JP2019177665A - 熱転写受像シート、熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
本開示の実施の形態に係る熱転写シート(以下、本開示の熱転写シートと言う)は、図1〜図4に示すように、支持体1の一方の面上に、転写層10が設けられている。転写層10は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈しており、受容層2を含む。また、転写層10を構成する受容層2は、支持体1から最も近くに位置している。図1〜図4は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図である。
支持体1は、本開示の熱転写シート100における必須の構成であり、支持体1の一方の面上に設けられる転写層10、或いは、支持体1と転写層10との間に設けられる任意の層(例えば、後述する任意の離型層)や、転写層10と面順次に設けられる任意の層(例えば、色材層5や、保護層7)等を保持する。支持体1の材料については特に限定されないが、耐熱性や、機械的特性を有することが望ましい。このような支持体1としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルム、又はシートを例示できる。また、支持体1の厚さは、その強度や、耐熱性が適切になるよう、支持体1の材料に応じて適宜設定でき、2.5μm以上100μm以下が一般的である。
図1〜図4に示すように、支持体1上には、転写層10が設けられている。転写層10は、支持体1から剥離可能に設けられており、熱転写により、被転写体301上に移行する(転写される)層である(図5参照)。転写層10は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈しており受容層2を含む。受容層2は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置している。これは、被転写体301上に、受容層2を含む転写層10を転写することで製造される熱転写受像シート300(図5参照)の最表面に受容層2を位置させるためである。
本開示の熱転写シート100は、熱転写受像シート300の製造に用いられるものであり、被転写体301上に、本開示の熱転写シート100の転写層10を転写することで、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を製造できる。また、製造された熱転写受像シートの受容層2に熱転写画像310を形成することで、印画物を製造できる。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・Wn/Tgn・・・(FOX式)
(式中Tg1、Tg2、Tgnは重合体部分のガラス転移温度(Tg(K))を示し、W1、W2、Wnは各重合体単量体の質量比率を示し、W1+W2+・・・Wn=1である)。Fox式における各重合単量体のガラス転移温度は、たとえば、Polymer Handbook Third Edition(Wiley−Interscience:1989)に記載の値を用いればよい。
受容層2上には、転写層10を構成する機能層4が設けられている。機能層4について特に限定はなく、転写層10、或いは、本開示の熱転写シート100を用いて製造される熱転写受像シート300に求められる機能に応じて適宜決定すればよい。なお、機能層4は単層構成を呈していてもよく、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈していてもよい。一例としての機能層4は、被転写体301上に転写層10を転写したときに、被転写体と転写層10との密着性を向上させるための接着層(ヒートシール層と称される場合もある)としての役割を果たす。また、他の一例としての機能層4は、被転写体の表面の一部、或いは全部を隠蔽するための隠蔽層としての役割を果たす。
また、支持体1と転写層10との間に離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層は、本開示の熱転写シート100における任意の構成であり、転写層10を構成しない層である。つまりは、被転写体301上に転写層10を転写するときに、支持体1側に残存する層である。支持体1と転写層10との間に離型層を設けることで、転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。
図2、図4に示すように、支持体1の一方の面上に、上記で説明した転写層10と、面順次に色材層5を設けてもよい。図2、図4に示す形態の熱転写シート100によれば、熱転写受像シート300の製造と、製造された熱転写受像シート300の受容層2上への熱転写画像の形成を1つの熱転写シート100で行うことができる。具体的には、被転写体301上に、転写層10を転写することで、被転写体301上に転写層10が設けられた熱転写受像シート300を製造できる。また、この熱転写シート100が有する色材層5に含まれる色材を、熱転写受像シート300の最表面に位置する受容層2上に移行させることで、熱転写画像を形成できる。
昇華性染料としては、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等を例示できる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、Ceres Red 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱ケミカル(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱ケミカル(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル社)等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を例示できる。
色材層5のバインダー樹脂としては、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド、ポリエステル等を例示できる。
支持体1と色材層5との間に、支持体1と色材層5との密着性の向上を目的とする色材プライマー層(図示しない)を設けてもよい。
図3、図4に示すように、支持体1の一方の面上に、上記で説明した転写層10と、面順次に保護層7を設けてもよい。図3、図4に示す形態の熱転写シートによれば、例えば、図5に示すような、熱転写受像シート300の製造と、熱転写受像シート300の受容層2上への保護層7の転写を1つの熱転写シートを用いて行うことができる。具体的には、被転写体上に、転写層10を転写することで、被転写体301上に転写層10が設けられた熱転写受像シート300を形成できる。また、形成した熱転写受像シート300の受容層2に熱転写画像を形成したのちに、図3、図4に示す形態の熱転写シート100が有する保護層7を、受容層2上に転写することで、印画物350を製造できる(図10参照)。さらに、図4に示す形態の熱転写シート100によれば、熱転写受像シート300の製造、受容層2上への熱転写画像の形成、及び熱転写画像が形成された受容層2上への保護層7の転写を1つの熱転写シートを用いて行うことができる。
また、支持体1の転写層10が設けられている面とは反対側の面に背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、本開示の熱転写シート100における任意の構成である。
次に、本開示の実施の形態に係る熱転写受像シート(以下、本開示の熱転写受像シートと言う)について説明する。図6、図7に示すように、本開示の熱転写受像シート300は、支持体51の一方の面上に、受容層2が設けられた構成をとる。或いは、上記本開示の熱転写シート100の転写層10が、被転写体301上に転写された構成をとる。以下、本開示の熱転写受像シート300の各構成について説明する。
熱転写受像シートの支持体51は、受容層2を支持できるものであればよく特に限定はない。例えば、支持体51は、図6に示すように、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよく、図7に示すようにフィルム63、接着層62、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよい。また、単層構造をとるものであってもよい。単層構造の支持体51としては、基材61からなる支持体51や、フィルム63からなる支持体51等を例示できる。
基材61としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を例示できる。基材61の厚みについて特に限定はなく、10μm以上300μm以下が一般的であり、110μm以上140μm以下が好ましい。また、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(STF−150 三菱製紙(株))、コート紙(オーロラコート 日本製紙(株))等を好適に使用可能である。
フィルム63としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填材を加えて成膜した白色不透明フィルム、内部にミクロボイドを有するフィルム等を例示できる。
基材61とフィルム63との間には、接着層62が設けられていることが好ましい。基材61とフィルム63とを貼り合わせて接着するための接着層は、接着剤を含んでおり接着機能を有する。接着剤成分としては、ウレタン樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル、シアノアクリレート樹脂等を例示できる。中でもアクリル樹脂の反応型のものや、変性したもの等を好ましく使用できる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用できる。接着層62の厚みは、2μm以上10μm以下が一般的である。
熱転写受像シートの支持体51上には、受容層2が設けられている。受容層2は、水酸基価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している。
図6、図7に示すように、支持体51と受容層2との間にプライマー層66を設けてもよい。プライマー層66を設けることで、支持体51と受容層2との接着性を向上させることができる。プライマー層66に含まれるバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂等を例示できる。また、プライマー層66は、水分散系のプライマー層であってもよく、溶剤分散系のプライマー層であってもよい。プライマー層66の厚みは、0.1μm以上20μm以下が好ましい。
図6、図7に示すように、支持体51の受容層2が設けられている側と反対側の面に裏面層68を設けてもよい。裏面層68は、本開示の熱転写受像シート300における任意の構成である。
一例としての熱転写受像シートは、被転写体301上に、本開示の熱転写シートの転写層10を転写することで製造できる。
一例としての印画物は、本開示の熱転写受像シート300や、本開示の熱転写シート100により製造される熱転写受像シートを用いて製造できる。一例としての印画物の製造方法は、本開示の熱転写受像シート300や、本開示の熱転写シート100により製造される熱転写受像シート上に熱転写画像を形成する工程、熱転写画像が形成された熱転写受像シート上に、保護層を転写する工程を含む。このような印画物の製造方法によれば、耐久性が良好であり、且つ、熱転写画像が形成された受容層と保護層との密着性が良好な印画物を製造できる。
支持体として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、支持体の一方の面上に、下記組成の受容層用塗工液1を、塗布・乾燥して厚みが1μmの受容層を形成した。次いで、受容層上に、下記組成の接着層用塗工液1を、塗布・乾燥して厚みが1μmの接着層を形成した。支持体の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液1を、塗布・乾燥して厚みが1μmの背面層を形成することで、支持体の一方の面上に、受容層、接着層がこの順で設けられ、支持体の他方の面に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。なお、受容層、及び接着層は、本開示の熱転写シートの転写層を構成する。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:4mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
・ポリエステル 20部
・シリカフィラー 0.2部
・イソプロピルアルコール 20部
・水 60部
・ポリビニルブチラール 1.8部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 5.5部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.35部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 18.5部
・メチルエチルケトン 18.5部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:5.5mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液3に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:20mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液4に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:32.5mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液5に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:48.5mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液6に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:4mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液7に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:48.5mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液8に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例8の熱転写シートを得た。
・アクリル樹脂 50部
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:48.5mgKOH/g) 50部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液9に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例9の熱転写シートを得た。
・アクリル樹脂 25部
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:48.5mgKOH/g) 75部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:0mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Bに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:2mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Cに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを得た。
・メタクリル酸エステル共重合体(水酸基価:2mgKOH/g) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
支持体として、RC紙(STF−150 三菱製紙(株)、厚み190μm)を用い、この支持体上に、下記組成の接着層用塗工液2を塗布・乾燥して厚みが3μmの接着層を形成した。次いで、接着層上に、厚みが25μmの基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)をラミネートすることで、支持体、接着層、基材がこの順で積層されてなる積層体を得た。
・多官能ポリオール 30部
(タケラック(登録商標)A−969−V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケネート(登録商標)A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 60部
・水分散型ポリエステル(固形分25%、Tg20℃) 10部
(バイロナール(登録商標)MD−1480 東洋紡(株))
・導電性合成層状珪酸塩(平均一次粒子径25nm) 10部
(ラポナイトJS ウィルバー・エリス(株))
・水 80部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・シリコーン 0.75部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・シリコーン 0.1部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 33部
・トルエン 33部
上記で作成した被転写体と、各実施例、及び比較例の熱転写シートをそれぞれ組み合わせ、下記プリンタにより、各実施例、及び比較例の熱転写シートに、175/255階調(エネルギー階調)のエネルギーを印加して、被転写体上に、熱転写シートの転写層を転写することで、被転写体上に、各実施例、及び比較例の熱転写シートの転写層が転写され、その最表面に受容層が位置する各実施例、及び比較例の熱転写受像シートを得た。
支持体として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、支持体の一方の面上に、下記組成の背面層用塗工液2を塗布・乾燥して厚みが0.8μmの背面層を形成した。次いで、支持体の他方の面に、下記組成の色材プライマー層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが0.15μmの色材プライマー層を形成した。この色材プライマー層上に、下記組成のイエロー色材層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが0.6μmのイエロー色材層を形成し、色材層を有する熱転写シートを得た。
・ポリビニルアセタール(水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレック(登録商標)KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・酢酸ビニルビニルピロリドン共重合体 1.5部
(PVP/VA E−335 アイエスピー・ジャパン(株))
・水 50部
・イソプロピルアルコール 50部
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール 3.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
基材として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材上に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが1μmの剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが2μmの保護層を形成することで、基材上に剥離層、保護層がこの順で積層されてなる保護層転写シートを得た。剥離層、及び保護層は、保護層転写シートの転写層を構成する。
・アクリル樹脂 29部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・ポリエステル 1部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
・ポリエステル 30部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、上記で得た熱転写受像シートとを組み合わせ、下記プリンタにより、熱転写受像シートの受容層に、イエロー色材層を用いて2cm幅のストライプ画像(図11参照)を印画して、各実施例、及び比較例の画像形成物を得た。なお、図11中のA領域は175/255画像階調、B領域は255/255画像階調である。
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:27(V)
ライン周期:1(msec./line)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
印画開始温度:29.0(℃)〜36.0(℃)
発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
搬送速度:84.6(mm/sec.)
印圧:3.5(kgf)〜4.0(kgf)
上記各実施例、及び比較例の画像形成物を得るにあたり、各実施例、及び比較例の熱転写受像シート上に、上記イエロー色材層を用いた2cm幅のストライプ画像を印画しながら、上記プリンタの剥離板により、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートから、色材層を有する熱転写シートのイエロー色材層を剥離するときの、色材層を有する熱転写シートの引張強度を、上記プリンタ内において、熱転写シートの巻取りロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(大倉インダストリー(株) ASK−1000型番)により測定した。なお、ここで測定される色材層を有する熱転写シートの引張強度は、色材層を有する熱転写シートを、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離(離型)するときの実質的な剥離力を示している。つまりは、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートの転写層の実質的な剥離力(離型性)を示している。比較例1における剥離力を基準剥離力とし、下記評価基準により離型性評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、離型性の評価において、「NG」の評価となっているものについては、熱転写受像シートから色材層を有する熱転写シートを正常に剥離できず、熱転写受像シートと色材層を有する熱転写シートとが一部で融着するなどの印画不良が生じている。
比較例1の剥離力を基準剥離力としたときに、
A:剥離力が、基準剥離力に10gf(0.098N)を加算した剥離力以下。
B:剥離力が、基準剥離力に10gf(0.098N)を加算した剥離力より大きく、基準剥離力に15gf(0.147N)を加算した剥離力以下。
NG:剥離力が、基準剥離力に15gf(0.147N)を加算した剥離力より大きい。
各実施例、比較例の画像形成物が有する熱転写画像におけるイエロー部分の反射濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて濃度評価を行った。反射濃度の測定は、分光測定器(i1−Pro2 X−Rite社 Density Status:Ansi−A D65光源 測定角2° フィルタなし)により測定した。評価結果を表2に併せて示す。
比較例1の反射濃度を基準反射濃度としたときに、
A:反射濃度が、基準反射濃度の1.1倍以上。
B:反射濃度が、基準反射濃度の0.9倍以上1.1倍未満。
NG:反射濃度が、基準反射濃度の0.9倍未満。
上記で作成した保護層転写シートと、上記で得た各実施例、及び比較例の画像形成物とを組み合わせ、上記プリンタを用い、表2に示す条件(エネルギー階調条件)で、受容層上に、保護層転写シートの転写層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
上記各条件で得られた、各実施例、及び比較例の印画物上に、テープ(Scotch(登録商標) tape(BK−24) スリーエム社)を貼り付け、90°の剥離角度でテープを剥がしたときの、保護層転写シートにより転写された転写層の状態を確認し、以下の評価基準に基づいて密着性評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
A:印画物から転写層が剥がれない。
B:印画物から一部転写層が剥がれる。
NG:印画物から転写層が全部剥がれる。
1…熱転写シートの支持体
2…受容層
4…機能層
5…色材層
7…保護層
100A…色材層、及び保護層を有する熱転写シート
300…熱転写受像シート
51…熱転写受像シートの支持体
66…プライマー層
68…裏面層
61…基材
62…接着層
63…フィルム
400…中間転写媒体
401…中間転写媒体の支持体
410…剥離層
301…被転写体
310…熱転写画像
350…印画物
Claims (6)
- 支持体の一方の面上に受容層が設けられた熱転写受像シートであって、
前記受容層が、水酸基価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している、
熱転写受像シート。 - 前記水酸基価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を構成モノマーとして含む、
請求項1に記載の熱転写受像シート。 - 熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートであって、
支持体の一方の面上に転写層が設けられ、
前記転写層は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈し、且つ、前記転写層を構成する層のうち、前記支持体から最も近くに、受容層が位置しており、
前記受容層が、水酸基価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している、
熱転写シート。 - 前記水酸基価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を構成モノマーとして含む、
請求項3に記載の熱転写シート。 - 前記支持体の一方の面上に、前記転写層と面順次に保護層が設けられた、
請求項3又は4に記載の熱転写シート。 - 前記支持体の一方の面上に、前記転写層と面順次に色材層が設けられた、
請求項3乃至5の何れか1項に記載の熱転写シート。
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2018
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