JP5069715B2 - 感熱転写シートおよび画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱転写シート、およびそれを使用した画像形成方法に関する。
近年、染料拡散転写記録方式は銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できること、複製作りが簡単であること、画像形成の為のシステムを比較的安価に構築できることなどの利点を持っている。
この染料拡散転写記録方式では、染料(色素と呼ばれることもある)を含有する感熱転写シートと感熱転写受像シート(以下、単に受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッド等の加熱素子によって、感熱転写シートを加熱することで染料を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色あるいはこれにブラックを加えた4色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
特許文献1には特定構造のピラゾロンメチン系のイエロー染料を含有する感熱転写シートが開示されている。
特許文献2には下引き層に無機微粒子としてコロイダルシリカもしくはコロイダルアルミナを含有する感熱転写シートが開示されている。
一方、近年の染料拡散転写記録型システムの普及とプリントスピードの高速化により、遊園地や観光地などに上記システムが設置され、即時プリント用途として利用されるようになってきている。
特開2003−205686号公報 特開2006−116892号公報
しかし、上記の遊園地や観光地に設置された従来の染料拡散転写記録型システムを用いてプリント出力すると、画面故障の発生や最悪の場合にはプリントが停止するなどのトラブルが散発していた。
本発明者が上記の染料拡散転写記録型システムのトラブルについて検討したところ、トラブルの生じたプリント機器内部では、日中の高温低湿、夜間の低温高湿という過酷な環境変動が繰り返されており、そのような経時を経た結果、プリント機器内部にロール形態で装填されている感熱転写シートの画像形成時における通過性が悪影響を受けていることがわかった。
本発明の課題は、日中の高温低湿、夜間の低温高湿という環境変動が繰り返されるような設置環境下においても安定したプリントを可能とする感熱転写シート、およびそれを使用して画像形成する方法を提供することである。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、下記手段で本発明の上記課題が解決できることを見出すに至った。
[1] 基材フィルム上に、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む下引き層と、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と下記一般式(1)で表される染料とを含む染料層を、順次有することを特徴とする感熱転写シート。
Figure 0005069715
(一般式(1)中、Aは置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
[2] 前記ポリビニルアセタール樹脂が、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜12.0モル倍有することを特徴とする[1]に記載の感熱転写シート。
[3] 前記ポリビニルアセタール樹脂が、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜6.0モル倍有することを特徴とする[1]または[2]に記載の感熱転写シート。
[4] 前記ポリビニルアセタール樹脂の質量平均分子量が9万〜40万であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感熱転写シート。
[5] 前記染料層が、染料層の全バインダーに対して0.1〜20質量%のアクリルポリオール樹脂またはメタアクリルポリオール樹脂を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感熱転写シート。
[6] 前記下引き層がコロイダルシリカを含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の感熱転写シート。
[7] 基材フィルム上に、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む下引き層と、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と下記一般式(1)で表される染料とを含む染料層を順次有する感熱転写シートと、支持体上に少なくとも一層の断熱層および受容層を有する感熱転写受像シートとを、該感熱転写シートの該染料層と該感熱転写受像シートの該受容層とが接するように重ね合わせ、画像信号に応じた熱エネルギーを前記感熱転写シートの耐熱滑性層側から加熱素子により付与することにより画像記録する画像形成方法。
Figure 0005069715
(一般式(1)中、Aは置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
[8] 前記感熱受像シートにおいて、前記断熱層が中空ポリマー粒子を含有し、前記受容層がポリマーラテックスまたは水溶性ポリマーを含有することを特徴とする[7]に記載の画像形成方法。
[9] 前記感熱転写シートの染料層と前記感熱転写受像シートの受容層を接するように重ね合わせて形成した5cm巾の切片を、該感熱転写シートまたは該感熱転写受像シートのいずれか一方のシートを固定した状態でもう一方のシートを長手方向に180度剥離したときの剥離力が0.30N以下であることを特徴とする[7]または[8]に記載の画像形成方法。
本発明により、日中の高温低湿、夜間の低温高湿という環境変動が繰り返されるような設置環境下においても安定したプリントを可能とする感熱転写シート、およびそれを使用して画像形成する方法が提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[感熱転写シート]
最初に、本発明の感熱転写シートを説明する。本発明の感熱転写シートは、基材フィルム上に、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む下引き層と、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と下記一般式(1)で表される染料とを含む染料層を、順次有することを特徴とする。このような感熱転写シートは熱転写画像形成の際に、感熱転写受像シートに重ねて置かれ、感熱転写シート側からサーマルプリンターヘッド等によって加熱することにより染料を感熱転写シートから感熱転写受像シートに転写するために用いられる。
Figure 0005069715
(一般式(1)中、Aは置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
<基材フィルム>
本発明において感熱転写シートの基材フィルムは特に限定されず、求められる耐熱性と強度を有するものであれば、従来公知の任意のものを使用することができる。例として、グラシン紙、コンデンサー紙、パフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の耐熱性の高いポリエステル類、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが好ましい基材フィルムの具体例として挙げられる。ポリエステルフィルムはこれらの中でも特に好ましく、延伸処理されたポリエステルフィルムがより好ましく、基材フィルムの少なくとも一方の面に易接着層を形成した後に延伸して製造されたものが特に好ましい。
この基材フィルムの厚さは、強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択されるが、1〜30μm程度のものが好ましく用いられる。より好ましくは1〜20μm程度のものであり、さらに好ましくは3〜10μm程度のものが用いられる。
感熱転写シートの基材フィルムは、塗布液の濡れ性および接着性の向上を目的として、易接着処理を行なってもよい。易接着処理方法として、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術を例示することができる。
<下引き層>
本発明の感熱転写シートは染料層と基材フィルムの間に下引き層を有し、該下引き層はコロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む。このような下引き層を有することで、本発明の感熱転写シートに、染料層と基材フィルムの接着性を強化するという機能を付与することができる。さらに、熱転写受像シートと組み合わせて加熱して熱転写する際に、受像シートへ染料層が異常転写することを抑制することができる。さらに、該下引き層は、染料層からの染料が染着しにくいために、印画時の染料層から下引き層への染料の移行を防止し、受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことにより、印画における転写感度が高く、印画濃度を高めることができる。また、ここでいう下引き層とは基材フィルムと染料層を接着する機能も兼ねている。
ここでコロイダルシリカとは無水ケイ酸の超微粒子を意味し、コロイダルアルミナとは酸化アルミの超微粒子を意味する。
またその形状は球状、針状、板状など様々な形が使用可能であり、特に限定はされない。大きさについては平均粒径10nm〜50nmが好ましく、特に好ましくは10〜30nmである。
これらコロイダルシリカ、コロイダルアルミナとしては市販のものが使用可能であり、コロイダルシリカとしては、日産化学工業製 コロイダルシリカ 製品名 スノーテックスOSX、スノーテックスXS、スノーテックスS、スノーテックスOSといったものが挙げられる。またコロイダルアルミナとしては、日産化学工業製 コロイダルアルミナ 製品名 アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520といったものが挙げられる。
本発明の感熱転写シートでは、前記下引き層がコロイダルシリカを含むことが、剥離力およびプリント通過特性を改善する観点、特にサイクルサーモ経時後の剥離力およびプリント通過特性を改善する観点から好ましい。
本発明の感熱転写シートにおいて、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含有する下引き層と、後述する染料層に含まれているアセトアセタール基とブチラール基が特定の範囲に制御されたポリビニルアセタール樹脂とを組み合わせることで、感熱転写シートの転写濃度が増加するという効果が得られる。
また、後述する本発明の画像形成方法において、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含有する下引き層を有する本発明の感熱転写シートは、断熱層が中空ポリマー粒子を含有する感熱受像シート、受容層がポリマーラテックスまたは水溶性ポリマーを含有する感熱受像シートおよびこれらを組み合わせた感熱受像シートと組み合わせて用いて画像形成した際に、本発明の課題であるプリント通過性がさらに良化するという効果が得られる。
(下引き層の形成方法)
前記下引き層の塗設に用いられる下引き層塗工液は、下引き層はコロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含有するものであるが、必要に応じて、ポリビニルアルコールや、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を含有することができる。この中でもポリビニルアルコールを用いることが、基材と染料層の接着性を強化する観点から好ましい。
これらのコロイド状微粒子分散媒を主成分とした塗布液をグラビア印刷、スクリーン印刷、等の公知の手段で塗工し、前記下引き層を形成することができる。乾燥後の固形分量(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である)は0.03〜0.3g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.1g/m2である。
乾燥後下引き層の固形分量が0.3g/m2以下であれば画像形成時の感熱転写受像シートへの染料の転写性が良好となり、0.03g/m2以上の厚さでは塗布ムラが生じ難くなり画像形成時の感熱転写受像シートとの接着性が良好となる。
<染料層>
本発明の感熱転写シートの染料層は、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と下記一般式(1)で表される染料とを含む。また、本発明の感熱転写シートは、前記基材フィルム、前記下引き層、該染料層をこの順に有する。
(染料)
以下に、本発明で使用する一般式(1)で表される熱転写可能な染料についてさらに詳細に説明する。
Figure 0005069715
一般式(1)中、Aは置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
前記Aは、置換もしくは無置換のフェニレン基であり、好ましくは無置換のフェニレン基である。
前記R1およびR2は、各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であり、より好ましくは置換または無置換のアルキル基(好ましくは炭素数1〜6)であり、そのなかでもエチル基が最も好ましい。
前記R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、好ましくはジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜8)、無置換のアミノ基、無置換のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)であり、さらに好ましくはジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜4)、無置換のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)であり、最も好ましくは無置換のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)であり、なかでもエトキシ基が好ましい。
前記R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基であり、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、より好ましくは置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、なかでも置換もしくは無置換のフェニル基が好ましく、最も好ましくは無置換のフェニル基である。
以下に、前記一般式(1)で表される染料の具体的化合物例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定的に解釈されるものではない。
Figure 0005069715
前記一般式(1)で表される染料のうち、市販されていないものに関しては、一般的に行われているピラゾロン誘導体とアミノベンズアルデヒド誘導体との脱水縮合反応により合成することができる。
本発明には、前記染料層中に前記一般式(1)で表される染料以外に、その他の染料を併用することも可能である。併用する染料としては熱により拡散し、感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により感熱転写シートから受像シートに転写するものであれば特に限定されず、熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を用いることができる。
前記一般式(1)で表される染料と併用するのに好ましい染料としては、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される染料と併用される染料の具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が好ましく、このうちソルベントイエロー93が特に好ましい、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が好ましく、このうちさらにディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60が特に好ましい、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられ、このうちさらにソルベントブルー63が特に好ましい。これらの例示された染料以外の適切な染料を用いることも、もちろん可能である。
また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。例えばブラックの色相も染料の組み合わせで得ることができる。
一般式(1)で表される染料が後述するイエロー染料層中に含有される場合には、イエロー染料層中に含まれる染料全体に対して10〜90質量%含有されることが好ましく、20〜80質量%含有されることがより好ましい。
前記一般式(1)で表される染料がマゼンタまたはシアン染料層中に含有される場合は0.1〜5質量%含有されることが好ましく、0.5〜2質量%含有されることがより好ましい。マゼンタまたはシアン染料層中に含有する場合は5質量%以下で含有される場合は、色再現性が低下し難い。
(染料層のバインダー)
本発明の感熱転写シートにおいて、一般式(1)で表される染料はバインダー(樹脂バインダーとも呼ばれる)に分散された状態で基材フィルム上に染料層として塗設されていることが必要である。以下に本発明で染料層のバインダーとして使用されるポリビニルアセタール樹脂についてさらに詳細に説明する。
ポリビニルアセタール樹脂:
本発明の感熱転写シートは、染料層にアセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂(変性ポバール)を含有する。
以下に前記ポリビニルアセタール樹脂の一般式(2)を示す。
Figure 0005069715
(一般式(2)中、aはアセトアセタール化−OH基を含むアセタール構造のモル比率を表し、bはブチラール化−OH基を含むアセタール構造のモル比率を表し、cはビニルアルコール構造のモル比率を表す。a、bおよびcは0%を超えて100%未満であり、a+b+c=100%である。)
前記ポリビニルアセタール樹脂は、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有し、すなわち、アセトアセタール基のブチラール基に対する割合(一般式(2)におけるa/b。なお、本明細書中、Ac/Btという略称を用いることもある)が3.0〜30.0である。前記ポリビニルアセタール樹脂は、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜12.0モル倍有することが転写濃度をより高くするという観点から好ましく、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜6.0モル倍有することがポリビニルアセタール樹脂の溶媒溶解性が高くなり高生産性の観点からより好ましい。アセトアセタール基がブチラール基の3.0モル倍以上であれば本発明の効果が十分発揮されるだけでなく、感熱転写シートの保存性も良好となり、比の値が30.0以下であれば転写濃度が向上して好ましい。
前記ポリビニルアセタール樹脂に含まれるアセトアセタール基とブチラール基の相対モル数は、1H−NMR測定により求めることができる。
すなわち、重DMSO溶液に測定するポリビニルアセタール樹脂を溶解し、公知の方法に準拠して1H−NMRスペクトルを測定する。これらのスペクトルのうちケミカルシフト(内部基準物質としてテトラメチルシラン使用)が0.6ppm〜0.9ppmにあるものをブチラール基末端のメチル基のプロトン(3H)、0.9ppm〜1.2ppmにあるものをアセトアセタール基末端のメチル基のプロトン(3H)と帰属し、それぞれの範囲を積分することで、アセトアセタール基とブチラール基の相対モル数aとbを算出し、a/bの値を計算した。
前記ポリビニルアセタール樹脂の繰り返し単位の構成は特に制限はなく、ランダム共重合体であっても、ブロック重合体であってもよい。
前記ポリビニルアセタール樹脂は前記一般式(2)に含まれる繰り返し単位以外のその他の成分を含む共重合体であってもよいが、前記一般式(2)に含まれる繰り返し単位のみを含むことが好ましい。
前記ポリビニルアセタール樹脂は、1)ポバール(ポリビニルアルコール)の−OH基をアルデヒド化合物で縮合して得られ、少なくともアセトアセタール基とブチラール基を有する変性ポバール樹脂、または2)ポリビニルアセトアセタール樹脂とポリビニルブチラール樹脂の混合物であることが好ましい。
前記ポリビニルアセタール樹脂は、上記1)と2)のいずれでも好ましく、また、上記1)と2)の混合物でも好ましいが、本発明の効果の点で、上記1)である場合がより好ましい。
また本発明におけるポリビニルアセタールの質量平均分子量は9万〜40万であることが好ましく、9〜37万であることがより好ましく、9〜34万であることが特に好ましい。40万以下であれば塗布時に溶液の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好である。9万より低いと本発明の効果が十分発揮されない。
ここで質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量で定義する。
本発明において、市販されているポリビニルアセタールを併用してもよい。市販されているポリビニルアセタールの代表例としては、デンカブチラール3000−1、5000−A、6000−C、6000−CS(いずれも商品名 電気化学(株)製)や、エスレックBX−1、BX−5、KS−5(いずれも商品名 積水化学(株)製)などが挙げられる。
これらのポリビニルアセタールは公知の方法に準拠して合成することが可能である。具体的には、ポリビニルアルコールにアセトアルデヒドまたはブチルアルデヒドと酸触媒を用いて、水または有機溶媒中で反応させる。アセタール化に用いられる酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。また、触媒の使用量は、反応に用いられるアルデヒド1モルに対して0.005〜0.2モルが好ましい。アセタール化の反応温度は、20℃〜100℃程度であり、40℃〜90℃が好ましい。この時使用する市販のポリビニルアルコールの重合度を変更することで、最終的に得られるポリビニルアセタールの分子量をコントロールできる。重合度を変更したポリビニルアルコールとしては、たとえば ポバール(商品名 クラレ製)PVA110、PVA117、PVA120、PVA124などが挙げられる。
前記ポリビニルアセタール樹脂は、染料層の全バインダーに対して50質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することが最も好ましい。
(メタ)アクリルポリオール樹脂:
本発明の感熱転写シートは、前記染料層に(メタ)アクリルポリオール樹脂、すなわちアクリルポリオール樹脂またはメタアクリルポリオール樹脂を染料層の全バインダーに対して0.1〜20質量%含有することが本発明の課題であるプリント通過性および感熱転写シートの保存性の観点から好ましく、1.0〜10質量%含有することがさらに好ましい。
ここで(メタ)アクリルポリオール樹脂とは、(メタ)アクリル酸系モノマーの(共)重合体であって、その側鎖に水酸基を有するものを指す。特にエステル部の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体の(共)重合体であることが好ましい。
上記エステル部の末端に水酸基を有するアクリル酸誘導体を例示すると、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類が挙げられる。
(メタ)アクリルポリオール樹脂としては、他のビニル系モノマーまたは(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類モノマーを共重合してもよく、例えばスチレン、(メタ)アクリル酸メチルなどが挙げられる。これらの中で特にスチレンモノマーが好ましい。
(メタ)アクリルポリオール樹脂は市販のものが利用でき、例としてコータックスLH−635,LH−615,LH−633(商品名 東レファインケミカル製)、アクリット6AN−400、6AZ−215、6AN−493(商品名 大成化工(株)製)などが挙げられる。
その他の染料層用バインダー:
本発明の感熱転写シートでは染料層に含まれるバインダー樹脂として、上記のポリビニルアセタール樹脂、(メタ)アクリルポリオール樹脂以外に公知のものを使用してもよい。例として、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。
(染料層の構成)
前記染料層中において、前記一般式(1)で表される染料の前記バインダーに対する質量比、すなわち、染料/バインダー比は、0.3〜2.0が好ましく、0.5〜1.5がより好ましく、0.7〜 1.3が最も好ましい。
本発明において感熱転写シートの染料層は、染料層中の全固形分に対する染料の固形分が、20〜70質量%であることが好ましく、35〜60質量%であることがより好ましい。
染料層は単層構成であっても複層構成であってもよく、複層構成の場合、染料層を構成する各層の組成は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の感熱転写シートの染料層は、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層および必要に応じてブラックの染料層が同一の基材フィルム上に面順次で繰り返し塗り分けられているのが好ましい。
一例として、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色相の染料層が同一の基材フィルム上の長軸方向に、感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して面順次に塗り分けられている場合を挙げることができる。この3層のうち少なくとも1層に加えて、転写性保護層(これは、後述する転写性保護層積層体であってもよい)が設けられることが好ましい。
この様な態様を取る場合、各色の開始点をプリンターに伝達する目的で、感熱転写シート上に目印を付与することも好ましい態様である。このように面順次で繰り返し塗り分けることによって、染料の転写による画像の形成、さらには画像上への保護層の積層を一つの感熱転写シートで行なうことが可能となる。
しかしながら、本発明においては前記のような染料層の設け方に限定されるものではない。昇華型熱転写染料層と熱溶融転写染料層を併設することも可能であり、また、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック以外の色相の染料層を設ける等の変更をすることも可能である。また、形態としては長尺であっても良いし、枚葉の感熱転写シートであってもよいし、特に使用前の感熱転写シートが重なった状態で保管される態様に好ましく用いることができる。
(染料層の塗設方法)
前記染料層の塗設に用いられる染料層塗工液は、加熱により転写可能な染料と、バインダー樹脂を含有するものであるが、必要に応じて、有機微粉末もしくは無機微粉末、ワックス類、シリコーン樹脂、含フッ素有機化合物等を含有することができる。
前記染料層の塗設は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また前記染料層の塗設量は、0.1〜2.0g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2g/m2である。
前記染料層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2μmである。
<染料バリア層>
本発明の感熱転写シートは、染料層と基材フィルムの間に染料バリア層を設けることができる。
<易接着層>
本発明の感熱転写シートは、基材フィルムに塗布によって易接着層を形成することもできる。易接着層に用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を例示することができる。
また、易接着層を設けない場合は、基材フィルムの表面に、塗布液の濡れ性および接着性の向上を目的として、易接着処理を行なってもよい。処理方法として、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術を例示することができる。
基材フィルムに用いられるフィルムを溶融押出し形成する時に、未延伸フィルムに塗工処理を施し、その後に延伸処理して行なうことも可能である。
また、上記の処理は、二種類以上を併用することもできる。
<転写性保護層積層体>
本発明の感熱転写シートは転写性保護層積層体を有することが好ましい。
転写性保護層積層体とは、画像形成された感熱受像シートの上に透明樹脂からなる保護層を熱転写により形成し、画像を覆い保護するためのものであり、耐擦過性、耐光性、耐候性等の耐久性向上を目的としている。転写された染料が受像シート表面に曝されたままでは、耐光性、耐擦過性、耐薬品性等の画像耐久性が不十分な場合に有効である。
転写性保護層積層体は、基材フィルム上に、基材フィルム側から離型層、保護層、接着剤層の順に形成することができる。保護層を複数の層で形成することも可能である。保護層が他の層の機能を兼ね備えている場合には、離型層、接着剤層を省くことも可能である。基材フィルムとしては、易接着層の設けられたものを用いることも可能である。
(転写性保護層)
前記転写性保護層を形成する樹脂としては、耐擦過性、耐薬品性、透明性、硬度に優れた樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら各樹脂のシリコーン変性樹脂、紫外線遮断性樹脂、これら各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。なかでも、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
(転写性保護層樹脂)
アクリル樹脂としては、従来公知のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーの中から選ばれた少なくとも1つ以上のモノマーからなる重合体で、アクリル系モノマー以外にスチレン、アクリロニトリル等を共重合させても良い。好ましいモノマーとしてメチルメタクリレートを仕込み質量比で50質量%以上含有していることが挙げられる。
アクリル樹脂は、分子量が20,000〜100,000であることが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、従来公知の飽和ポリエステル樹脂を使用できる。上記ポリエステル樹脂を使用する場合は、ガラス転移温度は50〜120℃が好ましく、又、分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、さらに4,000〜20,000の範囲が保護層転写時に箔切れ性が良くなり、より好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明において、保護層または接着層に紫外線吸収剤を含有することが好ましく、紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333号公報)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)(いずれも商品名)等が挙げられる。
(転写性保護層の形成)
保護層の形成法は、用いられる樹脂の種類に依存するが、前記染料層の形成方法と同様の方法で形成すことができ、0.5〜10μmの厚さが好ましい。
(離型層)
前記転写性保護層が熱転写時に基材フィルムから剥離しにくい場合には、基材フィルムと保護層との間に離型層を形成することができる。転写性保護層と離型層の間にさらに剥離層を形成しても良い。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、およびこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗工液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗設、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂、あるいはセルロース誘導体樹脂が好ましく、基材フィルムとの密着性、保護層との離型性において優れている。
各種架橋剤によって架橋することも可能であり、また、電離放射線硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂も用いることができる。
離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは基材フィルム側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、熱転写により離型層が基材フィルム側に残存し、離型層と転写性保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れており、好ましい態様である。離型層の形成方法は、従来公知の塗設方法で形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜5μm程度が好ましい。
(接着層)
転写性保護層積層体の最上層として、保護層の最表面に接着層を設けることができる。これによって保護層の被転写体への接着性を良好にすることができる。
<耐熱滑性層>
本発明において感熱転写シートは、前記染料層を有する基材フィルム面と反対の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等の加熱素子に接する面の側に耐熱滑性層(背面層とも称す)を設けることが好ましい。
耐熱滑性層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、サーマルヘッド等の加熱素子との熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、その必要性は大きくなっている。
耐熱滑性層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、耐熱滑性層と支持体との間に中間層を設けてもよく、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂からなる層が開示されている。
耐熱滑性層に用いられるバインダーとしては、耐熱性の高い公知の樹脂を用いることができる。例として、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物を挙げることができる。
耐熱滑性層の耐熱性を高めるため、紫外線または電子ビームを照射して樹脂を架橋する技術が知られている。また、架橋剤を用い、加熱により架橋させることも可能である。この際、触媒が添加されることもある。架橋剤としては、ポリイソシアネート等が知られており、このためには、水酸基系の官能基を有する樹脂が適している。特開昭62−259889号公報には、ポリビニルブチラールとイソシアネート化合物との反応生成物にリン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類塩および炭酸カルシウム等の充填剤を添加することにより耐熱滑性層を形成することが開示されている。また、特開平6−99671号公報には、耐熱滑性層を形成する高分子化合物を、アミノ基を有するシリコーン化合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより得ることが開示されている。
機能を十分に発揮させるために、耐熱滑性層には、滑剤、可塑剤、安定剤、充填剤、ヘッド付着物除去のためのフィラー等の添加剤が配合されていても良い。
滑剤としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化黒鉛等のフッ化物、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化鉄等の硫化物、酸化鉛、アルミナ、酸化モリブデン等の酸化物、グラファイト、雲母、窒化ホウ素、粘土類(滑石、酸性白度等)等の無機化合物からなる固体滑剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩等の金属セッケン類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
アルキルりん酸モノエステル、アルキルりん酸ジエステルの亜鉛塩などの燐酸エステル系界面活性剤も用いられるが、酸根を有しており、サーマルヘッドからの熱量が大になると燐酸エステルが分解し、さらに耐熱滑性層のpHが低下してサーマルヘッドの腐食摩耗が激しくなるという問題点がある。これに対しては、中和した燐酸エステル系界面活性剤を用いる方法、水酸化マグネシウムなどの中和剤を用いる方法等が知られている。
その他の添加剤としては高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、有機カルボン酸およびその誘導体、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。
耐熱滑性層は、上に例示したようなバインダーに添加剤を加えた材料を溶剤中に溶解または分散させた塗工液を、グラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することによって形成される。0.1〜10μmの膜厚が好ましく、さらに好ましくは0.2〜5μmの膜厚である。
[感熱転写受像シート]
次に感熱転写プリントを形成するために本発明の感熱転写シートと組み合わせて使用できる感熱転写受像シートに関して詳細に説明する。
感熱転写受像シートは、一般に染料を受容する熱可塑性の受容ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層と1層の断熱層を支持体上に有する。受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、その他の添加物を含有させることができる。支持体と受容層との間に、例えば光沢制御層、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの中間層が形成されていてもよい。断熱層は支持体と受容層との間に少なくとも1層有することが好ましい。
受容層およびこれらの中間層は同時重層塗布により形成されることが好ましく、中間層は、必要に応じて複数設けることができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていてもよい。支持体裏面各層を塗布するためには、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法を用いることができる。
本発明においては、どのような感熱転写受像シートと組み合わせることもできるが、特に、支持体上に、中空ポリマー(粒子)ラテックスを含有する断熱層とポリマー(粒子)ラテックスを含有する受容層とを有する感熱転写受像シートと組み合わせて用いることが、本発明の効果を効果的に奏する点で好ましい。
感熱転写受像シートは、受容層に染料染着可能なポリマーラテックスを使用することが好ましい。またポリマーラテックスとしては単独でも複数のポリマーラテックスを混合使用してもよい。
ポリマーラテックスとは一般に熱可塑性樹脂が微粒子として水溶性の分散媒中に分散されたものである。本発明のポリマーラテックスに用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
このうちポリカーボネート、ポリエステル、塩化ビニル共重合体が好ましく、ポリエステル、塩化ビニル共重合体が特に好ましい。
ポリエステルはジカルボン酸誘導体とジオール化合物との縮合により得られ、芳香環や飽和炭化環を含有してもよく、分散性を付与するための水溶性基してもよい。
塩化ビニル共重合体としては、塩化ビニルと酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとメタクリレートの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとアクリレートとエチレンの共重合体等が挙げられる。このように2元共重合体でも3元以上の共重合体でもよく、モノマーが不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。
該共重合体にはビニルアルコール誘導体やマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体などの補助的なモノマー成分を添加してもよい。共重合体において塩化ビニル成分は50質量%以上含有されていることが好ましく、またマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体等の補助的なモノマー成分は10質量%以下であることが好ましい。
ポリマーラテックスは単独でも混合物として使用してもよい。ポリマーラテックスは、均一構造であってもコア/シェル型であってもよく、このときコアとシェルをそれぞれ形成する樹脂のガラス転移温度が異なってもよい。
この様なポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、20℃〜90℃であることが好ましく、より好ましくは25℃〜80℃である。
商業的に入手可能なアクリレートラテックスとしては、日本ゼオン株式会社製、NipolLX814(Tg25℃)、NipolLX857X2(Tg43℃)等(いずれも商品名)が挙げられる。
商業的に入手可能なポリエステルラテックスとしては、東洋紡株式会社製 バイロナールMD−1100(Tg40℃)、バイロナールMD−1400(Tg20℃)、バイロナールMD−1480(Tg20℃)、MD−1985(Tg20℃)等(いずれも製品名)が挙げられる。
商業的に入手可能な塩化ビニル共重合体としては、日信化学工業株式会社製 ビニブラン276(Tg33℃)、ビニブラン609(Tg48℃)、住化ケムテックス株式会社製スミエリート1320(Tg30℃)、スミエリート1210(Tg20℃)等(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。またポリマーラテックスの平均粒子サイズは、30〜300nmが好ましい。
(断熱層)
断熱層に中空ポリマーを含有することが転写濃度をより高くするという観点から好ましい。
本発明において中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子であり、好ましくは水分散物であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれかまたはそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中でも、上記1)の非発泡型の中空ポリマー粒子が好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。具体例としてはロームアンドハース社製 ローペイク HP−1055、JSR社製 SX866(B)、日本ゼオン社製 Nipol MH5055 (いずれも商品名)などが挙げられる。
これらの中空ポリマーの平均粒子径は0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜3.0μmであることがさらに好ましく、0.4〜1.4μmであることが特に好ましい。
また、中空ポリマーは、空隙率が20〜70%のものが好ましく、30〜60%のものがより好ましい。
中空ポリマー粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、その外径の円相当換算直径を測定し算出する。平均粒径は、中空ポリマー粒子を少なくとも300個透過電子顕微鏡を用いて観察し、その外形の円相当径を算出し、平均して求める。また中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合から求める。
中空ポリマーのポリマー特性として、ガラス転移温度(Tg)が70℃〜200℃であることが好ましく、90℃〜180℃である中空ポリマーがさらに好ましい。中空ポリマーとしては、中空ポリマーラッテックスが特に好ましい。
感熱転写受像シートの受容層および/または断熱層には水溶性ポリマーを含有させることができ、前記受容層がポリマーラテックスまたは水溶性ポリマーを含有することが本発明の課題であるプリント通過性の観点から好ましい。ここで水溶性ポリマーとは、20℃において水100gに対し0.05g以上の溶解度を有し、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上の溶解度を有する。
感熱転写受像シートに用いることのできる水溶性ポリマーとして、カラギナン類、ペクチン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水溶性ポリエステル等を挙げることができる。このうちゼラチンとポリビニルアルコールが好ましい。
ゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができ、ゼラチン中にCl-、SO4 2-等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
またゼラチンには、アルデヒド型架橋剤、N−メチロール型架橋剤、ビニルスルホン型架橋剤、クロロトリアジン型架橋剤等の公知の架橋剤を添加することができる。このうちビニルスルホン型架橋剤、クロロトリアジン型架橋剤が好ましく、具体的例としては、ビスビニルスルホニルメチルエーテル、N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン、4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンまたはそのナトリウム塩を挙げることができる。
ポリビニルアルコールとしては、完全けん化物、部分けん化物、変性ポリビニルアルコール等の各種ポリビニルアルコールを用いることができる。これらポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著,「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%であることが好ましい。
ポリビニルアルコールの具体例として、完全けん化物としてはPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117Hなど、部分けん化物としてはPVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−220など、変性ポリビニルアルコールとしてはC−118、HL−12E、KL−118、MP−203が挙げられる。(いずれも商品名、株式会社クラレ製)
感熱転写受像シートの受容層に、離型剤を含有させることが好ましい。離型剤として公知のポリエチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が挙げられるが、なかでもシリコーン系離型剤が好ましく、中でもポリエーテル変性シリコーンが特に好ましい。
[画像形成方法]
次に本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法では、基材フィルム上に、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む下引き層と、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と前記一般式(1)で表される染料とを含む染料層を順次有する感熱転写シートと、支持体上に少なくとも一層の断熱層および受容層を有する感熱転写受像シートとを、該感熱転写シートの該染料層と該感熱転写受像シートの該受容層とが接するように重ね合わせ、画像信号に応じた熱エネルギーを前記感熱転写シートの耐熱滑性層側から加熱素子により付与することにより画像記録する。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜7秒である。
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は1.0msec/line以下であることが好ましく0.75msec/line以下であることがさらに好ましく、0.65msec/line以下であることが最も好ましい。また、高速プリントにおける転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルプリンターヘッド最高到達温度は、180℃〜450℃が好ましく、さらに好ましくは200℃〜450℃である。さらには350℃〜450℃が好ましい。
(剥離力)
本発明においては、感熱転写シートと感熱転写受像シートの間の剥離力を安定に保つことに技術的な意義の一つの特徴があり、そのことによって安定したプリント出力が可能となる。
本発明における剥離力とは、感熱転写シートの染料層と感熱転写受像シートの受容層を接するように重ね合わせて形成した5cm巾の切片を、該感熱転写シートまたは該感熱転写受像シートのいずれか一方のシートを固定した状態でもう一方のシートを長手方向に180度剥離したときの剥離力を意味する。本発明の画像形成方法では、前記剥離力が0.30N以下であることが好ましい。
さらに具体的には、まず感熱転写シートと感熱転写受像シートを、所定の感熱転写用プリンターで感熱転写シートの染料層と感熱転写受像シートの受容層を接するように重ね合わせて、加熱素子(サーマルヘッドともいう)によって加熱して、染料を転写した後、プリンターによる剥離が開始される前に、プリンターを停止し、感熱転写シートと感熱転写受像シートが接着したままの状態で、サンプルを取り出し、5cm巾の切片とする。その切片について感熱転写シートの端部と感熱転写受像シートの端部の巾方向(剥離方向とは垂直の方向)を剥離力測定装置の測定治具で固定した後、切片の長手方向に一定スピードで感熱転写シートを感熱転写シートの表面に対して角度180°にて剥離した際に測定される力を剥離力とする。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
(ポリビニルアセタール樹脂の合成)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、原料のポバール20g、塩化メチレン400g、塩酸 2.0g、およびアセトアルデヒド、ブチルアルデヒドを以下の表にあるように加え40℃で40時間加熱して反応を完結させた。次に、反応液をメタノール中に再沈殿させて反応生成物を得た。
得られた樹脂について以下の表2にまとめた。
Figure 0005069715
表2中、AcおよびBtは、各ポリビニルアセタール樹脂バインダー中に含まれるアセトアセタール基とブチラール基の量を1H−NMRで測定した際における積分値を、ブチラール基の量を1として換算した際におけるアセトアセタール基とブチラール基の相対量を表す。分子量は各ポリビニルアセタール樹脂バインダーの質量平均分子量を表す。
(感熱転写シートの作製)
基材フィルムとして片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/m2となるように以下の背面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
背面層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂 26.3質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 64質量部
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に、以下に述べる下引き層、さらにその上に染料層を組み合わせて塗布し、各感熱転写シートを作製した。なお下引き層を塗布する場合の固形分塗布量は0.03g/m2、染料層の固形分塗布量は0.8g/m2とした。
染料層塗工液1:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
フェノキシ樹脂 10.0質量部
(PKHJ、商品名、ユニオンカーバイド(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 41質量部
トルエン 41質量部
染料層塗工液2:
ソルベントブルー63(S.B.63、日本化薬(株)製) 7.8質量部
ポリビニルアセタール樹脂(本発明外の樹脂) 0.0質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 41質量部
トルエン 41質量部
染料層塗工液3:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB1(上記の合成品) 10.0質量部
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 41質量部
トルエン 41質量部
染料層塗工液4:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB2(上記の合成品) 10.0質量部
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T, 商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 41質量部
トルエン 41質量部
染料層塗工液5:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB3(上記の合成品) 10.0質量部
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 41質量部
トルエン 41質量部
染料層塗工液6:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB4(上記の合成品) 10.0質量部
アクリルポリオール樹脂 2.0質量部
(アクリット6AZ-215 商品名 大成化工(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 40質量部
トルエン 40質量部
染料層塗工液7
ソルベントイエロー93(S.Y.93 日本化薬) 7.8質量部
例示バインダーB4(上記の合成品) 10.0質量部
アクリルポリオール樹脂 2.0質量部
(アクリット6AZ-215 商品名 大成化工(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 40質量部
トルエン 40質量部
染料層塗工液8:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB5(上記の合成品) 10.0質量部
アクリルポリオール樹脂 2.0質量部
(アクリット6AZ-215 商品名 大成化工(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 40質量部
トルエン 40質量部
染料層塗工液9:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB6(上記の合成品) 10.0質量部
アクリルポリオール樹脂 2.0質量部
(アクリット6AZ-215 商品名 大成化工(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 40質量部
トルエン 40質量部
染料層塗工液10:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB7(上記の合成品) 10.0質量部
アクリルポリオール樹脂 2.0質量部
(アクリット6AZ-215 商品名 大成化工(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 40質量部
トルエン 40質量部
染料層塗工液11:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
例示バインダーB4(上記の合成品) 10.0質量部
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 41質量部
トルエン 41質量部
染料層塗工液12:
例示化合物1−1の染料 7.8質量部
フェノキシ樹脂(PKHJ、商品名、ユニオンカーバイド製)
10.0質量部
アクリルポリオール樹脂 1.5質量部
(アクリット6AZ-215 商品名 大成化工(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
メチルエチルケトン 40質量部
トルエン 40質量部
下引き層塗工液1:
コロイダルシリカ(スノーテック XS、日産化学工業(株)製) 50質量部
水 25質量部
イソプロピルアルコール 25質量部
下引き層塗工液2:
アルミナゾル(アルミナゾル100、日産化学工業(株)製) 50質量部
水 25質量部
イソプロピルアルコール 25質量部
これらの染料層塗工液、上記下引き層塗工液を下記表3のように組み合わせて、感熱転写シート1〜14を作製した。
なお下引き層塗工液番号に「なし」となっているサンプルは下引き層を塗布せずに基材フィルムの易接着処理面の上に直接染料層を塗布したことを示す。
Figure 0005069715
[感熱転写受像シート(I)の作製]
支持体として合成紙(ユポFPG200、厚さ200μm、商品名、(株)ユポ・コーポレーション製)を用い、この一方の面に下記組成の白色中間層、受容層の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は白色中間層1.0g/m2、受容層4.0g/m2となるように塗布を行い、乾燥は各層110℃、30秒間行った。
白色中間層:
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡(株)製) 7.6質量部
蛍光増白剤 0.8質量部
(Uvitex OB、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
酸化チタン 23質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 69質量部
受容層:
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 19.6質量部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 1質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 1質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3000E)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 78.4質量部
[感熱転写受像シート(II)の作製]
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の下引き層、断熱層、中間層、受容層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。固形分が下引き層:3g/m2、断熱層:15g/m2、中間層:2.5g/m2、受容層:2.5g/m2となるように塗布した。
受容層塗布液(II):
塩化ビニル系ラテックス 20.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製、固形分40%)
塩化化ビニル系ラテックス 20.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製、固形分55%)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
ポリビニルピロリドン 0.5質量部
(K−90、商品名、ISP(株)製)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 1.0質量部
(L−7001、商品名、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製、
側鎖変性型)
界面活性剤F−1(5%水溶液) 1.5質量部
界面活性剤F−2(5%水溶液) 5.0質量部
水 50.0質量部
中間層塗布液:
塩化ビニル系ラテックス 50.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製、 固形分55%)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
水 20.0質量部
断熱層塗布液:
アクリル系中空粒子 20.0質量部
(ローペイクHP−1055、商品名、平均粒径1.0μm、
固形分26.5%、中空率55%、ロームアンドハース社製)
アクリルスチレン系中空粒子 3.0質量部
(Nipol MH5055、商品名、平均粒径0.5μm、
固形分30%、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 25.0質量部
スチレン−ブタジエンラテックス 4.8質量部
(Nipol 2507H、商品名、Tg=58℃、平均粒径250nm、
固形分52%、日本ゼオン(株)製)
水 47.2質量部
感熱転写受像シート(II)用の下引き層塗布液:
ポリビニルアルコール 5.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス 60.0質量部
(SN−307、商品名、日本エイアンドエル(株)製、固形分48%)
水 35.0質量部
[評価方法]
(高温高湿経時条件)
ESPEC(株)製 恒温恒湿機PR−1KP(商品名)を使用して、30℃相対湿度85%の温湿度環境を設定し、感熱転写シートのサンプルと感熱転写受像シートのサンプルをロール状に巻いて14日間経時した。
(サイクルサーモ経時条件)
各実施例および比較例の感熱転写シートのサンプルおよび感熱転写受像シートのサンプルをロール状に巻いて、サイクルサーモ経時の実験をESPEC(株)製 恒温恒湿機PR−1KP(商品名)を使用して以下の条件で行った。
(1)15℃相対湿度85% 6時間(屋外夜間の低温高湿を想定)
(2)+2.5℃/1時間、−相対湿度10%/1時間の速度で6時間かけて温湿度を変更
(3)30℃相対湿度25% 6時間(屋外日中の高温低湿を想定)
(4)−2.5℃/1時間、+相対湿度10%/1時間の速度で6時間かけて温湿度を変更
(1)〜(4)までを1サイクル(1日)として、これを14日間行なった。
(プリント通過性評価方法)
上記高温高湿経時後、サイクルサーモ経時後それぞれのサンプルを、25℃相対湿度50%の恒温恒湿室内にて、ASK2000プリンターのインクリボンのイエロー部分を表3の感熱転写シートに張り替え、所定の感熱転写受像シートと組み合わせてイエローの最高画像濃度を出力して、プリント通過性の評価を行った。以下に示した基準でA〜Eまでのランク分けを行った。
Figure 0005069715
(剥離力の測定方法)
上記高温高湿経時後、サイクルサーモ経時後それぞれのサンプルをASK2000プリンターのインクリボンのイエロー部分を上記感熱転写シートに張り替えて、イエローの最高濃度画像を出力し、イエロー部分の剥離が始まる前に、プリンターを停止して、感熱転写シートと感熱受像シートが接着したままサンプルを取り出す。
新東科学製 表面性測定器 TYPE 14DRを使用して、サンプル巾を5cm、感熱受像シートと上記インクリボンの剥離角度が180°になるように上記測定器に設置し、剥離スピードを6000mm/minとした以外は前述の方法にしたがって剥離力を測定した。
以上のように作成した感熱転写シート、感熱受像シートを以下の表4にあるように様々に組み合わせて、高温高湿経時後、サイクルサーモ経時後について、それぞれ剥離力およびプリント通過性評価を行った。その結果を下記表5に示す。
ここで試験番号1は公知技術に挙げた特開2003−205686号公報の実施例1で使用されている染料とバインダーの組み合わせに準拠したサンプルであり、試験番号2は公知技術に挙げた特開2006−116892号公報の実施例1に使用されている染料層と下引き層の組み合わせに準拠したサンプルである。
Figure 0005069715
上記結果から明らかなように、本発明の範囲において、剥離力およびプリント通過性が良化していることがわかった。

Claims (9)

  1. 基材フィルム上に、
    コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む下引き層と、
    アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と下記一般式(1)で表される染料とを含む染料層を、順次有することを特徴とする感熱転写シート。
    Figure 0005069715
    (一般式(1)中、Aは置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
  2. 前記ポリビニルアセタール樹脂が、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜12.0モル倍有することを特徴とする請求項1に記載の感熱転写シート。
  3. 前記ポリビニルアセタール樹脂が、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜6.0モル倍有することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写シート。
  4. 前記ポリビニルアセタール樹脂の質量平均分子量が9万〜40万であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱転写シート。
  5. 前記染料層が、染料層の全バインダーに対して0.1〜20質量%のアクリルポリオール樹脂またはメタアクリルポリオール樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱転写シート。
  6. 前記下引き層がコロイダルシリカを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱転写シート。
  7. 基材フィルム上に、コロイダルシリカおよびコロイダルアルミナの少なくとも一方を含む下引き層と、アセトアセタール基をブチラール基の3.0〜30.0モル倍有するポリビニルアセタール樹脂と下記一般式(1)で表される染料とを含む染料層を順次有する感熱転写シートと、
    支持体上に少なくとも一層の断熱層および受容層を有する感熱転写受像シートとを、
    該感熱転写シートの該染料層と該感熱転写受像シートの該受容層とが接するように重ね合わせ、
    画像信号に応じた熱エネルギーを前記感熱転写シートの耐熱滑性層側から加熱素子により付与することにより画像記録する画像形成方法。
    Figure 0005069715
    (一般式(1)中、Aは置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
  8. 前記感熱受像シートにおいて、前記断熱層が中空ポリマー粒子を含有し、前記受容層がポリマーラテックスまたは水溶性ポリマーを含有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記感熱転写シートの染料層と前記感熱転写受像シートの受容層を接するように重ね合わせて形成した5cm巾の切片を、該感熱転写シートまたは該感熱転写受像シートのいずれか一方のシートを固定した状態でもう一方のシートを長手方向に180度剥離したときの剥離力が0.30N以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成方法。
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