JP2018058225A - 熱転写受像シート、熱転写シート、受容層用塗工液、熱転写受像シートの形成方法、及び印画物の形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施の形態に係る熱転写シート(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)は、図1に示すように、支持体1の一方の面上に、転写層10が設けられた構成をとり、転写層10は、受容層2を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈しており、受容層2は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置している。図1は、一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
支持体1は一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、支持体1の一方の面上に設けられる転写層10、或いは、支持体1と転写層10との間に設けられる任意の層(例えば、後述する任意の離型層)等を保持するために設けられる。支持体1の材料については特に限定されないが、転写層10を、被転写体上に転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような支持体1として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、支持体1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5μm以上100μm以下の範囲が一般的である。
図1に示すように、支持体1上には、転写層10が設けられている。転写層10は、支持体1から剥離可能に設けられており、熱転写により、被転写体301上に移行する(転写される)層である(図2参照)。転写層10は、2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈しており、少なくとも受容層2を含んでいる。そして、一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置する層が受容層2であることを必須の条件としている。これは、被転写体301上に、受容層2を含む転写層10を転写することで形成される熱転写受像シート300(図2参照)の最表面に受容層2を位置させるためである。
一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成し、当該転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置する受容層2がアクリル系樹脂を含有しており、当該アクリル系樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含んでいることを特徴としている。以下、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含むアクリル系樹脂のことを、「特定のアクリル系樹脂」と言う場合がある。なお、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートは、下式(1)で示されるトリシクロデカニルメタクリレート、又は下式(2)で示されるトリシクロデカニルアクリレートを意味する。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・Wn/Tgn・・・(FOX式)
(式中Tg1、Tg2、Tgnは重合体部分のガラス転移温度(Tg(K))を示し、W1、W2、Wnは各重合体単量体の質量比率を示し、W1+W2+・・・Wn=1である)。Fox式における各重合単量体のガラス転移温度は、たとえば、Polymer Handbook Third Edition(Wiley−Interscience:1989)に記載の値を用いればよい。
受容層2上には、転写層10を構成する機能層4が設けられている。機能層4について特に限定はなく、転写層10、或いは、一実施形態の熱転写シート100を用いて形成される熱転写受像シート300に求められる機能に応じて適宜決定すればよい。なお、機能層4は単層構成を呈していてもよく、2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。
一例としての機能層4は、被転写体301上に転写層10を転写したときに、被転写体と転写層10との密着性を向上させるための接着層(ヒートシール層と称される場合もある)としての役割を果たす。また、他の一例としての機能層4は、被転写体の表面の一部、或いは全部を隠蔽するための隠蔽層としての役割を果たす。
また、支持体1と転写層10との間に離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層は、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成であり、転写層10を構成しない層である。つまりは、被転写体301上に転写層10を転写するときに、支持体1側に残存する層である。支持体1と転写層10との間に離型層を設けることで、「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2の良好な転写性と相まって、転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。
また、支持体1の転写層10が設けられている面とは反対側の面に背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成である。
他の実施の形態に係る熱転写シート(以下、他の実施形態の熱転写シートと言う)は、図5に示すように、支持体1の一方の面上に、上記で説明した転写層10と、色材層5が面順次に設けられている。つまり、他の実施形態の熱転写シート100Aは、上記で説明した一実施形態の熱転写シート100において、さらに、支持体1の一方の面上に、色材層5が設けられている構成をとる。また、図5に示す他の実施形態の熱転写シート100Aにおいて、支持体1の一方の面上に、転写層10、色材層5、保護層(図示しない)を面順次に設けることもできる。また、保護層にかえて、或いはこれとともに顔料を含有する色材層(図示しない)や、ホログラム層で構成される任意の特色パネル(図示せず)等を面順次に設けることもできる。これらの層の順序について特に限定はない。
一例としての色材層5は、色材としての昇華性染料、バインダー樹脂を含有している。色材層5は、所望の画像がモノカラーである場合には、適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、イエローの昇華性染料、マゼンタの昇華性染料、シアンの昇華性染料等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層を、支持体501の同一面に面順次に、繰り返し形成してもよい。なお、色材層5は、以下で説明するものに限定されるものではなく、熱転写シートの分野で従来公知の色材層をそのまま適用することができる。
昇華性染料について特に限定はないが、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル(株))、CeresRed 7B(バイエル(株))、Samaron Red F3BS(三菱化学(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント(株))、PTY−52(三菱化学(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル(株))等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント(株))、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を挙げることができる。
色材層に含まれ、上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂についても特に限定はなく、ある程度の耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。
支持体1と色材層5との間に、支持体1と色材層5との密着性の向上を目的とする色材プライマー層(図示しない)を設けてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る熱転写受像シート(以下、一実施形態の熱転写受像シートと言う)について説明する。図6、図7に示すように、一実施形態の熱転写受像シート200は、支持体51の一方の面上に、受容層2が設けられた構成をとる。以下、一実施形態の熱転写受像シート200の各構成について説明する。
熱転写受像シートの支持体51は、受容層2を支持することができるものであればよく特に限定はない。例えば、支持体51は、図6に示すように、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよく、図7に示すようにフィルム63、接着層62、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよい。また、単層構造をとるものであってもよい。単層構造の支持体51としては、例えば、基材61からなる支持体51や、フィルム63からなる支持体51などを挙げることができる。
基材61としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。基材61の厚みについて特に限定はなく、通常10μm以上300μm以下の範囲である。特に好ましくは、110μm以上140μm以下の範囲である。また、本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(STF−150 三菱製紙(株))、コート紙(オーロラコート 日本製紙(株))等を好適に使用可能である。
フィルム63としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填材を加えて成膜した白色不透明フィルム、内部にミクロボイドを有するフィルム等を挙げることができる。
基材61とフィルム63との間には、接着層62が設けられていることが好ましい。基材61とフィルム63とを貼り合わせて接着するための接着層は、接着剤を含んでおり接着機能を有する。接着剤成分としては、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等を挙げることができる。中でもアクリル系樹脂の反応型のものや、変性したもの等を好ましく使用することができる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。
熱転写受像シートの支持体51上には、受容層2が設けられている。受容層2は、アクリル系樹脂を含有しており、一実施形態の熱転写受像シート200は、受容層2が含有しているアクリル系樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含んでいることを特徴としている。つまりは、熱転写受像シート200の受容層2が、上記一実施形態の熱転写シート100で説明した「特定のアクリル系樹脂」を含有していることを特徴としている。
図6、図7に示すように、支持体51と受容層2との間にプライマー層66を設けてもよい。プライマー層66を設けることで、支持体51と受容層2との接着性を向上させることができる。プライマー層66に含まれるバインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、プライマー層66は、水分散系のプライマー層であってもよく、溶剤分散系のプライマー層であってもよい。プライマー層66の厚みは、0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましい。
図6、図7に示すように、支持体51の受容層2が設けられている側と反対側の面に裏面層68を設けてもよい。裏面層68は、一実施形態の熱転写受像シート200における任意の構成である。
次に、本発明の実施の形態に係る受容層用塗工液(以下、一実施形態の受容層用塗工液)について説明する。一実施形態の受容層用塗工液は、アクリル系樹脂を含有しており、当該アクリル系樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含んでいることを特徴としている。つまりは、一実施形態の受容層用塗工液が、「特定のアクリル系樹脂」を含有していることを特徴としている。
次に、本発明の実施の形態に係る熱転写受像シートの形成方法(以下、一実施形態の熱転写受像シートの形成方法)について説明する。一実施形態の熱転写受像シートの形成方法は、転写層10を有する熱転写シート100(図1参照)と、被転写体301とを組合せ、被転写体301上に転写層10を転写する工程を含む。そして、一実施形態の熱転写受像シートの形成方法は、転写層10を有する熱転写シート100が、上記一実施形態の熱転写シート100であることを特徴としている。
次に、本発明の実施の形態に係る印画物の形成方法(以下、一実施形態の印画物の形成方法と言う)について説明する。一実施形態の印画物の形成方法は、受容層2を有する熱転写受像シート200、300と、色材層510を有する熱転写シート500とを組合せ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用い、受容層2に熱転写画像を形成する工程を含む。そして、一実施形態の印画物の形成方法は、受容層2を有する熱転写受像シート200、300として、上記一実施形態の熱転写受像シート200、或いは、上記一実施形態の熱転写受像シートの形成方法により形成された熱転写受像シート300が用いられることを特徴としている。つまりは、上記「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2を有する熱転写受像シート200、300が用いられることを特徴としている。
また、以下、「A1−A2−A3共重合体(共重合比率B1:B2:B3)」等とある記載は、A1成分の共重合比率がB1(%)、A2成分の共重合比率がB2(%)、A3成分の共重合比率がB3(%)であることを意味する。例えば、TCDMA−LA共重合体(共重合比率75:25)は、TCDMAの共重合比率が75%であり、LAの共重合比率が25%であることを意味する。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布(乾燥時塗布量:1g/m2)、乾燥し背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成の受容層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布(乾燥時塗布量:1g/m2)、乾燥し受容層を形成した。次いで、受容層上に、下記組成の隠蔽層用塗工液を、乾燥時の厚みが2μmとなるように塗布(乾燥時塗布量:2g/m2)、乾燥し隠蔽層を形成し、基材の一方の面上に、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる転写層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 5.5部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.35部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 18.5部
・メチルエチルケトン 18.5部
・TCDMA−LA共重合体(共重合比率75:25) 20部
(Mw:10.4×104 Tg:108℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
・アクリル系樹脂 15部
・酸化チタン 30部
・イソプロピルアルコール 15部
・水 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
・TCDMA−LA共重合体(共重合比率75:25) 20部
(Mw:27.5×104 Tg:108℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液3に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
・TCDMA−BA共重合体(共重合比率71:29) 20部
(Mw:12.1×104 Tg:70℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液4に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
・TCDMA−BA共重合体(共重合比率59:41) 20部
(Mw:12.7×104 Tg:40℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液5に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。
・TCDMA−BA共重合体(共重合比率67:33) 20部
(Mw:11.4×104 Tg:60℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液6に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
・TCDMA−BA共重合体(共重合比率67:33) 20部
(Mw:24.0×104 Tg:60℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液7に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
・TCDMA−EA共重合体(共重合比率71:29) 20部
(Mw:13.0×104 Tg:91℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
・St−n−BMA共重合体(共重合比率45:55) 20部
(Mw:7.0×104 Tg:51℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Bに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを得た。
・St−LA共重合体(共重合比率71:29) 20部
(Mw:8.8×104 Tg:60℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Cに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを得た。
・St−LA共重合体(共重合比率54:46) 20部
(Mw:9.2×104 Tg:40℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Dに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを得た。
・St−BA−LA共重合体(共重合比率72:14:14) 20部
(Mw:8.7×104 Tg:48℃)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Eに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例5の熱転写シートを得た。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16.8部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
支持体として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.8μmとなるように塗布(乾燥時塗布量:0.8g/m2)、乾燥し耐熱滑性層を形成した。次いで、基材の他方の面に、下記組成の染料プライマー層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.15μmとなるように塗布(乾燥時塗布量:0.15g/m2)、乾燥し染料プライマー層を形成した。この染料プライマー層上に、イエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液、シアン色材層用塗工液をそれぞれ、乾燥時の厚みが0.6μmとなるように面順次に塗布(乾燥時塗布量:0.6g/m2)、乾燥し色材層を形成し、色材層を有する熱転写シートを得た。
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレック(登録商標)KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・酢酸ビニルビニルピロリドン共重合体 1.5部
(PVP/VA E−335 ISPジャパン(株))
・水 50部
・イソプロピルアルコール 50部
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Disperse Red 60 1.5部
・Disperse Violet 26 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Solvent Blue 63 2.0部
・Disperse Blue 354 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
支持体として、RC紙(STF−150 三菱製紙(株)、厚み190μm)を用い、この支持体上に、下記組成の接着層用塗工液をグラビアコート法により、乾燥時の厚みが3μmとなるように塗布(乾燥時塗布量:3g/m2)、乾燥し接着層を形成した。次いで、接着層上に、厚みが25μmの基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)をラミネートすることで、支持体、接着層、基材がこの順で積層されてなる積層体を得た。
・多官能ポリオール 30部
(タケラック(登録商標)A−969−V 武田薬品工業(株))
・イソシアネート 10部
(タケラック(登録商標)A−5 武田薬品工業(株))
・酢酸エチル 60部
・水分散型ポリエステル樹脂(固形分25%、Tg20℃) 10部
(バイロナール(登録商標)MD−1480 東洋紡(株))
・導電性合成層状珪酸塩(平均一次粒子径25nm) 10部
(ラポナイトJS ウィルバー・エリス(株))
・水 80部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・シリコーン 0.75部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・シリコーン 0.1部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 33部
・トルエン 33部
上記で作成した被転写体と、各実施例、及び比較例の熱転写シートを組合せ、下記プリンタを用い、175/255階調の条件で、被転写体上に転写層を転写しながら、下記プリンタの剥離板により、当該被転写体上に転写された転写層を、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離することで、被転写体上に転写層が設けられた各実施例、及び比較例の熱転写受像シートを得た。
下記プリンタを用いて、上記各実施例、及び比較例の熱転写受像シートを得るにあたり、被転写体上に転写層を転写しながら、被転写体上に転写された転写層を熱転写シートから剥離するときの熱転写シートの引張強度を、下記プリンタ内において、熱転写シートの巻取りロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(大倉インダストリー(株) ASK−1000型番)を用いて測定した。なお、ここで測定される熱転写シートの引張強度は、被転写体上に転写された転写層を、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離するときの剥離力の実質的な値を示している。つまりは、転写層の剥離力の実質的な値を示している。比較例5の剥離力を基準剥離力とし、下記評価基準により転写性評価を行った。評価結果を表1に示す。
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:27(V)
1ライン周期:1(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
印画開始温度:29.0(℃)〜36.0(℃)
発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
搬送速度:84.6(mm/sec.)
印圧:3.5(kgf)〜4.0(kgf)
比較例5の剥離力を基準剥離力としたときに、
A:剥離力が、基準剥離力の0.8倍未満。
B:剥離力が、基準剥離力の0.8倍以上、1.05倍未満。
NG:剥離力が、基準剥離力の1.05倍以上。
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、上記で得た各実施例、及び比較例の熱転写受像シートとを組合せ、上記プリンタにより、各実施例、及び比較例の熱転写シートに2cm幅で縦ストライプ画像(イエロー画像(175/255階調))を印画しながら、上記プリンタの剥離板により、各実施例、及び比較例の熱転写シートから、色材層を有する熱転写シートを剥離することで、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
上記プリンタを用いて、上記各実施例、及び比較例の印画物を得るにあたり、各実施例、及び比較例の熱転写受像シート上に、色材層の色材を移行させながら、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートから、色材層を有する熱転写シートを剥離するときの、色材層を有する熱転写シートの引張強度を、上記プリンタ内において、熱転写シートの巻取りロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(大倉インダストリー(株) ASK−1000型番)により測定した。なお、ここで測定される色材層を有する熱転写シートの引張強度は、色材層を有する熱転写シートを、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離(離型)するときの実質的な剥離力を示している。つまりは、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートの転写層の実質的な剥離力(離型性)を示している。比較例5における剥離力を基準剥離力とし、下記評価基準により離型性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、離型性の評価において、「NG」の評価となっているものについては、熱転写受像シートから色材層を有する熱転写シートを正常に剥離することができず、熱転写受像シートと色材層を有する熱転写シートとが一部で融着するなどの印画不良が生じている。
比較例5の剥離力を基準剥離力としたときに、
A:剥離力が、基準剥離力の0.8倍未満。
B:剥離力が、基準剥離力の0.8倍以上、1.05倍未満。
NG:剥離力が、基準剥離力の1.05倍以上。
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、各実施例、及び比較例の熱転写シートとを組み合わせ、上記プリンタを用い、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の順に印画を行い、255/255階調(濃度Max)の三次色のブラック(3Bk)画像を形成した。
測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社)
光源:D65
視野角:2°
濃度測定用フィルター:ANSI Status A
「評価基準」
比較例5の濃度残存率を基準濃度残存率としたときに、
A:濃度残存率が、基準濃度残存率の1.3倍以上。
B:濃度残存率が、基準濃度残存率の0.95倍以上、1.3倍未満。
NG:濃度残存率が、基準濃度残存率の0.95倍未満。
1…熱転写シートの支持体
2…受容層
4…機能層
200、300…熱転写受像シート
51…熱転写受像シートの支持体
66…プライマー層
68…裏面層
61…基材
62…接着層
63…フィルム
400…中間転写媒体
401…中間転写媒体の支持体
41…剥離層
500…色材層を有する熱転写シート
501…色材層を有する熱転写シートの支持体
5、510…色材層
・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体 1.5部
(PVP/VA E−335 アイエスピー・ジャパン社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 50部
・多官能ポリオール 30部
(タケラック(登録商標)A−969−V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケネート(登録商標)A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 60部
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:27(V)
ライン周期:1(msec./line)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
印画開始温度:29.0(℃)〜36.0(℃)
発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
搬送速度:84.6(mm/sec.)
印圧:3.5(kgf)〜4.0(kgf)
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートとを組み合わせ、上記プリンタを用い、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の順に印画を行い、255/255階調(濃度Max)の三次色のブラック(3Bk)画像を形成した。
測色器:分光測定器SpectroLino(X−Rite社)
光源:D65
視野角:2°
濃度測定用フィルター:ANSI Status A
Claims (6)
- 支持体の一方の面上に受容層が設けられた熱転写受像シートであって、
前記受容層は、アクリル系樹脂を含有しており、
前記アクリル系樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含むことを特徴とする熱転写受像シート。 - 受容層を有する熱転写受像シートを形成するための熱転写シートであって、
支持体の一方の面上に転写層が設けられ、
前記転写層は、受容層を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈しており、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記支持体から最も近くに位置しており、
前記受容層は、アクリル系樹脂を含有しており、
前記アクリル系樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含むことを特徴とする熱転写シート。 - 受容層を形成するための受容層用塗工液であって、
前記受容層用塗工液は、アクリル系樹脂を含有しており、
前記アクリル系樹脂が、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含むことを特徴とする受容層用塗工液。 - 熱転写受像シートの形成方法であって、
転写層を有する熱転写シートと、被転写体とを組み合わせ、前記被転写体上に前記熱転写シートの前記転写層を転写する工程を含み、
前記熱転写シートが、請求項2に記載の熱転写シートであることを特徴とする熱転写受像シートの形成方法。 - 印画物の形成方法であって、
請求項1に記載の熱転写受像シートと、色材層を有する熱転写シートとを組み合わせ、前記熱転写受像シートの前記受容層に熱転写画像を形成する工程を含むことを特徴とする印画物の形成方法。 - 印画物の形成方法であって、
請求項4に記載の熱転写受像シートの形成方法により形成された熱転写受像シートと、色材層を有する熱転写シートとを組み合わせ、前記熱転写受像シートの前記受容層に熱転写画像を形成する工程を含むことを特徴とする印画物の形成方法。
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