JP6011181B2 - 熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ、及び画像形成方法 - Google Patents

熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ、及び画像形成方法に関する。
従来、昇華性染料を適当なバインダーで担持した染料層をポリエステルフィルム等の基材の一方面に設けた熱転写シートと、熱転写受像シート等の被転写体とを重ね合わせ、基材の他方面側と、サーマルヘッドとを接触させながらサーマルヘッドによる加熱処理を行うことで、昇華染料を被転写体に転写する昇華転写方式が知られている。この、昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単位で昇華性染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であり、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。上記画像形成に用いられる熱転写受像シートとしては、溶剤系の染料受容層を備えた溶剤系の熱転写受像シートや、水系の染料受容層を備えた水系の熱転写受像シートが知られている。また、上記画像形成に用いられる熱転写シートとして、基材と染料層との間に、該基材と染料層との密着性を向上させるためのプライマー層が設けられた熱転写シートが知られている(例えば、特許文献1)。
ところで、上記のような熱転写シートを用いて印画を行った場合に、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートとの間の摩擦帯電が大きい場合には、プリンタ初期動作中に、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとが張り付いてしまい、熱転写シートがプリンタに巻き込まれるトラブル(以下、このトラブルをJAMという。)が発生する場合がある。熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電に起因するJAMの発生は、プリンタ初期動作時における大きなトラブルとなることから、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートとの間の摩擦帯電を小さくすることは非常に重要である。換言すれば、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートの染料受容層との摩擦帯電列を近づけることが重要である。なお、摩擦帯電列とは、プラス側に帯電しやすいものを上位に、マイナス側に帯電しやすいものを下位に並べた順列であり、染料層と、染料受容層との摩擦帯電列の差が大きいほど、摩擦帯電は大きくなる。一方、染料層と、染料受容層との摩擦帯電列の差が小さいほど、摩擦帯電は小さくなる。
近時、光沢度の高い印画物に対する要求が高まりつつあり、形成される印画物に高い光沢度が要求される分野では、水系の熱転写受像シートが好まれる傾向にある。また廃液等の処理による環境への影響等の問題等から、水系の熱転写受像シートの使用が増加傾向にある。しかしながら、水系の熱転写受像シートに用いられる水系の染料受容層は、溶剤系の熱転写受像シートに用いられる溶剤系の染料受容層の摩擦帯電列よりも摩擦帯電列が下位に位置しており、染料受容層の摩擦帯電列よりも摩擦帯電列が上位に位置する染料層との摩擦帯電列の差は大きくなる。そうすると、水系の熱転写受像シートと熱転写シートとを組合せて使用して画像形成を行った場合には、溶剤系の熱転写受像シートを使用して画像形成を行う場合と比較して、染料層と染料受容層との摩擦帯電が大きくなり、プリンタ初期動作中にJAMがより発生しやすくなる。
水系の染料受容層と、染料層との帯電列を近づける方法としては、(1)水系の染料受容層に、摩擦帯電列を染料層側に近づけるための各種添加剤を含有せしめる、或いは(2)染料層の摩擦帯電列を染料受容層側に近づけるための各種添加剤を含有せしめる方法などが考えられる。しかしながら、上記(1)の方法では、染料受容層に含有される各種添加剤の存在によって、該染料受容層上に形成される画像にざらつきが発生してしまう新たな問題が発生し得る。また、上記(2)の方法では、染料層に含有される各種添加剤の存在によって、印画濃度が低下してしまう新たな問題が発生し得る。
特開2010−194881号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、プリンタ初期動作時にJAMの発生を防止でき、かつ高光沢で高品質な印画物を得ることができる熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ、及び画像形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとの組合せであって、前記熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカ、及びアルミナゾルが含まれ、前記染料プライマー層には、前記コロイダルシリカと、前記アルミナゾルとの合計質量に対し、前記アルミナゾルが20質量%以上80質量%以下の範囲内で含有されており、前記熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする。
また、一実施形態の熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せは、基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとの組合せであって、前記熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカが含まれ、前記熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする。
また、前記染料プライマー層には、アルミナゾルがさらに含まれていてもよい。また、前記染料プライマー層には、前記コロイダルシリカと、前記アルミナゾルとの合計質量に対し、前記アルミナゾルが20質量%以上80質量%以下の範囲内で含有されていてもよい。また、前記染料層には、ニトロセルロースが含まれていてもよい。
上記課題を解決するための本発明の方法は、基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して前記熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、前記熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカ、及びアルミナゾルが含まれ、前記染料プライマー層には、前記コロイダルシリカと、前記アルミナゾルとの合計質量に対し、前記アルミナゾルが20質量%以上80質量%以下の範囲内で含有されており、前記熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする
また、一実施形態の方法は、基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して前記熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、前記熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカが含まれ、前記熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする。
本発明の熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せや、この組合せを用いた画像形成方法によれば、プリンタ初期動作時にJAMの発生を防止でき、かつ高光沢で高品質な印画物を得ることができる。
本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写シート、及び熱転写受像シートについて図面を用いて具体的に説明する。なお、図1は、本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図であり、図2は、本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。
<熱転写シート>
まずはじめに、本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シートについて説明する。図1に示すように、本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写シート(以下、本発明に用いられる熱転写シートという場合がある。)は、基材1の一方の面上に、染料プライマー層2、染料層3がこの順で積層され、基材1の他方の面上に背面層5が設けられた構成をとる。ここで、本発明では、基材1と染料層3との間に設けられる染料プライマー層2が、コロイダルシリカを含む点に特徴を有する。
(基材)
基材1は本発明の熱転写シート10における必須の構成であり、染料プライマー層2、及び背面層5を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、染料層3の染料を熱転写受像シート上に転写する際にサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5μm〜100μm程度が一般的で、好ましくは1μm〜10μmである。
(染料プライマー層)
図1に示すように、基材1の一方の面には、染料プライマー層2が設けられている。染料プライマー層2は、本発明の熱転写シート10における必須の構成である。
本発明は、熱転写シートと、熱転写受像シートとの組合せであるとともに、後述するように、熱転写受像シートの染料受容層は、水系の染料受容層に限定されている。一般的に、熱転写シートの染料層の摩擦帯電列はプラス側に位置しており、熱転写受像シートの摩擦帯電列はマイナス側に位置している。摩擦帯電の大きさは、摩擦帯電列の差と密接的な関係を有しており、摩擦帯電列の差が大きくなるほど、摩擦帯電は大きくなる。そして、摩擦帯電が大きくなるにしたがって、プリンタの初期動作時にJAMが発生しやすくなる。
本発明に用いられる水系の染料受容層を有する熱転写受像シートは、高光沢の印画物を形成することができるといった利点を有する一方で、溶剤系の染料受容層よりも、摩擦帯電列がマイナス側に位置している。したがって、何らの対策も行わなかった場合には、染料層と水系の染料受容層との摩擦帯電列の差は、染料層と溶剤系の染料受容層との摩擦帯電列の差よりも大きくなり、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を防止することができない。
そこで、本発明に用いられる熱転写シート10を構成する染料プライマー層2には、コロイダルシリカが含まれる。コロイダルシリカを含有する染料プライマー層2を備える熱転写シート10によれば、コロイダルシリカの存在によって、染料プライマー層2の摩擦帯電列をマイナス側に向かって移行させることができる。また、染料プライマー層2の摩擦帯電列をマイナス側に向かって移行させることで、染料プライマー層2上に設けられる染料層3の摩擦帯電列もマイナス側に向かって移行する。つまり、染料層3の摩擦帯電列を水系の染料受容層の摩擦帯電列に近づけることができる。これにより、摩擦帯電列がマイナス側に位置する水系の染料受容層と、染料層3との摩擦帯電列の差を小さくすることができ、摩擦帯電列の差に起因して発生し得るプリンタ初期動作時のJAMの発生を防止することができる。なお、本願明細書において、染料プライマー層2、及び染料層3の摩擦帯電列をマイナス側に向かって移行させるとは、染料プライマー層2、及び染料層3の摩擦帯電列を、摩擦帯電列がマイナス側に位置する水系の染料受容層の摩擦帯電列側に近づけることを意味するものであり、コロイダルシリカを含む染料プライマー層2、及び染料層3の摩擦帯電列が必ずしもマイナス側に位置している必要はない。なお、このことは、コロイダルシリカを含む染料プライマー層2、及び染料層3の摩擦帯電列がマイナス側に位置することを否定するものではない。
また、染料プライマー層2の摩擦帯電列を調整することで、熱転写シート10の染料層3と、熱転写受像シートの染料受容層との摩擦帯電列の差を小さくさせた本発明によれば、以下の点で優位性を示す。
摩擦帯電列の差の調整は、例えば、上記のコロイダルシリカを染料層3に含有させる方法や、水系の染料受容層に、当該染料受容層の摩擦帯電列を染料層の摩擦帯電列に近づけることができる各種添加剤を含有させる方法等によっても達成することができる。しかしながら、染料層3にコロイダルシリカを含有させた場合には、この染料層を用いて染料受容層に染料を転写したときの最大濃度が低下する問題が生じうる。また、染料層の染料を転写することで形成される印画物にざらつきが生ずる場合もある。また、染料受容層側に各種添加剤を含有させた場合には、染料受容層の表面に凹凸が生じ、上記と同様形成される印画物にざらつきが生ずる場合や、光沢度が低下する場合がある。本発明は、濃度や、ざらつき、或いは光沢度といった、形成される画像に所望される特性に与える影響が大きい染料層や、染料受容層に摩擦帯電を小さくするための対策を行うのではなく、形成される画像に所望される特性に与える影響が小さい染料プライマー層2に、摩擦帯電を小さくするための対策を行っている。したがって、本発明の組合せによれば、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を防止しつつ、高濃度の画像形成が可能であり、また、高光沢で、ざらつき等の少ない高品質な印画物を得ることができる。
これ以外にも、コロイダルシリカを含有する染料プライマー層2を設けることで、水系の染料受容層を備える熱転写受像シートと組合せて、印画物を形成する際に、染料層が水系の染料受容層へ異常転写することを防止することができる。さらに、コロイダルシリカを含有する染料プライマー層2は、染料層3の染料に染着されにくいといった性質を有することから、印画物の形成時に、染料層3から染料プライマー層2への染料の移行を防止でき、水系の染料受容層への染料拡散を有効に行うことができ、印画濃度を高めることができる。
染料プライマー層2は、バインダーとしての樹脂成分を含有せず、コロイダルシリカを単独で、或いはコロイダルシリカと他の任意の成分、例えば、コロイダルシリカ以外の無機微粒子とを含有するものであってもよく、コロイダルシリカと、バインダーとしての樹脂成分、或いはこれとともに他の任意の成分を含有するものであってもよい。つまり、染料プライマー層2は、コロイダルシリカを含有していることを必須の要件とするものであり、それ以外の任意の成分について特に限定はない。
バインダーとしての樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂やポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
コロイダルシリカの含有量について特に限定はないが、染料プライマー層2の固形分総量に対し、コロイダルシリカの含有量が固形分で20質量%未満である場合には、染料プライマー層2上に設けられる染料層3の摩擦帯電列を十分に、染料受容層の摩擦帯電列側に近づけることができず、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を十分に防止することができない場合が生じうる。したがって、この点を考慮すると、コロイダルシリカは、染料プライマー層2の固形分総量に対し、固形分で20質量%以上の割合で含有されていることが好ましい。コロイダルシリカの含有量の上限値についても特に限定はなく、固形分で100質量%である。なお、コロイダルシリカの含有量が、固形分で20質量%未満であっても、コロイダルシリカが存在している分、染料層3の摩擦帯電列を、染料受容層の摩擦帯電列側に近づけることができ、この含有量に何ら限定されるものではない。
コロイダルシリカの粒子径についても何ら限定されることはないが、基材1と染料層3との接着性の点を考慮すると、一次粒子径で50nm以下、好ましくは20nm以下である。
コロイダルシリカの形状についても特に限定はなく、球状、針状、板状、羽毛状や、無定形等、如何なる形状であってもよい。また、水系溶媒にゾル状に分散しやすいように酸性タイプに処理したもの、電荷をカチオンにしたものや、表面処理したもの等使用できる。
また、染料プライマー層2には、上記コロイダルシリカとともに、アルミナゾルが含有されていることが好ましい。染料プライマー層2にアルミナゾルをさらに含有せしめることで、アルミナゾルを含有せしめない場合と比較して、染料層3の染料を染料受容層に効果的に染料拡散させることができ、より高濃度の印画物の形成を行うことが可能となる。
アルミナゾルの含有量について特に限定はないが、コロイダルシリカとアルミナゾルの合計固形分に対し、アルミナゾルが20質量%以上80質量%以下の範囲内であることが好ましい。
また、染料プライマー層2には、本発明の趣旨を妨げない範囲で各種の成分が含有されていてもよい。任意の成分としては、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機微粒子や、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等の有機微粒子、或いはこれらを架橋剤と反応させた架橋微粒子等を挙げることができる。
染料プライマー層2の形成方法についても特に限定はなく、バインダーとしての樹脂成分を含有しない染料プライマー層2とする場合には、コロイダルシリカを水系の溶媒にゾル状に分散した染料プライマー層用塗工液を調製し、これを基材1上に、グラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来公知の塗工方法により、塗工し、熱風乾燥等によってゾル状からゲル状となるように水系溶媒を飛ばすことで形成することができる。また、バインダーとしての染料プライマー層2を含有する染料プライマー層2とする場合には、コロイダルシリカ、上記で例示した樹脂成分を、適当な溶媒に分散又は溶解した染料プライマー層用塗工液を調製し、これを従来公知の塗工手段により、基材1上に塗工・乾燥することで形成することができる。
染料プライマー層2の厚みについても特に限定はないが、染料層の染料の染料拡散性や、基材1と染料層3との接着性等を考慮すると、乾燥時の厚みで、0.03μm〜0.2μm程度であることが好ましい。
(染料層)
図1に示すように、染料プライマー層2上には、染料層3が設けられている。本発明の熱転写シート10は、上述したように染料プライマー層2にコロイダルシリカを含有せしめることで、染料プライマー層2、及び当該染料プライマー層2上に設けられる染料層3の摩擦帯電列をマイナス側に向かって移行させている点に特徴を有するものである。要約すれば、染料プライマー層2の存在によって、染料層3の摩擦帯電列をマイナス側に向かって移行させている、すなわち、染料プライマー層2の存在によって、染料層3の摩擦帯電列を、水系の染料受容層の摩擦帯電列に近づけている点を特徴とするものである。
したがって、染料プライマー層2上に設けられる染料層3については特に限定はなく、熱転写シートの分野で従来公知のあらゆる染料層を用いることができる。染料層3に含まれる染料について特に限定はないが、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダーとしての樹脂成分としては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ニトロセルロースは、染料保持力が高いため、染料とニトロセルロースとの質量比率(D/B比(染料/バインダー樹脂))(以下D/B比という)が高くなっても、保存安定性を満足させることができ、地汚れやキックの発生を防止できる。また、ニトロセルロースは、高階調領域の画像形成時における染料転写効率がよいため、染料転写効率を上げるために塗工量を少なくした場合であっても、高い印画濃度を得ることができる点で好適である。さらに、ニトロセルロースは、染料層3に要求される機能を低下させることなく、染料層3の摩擦帯電列を水系の染料受容層の摩擦帯電列側に移行させることができる性質を有し、染料プライマー層2に含有されるコロイダルシリカと、染料層3に含有されるニトロセルロースとの相乗効果によって、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生をより効果的に防止することが可能となる。
染料層3がニトロセルロースを含有する場合において、染料層3中に含まれる染料とニトロセルロースとの質量比率(D/B比(染料/バインダー樹脂))は2.0以上であることが好ましい。D/B比を2.0以上とすることで、十分な印画濃度の画像を得ることができる。また、D/B比を2.0以上とした場合であっても染料を十分に保持することができ、保存安定性に優れる。D/B比の好ましい上限値について特に限定はないが、D/B比が3.5を超える場合には、バインダー樹脂に対する染料の染料量が多くなりすぎ、バインダーが染料を保持しきれず保存安定性が低下する場合がある。したがって、この点を考慮すると、D/B比は2.0以上3.5以下の範囲内であることが好ましい。
染料層3の形成方法としては、上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤、フィラー等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた染料層用塗工液を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
染料層3の厚みについて特に限定はないが、乾燥時の厚みで0.3μm〜1.5μm程度であることが好ましい。
なお、図示する形態では、染料プライマー層2上に単一色の染料層3が設けられた構成をとっているが、この形態に限定されることはなく、例えば、各色の染料層、例えば、Y(イエロー)染料層、M(マゼンタ)染料層、C(シアン)染料層を面順次に設けた構成としてもよい。また、昇華性の染料を含有する染料層と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する染料層とを連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。また、染料層3と図示しない転写性保護層が連続した1枚の基材上に面順次に設けられた一体型の熱転写シートとすることもできる。
(背面層)
基材1の他方の面には、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5が設けられている。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂にポリイソシアネート樹脂等の硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させることができる。
背面層5には、上記に例示した熱可塑性樹脂に加え、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤を含有させることもできる。
背面層5は、例えば、上記で例示した熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の染料層3の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、乾燥時の厚みで0.2μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
<熱転写受像シート>
次に、本発明の組合せ、及び本発明の画像形成方法で用いられる熱転写受像シート(以下、本発明に用いられる熱転写受像シートという場合がある。)について説明する。図2に示すように本発明で用いられる熱転写受像シート30は、他の基材21の一方面に水系の染料受容層22が設けられた構成をとる。なお、図2では、他の基材21上と水系の染料受容層22との間に、断熱層25が設けられているが断熱層25は、本発明に用いられる熱転写受像シート30における任意の構成である。
また、本発明では、上記構成を有する熱転写受像シートにおいて、染料受容層が、水系の染料受容層22である点を特徴とする。水系の染料受容層を備える熱転写受像シートを用いて画像形成を行うことで高光沢な印画物を形成することができる。なお、水系の染料受容層は、溶剤系の染料受容層と比較して摩擦帯電列が下位に位置しており、通常の染料層を備える熱転写シートと組合せて印画物を形成した場合には、染料層と、水系の染料受容層との摩擦帯電列の差によって摩擦帯電が大きくなり、プリンタ初期動作時にJAMが発生しやすくなる。しかしながら、上述したように、本発明では、染料プライマー層2に含有されるコロイダルシリカによって、染料層3の摩擦帯電列を水系の染料受容層の摩擦帯電列側に近づけている、換言すれば、染料層3の摩擦帯電列をマイナス側に向かって移行させていることから、染料層3と水系の染料受容層22との摩擦帯電を小さくすることができ、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を防止することができる。以下、熱転写受像シート30の各構成について具体的に説明する。
(他の基材)
他の基材21は本発明で用いられる熱転写受像シート30における必須の構成であり、水系の染料受容層22、或いは任意の構成である断熱層25等を保持するために設けられる。他の基材21について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリオレフィン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用できる。これ以外にも、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等の材料も使用することができる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムと合成紙が挙げられる、本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)等が好ましい。なお、本願明細書では熱転写シートを構成する基材1と区別するために熱転写受像シート30を構成する基材のことを他の基材21と称しているが、熱転写シート10を構成する基材1と、熱転写受像シート30を構成する他の基材21とは同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
他の基材21の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常50μm〜1000μm、好ましくは60μm〜300μm程度である。
(水系の染料受容層)
他の基材21上には水系の染料受容層22が設けられている。水系の染料受容層22は本発明で用いられる熱転写受像シート30における必須の構成である。
水系の染料受容層22を有する熱転写受像シートによれば、光沢感の高い画像を形成することができる。
本願明細書において、水系の染料受容層とは、水系溶媒に溶解或いは分散可能な樹脂、例えば水溶性樹脂、水溶性高分子、若しくは水系樹脂等を、水系溶媒に溶解或いは分散させた水系塗工液を用いて形成された染料受容層のことをいう。水溶性樹脂、水溶性高分子としてはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロエチルセルロース、カルボキシメチルセルロス、フェノール樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変性物など挙げられる。水系樹脂とは塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、塩ビ系樹脂ディスパージョン、アクリル系樹脂ディスパージョン、ウレタン系樹脂ディスパージョンなど溶媒の一部が水で構成されているものを挙げることができる。なお、上記水系樹脂は、例えば、溶剤系樹脂を含む溶液をホモジナイザーによって分散し調製することで形成することができる。
水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂は水系の染料受容層22の固形分総量に対し、50質量%以上95質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。当該範囲で水系の樹脂が含有された水系の染料受容層22とすることで、形成される画像により高い光沢感を付与することができる。
水系の染料受容層22には、熱転写シート10の染料層2との離型性を高めるための離型剤が添加されていてもよい。
水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂と併用する離型剤としては、シリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む);ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤等が挙げられ、中でもシリコーンオイルが好ましい。
水系の染料受容層22は水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂、その他必要に応じて添加する添加剤を水あるいは水溶液に分散または溶解して水系塗工液を他の基材21上にワイヤーバーコート、グラビアコート、スライドコート、ロール塗布法などを用いて塗工・乾燥することにより形成される。水系塗工液を調製する場合は、水溶性樹脂、水溶性高分子、或いは水系樹脂の水に対する溶解性または分散性に応じて、該樹脂を水に溶解または分散させることが望ましい。染料受容層22の厚みについて特に限定はないが、0.5〜10μmの範囲が一般的である。
(目止め層)
水系の染料受容層22は水系塗工液を用いて形成されることから、他の基材21として、例えば、コート紙を用いた場合には、コート紙が水を吸い、その結果、熱転写受像シート30にカールが発生する虞が生じうる。したがって、他の基材21が吸水性の高い基材である場合には、基材1と染料受容層22との間に目止め層(図示しない)を設けることが好ましい。なお、他の基材21と水系の染料受容層22との間に他の任意の層を設け、当該層が水系の塗工液を用いないで形成される場合には目止め層は不要である。一方、他の任意の層、例えば後述する断熱層25を水系の塗工液を用いて他の基材21上に直接的に形成する場合には、上記の同様の理由により目止め層を設けることが好ましい。
目止め層は、防水性を有するとの機能を奏すれば、その材料等について特に限定はなく、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等からなるものや、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単独重合体系エマルジョン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−スチレン共重合体系エマルジョン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、セメントフィラーエマルジョン等のエマルジョンからなるものを挙げることができる。
目止め層の厚さについても特に限定はないが、0.2g/m2〜10.0g/m2程度が好ましい。
(断熱層)
他の基材21と水系の染料受容層22との間に断熱層25が設けられていてもよい。断熱層25を設けることで、サーマルヘッドから水系の染料受容層22に加えられた熱が他の基材21等へ伝熱することによって損失され印画濃度が低下することを防止することができる。以下、断熱層の一例について説明するが、これ以外にも「断熱層」、「中空(粒子)層」、「断熱層」と称される従来公知のあらゆるものを適宜選択して用いることができる。
断熱層25には一般的に断熱性やクッション性を付与する機能を有する中空粒子が含有されている。中空粒子は発泡粒子であってもよく、あるいは、非発泡粒子であってもよい。また、発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。中空粒子の平均粒径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、断熱層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒径が大きすぎると、平滑な断熱層を形成することが困難になるからである。
本発明において、断熱層25に含まれる中空粒子の量としては、所望の断熱性およびクッション性を有する断熱層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば30質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、断熱層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎると、接着性が劣るからである。
熱転写受像シート30は、各種の機能層を有していてもよい。各種の機能層としては、例えば、他の基材21と水系の染料受容層22、或いは断熱層25との密着性を向上させるためのプライマー層や、耐溶剤性を付与するためのバリア層等を挙げることができる。また、他の基材21の水系の染料受容層22が設けられている面とは異なる面に、熱転写受像シートの搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層を設けることもできる。本発明に用いられる熱転写受像シート30は、上記で説明したように、水系溶媒に分散或いは溶解可能な樹脂を含有する水系の染料受容層22を必須の構成として有していればよく、それ以外の各種機能層についていかなる限定もされることはない。
<画像形成方法>
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して前記熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカが含まれ、熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする。
つまり、本発明の画像形成方法は、上記本発明の組合せで説明したコロイダルシリカを含有する染料プライマー層を備えた熱転写シートと、水系の染料受容層を備えた熱転写受像シートとを組合せて画像を形成する点を特徴とするものであり、上記で説明した熱転写シート10の染料層3と、熱転写受像シート30の水系の染料受容層22とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより熱転写シート10の背面側から熱を印加して、染料層3に含まれる染料を水系の染料受容層22に移行させることで画像形成が行われる。
上述したように、本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シートの染料層3の摩擦帯電列は、コロイダルシリカを含有する染料プライマー層2によって、水系の染料受容層22の摩擦帯電列側に移行していることから、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートの水系の染料受容層との摩擦帯電を小さくすることができ、こにより、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生が防止される。また、水系の染料受容層を用いることで光沢度の高い高品質な印画物を形成することができる。本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シート、熱転写受像シートは、上記本発明の組合せで説明した通りであり、ここでの詳細な説明は省略する。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
参考例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.2g/m2〜0.5g/m2になるように塗布、乾燥して背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成の染料プライマー層用塗工液1を乾燥時0.1g/m2になるように塗布、乾燥して染料プライマー層を形成した。次いで、該プライマー層上に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、乾燥時0.5g/m2〜1.0g/m2になるように、この順で面順次に繰り返して塗布、乾燥してイエロー染料層1、マゼンタ染料層1、シアン染料層1を形成することで、参考例1の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルアセタール樹脂 60.8部
(エスレック KS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックス3000 東洋ペトロライト(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
<染料プライマー層用塗工液1>
・コロイダルシリカ 30部
(スノーテックス0 日産化学工業(株)製 固形分20%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 34部
・イソプロピルアルコール 34部
<イエロー染料層用塗工液1>
・分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
・分散染料(下記化学式(A)で示されるイエロー染料) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
Figure 0006011181
<マゼンタ染料層用塗工液1>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液1>
・分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
・分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5 積水化学工業(株)製) 4.5部
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(実施例2)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液2を使用した以外は全て参考例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液2>
・アルミナゾル(固形分10%) 12部
(アルミナゾル200、日産化学工業(株)製 固形分10%)
・コロイダルシリカ 24部
(スノーテックス0 日産化学工業(株)製 固形分20%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 31部
・イソプロピルアルコール 31部
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液3を使用した以外は全て参考例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液3>
・アルミナゾル(固形分10%) 30部
(アルミナゾル200、日産化学工業(株)製 固形分10%)
・コロイダルシリカ 15部
(スノーテックス0 日産化学工業(株)製 固形分20%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 26.5部
・イソプロピルアルコール 26.5部
(実施例4)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液4を使用した以外は全て参考例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液4>
・アルミナゾル(固形分10%) 48部
(アルミナゾル200、日産化学工業(株)製 固形分10%)
・コロイダルシリカ 6部
(スノーテックス0 日産化学工業(株)製 固形分20%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 22部
・イソプロピルアルコール 22部
参考例5)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液5を使用した以外は全て参考例1と同様にして、参考例5の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液5>
・アルミナゾル(固形分10%) 54部
(アルミナゾル200、日産化学工業(株)製 固形分10%)
・コロイダルシリカ 3部
(スノーテックス0 日産化学工業(株)製 固形分20%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 20.5部
・イソプロピルアルコール 20.5部
参考例6)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液6を使用した以外は全て参考例1と同様にして、参考例6の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液6>
・アルミナゾル(固形分10%) 6部
(アルミナゾル200、日産化学工業(株)製 固形分10%)
・コロイダルシリカ 27部
(スノーテックス0 日産化学工業(株)製 固形分20%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 32.5部
・イソプロピルアルコール 32.5部
(実施例7)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液2、マゼンタ染料層用塗工液2、シアン染料層用塗工液2を使用し、染料プライマー層用塗工液1にかえて、上記染料プライマー層用塗工液4を使用した以外は全て参考例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液2>
・分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
・分散染料(上記化学式(A)で示されるイエロー染料) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.8部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・ニトロセルロース樹脂 (固形分70%) 1部(固形分 0.7部)
(DHM10−25 稲畑産業株式会社)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<マゼンタ染料層用塗工液2>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.8部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・ニトロセルロース樹脂 (固形分70%) 1部(固形分 0.7部)
(DHM10−25 稲畑産業株式会社)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液2>
・分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
・分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.8部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・ニトロセルロース樹脂 (固形分70%) 1部(固形分 0.7部)
(DHM10−25 稲畑産業株式会社)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(比較例1)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液Aを使用した以外は全て参考例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液A>
・アルミナゾル(固形分10%) 60部
(アルミナゾル200、日産化学工業(株)製 固形分10%)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2部
(K−90 ISP社製)
・水 19部
・イソプロピルアルコール 19部
(比較例2)
上記比較例1の熱転写シートを、そのまま比較例2の熱転写シートとした。
(比較例3)
染料プライマー層を設けなかった以外は、全て参考例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを得た。
(比較例4)
イエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液A、マゼンタ染料層用塗工液B、シアン染料層用塗工液Bを使用し、染料プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成の染料プライマー層用塗工液Aを使用した以外は全て参考例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液A>
・分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
・分散染料(上記化学式(A)で示されるイエロー染料) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5、積水化学工業(株)製)
・シリカゾル 1.5部
(MEK−ST 日産化学工業(株)製 固形分30%)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<マゼンタ染料層用塗工液A>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・シリカゾル 1.5部
(MEK−ST 日産化学工業(株)製 固形分30%)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液A>
・分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
・分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・シリカゾル 1.5部
(MEK−ST 日産化学工業(株)製 固形分30%)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
水系の熱転写受像シート(熱転写受像シート1)の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、基材の一方の面に、下記組成の裏面層用塗工液1をグラビアリバース方式にて、乾燥後の塗布量が0.8g/m2となるように塗布し、120℃にて30秒間乾燥した。また、塗布液は各液配合時に凝集物が発生しないように適宜各液を希釈して配合し、総固形分は塗工条件に応じて適宜選定した。
(裏面層用塗工液1)
・スチレン−アクリル樹脂(固形分47%) 50.0部
(ルシデン606APEF ローム・アンド・ハース(株)製)
・純水 67.0部
・スチレン−アクリル樹脂(固形分46%) 50.0部
(ルシデン375CI ローム・アンド・ハース(株)製)
・純水 65.0部
・コロイダルシリカ(固形分48% 平均粒径(BET法):20〜30nm 290部
(アデライトAT−50 (株)ADEKA製)
・純水 406.0部
続いて、基材の他方の面に、下記組成の中空層A用塗工液1、中空層B用塗工液1、プライマー層用塗工液1、および染料受容層用塗工液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、WET時の厚みがそれぞれ15μm、25μm、15μm、8μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、基材の一方の面に、中空層A、中空層B、プライマー層、染料受容層がこの順で設けられ、基材の他方の面に裏面層が設けられた熱転写受像シート1を得た。なお、塗工速度は、毎分100mで行った。
(中空層A用塗工液1)
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm 平均中空率:45% 固形分30%) 276部
(ローペイクウルトラ ローム・アンド・ハース(株)製)
・ゼラチン 27部
(G1236K 新田ゼラチン(株)製)
・純水 600部
・スチレン−アクリル樹脂(固形分42%) 32.8部
(ニューコートB−13 新中村化学工業(株)製
・純水 13.2部
・スチレン−アクリル樹脂(固形分34%) 40.6部
(ジョンクリル62J BASFジャパン(株)製)
・純水 14.6部
(中空層B用塗工液1)
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm 平均中空率:45% 固形分30%) 447部
(ローペイクウルトラ ローム・アンド・ハース(株)製)
・ゼラチン 40部
(G1236K 新田ゼラチン(株)製)
・純水 433部
・スチレン−アクリル樹脂(固形分42%) 23.8部
(ニューコートB−13 新中村化学工業(株)製
・純水 9.5部
・スチレン−アクリル樹脂(固形分34%) 47部
(ジョンクリル62J BASFジャパン(株)製)
・純水 17部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2部
(プライマー層用塗工液1)
・架橋中空粒子(平均粒径0.1μm 平均中空率30% 固形分20%) 658部
(SX866 JSR(株)製)
・ゼラチン 44部
(G1236K 新田ゼラチン(株)製)
・純水 422部
・スチレン−アクリル樹脂(固形分34%) 17.7部
(ジョンクリル62J BASFジャパン(株)製)
・純水 6.4部
・変性ゴム(固形分51%) 18.6部
(MG−67 (株)レヂテックス製)
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2部
(染料受容層用塗工液1)
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%) 411部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98部
・エポキシ架橋剤 7.6部
(ナガセケムテックス(株)製、商品名EX−512:固形分100%)
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4部
・増粘剤(固形分30%) 45部
(アデカノールUH−526 (株)ADEKA製)
・純水(増粘剤分散用として) 230部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 23部
なお、上記の塩ビ系エマルジョン、及び離型剤の水分散体は下記のようにして調製した。
(塩酢ビ系エマルジョンの合成)
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5重量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2重量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系エマルジョンを得た。
(離型剤の水分散体の作成)
酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解した。次にトリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解した。上記2液を混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
水系の熱転写受像シート(熱転写受像シート2)の作製
染料受容層用塗工液1にかえて、下記組成の染料受容層用塗工液2を使用した以外は全て熱転写受像紙シート1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。
(染料受容層用塗工液2)
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%) 411部
・架橋ポリスチレン 6.5部
(SBX−12 積水化成品工業(株)製)
・離型剤の水分散体(固形分17%) 98部
・エポキシ架橋剤(固形分100%) 7.6部
(デコナールEX−512 ナガセケムテックス(株)製)
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4部
・増粘剤(固形分30%) 45部
(アデカノールUH−526 (株)ADEKA製)
・純水(増粘剤分散用として) 230部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 23部
(JAM評価)
CXプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタ)に、各実施例、参考例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作製した熱転写受像シート1をセットし、プリンタの初期動作の状態について以下の評価基準に基づいてJAM発生の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、熱転写シートが熱転写受像シートに貼りつき巻き込まれたとは、JAMの発生を意味する。なお、比較例2の熱転写シートについては、上記で作製した熱転写受像シート2と組合せて用い、上記と同様の方法でJAMの評価を行った。
<評価基準>
○・・・初期動作が通常に行われた。
×・・・初期動作中に熱転写シートが熱転写受像シートに貼りつき、巻き込まれた。
(ざらつき評価)
各実施例、参考例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作製した熱転写受像シート1とを組合せて、CWプリンタ(アルテック(株)製 昇華転写プリンタ)を用いて、グレーのハイライト部分(階調値1/255〜50/255)である階調印画パターンを印画し、以下の評価基準に基づいて、得られた印画物のハイライト部の階調再現性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、比較例2の熱転写シートについては、上記で作製した熱転写受像シート2と組合せて用い、上記と同様の方法でざらつきの評価を行った。
<評価基準>
○・・・比較例1と同等レベルの階調再現性を有しており、良好である。
×・・・比較例1と比較して濃度が不均一でありザラツキがあり、階調再現性として満足できないものである。
(転写濃度評価)
各実施例、参考例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作製した熱転写受像シート1とを組合せて、CWプリンタ(アルテック(株)製 昇華転写プリンタ)を用いて、黒ベタを印画し、マクベス濃度計RD−918(サカタインクス(株)製)により、3Bkの最高印画濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて転写濃度の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
◎・・・最高印画濃度が、参考例1の最高印画濃度の100%以上である。
○・・・最高印画濃度が、参考例1の最高印画濃度の95%以上100%未満である。
×・・・最高印画濃度が、参考例1の最高印画濃度の95%未満である。
Figure 0006011181
表1からも明らかなように、コロイダルシリカを含有する背面層を備えた各実施例の熱転写シートによれば、水系の染料受容層と組合せて画像形成を行う際の初期JAMの発生が防止されていることが確認できた。また、コロイダルシリカとともに、アルミナゾルが含まれ、コロイダルシリカとアルミナゾルの合計含有量に対し、アルミナゾルの含有量が20質量%以上80質量%の範囲内である実施例2〜4の熱転写シートでは、転写濃度評価において、特に良好な評価を得ることができた。一方、コロイダルシリカを含有しない染料プライマー層を備えた比較例1の熱転写シートでは、水系の染料受容層と組合せて画像形成を行うときの初期JAMの発生を防止することができない。一方、比較例2、3では、水系の染料受容層にシリカを含有せしめることで初期JAMの発生は防止できているものの、ざらつき、転写濃度の評価においてそれぞれ実施例に劣る結果となった。この点からも、コロイダルシリカを含有する染料プライマー層を備える本発明の熱転写シートの優位性が明らかとなった。
10…熱転写シート
1…基材
2…染料プライマー層
3…染料層
5…背面層
30…熱転写受像シート
21…他の基材
22…水系の染料受容層
25…断熱層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとの組合せであって、
    前記熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカ、及びアルミナゾルが含まれ、
    前記染料プライマー層には、前記コロイダルシリカと、前記アルミナゾルとの合計質量に対し、前記アルミナゾルが20質量%以上80質量%以下の範囲内で含有されており、
    前記熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ。
  2. 前記染料層には、ニトロセルロースが含まれることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ。
  3. 基材の一方の面上に、染料プライマー層、染料層がこの順で積層され、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して前記熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、
    前記熱転写シートの前記染料プライマー層には、コロイダルシリカ、及びアルミナゾルが含まれ、
    前記染料プライマー層には、前記コロイダルシリカと、前記アルミナゾルとの合計質量に対し、前記アルミナゾルが20質量%以上80質量%以下の範囲内で含有されており、
    前記熱転写受像シートの染料受容層が、水系の染料受容層であることを特徴とする画像形成方法。
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