JP5839254B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
前記耐熱滑性層が、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなるバインダー樹脂、滑材、およびポリエチレンワックス、を少なくとも含んでなり、
前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基価が、9質量%以上であり、
前記ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が、0.3〜2.0であり、
前記色材層が、下記一般式(I)および/または(II)で表される染料とバインダー樹脂とを含んでなることを特徴とするものである。
本発明による熱転写シートは、基材の一方の面に耐熱滑性層が設けられているものである。この耐熱滑性層は、非加熱時の熱転写シートの滑性を向上させて高速印画を可能にするとともに、高速印画する際のサーマルヘッドからの熱への耐性を向上させるものである。本発明においては、この耐熱滑性層が、水酸基価が9質量%以上であるような水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含み、かつ、ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が0.3〜2.0の範囲にあるバインダー樹脂、ステアリン酸亜鉛および/またはステアリルリン酸亜鉛からなる滑材、およびポリエチレンワックス、を少なくとも含むものである。なお、本明細書中、水酸基含有熱可塑性樹脂の「水酸基価」とは、樹脂ポリマー中の、水酸基を有するモノマー成分の割合を意味するものであり、樹脂ポリマー全体の質量に対する水酸基を有するモノマー成分の質量の割合(質量%)として算出される値である。
本発明による熱転写シートは、上記した耐熱滑性層が基材上に設けられたものである。上記基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明による熱転写シートは、上記した基材の、耐熱滑性層を設けた面とは反対側の面に色材層を備えるものである。本発明の熱転写シートは、所望の画像がモノカラーである場合には、色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択し形成することができる。
本発明による熱転写シートは、基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなるものであれば、転写保護層として接着層、剥離層、離型層、又は、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。上記転写保護層を上述の色材層と面順次に形成した場合、画像形成後に画像面を保護する保護層を転写することができる。
本発明による熱転写シートは、上記した基材の耐熱滑性層側からサーマルヘッド等を用いて印画部に相当する箇所を加熱・加圧し、色材を被転写材に転写させて印字することができる。熱転写を行う際に使用するプリンタとしては、特に限定されず、公知の熱転写プリンタを使用することができる。
厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液1を、塗布量が固形分換算で0.5g/m2となるように塗布し、乾燥させることにより耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層用塗工液1>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 6.00部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 8.00部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.00部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.00部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.50部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.00部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
<プライマー層用塗工液>
コロイダルシリカ(粒子径4〜6nm、固形分10%) 30部
(スノーテック OXS、日産化学工業(株)製)
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 3部
水 50部
イソプロピルアルコール 17部
分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
分散染料(下記式で示されるイエロー染料A) 2.5部
バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
分散染料(MSレッドG) 1.5部
分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
分散染料(ソルベントブルー63) 2.0部
分散染料(下記式(I)で示されるシアン染料) 2.0部
分散染料(下記式(III)で示されるシアン染料) 2.0部
バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
ウレタン樹脂(クリスボン9004、DIC(株)製) 20.0部
ポリビニルアセトアセタール樹脂(KS−5、積水化学工業(株)製) 5.0部
ジメチルホルムアルマイド 80.0部
メチルエチルケトン 120.0部
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社製) 69.6部
反応性紫外線吸収剤を反応結合したアクリル共重合体
(UVA635L、BASFジャパン製) 17.4部
シリカ(サイリシア310、富士シリシア社製) 25部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 20部
シアン染料層用塗工液(C1)の染料として用いた上記式(I)のシアン染料を下記式(II)で示されるシアン染料に変更したシアン染料層用塗工液(C2)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液2に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液2>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 8.53部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%)10.97部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製 2.44部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 0.37部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.22部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 0.98部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 62.92部
トルエン 12.58部
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液3に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液3>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 7.21部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 5.65部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.32部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.32部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.67部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.34部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 62.92部
トルエン 12.58部
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液4に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液4>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 7.23部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 9.41部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.42部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 1.42部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.68部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.35部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 62.92部
トルエン 12.58部
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液5に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液5>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 8.53部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 6.69部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.67部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 1.67部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.98部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.96部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 62.92部
トルエン 12.58部
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液6に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液6>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価11質量%) 8.00部
(#3000−K、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 6.00部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.00部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.00部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.50部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.00部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.59部
トルエン 62.92部
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液7に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液7>
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価11質量%) 10.50部
(#3000−K、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 4.72部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.67部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 1.67部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.98部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.96部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 62.92部
トルエン 12.58部
耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液8に代えて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液8>
ポリアミドイミド樹脂(固形分25%) 13部
(HR−15ET、東洋紡績(株)製)
ポリアミドイミドシリコーン樹脂(固形分25% 13部
(HR−14ET、東洋紡績(株)製)
シリコーンオイル(固形分100%) 0.7部
(KF965−100、信越化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(固形分100%) 2.6部
(LBT−1870精製、堺化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日本油脂社製、固形分100%) 2.6部
タルク(ミクロエースP−3、日本タルク社製、固形分100%) 2.6部
エタノール 32.8部
トルエン 32.7部
実施例1で使用したシアン染料層用塗工液(C1)を、下記組成のシアン染料層用塗工液(C2)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
分散染料(ソルベントブルー63) 3.0部
分散染料(下記化学式(III)で示されるシアン染料) 3.0部
バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
比較例1で使用したシアン染料層用塗工液(C1)を、上記シアン染料層用塗工液(C2)に変更した以外は、比較例1と同様にして熱転写シートを作製した。
上記で得られた各熱転写シートを、三菱電機社製昇華型プリンタ(CP9000D)用熱転写受像シートと組み合わせ、以下の条件で印画時の摩擦力を測定した。なお、印画及び摩擦力の測定には、特開2003−300338号公報で記載されている摩擦力測定機能付熱転写プリンタを使用した。
<印画条件>
サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω解像度300dpi(dots per inch)
ライン速度:1ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(line per inch))
パルスデューティ:90%
印加電圧:30.0V
印圧:40N
印画画像:幅1388ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで、階調0〜255のグラデーション画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
1:動摩擦係数が0.5以上
2:動摩擦係数が0.4以上0.5未満
3:動摩擦係数が0.4以下
上記で得られた各熱転写シートと、シチズン・システム(株)製昇華転写プリンター(CW−01)用の昇華熱転写方式の熱転写受像シートを用いて、シチズン・システム(株)製昇華転写プリンター(CW−01)を用いて、Ye、Mg、Cyの染料層で熱転写受像シートの階調値255/255(印加エネルギー最大:黒画像)の画像を印画し、印画後の熱転写シートの破断の有無を目視にて調べた。評価基準は以下の通りとした。
1:印画後の熱転写シートに破断がかなり見られ、伸びもかなり見られる。
2:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びはほとんど見られない。
3:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びは全く見られない。
4:印画後の熱転写シートに破断が全く見られず、伸びも全く見られない。
評価結果は、下記の表1に示される通りであった。
上記で得られた各熱転写シートの耐熱滑性層とシアン染料層を対向させ、20kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側に染料層の染料を移行(キック)させた。染料移行部分の色相を、グレタグ社製GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、式差(ΔE*)を下記式にて算出した。
ΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)2)1/2
○:染料層と対向させて、荷重下で保管する前と後の耐熱滑性層の色差ΔE*が2.0未満であり、良好である。
×:染料層と対向させて、荷重下で保管する前と後の耐熱滑性層の色差ΔE*が2.0以上であり、良くない。
評価結果は下記の表2に示される通りであった。
上記で得られた各熱転写シートの耐熱滑性層とシアン染料層を対向させ、20kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側に染料層の染料を移行(キック)させた。この耐熱滑性層と保護層とを対向させ、20kg/cm2の荷重をかけて、50℃、湿度20%環境下で24時間保管した。その後、耐熱滑性層の染料が移行(バック)した保護層転写体と受像紙(カラーインク/ペーパーセットKP−36IP、キヤノン(株)製)の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、110℃、4mm/sec/lineにて転写を行った。更に、受像紙から基材シートを剥がし、転写部の色相を、グレタグ社製GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、色差(ΔE*)を下記式にて算出して下記基準に基づき評価した。
ΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)2)1/2
2:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔE*が2.5以上3.5未満
3:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔE*が1.5以上2.5未満
4:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔE*が1.5未満
上記で得られた各熱転写シートをロール状の形態で、50℃×20RH%の環境下で4日間保存し、保存前後でのハイライト部分(OD値0.3付近)の濃度をグレタグ社製GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、下記で表される濃度の変化率を算出した。
変化率(%)=│保存前の濃度−保存後の濃度│/保存前の濃度×100
得られた変化率を用いて、下記基準によりハイライト保存安定性を評価した。
○:変化率が20%以内
×:変化率が20%を超える
上記と同様の熱転写シートおよび受像シートを用いた。印画パターンは白ベタ(階調値0/255;印加熱なし)とし、印画は温度25℃、湿度50%RHの環境下で行った。但し、各実施例及び比較例で作製した熱転写シートは、予め温度40℃、湿度90%RHの環境下で2週間保存したものを使用した。ここでのブリードアウト(地汚れ)評価は、染料層から耐熱滑性層へ染料が転移し(キック)、さらに耐熱滑性層に付着した染料が染料層に再転移(バック)したものでなく、熱転写シートを上記の温度40℃、湿度90%RHの環境下で保存して、基材上に形成した染料層中の染料が再結晶化して析出し、染料層を汚染させているかを調べたものである。印画前の受像シート及び白ベタ印画部の色相を、グレタグ社製GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、上記と同様にしてΔE*abを算出した。ブリードアウトの評価基準は以下の通りとした。
◎:印画前の受像シートと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが0.5未満であり、地汚れの影響は、無く良好である。
○:印画前の受像シートと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが0.5以上1.0未満であり、地汚れの影響は、ほとんど無い。
△:印画前の受像シートと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが1.0以上2.0未満であり、地汚れの影響は、少し有る。
×:印画前の受像シートと、白ベタ印画部の色差ΔE*abが2.0以上であり、地汚れの影響が大きい。
2 基材
3 色材層
4 耐熱滑性層
Claims (6)
- 基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートであって、
前記耐熱滑性層が、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなるバインダー樹脂、滑材、およびポリエチレンワックス、を少なくとも含んでなり、リン酸エステルを含んでおらず、
前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基価が、9質量%以上であり、(水酸基含有熱可塑性樹脂の「水酸基価」とは、樹脂ポリマー中の、水酸基を有するモノマー成分の割合を意味するものであり、樹脂ポリマー全体の質量に対する水酸基を有するモノマー成分の質量の割合(質量%)として算出される値である。
)、
前記ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が、0.3〜2.0であり、
前記色材層が、下記一般式(I)および/または(II)で表される染料とバインダー樹脂とを含んでなることを特徴とする、熱転写シート。
- 前記水酸基含有熱可塑性樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂および/またはポリビニルアセタール樹脂である、請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記滑材が、ステアリン酸亜鉛及びステアリルリン酸亜鉛からなる、請求項1または2に記載の熱転写シート。
- 前記バインダー樹脂が、耐熱滑性層中に、固形分換算で30〜90質量%含まれてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記滑材が、耐熱滑性層中に、固形分換算で5〜40質量%含まれてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記ポリエチレンワックスが、耐熱滑性層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれてなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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