JP5737626B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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Description
基材と、
該基材の一方の面に、受容層と、
該基材の該受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層と
を有してなり、
該バインダー樹脂は、ガラス転移温度が70℃以上のエマルションを含み、
該コロイダルシリカの平均粒子径が、20〜500nmであり、
該摩擦調整剤が、シリカ粒子を含む、熱転写受像シートが提供される。
本発明の熱転写受像シートは、基材と、基材の一方の面に、受容層と、基材の該受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層とを有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層の間に、中空層やプライマー層をさらに有してもよい。以下、本発明の熱転写受像シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明における基材は、一方の面に受容層と、他方の面に裏面層とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
本発明における裏面層は、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有するものでもある。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含むものであり、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。近年では環境配慮の観点から水系塗布方式が好まれているが、本発明の裏面層は、 水系塗布方式で受容層を形成した受像紙の裏面として特に好適に用いることができる。
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層は、水系塗布方式により形成されたものであることが好ましく、その構成成分は特に制限されない。好ましい態様によれば、受容層は、バインダー樹脂および離型剤等を、各種目的に応じて含むことができる。また、受容層は2層以上からなるものであってもよい。受容層の形成に用いる樹脂には、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・アクリル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、特に好ましいものは、塩酢ビ系樹脂である。
本発明の熱転写受像シートは、上記の層以外の他の層をさらに有してもよい。好ましい態様では、熱転写受像シートは、受容層側に、中空層、プライマー層、中間層、および離型層等のその他の層をさらに有することができる。
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。好ましい態様では、中空層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、中空層は2層以上からなるものであってもよい。中空層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、中空層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、中空層のクッション性の程度についても、例えば、中空層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。中空層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、中空層の密度は、例えば0.1g/cm3〜0.8g/cm3の範囲内、なかでも0.2g/cm3〜0.7g/cm3の範囲内であることが好ましい。
本発明におけるプライマー層は、中空層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の中空層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明においては、中空層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、受容層を有する面側においてはスライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、受容層を有する面側において、中空層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成することが好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、離型層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、一方の面に、下記組成の裏面層用塗布液1をグラビアリバース方式にて、乾燥後の塗布量が0.8g/m2となるように塗布し、50℃にて2分間乾燥した。また、塗布液は各液配合時に凝集物が発生しないように適宜各液を希釈して配合し、総固形分は塗工条件に応じて適宜選定した。
裏面層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm(BET法)、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 290質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 5.6質量部
・純水 562質量部
中空層A用塗布液1(下層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株) 製、商品名:ローペイクウルトラ、固形分:30%) 276質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236K) 27質量部
・純水 600質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13、固形分:42%) 32.8質量部
・純水 13.2質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 40.6質量部
・純水 14.6質量部
中空層B用塗布液1(上層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ローペイクウルトラ:固形分30%) 447質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236K) 40質量部
・純水 433質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13:固形分42%) 23.8質量部
・純水 9.5質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 47質量部
・純水 17質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・架橋中空粒子(平均粒子径:0.1μm、平均中空率:30%、JSR(株)製、商品名:SX866、固形分:20%) 658質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236K) 44質量部
・純水 422質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 17.7質量部
・純水 6.4質量部
・バインダー樹脂(変性ゴム、(株)レヂテックス製、商品名 MG−67:固形分51%) 18.6質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
受容層用塗布液1の組成
・塩酢ビ系樹脂ラテックス(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名EX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水 11.4質量部
・増粘剤((株)ADEKA製、商品名アデカノールUH−526:固形分30%)
45質量部
・純水 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
受容層用塗布液1で用いた塩酢ビ系樹脂ラテックスは、以下のように調製した。2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5質量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5質量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2質量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系樹脂ラテックスを得た。
受容層用塗布液1で用いた離型剤の水分散体は、以下のように調製した。酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解し、溶剤系溶液を調製した。次に、トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解し、水系溶液を調製した。続いて、溶剤系溶液と水系溶液とを混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調整した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
熱転写受像シート2の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。
裏面層用塗布液2の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、造膜助剤(n−ブチルセロソルブ)含有、Tg=77℃(DSC法)、東洋紡績(株)製、商品名:バイロナールMD1500:固形分30%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 188質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 3.6質量部
・純水 344質量部
熱転写受像シート3の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
裏面層用塗布液3の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、造膜助剤(t−ブチルセロソルブ)含有、Tg=110℃(DSC法)、互応化学工業(株)製、商品名:プラスコートZ690:固形分25%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 256質量部
熱転写受像シート4の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート4を作製した。
裏面層用塗布液4の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、Tg=110℃(DSC法)、互応化学工業(株)製、商品名:プラスコートZ687:固形分25%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 3質量部
・純水 256質量部
熱転写受像シート5の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート5を作製した。
裏面層用塗布液5の組成
・バインダー樹脂(ポリウレタン樹脂、エマルション、造膜助剤(N−メチル−2−ピロリドン)含有、Tg=101℃(動的粘弾測定法)、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス130:固形分30%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 188質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3.6質量部
・純水 344質量部
熱転写受像シート6の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート6を作製した。
裏面層用塗布液6の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、Tg=110℃(DSC法)、互応化学工業(株)製、商品名:プラスコートZ687:固形分25%) 90質量部
・バインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂、水溶性、Tg=80℃、積水化学工業(株)製、商品名:エスレックKW−1:固形分20%) 12.5質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 254質量部
熱転写受像シート7の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート7を作製した。
裏面層用塗布液7の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%)
42.6質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%)10.9質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 303質量部
熱転写受像シート8の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート8を作製した。
裏面層用塗布液8の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%)
10.6質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI固形分46%) 43.4質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 302質量部
熱転写受像シート9の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート9を作製した。
裏面層用塗布液9の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 53質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI固形分46%) 54質量部
・アルミナ(平均粒子径:1μm(レーザー回折法)、住友化学工業(株)製、商品名:AM−27) 37.5質量部
・純水 293質量部
熱転写受像シート10の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート10を作製した。
裏面層用塗布液10の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 53質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 54質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 37.5質量部
・純水 293質量部
熱転写受像シート11の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート11を作製した。
裏面層用塗布液11の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 53質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 54質量部
・シリカ粒子(平均粒子径9.0μm、富士シリシア化学(株)製、商品名:サイシリア380) 37.5質量部
・純水 293質量部
熱転写受像シート12作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート12を作製した。
裏面層用塗布液12の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%)106質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 109質量部
・純水 285質量部
上記で作製した熱転写受像シート1〜12について、(1)さばき性評価、(2)耐傷性評価、(3)バックプリント適性評価、および(4)耐ブロッキング性評価、および(5)摩擦適性評価を行った。
上記で作製した熱転写受像シートを使用して、昇華転写型プリントシステム「Print Center((株)DNPフォトルシオ製)」にて自然画を100枚印画し、印画物の揃えやすさを評価した
・評価基準
○:容易に揃えることができ、さばき性が良好であった。
△:揃えることができ、さばき性が通常であった。
×:揃えることができず、さばき性が不良であった。
上記で作製した熱転写受像シートについて、同じ実施例および比較例で作製した熱転写受像シート同士を用いて、熱転写受像シートの裏面側と、もう一方の熱転写受像シートの受容層側とを対向させて擦り合わせ、受容層側の面に傷が付くか否かを目視にて観察した。下記の評価基準にて、耐傷性を評価した。
・評価基準
○:受容層面に傷が付かなかった。
△:受容層面にわずかな傷が付いた。
×:受容層面に多くの傷が付いた。
上記で作製した熱転写受像シートの裏面層を、インパクトドットプリンターiDP3550(シチズン・システムズ(株)製)と専用リボンカセット(黒色)を用いて、テスト印字を行い、所定の時間経過後に、裏面層に対して別途昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)とMEGAPIXELIII純正リボンでCyベタ(階調値38/255)を印画した受容層面を重ね、それらを125μmPETフィルムで挟み、ラミネーター(ラミパッカーLPD3204 フジプラ(株)製、Coldモード、スピード2.5)で処理し、受容層への転写の有無を確認し、以下の3段階の基準に従って評価した。下記結果を表1に示す。なお、評価が○のものは、実用上問題がないレベルのインクの吸収性、速乾性を有するものである。
・評価基準
○:受容層への裏移りが生じていなかった。
△:受容層への裏移りがわずかに生じた。
×:受容層への裏移りが明らかに生じていた。
上記で作製した熱転写受像シートについて、同じ実施例および比較例で作製した熱転写受像シート同士を用いて、熱転写受像シートの裏面側と、もう一方の熱転写受像シートの受容層側とを対向させて、重ね合わせたものを、厚さ150μmの合成紙(ユポコーポレーション(株)製、ユポFPG#150)にて挟持した状態で、20kg/105mm×148mmの荷重をかけて、60℃のオーブンに150時間放置後、重ね合わせていた受容層面と裏面を剥がして、印画ムラが発生するかどうかを目視にて観察し、下記の評価基準にて、耐ブロッキング性を評価した。但し、上記の荷重後、印画ムラは、三菱電機(株)製熱転写プリンターCP9500Dにより、熱転写プリンターCP9500D専用熱転写シートと組み合わせて、テストパターンを印画して、評価した。
・評価基準
○:印画ムラが生じず、ブロッキングが生じていなかった。
△:印画ムラがわずかに生じ、ブロッキングがわずかに生じていた。
×:印画ムラが生じ、ブロッキングが生じていた。
上記で作製した熱転写受像シート裏面層に対して、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:DS40のペーパーフランジとの摩擦係数を、新東科学社製:ヘイドンを使用して測定した(引張速度:500mm/min、荷重:1kg)。
・評価基準
○:摩擦係数が0.25以上
△:摩擦係数が0.2〜0.25
×:摩擦係数が0.2以下
11 基材
12 中空層A(下層)
13 中空層B(上層)
14 プライマー層
15 受容層
16 裏面層
Claims (6)
- 基材と、
前記基材の一方の面に、受容層と、
前記基材の前記受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層と
を有してなり、
前記バインダー樹脂は、ガラス転移温度が70℃以上のエマルションを含み、
前記コロイダルシリカの平均粒子径が、20〜500nmであり、
前記摩擦調整剤が、シリカ粒子を含む、熱転写受像シート。 - 前記コロイダルシリカの含有量が、前記バインダー樹脂の総固形分質量に対して、100〜600質量%である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記摩擦調整剤の含有量が、前記裏面層の総固形分質量に対して、20質量%以下である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 前記エマルションが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル・スチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記摩擦調整剤がシリカ粒子であり、該シリカ粒子の平均粒子径が、1〜10μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記裏面層が、水系塗布方式により形成されたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
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