JP2013049189A - 受容層熱転写シート、及びそれを用いた印画物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印画においても、充分な離型性を有する受容層熱転写シートを提供すること。
【解決手段】基材と、前記基材の一方の面上に背面層を有し、前記基材の他方の面上に剥離可能な受容層を有する受容層熱転写シートにおいて、前記受容層は、塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスと離型剤を含むものとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、受容層熱転写シート、及びそれを用いた印画物の製造方法に関し、詳しくは、印画が高速化した場合であっても充分な離型性を有する受容層熱転写シート、及びそれを用いた印画物の製造方法に関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。
熱転写受像シートとしては、例えば、基材上に色素を受容することができる受容層が形成されたものや、プラスチックカードの様に、基材自体が受容層の機能を有するものなどがある。また、天然紙などの様に受容層を有さない被転写体に対しては、受容層熱転写シートを使って受容層を形成することができる。
このような受容層熱転写シートとして、例えば特許文献1では、基材シートの一方の面に、剥離層、染料受容層、接着層を有するものが提案されている。接着層には、発泡剤や酸化チタンなどが含まれている。
また、このような受容層熱転写シートの用途として、レンチキュラーレンズシートに受容層を熱転写するものが知られている。レンチキュラーレンズシートとは、一方の面に微小な凸レンズが一様に形成されたシートである。その他方の面に画像が形成されたレンチキュラーレンズシートは、その一方の面に設けられたレンチキュラーレンズを通して見ると、見る角度によって二画面以上の画像を視認することができ、例えば立体画像や擬似的な動画を観賞することができる。レンチキュラーレンズシートの背面に印字された画像は、二以上の画像をそれぞれ短冊状に分割し、再構成された疑似画像である。そのため、見る角度によって映し出される個々の画像は、短冊状に分割された一画面分の疑似画像がレンチキュラーレンズで屈折され、一つの画像としてレンズ前面から観賞される。
例えば特許文献2において、基材フィルム上に、色材転写部と白色層転写部とを面順次に設けた一体型熱転写シートを準備し、該熱転写シートの色材転写部からレンチキュラーレンズシートの背面側に加熱デバイスを用いて色材を熱移行させて、該レンチキュラーレンズシートを通して見たときに二以上の画像を視認できる擬似画像を形成し、その後、同じ加熱デバイスを用いて該熱転写シートの白色層転写部から擬似画像の上に白色層を熱転写方法、が提案されている。
ところで、熱拡散型転写方式では印画の高速化への要求が高まっている。印画を高速化した場合には、単位時間に熱転写シートと熱転写受像シートが受ける熱エネルギーが大きくなり、これによって熱転写シートと熱転写受像シートとが印画時に熱融着する(離型性が不足する)可能性が高くなる。
このような状況の下で、熱転写受像シートにおいては上記課題を解決する為に様々な検討がなされている。しかしながら、印画が高速化した場合であっても充分な離型性を有する受容層熱転写シートについては、これまでに充分な検討がなされていなかった。
特開平5−294082 特開平11−142995
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の受容層を有する受容層熱転写シートによって上記課題を解決できる事を知見し、本発明を完成するに至った。
第一の発明は、基材と、前記基材の一方の面上に背面層を有し、前記基材の他方の面上に剥離可能な受容層を有する受容層熱転写シートにおいて、前記受容層は塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスと離型剤を含むことを特徴とする受容層熱転写シート、が提供される。
受容層熱転写シートは、前記受容層上に断熱層が形成されたものであっても良い。断熱層はバインダ樹脂と中空粒子を含むものであり、前記バインダ樹脂はスチレンブタジエンラテックスや水系ウレタン樹脂であっても良い。また、前記中空粒子は体積平均粒径が0.3〜20μmであっても良い。
受容層熱転写シートは、基材の一方の面上に背面層を有し、前記基材の他方の面上に、少なくとも1色の色材層と、剥離可能な受容層とが面順次に形成されたものであっても良い。
第二の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載された受容層熱転写シートを準備するステップと、レンチキュラーレンズシートを準備するステップと、前記レンチキュラーレンズシートと前記受容層熱転写シートとを重ね合わせて、受容層を熱転写するステップとを含むことを特徴とする画像形成方法が提供される。
本発明によれば、印画が高速化した場合であっても、充分な離型性を有する受容層熱転写シートを提供することができる。
本発明の受容層熱転写シートの一例を示す概略断面図 本発明の受容層熱転写シートの一例を示す概略断面図
受容層熱転写シート
本発明の受容層熱転写シートを、図面を使用して説明する。図1は本発明の受容層熱転写シートの一態様を示す概略断面図である。受容層熱転写シート10は、基材12の一方の面に背面層11が形成され、基材12の他方の面に受容層13と断熱層14がこの順に形成されている。受容層を熱転写する際は、背面層2側からサーマルヘッドなどの熱源によって加熱され、受容層13と断熱層14を含む転写層15が被転写体に転写される。続いて、転写後の受容層面と色材層を有する熱転写シート(図示しない)とを重ね合わせ、熱転写シートの背面層側からサーマルヘッドなどの熱源によって加熱し、画像を形成する。
図2は本発明の受容層熱転写シートの一態様を示す概略断面図である。受容層熱転写シート100は、基材102の一方の面に背面層101が形成され、基材102の他方の面に転写層106と色材層105が、面順次に形成されている。転写層106は、基材側から受容層103、断熱層104の順に形成されている。熱転写を行う際は、背面層102側からサーマルヘッドなどの熱源によって加熱されて転写層106が被転写体に転写される。続いて、転写後の受容層面と色材層105とを重ね合わせ、背面層102側からサーマルヘッドなどの熱源によって加熱し、画像を形成する。
背面層
背面層は、基材の一方の面に形成されている、本発明の受容層熱転写シートにおける必須の構成であり、熱転写する際にサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、印画に支障の無い耐熱性を受容層転写シートに付与するものである。背面層は、樹脂や硬化剤、滑材を含むことができる。
使用できる樹脂については特に限定はないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、及びポリビニルアルコールが挙げられる。耐熱性を考慮して、ガラス転移点が60℃以上のものが好ましい。
使用できる硬化剤については特に限定はないが、例えばイソシアネート系硬化剤が使用できる。イソシアネート系硬化剤は、バインダ樹脂が水酸基を有する場合にはこれを利用して架橋させ、背面層の塗膜強度または耐熱性を向上させるものである。
イソシアネート系硬化剤としては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートを使用することができる。
使用できる滑材については特に限定はないが、例えば、リン酸エステル系化合物や高級脂肪酸エステル系化合物及びその金属塩、ポリオレフィン系ワックス、シリコーンオイルやシリコーンフィラー等のシリコーン系化合物、フッ素系化合物等を使用することができる。また、上記以外にも、無機微粒子などの種々の添加剤を特に制限無く使用することができる。
背面層は、組成成分を適当な有機溶剤に溶解あるいは分散させ、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法で基材シートの一方の面に塗布し、乾燥して形成することができる。
基材
基材は、本発明の受容層熱転写シートにおける必須の構成であり、受容層、断熱層、及び色材層を保持するために設けられる。基材の材料については特に限定されないが、熱転写する際にサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、1〜10μm程度が一般的で、好ましくは2〜6μmである。
受容層
本発明における受容層は、色材層と重ね合わせて熱転写を行なっても色材層と熱融着の問題が発生しない程度の離型性を有するものであり、本発明の必須の構成である。また、熱転写による画像形成時に色材層から転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができるものである。
本発明の受容層は、塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスと離型剤を含むものである。
(塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックス)
塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスは、色材層との離型性を高める機能を有するものである。本発明では、塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックス、及び溶剤系の塩化ビニル系樹脂を以下の方法によって水系分散したポリマーラテックスを使用できる。
塩化ビニル系樹脂とは、構成単位として塩化ビニルを含む樹脂の事であり、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニルーアクリル樹脂共重合樹脂などが挙げられる。また、溶剤系の塩化ビニル系樹脂とは、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンやベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒およびそれらの混合物を主成分とする溶媒に溶解する塩化ビニル系樹脂のことである。
離型性を向上する観点からは、塩化ビニル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂がより好ましい。
本発明においては、市販の塩化ビニル系樹脂を使用することができる。
このような市販の塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスとして、例えば、ビニブラン900、ビニブラン278、ビニブラン603、ビニブラン690などを好ましく用いることができる。
また、このような市販の溶剤系の塩化ビニル系樹脂として、例えば、ソルバインA、ソルバインC、ソルバインCL、ソルバインCH、ソルバインCN、ソルバインCNLなどを好ましく用いることができる。
転写層が受容層のみである受容層熱転写シートの場合は、受容層は被転写体と良好に接着する必要がある。この様な観点からは、塩化ビニル系樹脂は塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂である事がより好ましい。
この様な塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスを使用する事によって離型性を向上できるメカニズムは必ずしも明らかではないが、おおよそ以下の通りであると考えている。
まず、受容層熱転写シートにおける離型性の向上が困難である理由について説明する。
受容層熱転写シートは、その使用に際して、まず受容層を被転写体に転写する。そして受容層を色材層と重ね合わせ、色材層を有する熱転写シートの背面側から加熱し、色材を受容層に熱転写する。すなわち、受容層の表裏面うち、受容層熱転写シートの基材側に存在していた面(以後、受容層表面と記す場合もある)と色材層とを重ね合わせて、色材の熱転写が行なわれる。
ところで、離型性は主として離型剤が多く存在する場所(面)ほど優れたものとなる事が知られている。この離型剤は、従来の有機溶剤に溶剤系樹脂と離型剤とを溶解させたインキを塗布して形成した受容層(以後、溶剤系受容層と記す場合もある)においては、受容層中に一様に存在するものでなく、受容層塗布面(受容層熱転写シートの基材側と反対の面、以後は受容層裏面と記す場合もある)に多く存在する事が、これまでの研究で分かっている。したがって、受容層表面と色材層を重ねて熱転写する場合には、受容層裏面と色材層を重ねて熱転写する場合と比較して、面上に存在する離型剤量が少なく、離型性が不利になる傾向がある。
以上から、受容層熱転写シートにおいては、優れた離型性を発現することが困難なものとなる可能性がある。
次に、塩ビ系樹脂のポリマーラテックスを含む受容層を有する受容層熱転写シートにおいて、優れた離型性が得られるメカニズムについて説明する。
第一に、塩ビ系樹脂のポリマーラテックスと離型剤を水系溶媒に溶解、又は分散したインキを塗布して形成した受容層(以後、水系受容層と記す場合もある)は、溶剤系受容層と比較して、離型剤が受容層内である程度均一に分散して存在している、という特徴を有するものであり、これに起因するメカニズムが考えられる。この特徴によって、水系受容層の受容層表面に存在する離型剤量は、溶剤系受容層よりも多くなる為、優れた離型性が得られると考えられる。
第二に、水系受容層の塗膜は、乾燥した後もある程度のポリマーラテックスが粒子状態で存在している、という特徴を有するものであり、これに起因するメカニズムが考えられる。この特徴によって、水系受容層には樹脂で満たされていない適度な隙間があり、溶剤系受容層と比較して離型剤が動きやすい状態にあると考えられる。色材の転写時には、離型剤が熱源(印画面)に向かって移動する事が知られているが、水系受容層は離型剤が移動できる適度な隙間を有しているので、離型剤の受容層表面への移行が速やかに起こる。これによって、より優れた離型性を得ることができると考えられる。
また、離型性以外の問題として、溶剤系受容層の様に受容層裏面に離型剤が多く存在する場合、受容層裏面の表面張力が上昇する可能性があり、受容層裏面に他の層を積層した時に『はじき』等の印刷不良が発生する虞がある。これに対して水系受容層は、受容層裏面に存在する離型剤量が少なく、『はじき』等の印刷不良が発生する可能性を低減することができる。
なお、上記は推定メカニズムであり、本発明はこれによって拘束されるものでない事は言うまでもない。
(離型剤)
本発明に使用できる離型剤は特に限定されないが、例えば、変性シリコーンオイルやフッ素系界面活性剤を挙げることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、これらを混合して用いたり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を含む受容層を形成することで、離型性を向上することができる。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−163、X−22−173D、X−22−343、X−22−2000、X−22−3000T、KF−101、KF−102、KF−1001、KF−1002、KP―1800U、X−22−4015、X−22−1660B、X−22−160ASD、KF−410等が好ましい。
(水系分散)
本発明において、溶剤系の塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスは、水系分散によって製造する。このようなポリマーラテックスは、溶剤系の塩化ビニル系樹脂を含んでなる溶剤系溶液を、乳化剤によって水系溶液中に乳化させたものである。例えば、以下のような方法により調製することができる。
まず、水系溶液と溶剤系溶液を別々に調製する。水系溶液は、上記の乳化剤と水とを混合して得られる。一方、溶剤系溶液は、溶剤系の塩化ビニル系樹脂を有機溶媒に混合して得られる。乳化剤が水に溶解しにくい場合には、溶剤系溶液に混合させておいてもよい。この溶剤系溶液を、水系溶液中に加えて、乳化させ、ポリマーラテックスを調製する。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分を調製することで、水系分散塗布液が得られる。
本発明における乳化剤は、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤のいずれも制限無く用いることができるが、分散性の観点からアニオン系乳化剤が好ましく、有機の強酸と無機の強塩基との塩からなるアニオン系乳化剤がさらに好ましい。このようなものとして、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸Na、コハク酸ジオクチルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸イソブチルエステル硫酸ナトリウム、オレイン酸硫酸化ナトリウム、天然アルコールエーテルサルフェートのナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、およびフェノールスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
なお、本発明において、「水系溶液」とは、水を媒体とする溶液であり、「溶剤系溶液」とは、有機溶媒を媒体とする溶液である。溶剤系溶液の調製に用いる有機溶媒としては、溶剤系樹脂を溶解させるものであれば良く、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンやベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。このような有機溶媒を用いることで、分散性を上げ、また水との適度な分散状態を維持する事ができる。これによって受容層用の水系分散塗布液を得ることができる。本発明においては、分散後、または分散と同時に、加熱および/または減圧などの手段によって有機溶剤を除去する工程を入れても良い。
断熱層
本発明における断熱層は、色材層の熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性やクッション性を有するものである。受容層の被転写体がレンチキュラーシートである場合は、受容層に形成された画像を断熱層越しに観察しても視認できる程度に、断熱層は透明性を有するものである。
本発明における断熱層は、中空粒子と親水性バインダを含むものであってもよく、その他の添加剤をさらに含んでもよい。断熱層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備えることができる。断熱層のクッション性の程度は、熱転写両面受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、断熱層のクッション性の程度についても、例えば、断熱層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。断熱層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、断熱層の密度は、例えば0.1g/cm3〜0.8g/cm3の範囲内、なかでも0.2g/cm3〜0.7g/cm3の範囲内であることが好ましい。
(親水性バインダ)
本発明の好ましい態様によれば、断熱層に含まれる親水性バインダとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水系ウレタン、ポリアクリル酸及びその共重合体、およびその塩を挙げることができる。水系ウレタンとは、水を媒体とする溶剤に溶解、又は分散可能なウレタン樹脂のことである。
断熱層は、被転写体がレンチキュラーシートである場合は、ある程度の透明性を有している必要がある。また、転写層が受容層と断熱層からなる転写シートの場合は、断熱層は被転写体と良好に接着するものである必要がある。このような観点から親水性バインダは、スチレンブタジエンラテックス、又は水系ウレタン、が好ましい。スチレンブタジエンラテックスとは、スチレン−ブタジエン共重合樹脂のラテックスのことである。
(中空粒子)
本発明で用いる中空粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の体積平均粒径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。断熱層の透明性を高める観点からは、0.3〜1.0μmであることが好ましく、0.3〜0.5μmであることがさらに好ましい。
本発明の中空粒子の体積平均粒径は、例えば以下のようにして求めることができる。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)にて乾燥体における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその外面側の直径(外径)を計測し、それらの値を平均して体積平均粒径とした。
また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。断熱層の透明性を高める観点からは樹脂等から構成される有機系中空粒子が好ましく、アクリルースチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂の中空粒子が特に好ましい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、HP−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
接着層
本発明の転写層は、断熱層上にさらに接着層を有するものであっても良い。これによって、被転写体との接着性をさらに向上することができる。本発明の接着層としては、被転写体との接着性を有していれば、従来公知の接着層を制限無く用いることができる。断熱層に含まれる中空粒子は有機溶剤で破壊される虞があるので、接着層を断熱層に直接形成する場合は、水系溶剤に溶解又は分散可能な接着層であることが好ましい。
受容層熱転写シートの製造方法
受容層熱転写シートは、各層の組成成分を、水などに溶解あるいは分散させ、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法で基材シートの一方の面に塗布し、乾燥して形成することができる。
色材層
図2に示す形態では、基材の背面層が設けられた面とは異なる面上には色材層が形成されている。
この色材層は、本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する色材層であり、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する色材層となる。なお、昇華性の染料を含有する色材層と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する色材層とを連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。以下、昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点において好ましい。
色材層の形成方法としては、上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤、フィラー等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた色材層用塗工液を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
白色層
本発明の受容層熱転写シートは、白色層が面順次に形成されたものであっても良い。白色層とは、色材が転写された受容層面に熱転写されるものである。受容層の被転写体としてレンチキュラーレンズシート等の透明支持体を使用する場合には、得られた画像の視認性を向上することができるので好ましいものとなる。
白色層としては公知のものを制限無く使用することができるが、例えば特開平11−142995に開示されたものを使用することができる。
その他の層
本発明の受容層熱転写シートにおいては、例えば、中間層や下引き層などの任意の層を形成したものとすることができる。これらを形成する位置については特に制限は無く、例えば、基材と受容層の間、受容層と断熱層の間に形成することができる。
レンチキュラーレンズシート
本発明のレンチキュラーレンズシートは透明支持体の一方の面にレンチキュラーレンズが形成されたものである。透明支持側には、上述した受容層熱転写シートによって転写層が熱転写される。
(透明支持体)
本発明で使用する透明支持体は、できるだけ平滑なシート表面を有することが好ましい。また、溶融押出しされた樹脂シートの熱に耐える必要があり、比較的耐熱性の高いポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)等を挙げることができる。
(レンチキュラーレンズ)
レンチキュラーレンズを形成する樹脂は、透明熱可塑性樹脂であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れ難さ、パターンの耐久性などを考慮するとポリ塩化ビニル樹脂(PVC)がより好ましい。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
基材の一方の面に、バーコーターを用いて下記の背面層塗工液を1.0g/m2(乾燥時固形分)となるように塗布し、90℃で1分乾燥して背面層を形成した。基材としては、6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製ルミラー)を使用した。
この背面層が形成された面と反対の面に、下記組成の受容層塗工液1をバーコーターで5.0g/m2(乾燥時固形分)となるように塗布し、50℃で2分乾燥して受容層熱転写シート1を得た。
背面層塗工液
・ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0質量部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0質量部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.7質量部
・メチルエチルケトン 100.0質量部
・トルエン 100.0質量部
受容層塗工液1
・ビニブラン900(固形分40%) 100.0質量部
(塩化ビニル系ポリマーラテックス、日信化学工業(株)製)
・KF−615A 4.0質量部
(ポリエーテル変性シリコーン(水系)、信越化学工業(株)製)
・イソプロピルアルコール 20.0質量部
・水 20.0質量部
(実施例2)
受容層塗工液1を受容層塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、受容層熱転写シート2を得た。
受容層塗工液2
・ビニブラン900(固形分40%) 100.0質量部
(塩化ビニル系ポリマーラテックス、日信化学工業(株)製)
・溶剤系シリコーンの水分散液 33.3質量部
・イソプロピルアルコール 10.0質量部
・水 10.0質量部
なお、上記の溶剤系シリコーンの水分散液は、以下のように調製した。まず、下記の組成となるように、水系溶液1および溶剤系溶液1を調製した。この水系溶液1と溶剤系溶液1とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分が18%になるように調製して、溶剤系シリコーンの水分散液を得た。
水系溶液1の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分10%)10質量部
・純水 56質量部
溶剤系溶液1の組成
・X−22−3000T 17質量部
(エポキシ変性シリコーン(溶剤系)、信越化学工業(株)製)
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 17質量部
(実施例3)
受容層塗工液1を受容層塗工液3とした以外は実施例1と同様にして、受容層熱転写シート3を得た。
受容層塗工液3
・溶剤系樹脂の水分散液 100.0質量部
・溶剤系シリコーンの水分散液 12.0質量部
溶剤系樹脂の水分散塗布液の調製
なお、上記の溶剤系樹脂の水分散塗布液は、以下のように調製した。まず、下記組成となるように、水系溶液2と溶剤系溶液2とを調整した。この水系溶液2と溶剤系用液2を混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、溶剤系塩ビ系樹脂を含む分散体を作成した。その後、有機溶媒を除去して、溶剤系樹脂の水分散塗布液を調製した。調製した水系分散塗布液の固形分量は、16%であった。
水系溶液2の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分100%)5質量部
・アデカプルロニックF−108(分散剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ADEKA(株)製、固形分100%) 5質量部
・純水 600質量部
溶剤系溶液2の組成
・ソルバインC(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製、固形分100%)100質量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600質量部
(実施例4)
受像層が形成された面上に、下記組成の断熱層塗工液1をバーコーターで10g/m2(乾燥時固形分換算)となるように塗布し、50℃で1分乾燥した以外は、実施例3と同様にして、受容層熱転写シート4を得た。受容層熱転写シート4は、図1の様な層構成であった。
断熱層塗工液1の組成
・HP−1055 固形分26.5% 100.0質量部
(粒径1.0μ、空隙率55%、ロームアンドハース(株)製)
・SX1105A 固形分45.0% 25.2質量部
(スチレン・ブタジエン共重合体、日本ゼオン(株)製)
・純水 16.0質量部
(実施例5)
断熱層塗工液1を下記組成の断熱層塗工液2に変更した以外は、実施例4と同様にして、受容層熱転写シート5を得た。
断熱層塗工液2の組成
・SX−866(B) 固形分20.0% 100.0質量部
(粒径0.3μ、空隙率30%、JSR(株)製)
・SX1105A 固形分45.0% 19.0質量部
(スチレン・ブタジエン共重合体、日本ゼオン(株)製)
・純水 24.0質量部
(実施例6)
断熱層塗工液1を下記組成の断熱層塗工液3に変更した以外は、実施例4と同様にして、受容層熱転写シート5を得た。
断熱層塗工液3の組成
・マツモトマイクロスフェアー MFL−81GCA 20.0質量部
(粒径20μ、松本油脂製薬(株)製)
・AP−40 固形分22.5% 38.1質量部
(水性ウレタン樹脂、DIC(株)製)
・BYK−154 5.0質量部
(分散剤、ビックケミー・ジャパン(株)製)
・イソプロピルアルコール 10.0質量部
・純水 10.0質量部
(比較例1)
受容層塗工液1に変えて、以下の受容層塗工液1を使用した以外は、実施例1と同様にして受容層熱転写シート1を得た。
受容層塗工液1
・ソルバインC(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、日信化学工業社製) 19質量部
・X−22−3000T(変性シリコーンオイル、信越化学工業社製) 1質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
離型性評価
塩化ビニル樹脂(PVC)レンチキュラーレンズシートを準備し、レンチキュラーレンズを有する面とは反対の面上に、上記で製造した受容層熱転写シートを用いて、テストプリンタで受容層を転写した。印画条件は下記の条件1を使用した。次に、色材層と受容層面を重ねて、テストプリンタでシアンのベタを印画した。色材層としては、昇華型熱転写プリンタ『メガピクセルIII(アルテックADS社製)』の純正品の熱転写シートを使用し
た。印画条件は下記の条件2を使用した。
印画条件1
・サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω解像 度300dpi(dots per inch)
・ライン速度:2ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(lin e per inch))
・パルスデューティ:90%
・印加電圧:20.0V
・印圧:40N
・印画画像:幅1388ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで、階調255のベタ 画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
印画条件2
・サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω解像 度300dpi(dots per inch)
・ライン速度:2ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(lin e per inch))
・パルスデューティ:90%
・印加電圧:28.0V
・印圧:40N
・印画画像:幅1388ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで、階調255のベタ 画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
なお、印画データの階調値は、255階調が100%ベタに相当するものとし、印画時の階調値を255で割った割合が最大印加エネルギーに対するそのパターンの印加エネルギーである(例えば、印画時の階調値が210階調であれば、210/255=0.823、即ち、82%ベタということとなる)。
この色材層の印画時の状態を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
<<評価基準>>
◎:剥離音が聞こえず、画像にも問題ない。
○:ほんのわずかに剥離音が聞こえたが、実用上問題ない程度であった。
×:3色目印画時に大きな剥離音が聞こえ、画像にも剥離の際の跡が見られる。
濃度評価
上記の離形成評価で得られた印画物を、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)(Ansi−A、D65))を使用して、レンチキュラーレンズシート面側からシアンの反射濃度(OD値)を測定した。評価は以下の基準で行なった。結果を表1に示す。
<<評価基準>>
◎:OD値が1.9以上であった。
○:OD値が1.8以上、1.9未満であった。
Figure 2013049189
以上の通り、水系受容層を有する実施例1〜6の受容層熱転写シートは、溶剤系受容層を有する比較例1の受容層熱転写シートと比較して、優れた離型性を有することが確認できた。また、離型剤として溶剤系シリコーンの水分散体を使用した実施例2〜6においては、さらに優れた離型性が得られることが分かった。さらに、断熱層を有する実施例4〜6においては、優れた濃度が得られる事が分かった。
10 :受容層転写シート
11 :背面層
12 :基材
13 :受容層
14 :断熱層
15 :転写層
100:受容層転写シート
101:背面層
102:基材
103:断熱層
104:受容層
105:転写層
106:色材層

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の一方の面上に背面層を有し、前記基材の他方の面上に剥離可能な受容層を有する受容層熱転写シートにおいて、
    前記受容層は、塩化ビニル系樹脂のポリマーラテックスと離型剤を含む、
    ことを特徴とする受容層熱転写シート。
  2. 前記受容層上に、断熱層が形成されており、
    前記断熱層はバインダ樹脂と中空粒子を含むものであり、
    前記バインダ樹脂はスチレンブタジエンラテックス又は水系ウレタン樹脂を含み、
    前記中空粒子は体積平均粒径が0.3〜20μmである、
    ことを特徴とする請求項1に記載された受容層転写シート。
  3. 基材と、前記基材の一方の面上に背面層を有し、前記基材の他方の面上に、少なくとも1色の色材層と、剥離可能な受容層とが面順次に形成された事を特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の受容層転写シート。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載された受容層転写シートを準備するステップと、
    レンチキュラーレンズシートを準備するステップと、
    前記レンチキュラーレンズシートと前記受容層転写シートとを重ね合わせて、受容層を熱転写するステップと、
    を含むことを特徴とする、画像形成方法。
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