JP4139512B2 - 射出成形同時絵付用転写箔及び絵付け成形品 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形同時絵付法に使用する転写箔として、剥離後の基材シートの後処理も容易で、特にポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物にも密着良く転写できる射出成形同時絵付用転写箔、及び絵付け成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、樹脂成形物の表面を絵付した絵付け成形品が各種用途で使用されている。例えば、特開平6−315950号公報、特公平2−42080号公報等に開示の射出成形同時絵付方法では、樹脂成形物の成形と同時にその表面に射出成形同時絵付用転写箔を用いてその転写層を転写する事で、表面が転写で絵付けされた絵付け成形品が得られる。従来は、この様な射出成形同時絵付方法によって、絵付け成形品を得る場合、一般的に使用する射出成形樹脂は、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、或いはこれらのポリマーブレンド物が主な樹脂であった。
また、例えばポリエチレンやポリプロピレン等と安価なポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物の表面を装飾する場合は、予め絵柄の無い樹脂成形物を射出成形等で作製した後、この樹脂成形物の表面を塗装して装飾したり、或いはプライマー処理等の下地処理を施した後、一般的な絵付け方法である水圧転写法などによって、絵付けして、所望の成形品とする場合がほとんどである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記射出成形同時絵付方法にて射出成形樹脂として列記した、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリーカーボネート樹脂等の汎用樹脂は、加工性は良いが、コストが高いと言う欠点がある。この様な事もあって、安価なポリオレフィン系樹脂の樹脂成形物表面を転写箔で加飾する場合は、上述の如く水圧転写法などによって加飾してきた訳である。しかし水圧転写法では、射出成形同時絵付方法に比較して、加飾するに当たり下地処理等の工程数が増え、結果的にコストアップに繋がる方法であった。
【0004】
一方、転写箔の基材シートとしては、従来、一般的には2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが多かった。しかし、射出成形同時絵付方法は平面も可能だが非平面への絵付けが可能な点が大きな特徴であり、従って、射出成形同時絵付用の転写箔に於いては、真空成形等によって転写箔を伸ばせる成形性が一般に要求される。ところが、上記2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムでは、十分な成形性は得られず、この為、低延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムや、塩化ビニル樹脂フィルムが使用されてきた。
【0005】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、フィルム特性上、成形性に限界が有る上、フィルム自体のコストも高かった。一方、塩化ビニル樹脂フィルムは、成形性はポリエチレンテレフタレートフィルムよりは良いが、廃棄燃焼時に塩化水素ガスを発生する為、最近の環境問題の高まりから、転写後に残った基材シートの後処理問題に難点があった。
【0006】
また、これらの従来の転写箔を用いた射出成形同時絵付方法で、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物を転写で絵付けした絵付け成形品は、基材となるポリオレフィン系樹脂の特性上、表面の耐摩耗性に劣るという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、工程的に効率的な射出成形同時絵付方法による転写の場合でも、剥離後の基材シートの後処理も容易で、特にポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成形物にも密着良く転写でき、更に耐摩耗性も良好となる射出成形同時絵付用転写箔、及び絵付け成形品を提供する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の射出成形同時絵付用転写箔は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材シートに、転写層として、アクリル樹脂を主成分とする剥離層、バインダーの樹脂がアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とする装飾層と、ウレタン樹脂を主成分とするプライマー層と、塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分とし、石油系樹脂、エポキシ樹脂、及び疎水性シリカが添加されている接着剤層がこの順に積層されてなる構成とした。この様に、基材シートにポリオレフィン系樹脂を採用する事で、基材シートの後処理も容易で且つ安価となる上、剥離層、装飾層、プライマー層、接着剤層の各々に特定材料を使用する為に、転写層を特にポリオレフィン系樹脂等に密着良く転写できる。
【0009】
なお、基材シートの剥離層側の面にコロナ放電処理を施せば、濡れ性が悪くて転写層の塗工や印刷等による形成が不安定な基材シートでも、濡れ性を適切にして安定化できる。また、剥離が軽すぎる場合でも、剥離性を調整して適切にできる。
また、基材シートの剥離層側の面の濡れ指数は40dyn/cm以下が好ましい。
【0010】
また、本発明の射出成形同時絵付用転写箔は、上記いずれかの転写箔に於いて更に、剥離層中に、アルミナ粒子が添加されている構成とした。この様にすることで、被転写体がポリオレフィン系樹脂であっても、耐摩耗性が良好な絵付け成形品が得られる。
【0011】
しかも、本発明の射出成形同時絵付用転写箔は、塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分とする接着剤層中に、石油系樹脂、エポキシ樹脂及び疎水性シリカが添加されている構成とした。この様にすることで、接着剤層形成時の塗布ムラやバックトラップ、接着剤層によるブロッキングを防止し、接着剤層の耐熱性を向上させて、膨れを防止し、予備成形時に射出成形同時絵付用転写箔を十分に加熱軟化させ易くなる。
なお、前記石油系樹脂は接着剤層全量に対して2〜15重量%添加されているのが好ましい。また、前記エポキシ樹脂は接着剤層全量に対して0.2〜2重量%添加されているのが好ましい。また、前記疎水性シリカは接着剤層全量に対して0.2〜2重量%添加されているのが好ましい。また、前記疎水性シリカの粒径は0.1〜1μmであるのが好ましい。
また、本発明の絵付け成形品は、上記いずれかの射出成形同時絵付用転写箔を射出同時成形絵付けに用いて得られる、樹脂成形物に該転写箔の転写層が積層されてなる絵付け成形品とした。
また、本発明の絵付け成形品は、上記樹脂成形物の樹脂が、ポリオレフィン系樹脂にエチレン−プロピレン共重合体ゴム又はエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムのゴム成分を添加した樹脂であるとした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の射出成形同時絵付用転写箔の形態例を例示する断面図、図2は、本発明の射出成形同時絵付用転写箔の用途である射出成形同時絵付方法を説明する概念図、図3は本発明の射出成形同時絵付用転写箔で得られる絵付け成形品を例示する断面図である。
【0013】
〔射出成形同時絵付用転写箔〕
本発明の射出成形同時絵付用転写箔は、図1(A)に例示する射出成形同時絵付用転写箔Sの如く、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材シート1に、転写層2として、アクリル樹脂を主成分とする剥離層3と、バインダーの樹脂がアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とする装飾層4と、ウレタン樹脂を主成分とするプライマー層5と、塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分とする接着剤層6がこの順に積層された構成の射出成形同時絵付け用の転写箔である。なお、基材シートは、転写層側面の濡れ性が少ない場合には、該面にコロナ放電処理を施したシートを使用する。また、剥離層中にアルミナ粒子を添加すると、被転写体がポリオレフィン系樹脂でも耐摩耗性が良くなる。また、接着剤層は、石油系樹脂、エポキシ樹脂及び疎水性シリカを添加して、転写箔製造時の塗布ムラ、バックトラップ、ブロッキングを防止し、且つ接着剤層の耐熱性を向上させて射出成形同時絵付けをより安定的に行える様にする事が好ましい。
【0014】
(基材シート)
基材シート1は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂シートである。ポリオレフィン系樹脂を主成分とする事で、射出成形同時絵付用として好ましい成形性と、転写後に不要となる基材シートの廃棄処理も容易となり、環境対応型の転写箔なとる。
【0015】
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度又は高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられる。
【0016】
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば下記の物が使用できる。
【0017】
(1)特公平6−23278号公報記載の、(A) ソフトセグメントとして、数平均分子量Mnが25,000以上、且つ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリプロピレン10〜90重量%と、(B) ハードセグメントとして、メルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタクチックポリプロピレン90〜10重量%、との混合物からなる軟質ポリプロピレン。
【0018】
(2)エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑性エラストマー。ここで、そのブテンとして、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレンの3種の構造異性体のいずれも用いることができる。共重合体としては、ランダム共重合体で、非晶質の部分を一部含む上記エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の好ましい具体例としては次の(i) 〜(iii) が挙げられる。
(i) 特開平9−111055号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン及びブテンの三元共重合体によるランダム共重合体である。単量体成分の重量比はプロピレンが90重量%以上とする。メルトフローレートは、230℃、2.16kgで1〜50g/10分のものが好適である。そして、このような三元ランダム共重合体100重量部に対して、燐酸アリールエステル化合物を主成分とする透明造核剤を0.01〜50重量部、炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜0.3重量部を熔融混練してなるものである。
(ii)特開平5−77371号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体であって、プロピレン成分含有率が50重量%以上の非晶質重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを80〜0重量%添加してなるものである。
(iii) 特開平7−316358号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体であって、プロピレン及び/又は1−ブテンの含有率が50重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に対して、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶質ポリオレフィン80〜0重量%を混合した組成物に対して、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシルアミノ酸エステル等の油ゲル化剤を0.5重量%添加してなるものである。
【0019】
なお、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂は、単独で用いても良いし、上記(i) 〜(iii) に必要に応じ更に他のポリオレフィン系樹脂を混合して用いても良い。
【0020】
(3)上記(1)及び(2)以外のその他のオレフィン系熱可塑性エラストマー。
【0021】
なお、基材シートの厚みは、特に限定されないが、一般的には20〜200μm程度である。
【0022】
また、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シートは、一般的に濡れ性が不足する事が多い。この為、転写層を塗工や印刷で形成する際に、塗工適性や印刷適性が劣ったり、或いは、転写層形成後の転写時に、基材シートと剥離層とを剥離する時に、剥離が軽く剥離性が悪かったりする事がある。この様な場合には、基材シートの剥離層を形成する面に、コロナ放電処理を施して濡れ性を向上させて調整すると良い。コロナ放電処理によって、(基材シートの構成要素として)離型層を新たに設ける必要も無い。なお、濡れ性を向上させて調整する場合は、コロナ放電処理をするにしても、或いは元々の基材シート自体の樹脂を適宜な物に選択するにしても、濡れ性を増大させるのは濡れ指数40dyn/cm以下の範囲とするのが、上記塗工適性、印刷適性や剥離性の点で好ましい結果が得られる。濡れ指数が40dyn/cmを越えると、剥離が重くなり剥離性が低下する。
【0023】
(剥離層)
剥離層3は、基材シート1との剥離性を調整したり、転写後の表面保護や塗装感等を与える層であり、本発明ではアクリル樹脂を主成分として構成する。アクリル樹脂により、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シートとの良好な剥離性と、転写後の良好な透明性も得られる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、或いは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるアクリルポリオール等のアクリル樹脂を、単体又は2種以上の混合使用する。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
【0024】
また、特に耐摩耗性が要求される場合には、剥離層中に、ワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等からなる滑剤、又は/及びアルミナ、シリカ等の減磨剤粒子を添加する。なかでも特に、アルミナ粒子を添加すると好ましい。アルミナ粒子としては、球状α−アルミナ、鱗片状α−アルミナ等が使用できる。アルミナ粒子の粒径は平均粒径2〜3μmの範囲が、転写後の表面を荒らさず透明性も損なわずに耐摩耗性を向上させ得る点で好ましい。アルミナ粒子の添加量は、耐摩耗性の要求度合いよるが、剥離層の樹脂100重量部当たり少なくとも10重量部以上添加すると効果的である。一方、添加量の上限は、透明性の低下や成形性の低下(亀裂発生等)で支障を来さない範囲とすれば良い。また、剥離層は、複層構成としても良い〔図1(B)参照〕。
【0025】
剥離層は公知の印刷法や塗工法で形成する。剥離層の厚さは、用途にもよるが、通常1〜100μm程度である。
【0026】
(装飾層)
装飾層4としては、バインダーの樹脂を特定の樹脂から構成する他は、基本的には特に制限は無い。装飾層は、通常は印刷インキ或いは塗料で、公知の印刷又は塗工法により形成する。バインダーの樹脂は、本発明では、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とする。アクリル樹脂からなる剥離層との密着性を出す為にアクリル樹脂を使用し、更に印刷適性、成形適性を出す為に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を混合する。
上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、或いは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるアクリルポリオール等のアクリル樹脂を、単体又は2種以上の混合使用する。
上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20重量%程度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、必要に応じ、更にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を共重合させたものでも良い。
アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合比は、アクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体=1/9〜9/1(重量比)程度である。
【0027】
この他、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜その他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン等の樹脂を混合しても良い。
また、上記印刷インキ(或いは塗料)に用いる着色剤は公知の染料や顔料で良く、例えば、チタン白、弁柄、黄鉛、群青、カーボンブラック、イソインドリノン、キナクリドン、フタロシアニンブルー等を用いる。
装飾層の絵柄は、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等と任意である。
【0028】
なお、装飾層としては、上記特定樹脂をバインダーの樹脂とするが、銀粉等の導電性粉末をバインダー中に分散させた、導電性層等の機能層でも良い。
【0029】
(プライマー層)
プライマー層5は、少なくとも装飾層4と接着剤層6との間に介在させて、これら両層間の密着性をより向上させる易接着層として設ける。このプライマー層は本発明ではウレタン樹脂を主成分として構成する。アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とする装飾層と、塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分とする接着剤層との密着性向上には、ウレタン樹脂が好ましい。ウレタン樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、或いは熱可塑性ウレタン樹脂等を使用すれば良い。また、プライマー層は、この様な樹脂からなるインキ又は塗液で、公知の印刷法又は塗工法で形成すれば良い。
【0030】
例えば、2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネート、或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体、又は多量体を用いる事もできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。
また、熱可塑性ウレタン樹脂は、2価のポリオールと2価のイソシアネートとをウレタン結合させて得られる線状高分子からなる。
【0031】
なお、プライマー層は、更なる密着性向上が要求される場合には、必要に応じて、剥離層と装飾層との間等の他の層間に設けても良い。この場合は、目的とする層材料に応じて、上記ウレタン樹脂、或いはその他の樹脂を使用する。
【0032】
(接着剤層)
接着剤層6は、塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分として構成する。塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分とする事で、ポリオレフィン系樹脂に対して転写層の良好な密着性が得られる。塩素化ポリオレフィン樹脂としては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を単体又は2種以上混合して使用する。特に、印刷・塗工適性が良く、且つポリオレフィン系樹脂に対する密着性も良い点で、塩素化ポリプロピレンは塩素化ポリエチレンに比較してより優れた特性を示し、好ましい。
【0033】
また、接着剤層中には、更に副成分の樹脂として、石油系樹脂及びエポキシ樹脂を含有させ、更に疎水性シリカを添加剤として含有させる事が好ましい。
【0034】
上記石油系樹脂は、接着剤のタックを調整してグラビア塗工時のバックトラップを防止し、また、接着剤の加熱軟化特性を調整することができる。該石油系樹脂としては、公知の樹脂を使用すれば良い。例えば、クマロン・インデン樹脂、石油樹脂等である。石油樹脂としては、石油類の分解により生成する分解油留分を混合物のまま、カチオン的に重合して得られる熱可塑性樹脂を使用する。石油系樹脂の混合量は副成分樹脂としの範囲で適宜調整する。例えば、接着剤層全量に対して2〜15重量%程度とする。
【0035】
上記エポキシ樹脂は、接着剤の耐熱性を向上させる樹脂成分であり、加熱された時に、塩素化ポリオレフィン樹脂から遊離塩素或いは塩化水素によって、積層した射出成形同時絵付用転写箔が膨れたりするのを防止する安定剤として作用する。その結果、基材シートの成形性を十分に出せる温度にまで、射出成形同時絵付用転写箔を予備成形時に加熱させて軟化させる事が容易となる。なお、上記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油等を使用する。混合量は副成分樹脂としの範囲で適宜調整する。例えば、接着剤層全量に対して0.2〜2%重量程度とする。
【0036】
上記疎水性シリカは、接着剤の塗工適性を調整して塗布ムラ発生を防止するとともに、接着剤層によるブロッキングを防止する。該疎水性シリカとしては、公知の物を使用すれば良い。通常、粒径は0.1〜1μm程度、より好ましくは0.2〜0.3μmである。疎水性シリカの添加量は、適宜調整するが、例えば接着剤層全量に対して、0.2〜2重量%、好ましくは0.4〜1重量%程度とする。
【0037】
なお、接着剤層の厚みは使用法等に応じて適宜厚さとすれば良いが、通常1〜100μm程度である。また、接着剤層の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記樹脂を希釈溶剤で希釈した樹脂液からなるインキ又は塗液として、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。
また、接着剤層中には、更に、インキ(又は塗液)の印刷(又は塗工)適性等の諸物性を調整、向上させる為に、必要に応じて、その他の副材料、例えば、体質顔料、保存安定剤等の各種添加剤を添加しても良い。
【0038】
〔射出成形同時絵付方法〕
ここで、上述した本発明の射出成形同時絵付用転写箔の使用用途である、射出成形同時絵付方法について、一応説明しておく。ここでの射出成形同時絵付方法は、転写形態となり、特開平6−315950号公報、特公平2−42080号公報等に記載されるように、基材シートと転写層とからなる射出成形同時絵付用転写箔を、一対の型の間に配置した後、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を射出し充填して固化させて、樹脂成型物の成形と同時にその表面に前記転写箔を積層し、そして基材シートを剥離して転写層を樹脂成形物に転写して、樹脂成形物を絵付けする方法である。
【0039】
なお、射出成形同時絵付方法としては、従来公知の各種形態をとり得る。例えば、射出成形同時絵付用転写箔の予備成形を行う形態、或いは行わない形態。また、射出成形同時絵付用転写箔の予熱を行う形態、行わない形態。なお、予備成形時には通常は射出成形同時絵付用転写箔は予熱する。特に本発明の射出成形同時絵付用転写箔は、該転写箔を加熱軟化させて予備成形する場合でも、該転写箔を真空成形等で予備成形するに必要十分な温度まで加熱しても、接着剤層として加熱され過ぎて溶融したり、或いは逆に接着剤層をその融着による密着力が適度となる様な温度まで加熱した場合に、該転写箔の加熱軟化が不十分となり該転写箔が破れたりするといった問題が起き難い。従って、本発明の射出成形同時絵付用転写箔が好適な射出成形同時絵付方法の形態は、該転写箔を予め加熱軟化させて真空成形等で予備成形する形態である。また、予備成形は、射出成形型を真空成形型と兼用して行う形態が効率的で好ましい。
【0040】
なお、もちろんの事だが、射出成形同時絵付用転写箔の絞りが大きい場合は、予備成形を行うのが好ましい。一方、射出成形同時絵付用転写箔の絞りが少ない場合は、射出される流動状態の樹脂の樹脂圧で該転写箔を成形しても良い。この際、絞りが浅ければ、予備成形無しで樹脂射出と同時に型内に充填される流動状態の樹脂の樹脂圧で射出成形同時絵付用転写箔を成形しても良い。また、樹脂圧で射出成形同時絵付用転写箔を成形する場合でも、該転写箔は予熱せずに射出樹脂の熱を利用しても良い。また、射出成形同時絵付用転写箔の予備成形は、通常は、射出成形型を真空成形型と兼用して行うが、型間に該転写箔を供給する前に、型外部で別の真空成形型で該転写箔を真空成形する様な予備成形でも良い。なお、本発明に於いて真空成形とは真空圧空成形も包含する。
【0041】
ここで、射出成形同時絵付方法を、例えば、射出成形型を真空成形型と兼用して射出成形同時絵付用転写箔を予備成形する形態に於ける或る一例として、工程毎に分けて述べれば、次の様な工程からなる射出成形同時絵付方法がある。すなわち、雌雄一対からなる型が型開き状態の時に雌型のパーティング面上に射出成形同時絵付用転写箔を供給するシート供給工程と、前記射出成形同時絵付用転写箔を雌型のパーティング面上に保持固定するクランプ工程と、前記射出成形同時絵付用転写箔を延伸させて雌型のキャビティ面に沿わせる延伸工程(予備成形工程)と、雌型と雄型とを型締めする型締め工程と、雌型と雄型とで形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を注入充填し、樹脂成形物と前記射出成形同時絵付用転写箔とを接触させる射出工程と、射出樹脂が固化した後に雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、転写層が樹脂成形物に転写された成形品を取り出す成形品取出し工程、をこの順に行う射出成形同時絵付方法がある。
【0042】
ところで、図2は射出成形同時絵付方法を或る一形態で説明する概念図である。図2に示す形態では、型締めする前に、射出成形同時絵付用転写箔を型間で加熱し軟化させて射出成形型で真空成形により予備成形した後に、型締めして樹脂を射出する形態である。そこで次に、図2を用いて、射出成形同時絵付方法をより具体的に説明する。
【0043】
先ず、図2(A)の如く、射出成形型としては、射出ノズルと連通する湯道(ランナー)及び湯口(ゲート)を有する型Maと、キャビティ面に吸引孔41を有し転写箔の予備成形型を兼用する型Mbの一対の成形型を用いる。これらの型は鉄等の金属、或いはセラミックスからなる。型開き状態に於いて両型Ma、Mb間に射出成形同時絵付用転写箔Sを供給し、型Mbに射出成形同時絵付用転写箔Sを枠状のシートクランプ42で押圧する等して固定する。この際、射出成形同時絵付用転写箔の接着剤層側は、図面右側の射出樹脂側となる様にする事はもちろんである。次いで、適宜、両型間に挿入したヒータ(図示略)で射出成形同時絵付用転写箔を加熱軟化させる。加熱は例えば非接触の輻射加熱とするが、接触による伝導加熱でも良い。そして、吸引孔から吸引して真空成形して、射出成形同時絵付用転写箔を型Mbのキャビティ面に沿わせ予備成形する。なお、真空成形は圧空も併用する真空圧空成形でも良く、これも包含する。次いで、ヒータを両型間から退避させ、図2(B)の如く両型を型締めし、両型で形成さるキャビティに加熱熔融状態等の流動状態の樹脂を充填する。そして、樹脂が冷却等によって固化した後、型開きして成形物を取り出す。この際、基材シートを型Mb側に残した状態で成形物を絵付け成形品として取り出すか、或いは、射出成形同時絵付用転写箔全体が積層された状態で成形物を取り出し後、基材シートを剥離して、転写層のみが積層されて絵付された絵付け成形品を得る。
【0044】
〔射出成形樹脂〕
なお、射出成形同時絵付方法に於いて、射出成形する樹脂としては、基本的には、射出成形同時絵付方法に於ける従来公知のものが使用でき特に制限はない。射出成形樹脂は、製品の要求物性やコスト等に応じて選定される。例えば、熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。また、硬化性樹脂であれば、2液硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の未硬化樹脂液等の射出成形同時絵付用として従来より知られている材料を使用できる。熱可塑性樹脂は加熱熔融して流動状態で射出し、また硬化性樹脂は室温又は適宜加熱して流動状態で射出する。
なかでも、本発明の射出成形同時絵付用転写箔の特徴を活かして最も効果を奏するのは、ポリプロピレン等の上記各種のポリオレフィン系樹脂である。また、これらポリオレフィン系樹脂には、塩素化ポリオレフィンとの接着性向上、成形品の耐衝撃性向上の為に5〜30重量%程度の、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等のゴム成分を添加して用いることが出来る。
なお、前記の各種樹脂は、用途に応じて着色剤添加により着色される事が多い。
【0045】
〔絵付け成形品〕
本発明の射出成形同時絵付用転写箔を射出成形同時絵付に用いて得られる絵付け成形品を、図3の断面図で概念的に示す。すなわち、同図の如く、絵付け成形品Pは、樹脂成形物7に射出成形同時絵付用転写箔から転写された転写層2が積層され絵付けされた成形品である。もちろん、接着剤層が樹脂成形物と接する様に積層されている。樹脂成形物7は、上記の如く、好ましくはポリオレフィン系樹脂である。得られる絵付け成形品は、転写層と樹脂成形物との密着性に優れ、また耐摩耗性も良好な成形品にできる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0047】
〔実施例〕
図1(B)の如き構成の射出成形同時絵付用転写箔Sを次の様にして作製した。転写層側面を濡れ指数が40dyn/cmとなる様にコロナ放電処理を施した厚さ60μmのポリプロピレン系フィルムを基材シート1として、その処理面に対して、転写層2として、アクリル樹脂(ガラス転移温度105℃)からなる厚さ3μmの第一の剥離層3Aを塗工形成し、更に該第一の剥離層3Aの上に、平均粒径2.5μmの球状α−アルミナ粒子が30重量%添加されている厚さ4μmの第二の剥離層3B(アクリル樹脂は第一の剥離層と同じ)を塗工形成した。更に、第二の剥離層3Bの上に、バインダーの樹脂がアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との1対1重量比の混合物で、着色顔料が弁柄、カーボンブラック、黄鉛を主成分とする着色インキの多色刷りで全ベタを含む木目柄の装飾層4をグラビア印刷で形成し、更に続いて、アクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとからなる2液硬化型ウレタン系樹脂からなるプライマーインキで厚さ2μmのプライマー層5をグラビア印刷で形成し、更に続いて、塩素化ポリプロピレン23重量%、石油系樹脂5重量%、エポキシ樹脂1重量%、平均粒径0.25μmの疎水性シリカ0.4重量%、希釈溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンの混合溶剤)70.6重量%からなる接着剤(溶液)を塗工して、厚さ4μmの接着剤層6を形成して、本発明の射出成形同時絵付用転写箔を得た。なおこの際、塗工ムラ、バックトラップやブロッキングの現象は認められなかった。
【0048】
そして、図2の概念図に示した様な射出成形同時絵付方法によって、射出成形樹脂として、エチレン−プロピレン共重合体ゴムを10重量%添加したポリプロピレン樹脂を使用して、上記射出成形同時絵付用転写箔からその転写層を樹脂成形物の表面に転写して、図3に示す如き、転写層2が樹脂成形物7に積層された絵付け成形品Pを得た。この際、基材シートと転写層との剥離性も良好で、絵付け成形品には、インキ流れ(装飾層の柄の崩れ)、転写層の密着不良及び皺が認められず、外観良好であった。そして、絵付け成形品は、木目柄で絵付けされ意匠感に優れた成形品となった。
なお、射出成形同時絵付方法は、射出成形同時絵付用転写箔は射出成形型を真空成形型として、型間に供給後、加熱軟化して真空成形で予備成形する形態によった。また、射出成形同時絵付用転写箔を予備成形時の該転写箔の加熱温度は100℃とした。
【0049】
更に、得られた絵付け成形品について、耐摩耗性試験として、成形品表面をスチールウールで10往復擦ってみたところ、表面の艶変化はあったものの、装飾層が取られる事は無く耐摩耗性は良好であった。
【0050】
【発明の効果】
▲1▼本発明の射出成形同時絵付用転写箔によれば、基材シートがポリオレフィン系樹脂である為に、基材シートの後処理も容易で且つ安価となる上、剥離層、装飾層、プライマー層、接着剤層の各々に特定材料を使用する為に、安価なポリオレフィン系樹脂でも転写層を密着良く転写できる。
▲2▼また、基材シートの剥離層側の面にコロナ放電処理を施せば、濡れ性が悪くて転写層の塗工や印刷等による形成が不安定な基材シートでも、濡れ性を適切にして安定化できる。また、剥離が軽すぎる場合でも、剥離性を調整して適切にできる。
▲3▼また、剥離層中にアルミナ粒子を添加すれば、被転写体がポリオレフィン系樹脂であっても、耐摩耗性が良好な絵付け成形品が得られる。
▲4▼また、接着剤層中に、石油系樹脂、エポキシ樹脂及び疎水性シリカを添加すれば、接着剤層形成時の塗布ムラやバックトラップ、接着剤層によるブロッキングを確実に防止し、且つ接着剤層の耐熱性を向上させて、射出成形同時絵付用転写箔を樹脂成形物に積層時の接着剤層の熱による膨れを防止し、予備成形時に転写箔を十分に加熱軟化させ易くし、加熱不足による密着不良を防止する。従って、射出成形同時絵付用転写箔が絞られる様な射出成形同時絵付けが安定的に行える転写箔となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形同時絵付用転写箔の形態例を例示する断面図。
【図2】射出成形同時絵付方法の一例を説明する概念図。
【図3】得られる絵付け成形品を例示する断面図。
【符号の説明】
1 基材シート
2 転写層
3 剥離層
3A 剥離層
3B 剥離層
4 装飾層
5 プライマー層
6 接着剤層
7 樹脂成形物
41 吸引孔
42 シートクランプ
Ma 射出成形型(雄型)
Mb 射出成形型(雌型)
P 絵付け成形品
S 射出成形同時絵付用転写箔
Claims (10)
- 射出成形同時絵付けに使用する転写箔において、
ポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材シートに、転写層として、アクリル樹脂を主成分とする剥離層、バインダーの樹脂がアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とする装飾層と、ウレタン樹脂を主成分とするプライマー層と、塩素化ポリオレフィン樹脂を主成分とし、石油系樹脂、エポキシ樹脂、及び疎水性シリカが添加されている接着剤層がこの順に積層されてなる、射出成形同時絵付用転写箔。 - 基材シートの剥離層側の面にコロナ放電処理が施されている、請求項1記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 基材シートの剥離層側の面の濡れ指数が、40dyn/cm以下である、請求項1記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 剥離層中に、アルミナ粒子が添加されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 前記石油系樹脂が、接着剤層全量に対して、2〜15重量%添加されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 前記エポキシ樹脂が、接着剤層全量に対して、0.2〜2重量%添加されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 前記疎水性シリカが、接着剤層全量に対して、0.2〜2重量%添加されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 前記疎水性シリカの粒径が、0.1〜1μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形同時絵付用転写箔。
- 請求項1〜8に記載の射出成形同時絵付用転写箔を射出同時成形絵付けに用いて得られる、樹脂成形物に該転写箔の転写層が積層されてなる絵付け成形品。
- 樹脂成形物の樹脂が、ポリオレフィン系樹脂にエチレン−プロピレン共重合体ゴム又はエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムのゴム成分を添加した樹脂である、請求項9記載の絵付け成形品。
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