JP2019177666A - 熱転写受像シート、熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シート - Google Patents

熱転写受像シート、熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シート Download PDF

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Abstract

【課題】受容層上に保護層を転写するときの、受容層と保護層との密着性が良好な熱転写受像シートや、この熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートを提供すること。【解決手段】支持体51の一方の面上に受容層2が設けられた熱転写受像シートであって、受容層が、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している。【選択図】図6

Description

本発明は、熱転写受像シート、熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートに関する。
熱転写画像を有する印画物の製造には、一般的に、基材上に、受容層が設けられた熱転写受像シートが用いられる。熱転写受像シートは、最表面に受容層が位置しており、当該受容層に熱転写画像を形成することで、印画物を製造できる。熱転写画像の形成方法としては、熱転写受像シートの受容層に、熱転写シートの色材層が含有する昇華性染料を移行して熱転写画像を形成する昇華型熱転写方式が広く用いられている。昇華型熱転写方式は昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りの画像を熱転写受像シート上に鮮明に表現でき、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
近時の印画物の用途の多様化に伴い、上記のような予め準備がされた熱転写受像シートを用いるのではなく、用途に応じて適宜設定した任意の被転写体を用いて印画物を製造したいとの要望もある。このような要望に対しては、基材上に、転写層が設けられた熱転写シートを用い、任意の被転写体上に転写層を転写して、その最表面に受容層が位置する熱転写受像シートを製造することが行われている。熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートとして、例えば、特許文献1には、基材の一方の面に、少なくとも染料受容層(受容層)を含む転写性樹脂層(転写層)が設けられ、転写性受容層の最上層に感熱接着剤層(接着層)が位置する受容層転写シート(熱転写シート)が提案されている。
ところで、上記昇華型熱転写方式により受容層上に形成される熱転写画像は、色材が顔料でなく、比較的低分子量の染料であるため、耐久性に劣るといった欠点を有する。そこで、通常、昇華型熱転写方式により形成された熱転写画像に対しては、保護層を有する保護層転写シート等を用い、熱転写画像上に保護層を転写により設けることが行われている。受容層上に、保護層を設ける場合においては、受容層と、当該受容層上に設けられた保護層との密着性が良好であることが求められているものの、受容層と保護層との密着性については、改良の余地が残されている。
特開平5−155165号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、受容層上に保護層を設けるときの受容層と保護層との密着性を良好なものとできる熱転写受像シートを提供すること、また、この熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写受像シートは、支持体の一方の面上に受容層が設けられた熱転写受像シートであって、前記受容層が、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している。
上記の熱転写受像シートにおいて、前記受容層の総質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、5質量%以上であってもよい。
上記の熱転写受像シートにおいて、前記受容層が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有していてもよい。
上記の熱転写受像シートにおいて、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を構成モノマーとして含んでいてもよい。
上記の熱転写受像シートにおいて、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂と、前記酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の合計質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、30質量%以下であってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートであって、支持体の一方の面上に転写層が設けられ、前記転写層は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈し、且つ、前記転写層を構成する層のうち、前記支持体から最も近くに、受容層が位置しており、前記受容層が、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している。
上記の熱転写シートにおいて、前記受容層が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有していてもよい。
上記の熱転写シートにおいて、前記受容層の総質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、5質量%以上であってもよい。
上記の熱転写シートにおいて、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を構成モノマーとして含んでいてもよい。
上記の熱転写シートにおいて、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂と、前記酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の合計質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、30質量%以下であってもよい。
また、上記の熱転写シートにおいて、前記支持体の一方の面上に、前記転写層と面順次に保護層が設けられていてもよい。
また、上記の熱転写シートにおいて、前記支持体の一方の面上に、前記転写層と面順次に色材層が設けられていてもよい。
本開示の実施の形態に係る熱転写受像シートによれば、当該熱転写受像シートの受容層上に保護層を転写したときの受容層と保護層との密着性を良好なものとできる。また、本開示の実施の形態に係る熱転写シートによれば、上記の熱転写受像シートを製造できる。
本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートを用いて製造される熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。 色材層、及び保護層を有する熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の熱転写シートや、本開示の熱転写受像シートを用いて製造される印画物の一例を示す概略断面図である。 実施例、及び比較例の熱転写受像シートを用いて形成した画像形成物の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施でき、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各層の厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<<熱転写シート>>
本開示の実施の形態に係る熱転写シート(以下、本開示の熱転写シートと言う)は、図1〜図4に示すように、支持体1の一方の面上に、転写層10が設けられている。転写層10は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈しており、受容層2を含む。また、転写層10を構成する受容層2は、支持体1から最も近くに位置している。図1〜図4は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図である。
本開示の熱転写シート100は、図5に示すように、任意の被転写体301(以下、被転写体と言う)上に、転写層10を転写し、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を製造するための熱転写シートである。図5は、本開示の熱転写シート100を用いて製造される熱転写受像シート300の一例を示す概略断面図である。
受容層を備える熱転写シートの1つとして、図8に示すように、支持体401上に、2つ以上の層が積層されてなる転写層10Aが設けられ、転写層10Aを構成する層のうち、支持体401から最も遠くに受容層2Aが位置する(最表面に受容層2Aが位置する)中間転写媒体400が知られている。転写層10Aは、各種の転写手段により、支持体401から剥離され、被転写体上に転写される層である。
図8に示す形態の中間転写媒体400によれば、転写層10Aを被転写体上に転写する前の段階で、換言すれば、受容層2Aを被転写体上に転写する前の段階で、当該受容層2Aに熱転写画像を形成できる。つまり、中間転写媒体400は、熱転写受像シートとしての役割を兼ねる。また、受容層2Aに熱転写画像を形成した後に、被転写体上に転写層10Aを転写することで、熱転写画像を有する印画物(図示しない)を得る。なお、図8に示す形態の中間転写媒体400は、支持体401上に、転写層10Aが設けられ、転写層10Aは、支持体401側から、剥離層410(保護層と称される場合もある)、受容層2Aがこの順で設けられた積層構造を呈している。
図1〜図4に示すように、本開示の熱転写シート100は、当該熱転写シート100の最表面に受容層2が位置しておらず(図1に示す形態では、機能層4が最表面に位置している)、被転写体上に転写層10を転写する前の段階で、熱転写画像を形成することはできない。一方で、本開示の熱転写シート100は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに受容層2が位置しており、被転写体上に転写層10を転写することで、最表面に受容層2を位置させることができる。つまり、被転写体上に、転写層10を転写することで、図5に示すように、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を製造できる。そして、製造された熱転写受像シート300と、例えば、図2、図4に示す、色材層5を有する本開示の熱転写シート100(転写層10を転写した後の熱転写シート100)、或いは、図9に示す色材層5を有する熱転写シート100Aとを組合せ、本開示の熱転写シート100を用いて製造された熱転写受像シート300の受容層2に、色材層5が含有している色材を移行させることで、熱転写受像シート300の受容層2に熱転写画像が形成された印画物を製造できる。
要約すれば、受容層を転写できる観点では、本開示の熱転写シート100(図1〜図4参照)と中間転写媒体400(図8参照)は共通するものの、受容層を転写する前の段階において、熱転写画像の形成が可能であるか否か、換言すれば、最表面に位置する層が受容層であるか否かの点で、本開示の熱転写シート100と中間転写媒体400は相違する。なお、中間転写媒体の分野においても、受容層を含み、支持体から転写可能となっている複数の層を総称して「転写層」と言う場合もあるが、上記の通り、本開示の熱転写シートで言う「転写層」と、中間転写媒体の分野で言う「転写層」とは、最表面に受容層が位置しているか否かの点で明確に相違する。以下、本開示の熱転写シート100の各構成について具体的に説明する。
(熱転写シートの支持体)
支持体1は、本開示の熱転写シート100における必須の構成であり、支持体1の一方の面上に設けられる転写層10、或いは、支持体1と転写層10との間に設けられる任意の層(例えば、後述する任意の離型層)や、転写層10と面順次に設けられる任意の層(例えば、色材層5や、保護層7)等を保持する。支持体1の材料については特に限定されないが、耐熱性や、機械的特性を有することが望ましい。このような支持体1としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルム、又はシートを例示できる。また、支持体1の厚さは、その強度や、耐熱性が適切になるよう、支持体1の材料に応じて適宜設定でき、2.5μm以上100μm以下が一般的である。
(転写層)
図1〜図4に示すように、支持体1上には、転写層10が設けられている。転写層10は、支持体1から剥離可能に設けられており、熱転写により、被転写体301上に移行する(転写される)層である(図5参照)。転写層10は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈しており受容層2を含む。受容層2は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置している。これは、被転写体301上に、受容層2を含む転写層10を転写することで製造される熱転写受像シート300(図5参照)の最表面に受容層2を位置させるためである。
(受容層)
本開示の熱転写シート100は、熱転写受像シート300の製造に用いられるものであり、被転写体301上に、本開示の熱転写シート100の転写層10を転写することで、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を製造できる。また、製造された熱転写受像シートの受容層2に熱転写画像310を形成することで、印画物を製造できる。
ところで、上記の製造方法で製造された印画物は、熱転写画像が形成された受容層2が、印画物の最表面に位置しており、換言すれば、熱転写画像が露出しており、印画物の耐久性が十分であるとはいえない。したがって、製造された印画物の耐久性を向上させるためには、熱転写画像が形成された受容層2上に、保護層を設けることが望ましい。
熱転写画像が形成された受容層2上に、保護層を設けるときに、受容層2と、当該受容層2上に設けられる保護層との密着性が不十分である場合には、製造された印画物において、意図しない保護層の脱落等が生ずる。なお、一般的に、受容層には、熱転写画像を形成するときの色材の受容性(染料受容性と称される場合もある)が良好であることが求められており、このような要求に対し、受容層を構成する材料としては、色材の受容性を考慮した材料が用いられている。しかしながら、色材の受容性を考慮した材料は、必ずしも、保護層の密着性が良好であるとはいえないのが現状である。
なお、受容層2上に保護層を設けるときの、受容層2と保護層との密着性を向上させる手段として、受容層上に保護層を転写するときのエネルギーを高くする手段がある。しかしながら、受容層上に、保護層を転写するときのエネルギーを高くしていった場合には、受容層と保護層との密着性は向上していく一方で、熱転写画像が形成された受容層2や、熱転写受像シートの他の構成部材がダメージを受け、印画物の品質が低くなってしまう問題が新たに生ずる。
このような点を考慮した、本開示の熱転写シート100は、支持体1上に転写層10が設けられ、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置する受容層2が、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している。
本開示の熱転写シート100によれば、転写層10を、被転写体301上に転写することで、被転写体301上に転写層10が転写されてなる熱転写受像シート300を製造できる。つまりは、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を製造できる。さらに、本開示の熱転写シート100によれば、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している受容層2の働きにより、熱転写画像が形成された受容層2上に保護層を設けたときの、受容層2と保護層との密着性を良好なものとできる。特には、熱転写画像が形成された受容層2上に、保護層を転写により設けるときに、従来よりも低いエネルギー条件で、受容層2上に、密着性よく保護層を設けることができる。また、保護層の種類によらず、受容層2と保護層との密着性を良好なものとできる。
つまり、本開示の熱転写シート100によれば、当該受容層2を含む転写層10を転写することで製造される熱転写受像シート300の受容層2上に、密着性よく保護層を転写できる。また、受容層2にダメージを与えることなく、受容層2上に、密着性よく保護層を転写できる。
本願明細書で言う「酸価」とは、ポリマー1g中に含まれる酸成分(例えば、カルボキシル基)を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味し、JIS−K−2501(2003)に準拠した方法により測定することができる。
本願明細書で言うアクリル樹脂とは、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体を含むものである。
一実施形態の熱転写シート100の受容層2が含有しているアクリル樹脂としては、これらのアクリル樹脂の中から、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を適宜選択すればよい。
アクリル酸エステルや、メタクリル酸エステルのモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート等を例示できる。具体的には、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)、エチルアクリレート(アクリル酸エチル)、エチルメタクリレート(メタクリル酸エチル)、ブチルアクリレート(アクリル酸ブチル)、ブチルメタクリレート(メタクリル酸ブチル)、ラウリルアクリレート(アクリル酸ラウリル)、ラウリルメタクリレート(メタクリル酸ラウリル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等を例示できる。
酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂は、上記で例示したモノマー以外の、他のモノマーを構成モノマーとして含んでいてもよい。他のモノマーとしては、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を例示できる。また、上記で例示したモノマーとは異なるモノマーを、構成モノマーとして含んでいてもよい。以下の、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂についても同様である。
受容層2は、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂として、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、受容層2は、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂とともに、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、受容層の材料として従来公知の樹脂や、従来公知の各種の離型剤等を例示できる。
樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、或いはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、或いはセルロースジアスターゼ等のセルロース樹脂、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ゼラチン等を例示できる。
これ以外の他の任意の成分としては、ウレタンフィラーや、シリコーンフィラー等の各種フィラー、各種帯電防止剤、各種の離型剤等を例示できる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系、又はリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、各種シリコーン樹脂等を例示できる。
酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量について限定はないが、受容層2の総質量に対する、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量は、5質量%以上が好ましい。酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量を、好ましい含有量とすることで、熱転写画像が形成された受容層2上に保護層を設けたときの、受容層2と保護層との密着性をより良好なものとできる。また、従来よりも、さらに低いエネルギー条件で、受容層2上に、密着性よく保護層を設けることができる。
また、好ましい形態の受容層2は、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂とともに、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有している。好ましい形態の受容層2によれば、さらに、本開示の熱転写シート100を用いて製造される熱転写受像シート300上に、色材層の色材を移行して熱転写画像を形成するときの、受容層2と色材層との離型性を良好なものとできる。特には、受容層2に離型剤を含有せしめることなく、或いは、離型剤の含有量が微小な場合であっても、色材層の色材を移行して熱転写画像を形成するときの、受容層2と色材層との離型性を良好なものとできる。また、好ましい形態の受容層2を備える本開示の熱転写シート100によれば、受容層2に濃度の高い熱転写画像を形成できる。なお、本願明細書でいう、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂には、酸価を有しないアクリル樹脂も含まれる。
また、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂は、構成モノマーとして、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を含むことが好ましい。この形態の受容層2によれば、本開示の熱転写シート100を用いて製造される熱転写受像シート300上に、色材層の色材を移行して熱転写画像を形成するときの、受容層2と色材層との離型性をより良好なものとできる。また、受容層2により濃度の高い熱転写画像を形成できる。
トリシクロデカニル(メタ)アクリレートは、下式(1)で示されるトリシクロデカニルメタクリレート、又は下式(2)で示されるトリシクロデカニルアクリレートを意味する。
Figure 2019177666
酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂における、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートや、イソボルニル(メタ)アクリレートの共重合比率について限定はなく、受容層2に付与を所望する特定に応じて適宜設定できる。酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の好ましい形態は、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートや、イソボルニル(メタ)アクリレートの共重合比率が、モル比で40%以上であり、より好ましくは、60%以上である。重合比率の上限値は、モル比で100%である。
また、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、35℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が上記好ましい範囲のアクリル樹脂を用いることで、受容層2と色材層との離型性をさらに良好なものとできる。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)は、以下の、FOX理論計算に基づき求められる温度(ケルビン(K))を摂氏(℃)に換算した値を意味する。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・Wn/Tgn・・・(FOX式)
(式中Tg1、Tg2、Tgnは重合体部分のガラス転移温度(Tg(K))を示し、W1、W2、Wnは各重合体単量体の質量比率を示し、W1+W2+・・・Wn=1である)。Fox式における各重合単量体のガラス転移温度は、たとえば、Polymer Handbook Third Edition(Wiley−Interscience:1989)に記載の値を用いればよい。
また、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、30000以上600000以下が好ましい。酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂として、重量平均分子量(Mw)が上記好ましい範囲のアクリル樹脂を用いることで、受容層2と色材層との離型性をさらに良好なものとできる。なお、本願明細最初で言う重量平均分子量(Mw)とは、JIS−K−7252−1(2008)に準拠し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値を意味する。
また、受容層2が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有する場合、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂と、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の合計質量に対する、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量は、50質量%未満が好ましく、30質量%以下がより好ましく、23質量%以下がさらに好ましい。特には、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂が、構成モノマーとして、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を含み、且つ、その含有量を上記とすることがさらに好ましい。この関係を満たすように、受容層2に、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂と、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂とを含有せしめることで、密着性を十分に満足させつつ、色材層との離型性を良好なものとできる。また、受容層2上に形成される画像の濃度を十分に高くできる。
また、受容層2が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有する場合、受容層2の総質量に対する、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量は、50質量%未満が好ましく、30質量%以下がより好ましく、23質量%以下がさらに好ましい。
また、受容層2が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有する場合、受容層2の総質量に対する、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の含有量は、50質量%より多いことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、77質量%以上がさらに好ましい。酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を上記好ましい範囲で含有する受容層2とすることで、色材層との離型性をより良好なものとできる。また、受容層2に濃度の高い熱転写画像を形成できる。より好ましくは、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂が、構成モノマーとして、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を含み、且つ、その含有量が、上記好ましい範囲であり、特に好ましくは、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂が、構成モノマーとして、イソボルニル(メタ)アクリレートを含み、且つ、その含有量が、上記好ましい範囲である。
受容層2の形成方法についても特に限定はなく、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂、必要に応じて添加される他の樹脂や、離型剤等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した受容層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上、或いは支持体1上に設けられ、転写層10を構成しない任意の層上に、塗布・乾燥して形成できる。受容層用塗工液の塗布方法について特に限定なく、従来公知の塗布方法を適宜選択して用いることができる。塗布方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を例示できる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。受容層2の厚みについて限定はないが、0.2μm以上5μm以下が好ましい。
(機能層)
受容層2上には、転写層10を構成する機能層4が設けられている。機能層4について特に限定はなく、転写層10、或いは、本開示の熱転写シート100を用いて製造される熱転写受像シート300に求められる機能に応じて適宜決定すればよい。なお、機能層4は単層構成を呈していてもよく、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈していてもよい。一例としての機能層4は、被転写体301上に転写層10を転写したときに、被転写体と転写層10との密着性を向上させるための接着層(ヒートシール層と称される場合もある)としての役割を果たす。また、他の一例としての機能層4は、被転写体の表面の一部、或いは全部を隠蔽するための隠蔽層としての役割を果たす。
機能層4の一例としての接着層は、接着性を有する材料を含有している。接着性を有する材料としては、ウレタン樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シアノアクリレート樹脂等を例示できる。また、これらの樹脂を硬化剤によって硬化させたものを用いることもできる。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用できる。
機能層4の一例である接着層の形成方法について特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、必要に応じて添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、無機あるいは有機のフィラー成分、界面活性剤、離型剤等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を、受容層2上に、塗布・乾燥して形成できる。接着層の厚みは、0.5μm以上10μm以下が好ましく、0.8μm以上2μm以下がより好ましい。
機能層4の一例としての隠蔽層は、バインダー樹脂と、着色剤とを含有している。バインダー樹脂としては、ポリエステル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を例示できる。着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、パール顔料等を例示できる。隠蔽層は、これらのバインダー樹脂の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。着色剤についても同様である。
機能層4の一例である隠蔽層の形成方法について特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、着色剤、必要に応じて添加される添加材を適当な溶媒に分散、或いは溶解した隠蔽層用塗工液を調製し、この塗工液を、受容層2上に、塗布・乾燥して形成できる。隠蔽層の厚みは、0.1μm以上5μm以下が好ましい。
上記では、機能層4の一例として、接着層、隠蔽層を挙げて説明を行ったが、これ以外の層を機能層とすることもできる。また、支持体1側から、受容層2、隠蔽層、接着層をこの順で積層してなる転写層10としてもよい。
(離型層)
また、支持体1と転写層10との間に離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層は、本開示の熱転写シート100における任意の構成であり、転写層10を構成しない層である。つまりは、被転写体301上に転写層10を転写するときに、支持体1側に残存する層である。支持体1と転写層10との間に離型層を設けることで、転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。
離型層に含有されるバインダー樹脂としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を例示できる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成してもよい。離型層の厚みは0.2μm以上5μm以下が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶媒に分散、或いは溶解した離型層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上に塗布・乾燥して形成できる。
(色材層)
図2、図4に示すように、支持体1の一方の面上に、上記で説明した転写層10と、面順次に色材層5を設けてもよい。図2、図4に示す形態の熱転写シート100によれば、熱転写受像シート300の製造と、製造された熱転写受像シート300の受容層2上への熱転写画像の形成を1つの熱転写シート100で行うことができる。具体的には、被転写体301上に、転写層10を転写することで、被転写体301上に転写層10が設けられた熱転写受像シート300を製造できる。また、この熱転写シート100が有する色材層5に含まれる色材を、熱転写受像シート300の最表面に位置する受容層2上に移行させることで、熱転写画像を形成できる。
一例としての色材層5は、色材としての昇華性染料、バインダー樹脂を含有している。色材層5は、所望の画像がモノカラーである場合には、適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、イエローの昇華性染料、マゼンタの昇華性染料、シアンの昇華性染料等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層を、支持体1の同一面に面順次に、繰り返し形成してもよい。なお、色材層5は、以下で説明するものに限定されるものではなく、熱転写シートの分野で従来公知の色材層をそのまま適用できる。
「昇華性染料」
昇華性染料としては、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等を例示できる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、Ceres Red 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱ケミカル(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱ケミカル(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル社)等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を例示できる。
昇華性染料の含有量は、後述するバインダー樹脂の固形分総量に対し、50質量%以上350質量%以下が好ましく、80質量%以上300質量%以下がより好ましい。昇華性染料の含有を上記範囲内とすることで、印画濃度や、保存性のさらなる向上を図ることができる。
「バインダー樹脂」
色材層5のバインダー樹脂としては、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド、ポリエステル等を例示できる。
バインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、バインダー樹脂の含有量は、色材層5の総質量に対し20質量%以上が好ましい。色材層5の総質量に対するバインダー樹脂の含有量を20質量%以上とすることで、色材層5中で昇華性染料を十分に保持でき、結果、保存性を向上させることができる。バインダー樹脂の含有量の上限値について特に限定はなく、昇華性染料や、任意の添加材の含有量に応じて適宜設定できる。
また、色材層5は、無機粒子、有機粒子等の添加材を含有していてもよい。無機粒子としては、タルク、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等を例示でき、有機粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂粒子等を例示できる。色材層5は、離型剤を含有していてもよい。さらに離型剤としては、変性或いは未変性のシリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、リン酸エステル、脂肪酸エステル等を例示できる。
色材層5の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、昇華性染料、必要に応じて添加される添加材や、離型剤を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した色材層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1、或いは後述する色材プライマー層上に塗布・乾燥して形成できる。色材層の厚みは、0.2μm以上2μm以下が一般的である。
(色材プライマー層)
支持体1と色材層5との間に、支持体1と色材層5との密着性の向上を目的とする色材プライマー層(図示しない)を設けてもよい。
色材プライマー層について特に限定はなく、熱転写シートの分野で従来公知の色材プライマー層を適宜選択して用いることができる。一例としての色材プライマー層は、樹脂材料から構成されている。色材プライマー層を構成する樹脂材料としては、ポリエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ウレタン樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール等を例示できる。また、色材プライマー層は、これら樹脂成分とともに、有機粒子や、無機粒子等の各種の添加材を含有していてもよい。
色材プライマー層の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示した樹脂成分、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した色材プライマー層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上に、塗布・乾燥して形成できる。色材プライマー層の厚みについて特に限定はないが、0.02μm以上1μm以下が一般的である。
(保護層)
図3、図4に示すように、支持体1の一方の面上に、上記で説明した転写層10と、面順次に保護層7を設けてもよい。図3、図4に示す形態の熱転写シートによれば、例えば、図5に示すような、熱転写受像シート300の製造と、熱転写受像シート300の受容層2上への保護層7の転写を1つの熱転写シートを用いて行うことができる。具体的には、被転写体上に、転写層10を転写することで、被転写体301上に転写層10が設けられた熱転写受像シート300を形成できる。また、形成した熱転写受像シート300の受容層2に熱転写画像を形成したのちに、図3、図4に示す形態の熱転写シート100が有する保護層7を、受容層2上に転写することで、印画物350を製造できる(図10参照)。さらに、図4に示す形態の熱転写シート100によれば、熱転写受像シート300の製造、受容層2上への熱転写画像の形成、及び熱転写画像が形成された受容層2上への保護層7の転写を1つの熱転写シートを用いて行うことができる。
保護層7の材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、ブチラール、ポリ酢酸ビニル、及びその共重合体、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン、アクリル系、メタクリル系等の(メタ)アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート、セルロース樹脂、ポリビニルエーテル、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等を例示できる。これらの材料は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。
また、保護層7の材料として、電離放射線硬化性樹脂や、紫外線吸収性樹脂を用いてもよい。電離放射線硬化性樹脂や、紫外線吸収性樹脂を含有する保護層7によれば、印画物に良好な耐光性を付与できる。
電離放射線硬化性樹脂は、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。このような、紫外線吸収性樹脂としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したもの等を例示できる。
また、保護層7は、各種添加材を含有していてもよい。各種の添加材としては、滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤等を例示できる。
保護層7の厚みについて特に限定はないが、1μm以上15μm以下が好ましい。
(背面層)
また、支持体1の転写層10が設けられている面とは反対側の面に背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、本開示の熱転写シート100における任意の構成である。
背面層の材料について限定はなく、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体、又は混合物等を例示できる。
また、背面層は、固形あるいは液状の滑剤を含有していてもよい。滑剤としては、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の粒子等を例示できる。滑材の含有量は、背面層の総質量に対し、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。背面層の総質量に対する滑剤の質量を上記範囲内とすることで印画シワや、スティッキングといった印画不良の発生を防止できる。
背面層の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した背面層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上に塗布・乾燥して形成できる。背面層の厚みは、1μm以上10μm以下が好ましい。
<<熱転写受像シート>>
次に、本開示の実施の形態に係る熱転写受像シート(以下、本開示の熱転写受像シートと言う)について説明する。図6、図7に示すように、本開示の熱転写受像シート300は、支持体51の一方の面上に、受容層2が設けられた構成をとる。或いは、図2に示すように、上記本開示の熱転写シート100の転写層10が、被転写体301上に転写された構成をとる。以下、本開示の熱転写受像シート300の各構成について説明する。
(熱転写受像シートの支持体)
熱転写受像シートの支持体51は、受容層2を支持できるものであればよく特に限定はない。例えば、支持体51は、図6に示すように、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよく、図7に示すようにフィルム63、接着層62、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよい。また、単層構造をとるものであってもよい。単層構造の支持体51としては、基材61からなる支持体51や、フィルム63からなる支持体51等を例示できる。
「基材」
基材61としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を例示できる。基材61の厚みについて特に限定はなく、10μm以上300μm以下が一般的であり、110μm以上140μm以下が好ましい。また、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(STF−150 三菱製紙(株))、コート紙(オーロラコート 日本製紙(株))等を好適に使用可能である。
「フィルム」
フィルム63としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填材を加えて成膜した白色不透明フィルム、内部にミクロボイドを有するフィルム等を例示できる。
支持体51が、図6、図7に示す構成をとる場合には、受容層2側に積層されるフィルム63は、ボイドを有するフィルムであることが好ましい。ボイドを有するフィルムとしては、以下に示す二つの方法により、ボイド(微細空孔)を生じさせることができる。一つは、ポリマー中に無機粒子を混練し、そのコンパウンドを延伸するときに無機粒子を核としてミクロボイドを生じさせる方法である。もう一つは、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマー(一種類でも複数でも良い)をブレンドしたコンパウンドを作成する。このコンパウンドは微視的にみるとポリマー同士が微細な海島構造を形成している。このコンパウンドを延伸すると海島界面の剥離または、島を形成するポリマーの大きな変形によってミクロボイドが発生するものである。上記のミクロボイドを有するフィルムの厚さは、10μm以上100μm以下が一般的であり、20μm以上50μm以下が好ましい。
「接着層」
基材61とフィルム63との間には、接着層62が設けられていることが好ましい。基材61とフィルム63とを貼り合わせて接着するための接着層は、接着剤を含んでおり接着機能を有する。接着剤成分としては、ウレタン樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル、シアノアクリレート樹脂等を例示できる。中でもアクリル樹脂の反応型のものや、変性したもの等を好ましく使用できる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用できる。接着層62の厚みは、2μm以上10μm以下が一般的である。
(受容層)
熱転写受像シートの支持体51上には、受容層2が設けられている。受容層2は、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している。
本開示の熱転写受像シート300の受容層2としては、上記本開示の熱転写シート100で説明した受容層2をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有する受容層2を有する本開示の熱転写受像シート300によれば、当該熱転写受像シート300の受容層2上に、保護層を設けたときの、受容層2と保護層との密着性を良好なものとできる。
(プライマー層)
図6、図7に示すように、支持体51と受容層2との間にプライマー層66を設けてもよい。プライマー層66を設けることで、支持体51と受容層2との接着性を向上させることができる。プライマー層66に含まれるバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂等を例示できる。また、プライマー層66は、水分散系のプライマー層であってもよく、溶剤分散系のプライマー層であってもよい。プライマー層66の厚みは、0.1μm以上20μm以下が好ましい。
(裏面層)
図6、図7に示すように、支持体51の受容層2が設けられている側と反対側の面に裏面層68を設けてもよい。裏面層68は、本開示の熱転写受像シート300における任意の構成である。
裏面層68は、本開示の熱転写受像シート300の用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。中でも、熱転写受像シート300の搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層68を用いることが好ましい。このような機能をもつ裏面層68としては、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加材として、ナイロンフィラー、アクリルフィラー、ポリアミドフィラー、フッ素フィラー、ポリエチレンワックス、アミノ酸系粉体等の有機系フィラー、二酸化珪素や金属酸化物等の無機フィラーを加えたものが使用できる。また裏面層として、これらの樹脂をイソシアネート化合物やキレート化合物等の硬化剤により硬化したものを使用することもできる。裏面層68の厚みは、0.1μm以上20μm以下が一般的であり、0.5μm以上10μm以下が好ましい。
以上、本開示の実施の形態に係る熱転写受像シートについて具体的に説明を行ったが、本発明は上記で説明した実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を妨げない範囲内で種々の変形態様をとることができる。例えば、熱転写受像シート300は、各種の機能層、例えば、耐溶剤性を付与するためのバリア層(図示しない)等を有していてもよい。また、裏面層68を有していなくともよい。また、支持体51と裏面層68との間に、裏面プライマー層(図示しない)を設けてもよい。
なお、本願明細書では、各層を構成する樹脂等について、例示的に記載をしているが、これらの樹脂は、各樹脂を構成するモノマーの単独重合体であってもよく、各樹脂を構成する主成分のモノマーと、1つ或いは複数の他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体であってもよい。例えば、アクリル樹脂と言う場合には、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーや、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーを主成分として含んでいればよい。また、これらの樹脂の変性物であってもよい。また、本願明細書に例示記載しているもの以外の樹脂等を用いてもよい。
<<熱転写受像シートの製造方法>>
一例としての熱転写受像シートは、被転写体301上に、本開示の熱転写シートの転写層10を転写することで製造できる。
被転写体301としては、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を例示できる。また、被転写体301として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体301として、上記本開示の熱転写受像シート300で説明した支持体51を用いることもできる。
被転写体301上への転写層10の転写は、例えば、サーマルヘッド等による加熱デバイスを用いる方法の他、例えば、ホットスタンプ方式や、ヒートロール方式等を用いることができる。また、これ以外の方式を用いることもできる。
<<印画物の製造方法>>
一例としての印画物は、本開示の熱転写受像シート300や、本開示の熱転写シート100により製造される熱転写受像シートを用いて製造できる。一例としての印画物の製造方法は、本開示の熱転写受像シート300や、本開示の熱転写シート100により製造される熱転写受像シート上に熱転写画像を形成する工程、熱転写画像が形成された熱転写受像シート上に、保護層を転写する工程を含む。このような印画物の製造方法によれば、耐久性が良好であり、且つ、熱転写画像が形成された受容層と保護層との密着性が良好な印画物を製造できる。
熱転写画像の形成は、図2、図4に示すように、転写層10と面順次に、色材層5が設けられた本開示の熱転写シート100を用いて行ってもよく、図9に示すように、色材層5を有する別の熱転写シート100Aを用いて行ってもよい。図9は、熱転写画像を形成するために用いられる一例としての熱転写シート100Aの概略断面図である。図9では、色材層5と面順次に保護層7が設けられているが、色材層5のみを有する熱転写シートを用いてもよい。
保護層7の転写は、図3、図4に示すように、転写層10と面順次に、保護層7が設けられた本開示の熱転写シート100を用いて行ってもよく、図9に示すように、保護層7を有する別の熱転写シート100Aを用いて行ってもよい。図9は、受容層上に保護層を転写するために用いられる一例としての熱転写シート(保護層転写シート)の概略断面図である。図9では、保護層7と面順次に色材層5が設けられているが、保護層7のみを有する熱転写シートを用いてもよい。また、本願明細書でいう保護層7の転写とは、熱ラミネートにより、受容層2上に保護フィルム等を設ける方法も含む。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。表1に、各受容層用塗工液に含まれるアクリル樹脂の含有量、及び配合割合を示す。なお、以下、及び表1中に記載の「TCDMA」は、トリシクロデカニルメタクリレート、「IB−XA」は、イソボルニルメタクリレートを意味する。
(実施例1)
支持体として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、支持体の一方の面上に、下記組成の受容層用塗工液1を、塗布・乾燥して厚みが1μmの受容層を形成した。次いで、受容層上に、下記組成の接着層用塗工液1を、塗布・乾燥して厚みが1μmの接着層を形成した。支持体の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液1を、塗布・乾燥して厚みが1μmの背面層を形成することで、支持体の一方の面上に、受容層、接着層がこの順で設けられ、支持体の他方の面に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。なお、受容層、及び接着層は、本開示の熱転写シートの転写層を構成する。
<受容層用塗工液1>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 10部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
<接着層用塗工液1>
・ポリエステル 20部
・シリカフィラー 0.2部
・イソプロピルアルコール 20部
・水 60部
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルブチラール 1.8部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 5.5部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.35部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 18.5部
・メチルエチルケトン 18.5部
(実施例2)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液2>
・アクリル樹脂(酸価:40mgKOH/g) 10部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例3)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液3に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液3>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 20部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 80部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例4)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液4に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液4>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 5部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 95部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例5)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液5に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液5>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 25部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 75部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例6)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液6に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液6>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 3部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 97部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例7)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液7に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液7>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 50部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 50部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例8)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液8に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例8の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液8>
・アクリル樹脂(酸価:150mgKOH/g) 10部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例9)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液9に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例9の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液9>
・アクリル樹脂(酸価:80mgKOH/g) 10部
・TCDMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例10)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液10に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例10の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液10>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 10部
・アクリル樹脂(酸価:19mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例11)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液11に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例11の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液11>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 25部
・アクリル樹脂(酸価:19mgKOH/g) 75部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例12)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液12に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例12の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液12>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 3部
・アクリル樹脂(酸価:19mgKOH/g) 97部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例13)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液13に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例13の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液13>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 10部
・IB−XA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例14)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液14に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例14の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液14>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 25部
・IB−XA重合体(酸価:0mgKOH/g) 75部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例15)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液15に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例15の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液15>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 3部
・IB−XA重合体(酸価:0mgKOH/g) 97部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例16)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液16に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例16の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液16>
・アクリル樹脂(酸価:40mgKOH/g) 100部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例17)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液17に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例17の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液17>
・アクリル樹脂(酸価:110mgKOH/g) 25部
・アクリル樹脂(酸価:40mgKOH/g) 75部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(実施例18)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液18に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例18の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液18>
・アクリル樹脂(酸価:150mgKOH/g) 50部
・アクリル樹脂(酸価:19mgKOH/g) 50部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(比較例1)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液A>
・TDCMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 100部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(比較例2)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Bに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液B>
・アクリル樹脂(酸価:10mgKOH/g) 10部
・TDCMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(比較例3)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Cに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液C>
・アクリル樹脂(酸価:19mgKOH/g) 10部
・TDCMA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(比較例4)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Dに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液D>
・アクリル樹脂(酸価:19mgKOH/g) 100部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(比較例5)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Eに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例5の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液E>
・IB−XA重合体(酸価:0mgKOH/g) 100部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
(比較例6)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Fに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例6の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液F>
・アクリル樹脂(酸価:10mgKOH/g) 10部
・IB−XA重合体(酸価:0mgKOH/g) 90部
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 200部
Figure 2019177666
(被転写体の作成)
支持体として、RC紙(STF−150 三菱製紙(株)、厚み190μm)を用い、この支持体上に、下記組成の接着層用塗工液2を塗布・乾燥して厚みが3μmの接着層を形成した。次いで、接着層上に、厚みが25μmの基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)をラミネートすることで、支持体、接着層、基材がこの順で積層されてなる積層体を得た。
<接着層用塗工液2>
・多官能ポリオール 30部
(タケラック(登録商標)A−969−V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケネート(登録商標)A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 60部
次いで、上記で得た積層体の基材上に、下記組成の中間層用塗工液を塗布・乾燥して、厚みが1.2μmの中間層を形成し、この中間層上に、下記組成の受容層用塗工液を塗布・乾燥し、厚みが4μmの受容層を形成することで、支持体、接着層、基材、中間層、受容層がこの順で積層されてなる被転写体を得た。
<中間層用塗工液>
・水分散型ポリエステル(固形分25%、Tg20℃) 10部
(バイロナール(登録商標)MD−1480 東洋紡(株))
・導電性合成層状珪酸塩(平均一次粒子径25nm) 10部
(ラポナイトJS ウィルバー・エリス(株))
・水 80部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・シリコーン 0.75部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・シリコーン 0.1部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 33部
・トルエン 33部
(熱転写受像シートの作成)
上記で作成した被転写体と、各実施例、及び比較例の熱転写シートをそれぞれ組み合わせ、下記プリンタにより、各実施例、及び比較例の熱転写シートに、175/255階調(エネルギー階調)のエネルギーを印加して、被転写体上に、熱転写シートの転写層を転写することで、被転写体上に、各実施例、及び比較例の熱転写シートの転写層が転写され、その最表面に受容層が位置する各実施例、及び比較例の熱転写受像シートを得た。
(色材層を有する熱転写シートの作成)
支持体として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、支持体の一方の面上に、下記組成の背面層用塗工液2を塗布・乾燥して厚みが0.8μmの背面層を形成した。次いで、支持体の他方の面に、下記組成の色材プライマー層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが0.15μmの色材プライマー層を形成した。この色材プライマー層上に、下記組成のイエロー色材層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが0.6μmのイエロー色材層を形成し、色材層を有する熱転写シートを得た。
(背面層用塗工液2)
・ポリビニルアセタール(水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレック(登録商標)KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
(色材プライマー層用塗工液)
・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体 1.5部
(PVP/VA E−335 アイエスピー・ジャパン(株))
・水 50部
・イソプロピルアルコール 50部
(イエロー色材層用塗工液)
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール 3.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(保護層転写シートの作成)
基材として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材上に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが1μmの剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を塗布・乾燥して厚みが2μmの保護層を形成することで、基材上に剥離層、保護層がこの順で積層されてなる保護層転写シートを得た。剥離層、及び保護層は、保護層転写シートの転写層を構成する。
<剥離層用塗工液>
・アクリル 29部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・ポリエステル 1部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
<保護層用塗工液>
・ポリエステル 30部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
(画像形成物の形成)
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、上記で得た熱転写受像シートとを組み合わせ、下記プリンタにより、熱転写受像シートの受容層に、イエロー色材層を用いて2cm幅のストライプ画像(図11参照)を印画して、各実施例、及び比較例の画像形成物を得た。なお、図11中のA領域は175/255画像階調、B領域は255/255画像階調である。
(プリンタ)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:27(V)
ライン周期:1(msec./line)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
印画開始温度:29.0(℃)〜36.0(℃)
発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
搬送速度:84.6(mm/sec.)
印圧:3.5(kgf)〜4.0(kgf)
(離型性の評価)
上記各実施例、及び比較例の画像形成物を得るにあたり、各実施例、及び比較例の熱転写受像シート上に、上記イエロー色材層を用いた2cm幅のストライプ画像を印画しながら、上記プリンタの剥離板により、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートから、色材層を有する熱転写シートのイエロー色材層を剥離するときの、色材層を有する熱転写シートの引張強度を、上記プリンタ内において、熱転写シートの巻取りロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(大倉インダストリー(株) ASK−1000型番)により測定した。なお、ここで測定される色材層を有する熱転写シートの引張強度は、色材層を有する熱転写シートを、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離(離型)するときの実質的な剥離力を示している。つまりは、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートの転写層の実質的な剥離力(離型性)を示している。比較例1における剥離力を基準剥離力とし、下記評価基準により離型性評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、離型性の評価において、「NG」の評価となっているものについては、熱転写受像シートから色材層を有する熱転写シートを正常に剥離できず、熱転写受像シートと色材層を有する熱転写シートとが一部で融着するなどの印画不良が生じている。
「評価基準」
比較例1の剥離力を基準剥離力としたときに、
A:剥離力が、基準剥離力に15gf(0.147N)を加算した剥離力以下。
B:剥離力が、基準剥離力に15gf(0.147N)を加算した剥離力より大きく、基準剥離力に25gf(0.245N)を加算した剥離力以下。
NG:剥離力が、基準剥離力に25gf(0.245N)を加算した剥離力より大きい。
(濃度評価)
各実施例、比較例の画像形成物が有する熱転写画像におけるイエロー部分の反射濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて濃度評価を行った。反射濃度の測定は、分光測定器(i1−Pro2 X−Rite社 Density Status:Ansi−A D65光源 測定角2° フィルタなし)により測定した。評価結果を表2に併せて示す。
「評価基準」
比較例1の反射濃度を基準反射濃度としたときに、
A:反射濃度が、基準反射濃度の1.1倍以上。
B:反射濃度が、基準反射濃度の0.9倍以上1.1倍未満。
NG:反射濃度が、基準反射濃度の0.9倍未満。
(印画物の作成)
上記で作成した保護層転写シートと、上記で得た各実施例、及び比較例の画像形成物とを組み合わせ、上記プリンタを用い、表2に示す条件(エネルギー階調条件)で、受容層上に、保護層転写シートの転写層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
(密着性評価)
上記各条件で得られた、各実施例、及び比較例の印画物上に、テープ(Scotch(登録商標) tape(BK−24) スリーエム社)を貼り付け、90°の剥離角度でテープを剥がしたときの、保護層転写シートにより転写された転写層の状態を確認し、以下の評価基準に基づいて密着性評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
「評価基準」
A:印画物から転写層が剥がれない。
B:印画物から一部転写層が剥がれる。
NG:印画物から転写層が全部剥がれる。
Figure 2019177666
100…熱転写シート
1…熱転写シートの支持体
2…受容層
4…機能層
5…色材層
7…保護層
100A…色材層、及び保護層を有する熱転写シート
300…熱転写受像シート
51…熱転写受像シートの支持体
66…プライマー層
68…裏面層
61…基材
62…接着層
63…フィルム
400…中間転写媒体
401…中間転写媒体の支持体
410…剥離層
301…被転写体
310…熱転写画像
350…印画物

Claims (12)

  1. 支持体の一方の面上に受容層が設けられた熱転写受像シートであって、
    前記受容層が、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している、
    熱転写受像シート。
  2. 前記受容層の総質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、5質量%以上である、
    請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記受容層が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有している、
    請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を構成モノマーとして含む、
    請求項3に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂と、前記酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の合計質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、30質量%以下である、
    請求項3又は4に記載の熱転写受像シート。
  6. 熱転写受像シートの製造に用いる熱転写シートであって、
    支持体の一方の面上に転写層が設けられ、
    前記転写層は、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈し、且つ、前記転写層を構成する層のうち、前記支持体から最も近くに、受容層が位置しており、
    前記受容層が、酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂を含有している、
    熱転写シート。
  7. 前記受容層の総質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、5質量%以上である、
    請求項6に記載の熱転写シート。
  8. 前記受容層が、酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂を含有している、
    請求項6又は7に記載の熱転写シート。
  9. 前記酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を構成モノマーとして含む、
    請求項8に記載の熱転写シート。
  10. 前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂と、前記酸価が40mgKOH/g未満のアクリル樹脂の合計質量に対する、前記酸価が40mgKOH/g以上のアクリル樹脂の含有量が、30質量%以下である、
    請求項8又は9に記載の熱転写シート。
  11. 前記支持体の一方の面上に、前記転写層と面順次に保護層が設けられた、
    請求項6乃至10の何れか1項に記載の熱転写シート。
  12. 前記支持体の一方の面上に、前記転写層と面順次に色材層が設けられた、
    請求項6乃至11の何れか1項に記載の熱転写シート。
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