JPH0862778A

JPH0862778A - 写真印画紙用支持体

Info

Publication number: JPH0862778A
Application number: JP19666294A
Authority: JP
Inventors: Tomihiro Yamashita; 富弘山下; Takao Ayukawa; 孝雄鮎川
Original assignee: New Oji Paper Co Ltd
Current assignee: New Oji Paper Co Ltd
Priority date: 1994-08-22
Filing date: 1994-08-22
Publication date: 1996-03-08

Abstract

(57)【要約】【目的】写真印画紙用支持体の裏面における摩擦係
数、帯電防止性、テープ接着性、タイプライター印字
性、熱転写印字性およびタール汚れ防止性の向上。【構成】写真印画紙用支持体の裏面ポリオレフィン樹
脂層上のバックコート層が、少なくともコロイダルシリ
カとスチレン−ブタジエン系共重合体と導電剤とを含有
し、該コロイダルシリカは、粒子径が１０〜２０ｍμ、
かつ粒子表面が未処理である無水硅酸のコロイド溶液で
あり、かつ該コロイド溶液のｐＨが９．０〜１０．５で
あり、かつ前記バックコート層中のコロイダルシリカの
配合率が３０〜６０重量％、かつ導電剤の配合率が５〜
１３重量％であり、前記バックコート層の乾燥重量が
０．１〜０．４ｇ／ｍ²である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は写真印画紙用支持体に関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
良好な裏面同士の摩擦係数、優れた帯電防止性、接着テ
ープに対して優れたテープ接着性、および優れたタイプ
ライター印字性および熱転写印字性、さらには現像劣化
物（以下、タールという）による汚染（以下、タール汚
れという）に対する優れた防止性を有するバックコート
層を具備している写真印画紙用支持体に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、写真印画紙用支持体としては、強
サイズ性と、高強度とを付与した紙の表面に、硫酸バリ
ウムのような白色顔料を塗布して製造したいわゆるバラ
イタ紙が用いられていた。

【０００３】近年、バライタ紙に代わる写真印画紙用支
持体として、紙基体の両面にポリオレフィン樹脂からな
る樹脂被覆層（以下、樹脂被覆層という）が設けられた
耐水性支持体が用いられるようになってきた。この耐水
性支持体は、その樹脂被覆層が疎水性かつ防水性である
ため、得られる写真印画紙用支持体は、現像処理中に処
理液が支持体に浸透しにくく、このため印画紙の現像時
における水洗および乾燥時間を短縮し、フェロタイプを
不要とし、薬品消費量を節減し、支持体自体の伸縮が抑
制され、その寸法安定性が向上し、かつ剛度および諸強
度を高レベルに保持し、さらに薬品浸透による汚れを少
なくするなどの利点を有している。

【０００４】しかし最近のカラー印画紙現像所では、現
像処理の高速化に伴い、前記のような耐水性支持体を使
用した写真印画紙を用いると、現像時、裏面同士の接触
により、裏面同士の摩擦係数が高いと印画紙のジャムが
発生することがある。また前記のような耐水性支持体を
使用した印画紙を用いると、静電気によるトラブルがし
ばしば発生するようになった。すなわちこのトラブル
は、印画紙の表裏面が、その取扱い中に静電気を帯び、
ゴミ、ホコリなどを吸着し、それが現像時における撥
水、減感、カブリなどによる各種スポットを発生する原
因となったり、また蓄積された静電気が放電される際に
写真乳剤面にスタチィックマークというカブリを生ずる
などの問題点を包含するものである。

【０００５】そこでこのような問題を解決するために、
特公昭５７−５３９４０号公報や特開昭５９−１１４５
３６号公報には、前記のような耐水性支持体には写真乳
剤を塗布すべき面の反対面に微細な顔料と各種導電剤と
を接着剤を用いて微量塗布するバックコート層を設ける
ことによって前記の静電気による障害を防止する試みが
なされている。しかしこの場合、バックコート層の塗布
量によっては、写真印画紙用支持体の裏面同士の摩擦係
数が高くなったり、また導電剤の添加量や種類、顔料の
種類や接着剤の種類によっては、得られる写真印画紙と
それを連結するため用いられる接着テープとの接着性が
不良となる場合がある。特に複数枚の写真印画紙を接着
テープでつないでから現像処理する場合、接着テープの
端部から進入した現像液などの薬液の影響を受け、接着
テープが写真印画紙から剥離しやすい状態となり、現像
処理中に写真印画紙相互の連結が切れてしまうという問
題を生じている。

【０００６】また近年のカラー写真印画紙では、ロール
状に巻かれたハロゲン化銀写真材料の自動断裁機による
断裁に対し、画面と画面の境界を明示する目的で、或い
はその画面に関する情報を記載する目的で、写真印画紙
用支持体裏面の前記バックコート層上にタイプライター
により印字することがある。

【０００７】さらに最近になって裏面に種々の情報を高
速かつ静粛に印字するために、ノンインパクト操作によ
るインキリボンを使用した熱転写印字方式が使用される
ようになった。この印字方式においては、印字した後の
現像処理によって脱落、消失しないことが望まれてい
る。

【０００８】一方、近年のハロゲン化銀カラー写真材料
の現像処理システムは、処理液を連続補充し、または連
続的に再生使用する方式が採用されており、そのため、
現像液、漂白定着液などの処理液中に、現像主薬、現像
促進剤、およびハロゲン化銀カラー写真材料中から処理
液への溶出する有機化合物などの酸化生成物および酸化
重合生成物等のタールが蓄積され、このタールが写真印
画紙用支持体の裏面に付着し、タール汚れの問題を生じ
ている。

【０００９】上述のように、裏面同士の摩擦係数、帯電
防止性、テープ接着性、タイプライターおよび熱転写印
字による印字性、さらにタール汚れ防止性のすべてにお
いて満足のできるバックコート層は完成されていない。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、写真印画紙
用支持体において、良好な裏面同士の摩擦係数、優れた
帯電防止性、優れたテープ接着性、タイプライターおよ
び熱転写印字による優れた印字性、さらにタール汚れ防
止性を有するバックコート層を具備した写真印画紙用支
持体を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の写真印画紙用支
持体は、シート状材料からなる基体と、この基体の表面
および裏面上に形成され、かつポリオレフィン樹脂から
なる耐水被覆層と、前記裏面耐水被覆層上に形成された
バックコート層を有し、該バックコート層が、コロイダ
ルシリカとスチレン−ブタジエン系共重合体と導電剤と
を少なくとも含有し、該コロイダルシリカは、粒子径が
１０〜２０ｍμ、かつ粒子表面が未処理である無水硅酸
を主成分としたコロイド溶液であり、かつ該コロイド溶
液のｐＨが９．０〜１０．５であり、かつ前記バックコ
ート層中のコロイダルシリカの配合率が３０〜６０重量
％、かつ導電剤の配合率が５〜１３重量％であり、前記
バックコート層の乾燥重量が０．１〜０．４ｇ／ｍ²で
あることを特徴とするものである。

【００１２】本発明の支持体に用いられるシート状基体
を形成する材料は、一般に写真印画紙用支持体に用いら
れる紙基体から選ぶことができ、例えば天然パルプ紙、
合成パルプ紙、天然パルプと合成パルプの混抄紙並びに
各種の抄き合わせ紙をあげることができる。この紙基体
中には一般に製紙で用いられるサイズ剤、定着剤、紙力
増強剤、填料、帯電防止剤、染料等の添加剤が配合され
ていてもよいし、また表面サイズ剤、表面紙力剤、帯電
防止剤等を適宜表面に塗布したものであってもよい。

【００１３】紙基体の種類、および厚さに関しては特に
制限はないが、紙基体を製造した後、これにカレンダー
などにより表面平滑性を改善したものを用いることが好
ましく、また紙基体の坪量は５０〜３００ｇ／ｍ²であ
ることが好ましい。

【００１４】本発明の写真印画紙用支持体において、紙
基体の両面を被覆するために用いられるポリオレフィン
樹脂としては、エチレン、α−オレフィン類、例えばプ
ロピレンなどの単独重合体、前記オレフィンの２種以上
の共重合体、およびこれら各種重合体の２種以上の混合
物などから選ぶことができる。特に好ましいポリオレフ
ィン樹脂は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、もしくはこれらの混合物である。ポリオレフィン樹
脂の分子量には特に制限はないが、通常は２０，０００
〜２００，０００の範囲のものが用いられる。各被覆層
は、一般に、１０〜５０ｇ／ｍ²、好ましくは２０〜４
０ｇ／ｍ²の塗布量で紙基体上に形成される。

【００１５】本発明の写真印画紙用支持体において、紙
基体の被覆層に用いられるポリオレフィン樹脂には、１
０〜２０重量％の、例えば二酸化チタンのような、白色
顔料が含有されることが好ましい。さらに必要に応じて
被覆層中に有色顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、分散剤
などの各種添加剤を添加することもできる。

【００１６】また一般に裏面側被覆層のポリオレフィン
樹脂としては、一般に低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、または低密度ポリエチレンと高密度ポリエチ
レンとの混合物が用いられる。またポリオレフィン樹脂
被覆層に自然紙の外観を付与するため、溶融押し出し時
にマット加工を施すことが普通に行われている。

【００１７】本発明の支持体の裏面側のポリオレフィン
樹脂被覆層の表面にバックコート層が形成される。この
ときの被覆表面のバックコート層に対する接着性を向上
させるために、ポリオレフィン樹脂被覆層面にコロナ放
電処理、低温プラズマ処理または火炎処理など活性化処
理を施すことが望ましい。

【００１８】本発明において、裏面側（写真乳剤層を設
ける側とは反対側）のポリオレフィン樹脂被覆層の表面
にスチレン−ブタジエン系共重合体を含むバックコート
層が形成される。このとき樹脂被覆層表面のバックコー
ト層に対する接着性を改善するために、樹脂被覆層表面
にコロナ放電処理、または低温プラズマ処理を施しても
良い。

【００１９】本発明に用いるコロイダルシリカとして
は、粒子径が１０〜２０ｍμで粒子表面が未処理である
無水硅酸のコロイド溶液であり、該コロイド溶液のｐＨ
が９．０〜１０．５であることが好ましい。コロイドを
安定化させるために粒子表面をＡｌ処理したもの、ある
いは無水硅酸のコロイド溶液ｐＨが９．０未満である
と、タール汚れ防止性が劣る。

【００２０】本発明において使用されるスチレン−ブタ
ジエン系共重合体は、スチレンの重合比率が５０〜７０
モル％であるものが好ましく、またスチレンおよびブタ
ジエン成分の他に、追加成分として１０％モル以下のエ
チレン性不飽和酸、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マ
レイン酸、およびプテントリカルボン酸、並びに３５モ
ル％以下のエチレン性不飽和酸エステル、例えばアクリ
ル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、およびエチレン性不飽和ニトリル化合物、例えばア
クリロニトリル、およびメタクリルニトリルなどから選
ばれた少なくとも１種が含有されてもよい。

【００２１】本発明に用いる導電剤としては、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩、カルボン酸基およ
び／またスルホン酸基を有する水溶性高分子化合物、も
しくはその（水溶性）塩などを用いることができる。

【００２２】上記カルボン酸基を有する高分子化合物お
よびその塩としては、エチレン性不飽和コモノマーとア
クリル酸および無水マレイン酸から選ばれた少なくとも
１種とのコポリマーもしくはその塩などがある。

【００２３】また、上記スルホン酸基を有する高分子化
合物としては、ビニル芳香族スルホン酸もしくはその塩
の重合体および共重合体が特に有用であり、その具体例
としてはポリスチレンスルホン酸、およびポリビニルベ
ンジルスルホン酸並びにその水溶性塩の重合体および共
重合体などがある。

【００２４】上記高分子化合物の水溶性塩としては、ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが用いら
れる。

【００２５】本発明のバックコート層は、写真用印画紙
の裏面同士の摩擦係数、帯電防止性、接着テープに対す
る接着性、タイプライターおよび熱転写印字性、および
タール汚れ防止性を改善するために有効であるが、この
効果は、バックコート層の塗布量、コロイダルシリカの
配合率および導電剤の配合率によって変わる。すなわ
ち、本発明において、バックコート層の乾燥重量は０．
１〜０．４ｇ／ｍ²が良く、０．１ｇ／ｍ²未満では表面
電気抵抗が高くなり、また、０．４ｇ／ｍ²以上では裏
面同士の摩擦係数が高くなるので、実用上問題となる。
また、バックコート層のコロイダルシリカの配合率は３
０〜６０重量％が良く、３０重量％以下では表面電気抵
抗が高くなり、６０重量％以上になると熱転写印字性が
悪くなる。また導電剤の配合率は、５〜１３重量％が良
く、５重量％以下では表面電気抵抗が高くなり、１３重
量％より多くなるとテープ接着性が悪くなる。

【００２６】本発明のバックコート層には、自然紙性
（ペーパーライクな外観、触感等）および筆記性を与え
るための顔料（クレー、炭酸カルシウム、シリカ、アモ
ルファスシリカ、アモルファスアルミニウムシリケー
ト、アモルファスカルシウムシリケートなど）を配合し
ていてもよい。このような顔料の含有量は、バックコー
ト層重量に対して５〜４０％であることが好ましい。本
発明のバックコート層の熱転写印字性を向上するため
に、平均粒子径が０．２〜２．０μの範囲の微粉ケイ酸
顔料を配合してもよい。

【００２７】また本発明のバックコート層の塗布液の塗
工性を向上させるために塗布液中に少量の界面活性剤、
濡れ剤、またゼラチン、デンプン、酸化デンプン、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
のような増粘剤等を加えてもよい。

【００２８】本発明の支持体の製造にあたり、その裏面
にバックコート層を形成する際に、所望組成の塗布液を
調合し、該塗布液を裏面のポリオレフィン樹脂被覆層の
形成と同時に、または、裏面のポリオレフィン樹脂被覆
層上に塗布する。塗工方法には格別の限定はなく、ワイ
ヤーバーコート法、プレーンロッドコート法、グラビア
コート法、エアーナイフコート法、ブレードコート法、
ディップコート法、カーテンコート法、ロールコート
法、スリットダイコート法などを用いることができ、こ
れらは、バックコート層塗料を均一に塗布し、乾燥でき
るものであれば、どのような塗工方法を採用しても良
い。

【００２９】

【実施例】下記実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。しかし本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。

【００３０】実施例１〜４および比較例１〜８実施例１〜４および比較例１〜８の各々において、坪量
１７０ｇ／ｍ²の上質紙の片側に、分散された二酸化チ
タンを１０重量％含有したポリエチレン樹脂を３０ｇ／
ｍ²の被覆重量で、溶融押し出し被覆し、その裏面側に
ポリエチレン樹脂を３０ｇ／ｍ²の被覆重量で、溶融押
し出し被覆した。このとき、１２０メッシュの砂粉でサ
ンドブラスト処理を施し、次にクロムメッキ加工された
クーリングロールを使用して、冷却し、前記裏面被覆層
を、その表面がマット状になるようにした。このように
して粗面化された裏面ポリエチレン樹脂被覆層の表面
に、コロナ放電処理を施した後、下記使用薬剤を用い、
表１に示す組成の塗布液をワイヤーバーコート法によっ
てこの裏面ポリエチレン被覆層上に塗布し、乾燥温度８
０℃、乾燥時間６０秒の条件で乾燥し、表１に示した乾
燥重量を有するバックコート層を形成した。得られた試
料について、下記の方法で、裏面同士の摩擦係数、帯電
防止性の目安として導電性、テープ接着性、タイプライ
ター印字性、熱転写印字性およびタール汚れ防止性を評
価した。

【００３１】使用薬剤は下記の通りである。（１）コロイダルシリカ−１（商標：スノーテックス−
３０，日産化学製，粒子表面未処理品，ｐＨ１０．１，
粒子径１０〜２０ｍμ）（２）コロイダルシリカ−２（商標：スノーテックス−
Ｃ，日産化学製，粒子表面Ａｌ処理品，ｐＨ８．８，粒
子径１０〜２０ｍμ）（３）コロイダルシリカ−３（商標：スノーテックス−
Ｏ，日産化学製，酸性コロイド溶液品，ｐＨ３．７，粒
子径１０〜２０ｍμ）（４）スチレン−ブタジエン系共重合体（商標：NIPOL
LX-415A，日本ゼオン製）（５）導電剤−１（ポリスチレンスルホン酸アンモニウ
ム，商標：バーサＴＬ−１２５，カネボウＮＳＣ製）（６）導電剤−２（食塩）（７）微粉ケイ酸顔料（商標：ミズカシルＰ−５２７，
水沢化学製，平均粒子径１．０μ）

【００３２】裏面同士の摩擦係数評価２０℃、６５％ＲＨにおいて、固定した試料（１００ｍ
ｍ×２５０ｍｍ）の裏面上に、５００ｇ重のおもりを載
せた試料（６０ｍｍ×１２０ｍｍ）の裏面を下にして載
せ、これを引張り試験機（テンシロンＵＴＭ−１００）
を使用して、１００ｍｍ／分の速度で引っ張り、静摩擦
係数を測定した。静摩擦係数が０．４以下であれば、現
像時のジャムトラブルは発生しない。

【００３３】導電性の評価２０℃、６５％ＲＨにおいて、試料裏面の表面固有抵抗
を測定した。表面固有抵抗の値が１×１０¹⁰Ω以下であ
れば、得られた印画紙に静電気によるトラブルは発生し
ない。

【００３４】テープ接着性の評価２０℃、６５％ＲＨにおいて、試料裏面に幅２５ｍｍの
接着テープ（３Ｍ社製No.８４２２）を貼り付け、１分
後にカラー写真印画紙用現像液中でテープを反対方向に
引っ張り、剥離を行い、そのときの剥離抵抗を測定し、
この剥離抵抗より接着テープへの接着性を評価した。剥
離抵抗が３００ｇ／ｉｎｃｈ以上であればテープの剥離
トラブルは発生しない。

【００３５】タイプライター印字性の評価タイプライターとして自動プリンター内に装備されたイ
ンパクトプリンターを用い、試料のバックコート層面
と、タイプライターの印字面との間に印字用リボン（イ
ーストマンコダック社製コダックバックプリンター用）
を介在させて、バックコート層面に数字、文字、線など
からなる画像を印字した。このタイプライター印字後、
１分後に、上記印字された試料をロールプロセッサーで
処理してバックコート層面上の印字の消失状態を観察
し、その結果を、印字が完全に残っているもの ◎ 実用上問題ないが一部消失しているもの ○ かなりの部分が消失しているもの △ 完全に消失していもの × とする４段階評価により表示した。

【００３６】熱転写印字性の評価熱転写印字装置（日本電気製、商標：ＰＣ−ＰＲ１５０
Ｈ）を用いて、試料の裏面バックコート層に数字、文
字、線などからなる画像を印字した。その後、印字され
た試料をロールプロセッサーで処理してバックコート層
面上の印字の消失状態を観察し、その結果を、印字が完全に残っているもの ◎ 実用上問題ないが一部消失しているもの ○ かなりの部分が消失しているもの △ 完全に消失していもの × とする４段階評価により表示した。

【００３７】タール汚れ防止性の評価カラー印画紙用の発色現像液を４８時間曝気処理し、黒
かっ色のタール状の汚れを発生させた。この現像液を自
動プリンターの現像液槽に入れ、試料に現像処理を施
し、試料の裏面の汚染の状態を観察し、その結果を、タールが全く付着していないもの ◎ 実用上問題ないが一部タールが付着しているもの ○ かなりタールにより汚れているもの △ タールによる汚れが特にひどいもの × とする４段階評価により表示した。

【００３８】以上のテスト方法によって評価した裏面同
士の摩擦係数、導電性、テープ接着性、タイプライター
印字性、熱転写印字性、タール汚れ防止性のテスト結果
を表１に示す。

【００３９】

【表１】

【００４０】表１から明らかなように、本発明に係る実
施例１〜４の写真印画紙用支持体は、いずれのテスト結
果においても優れていたが、本発明の範囲外の比較例１
〜８の試料では、裏面同士の摩擦係数、導電性、テープ
接着性、タイプライター印字性、熱転写印字性、タール
汚れ防止性のすべてを満足するものはなかった。

【００４１】

【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体は、その裏
面ポリオレフィン樹脂被覆層上に形成されたバックコー
ト層を、コロイダルシリカ、スチレン−ブタジエン系共
重合体、導電剤を含有させることにより、摩擦係数、導
電性（帯電防止性）、テープ接着性、タイプライター印
字性、熱転写印字性およびタール汚れ防止性のすべてを
満足させたものであって、極めて優れた実用性を有する
ものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０３Ｃ 1/95 // Ｇ０３Ｃ 7/00 ５２０

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シート状材料からなる基体と、この基体
の表面および裏面上に形成され、かつポリオレフィン樹
脂からなる耐水被覆層と、前記裏面耐水被覆層上に形成
されたバックコート層を有し、該バックコート層が、コ
ロイダルシリカとスチレン−ブタジエン系共重合体と導
電剤とを少なくとも含有し、該コロイダルシリカは、粒
子径が１０〜２０ｍμ、かつ粒子表面が未処理である無
水硅酸を主成分としたコロイド溶液であり、かつ該コロ
イド溶液のｐＨが９．０〜１０．５であり、かつ前記バ
ックコート層中のコロイダルシリカの配合率が３０〜６
０重量％、かつ導電剤の配合率が５〜１３重量％であ
り、前記バックコート層の乾燥重量が０．１〜０．４ｇ
／ｍ²であることを特徴とする写真印画紙用支持体。