JP4499675B2 - 熱転写方式を用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
従来、この方式でインクシートと受像シートには、構造規定したポリエステルなど種々の構造の分子を使用することが提案(例えば特許文献1参照)されているが、従来のインクシートと受像シートの組合せでは、プリント後の長期経時、特に高温・高湿条件での保存時に形成画像が滲むことがあり、画像の滲み耐性の改良が求められていた。
(1)1)支持体上に、塩化ビニルアクリル共重合体のポリマーラテックスを含む少なくとも1層の受容層と、ポリスチレン、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーであって粒子サイズが0.1〜2μmの中空ポリマーを含みかつ該中空ポリマー以外に有機溶剤に耐性の無い樹脂を含まない少なくとも1層の断熱層を含有する感熱転写受像シートと、2)支持体上に下記一般式(3)で表される化合物を少なくとも1種含む熱転写層を含有する感熱転写シートを、該1)の感熱転写受像シートの受容層と該2)の感熱転写シートの熱転写層が接するよう重ねあわせ、画像信号に応じて熱エネルギーを付与することにより熱転写画像を形成する画像形成方法。
(一般式(3)中、R 11 、R 13 およびR 14 は各々独立に水素原子または置換基を表す。R 12 は置換基を表す。A 2 は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。n3は0〜4の整数を表す。ここで、n3が2〜4の整数を表すとき複数のR 12 は同じでも異なっていてもよい。)
(2)1)支持体上に、塩化ビニルアクリル共重合体のポリマーラテックスを含む少なくとも1層の受容層と、含有する樹脂が、ポリスチレン、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーであって粒子サイズが0.1〜2μmの中空ポリマーと水溶性ポリマーのみである少なくとも1層の断熱層を含有する感熱転写受像シートと、2)支持体上に下記一般式(3)で表される化合物を少なくとも1種含む熱転写層を含有する感熱転写シートを、該1)の感熱転写受像シートの受容層と該2)の感熱転写シートの熱転写層が接するよう重ねあわせ、画像信号に応じて熱エネルギーを付与することにより熱転写画像を形成する画像形成方法。
(一般式(3)中、R 11 、R 13 およびR 14 は各々独立に水素原子または置換基を表す。R 12 は置換基を表す。A 2 は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。n3は0〜4の整数を表す。ここで、n3が2〜4の整数を表すとき複数のR 12 は同じでも異なっていてもよい。)
(3)前記画像形成方法で前記感熱転写受像シートに形成される画像のイエロー成分が前記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)前記熱転写層が、前記感熱転写受像シートに形成される画像のイエロー成分として下記一般式(1)で表される化合物をさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成方法。
(一般式(1)中、R 1 、R 2 およびR 3 は各々独立に水素原子または置換基を表す。A 1 は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。B 1 は結合している両端の炭素原子、窒素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。)
(5)前記熱転写層が、前記感熱転写受像シートに形成される画像のマゼンダ成分として下記一般式(4)で表される化合物および/または下記一般式(5)で表される化合物をさらに含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成方法。
(一般式(4)中、Dはジアゾニウム塩由来の芳香環基または芳香族へテロ環基を表す。R 15 は置換基を表し、R 16 およびR 17 は各々独立に水素原子または置換基を表す。n4は0〜4の整数を表す。ここで、n4が2〜4の整数を表すとき複数のR 15 は同じでも異なっていてもよい。)
(一般式(5)中、A 3 は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。EWG 1 は電子吸引基を表す。R 18 は置換基を表し、R 19 およびR 20 は各々独立に水素原子または置換基を表す。n5は0〜4の整数を表す。ここで、n5が2〜4の整数を表すとき複数のR 18 は同じでも異なっていてもよい。)
(6)前記熱転写層が、前記感熱転写受像シートに形成される画像のシアン成分として下記一般式(6)で表される化合物をさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成方法。
(一般式(6)中、EWG 2 は電子吸引基を表す。R 21 およびR 24 は各々独立に置換基を表し、R 22 、R 23 およびR 25 は各々独立に水素原子または置換基を表す。n6およびn7は各々独立に0〜4の整数を表す。ここで、n6が2〜4の整数を表すとき又はn7が2〜4の整数を表すとき、複数のR 21 又は複数のR 24 は各々同じでも異なっていてもよい。)
(7)前記有機溶剤に耐性の無い樹脂が、水分散型樹脂であることを特徴とする(1)、(3)、(4)、(5)または(6)に記載の画像形成方法。
(8)前記断熱層が水溶性ポリマーを含むことを特徴とする(1)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)に記載の画像形成方法。
(9)前記受容層が水溶性ポリマーを含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成方法。
(10)前記受容層と前記断熱層のうち少なくとも一方に水性ポリマーを架橋することができる化合物を含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成方法。
(11)前記水溶性ポリマーがゼラチンであることを特徴とする(2)、(3),(4),(5),(6),(8),(9)または(10)に記載の画像形成方法。
(12)前記受容層が、少なくとも2種のポリマーラテックスを含むことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の画像形成方法。
(13)前記受容層が、前記断熱層上に接して塗設されていることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(14)前記受容層と前記断熱層が同時重層塗布されてなることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成方法。
(15)前記受容層が乳化物を含むことを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成方法。
(16)前記熱エネルギーの付与が、サーマルヘッドによるものであり、かつ前記画像形成方法が昇華型であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成方法。
(17)(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成方法を行うための画像形成システム。
1)感熱転写受像シート
最初に、感熱転写受像シート(受像シート)について説明する。
本発明に用いられる感熱転写受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(受容層)を有し、支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。また、受容層と断熱層との間に、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの下地層が形成されていてもよい。
受容層および断熱層は同時重層塗布により形成されることが好ましい。また、下地層を含む場合は、受容層、下地層および断熱層を同時重層塗布により形成することができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。本発明の受像シートにおいて、受容層はポリマーラテックスを含有する。受容層は1層でも2層以上でもよい。また、受容層は後述する水溶性ポリマーを含有することが好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスについて説明する。
本発明に用いられる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な塩化ビニルをモノマー単位として含む疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64-538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。
分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
本発明の受容層においては塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体ラテックスは層中の全固形分に占める比率で50%以上であることが好ましい。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
受容層は水溶性ポリマーを含有することが好ましい。本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。なお、本発明における水溶性ポリマーには、前記ポリマーラテックスは含まれない。
本発明においてはゼラチンが好ましい態様の一つである。本発明に用いるゼラチンは分子量10,000から1,000,000ものまで用いることができる。本発明のゼラチンはCl−、SO4 2−等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
以下に、ポリビニルアルコールについてさらに詳しく説明する。
完全けん化物としては、PVA−105[ポリビニルアルコール(PVA)含有率94.0質量%以上、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%以下、揮発分5.0質量%以下、粘度(4質量%、20℃)5.6±0.4CPS]、PVA−110[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)11.0±0.8CPS]、PVA−117[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)28.0±3.0CPS]、
受容層における水溶性ポリマーの添加量は、当該受容層全体の1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
受容層に含まれる前記水溶性ポリマーは、その一部又は全部が架橋剤により架橋されていることが好ましい。
架橋剤としては、アミノ基やカルボキシル基あるいはヒドロキシル基などと反応する基を分子内に複数含有すればよく、水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられ、架橋剤の種類については特に限定されない。T.H.James著,“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊),77〜87頁に記載の各方法や、米国特許第4,678,739号明細書第41欄、特開昭59−116655号公報、同62−245261号公報、同61−18942号公報等に記載の架橋剤が使用に適している。無機化合物の架橋剤(例えば、クロムみょうばん、ホウ酸及びその塩)および有機化合物の架橋剤のいずれも好ましい。また、特開2003−231775号公報記載のpHが1〜7であるキレート化剤とジルコニウム化合物とを含む混合水溶液からなる架橋剤を使用していてもよい。
本発明に用いられる架橋剤の使用量としては、水溶性バインダーや架橋剤の種類により変化するが、概ね含まれる構成層の水溶性ポリマー100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、さらには1〜10質量部であることがより好ましい。
架橋剤として本発明に用いられる硬膜剤は受像シートの塗設層(例えば、受容層、断熱層、下塗層など)中に添加することができる。本発明で用いることができる硬膜剤は、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。
好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
本発明においてさらに好ましい硬膜剤は下記一般式(B)または(C)で表される化合物である。
一般式(B)
(CH2=CH−SO2)n−L
一般式(C)
(X−CH2−CH2−SO2)n−L
一般式(B)、(C)中でXはハロゲン原子を表し、Lはn価の有機連結基を表す。一般式(B)または(C)で表される化合物が低分子化合物である場合nは1ないし4の整数を表す。高分子化合物である場合Lはポリマー鎖を含む有機連結基であり、このときnは10〜1000の範囲である。
また、クロロトリアジン系硬膜剤としては、少なくとも1個のクロル原子が、2位、4位または6位に置換した1,3,5−トリアジン化合物が好ましい。
塩素原子は、2位、4位または6位に、2個または3個置換したものもがより好ましい。2位、4位または6位に、少なくとも1個の塩素原子が置換して、残りの位置に、塩素原子以外の基が置換してもよく、これらの基としては、水素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルオキシもしくはアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
クロロトリアジン系硬膜剤の具体的な例は、4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンもしくはこのNa塩、2−クロロ−4,6−ジフェノキシトリアジン、2−クロロ−4,6−ビス〔2,4,6−トリメチルフェノキシ〕トリアジン、2−クロロ−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(n−ブトキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−クロロエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ブロモエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,6−キシレノキシ)−1,3,5−トリアジン等であるが、本発明においてこれらに限定されない。
このような化合物は、塩化シアヌル(すなわち2,4,6−トリクロロトリアジン)を、複素環上の置換基に対応するヒドロキシ化合物、チオ化合物またはアミノ化合物等と反応させることによって容易に製造できる。
本発明に用いられる感熱転写受像シートの受容層には、乳化物を含有することが好ましい。本発明に好ましく用いられる乳化物について、以下に説明する。
滑剤、酸化防止剤などの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号明細書に記載の方法などの公知の方法により受像シートの層(例えば、受容層、断熱層、下塗層など)中に導入することができる。この場合には、米国特許第4,555,470号、同第4,536,466号、同第4,536,467号、同第4,587,206号、同第4,555,476号、同第4,599,296号、特公平3−62256号の公報または明細書などに記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることができる。またこれら滑剤や酸化防止剤、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができる。
一般式(E−1)〜(E−3)のいずれかで表わされる化合物について、本発明の効果の点での好ましい置換基について述べる。
一般式(E−1)〜(E−3)において、R41は脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはフォスホリル基であって、R42、R43、R45及びR46は各々独立に、水素原子、脂肪族基、脂肪族オキシ基またはアシルアミノ基である場合が好ましく、R41は脂肪族基であって、R42、R43、R45及びR46は各々独立に、水素原子または脂肪族基である場合はさらに好ましい。
以下に、一般式(E−1)〜(E−3)のいずれかで表される好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
好ましくは以下の化合物が用いられる。
疎水性化合物を親水性コロイドに分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−157636号公報の37〜38頁に記載の界面活性剤として挙げたものを使うことができる。また、特開平7−56267号、同7−228589号、西独公開特許第1,932,299A号の公報または明細書に記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用することができる。
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤が添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーのラテックスと混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
また、受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用いられるが、中でもビニル変成シリコーンオイルとハイドロジェン変成シリコーンオイルとの反応物が良い。離型剤の添加量は、受容ポリマーに対して0.2〜30質量部が好ましい。
断熱層は、サーマルヘッド等を用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は、受容層より支持体側に設けられる。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、[1]ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、[2]ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、[3]上記の[2]をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
ここで、「有機溶剤に耐性の無い」とは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)への溶解度が1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であることをいう。例えば前記ポリマーラテックスは、「有機溶剤に耐性の無い樹脂」に含まれる。
断熱層における水溶性ポリマーの添加量は、当該断熱層全体の1〜75質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。
断熱層中の水溶性ポリマーは、架橋剤の種類によっても異なるが、水溶性ポリマーに対して、0.1〜20質量%架橋されていることが好ましく、1〜10質量%架橋されていることがより好ましい。
受容層と断熱層との間には下地層が形成されていてもよく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号公報、特許第2925244号公報などに記載されたものと同様の構成とすることができる。
本発明では、支持体として耐水性支持体を用いることが好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明の感熱転写受像シートは、各層をロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で塗布し、これを乾燥させることで作製することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、受容層および断熱層を支持体上に同時重層塗布することでも形成することができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより、生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができる。
本発明では米国特許2,761,791号明細書に記載の方法で支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させることが好ましい。一例として樹脂により固化する多層構成の場合、支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を上げることが好ましい。またゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げることが好ましい場合もある。
本発明においては多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
次に、本発明に用いられる感熱転写シート(インクシート)について説明する。
熱転写画像形成の際に、上述した感熱転写受像シートと併せて使用されるインクシートは、支持体上に拡散転写染料を含む熱転写層(以下、色素層ともいう)を設けたものである。色素層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。
本発明に用いられるインクシートは、支持体上に後述の一般式(3)で表される化合物を少なくとも1種含む熱転写層を含有する。
以下に一般式(1)、(3)、(4)、(5)または(6)で表される化合物を説明する。
まず、一般式(1)で表される色素について、詳細に説明する。
ここで該置換基をさらに詳しく説明する。該置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基(環数は問わない)を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基(環数は問わない)を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基を有していても良い。
R1、R2およびR3で表されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
R1、R2又はR3で表されるアルケニル基にはシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基が好ましい。例としてはビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイルを挙げることができる。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例としては、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられる。ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。ビシクロアルケニル基としては炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例として、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イルを挙げることができる。
芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられ、置換基を有していてもよく、さらに縮環していてもよい。
前記支持体の厚みとしては、1〜10μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。
感熱転写シートの詳細は、例えば特開平11−105437号公報に記載されており、段落番号0017〜0078の記載が、本願の明細書に好ましく取り込まれる。
具体的には、好ましくは上記感熱転写シート上に、該シートの長軸方向に、異なった色の色素を含有する感熱転写層を面順次塗設するものであり、この異なった色素として各々の感熱転写層中に、対応する色素の化合物(一般式(1)、(3)、(4)、(5)または(6)で表される化合物)を含有させる方法である。
(インクシートD1の作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、東レ(株)製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物をそれぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインキ
色素(1)−1 2.2部
色素(3)−1 2.3部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
マゼンタインキ
色素(4)−1 2.2部
色素(5)−1 2.3部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
シアンインキ
色素(6)−1 2.2部
色素(6)−4 2.3部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
各単色のインク層のみ下記組成とし、それ以外は試料D1と同様に作製した。
イエローインキ
色素(1)−2 2.2部
色素(3)−2 2.3部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
マゼンタインキ
色素(4)−2 2.2部
色素(5)−2 2.3部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
シアンインキ
色素(6)−2 2.2部
色素(6)−5 2.3部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
支持体として合成紙(ユポFPG200、厚さ200μm、商品名、ユポコーポレーション社製)を用い、この一方の面に下記組成の白色中間層、受容層の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は白色中間層1.0g/m2、受容層4.0g/m2となるように塗布を行い、乾燥は各層110℃、30秒間行った。
(受像シートの作製)
白色中間層
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
受容層
ポリカーボネート樹脂 30質量部
(LEXAN−141、商品名、General Electric社)
ポリエステル樹脂 70質量部
(バイロン200、商品名、東洋紡(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
塩化メチレン 400質量部
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 100質量部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400質量部
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は試料101と同様に作製した。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 48質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 3質量部
受容層は試料103と同様に作製し、以下に示す断熱層Aを設けた。
断熱層A
中空ポリマーラテックス 563質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 120質量部
ここで、中空ポリマーラテックスは外径0.5μm中空構造ポリマーの水分散体である。前記組成の断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃16時間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、前記組成の断熱層A、受容層Aを試料104と同様の方法で塗布、乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層:10g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
試料105と同様に塗布を行い、それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層Aを下記組成の受容層Bに変更して、それ以外は試料105と同様に作製した。
受容層B
塩化ビニル系ラテックス 48質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 3質量部
ワックス 1質量部
(EMUSTAR−042X、商品名、日本精鑞(株)製)
硬膜剤(VS−7) 0.2質量部
乳化分散物Aの作製
乳化分散物Aの調製処方の概略を以下に示す。
20%のゼラチン溶液に、以下の化合物(EB−9)を酢酸エチルに溶解した溶液、高沸点有機溶媒(SOLV−5)、および界面活性剤(KF41−410)を添加し、混合したホモジナイザー(日本精機製)を用いて乳化し、乳化物を得た。乳化分散剤Aの組成を以下に示す。
20%ゼラチン溶液 250質量部
EB−9 30質量部
KF41−410(商品名、信越化学工業(株)製) 5質量部
SOLV−5 9質量部
酢酸エチル 20質量部
受容層C
塩化ビニル系ラテックス 48質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 3質量部
ワックス 1質量部
(EMUSTAR−042X、商品名、日本精鑞(株)製)
硬膜剤(VS−7) 0.2質量部
乳化分散物A 8質量部
試料105の受容層Aを下記組成の受容層Dに変更して、それ以外は試料105と同様に作製した。
受容層D
塩化ビニル系ラテックス 32質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 16質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 3質量部
ワックス 1質量部
(EMUSTAR−042X、商品名、日本精鑞(株)製)
硬膜剤(VS−7) 0.2質量部
乳化分散物A 8質量部
試料105の受容層Aを下記組成の受容層Eに変更して、それ以外は試料105と同様に作製した。
受容層E
塩化ビニル系ラテックス 32質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 16質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 3質量部
ワックス 1質量部
(EMUSTAR−042X、商品名、日本精鑞(株)製)
硬膜剤(VS−7) 0.2質量部
乳化分散物A 8質量部
インクシート(下表においては「インク」と表記)D1およびD2と、前記試料101〜110の受容シート(下表においては「受像紙」と表記)とを、日本電産コパル社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで出力を行った。
評価は、一般的な5シーンの画像を各々30枚用い、60℃70%条件下で2週間経時したものを用いて行った。各画像のにじみを5人の観察者の観察により行い、以下のように評価した。
◎:ほとんどにじみがみられない
○:わずかににじみが見られるが、実質上変化がない
△:わずかににじみが見られ、差が確認できる
×:明らかににじんでいる
Claims (17)
- 1)支持体上に、塩化ビニルアクリル共重合体のポリマーラテックスを含む少なくとも1層の受容層と、ポリスチレン、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーであって粒子サイズが0.1〜2μmの中空ポリマーを含みかつ該中空ポリマー以外に有機溶剤に耐性の無い樹脂を含まない少なくとも1層の断熱層を含有する感熱転写受像シートと、2)支持体上に下記一般式(3)で表される化合物を少なくとも1種含む熱転写層を含有する感熱転写シートを、該1)の感熱転写受像シートの受容層と該2)の感熱転写シートの熱転写層が接するよう重ねあわせ、画像信号に応じて熱エネルギーを付与することにより熱転写画像を形成する画像形成方法。
(一般式(3)中、R11、R13およびR14は各々独立に水素原子または置換基を表す。R12は置換基を表す。A2は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。n3は0〜4の整数を表す。ここで、n3が2〜4の整数を表すとき複数のR12は同じでも異なっていてもよい。) - 1)支持体上に、塩化ビニルアクリル共重合体のポリマーラテックスを含む少なくとも1層の受容層と、含有する樹脂が、ポリスチレン、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーであって粒子サイズが0.1〜2μmの中空ポリマーと水溶性ポリマーのみである少なくとも1層の断熱層を含有する感熱転写受像シートと、2)支持体上に下記一般式(3)で表される化合物を少なくとも1種含む熱転写層を含有する感熱転写シートを、該1)の感熱転写受像シートの受容層と該2)の感熱転写シートの熱転写層が接するよう重ねあわせ、画像信号に応じて熱エネルギーを付与することにより熱転写画像を形成する画像形成方法。
(一般式(3)中、R 11 、R 13 およびR 14 は各々独立に水素原子または置換基を表す。R 12 は置換基を表す。A 2 は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。n3は0〜4の整数を表す。ここで、n3が2〜4の整数を表すとき複数のR 12 は同じでも異なっていてもよい。) - 前記画像形成方法で前記感熱転写受像シートに形成される画像のイエロー成分が前記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記熱転写層が、前記感熱転写受像シートに形成される画像のマゼンダ成分として下記一般式(4)で表される化合物および/または下記一般式(5)で表される化合物をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(一般式(4)中、Dはジアゾニウム塩由来の芳香環基または芳香族へテロ環基を表す。R 15 は置換基を表し、R 16 およびR 17 は各々独立に水素原子または置換基を表す。n4は0〜4の整数を表す。ここで、n4が2〜4の整数を表すとき複数のR 15 は同じでも異なっていてもよい。)
(一般式(5)中、A 3 は結合している両端の炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表す。EWG 1 は電子吸引基を表す。R 18 は置換基を表し、R 19 およびR 20 は各々独立に水素原子または置換基を表す。n5は0〜4の整数を表す。ここで、n5が2〜4の整数を表すとき複数のR 18 は同じでも異なっていてもよい。) - 前記有機溶剤に耐性の無い樹脂が、水分散型樹脂であることを特徴とする請求項1、3、4、5または6に記載の画像形成方法。
- 前記断熱層が水溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1、3、4、5、6または7に記載の画像形成方法。
- 前記受容層が水溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記受容層と前記断熱層のうち少なくとも一方に水性ポリマーを架橋することができる化合物を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記水溶性ポリマーがゼラチンであることを特徴とする請求項2、3,4,5,6,8,9または10に記載の画像形成方法。
- 前記受容層が、少なくとも2種のポリマーラテックスを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記受容層が、前記断熱層上に接して塗設されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記受容層と前記断熱層が同時重層塗布されてなることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記受容層が乳化物を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記熱エネルギーの付与が、サーマルヘッドによるものであり、かつ前記画像形成方法が昇華型であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の画像形成方法を行うための画像形成システム。
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