JP2001219455A - 合成樹脂製成形体およびその製法 - Google Patents
合成樹脂製成形体およびその製法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は作業環境にすぐれ、金型の表面にごみ
等が付着していても不良品が生ぜず、また汚れが付着し
にくくかつこれが取れ易く、さらに耐用年数が長い浴槽
などの合成樹脂製成形体およびその製法を提供する。 【解決手段】透明樹脂シートからなる内面層材と、当該
内面層材の一方面側に加熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、
かつこれを前記内面層材の一方面側に接触しつつ圧縮成
形した外面層材と、からなることを特徴とする合成樹脂
製成形体。
等が付着していても不良品が生ぜず、また汚れが付着し
にくくかつこれが取れ易く、さらに耐用年数が長い浴槽
などの合成樹脂製成形体およびその製法を提供する。 【解決手段】透明樹脂シートからなる内面層材と、当該
内面層材の一方面側に加熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、
かつこれを前記内面層材の一方面側に接触しつつ圧縮成
形した外面層材と、からなることを特徴とする合成樹脂
製成形体。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽、シンク、
壁、床、天井、扉などの合成樹脂製成形体およびその製
法に関するものである。
壁、床、天井、扉などの合成樹脂製成形体およびその製
法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】合成樹脂製成形体としてアクリル樹脂製
浴槽を例にとって説明すると、通常はアクリル樹脂シー
トを加熱軟化させたのち、真空成形によって所望の浴槽
形状に成形させ、裏張りの補強材としてガラス繊維強化
プラスチック（以下、ＦＲＰという）をスプレーガンで
吹き付け、またはハンドレイアップ法によってかかる補
強材の層を形成し、このＦＲＰ層を脱泡させながら平滑
にし、その後硬化させることにより製造されている。
浴槽を例にとって説明すると、通常はアクリル樹脂シー
トを加熱軟化させたのち、真空成形によって所望の浴槽
形状に成形させ、裏張りの補強材としてガラス繊維強化
プラスチック（以下、ＦＲＰという）をスプレーガンで
吹き付け、またはハンドレイアップ法によってかかる補
強材の層を形成し、このＦＲＰ層を脱泡させながら平滑
にし、その後硬化させることにより製造されている。
【０００３】しかしながら、前記浴槽の製造の際には、
作業者によってＦＲＰの吹き付けやハンドレイアップ作
業、さらには平滑作業などが行なわれるため、生産効率
が悪く、また作業者の衣服にガラス繊維が付着するのみ
ならず、ガラス繊維が皮膚に付着したり、作業者が飛散
したガラス繊維を吸収し障害を引き起こすという問題が
あった。
作業者によってＦＲＰの吹き付けやハンドレイアップ作
業、さらには平滑作業などが行なわれるため、生産効率
が悪く、また作業者の衣服にガラス繊維が付着するのみ
ならず、ガラス繊維が皮膚に付着したり、作業者が飛散
したガラス繊維を吸収し障害を引き起こすという問題が
あった。
【０００４】また、前記浴槽に用いられているアクリル
樹脂シートとＦＲＰとの熱膨張係数の差が大きいので、
長期間使用しているうちに温度変化によってアクリル樹
脂シートに歪みを生じて劣化するため、耐用年数が短い
という問題があった。
樹脂シートとＦＲＰとの熱膨張係数の差が大きいので、
長期間使用しているうちに温度変化によってアクリル樹
脂シートに歪みを生じて劣化するため、耐用年数が短い
という問題があった。
【０００５】さらに、アクリル樹脂シート成形体を金型
にセットし、裏面から加熱溶融した合成樹脂を射出成形
して補強するものもあるが、この場合には成形歪が残り
やすく、長期間の使用によって反りが発生する等の問題
が生じていた。さらにまた、裏面に発泡性合成樹脂を注
入し、その後発泡させることによって補強する方法もあ
るが、断熱性にはすぐれるものの、主として発泡圧によ
ってアクリル樹脂シートと合成樹脂とを接触させるため
接着が不十分で剥離を生じたり、金型内に合成樹脂が完
全に行きわたらないというケースもある。
にセットし、裏面から加熱溶融した合成樹脂を射出成形
して補強するものもあるが、この場合には成形歪が残り
やすく、長期間の使用によって反りが発生する等の問題
が生じていた。さらにまた、裏面に発泡性合成樹脂を注
入し、その後発泡させることによって補強する方法もあ
るが、断熱性にはすぐれるものの、主として発泡圧によ
ってアクリル樹脂シートと合成樹脂とを接触させるため
接着が不十分で剥離を生じたり、金型内に合成樹脂が完
全に行きわたらないというケースもある。
【０００６】更に言えば、浴槽、シンク、壁、床、天
井、扉などの合成樹脂製成形体は従来からかびなどの汚
れが付着することが問題になっており、汚れの付着しに
くいか若しくは汚れが付着しても容易に取ることができ
る成形体が求められている。そして、何よりも前記した
各製法では型面にごみ等が付着している場合にはこれが
直接成形体の表面に食い込み、成形体表面のいわゆる鏡
面を荒らすこととなっていた。このため、製造作業をク
リーンルーム内で行っているが、製造工程が複雑にな
り、コストアップにつながることは避けられない。
井、扉などの合成樹脂製成形体は従来からかびなどの汚
れが付着することが問題になっており、汚れの付着しに
くいか若しくは汚れが付着しても容易に取ることができ
る成形体が求められている。そして、何よりも前記した
各製法では型面にごみ等が付着している場合にはこれが
直接成形体の表面に食い込み、成形体表面のいわゆる鏡
面を荒らすこととなっていた。このため、製造作業をク
リーンルーム内で行っているが、製造工程が複雑にな
り、コストアップにつながることは避けられない。
【０００７】そして、何よりも前記した各製法では型面
にごみ等が付着している場合にはこれが直接成形体の表
面に食い込み、成形体表面のいわゆる鏡面を荒らすだけ
でなく成形歪みをもたらすこととなっていた。このた
め、製造作業をクリーンルーム内で行っているが、製造
工程が複雑になり、コストアップに繋がることは避けら
れなかった。
にごみ等が付着している場合にはこれが直接成形体の表
面に食い込み、成形体表面のいわゆる鏡面を荒らすだけ
でなく成形歪みをもたらすこととなっていた。このた
め、製造作業をクリーンルーム内で行っているが、製造
工程が複雑になり、コストアップに繋がることは避けら
れなかった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、作業環境にすぐれ、金
型の表面にごみ等が付着していても不良品が生ぜず、ま
た汚れが付着しにくくかつこれが取れ易く、さらに耐用
年数が長い浴槽などの合成樹脂製成形体およびその製法
を提供することを目的とする。
術に鑑みてなされたものであり、作業環境にすぐれ、金
型の表面にごみ等が付着していても不良品が生ぜず、ま
た汚れが付着しにくくかつこれが取れ易く、さらに耐用
年数が長い浴槽などの合成樹脂製成形体およびその製法
を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明の第１は、合成樹
脂製成形体にかかるものであり、その構成は透明樹脂シ
ートからなる内面層材と、当該内面層材の一方面側に加
熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、かつこれを前記内面層材
の一方面側に接触しつつ圧縮成形した外面層材と、から
なることを特徴とするもので、好ましくは内面層材とな
る透明樹脂シートが撥水性を示すものが良い。
脂製成形体にかかるものであり、その構成は透明樹脂シ
ートからなる内面層材と、当該内面層材の一方面側に加
熱溶融熱可塑性樹脂を射出し、かつこれを前記内面層材
の一方面側に接触しつつ圧縮成形した外面層材と、から
なることを特徴とするもので、好ましくは内面層材とな
る透明樹脂シートが撥水性を示すものが良い。
【００１０】そして、発明の第２は、合成樹脂製成形体
の製法であって、透明樹脂をシートにして内面層材を
得、当該内面層材を射出圧縮成形機の金型にセットし、
内面層材の一方面側に加熱溶融した熱可塑性樹脂を射出
し、次いで前記内面層材をセットした状態で射出された
熱可塑性樹脂を圧縮し、前記内面層材と当該熱可塑性樹
脂を接着して外面層材を成形したことを特徴とする。
の製法であって、透明樹脂をシートにして内面層材を
得、当該内面層材を射出圧縮成形機の金型にセットし、
内面層材の一方面側に加熱溶融した熱可塑性樹脂を射出
し、次いで前記内面層材をセットした状態で射出された
熱可塑性樹脂を圧縮し、前記内面層材と当該熱可塑性樹
脂を接着して外面層材を成形したことを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】ここで発明の実施の形態につい
て、第２発明を中心として述べれば、加熱溶融した熱可
塑性樹脂における射出圧縮成形法を用いた製法であっ
て、内面層材を透明樹脂シートとし、好ましくはこの内
側面に加飾層を形成したもので、この面に対して、補強
層となる加熱溶融熱可塑性樹脂を射出圧縮成形して一体
化したものであって、成形時の生産効率にすぐれ、かつ
熱可塑性樹脂を用いることで環境にも易しく、さらに低
圧成形法であるため成形歪が生じにくく、経年変化も少
ないという特徴を備えたものである。
て、第２発明を中心として述べれば、加熱溶融した熱可
塑性樹脂における射出圧縮成形法を用いた製法であっ
て、内面層材を透明樹脂シートとし、好ましくはこの内
側面に加飾層を形成したもので、この面に対して、補強
層となる加熱溶融熱可塑性樹脂を射出圧縮成形して一体
化したものであって、成形時の生産効率にすぐれ、かつ
熱可塑性樹脂を用いることで環境にも易しく、さらに低
圧成形法であるため成形歪が生じにくく、経年変化も少
ないという特徴を備えたものである。
【００１２】すなわち、作業者の手作業による製造工程
がほとんどなく、主として金型内で成形作業が行なわれ
るため、作業環境面、安全衛生面にすぐれ、しかも内面
層材と射出圧縮成形側（外面補強側）の熱可塑性樹脂と
の間での接着不良や剥離の発生も少なくなり、生産効率
にもすぐれたものであり、得られた成形体にあっても、
内面層材と外側の補強層として用いられた熱可塑性樹脂
との接着を確実なものとし、かつ熱膨張係数の差が小さ
いので、温度変化によって内表面のプレートに歪みを生
じて劣化することが少なくなるため耐用年数が長くなる
ものである。
がほとんどなく、主として金型内で成形作業が行なわれ
るため、作業環境面、安全衛生面にすぐれ、しかも内面
層材と射出圧縮成形側（外面補強側）の熱可塑性樹脂と
の間での接着不良や剥離の発生も少なくなり、生産効率
にもすぐれたものであり、得られた成形体にあっても、
内面層材と外側の補強層として用いられた熱可塑性樹脂
との接着を確実なものとし、かつ熱膨張係数の差が小さ
いので、温度変化によって内表面のプレートに歪みを生
じて劣化することが少なくなるため耐用年数が長くなる
ものである。
【００１３】特に透明樹脂シートの表面に保護シートを
粘着材にてラミネートしたものにあっては、保護シート
が成形時の金型内に存在するごみ等から透明樹脂シート
を守り、表面の鏡面状態を守ることとなり、製造上で多
大のメリットをもたらすものである。
粘着材にてラミネートしたものにあっては、保護シート
が成形時の金型内に存在するごみ等から透明樹脂シート
を守り、表面の鏡面状態を守ることとなり、製造上で多
大のメリットをもたらすものである。
【００１４】本発明で用いられる内面層材としての透明
樹脂シートにあっては、例えばアクリル樹脂、ＰＥＴ樹
脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢ
Ｓ樹脂、ＰＳ樹脂から選択されたシートが用いられる
が、中でもアクリル樹脂シートあるいはＰＥＴ樹脂シー
トが好適に用いられる。なお、内面層材を構成する透明
樹脂シートや後述する熱可塑性樹脂シートの厚さは夫々
適宜選択されるものであり、プレート状、シート状、フ
ィルム状のものがあるが、本発明ではこれらを総称して
単にシートと称する。
樹脂シートにあっては、例えばアクリル樹脂、ＰＥＴ樹
脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢ
Ｓ樹脂、ＰＳ樹脂から選択されたシートが用いられる
が、中でもアクリル樹脂シートあるいはＰＥＴ樹脂シー
トが好適に用いられる。なお、内面層材を構成する透明
樹脂シートや後述する熱可塑性樹脂シートの厚さは夫々
適宜選択されるものであり、プレート状、シート状、フ
ィルム状のものがあるが、本発明ではこれらを総称して
単にシートと称する。
【００１５】アクリル樹脂シートは、光沢でソフト感の
ある材料であって、汚れにくく、傷が付きにくいという
特徴などがあり、また修理の点でもメリットがあり、表
面層材としてはすぐれたものである。なお、透明感のあ
るままで用いることも可能であるが、必要に応じて選択
される顔料などの着色剤あるいは無機質鉱物などが配合
されたものであってもよい。また、アクリル樹脂シート
のの裏側に例えばアクリル系塗料で模様を付してデザイ
ン性を向上させることも可能であり、例えば耐熱インキ
を用いたグラビア印刷にて印刷層（加飾層）を形成する
ことができることは言うまでもない。
ある材料であって、汚れにくく、傷が付きにくいという
特徴などがあり、また修理の点でもメリットがあり、表
面層材としてはすぐれたものである。なお、透明感のあ
るままで用いることも可能であるが、必要に応じて選択
される顔料などの着色剤あるいは無機質鉱物などが配合
されたものであってもよい。また、アクリル樹脂シート
のの裏側に例えばアクリル系塗料で模様を付してデザイ
ン性を向上させることも可能であり、例えば耐熱インキ
を用いたグラビア印刷にて印刷層（加飾層）を形成する
ことができることは言うまでもない。
【００１６】かかるアクリル樹脂シートは通常は真空成
形を施すことによって得ようとする合成樹脂製成形体の
特に内面層材とされるものであり、アクリル樹脂シート
側を表面側となるように成形を施すものである。なお、
雌型を用いた真空成形法は平滑な内表面を有する成形品
を得ることとなるので好ましい。勿論、賦形されていな
い平板状のものを内面層材として用いることができるこ
とは当然である。本発明のアクリル樹脂シートの厚さは
特に限定がないが１．５〜２０ｍｍ程度、好ましくは５
〜１５ｍｍ、更に好ましくは７〜１２ｍｍのものが使わ
れる。
形を施すことによって得ようとする合成樹脂製成形体の
特に内面層材とされるものであり、アクリル樹脂シート
側を表面側となるように成形を施すものである。なお、
雌型を用いた真空成形法は平滑な内表面を有する成形品
を得ることとなるので好ましい。勿論、賦形されていな
い平板状のものを内面層材として用いることができるこ
とは当然である。本発明のアクリル樹脂シートの厚さは
特に限定がないが１．５〜２０ｍｍ程度、好ましくは５
〜１５ｍｍ、更に好ましくは７〜１２ｍｍのものが使わ
れる。
【００１７】このアクリル樹脂シートは、例えばポリメ
チルメタクリレートのアクリル系樹脂製のキャストシー
トなどであり、これは未架橋のままでも用いられるが、
部分架橋のアクリル樹脂シートは表面硬度や耐薬品性に
すぐれ、また成形時にすぐれた特性を持つもので本発明
に好んで使用される。
チルメタクリレートのアクリル系樹脂製のキャストシー
トなどであり、これは未架橋のままでも用いられるが、
部分架橋のアクリル樹脂シートは表面硬度や耐薬品性に
すぐれ、また成形時にすぐれた特性を持つもので本発明
に好んで使用される。
【００１８】また、内面層材としてはＰＥＴ樹脂シート
も好んで用いられ、これはテレフタル酸ジメチルとエチ
レングリコールを縮重合させたものであり、機械的強度
に優れ、耐摩耗性にも優れた樹脂シートである。勿論、
例えば耐熱インキを用いたグラビア印刷にて加飾層を形
成することができることは言うまでもない。
も好んで用いられ、これはテレフタル酸ジメチルとエチ
レングリコールを縮重合させたものであり、機械的強度
に優れ、耐摩耗性にも優れた樹脂シートである。勿論、
例えば耐熱インキを用いたグラビア印刷にて加飾層を形
成することができることは言うまでもない。
【００１９】これらの透明樹脂シートにラミネートする
保護シートは、透明樹脂シートより柔軟なシートである
のがよく、これによって金型内のごみ等に対して容易に
変形してこれを包み込んでしまうからである。保護シー
トの代表的なものとしてはＰＥ樹脂シートがあるが、こ
の他にもＰＰ、軟質ＰＶＣ等が用いられる。尚、この保
護シートには粘着層をコーティングしておき、透明樹脂
シートとのラミネートに供されるものである。
保護シートは、透明樹脂シートより柔軟なシートである
のがよく、これによって金型内のごみ等に対して容易に
変形してこれを包み込んでしまうからである。保護シー
トの代表的なものとしてはＰＥ樹脂シートがあるが、こ
の他にもＰＰ、軟質ＰＶＣ等が用いられる。尚、この保
護シートには粘着層をコーティングしておき、透明樹脂
シートとのラミネートに供されるものである。
【００２０】本発明において、透明樹脂シ−トからなる
表面材の最表面が撥水性を示すことが汚れの付着を防止
し、また汚れを取れ易くするという意味で好ましい。撥
水性としては水の接触角が９０°以上であることが好ま
しい。かかる透明樹脂シ−トの表面に撥水性を発現させ
る手段としては、透明樹脂シ−トの表面にシリコ−ン系
化合物を塗布するか、またはシリコ−ン系化合物が配合
された撥水性樹脂シ−トをさらにラミネ−トするか、ま
たは透明樹脂シ−トの表面にフッ素系化合物を塗布する
かまたはフッ素系化合物からなるまたは配合された撥水
性樹脂シ−トをさらにラミネ−トすることにより達成さ
れる。
表面材の最表面が撥水性を示すことが汚れの付着を防止
し、また汚れを取れ易くするという意味で好ましい。撥
水性としては水の接触角が９０°以上であることが好ま
しい。かかる透明樹脂シ−トの表面に撥水性を発現させ
る手段としては、透明樹脂シ−トの表面にシリコ−ン系
化合物を塗布するか、またはシリコ−ン系化合物が配合
された撥水性樹脂シ−トをさらにラミネ−トするか、ま
たは透明樹脂シ−トの表面にフッ素系化合物を塗布する
かまたはフッ素系化合物からなるまたは配合された撥水
性樹脂シ−トをさらにラミネ−トすることにより達成さ
れる。
【００２１】透明性樹脂シ−トの表面を撥水性にするた
めの具体的手段としては、シリコ−ン系化合物、例え
ば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロ
キサン、ポリジフェニルシロキサンのようなポリオルガ
ノシロキサンを主鎖とするものが用いられる。ＰＥＴや
アクリル樹脂の透明樹脂表面にシリコ−ン系化合物を塗
布する方法としては、熱縮合型または熱付加型のシリコ
−ン系化合物のエマルジョンまたは溶剤溶液をバ−コ−
ト法、ドクタ−ブレ−ド法、ロ−ルコ−ト法、フロ−コ
−ト法などで塗布し、熱風オ−ブンの中で乾燥架橋させ
るか、若しくは、放射線または紫外線硬化型反応性ポリ
オルガノシロキサンのエマルジョンまたは溶剤溶液をバ
−コ−ト法、ドクタ−ブレ−ド法、ロ−ルコ−ト法、フ
ロ−コ−ト法などで塗布し放射線または紫外線を照射し
て、ポリオルガノシロキサンを架橋硬化する。熱縮合型
としては、両末端シラノ−ル官能性ジメチルポリシロキ
サンとメチルハイドロジェンポリシロキサンあるいはメ
チルメトキシシロキサンとを有機錫系触媒の存在下で反
応させたものが挙げられる。また熱付加反応型としては
分子両末端あるいは両末端及び側鎖にビニル基を有する
メチルビニルポリシロキサンと、メチルハイドロジェン
ポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させたも
のが挙げられる。紫外線硬化型はアルケニル基とメルカ
プト基を含有するポリオルガノシロキサンに光重合剤を
加えたもの、（メタ）アクリル基を含有するポリオルガ
ノシロキサンに光重合剤を加えたもの、エポキシ基を含
有するポリオルガノシロキサンにオニウム塩光開始剤を
添加したものなどが例示され、電子線硬化型はラジカル
重合性基含有ポリオルガノシロキサンが例示される。
めの具体的手段としては、シリコ−ン系化合物、例え
ば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロ
キサン、ポリジフェニルシロキサンのようなポリオルガ
ノシロキサンを主鎖とするものが用いられる。ＰＥＴや
アクリル樹脂の透明樹脂表面にシリコ−ン系化合物を塗
布する方法としては、熱縮合型または熱付加型のシリコ
−ン系化合物のエマルジョンまたは溶剤溶液をバ−コ−
ト法、ドクタ−ブレ−ド法、ロ−ルコ−ト法、フロ−コ
−ト法などで塗布し、熱風オ−ブンの中で乾燥架橋させ
るか、若しくは、放射線または紫外線硬化型反応性ポリ
オルガノシロキサンのエマルジョンまたは溶剤溶液をバ
−コ−ト法、ドクタ−ブレ−ド法、ロ−ルコ−ト法、フ
ロ−コ−ト法などで塗布し放射線または紫外線を照射し
て、ポリオルガノシロキサンを架橋硬化する。熱縮合型
としては、両末端シラノ−ル官能性ジメチルポリシロキ
サンとメチルハイドロジェンポリシロキサンあるいはメ
チルメトキシシロキサンとを有機錫系触媒の存在下で反
応させたものが挙げられる。また熱付加反応型としては
分子両末端あるいは両末端及び側鎖にビニル基を有する
メチルビニルポリシロキサンと、メチルハイドロジェン
ポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させたも
のが挙げられる。紫外線硬化型はアルケニル基とメルカ
プト基を含有するポリオルガノシロキサンに光重合剤を
加えたもの、（メタ）アクリル基を含有するポリオルガ
ノシロキサンに光重合剤を加えたもの、エポキシ基を含
有するポリオルガノシロキサンにオニウム塩光開始剤を
添加したものなどが例示され、電子線硬化型はラジカル
重合性基含有ポリオルガノシロキサンが例示される。
【００２２】ＰＥＴやアクリル樹脂の透明樹脂表面にシ
リコ−ン系化合物が配合された撥水性樹脂シ−トをさら
にラミネ−トする方法としてはアクリル樹脂、ＰＥＴ樹
脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢ
Ｓ樹脂などの熱可塑性樹脂にアクリロイル基、メタクリ
ロイル基、ビニル基、メルカプト基などを片末端または
両末端、あるいは側鎖に有する重合性のあるポリオルガ
ノシロキサン、あるいはこれに必要に応じた多官能性化
合物を添加した撥水性フィルムまたはアクリルシリコ−
ン共重合体などのそれ自身で撥水性を示すシリコ−ン系
樹脂からなるフィルムを熱融着、または接着剤や接着用
フィルムを介して押し出しラミネ−ト法、共押し出し
法、ドライラミネ−ション法などでラミネ−トする。必
要があれば電子線などの放射線照射または紫外線照射に
よって固定化する。
リコ−ン系化合物が配合された撥水性樹脂シ−トをさら
にラミネ−トする方法としてはアクリル樹脂、ＰＥＴ樹
脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢ
Ｓ樹脂などの熱可塑性樹脂にアクリロイル基、メタクリ
ロイル基、ビニル基、メルカプト基などを片末端または
両末端、あるいは側鎖に有する重合性のあるポリオルガ
ノシロキサン、あるいはこれに必要に応じた多官能性化
合物を添加した撥水性フィルムまたはアクリルシリコ−
ン共重合体などのそれ自身で撥水性を示すシリコ−ン系
樹脂からなるフィルムを熱融着、または接着剤や接着用
フィルムを介して押し出しラミネ−ト法、共押し出し
法、ドライラミネ−ション法などでラミネ−トする。必
要があれば電子線などの放射線照射または紫外線照射に
よって固定化する。
【００２３】透明樹脂シ−トの表面をフッ素系化合物で
撥水性にするためにはフルオロアルキルアクリレ−トや
フルオロアルキル基含有のポリオルガノシロキサンなど
のフッ素化合物で透明樹脂シ−ト表面を処理するか、エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共
重合体、ＰＴＦＥ、ＦＥＰ、ＰＣＴＦＥ、ＥＣＴＦＥ、
ＰＶｄＦ、ＰＶＦなどのフッ素系化合物からなる撥水性
樹脂シ−トを透明樹脂シ−トに熱融着や接着剤または接
着用フィルムを介して押し出しラミネ−ト法、共押し出
し法、ドライラミネ−ション法などでラミネ−トする。
必要があれば電子線などの放射線照射または紫外線照射
によって固定化する。
撥水性にするためにはフルオロアルキルアクリレ−トや
フルオロアルキル基含有のポリオルガノシロキサンなど
のフッ素化合物で透明樹脂シ−ト表面を処理するか、エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共
重合体、ＰＴＦＥ、ＦＥＰ、ＰＣＴＦＥ、ＥＣＴＦＥ、
ＰＶｄＦ、ＰＶＦなどのフッ素系化合物からなる撥水性
樹脂シ−トを透明樹脂シ−トに熱融着や接着剤または接
着用フィルムを介して押し出しラミネ−ト法、共押し出
し法、ドライラミネ−ション法などでラミネ−トする。
必要があれば電子線などの放射線照射または紫外線照射
によって固定化する。
【００２４】本発明は、これらの透明樹脂シートに熱可
塑性樹脂シートをラミネートして用いることもでき、か
かる熱可塑性樹脂シートは、前記のアクリル樹脂シート
等を補強し、内面層材の形状を保持する役割を有するも
のであり、具体例としては、アクリル樹脂、ＡＳ樹脂、
ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹
脂から選択されたシートなどがあげられる。
塑性樹脂シートをラミネートして用いることもでき、か
かる熱可塑性樹脂シートは、前記のアクリル樹脂シート
等を補強し、内面層材の形状を保持する役割を有するも
のであり、具体例としては、アクリル樹脂、ＡＳ樹脂、
ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹
脂から選択されたシートなどがあげられる。
【００２５】両者のラミネート手段は特に限定されるも
のではなく、接着剤、押出しなどの公知の方法が採用さ
れる。接着剤の１例を示せば、２液性のウレタン系接着
剤を塗布し、これを熱ラミネートする方法があるが、被
ラミネートシートの種類によって接着剤は適宜選択され
る。
のではなく、接着剤、押出しなどの公知の方法が採用さ
れる。接着剤の１例を示せば、２液性のウレタン系接着
剤を塗布し、これを熱ラミネートする方法があるが、被
ラミネートシートの種類によって接着剤は適宜選択され
る。
【００２６】射出圧縮に用いられる熱可塑性樹脂として
は、内面層材と融着させることができるものであれば特
に限定されないが、かかる熱可塑性樹脂の代表例として
は、例えば、アクリル樹脂、ＰＥＴ樹脂、ＡＳ樹脂、Ｐ
ＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂
などから選択される。なお、内面層材を構成する樹脂と
同一の樹脂であることが好ましいことは言うまでもな
く、両者の熱溶着が可能となり、異種材料であれば、接
着剤等を介在させることも行われる。
は、内面層材と融着させることができるものであれば特
に限定されないが、かかる熱可塑性樹脂の代表例として
は、例えば、アクリル樹脂、ＰＥＴ樹脂、ＡＳ樹脂、Ｐ
ＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂
などから選択される。なお、内面層材を構成する樹脂と
同一の樹脂であることが好ましいことは言うまでもな
く、両者の熱溶着が可能となり、異種材料であれば、接
着剤等を介在させることも行われる。
【００２７】かかる熱可塑性樹脂は例えば大型のユニッ
トバスや形状の複雑な収納パネル等の金型内にて射出工
程と圧縮工程を経るため、メルトフローレートは重要な
ファクターであり、メルトフローレートが２以上、好ま
しくは５以上、更に好ましくは１５以上のものがよい。
トバスや形状の複雑な収納パネル等の金型内にて射出工
程と圧縮工程を経るため、メルトフローレートは重要な
ファクターであり、メルトフローレートが２以上、好ま
しくは５以上、更に好ましくは１５以上のものがよい。
【００２８】なかでも、内面層材との接着が良好で、か
つ耐衝撃性にすぐれ、高温域で高い剛性を有するＡＢＳ
樹脂は特に好ましいものである。かかる熱可塑性樹脂に
は各種添加剤を添加することができることは言うまでも
なく、ガラス繊維、タルク、マイカなどの無機系充填
剤、難燃剤、銀錯体系抗菌剤などの抗菌・防黴剤、着色
剤、アゾジカルボンアミンなどの発泡剤などがある。発
泡剤を配合した場合にはかかる熱可塑性樹脂層（外面層
材）が多孔質となり断熱性に優れたものとなる。また、
ガラス繊維を添加した場合には剛性にすぐれたものとな
るので好ましい。この場合、ガラス繊維長や配合量は任
意に選択されるが、通常は１〜６ｍｍ程度で、５〜３０
重量％程度となるように調整される。
つ耐衝撃性にすぐれ、高温域で高い剛性を有するＡＢＳ
樹脂は特に好ましいものである。かかる熱可塑性樹脂に
は各種添加剤を添加することができることは言うまでも
なく、ガラス繊維、タルク、マイカなどの無機系充填
剤、難燃剤、銀錯体系抗菌剤などの抗菌・防黴剤、着色
剤、アゾジカルボンアミンなどの発泡剤などがある。発
泡剤を配合した場合にはかかる熱可塑性樹脂層（外面層
材）が多孔質となり断熱性に優れたものとなる。また、
ガラス繊維を添加した場合には剛性にすぐれたものとな
るので好ましい。この場合、ガラス繊維長や配合量は任
意に選択されるが、通常は１〜６ｍｍ程度で、５〜３０
重量％程度となるように調整される。
【００２９】上記の熱可塑性樹脂は予め加熱溶融される
ものであり、金型内に射出させる際の圧力は、金型の投
影面積が大きいこと、および内面層材が破損するのを避
けるため、できるだけ低い圧力で射出成形することが好
ましく、５０〜１５０ｋｇ／ｃｍ２程度である。
ものであり、金型内に射出させる際の圧力は、金型の投
影面積が大きいこと、および内面層材が破損するのを避
けるため、できるだけ低い圧力で射出成形することが好
ましく、５０〜１５０ｋｇ／ｃｍ２程度である。
【００３０】そして、かかる金型内に加熱溶融された熱
可塑性樹脂が射出され、次いで（あるいは同時に）圧縮
を開始するが、内面層材をセットされた状態の金型をも
ってかかる樹脂を圧縮するものであり、これによって金
型の隅々にまで樹脂を行きわたらせ、かつセットされて
いる内面層材と完全に接触させ、ここに両者を一体化す
るものである。なお、用いられる射出成形機は縦型ある
いは横形のいずれでもよいが、縦型すなわち金型が相対
的に縦方向に解放され、また閉じられる構造のものが好
んで用いられる。
可塑性樹脂が射出され、次いで（あるいは同時に）圧縮
を開始するが、内面層材をセットされた状態の金型をも
ってかかる樹脂を圧縮するものであり、これによって金
型の隅々にまで樹脂を行きわたらせ、かつセットされて
いる内面層材と完全に接触させ、ここに両者を一体化す
るものである。なお、用いられる射出成形機は縦型ある
いは横形のいずれでもよいが、縦型すなわち金型が相対
的に縦方向に解放され、また閉じられる構造のものが好
んで用いられる。
【００３１】射出圧縮成形法とは対向する複数の金型に
て成形されるキャビテイ内にゲートを通じて溶融樹脂が
供給され、型移動を行って好ましくは賦形し、加圧、冷
却することによって成形体を得る方法である。賦形時の
樹脂の剪断応力が低いことと、賦形後にほぼ均等な圧力
をもって冷却できるため、残留歪は小さく変形も少ない
という特徴をもっている。一方、従来の方法によれば樹
脂の剪断速度が速くなるため成形時の残留歪が大きく、
成形後における変形はそれだけ大きくなる。
て成形されるキャビテイ内にゲートを通じて溶融樹脂が
供給され、型移動を行って好ましくは賦形し、加圧、冷
却することによって成形体を得る方法である。賦形時の
樹脂の剪断応力が低いことと、賦形後にほぼ均等な圧力
をもって冷却できるため、残留歪は小さく変形も少ない
という特徴をもっている。一方、従来の方法によれば樹
脂の剪断速度が速くなるため成形時の残留歪が大きく、
成形後における変形はそれだけ大きくなる。
【００３２】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明する。具体例
として、浴槽の成形例をもって示すと、内面層材１０と
して使用したアクリル樹脂シート１は厚み１０ｍｍのも
のを用いた。当該アクリル樹脂シート１の片面（最終製
品表面）のみ撥水性を示すものであり、両末端シラノ−
ル官能性ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンを有機錫系触媒の存在下で反応させた
もののＭＥＫ溶液をロ−ルコ−ト法で塗布し乾燥した。
一方、これとは反対面に耐熱インキを用いたグラビア印
刷にて加飾層１ａを形成した。そして、かかる内面層材
１０をアクリル樹脂シート１を成形品の表面側として真
空成形機で１８０℃にて浴槽の形状すなわち浴槽の内面
形状に賦形して内面層材１０を得た。
として、浴槽の成形例をもって示すと、内面層材１０と
して使用したアクリル樹脂シート１は厚み１０ｍｍのも
のを用いた。当該アクリル樹脂シート１の片面（最終製
品表面）のみ撥水性を示すものであり、両末端シラノ−
ル官能性ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンを有機錫系触媒の存在下で反応させた
もののＭＥＫ溶液をロ−ルコ−ト法で塗布し乾燥した。
一方、これとは反対面に耐熱インキを用いたグラビア印
刷にて加飾層１ａを形成した。そして、かかる内面層材
１０をアクリル樹脂シート１を成形品の表面側として真
空成形機で１８０℃にて浴槽の形状すなわち浴槽の内面
形状に賦形して内面層材１０を得た。
【００３３】図１はかかる工程の概念図であり、内面層
材１０のアクリル樹脂シート１側を表面側として浴槽の
内面形状に対応した形状を有する真空成形型（雌型）２
を有する真空成形機（図示せず）にセットして加熱軟化
させ、その後真空引きすることにより浴槽の内面形状を
有する内面層材１０を得る。勿論、天井壁のように平板
状の成形体を得ようとする場合にはかかる工程は省略さ
れることは言うまでもない。
材１０のアクリル樹脂シート１側を表面側として浴槽の
内面形状に対応した形状を有する真空成形型（雌型）２
を有する真空成形機（図示せず）にセットして加熱軟化
させ、その後真空引きすることにより浴槽の内面形状を
有する内面層材１０を得る。勿論、天井壁のように平板
状の成形体を得ようとする場合にはかかる工程は省略さ
れることは言うまでもない。
【００３４】次いで、縦型の射出圧縮成形機（３０００
トンプレス）の雄側金型３に前記の賦形された内面層材
１０をセットする。そして、加飾層側１ａにＡＢＳ樹脂
４を金型内に２５０℃で溶融射出後、雄側金型３にてか
かる樹脂４を圧縮し、これを冷却して表面材としてアク
リル樹脂シート１と外面層材としてＡＢＳ樹脂層４を備
えた浴槽を得た。得られた浴槽表面の水の接触角は１１
０〓であり、十分な撥水性を示し、またマジック（登録
商標）インクの拭き取り性は良好で優れた防汚性を示し
た。
トンプレス）の雄側金型３に前記の賦形された内面層材
１０をセットする。そして、加飾層側１ａにＡＢＳ樹脂
４を金型内に２５０℃で溶融射出後、雄側金型３にてか
かる樹脂４を圧縮し、これを冷却して表面材としてアク
リル樹脂シート１と外面層材としてＡＢＳ樹脂層４を備
えた浴槽を得た。得られた浴槽表面の水の接触角は１１
０〓であり、十分な撥水性を示し、またマジック（登録
商標）インクの拭き取り性は良好で優れた防汚性を示し
た。
【００３５】図２はこの射出・圧縮工程を示す概念図で
あり、得られた内面層材１０が射出成形用金型の移動側
金型（凸側）３の表面に接するようにセットされ、移動
側金型３を内面層材１０をセットしたまま金型閉方向す
なわち下側に向けて移動させ、固定側金型（凹側）５と
移動側金型３とを閉じる。
あり、得られた内面層材１０が射出成形用金型の移動側
金型（凸側）３の表面に接するようにセットされ、移動
側金型３を内面層材１０をセットしたまま金型閉方向す
なわち下側に向けて移動させ、固定側金型（凹側）５と
移動側金型３とを閉じる。
【００３６】両金型３、５を閉じたのち、予め加熱溶融
された熱可塑性樹脂４をゲート６から内面層材１０の加
飾層１ａ側と固定側金型５とで囲まれた金型内へ射出す
る。この加熱溶融された熱可塑性樹脂４をゲート６から
金型内に射出させる際の圧力は、内面層材１０が破損す
るのを防止することなどから、できるだけ低い圧力で射
出成形することが好ましく、ここでは１００ｋｇ／ｃｍ
２であった。また、メルトフローレートは２０であっ
た。
された熱可塑性樹脂４をゲート６から内面層材１０の加
飾層１ａ側と固定側金型５とで囲まれた金型内へ射出す
る。この加熱溶融された熱可塑性樹脂４をゲート６から
金型内に射出させる際の圧力は、内面層材１０が破損す
るのを防止することなどから、できるだけ低い圧力で射
出成形することが好ましく、ここでは１００ｋｇ／ｃｍ
２であった。また、メルトフローレートは２０であっ
た。
【００３７】そして、金型内の熱可塑性樹脂４を、賦形
された内面層材１０をセットしたままの雄型３をスライ
ドさせて圧縮し、金型内に当該熱可塑性樹脂４を充満さ
せ、かつ内面層材１０の加飾層１ａ側と接触させて一体
とするものである。なお、この加飾層１ａ側に前記した
熱可塑性樹脂シートをラミネートしておけば、より接着
が強固となることは言うまでもない。次に、金型を冷却
し、成形品を冷却して型開きすることにより、表面がア
クリル樹脂シート１で、これを熱可塑性樹脂４で外側を
補強した浴槽が得られた。
された内面層材１０をセットしたままの雄型３をスライ
ドさせて圧縮し、金型内に当該熱可塑性樹脂４を充満さ
せ、かつ内面層材１０の加飾層１ａ側と接触させて一体
とするものである。なお、この加飾層１ａ側に前記した
熱可塑性樹脂シートをラミネートしておけば、より接着
が強固となることは言うまでもない。次に、金型を冷却
し、成形品を冷却して型開きすることにより、表面がア
クリル樹脂シート１で、これを熱可塑性樹脂４で外側を
補強した浴槽が得られた。
【００３８】次に、透明樹脂シートについて言えば、こ
れに保護シートをラミネートすることもよく、例えばＰ
ＥＴ樹脂シート（１００μ）に対し、保護シートとして
ＰＥ樹脂シート（１００μ）をラミネートしたものであ
る。粘着層としてはホットメルト粘着材を用いた。尚、
透明樹脂シートの裏側に更に裏打ちシートをラミネート
してもよく、例えば、透明樹脂シートの裏側にウレタン
接着剤を塗布し、これにＡＢＳ樹脂シート（１００μ）
を裏打ち樹脂シートとして用い、これらを図３に示すよ
うに一対のロールに導き、３者をラミネートし、かかる
ラミネート材２０を前記成形例に従って用いるものであ
る。図中、２０ａは透明樹脂シート、２０ｂは保護シー
ト、２０ｃは保護樹脂シートにコーティングされた粘着
層、２０ｃは保護シート、２０ｄは接着材層、２０ｅは
裏打ち樹脂シート、２０ｆは一対のロールで、ここで示
す例は保護シート２０ｂを最後にラミネート下例である
が、これに限定されないことは当然であり、例えば３者
を同時にラミネートすることも可能である。
れに保護シートをラミネートすることもよく、例えばＰ
ＥＴ樹脂シート（１００μ）に対し、保護シートとして
ＰＥ樹脂シート（１００μ）をラミネートしたものであ
る。粘着層としてはホットメルト粘着材を用いた。尚、
透明樹脂シートの裏側に更に裏打ちシートをラミネート
してもよく、例えば、透明樹脂シートの裏側にウレタン
接着剤を塗布し、これにＡＢＳ樹脂シート（１００μ）
を裏打ち樹脂シートとして用い、これらを図３に示すよ
うに一対のロールに導き、３者をラミネートし、かかる
ラミネート材２０を前記成形例に従って用いるものであ
る。図中、２０ａは透明樹脂シート、２０ｂは保護シー
ト、２０ｃは保護樹脂シートにコーティングされた粘着
層、２０ｃは保護シート、２０ｄは接着材層、２０ｅは
裏打ち樹脂シート、２０ｆは一対のロールで、ここで示
す例は保護シート２０ｂを最後にラミネート下例である
が、これに限定されないことは当然であり、例えば３者
を同時にラミネートすることも可能である。
【００３９】かかる成形時にあって、金型の表面にごみ
等が付着していた場合、通常の（保護シート２０ｂがな
い）場合には直接透明樹脂シート２０ａが接触して傷付
いてしまうが、上記例の場合には透明樹脂シート２０ａ
が接触することなく、これよりも外側に配置した柔らか
い樹脂シート（保護シート２０ｂ）がこれに接触し、こ
れを吸収した状態で成形体が得られるため、鏡面（表
面）に傷のない成形体が得られることとなる。従って、
製造作業をクリーンルーム内で行う必要もなくなるとい
うメリットがある。尚、ごみの許容される大きさは保護
シートの厚みの３０％程度であればこの保護シートに吸
収される。
等が付着していた場合、通常の（保護シート２０ｂがな
い）場合には直接透明樹脂シート２０ａが接触して傷付
いてしまうが、上記例の場合には透明樹脂シート２０ａ
が接触することなく、これよりも外側に配置した柔らか
い樹脂シート（保護シート２０ｂ）がこれに接触し、こ
れを吸収した状態で成形体が得られるため、鏡面（表
面）に傷のない成形体が得られることとなる。従って、
製造作業をクリーンルーム内で行う必要もなくなるとい
うメリットがある。尚、ごみの許容される大きさは保護
シートの厚みの３０％程度であればこの保護シートに吸
収される。
【００４０】
【発明の効果】本発明の合成樹脂製成形体およびその製
法によれば、生産工程での不良の発生も少なく、かつ従
来のようにＦＲＰの吹き付けなどの作業環境をなくし、
しかも煩雑である作業を要しない。また、本発明の合成
樹脂製成形体には外側の補強層として、従来用いられて
いたＦＲＰではなく熱可塑性樹脂が用いられているので
保温性にすぐれ、しかも内面層材側の樹脂と熱可塑性樹
脂との熱膨張係数の差が小さく、かつこの間に接着剤層
が介在するため、耐久性も向上したものである。勿論防
汚性に優れている製品が得られることは言うまでもな
い。
法によれば、生産工程での不良の発生も少なく、かつ従
来のようにＦＲＰの吹き付けなどの作業環境をなくし、
しかも煩雑である作業を要しない。また、本発明の合成
樹脂製成形体には外側の補強層として、従来用いられて
いたＦＲＰではなく熱可塑性樹脂が用いられているので
保温性にすぐれ、しかも内面層材側の樹脂と熱可塑性樹
脂との熱膨張係数の差が小さく、かつこの間に接着剤層
が介在するため、耐久性も向上したものである。勿論防
汚性に優れている製品が得られることは言うまでもな
い。
【図１】図１は本発明における内面層材の製法の一実施
例を示す説明図である。
例を示す説明図である。
【図２】図２は本発明の合成樹脂製成形体の製法の一実
施例を示す説明図である。
施例を示す説明図である。
【図３】図３は本発明のラミネート材の製法の一実施例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
１‥アクリル系樹脂プレート（内面層材）、 １ａ‥加飾層、 ２‥真空成形型（雌型）、 ３‥射出圧縮成形機の雄側金型（移動金型）、 ４‥熱可塑性樹脂、 ５‥射出圧縮成形機の雌側金型（固定金型）、 ６‥射出圧縮成形機のゲート、 １０‥内面層材、 ２０‥ラミネート材、 ２０ａ‥透明樹脂シート（内面層材）、 ２０ｂ‥保護シート、 ２０ｃ‥粘着層、 ２０ｄ‥接着材層、 ２０ｅ‥裏打ち樹脂シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｂ２９Ｋ 105:04 Ｂ２９Ｋ 105:04 Ｆターム(参考） 4F100 AG00B AK01A AK01B AK01D AK04A AK04B AK04C AK04E AK07A AK07B AK07C AK12A AK12B AK12C AK15A AK15C AK16B AK17A AK17D AK25A AK25B AK25C AK27A AK42A AK42B AK52D AK74A AK74B AK74C AK79A AL01A AL05D AT00E BA07 BA15 CA01B DG01B DJ00B EC18D EH23D EH362 EJ172 EJ422 GB07 HB00 HB00A JA06B JB06A JB06D JB15A JK13E JL02 JL06 JL10B JN01A JN01D 4F204 AA04C AA11C AA13C AA15C AA21C AA24C AB12 AB25 AD05 AD09 AD20 AD35 AG03 AH48 AH49 FA01 FB01 FB12 FB13 FB19 FB20 FN11 4F206 AA04C AA11C AA13C AA15C AA21C AA24C AB12 AB25 AD05 AD09 AD20 AD35 AG03 AH48 AH49 JA07 JB12 JB13 JB19 JB20 JF05 JN33
Claims (31)
- 【請求項１】 透明樹脂シートからなる内面層材と、当
該内面層材の一方面側に加熱溶融熱可塑性樹脂を射出
し、かつこれを前記内面層材の一方面側に接触しつつ圧
縮成形した外面層材と、からなることを特徴とする合成
樹脂製成形体。 - 【請求項２】 内面層材が、賦形されたものである請求
項１記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項３】 透明樹脂シートが、アクリル樹脂、ＰＥ
Ｔ樹脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、
ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂から選択されたシートである請求
項１記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項４】 透明樹脂シートの熱可塑性樹脂に接する
面に加飾層を施した請求項１又は４記載の合成樹脂製成
形体。 - 【請求項５】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂が、ア
クリル樹脂、ＰＥＴ樹脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ
樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂から選択された
樹脂である請求項１記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項６】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂のメル
トフローレートが、２以上である請求項１又は５記載の
合成樹脂製成形体。 - 【請求項７】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂が、多
孔構造をなしている請求項１又は５記載の合成樹脂製成
形体。 - 【請求項８】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂が、ガ
ラス繊維にて強化されている請求項１又は５記載の合成
樹脂製成形体。 - 【請求項９】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂が、着
色されている請求項１又は５記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項１０】 透明樹脂シートに施した加飾層と外面
層材を形成する熱可塑性樹脂との間に、アクリル樹脂、
ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹
脂、ＰＳ樹脂から選択された熱可塑性樹脂シートを介在
させた請求項１記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項１１】 透明樹脂シートと外面層材を形成する
熱可塑性樹脂との間に、接着剤層を介在させた請求項１
記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項１２】 透明樹脂シ−トの表面が撥水性を示す
請求項１記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項１３】 撥水性を示す透明樹脂シ−トが表面に
シリコ−ン系化合物が塗布されているかまたはシリコ−
ン系化合物が配合された透明樹脂シ−トがさらにラミネ
−トされているものである請求項１３記載の合成樹脂製
成形体。 - 【請求項１４】 撥水性を示す透明樹脂シ−トが表面に
フッ素系化合物が塗布されているかまたはフッ素系化合
物が配合された透明樹脂シ−トがさらにラミネ−トされ
ているものである請求項１３記載の合成樹脂製成形体。 - 【請求項１５】 透明樹脂をシートにして内面層材を
得、当該内面層材を射出圧縮成形機の金型にセットし、
内面層材の一方面側に加熱溶融した熱可塑性樹脂を射出
し、次いで前記内面層材をセットした状態で射出された
熱可塑性樹脂を圧縮し、前記内面層材と当該熱可塑性樹
脂を接着して外面層材を成形したことを特徴とする合成
樹脂製成形体の製法。 - 【請求項１６】 内面層材が賦形されたものである請求
項１５記載の合成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項１７】 透明樹脂シートに粘着材にて保護フィ
ルムを積層してなる請求項１５記載の合成樹脂製成形体
の製法。 - 【請求項１８】 保護シートが透明樹脂シートよりも柔
らかい樹脂である請求項１７記載の合成樹脂製成形体の
製法。 - 【請求項１９】 保護シートがＰＥ樹脂である請求項１
７記載の合成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項２０】 透明樹脂シートが、アクリル樹脂、Ｐ
ＥＴ樹脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、ＰＥ樹
脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂から選択されたシートである
請求項１５記載の合成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項２１】 透明樹脂シートの熱可塑性樹脂に接す
る面に耐熱インキを用いて加飾層を形成した請求項１５
又は１６記載の合成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項２２】 透明樹脂シートが未架橋または部分架
橋されている請求項１５記載の合成樹脂製成形体の製
法。 - 【請求項２３】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂が、
アクリル樹脂、ＰＥＴ樹脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、Ｐ
Ｐ樹脂、ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂から選択され
た樹脂である請求項１５記載の合成樹脂製成形体の製
法。 - 【請求項２４】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂のメ
ルトフローレートが、２以上である請求項１５又は２３
記載の合成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項２５】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂に発
泡剤が配合されている請求項１５又は２３記載の合成樹
脂製成形体の製法。 - 【請求項２６】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂にガ
ラス繊維が配合されている請求項１５又は２３記載の合
成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項２７】 外面層材を形成する熱可塑性樹脂に着
色剤が配合されている請求項１５又は２３記載の合成樹
脂製成形体の製法。 - 【請求項２８】 透明樹脂シートと熱可塑性樹脂の間に
接着剤層を介在させた請求項１５記載の合成樹脂製成形
体の製法。 - 【請求項２９】 透明樹脂シートと熱可塑性樹脂の間
に、アクリル樹脂、ＡＳ樹脂、ＰＶＣ樹脂、ＰＰ樹脂、
ＰＥ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＰＳ樹脂から選択された熱可塑
性樹脂シートを介在させた請求項１５記載の合成樹脂製
成形体の製法。 - 【請求項３０】 熱可塑性樹脂を射出と圧縮を同時に行
う請求項１５記載の合成樹脂製成形体の製法。 - 【請求項３１】 射出成形機が縦型または横型である請
求項１５記載の合成樹脂成形体の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000181356A JP2001219455A (ja) | 1999-07-05 | 2000-06-16 | 合成樹脂製成形体およびその製法 |
Applications Claiming Priority (7)
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|---|---|---|---|
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| JP22907599 | 1999-08-13 | ||
| JP11-229075 | 1999-11-30 | ||
| JP11-190394 | 1999-11-30 | ||
| JP34008399 | 1999-11-30 | ||
| JP11-340083 | 1999-11-30 | ||
| JP2000181356A JP2001219455A (ja) | 1999-07-05 | 2000-06-16 | 合成樹脂製成形体およびその製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001219455A true JP2001219455A (ja) | 2001-08-14 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000181356A Pending JP2001219455A (ja) | 1999-07-05 | 2000-06-16 | 合成樹脂製成形体およびその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001219455A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002078937A1 (fr) * | 2000-09-22 | 2002-10-10 | Kunio Imai | Dispositif de formage preliminaire, procede de formage preliminaire utilisant ce dispositif et procede de formage principal |
| JP2011194683A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Panasonic Electric Works Co Ltd | アクリル樹脂成型品及び照明カバー |
| KR20180044258A (ko) * | 2015-06-16 | 2018-05-02 | 레오나르트 쿠르츠 스티프퉁 운트 코. 카게 | 플라스틱 성형품을 제조하기 위한 방법, 플라스틱 성형품 및 몰드 |
-
2000
- 2000-06-16 JP JP2000181356A patent/JP2001219455A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002078937A1 (fr) * | 2000-09-22 | 2002-10-10 | Kunio Imai | Dispositif de formage preliminaire, procede de formage preliminaire utilisant ce dispositif et procede de formage principal |
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| JP2018518403A (ja) * | 2015-06-16 | 2018-07-12 | レオンハード クルツ シュティフトゥング ウント コー． カーゲー | プラスチック成形品の製造方法、プラスチック成形品、及び、金型 |
| KR102167036B1 (ko) | 2015-06-16 | 2020-10-19 | 레오나르트 쿠르츠 스티프퉁 운트 코. 카게 | 플라스틱 성형품을 제조하기 위한 방법, 플라스틱 성형품 및 몰드 |
| US11260567B2 (en) | 2015-06-16 | 2022-03-01 | Leonhard Kurz Stiftung & Co. Kg | Method for producing a plastic molded article, plastic molded article and mold |
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