JP2014065246A - 熱転写システムおよび印画物の製造方法 - Google Patents

熱転写システムおよび印画物の製造方法 Download PDF

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林 良 正 小
Shinji Yonetani
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Abstract

【課題】さばき性が良好な印画物を製造できる熱転写システムの提供、およびさばき性が良好な印画物の製造方法の提供。
【解決手段】本発明による熱転写システムは、基材と、基材の一方の面に少なくとも保護層とを有してなる熱転写保護シートと、基材と、基材の一方の面に少なくとも受容層と、基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなる熱転写受像シートと、該保護層が該受容層上に熱転写された印画物を搬送するローラーを有してなるプリンタとを備えてなり、該保護層および該裏面層の帯電列が、該ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側である。本発明による熱転写システムによれば、さばき性が良好な印画物を製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写システムに関し、より詳細には、熱転写保護シートと、熱転写受像シートと、プリンタとを備えてなる、熱転写システムに関する。また、熱転写システムを用いた、印画物の製造方法にも関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
また、紙送りローラを備えた装置を用いた画像形成では、記録用紙と記録装置内部との接触により、該記録用紙に搬送方向と逆方向にバックテンションがかかるため、搬送ムラが生じることがある。このような搬送ムラは、スリップ、重ね送り、給紙不良等を引き起こし、その結果、記録用紙の紙送り量やインクの付着位置にズレが生じ、画像に乱れが生じてしまう。そこで、搬送性等の性能を向上させるために、例えば、ガラス転移温度が50〜90℃であるスチレンブタジエンゴムと、ポリエチレンワックスと、アニオン系ポリスチレン樹脂とを含有する裏面層を有する熱転写受像シートが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
他にも、受像シートの表面(受容層)の帯電防止性が低く、印画物同士の静電張り付きが生じることで、取扱い性(以下、「さばき性」とする)が悪化するという問題が生じている。そこで、帯電防止性を向上させるために、裏面層中に、特定のコロイダルシリカを含有させることも提案されている(特許文献2〜5を参照)。
特開2009−83298号公報 特開平8−62778号公報 特開2003−63153号公報 特開2004−130753号公報 特開2007−237639号公報 特開2011−104967号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、さばき性が良好な印画物を製造できる熱転写システムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、熱転写保護シートの保護層と、熱転写受像シートの裏面層との帯電列を調整することで、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材シートと、該基材シートの一方の面に少なくとも保護層とを有してなる熱転写保護シートと、
基材と、該基材の一方の面に少なくとも受容層と、該基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなる熱転写受像シートと、
該保護層が該受容層上に熱転写された印画物を搬送するローラーを有してなるプリンタと
を備えてなり、
該保護層および該裏面層の帯電列が、該ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側である、熱転写システムが提供される。
本発明の態様においては、該保護層が、該保護層の総固形分質量に対して80質量%以上のアクリル樹脂を含み、該裏面層が、該裏面層の総固形分質量に対して70〜95質量%のコロイダルシリカを含むことが好ましい。
本発明の態様においては、該ローラーの表面部材が、ポリオキシメチレン樹脂を含むことが好ましい。
本発明の態様においては、該裏面層が、スチレン・アクリル樹脂を含むことが好ましい。
本発明の他の態様によれば、
印画物を搬送するローラーを有してなるプリンタを用いる、印画物の製造方法であって、
基材と、該基材の一方の面に少なくとも保護層とを有してなる熱転写シートを準備する工程と、
基材と、該基材の一方の面に少なくとも受容層と、該基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなる熱転写受像シートを準備する工程と、
該熱転写シートの保護層面と該熱転写受像シートの受容層面とを重ね合わせ、該保護層を該受容層上に熱転写して、印画物を形成する工程と、
該印画物を該ローラーで搬送する工程と
を含んでなり、
該保護層および該裏面層の帯電列が、該ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側である、印画物の製造方法が提供される。
本発明によれば、さばき性が良好な印画物を製造できる熱転写システムを提供することができる。また、さばき性が良好な印画物の製造方法も提供することができる。
本発明による熱転写システムに用いる熱転写受像シートの一実施形態を示した模式断面図である。 本発明による熱転写システムに用いる熱転写保護シートの一実施形態を示した模式断面図である。 本発明による熱転写システムに用いる熱転写保護シートの他の実施形態を示した模式断面図である。
熱転写システム
本発明による熱転写システムは、
基材シートと、該基材シートの一方の面に少なくとも保護層とを有してなる熱転写保護シートと、
基材と、該基材の一方の面に少なくとも受容層と、該基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなる熱転写受像シートと、
該保護層が該受容層上に熱転写された印画物を搬送するローラーを有してなるプリンタと、
を備えてなり、
該保護層および該裏面層の帯電列が、該ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側であるものである。
熱転写システムにおいては、画像印画時またはその後の過程において、熱転写保護シートの保護層を熱転写受像シートの受容層面に熱転写して、印画物を製造する。印画物の排出時には、ある印画物の保護層面と、他の印画物の裏面層面とが接触することになり、両面の張り付きが問題となることがある。そこで、本発明においては、熱転写保護シートの保護層および熱転写受像シートの裏面層をプリンタのローラーの表面部材の帯電列よりもプラス側にすることで、印画物がプリンタから排出された時に、保護層および裏面層が帯電により印画物同士が張り付くのを防止することができる。
ここで、帯電列とは、互いに擦り合わせたときにプラス側に帯電するかマイナス側に帯電するかを示す材料によって決まる序列を言う。例えば、帯電列は、マイナス側:ポリ塩化ビニル、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ゴム、アルミニウム、ポリビニルアルコール、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル樹脂、シリカ:プラス側、順である。ただし、帯電列は、共重合樹脂の場合には樹脂の重合比を変更したり、また添加剤を加えたりすることで、帯電列を調整することができる。
プラス側とは、基準となる物質がポリオキシメチレン樹脂の場合、アクリル樹脂やシリカ等を指し、基準となる物質がゴムの場合、アルミニウム、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、シリカ等を指す。
熱転写受像シート
本発明による熱転写システムに用いられる熱転写受像シートは、基材と、基材の一方の面に少なくとも受容層と、基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層の間に、中空層やプライマー層をさらに有してもよい。以下、熱転写受像シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明の一態様によれば、基材の一方の面に、2層の中空層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有してなり、基材の他方の面に、裏面層を有してなる、熱転写受像シートが用いられる。具体的に、本発明において用いられる熱転写受像シートの一実施形態の模式断面図を図1に示す。図1に示される熱転写受像シート10は、基材11と、該基材11の一方の面に、中空層A(下層)12と、中空層B(上層)13と、プライマー層14と、受容層15とをこの順に有してなり、基材の他方の面に、裏面層16を有してなるものである。以下、本発明の熱転写受像シートを構成する各層について説明する。
基材
本発明における基材は、一方の面に受容層と、他方の面に裏面層とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルション含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、または多孔質フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、セルロース繊維紙とプラスチックフィルム、あるいはプラスチックフィルムと合成紙の組み合わせ等が挙げられる。更にセルロース繊維紙の表裏をポリエチレンやポリプロピレン樹脂で被覆したレジンコート紙(RCペーパー)を使用することができる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、三菱製紙(株)社製の写真用のRCペーパー等が好ましい。なお、基材厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
裏面層
本発明における裏面層は、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有することが好ましい。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂およびコロイダルシリカを含むことが好ましく、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。近年では環境配慮の観点から水系塗布方式が好まれているが、本発明の裏面層は、 水系塗布方式で受容層を形成した受像紙の裏面として特に好適に用いることができる。
裏面層に含有されるコロイダルシリカは、平均粒子径が数100nm以下のケイ素を含む無機酸化物の微粒子からなるコロイドであることが好ましい。コロイダルシリカは、主成分として二酸化ケイ素(その水和物を含む)を含み、少量成分としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。またコロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。これらの無機塩類および有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、およびこれらの混合物のいずれであってもよい。上記有機溶剤は水溶性有機溶剤であっても非水溶性有機溶剤であってもよいが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。具体的には例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等を挙げることができる。水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
コロイダルシリカの製造方法には特に制限はなく、通常用いられる方法で製造することができる。例えば、四塩化ケイ素の熱分解によるアエロジル合成や水ガラスから製造することができる。あるいは、アルコキシドの加水分解といった液相合成法などによっても製造することができる。
本発明におけるコロイダルシリカの平均粒子径は、20〜500nmであり、好ましくは20〜250nmであり、より好ましくは20〜150nmであるものが用いられる。平均粒子径が上記範囲内であることで、形成した裏面層表面にコロイダルシリカが突出しやすくなり、コロイダルシリカの有する耐ブロッキング性、摩擦特性、帯電特性などの優れた効果を発揮することができる。平均粒子径が500nm以下であれば、乾燥塗膜の厚みやコロイダルシリカの配合量にもよるが、コロイダルシリカが塗膜より欠落するのを抑制することができる。また、裏面層は、平均粒子径の異なる少なくとも2種のコロイダルシリカを含むことが好ましい。平均粒子径の異なる少なくとも2種のコロイダルシリカを含むことで、大粒径のコロイダルシリカ同士の間に生じた隙間を適度に埋めることができ、形成した皮膜をより強固にすることができ、耐粉落ち性の点でも好ましい。
本発明において、コロイダルシリカの平均粒子径は、BET法、シアーズ法、遠心沈降法、動的光散乱法やレーザー回折法等の従来公知の方法により測定することができる。例えば、コロイダルシリカの粒子が球状で粒径が10nm以下の場合ではシアーズ法、粒子が球状で粒径が5〜100nmの場合ではBET法、粒子が球状で粒径が70〜500nmの場合では遠心沈降法、粒子が鎖状で粒径が40〜300nmの場合では動的光散乱法で測定することができる。
裏面層中のコロイダルシリカの含有量は、裏面層の総固形分質量に対して、好ましくは50〜95質量であり、より好ましくは50〜75質量%である。コロイダルシリカの含有量が上記範囲内であれば、さばき性をより向上させることができる。
本発明においては、市販のコロイダルシリカを用いることもでき、アデライトAT−50((株)ADEKA製)、スノーテックス50、スノーテックスPS−S、スノーテックスPS−M、スノーテックスUP、スノーテックスCM、スノーテックスZL、スノーテックスMP−2040、スノーテックスMP−1040、スノーテックス20L(以上、日産化学工業(株)製)等が好ましい。
裏面層に含有されるバインダー樹脂は、スチレン・アクリル樹脂を含むことが好ましい。このようなバインダー樹脂を用いることで、さばき性を向上させることができる。本発明においては、市販のバインダー樹脂を用いることもでき、ルシデン375CI、ルシデン606APEF(以上、ローム・アンド・ハース社製)等が好ましい。
裏面層はシリカ粒子をさらに含んでもよく、シリカ粒子としては平均粒子径が1〜10μmのものが好ましい。シリカの平均粒子径は、コールカウンター法等の従来公知の方法により測定することができる。平均粒子径が上記範囲程度であれば、ブロッキング、粉落ちを防ぎ、良好なバックプリント適性を持たせることが可能になる。また、裏面層におけるシリカ粒子の含有量は、裏面層の総固形分質量に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは0.5〜10質量%であり、さらに好ましくは1〜5質量%である。シリカ粒子の含有量が上記範囲程度であれば、摩擦特性を調整でき、耐傷性、バックプリント適性、耐ブロッキング性を向上することができる。
本発明においては、市販のシリカ粒子を用いることもでき、サイシリア380(富士シリシア化学(株)製)、NIPGEL AY−200、NIPGEL CX−400、NIPGEL AZ−6A0、NIPGEL AY−451、およびNIPGEL BY−601(以上、東ソー・シリカ(株)製)等が好ましい。
裏面層は、造膜助剤を含んでもよい。造膜助剤としては、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、メチルセロソルブ、 エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブなどのセロソルブ系、カルビトール系(ジエチレングリコールモノアルキルエーテル)、ソルフィット、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テキサノール、およびN−メチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。バインダー樹脂と造膜助剤とを併用することで、耐ブロッキング性が良好なガラス転移温度が高いバインダー樹脂(例えば70℃以上)を水溶性樹脂あるいはガラス転移温度が低い樹脂と混合せずに使用することができる。また、裏面層中に残存した造膜助剤はバックプリントインキとの相溶化剤としても機能し、バックプリント適性等を向上できる。
裏面層は、帯電防止剤を含んでもよい。帯電防止剤としては、導電性合成層状珪酸塩を用いることが好ましい。導電性合成層状珪酸塩は、ナトリウム、マグネシウム、およびリチウムの塩と珪酸ソーダを適正条件下で反応させた合成物である。層状珪酸塩を裏面層に含有させることで、熱転写受像シートの裏面の帯電性を制御し、さばき性をより向上させることができる。また、層状珪酸塩の含有量は、裏面層の総固形分質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。層状珪酸塩の含有量が上記範囲内であれば、裏面層本来の機能を損なうことがなく好ましい。また、層状珪酸塩の平均粒子径は、30nm以下であることが好ましい。本発明においては、市販の層状珪酸塩を用いることもでき、例えば、ラポナイトJS、ラポナイトS(ウイルバー・エリス(株)製)等が好ましい。
本発明において、裏面層の塗布量は特に限定されるものではないが、塗布量は乾燥後0.1g/m〜3.0g/mの範囲内であることが好ましく、0.3g/m〜1.5g/mの範囲内であることがより好ましい。塗布量が上記範囲程度であれば、十分なバックプリント適性が得られる。
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層は、水系塗布方式により形成されたものであることが好ましく、その構成成分は特に制限されない。好ましい態様によれば、受容層は、バインダー樹脂および離型剤等を、各種目的に応じて含むことができる。また、受容層は2層以上からなるものであってもよい。受容層の形成に用いる樹脂には、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・アクリル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、特に好ましいものは、塩酢ビ系樹脂である。
受容層に含有される離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、これらを混合したり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、変性シリコーンを水分散した離型剤を用いることが特に好ましい。変性シリコーンの水分散型離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、X22−3000T(信越化学工業(株)製)等を水分散して使用することができる。このようなエポキシ変性シリコーンを用いることが、上記のバインダー樹脂との組み合わせの観点から好ましい。
その他の層
本発明による熱転写受像シートは、上記の層以外の他の層をさらに有してもよい。好ましい態様では、熱転写受像シートは、受容層側に、中空層、プライマー層、中間層、および離型層等のその他の層をさらに有することができる。
中空層
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。好ましい態様では、中空層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、中空層は2層以上からなるものであってもよい。中空層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、中空層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、中空層のクッション性の程度についても、例えば、中空層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。中空層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、中空層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。平均粒子径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒子径が大きすぎると、平滑な中空層を形成することが困難になるからである。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラおよびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、二ポールMH−5055(日本ゼオン(株))、SX8782、SX866(JSR(株))等が好ましい。
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、多孔層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の中空層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、上記の中空層やプライマー層等に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、CLV、およびN1236(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
中間層
本発明においては、中空層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
離型層
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、受容層を有する面側においてはスライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、受容層を有する面側において、中空層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成することが好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
熱転写保護シート
本発明による熱転写システムに用いられる熱転写保護シートは、基材シートと、基材シートの一方の面に少なくとも一部に熱転写可能な保護層とを有してなるものである。熱転写保護シートの保護層は、少なくとも2層の積層構造を有してなることが好ましく、剥離層、プライマー層、およびヒートシール層の3層を有してなることがより好ましい。以下、熱転写保護シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明において用いられる熱転写保護シートの一実施形態の模式断面図を図2に示す。図2に示される熱転写保護シート21は、基材シート22の一方の面に、剥離層23、プライマー層24、およびヒートシール層25がこの順に形成されている。図2の構成の場合、保護層26は、剥離層23、プライマー層24、およびヒートシール層25の3層からなる。
基材シート
基材シートは、この分野で広く使用されているものと同じ基材シートを用いることができ、特に制限されるものではない。基材シートの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル;ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、これらの積層体等が挙げられる。前記プラスチックフィルムは、延伸されたものであってもよいし、未延伸であってもよい。基材シートの厚さは、強度、耐熱性等を考慮して適宜選択することができるが、通常1〜100μm程度である。
剥離層
剥離層は、図2の構成の熱転写保護シートの場合、保護層転写後の最表面層となる。剥離層は、バインダー樹脂により構成されるものであり、バインダー樹脂としては、この分野で使用されている公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化型樹脂を広く使用できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂;エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アミノアルキッド樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で又は2種以上混合して使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、アクリル系樹脂が好ましい。剥離層は、剥離層の総固形分質量に対して、80質量%以上のアクリル樹脂を含むことが好ましく、90%以上のアクリル樹脂を含むことがより好ましい。
剥離層は、バインダー樹脂と共にワックスを含んでいてもよい。ワックスが含まれると、剥離層の耐擦過性及び箔切れ性が向上する。ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリエステルワックス、ポリスチレン系パウダー、オレフィン系パウダー、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を挙げることができる。ワックスは、剥離層中に、通常0.1〜30質量%程度、好ましくは0.1〜10質量%程度含有されているのがよい。
本発明では、剥離層中に紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤を配合することにより、転写された後に保護層により覆われる被転写体の画像等の耐光性、耐候性を向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、従来から公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を広く使用できる。また、これらの紫外線吸収剤に例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を導入した紫外線吸収性樹脂を剥離層中に含有させてもよい。
更に、上記剥離層中に、酸化防止剤、蛍光増白剤等の各種添加剤を含有させてもよい。剥離層は、前記の基材シート上に、上記バインダー樹脂にワックス等の必要な添加剤を加え、水、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなるインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の通常のコーティング方法に従い塗布し、乾燥することにより形成される。剥離層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
本発明においては、必要に応じて剥離層3と基材シート2との間に、さらに離型層を設けてもよい。離型層は、基材シートと保護層との剥離性が適当でない場合、基材シートと保護層との接着性を調整し、保護層の剥離を良好に行うために設けられる。
離型層は、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂等の各種樹脂等やこれらの混合物から構成される。
離型層は、上記ワックス類及び上記樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塗布液を、従来公知の塗布方法に従って基材シート上に塗布し、乾燥することで形成することができる。離型層の厚みは、通常0.5〜5.0μm程度である。離型層を備える場合、熱転写性樹脂層は転写により剥離層から剥離され、離型層自体は基材シート側に残るように形成しておくのが望ましい。
プライマー層
プライマー層は、図2の構成の熱転写保護シートの場合、保護層転写後の最表面層に隣接する層となる。このような構成の熱転写保護シートにおいては、プライマー層は、平均一次粒径が10〜100nmの範囲にある微粒子によって形成されることが好ましい。プライマー層は、虹ムラの生じない保護層としての機能に寄与するものである。
微粒子としては無色あるいは白色である限り無機系微粒子、有機系微粒のいずれでもよい。粒子の硬さ、耐熱性の観点から無機微粒子が好ましい。本発明において、無色あるいは白色とは塗膜として設けた際に、透明度を損なわないという意味である。無色あるいは白色でない微粒子を使用すると塗膜が着色し、画像が地肌カブリの様な色帯びるため好ましくない。
無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、等使用可能である。シリカ、アルミナの使用が好ましい。
有機微粒子としては、スチレン微粒子、アクリル微粒子、メラミン樹脂微粒子等で、耐熱温度が80℃以上、好ましくは120℃以上のものを使用するようにする。耐熱温度が80℃より低い有機微粒子を使用すると、印画時の熱と圧力で粒子が変形し、本来の界面の凹凸を維持できなくなるという問題が生じる。粒子の耐熱温度は粒子が熱により破壊あるいは潰れることなく耐え得る最大の温度であり、本発明においては熱応力歪み測定装置(TMA)(セイコー電子工業(株)製)により測定した耐熱温度を表している。ただし、同様の原理、方法により測定できるのであれば、左記装置に限定されることなく、測定可能である。
微粒子は、平均一次粒径が8〜100nm、好ましくは8〜80nm、より好ましくは10〜70nmのものを使用するようにする。その平均一次粒径が小さすぎると、虹ムラ防止効果が見られない。また大きすぎると、保護層の透明性を損なうことになる。本発明において「平均一次粒径」ははBET法で測定される値を用いている。
プライマー層には、その他、レベリング剤、消泡剤などの塗工性改善剤や蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の添加剤を、プライマー層の全質量の0.01〜5質量%程度添加してもよい。
プライマー層は、剥離層上に、微粒子、必要により、その他の添加剤を有機溶剤、水等の溶媒に溶解又は分散せしめてなる塗布液を、ワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により、塗布し、乾燥することにより形成される。プライマー層の厚みは、0.03〜1g/m2程度、好ましくは0.03〜0.5g/m2程度である。プライマー層が厚すぎると透明性を損なう様になり、薄すぎると虹ムラ防止効果が見られなくなる。
微粒子からなるプライマー層は、製造後に観察すると下記ヒートシール層を構成する樹脂中に含有されているように観察され、微粒子層として独立に観察されない。本発明においては便宜上、製造工程において先に形成された層、図2の構成では剥離層上に、微粒子を塗布乾燥して形成される微粒子群をプライマー層と呼んでいる。
ヒートシール層
ヒートシール層は、保護層の画像面への接着の役割を担う。このヒートシール層を構成する樹脂としては、従来より公知である粘着剤、感熱接着剤等が配合されている樹脂をいずれも使用できるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂であるのが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例として、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。ヒートシール層には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させても良い。
ヒートシール層は、プライマー層上に、上記樹脂その他添加剤を有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなる塗布液を、ワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により、塗布し、硬化、乾燥することにより形成される。ヒートシール層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
熱転写保護シートにおける保護層は、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となるように形成するようにする。透過率が95%以上であれば、保護層の下地に印画されている染料の濃度が薄く見えるのを防止できる。本発明において、透過率は分光光度計にて500〜600nmの波長範囲での透過率を用いている。
本発明おいては、ヒートシール層を形成する前にさらに必要に応じて耐久層、紫外線吸収層、微粒子層とは別の層間接着層を設けてもよい。
本発明においては、基材シートの他の面に背面層を形成してもよい。背面層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シート2との熱融着を防止し、走行を滑らかに行う目的で設けられる。この背面層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルトルエン樹脂;クマロンインデン樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリウレタン樹脂;シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂(例えば、ブチラール樹脂、アセタール樹脂等)を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類;高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種界面活性剤;有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は、背面中に5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。
背面層は、基材シート上に、上記樹脂その他添加剤を水、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなるインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の通常のコーティング方法に従い塗布し、乾燥することにより形成される。背面層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
本発明において用いられる熱転写保護シートは、上述の態様に限定されるものではなく、熱転写性の保護層と熱昇華性色材層との複合タイプの熱転写保護インクシート、熱転写性の保護層と熱溶融性色材層との複合タイプの熱転写保護インクシート等、使用目的等に応じて任意に設定することができる。前者の複合タイプの熱転写保護シートの場合は、被転写体として染料の受容層を有していれば、熱転写方式による画像形成と保護層の被転写体への転写とを同時に行うことができる。熱転写保護インクシートの例としては、基材シートの一方の面に、熱転写性保護層と熱昇華性色材層及び熱溶融性色材層からなる群より選ばれた少なくとも1つの色材層が面順次に設けられている熱転写保護シート等を挙げることができる。
本発明において用いられる熱転写保護シートの他の実施形態の模式断面図を図3に示すである。図3に示される熱転写保護シート21は、基材シート22の一方の面に、熱昇華性色材層Y、熱昇華性色材層M、熱昇華性色材層C、熱昇華性色材層B、保護層26が面順次に形成され、基材シート22の他方面に背面層27が形成されている。保護層26は、剥離層23、プライマー層24、およびヒートシール層25の3層からなる。図3における熱昇華性色材層Y、M、C、Bは、熱溶融性色材層Y、M、C、Bであってもよく、また、それらの層が混合されて構成されていてもよい。
熱昇華性色材層は、例えば、バインダー樹脂に主に昇華により熱移行する染料を担持させたものである。染料としては、従来より公知の熱転写シートに使用されている染料をいずれも有効に使用でき、特に限定されるものではない。好ましい染料としては、マゼンタ染料として、例えば、MS Red G、Macrolex Red Violet R、Ceres Red 7B、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられる。イエローの染料としては、例えば、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられる。また、シアン染料としては、例えば、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられる。その他、市販されている昇華型熱転写方式で使用されるリボンに含まれる染料も使用できる。
上記染料を担持するバインダー樹脂としては、従来より公知のものがいずれも使用できる。好ましいバインダー樹脂を例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルプチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中では、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂が耐熱性、染料の移行性等の観点から好ましい。
更に熱昇華性色材層中には、その他必要に応じて従来より公知の各種の添加剤が配合されていてもよい。
上記染料の含有量は、熱昇華性色材層全量を基準にして、通常5〜90質量%程度、好ましくは10〜70質量%程度である。
熱昇華性色材層の形成は、好ましくは適当な溶剤中に前記の昇華性染料、バインダー樹脂及びその他の任意成分を加え、各成分を溶解又は分散させて熱昇華性色材層形成用塗料又はインキを調製し、これを上記の基材シート上に面順次に塗布し、乾燥させることにより行われる。熱昇華性色材層の厚みは、通常0.2〜5μm程度、好ましくは、0.4〜2μm程度である。
熱溶融性色材層は、バインダーに着色剤を担時させたものである。着色剤としては、有機もしくは無機顔料及び染料のうち、記録材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褐色しないものが好ましい。このような着色剤としては、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー等の色相のものが用いられる。
バインダーとしては、例えば、ワックスの主成分として、これに乾性油、樹脂、鉱油、セルロースの誘導体、ゴムの誘導体等を配合した混合物が用いられる。
ワックスとしては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の種々のワックスが用いられる。
また、バインダーとして、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、塩化ゴム、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロース系樹脂等を使用することもできる。
熱溶融性色材層の形成は、上記着色剤、バインダー樹脂及び必要に応じてその他の添加剤を加えた熱溶融性色材層形成用組成物を調製し、これを上記の基材シート上に、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート法等により塗布し、乾燥させることにより行われる。熱溶融性色材層の厚みは、通常0.1〜8μm程度、好ましくは0.4〜2μm程度である。基材シート上に形成される熱溶融色材層は、1層からなっていてもよいし、2層又はそれ以上の多層からなっていてもよい。
本発明では、基材シート及び熱昇華性色材層との間にプライマー層が設けられていてもよい。また本発明では、基材シート及び熱溶融性色材層との間に剥離層が設けられていてもよい。この剥離層は、前記した剥離層と同じものでもよい。
プリンタ
本発明による熱転写システムに用いられるプリンタは、印画物を搬送するローラーを有してなり、ローラーの表面部材が特定の材料により製造されたものである。本発明においては、ローラーの表面部材が、ポリオキシメチレン樹脂を含むものであることが好ましい。ローラーの表面部材にポリオキシメチレン樹脂を用いることで、熱転写保護シートの保護層が特定量のアクリル樹脂を含む場合、保護層の帯電列が、ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側となる。また、ローラーの表面部材にポリオキシメチレン樹脂を用いることで、裏面層が特定量のコロイダルシリカを含む場合、裏面層の帯電列が、ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側となる。本発明においては、ローラーの表面部材と、保護層や裏面層との素材の組み合わせは、これらに限定されるものではない。
プリンタ中の構成は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、特開2006−315237の図3に開示されるような構成とすることができる。
印画物を搬送するローラーは、従来公知の方法(特開2002−087630参照)で製造することができる。例えば、印画物を搬送するローラーは、軸棒および歯車を備える構成とする。軸棒は、金属製芯金および表面部材を有し、金属製芯金の周囲を表面部材で覆う。軸棒の形状としては、例えば直径約10mm〜15mm、長さ約200mm〜300mmの円柱状に形成する。金属製芯金の素材としては、例えばステンレスが使用され、形状としては、例えば直径約8mm、長さ約200mm〜300mmの円柱状に形成されている。金属製芯金の形状は円柱状に限定されることはなく、底面が多角形の角柱状や、若干の歪な形状でもよく、精密な直線性は要求されない。表面部材が金属製芯金を覆う円筒形状部分の肉厚は約2mm〜3mmである。
画像形成方法
本発明による熱転写システムにおける画像形成方法は、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、プリンタの記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、表記の質量部は配合比で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、一方の面に、下記組成の裏面層用塗布液1をグラビアリバース方式にて、乾燥後の塗布量が0.8g/mとなるように塗布し、120℃にて30秒間乾燥した。また、塗布液は各液配合時に凝集物が発生しないように適宜各液を希釈して配合し、総固形分は塗工条件に応じて適宜選定した。
裏面層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm(BET法)、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 290質量部
・純水 406質量部
続いて、他方の面に、下記組成の中空層A用塗布液1、中空層B用塗布液1、プライマー層用塗布液1、および受容層用塗布液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、WET時の厚みがそれぞれ15μm、25μm、15μm、8μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:裏面層/基材/中空層A/中空層B/プライマー層/受容層)を得た。なお、塗布速度は、毎分100mであった。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
中空層A用塗布液1(下層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ローペイクウルトラ:固形分30%) 276質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 27質量部
・純水 600質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13:固形分42%) 32.8質量部
・純水 13.2質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 40.6質量部
・純水 14.6質量部
中空層B用塗布液1(上層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株) 製、商品名:ローペイクウルトラ:固形分30%) 447質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 40質量部
・純水 433質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13:固形分42%) 23.8質量部
・純水 9.5質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 47質量部
・純水 17質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・架橋中空粒子(平均粒子径:0.1μm、平均中空率:30%、JSR(株)製、商品名:SX866、固形分:20%) 658質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 44質量部
・純水 422質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 17.7質量部
・純水 6.4質量部
・バインダー樹脂(変性ゴム、(株)レヂテックス製、商品名 MG−67:固形分51%) 18.6質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
受容層用塗布液1の組成
・塩酢ビ系エマルション(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36% )
411質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名EX−512:固形分100%)
7.6質量部
・純水 11.4質量部
・増粘剤((株)ADEKA製、商品名アデカノールUH−526:固形分30%)
45質量部
・純水 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
塩酢ビ系エマルションの調製
受容層用塗布液1で用いた塩酢ビ系樹脂ラテックスは、以下のように調製した。2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5質量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5質量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2質量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩化ビニル系樹脂ラテックスを得た。
離型剤の水分散体の調製
受容層用塗布液1で用いた離型剤の水分散体は、以下のように調製した。酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解し、溶剤系溶液を調製した。次に、トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解し、水系溶液を調製した。続いて、溶剤系溶液と水系溶液とを混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調整した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
熱転写保護シート1の作製
基材シートとしてPETフィルム(厚さ4.5μm、東レ(株)製)、商品名:XR30)を用い、一方の面に、下記組成の剥離層用塗布液1をワイヤーコーターバー(#3)にて、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布し、110℃にて1分間乾燥した。
剥離層用塗布液1
・バインダー樹脂(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、Mw:25000、三菱レイヨン(株)製、商品名:ダイヤナールBR−87) 20質量部
・トルエン 40質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
次に、剥離層上に、下記組成のプライマー層用塗布液をワイヤーコーターバー(#3)にて、乾燥後の塗布量が0.2g/mとなるように塗布し、110℃にて1分間乾燥した。
プライマー層用塗布液1
・アルミナゾル(アルミナ平均粒径20nm、固形分10質量%、日産化学工業(株)製、商品名:AL200)
・プライマー稀釈溶剤(水/変性エタノール=5/2、変性エタノールとは一定量のメタノールを添加した工業用エタノール)
プライマー層用塗布液1は、固型分が3%になるようにプライマー稀釈溶剤で調製したもの。
続いて、プライマー層上に、下記組成のヒートシール層用塗布液をワイヤーコーターバー(#4)にて、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布し、110℃にて1分間乾燥した。以上により、熱転写保護シート1(層構成:基材シート/剥離層/プライマー層/ヒートシール層)を得た。この熱転写保護シートは、図2に示されるような層構成を有していた。
ヒートシール層用塗布液1
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、Mn:9000、東洋紡績(株)製、商品名:バイロン700) 23.5質量部
・紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン900) 6質量部
・シリカ粒子(平均粒子径3μm、富士シリシア化学(株)製、商品名:サイシリア310P) 0.5質量部
・トルエン 35質量部
・メチルエチルケトン 35質量部
プリンタ1の作製
プリンタは、デジタルフォトプリンタCX(シチズンシステムズ(株)製)を用いた。ただし、ローラーは、特開2002−087630に開示される方法で作製されたものであり、具体的には、ローラーは軸棒および歯車を備え、軸棒は金属製芯金および表面部材を有し、金属製芯金の周囲をポリオキシメチレン樹脂を含む表面部材で覆ったものを用いた。
熱転写システム1の作製
上記で作製した熱転写受像シート1、熱転写保護シート1、およびプリンタ1を組み合わせて、熱転写システム1を作製した。
実施例2
熱転写受像シート2の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム2を作製した。
裏面層用塗布液2の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 696質量部
実施例3
熱転写受像シート3の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム3を作製した。
裏面層用塗布液3の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:40〜50nm(BET法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックス20L:固形分20%) 696質量部
実施例4
熱転写受像シート4の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにし、乾燥後の塗布量を0.5g/mにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート4を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム4を作製した。
裏面層用塗布液4の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46% 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 696質量部
実施例5
熱転写受像シート5の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート5を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム5を作製した。
裏面層用塗布液5の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 232質量部
実施例6
熱転写受像シート6の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート6を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム6を作製した。
裏面層用塗布液6の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 464質量部
実施例7
熱転写受像シート7の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート7を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム7を作製した。
裏面層用塗布液7の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 1392質量部
実施例8
熱転写受像シート8の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート8を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム8を作製した。
裏面層用塗布液8の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、造膜助剤(n−ブチルセロソルブ)含有、東洋紡績(株)製、商品名:バイロナールMD1500:固形分30%) 100質量部
・純水 50質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 450質量部
実施例9
熱転写受像シート9の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート9を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム9を作製した。
裏面層用塗布液9の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm(BET法)、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 145質量部
・純水 203質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 348質量部
実施例10
熱転写受像シート10の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート10を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム10を作製した。
裏面層用塗布液10の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm(BET法)、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50) 145質量部
・純水 203質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:80〜120nm(動的光散乱法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスPS−S:固形分20%) 348質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 12質量部
・帯電防止剤(導電性合成層状珪酸塩、ウイルバー・エリス(株)製、商品名:ラポナイトJS) 12質量部
実施例11
熱転写受像シート11の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート11を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム11を作製した。
裏面層用塗布液11の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:450nm(遠心分離法)、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスMP−4540M:固形分40%) 348質量部
・純水 348質量部
実施例12
熱転写保護シート2の作製
剥離層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写保護シート2を作製した。なお、熱転写受像シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム12を作製した。
剥離層用塗布液2
・バインダー樹脂(メタクリル酸メチルとベンゾトリアゾール(反応性紫外線吸収剤)共重合体(メタクリル酸メチル比率=80%)、固形分(42質量%)新中村化学工業(株)製、商品名:バナレジンUVA−73A) 18質量部
・紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン928) 0.5質量部
・光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン770)
0.5質量部
・酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガノックス1076) 0.5質量部
・トルエン 40質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
実施例13
熱転写受像シート2と、熱転写保護シート2と、プリンタ1とを用いて、熱転写システム13を作製した。
実施例14
熱転写受像シート3と、熱転写保護シート2と、プリンタ1とを用いて、熱転写システム14を作製した。
実施例15
熱転写受像シート4と、熱転写保護シート2と、プリンタ1とを用いて、熱転写システム15を作製した。
比較例1
熱転写受像シート12の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート12を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム16を作製した。
裏面層用塗布液12の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・アルミナ(平均粒子径1μm(レーザー回折法)、住友化学工業(株)製、商品名:AM−27) 35質量部
・純水 140質量部
比較例2
熱転写受像シート13の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート13を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム17を作製した。
裏面層用塗布液13の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 35質量部
・純水 140質量部
比較例3
熱転写受像シート14作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート14を作製した。なお、熱転写保護シートとプリンタは、実施例1と同様のものを用いて、熱転写システム18を作製した。
裏面層用塗布液14の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
熱転写システムの評価
上記で作製した、熱転写受像シートと熱転写保護シートとプリンタとを備えた熱転写システム(表1の組み合わせ)1〜18について、さばき性評価を行った。
さばき性評価
上記で作製した、熱転写受像シートと熱転写保護シートとプリントとを備えた熱転写システム(表1の組み合わせ)1〜18によって、自然画を100枚印画し、印画物の揃えやすさ(さばき性)を評価した。
評価基準
○:容易に揃えることができ、さばき性が良好であった。
△:揃えることができ、さばき性が通常であった。
×:揃えることができず、さばき性が不良であった。
上記の各評価の結果を表1に示す。本発明による熱転写システムを用いることで、さばき性が良好な印画物を製造できることがわかる。
Figure 2014065246
10 熱転写受像シート
11 基材
12 中空層A(下層)
13 中空層B(上層)
14 プライマー層
15 受容層
16 裏面層
21 熱転写保護シート
22 基材シート
23 剥離層
24 プライマー層
25 ヒートシール層
26 保護層
27 背面層

Claims (5)

  1. 基材シートと、前記基材シートの一方の面に少なくとも保護層とを有してなる熱転写保護シートと、
    基材と、前記基材の一方の面に少なくとも受容層と、前記基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなる熱転写受像シートと、
    前記保護層が前記受容層上に熱転写された印画物を搬送するローラーを有してなるプリンタと
    を備えてなり、
    前記保護層および前記裏面層の帯電列が、前記ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側である、熱転写システム。
  2. 前記保護層が、前記保護層の総固形分質量に対して80質量%以上のアクリル樹脂を含み、前記裏面層が、前記裏面層の総固形分質量に対して50〜95質量%のコロイダルシリカを含む、請求項1に記載の熱転写システム。
  3. 前記ローラーの表面部材が、ポリオキシメチレン樹脂を含む、請求項1または2に記載の熱転写システム。
  4. 前記裏面層が、スチレン・アクリル樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写システム。
  5. 印画物を搬送するローラーを有してなるプリンタを用いる、印画物の製造方法であって、
    基材シートと、前記基材シートの一方の面に少なくとも保護層とを有してなる熱転写シートを準備する工程と、
    基材と、前記基材の一方の面に少なくとも受容層と、前記基材の他方の面に少なくとも裏面層とを有してなる熱転写受像シートを準備する工程と、
    前記熱転写シートの保護層面と前記熱転写受像シートの受容層面とを重ね合わせ、前記保護層を前記受容層上に熱転写して、印画物を形成する工程と、
    前記印画物を前記ローラーで搬送する工程と
    を含んでなり、
    前記保護層および前記裏面層の帯電列が、前記ローラーの表面部材の帯電列を基準としてプラス側である、印画物の製造方法。
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