JP2005335115A - 熱転写受像シートとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートにおいて、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成されることを特徴とする熱転写受像シート。
【選択図】 なし
Description
基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートにおいて、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成されることを特徴とする熱転写受像シート。
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、水系塗布方式で形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
互いに隣接する2層の少なくとも1組が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が2層以上から構成されて、前記基材から最も遠い位置にある該受像層が離型剤を含有し、かつそれ以外の受像層のいずれか1層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記基材が、厚さ50〜250μmの樹脂コート紙であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートの製造方法において、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、水系塗布方式で形成することを特徴とする請求項9に記載の熱転写受像シートの製造方法。
互いに隣接する2層の少なくとも1組を、同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項9または10に記載の熱転写受像シートの製造方法。
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
塗布工程と乾燥工程との間に、塗布膜冷却セット工程を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
乾燥工程が終了した後、エージング処理を施すことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
少なくとも2層を同時重層塗布する際、最下層を形成する塗布液粘度をη1、該最下層を除く構成層の塗布液粘度をη2とした時、η2>η1の条件を満たすことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
少なくとも2層を同時重層塗布する際、下式(1)及び(2)で規定する条件を同時に満たすことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
Ts(L)≧Ts(U)
式(2)
Td(L)≧Td(U)
式中、
Ts(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
Ts(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
Td(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
Td(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
を表す。
はじめに、本発明の熱転写受像シートの詳細について説明する。
本発明の熱転写受像シートで用いる基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2が好ましい
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい
(8)染料受像層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
本発明に係る断熱機能を有する断熱層は、種々の方法によってその機能を付与させることができる。例えば、無機微粒子を添加する方法がある。
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層と受像層の間に少なくとも1層の中間層を設けることが、特に画像保存性を高める観点で重要な構成となる。
本発明に係る受像層には、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物または離型剤が含まれていることが、画像保存性あるいはインク供与シートからの染料熱転写後の離型性の点で好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層、中間層、受像層は水系塗布方式で形成することが特徴であり、該層に用いるバインダーは、親水性バインダーであることが好ましいが、水系溶媒に分散可能な疎水性ポリマーなども好ましく用いることができる。また、上記の層を除いた層に関しては、バインダーは、親水性であっても疎水性であってもこれらの混合であっても構わない。
本発明の熱転写受像シートにおいては、受像層中に含有されるキレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも記す)は、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも無機塩であることが好ましい。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、i及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
下記一般式(I)で表される錯体が、染料受像層中に安定かつ添加でき、かつ実質的に無色であるので、特に好ましく用いられる。
〔M(Q1)X(Q2)Y(Q3)Z〕P+(L-)P
上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。Xは1、2または3の整数を表し、Yは1、2または0を表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。Pは1または2を表す。この種のメタルソースの具体例は、米国特許4,987,049号明細書に例示されたもの、または特開平10−67181号公報に例示された化合物1〜51などを挙げることができる。
本発明に係る受像層においては、印画時に熱転写インクシートのインク層との熱融着を防止するために、離型剤を含有することが1つの特徴であり、離型剤が、シリコーン系のエマルジョン型または水溶性型の離型剤であることが好ましい。
本発明に係る受像層においては、受像層がシリコーン系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に係る受像層においては、受像層がフッ素系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいては、水系塗布方式によって形成された層のうちの少なくとも1層が、硬膜剤を含有することが好ましい。硬膜剤は、熱転写受像シート作製の塗液調製工程、塗布工程いずれの工程においても添加することができる。
本発明に係る受像層を形成する受像層塗布液のpHは、8.0以下であることが、本発明の目的効果をよりいっそう発揮させる観点から好ましく、より好ましくは5.0〜8.0である。
本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層を、水系塗布方式により形成することを特徴とするが、必要に応じて適宜設けられるその他の構成層は、公知の塗布方法から適宜選択して形成することができる。
Ts(L)≧Ts(U)
式(2)
Td(L)≧Td(U)
式中、
Ts(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
Ts(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
Td(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
Td(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
を表す。
(基材シート)
本発明において、熱転写インクシートに使用される基材シートとしては、従来より熱転写インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明において、熱転写インクシートを構成するインク層は、少なくとも色素とバインダー樹脂を含有する熱昇華性色材層である。本発明に係るインク層に使用される色素は、1種のみでも2種以上を併用しても良い。
本発明に係るインク層は、上記色素と共にバインダー樹脂を含有する。
本発明に係る熱転写インクシートにおいては、熱転写性の保護層を備えていることが好ましい。該熱転写性の保護層は、受像シート上に熱転写して形成された画像の表面を覆う保護層となる透明な樹脂層からなる。
熱転写性保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱転写性保護層に含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
熱転写性保護層の少なくとも1層に、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましいが、透明樹脂層に含有させた場合、保護層転写後は透明樹脂層が印画物の最表面に存在するため、長期間の間に環境などの影響を受け経時的にその効果が低下することから、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
本発明の熱転写インクシートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
《熱転写受像シートの作製》
〔熱転写受像シート1の作製:比較例〕
発泡フィルム(東洋紡績社製、パイレンフィルムP4256 厚み60μm)の一方の面に、下記の組成からなる中間層用塗布液1と受像層用塗布液1とを、それぞれ、固形分量として0.2g/m2、5.0g/m2(乾燥後)になるように、グラビア印刷機により塗布した。
ウレタン樹脂(DPウレタン:昭和インク工業所社製) 60質量部
硬化剤(コロネート2030:日本ポリウレタン工業社製) 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 20質量部
(受像層用塗布液1)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(デンカビニル#1000A:電気化学工業社製)
60質量部
ポリエステル(バイロン600:東洋紡績社製) 40質量部
アミノ変性シリコーン(X−22−3050C:信越化学工業社製) 2質量部
エポキシ変性シリコーン(X−22−3000E:信越化学工業社製) 2質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 50質量部
次に、コート紙(新王子製紙製、ニュートップ 157g/m2)の一方の面に、下記組成からなる裏面層用塗布液1を、乾燥後の固形分量が5.0g/m2になるように、グラビア印刷機により塗布して、裏面層を形成した。
アクリル樹脂(BR−85:三菱レイヨン社製) 10質量部
テフロン(登録商標)フィラー(ルブロンL−5:ダイキン工業社製) 0.1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 89.5質量部
次に、上記コート紙の他方の面に、下記組成の接着剤層塗布液1を固形分量として5.0g/m2(乾燥後)になるように、グラビア印刷機により塗布、乾燥して接着層を形成した。
ポリエステル系粘着剤(SKダイン5273:綜研化学社製) 80質量部
メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル=1/1/1 20質量部
ポリエチレンフィラー(平均粒径5μm) 80質量部
上記のコート紙の接着剤塗布面と、発泡フィルムの受像層を形成していない側を合わせて重ね、ドライラミネーションにて貼着させた。ラミネーションの条件は、加熱温度が60℃、加圧時間は20secであった。このようにして熱転写受像シート1を作製した。
ポリオレフィンラミネート紙(表1にはRC紙と記載)上に、下記の組成からなる水性の断熱層塗布液1をワイヤーバーで塗布、乾燥し、次いでワイヤーバーで下記の組成からなる水性の受像層塗布液2を塗布、乾燥して熱転写受像シート2を作製した。なお断熱層は乾燥固形分で25g/m2、受像層は4.0g/m2になるように各塗布量を調節して塗布した。
中空粒子ミクロスフィアMB927(ホーネン社製 平均粒径7μm) 50質量部
ウレタンエマルジョン 45質量部
メチルセルロース 5質量部
(受像層塗布液2)
ポリエステル樹脂エマルジョン(バイロナールMD−1200:東洋紡績社製)
65質量部
シリカ微粒子(アエロジル200:日本アエロジル社製) 25質量部
長鎖アルキル基型離型性樹脂PR−18W(日本触媒社製) 5質量部
会合性増粘剤(BORCHIGEL−L75:ヘキストジャパン社製) 5質量部
〔熱転写受像シート3の作製:比較例〕
下記の発泡粒子を含む断熱層用塗布液2を、ワイヤーバーを用いて厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(表1にPETと略記、商品名:ルミラーS10;東レ社製)上に塗布し、ドライヤーで乾燥後、厚さ10μmの断熱層を形成した。
発泡粒子(マツモトマイクロスフェアーF−80GSE、粒子径約20〜30μm、松本油脂社製) 10質量部
クラレポバールPVA203(ポリビニルアルコール、重合度300、クラレ社製)
10質量部
水 80質量部
次いで、上記形成した断熱層上に、下記の組成からなる受像層塗布液3を、ワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥温度80℃で1分間乾燥して受像層を形成した後、下記組成からなる離型層塗布液1をワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥温度80℃で1分問乾燥して離型層を形成した後、60℃、12時間エ一ジングをして熱転写受像シート3を作製した。
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製:KS−1) 4.7質量部
トルエン 21.4質量部
メチルエチルケトン 64.3質量部
(離型層塗布液1)
シリコン樹脂(東レシリコーン社製:SR2411) 16.65質量部
アクリルシリコンブロック共重合体(ナトコ社製:LDL500) 0.37質量部
2−プロパノール 85.5質量部
〔熱転写受像シート4の作製:本発明〕
基材シートとして、厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(表1にはRC紙と記載、多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/m2として有する)を用い、その一方の面に、下記の構成からなる断熱層塗布液3をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が3.5g/m2の断熱層を形成した。次いで、下記の組成からなる中間層塗布液2をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の中間層を形成した。次いで、下記受像層塗布液4をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が4.0g/m2の受像層を形成して、熱転写受像シート4を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
30質量部
気相法シリカ(AEROSIL200、日本アエロジル社製、一次粒子径12nm)
20質量部
純水 20質量部
この断熱層塗布液3の粘度は、40℃で40mPa・sであった。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の8%水溶液
15質量部
酸処理ゼラチン 15質量部
6%硝酸水溶液 6質量部
アナターゼ型酸化チタン 10質量部
純水 54質量部
この中間層塗布液2の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製 FC−4430) 1.2質量部
純水 31.2質量部
この受像層塗布液4の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
上記熱転写受像シート4の作製において、断熱層塗布液3に代えて、下記の組成からなる断熱層塗布液4を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート5を作製した。
中空粒子(日本ゼオン社製:Nipol MH5055、平気RN粒径0.5μm、
中空率55%) 31.2質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の8%水溶液
31.2質量部
酸処理ゼラチン 6.4質量部
純水 31.2質量部
この断熱層塗布液4の粘度は、40℃で40mPa・sであった。
上記熱転写受像シート4の作製において、断熱層塗布液3、中間層塗布液3及び受像層塗布液4を、スライドホッパー方式の多層塗布装置を用いて、3層同時重層塗布を行った後、直ちに温風による乾燥を行った以外は同様にして、熱転写受像シート6を作製した。
上記熱転写受像シート6の作製において、3層同時重層塗布を行った後、5℃の冷風で1分間のセット工程で処理し、次いで温風による乾燥を行った以外は同様にして、熱転写受像シート7を作製した。
上記熱転写受像シート7の作製において、乾燥1日後に45℃で24時間のエージング処理を行った以外は同様にして、熱転写受像シート8を作製した。
上記熱転写受像シート8の作製において、受像層塗布液4にメタルソースとしてNiCl2を3.5質量部添加した受像層塗布液5を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート9を作製した。
上記熱転写受像シート9の作製において、受像層塗布液4を下記組成からなる受像層塗布液6に変更し、更に受像層上に下記の組成からなる剥離層塗布液2を用いて固形分量が0.5g/m2となるようにして離型層を設け、離型層塗布液2を含めた4層を同時塗布した以外は同様にして、熱転写受像シート10を作製した。
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
NiCl2 3.5質量部
純水 40.8質量部
この受像層塗布液6の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製 FC−4430) 1.2質量部
純水 40.8質量部
この離型層塗布液2の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
上記熱転写受像シート10の作製において、基材シートをポリエチレンコート紙に代えて、特開2003−72229号公報の実施例1に記載の下引層を設けた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(表1には、PETと略記)に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層塗布液3に代えて、熱転写受像シート5の作製に用いた断熱層塗布液4を使用した以外は同様にして、熱転写受像シート12を作製した。
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層塗布液3と中間層塗布液2とを用いて、スライドホッパー方式の多層塗布装置を用いて、2層同時重層塗布を行った後、セット工程において5℃の冷風で1分間処理し、次いで温風による乾燥を行った。次いで、受像層塗布液6と離型層塗布液2とを用いて、スライドホッパー方式の多層塗布装置を用いて、2層同時重層塗布を行った後、セット工程において5℃の冷風で1分間処理し、次いで温風による乾燥を行った。次いで、乾燥1日後に45℃で24時間のエージング処理を行って熱転写受像シート13を作製した。
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層塗布液3の純水量を減量し、40℃における粘度を40mPa・sから70mPa・sに変更した断熱層塗布液5を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
上記熱転写受像シート13の作製において、断熱層塗布液3と受像層塗布液6に下記の記載の条件で界面活性剤を添加した断熱層塗布液6と受像層塗布液7を用い、更に、離型層塗布液2に代えて下記の組成からなる離型層塗布液3を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート15を作製した。
断熱層塗布液5には、断熱層塗布液3にフッ素系界面活性剤を0.3質量部添加した。また、受像層塗布液7は、受像層塗布液6にフッ素系界面活性剤を0.85質量部添加した。
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
シリコーンエマルジョン(信越化学工業社製 X−52−175) 1.2質量部
純水 40.8質量部
この離型層塗布液3の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
上記の各塗布液間の静的表面張力差及び動的表面張力差を、市販の測定機を用いて測定した結果、以下の通りであった。
中間層塗布液2−断熱層塗布液6=3mN/m
受像層塗布液7−離型層塗布液3=2mN/m
〈動的表面張力バランス〉
中間層塗布液2−断熱層塗布液6=9mN/m
受像層塗布液7−離型層塗布液3=6mN/m
〔熱転写受像シート16の作製:本発明〕
上記作製した熱転写受像シート9上に、下記の組成からなる離型層塗布液4を固形分量が0.5g/m2となる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布、乾燥して熱転写受像シート16を作製した。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル酢酸/酢酸ビニル=95/5)
10質量部
エポキシ変成シリコーン(信越化学工業社製 X−22−8300T) 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40質量部
以上のようにして作製した熱転写受像シート1〜熱転写受像シート16の代表的な構成及び製造方法の特徴を、まとめて表1に示す。
抵抗体形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)ラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、上記作製した各熱転写受像シートの受像層部と、下記の熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、順次印加エネルギーを増加させ、イエロー、マゼンタ、シアン、ニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)の各ステップパターンパッチを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に各色素を転写させて、画像1〜16を形成した。
熱転写シートB:コニカミノルタフォトイメージング社製 Pe602用の熱転写インクシートで、熱転写受像シート9〜16との組み合わせで用いた
《形成画像の評価》
上記の様にして印画した画像について、下記の方法に従って各評価を行った。
上記作製した各熱転写受像シートを20cm×20cmの正方形に切り出し、23℃、50%RHの環境下で、平板上に受像層が上部となるようにして静置し、5時間放置した後に、4隅の平板からの高さの最大値を計測し、これをカール特性の尺度とした。
上記の画像形成方法において、各熱転写転写シートを用いて、印加エネルギーを変化させながら画像形成を行い、反射濃度1.0を得るに要する印加エネルギーE(mJ/mm2)を測定し、下記の基準に従って感度の評価を行った。
○:4.8mJ/mm2<E≦5.2mJ/mm2
△:5.2mJ/mm2<E≦5.6mJ/mm2
×:E>5.6mJ/mm2
(白抜け故障耐性の評価)
上記印画した各ステップパターンパッチ画像における白抜け部(ベタ画像中の白点故障)の発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って白抜け故障耐性を評価した。
○:画像中に、ほぼ白抜け故障の発生が認められない
△:画像中に、微小サイズの白抜け故障が散発しているが、実用上許容の範囲にある
×:画像中に、強い白抜け故障が発生しており、実用上問題となる品質である
(層間接着性の評価)
各熱転写受像シートについて、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。各熱転写受像シート表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90度の切り込みを1mm間隔で縦横に11本ずつ入れ、1mm角の碁盤目を100個作成した。この上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手でもって垂直にはがし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する熱転写受像シート構成層の剥がされた面積の割合を以下のランクで評価した。
○:剥離された熱転写受像シート構成層の面積割合が、5%未満であった
△:剥離された熱転写受像シート構成層の面積割合が、5%以上、10%未満であった
×:剥離された熱転写受像シート構成層の面積割合が、10%以上、20%未満であった
××:剥離された機能膜の面積割合が20%以上であった
(画像保存性の評価)
上記作成したニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)画像の最大濃度Dmax1を測定した後、この画像を50℃、80%RHの環境下で170時間保存した後、同様にニュートラル画像の最大濃度Dmax2を測定し、下式に従って画像残存率を求め、下記の基準に従って画像保存性(耐湿性)の評価を行った。
◎:画像残存率が97%以上
○:画像残存率が90%以上、97%未満
△:画像残存率が80%以上、90%未満
×:画像残存率が80%未満
以上により得られた結果を、表1に示す。
ことが分かる。
Claims (16)
- 基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートにおいて、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成されることを特徴とする熱転写受像シート。
- 前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、水系塗布方式で形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 互いに隣接する2層の少なくとも1組が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が2層以上から構成されて、前記基材から最も遠い位置にある該受像層が離型剤を含有し、かつそれ以外の受像層のいずれか1層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記基材が、厚さ50〜250μmの樹脂コート紙であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートの製造方法において、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
- 前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、水系塗布方式で形成することを特徴とする請求項9に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 互いに隣接する2層の少なくとも1組を、同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項9または10に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 塗布工程と乾燥工程との間に、塗布膜冷却セット工程を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 乾燥工程が終了した後、エージング処理を施すことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 少なくとも2層を同時重層塗布する際、最下層を形成する塗布液粘度をη1、該最下層を除く構成層の塗布液粘度をη2とした時、η2>η1の条件を満たすことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 少なくとも2層を同時重層塗布する際、下式(1)及び(2)で規定する条件を同時に満たすことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
式(1)
Ts(L)≧Ts(U)
式(2)
Td(L)≧Td(U)
式中、
Ts(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
Ts(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
Td(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
Td(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
を表す。
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