JP5737626B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写受像シートに関し、より詳細には、基材と、基材の一方の面に、受容層と、基材の受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層とを有してなる、熱転写受像シートに関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
また、紙送りローラを備えた装置を用いた画像形成では、記録用紙と記録装置内部との接触により、該記録用紙に搬送方向と逆方向にバックテンションがかかるため、搬送ムラが生じることがある。このような搬送ムラは、スリップ、重ね送り、給紙不良等を引き起こし、その結果、記録用紙の紙送り量やインクの付着位置にズレが生じ、画像に乱れが生じてしまう。そこで、搬送性等の性能を向上させるために、例えば、ガラス転移温度が50〜90℃であるスチレンブタジエンゴムと、ポリエチレンワックスと、アニオン系ポリスチレン樹脂とを含有する裏面層を有する熱転写受像シートが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
他にも、受像シートの帯電防止性が低く、印画物同士の静電張り付きが生じることで、取扱い性(以下、「さばき性」とする)が悪化するという問題が生じている。そこで、帯電防止性を向上させるために、裏面層中に、特定のコロイダルシリカを含有させることも提案されている(特許文献2〜5を参照)。
特開2009−83298号公報 特開平8−62778号公報 特開2003−63153号公報 特開2004−130753号公報 特開2007−237639号公報 特開2011−104967号公報
本発明者らは、上記の背景技術を検討した結果、バックプリント適性や耐ブロッキング性を向上させるために、裏面層に特定のバインダー樹脂とシリカ粒子を含有させる方法であっても(例えば、特許文献6を参照)、熱転写受像シートの裏面側と、受容層側とが擦れた時に受像面を傷付けてしまうという課題を知見した。
本発明は上記の背景技術および新たに知見した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、さばき性、耐傷性、バックプリント適性、耐ブロッキング性、および摩擦適性等の各種性能を向上させた熱転写受像シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の層構成を有する熱転写受像シートにおいて、裏面層に、特定のバインダー樹脂、特定のコロイダルシリカ、および特定の摩擦調整剤を含有させることで、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、
該基材の一方の面に、受容層と、
該基材の該受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層と
を有してなり、
該バインダー樹脂は、ガラス転移温度が70℃以上のエマルションを含み、
該コロイダルシリカの平均粒子径が、20〜500nmであり、
該摩擦調整剤が、シリカ粒子を含む、熱転写受像シートが提供される。
本発明の態様においては、該コロイダルシリカの含有量が、該バインダー樹脂の総固形分質量に対して、100〜600質量%であることが好ましい。
本発明の態様においては、該摩擦調整剤の含有量が、該裏面層の総固形分質量に対して、20質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、該エマルションが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル・スチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むものであることが好ましい。
本発明の態様においては、該シリカ粒子の平均粒子径が、1〜10μmであることが好ましい。
本発明の態様においては、該裏面層が、水系塗布方式により形成されたものであることが好ましい。
本発明の熱転写受像シートによれば、さばき性、耐傷性、バックプリント適性、耐ブロッキング性、および摩擦適性等の各種性能を向上させることができる。
本発明による熱転写受像シートの一実施形態を示した模式断面図である。
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、基材の一方の面に、受容層と、基材の該受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層とを有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層の間に、中空層やプライマー層をさらに有してもよい。以下、本発明の熱転写受像シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明の一態様によれば、基材の一方の面上に、2層の中空層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有してなり、基材の受容層と反対側の面上に、裏面層を有してなる、熱転写受像シートが提供される。具体的に、本発明による熱転写受像シートの一実施形態の模式断面図を図1に示す。図1に示される熱転写受像シート10は、基材11と、該基材11の一方の面に、中空層A(下層)12と、中空層B(上層)13と、プライマー層14と、受容層15とをこの順に有してなり、基材の受容層と反対側の面上に、裏面層16を有してなるものである。以下、本発明の熱転写受像シートを構成する各層について説明する。
基材
本発明における基材は、一方の面に受容層と、他方の面に裏面層とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルション含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、または多孔質フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース繊維紙とプラスチックフィルム或いはプラスチックフィルムと合成紙の組み合わせ等が挙げられる。更にセルロース繊維紙の表裏をポリエチレンやポリプロピレン樹脂で被覆したレジンコート紙(RCペーパー)を使用することができる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、三菱製紙(株)社製の写真用のRCペーパー等が好ましい。なお、基材厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
裏面層
本発明における裏面層は、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有するものでもある。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含むものであり、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。近年では環境配慮の観点から水系塗布方式が好まれているが、本発明の裏面層は、 水系塗布方式で受容層を形成した受像紙の裏面として特に好適に用いることができる。
裏面層に含有されるコロイダルシリカは、平均粒子径が数100nm以下のケイ素を含む無機酸化物の微粒子からなるコロイドである。コロイダルシリカは、主成分として二酸化ケイ素(その水和物を含む)を含み、少量成分としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。またコロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。これらの無機塩類および有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、およびこれらの混合物のいずれであってもよい。前記有機溶剤は水溶性有機溶剤であっても非水溶性有機溶剤であってもよいが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。具体的には例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等を挙げることができる。水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
コロイダルシリカの製造方法には特に制限はなく、通常用いられる方法で製造することができる。例えば、四塩化ケイ素の熱分解によるアエロジル合成や水ガラスから製造することができる。あるいは、アルコキシドの加水分解といった液相合成法などによっても製造することができる。
本発明におけるコロイダルシリカの平均粒子径は、20〜500nmであり、好ましくは20〜250nmであり、より好ましくは20〜150nmであるものが用いられる。平均粒子径が上記範囲内であることで、形成した裏面層表面にコロイダルシリカが突出しやすくなり、コロイダルシリカの有する耐ブロッキング性、摩擦特性、帯電特性などの優れた効果を発揮することができる。平均粒子径が500nm以下であれば、乾燥塗膜の厚みやコロイダルシリカの配合量にもよるが、コロイダルシリカが塗膜より欠落するのを抑制することができる。また、裏面層は、平均粒子径の異なる少なくとも2種のコロイダルシリカを含むことが好ましい。平均粒子径の異なる少なくとも2種のコロイダルシリカを含むことで、大粒径のコロイダルシリカ同士の間に生じた隙間を適度に埋めることができ、形成した塗膜をより強固にすることができ、耐粉落ち性の点でも好ましい。
本発明において、コロイダルシリカの平均粒子径は、BET法、シアーズ法、遠心沈降法、動的光散乱法やレーザー回折法等の従来公知の方法により測定することができる。例えば、コロイダルシリカの粒子が球状で粒径が10nm以下の場合ではシアーズ法、粒子が球状で粒径が5〜100nmの場合ではBET法、粒子が球状で粒径が70〜500nmの場合では遠心沈降法、粒子が鎖状で粒径が40〜300nmの場合では動的光散乱法で測定することができる。
裏面層中のコロイダルシリカの含有量は、バインダー樹脂の総固形分質量に対して、好ましくは100〜600質量%であり、より好ましくは150〜500質量%であり、さらに好ましくは200〜300である。コロイダルシリカの含有量が100質量%以上であれば、摩擦特性、耐傷性、バックプリント適性、および耐ブロッキング性を十分に確保することができる。また、600質量%以下であれば、耐粉落ち性を満足することができる。
本発明においては、市販のコロイダルシリカを用いることもでき、アデライトAT−50((株)ADEKA製)、スノーテックス50、スノーテックスPS−S、スノーテックスPS−M、スノーテックスUP、スノーテックスCM、スノーテックスZL、スノーテックスMP−2040、スノーテックスMP−1040、スノーテックス20L(以上、日産化学工業(株)製)等が好ましい。
裏面層に含有されるバインダー樹脂は、ガラス転移温度が70℃以上のエマルションを含むものである。ガラス転移温度が70℃以上のエマルションを用いることで、乾燥塗膜が完全に皮膜化せずエマルション粒子の群生状態となっており、バックプリントインキを吸収しやすくなるとともに、シリカ粒子のように硬くないため、受容層を傷つけることはない。またTgを70℃以上とすることで耐ブロッキング性も損なわない。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC法)や動的粘弾性測定法(DMA法)等の従来公知の方法により測定することができる。
ガラス転移温度が70℃以上のエマルションは、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル・スチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。このようなバインダー樹脂を用いることで、基材への接着性が良好であり、かつ、良好なバックプリント適性を持たせることが可能になる。更に、さばき性(帯電特性)的にも好ましく、特に、受容層が塩ビ系樹脂である場合が好ましい。本発明においては、市販のバインダー樹脂を用いることもでき、ルシデン375CI(ローム・アンド・ハース(株)製)、バイロナールMD1500(東洋紡績(株)製)、プラスコートZ687、プラスコートZ690(以上、互応化学工業(株)製)、スーパーフレックス130(第一工業製薬(株)製)等が好ましい。
本発明において、裏面層用塗布液は、バインダー樹脂と造膜助剤とを含むインキとして調製されるものである。造膜助剤は、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、メチルセロソルブ、 エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブなどのセロソルブ系、カルビトール系(ジエチレングリコールモノアルキルエーテル)、ソルフィット、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テキサノール、およびN−メチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。バインダー樹脂と造膜助剤とを併用することで、耐ブロッキング性が良好なガラス転移温度が高いバインダー樹脂(例えば70℃以上)を水溶性樹脂あるいはガラス転移温度が低い樹脂と混合せずに使用することができる。また、裏面層中に残存した造膜助剤はバックプリントインキとの相溶化剤としても機能し、バックプリント適性等を向上できる。
裏面層に含有される摩擦調整剤は、シリカ粒子を含むものである。シリカ粒子としては、平均粒子径が1〜10μmのものが好ましい。シリカの平均粒子径は、コールカウンター法等の従来公知の方法により測定することができる。平均粒子径が上記範囲程度であれば、ブロッキング、粉落ちを防ぎ、良好なバックプリント適性を持たせることが可能になる。また、裏面層における摩擦調整剤の含有量は、バインダー樹脂の総固形分質量に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは0.5〜20質量%以下であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%であり、最も好ましくは1〜5質量%である。摩擦調整剤の含有量が上記範囲程度であれば、受容層の傷つき性を抑えることができ、適度に裏面層の摩擦係数を調整することができる。また、バックプリント適性、耐ブロッキングを向上することができる。
本発明においては、市販のシリカ粒子を用いることもでき、サイシリア380(富士シリシア化学(株)製)、NIPGEL AY−200、NIPGEL CX−400、NIPGEL CX−200、NIPGEL AZ−6A0、NIPGEL AY−451、およびNIPGEL BY−601(以上、東ソー・シリカ(株)製)等が好ましい。
本発明において、裏面層の塗布量は特に限定されるものではないが、塗布量は乾燥後0.2g/m〜3.0g/mの範囲内であることが好ましく、0.5g/m〜1.5g/mの範囲内であることがより好ましい。塗布量が上記範囲程度であれば、十分なバックプリント適性が得られる。
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層は、水系塗布方式により形成されたものであることが好ましく、その構成成分は特に制限されない。好ましい態様によれば、受容層は、バインダー樹脂および離型剤等を、各種目的に応じて含むことができる。また、受容層は2層以上からなるものであってもよい。受容層の形成に用いる樹脂には、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・アクリル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、特に好ましいものは、塩酢ビ系樹脂である。
受容層に含有される離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、これらを混合したり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、変性シリコーンを水分散した離型剤を用いることが特に好ましい。変性シリコーンの水分散型離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、X22−3000T(信越化学工業(株)製)等を水分散して使用することができる。このようなエポキシ変性シリコーンを用いることが、上記のバインダー樹脂との組み合わせの観点から好ましい。
その他の層
本発明の熱転写受像シートは、上記の層以外の他の層をさらに有してもよい。好ましい態様では、熱転写受像シートは、受容層側に、中空層、プライマー層、中間層、および離型層等のその他の層をさらに有することができる。
中空層
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。好ましい態様では、中空層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、中空層は2層以上からなるものであってもよい。中空層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、中空層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、中空層のクッション性の程度についても、例えば、中空層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。中空層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、中空層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。平均粒子径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒子径が大きすぎると、平滑な中空層を形成することが困難になるからである。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラおよびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、二ポールMH−5055(日本ゼオン(株))、SX8782、SX866(JSR(株))等が好ましい。
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、中空層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の中空層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、上記の中空層やプライマー層等に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、CLV、およびG1236(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
中間層
本発明においては、中空層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
離型層
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、受容層を有する面側においてはスライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、受容層を有する面側において、中空層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成することが好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
本発明においては、裏面層を水系塗布により形成する際に、裏面層のバインダー樹脂のガラス転移温度よりも低い紙面温度で乾燥することが好ましい。これにより裏面層バインダーのエマルション粒子が完全には造膜せず、粒状状態となり、バックプリント適性が向上する。
熱転写インクシート
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
基材シート
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、およびグラフト化処理等の、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。
さらに、上記基材シートの接着処理として、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。接着層は、例えば、以下の有機材料および無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびその変性体等のビニル系樹脂、ならびにポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
また、上記の表面処理として、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる(プライマー処理)。
熱転写性色材層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。例えば、赤色染料としては、MS Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶剤に溶解させ、あるいは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗布液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2〜5.0μm程度であり、また、熱転写性色材層中の昇華性染料の含有量は、5〜90質量%、好ましくは5〜70質量%であることが好ましい。
保護層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、離型層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
耐熱滑性層
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、一般に、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤および添加剤を溶剤中に加えて、各成分を溶解または分散させて耐熱滑性層塗布液を調製した後、該耐熱滑性層塗布液を基材の上に塗工し、乾燥させて形成することができる。上記耐熱滑性層塗布液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
耐熱滑性層塗布液の塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。耐熱滑性層塗布液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1〜3g/m、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、表記の質量部は各材料の配合比率を表す。
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、一方の面に、下記組成の裏面層用塗布液1をグラビアリバース方式にて、乾燥後の塗布量が0.8g/mとなるように塗布し、50℃にて2分間乾燥した。また、塗布液は各液配合時に凝集物が発生しないように適宜各液を希釈して配合し、総固形分は塗工条件に応じて適宜選定した。
裏面層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm(BET法)、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 290質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 5.6質量部
・純水 562質量部
続いて、他方の面に、下記組成の中空層A用塗布液1、中空層B用塗布液1、プライマー層用塗布液1、および受容層用塗布液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、WET時の厚みがそれぞれ15μm、25μm、15μm、8μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:裏面層/基材/中空層A/中空層B/プライマー層/受容層)を得た。なお、塗布速度は、毎分100mであった。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
中空層A用塗布液1(下層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株) 製、商品名:ローペイクウルトラ、固形分:30%) 276質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236K) 27質量部
・純水 600質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13、固形分:42%) 32.8質量部
・純水 13.2質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 40.6質量部
・純水 14.6質量部
中空層B用塗布液1(上層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ローペイクウルトラ:固形分30%) 447質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236K) 40質量部
・純水 433質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13:固形分42%) 23.8質量部
・純水 9.5質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 47質量部
・純水 17質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・架橋中空粒子(平均粒子径:0.1μm、平均中空率:30%、JSR(株)製、商品名:SX866、固形分:20%) 658質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236K) 44質量部
・純水 422質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 17.7質量部
・純水 6.4質量部
・バインダー樹脂(変性ゴム、(株)レヂテックス製、商品名 MG−67:固形分51%) 18.6質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
受容層用塗布液1の組成
・塩酢ビ系樹脂ラテックス(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名EX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水 11.4質量部
・増粘剤((株)ADEKA製、商品名アデカノールUH−526:固形分30%)
45質量部
・純水 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
塩酢ビ系エマルションの調製
受容層用塗布液1で用いた塩酢ビ系樹脂ラテックスは、以下のように調製した。2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5質量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5質量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2質量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系樹脂ラテックスを得た。
離型剤の水分散体の調製
受容層用塗布液1で用いた離型剤の水分散体は、以下のように調製した。酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解し、溶剤系溶液を調製した。次に、トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解し、水系溶液を調製した。続いて、溶剤系溶液と水系溶液とを混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調整した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
実施例2
熱転写受像シート2の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。
裏面層用塗布液2の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、造膜助剤(n−ブチルセロソルブ)含有、Tg=77℃(DSC法)、東洋紡績(株)製、商品名:バイロナールMD1500:固形分30%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 188質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 3.6質量部
・純水 344質量部
実施例3
熱転写受像シート3の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
裏面層用塗布液3の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、造膜助剤(t−ブチルセロソルブ)含有、Tg=110℃(DSC法)、互応化学工業(株)製、商品名:プラスコートZ690:固形分25%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 256質量部
実施例4
熱転写受像シート4の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート4を作製した。
裏面層用塗布液4の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、Tg=110℃(DSC法)、互応化学工業(株)製、商品名:プラスコートZ687:固形分25%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGELCX−400) 3質量部
・純水 256質量部
実施例5
熱転写受像シート5の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート5を作製した。
裏面層用塗布液5の組成
・バインダー樹脂(ポリウレタン樹脂、エマルション、造膜助剤(N−メチル−2−ピロリドン)含有、Tg=101℃(動的粘弾測定法)、第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス130:固形分30%) 100質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 188質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3.6質量部
・純水 344質量部
実施例6
熱転写受像シート6の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート6を作製した。
裏面層用塗布液6の組成
・バインダー樹脂(ポリエステル樹脂、エマルション、Tg=110℃(DSC法)、互応化学工業(株)製、商品名:プラスコートZ687:固形分25%) 90質量部
・バインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂、水溶性、Tg=80℃、積水化学工業(株)製、商品名:エスレックKW−1:固形分20%) 12.5質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 254質量部
実施例7
熱転写受像シート7の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート7を作製した。
裏面層用塗布液7の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%)
42.6質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%)10.9質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 303質量部
実施例8
熱転写受像シート8の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート8を作製した。
裏面層用塗布液8の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%)
10.6質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI固形分46%) 43.4質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50) 156質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 3質量部
・純水 302質量部
比較例1
熱転写受像シート9の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート9を作製した。
裏面層用塗布液9の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 53質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI固形分46%) 54質量部
・アルミナ(平均粒子径:1μm(レーザー回折法)、住友化学工業(株)製、商品名:AM−27) 37.5質量部
・純水 293質量部
比較例2
熱転写受像シート10の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート10を作製した。
裏面層用塗布液10の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 53質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 54質量部
・シリカ粒子(平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製、商品名:NIPGEL CX−400) 37.5質量部
・純水 293質量部
比較例3
熱転写受像シート11の作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート11を作製した。
裏面層用塗布液11の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 53質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 54質量部
・シリカ粒子(平均粒子径9.0μm、富士シリシア化学(株)製、商品名:サイシリア380) 37.5質量部
・純水 293質量部
比較例4
熱転写受像シート12作製
裏面層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート12を作製した。
裏面層用塗布液12の組成
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=11℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%)106質量部
・バインダー樹脂(アクリル・スチレン樹脂、エマルション、Tg=100℃、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 109質量部
・純水 285質量部
熱転写受像シートの評価
上記で作製した熱転写受像シート1〜12について、(1)さばき性評価、(2)耐傷性評価、(3)バックプリント適性評価、および(4)耐ブロッキング性評価、および(5)摩擦適性評価を行った。
(1)さばき性評価
上記で作製した熱転写受像シートを使用して、昇華転写型プリントシステム「Print Center((株)DNPフォトルシオ製)」にて自然画を100枚印画し、印画物の揃えやすさを評価した
評価基準
○:容易に揃えることができ、さばき性が良好であった。
△:揃えることができ、さばき性が通常であった。
×:揃えることができず、さばき性が不良であった。
(2)耐傷性評価
上記で作製した熱転写受像シートについて、同じ実施例および比較例で作製した熱転写受像シート同士を用いて、熱転写受像シートの裏面側と、もう一方の熱転写受像シートの受容層側とを対向させて擦り合わせ、受容層側の面に傷が付くか否かを目視にて観察した。下記の評価基準にて、耐傷性を評価した。
評価基準
○:受容層面に傷が付かなかった。
△:受容層面にわずかな傷が付いた。
×:受容層面に多くの傷が付いた。
(3)バックプリント適性評価
上記で作製した熱転写受像シートの裏面層を、インパクトドットプリンターiDP3550(シチズン・システムズ(株)製)と専用リボンカセット(黒色)を用いて、テスト印字を行い、所定の時間経過後に、裏面層に対して別途昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)とMEGAPIXELIII純正リボンでCyベタ(階調値38/255)を印画した受容層面を重ね、それらを125μmPETフィルムで挟み、ラミネーター(ラミパッカーLPD3204 フジプラ(株)製、Coldモード、スピード2.5)で処理し、受容層への転写の有無を確認し、以下の3段階の基準に従って評価した。下記結果を表1に示す。なお、評価が○のものは、実用上問題がないレベルのインクの吸収性、速乾性を有するものである。
評価基準
○:受容層への裏移りが生じていなかった。
△:受容層への裏移りがわずかに生じた。
×:受容層への裏移りが明らかに生じていた。
(4)耐ブロッキング性評価
上記で作製した熱転写受像シートについて、同じ実施例および比較例で作製した熱転写受像シート同士を用いて、熱転写受像シートの裏面側と、もう一方の熱転写受像シートの受容層側とを対向させて、重ね合わせたものを、厚さ150μmの合成紙(ユポコーポレーション(株)製、ユポFPG#150)にて挟持した状態で、20kg/105mm×148mmの荷重をかけて、60℃のオーブンに150時間放置後、重ね合わせていた受容層面と裏面を剥がして、印画ムラが発生するかどうかを目視にて観察し、下記の評価基準にて、耐ブロッキング性を評価した。但し、上記の荷重後、印画ムラは、三菱電機(株)製熱転写プリンターCP9500Dにより、熱転写プリンターCP9500D専用熱転写シートと組み合わせて、テストパターンを印画して、評価した。
評価基準
○:印画ムラが生じず、ブロッキングが生じていなかった。
△:印画ムラがわずかに生じ、ブロッキングがわずかに生じていた。
×:印画ムラが生じ、ブロッキングが生じていた。
(5)摩擦適性評価
上記で作製した熱転写受像シート裏面層に対して、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:DS40のペーパーフランジとの摩擦係数を、新東科学社製:ヘイドンを使用して測定した(引張速度:500mm/min、荷重:1kg)。
評価基準
○:摩擦係数が0.25以上
△:摩擦係数が0.2〜0.25
×:摩擦係数が0.2以下
上記の各評価の結果を表1に示す。本発明の組成を満たす実施例1〜8の熱転写受像シートは、比較例1〜4の熱転写受像シートと比較して、さばき性、耐傷性、バックプリント適性、耐ブロッキング性、および摩擦適性に優れていることがわかる。
Figure 0005737626
10 熱転写受像シート
11 基材
12 中空層A(下層)
13 中空層B(上層)
14 プライマー層
15 受容層
16 裏面層

Claims (6)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面に、受容層と、
    前記基材の前記受容層と反対側の面に、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、および摩擦調整剤を含む裏面層と
    を有してなり、
    前記バインダー樹脂は、ガラス転移温度が70℃以上のエマルションを含み、
    前記コロイダルシリカの平均粒子径が、20〜500nmであり、
    前記摩擦調整剤が、シリカ粒子を含む、熱転写受像シート。
  2. 前記コロイダルシリカの含有量が、前記バインダー樹脂の総固形分質量に対して、100〜600質量%である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記摩擦調整剤の含有量が、前記裏面層の総固形分質量に対して、20質量%以下である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記エマルションが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル・スチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記摩擦調整剤がシリカ粒子であり、該シリカ粒子の平均粒子径が、1〜10μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  6. 前記裏面層が、水系塗布方式により形成されたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
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