トに熱可塑性樹脂シートをラミネートして用いるもので
あって、熱可塑性樹脂シートは、前記のアクリル樹脂シ
ート等を補強し、かつこの形状を保持する役割を、更に
は表面材の加飾にも用いられるものであり、具体例とし
ては、PET樹脂、アクリル樹脂、AS樹脂、PVC樹
脂、PP樹脂、PE樹脂、ABS樹脂、PS樹脂から選
択されたシートなどがあげられる。
【0019】両者のラミネート手段は特に限定されるも
のではなく、接着剤、熱ラミネートなどの公知の方法が
採用される。接着剤の1例を示せば、2液性のウレタン
系接着剤を塗布し、これを熱ラミネートする方法がある
が、被ラミネートシートの種類によって接着剤は適宜選
択される。なお、前記熱可塑性樹脂シートの透明樹脂シ
ートと接する面に加飾層を施すことが可能であって、例
えば、耐熱インキを用いたグラビア印刷によって加飾層
を形成することも可能であり、更には着色することも行
われる。
【0020】かかるラミネート材は通常は真空成形を施
すことによって得ようとする床パンの表面材としてアク
リル樹脂シート側を表面側となるように真空成形によっ
て賦形を施すのが通常であるが、場合によっては射出圧
縮成形機によって直接賦形することも可能である。な
お、雌型を用いた真空成形法は平滑な内表面を有する成
形品を得ることとなるので好ましい。
【0021】基盤材として射出圧縮に用いられる熱可塑
性樹脂としては、ラミネートシートすなわち表面材と融
着させることができるものであれば特に限定されない
が、かかる熱可塑性樹脂の代表例としては、例えば、ア
クリル樹脂、PET樹脂、AS樹脂、PVC樹脂、PP
樹脂、PE樹脂、ABS樹脂、PS樹脂などから選択さ
れる。なお、表面材を構成する熱可塑性樹脂シートと同
一の樹脂であることが好ましいことは言うまでもなく、
両者の熱溶着が可能となり、異種材料であれば、接着剤
等を介在させることも行われる。
【0022】なかでも、耐衝撃性にすぐれ、高温域で高
い剛性を有するABS樹脂は特に好ましいものである。
かかる熱可塑性樹脂には各種添加剤を添加することがで
きることは言うまでもなく、ガラス繊維、タルク、マイ
カなどの無機系充填剤、難燃剤、銀錯体系抗菌剤などの
抗菌・防黴剤、着色剤、アゾジカルボンアミンなどの発
泡剤などがある。発泡剤を配合した場合にはかかる熱可
塑性樹脂層(外面材)が多孔質となり断熱性に優れたも
のとなる。また、ガラス繊維を添加した場合には剛性に
すぐれたものとなるので好ましい。この場合、ガラス繊
維長や配合量は任意に選択されるが、通常は1〜6mm
程度で、5〜30重量%程度となるように調整される。
【0023】かかる熱可塑性樹脂は比較的大型の金型内
にあって射出工程と圧縮工程を経るため、メルトフロー
レートは重要なファクターであり、メルトフローレート
が2以上、好ましくは5以上、更に好ましくは15以上
のものがよい。
【0024】上記の熱可塑性樹脂はあらかじめ加熱溶融
されるものであり、金型内に射出させた後、圧縮される
際の圧力は、金型の投影面積が大きいこと、および内面
材が破損するのを避けるため、できるだけ低い圧力で圧
縮成形することが好ましく、50〜150kg/cm2
程度である。
【0025】そして、かかる金型内に加熱溶融された熱
可塑性樹脂が射出され、次いで(あるいは同時に)圧縮
を開始するが、表面材をセットされた状態の金型をもっ
てかかる樹脂を圧縮するものであり、これによって金型
の隅々にまで樹脂を行きわたらせ、かつセットされてい
る表面材の熱可塑性樹脂シートと完全に接触させ、ここ
に両者を一体化するものである。なお、用いられる射出
成形機は縦型あるいは横形のいずれでもよいが、縦型す
なわち金型が相対的に縦方向に解放され、また閉じられ
る構造のものが好んで用いられる。
【0026】前記したように、場合によっては表面材及
び基盤材の形状を維持し、その保形を司る外補強材を採
用してもよく、例えばガラス繊維が配合されたポリエス
テル樹脂が用いられ、ハンドレイアップ法やスプレーア
ップ法によって外補強材が形成される。
【0027】本発明のユニットルームの床パンの製法に
ついて言えば、透明樹脂シートに熱可塑性樹脂シートを
ラミネートして表面材を得、透明樹脂シート側を得られ
る床パンの表面側になるように射出圧縮成形機の金型に
セットし、前記熱可塑性樹脂シート側に加熱溶融した熱
可塑性樹脂を射出し、次いで前記表面材をセットした状
態で射出された熱可塑性樹脂を圧縮し、前記熱可塑性樹
脂シートと当該熱可塑性樹脂を接着して基盤材を成形す
る方法で、前記射出成形機が縦型または横型である製法
である。そして、場合によっては基盤材の表面にFRP
樹脂をハンドレイアップにて積層し、補強材としての層
を形成する。
【0028】ここで射出圧縮成形法とは対向する複数の
金型にて成形されるキャビテイ内にゲートを通じて溶融
樹脂が供給され、型移動を行って充填し、加圧、冷却す
ることによって成形体を得る方法である。充填時の樹脂
の剪断応力が低いことと、充填後にほぼ均等な圧力をも
って冷却できるため、残留歪は小さく変形も少ないとい
う特徴をもっている。一方、従来の方法によれば樹脂の
剪断速度が速くなるため成形時の残留歪が大きく、成形
後における変形はそれだけ大きくなる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の床パンを更に詳細に説明す
る。先ず表面材であるが、使用したアクリル樹脂シート
1は厚み10mmのものを用いた。これに耐熱インキに
よるグラビア印刷の加飾層を形成したABS樹脂シート
1aを、その印刷層を前記アクリル樹脂シート1に対向
させてラミネートさせた。そして、かかるラミネート材
10aのアクリル樹脂シート1側を床パンの表面側とし
て真空成形機で180℃にて床パンの形状に賦形して表
面材10を得た。尚、アクリル樹脂シート1の片面(最
終製品表面)のみ撥水性にするために、両末端シラノ−
ル官能性ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンを有機錫系触媒の存在下で反応させた
もののMEK溶液をロ−ルコ−ト法で塗布し乾燥したも
のを用いた。
【0030】次いで、基盤材であるが、縦型の射出圧縮
成形機(3000トンプレス)の金型3に前記の表面材
10をセットし、ABS樹脂4を金型内に250℃で溶
融射出後、金型3にてかかる樹脂4を圧縮し、これを冷
却して表面材10側のABS樹脂1aと一体としたAB
S樹脂層(基盤材)20を形成した。得られた床パンの
大きさは、周囲にフランジを備えた、平面視で1600
×1600mm、厚み20mm、中央に排水孔を備えた
ものである。床パン表面の水の接触角は110°であ
り、十分な撥水性を示し、またマジックインクの拭き取
り性は良好で十分な防汚性を示した。
【0031】図1はこの射出・圧縮工程を示す概念図で
あり、得られた表面材10が射出成形用金型の移動側金
型3の表面に接するようにセットされ、移動側金型3を
表面材1をセットしたまま金型閉方向すなわち下側に向
けて移動させ、固定側金型5と移動側金型3とを閉じ
る。
【0032】両金型3、5を閉じたのち、予め加熱溶融
された熱可塑性樹脂4をゲート6から表面材10の熱可
塑性樹脂シート1a側と固定側金型5とで囲まれた金型
内へ射出する。この加熱溶融された熱可塑性樹脂(ここ
ではABS樹脂)4をゲート6から金型内に射出し圧縮
する際の圧力は、表面材10が破損するのを防止するこ
となどから、できるだけ低い圧力で圧縮成形することが
好ましく、ここでは100kg/cm2であった。ま
た、メルトフローレートは38であった。ゲート6の数
は多点ゲートが好ましい。
【0033】そして、金型内の基盤材20となるABS
樹脂4を、表面材10をセットしたままの金型3をスラ
イドさせて圧縮し、金型内に当該ABS樹脂4を充満さ
せ、かつ表面材10のABS樹脂シート1aに接触させ
て一体とするものである。次に、金型を冷却し、成形品
を冷却して型開きすることにより、表面がアクリル樹脂
シート1で、これをABS樹脂すなわち基盤材20で外
側を補強した。
【0034】なお、基盤材20の表面(床パンとしては
裏面)にガラス繊維を配合した未架橋のポリエステル樹
脂をハンドレイアップ法によって積層し、これを架橋さ
せることにより外補強材30を構成してもよく、図2は
ここで得られた床パン40の部分拡大断面図である。図
中、符号31はこの外補強材30の周囲及び表面に形成
した格子状の突条である。
【0035】
【発明の効果】本発明のユニットルームの床パンによれ
ば、表面が透明なアクリル樹脂であり、ABS樹脂との
間に任意の印刷層を形成したため、入浴者に対して極め
て見栄えの良い床パンが得られたものである。更に成形
工程にあっても生産効率がよく、省力化の点でも優れた
ものとなる。さらに言えば、成形品の表面に防汚性を付
与することができその用途は広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の床パンの製法の1例を示す説明
図である。
【図2】図2は本発明の床パンの部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1‥アクリル系樹脂シート、 1a‥熱可塑性樹脂シート、 3、5‥射出圧縮成形機の金型、 4‥熱可塑性樹脂、 6‥射出圧縮成形機のゲート、 10‥表面材、 20‥基盤材、 40‥床パン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:04 B29K 105:04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂シートと熱可塑性樹脂シートと
    をラミネートした表面材と、当該表面材の熱可塑性樹脂
    シート側に加熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、かつこれを
    前記熱可塑性樹脂シートに接触しつつ圧縮成形した基盤
    材と、からなることを特徴とするユニットルームの床パ
    ン。
  2. 【請求項2】 ラミネート材を真空成形によって床パン
    の表面形状に賦形した請求項1記載のユニットルームの
    床パン。
  3. 【請求項3】 透明樹脂シートが、アクリル樹脂、PE
    T樹脂、AS樹脂、PVC樹脂、PP樹脂、PE樹脂、
    ABS樹脂、PS樹脂から選択されたシートである請求
    項1記載のユニットルームの床パン。
  4. 【請求項4】 基盤材としての熱可塑性樹脂シートが、
    アクリル樹脂、AS樹脂、PVC樹脂、PP樹脂、PE
    樹脂、ABS樹脂、PS樹脂から選択されたシートであ
    る請求項1記載のユニットルームの床パン。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂シートの透明樹脂シートと
    接する面に加飾層を施した請求項1又は4記載のユニッ
    トルームの床パン。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂シートが着色されている請
    求項1又は4記載のユニットルームの床パン。
  7. 【請求項7】 基盤材を形成する熱可塑性樹脂が、アク
    リル樹脂、PET樹脂、AS樹脂、PVC樹脂、PP樹
    脂、PE樹脂、ABS樹脂、PS樹脂から選択された樹
    脂である請求項1記載のユニットルームの床パン。
  8. 【請求項8】 基盤材を形成する熱可塑性樹脂のメルト
    フローレートが、2以上である請求項1又は7記載のユ
    ニットルームの床パン。
  9. 【請求項9】 基盤材を形成する熱可塑性樹脂が多孔構
    造をなしている請求項1又は8記載のユニットルームの
    床パン。
  10. 【請求項10】 基盤材を形成する熱可塑性樹脂がガラ
    ス繊維にて強化されている請求項1又は9記載のユニッ
    トルームの床パン。
  11. 【請求項11】 透明樹脂シ−トの表面が撥水性を示す
    請求項1記載のユニットルームの床パン。
  12. 【請求項12】 撥水性を示す透明樹脂シ−トが表面に
    シリコ−ン系化合物が塗布されるかまたはシリコ−ン系
    化合物が配合された透明樹脂シ−トがさらにラミネ−ト
    されるものである請求項11記載のユニットルームの床
    パン。
  13. 【請求項13】 撥水性を示す透明樹脂シ−トが表面に
    フッ素系化合物が塗布されるかまたはフッ素系化合物が
    配合された透明樹脂シートがさらにラミネ−トされるも
    のである請求項11記載のユニットルームの床パン。
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