JP4544941B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写インクシートと重ね合わせて用いられる多孔質性の断熱層を有する熱転写受像シートに関する。
従来、カラーまたはモノクロの画像の形成技術として、加熱により拡散移行する性質を有する熱拡散性色素を含有するインクシートを、受像シートの受像層と対向させて、サーマルヘッドやレーザー等の加熱印字手段を用いて、該受像層に該熱拡散性色素を画像様に転写して画像を形成(いわゆる色素熱転写方式)する技術が知られている。このような熱転写方式は、デジタルデータを用いての画像形成を可能とし、現像液等の処理液を使わず、しかも銀塩写真に匹敵する高画質を形成できる方法として定評がある。
この様な色素熱転写方式の記録方法において良好な印画特性を得るためには、熱転写受像シートに断熱機能およびクッション機能をいかに持たせるかが重要であることが、従来より認識されていた。
この命題に対し、例えば、基材上に断熱、クッションの両機能を併せ持つ発泡性フィルムを貼合させ、その上に受像層を設ける方法が知られているが、この方法では、受像層塗布時の熱で発泡性フィルムが収縮し、最終製品としてカールが発生してしまう等の課題が生じていた。このような欠点に対し、断熱及びクッション機能を有する機能層を新たに考案する検討や、製造工程の熱履歴に起因するカールをなくすために、発泡性フィルム等々の貼合工程を持たない熱転写受像シート及び製造方法、例えば、塗布方式等の種々の検討がなされてきた。
例えば、基材上に中間層、受像層を順次設けた熱転写受像シートにおいて、該中間層が熱膨張性の可塑性物質を熱膨張させて得られる粒子径0.1〜100μmの中空粒子、あるいは粒子径0.1〜20μmのマイクロカプセル状の中空ポリマー粒子と、耐有機溶剤性の高分子を主成分とする層で構成されていることを特徴とする熱転写受像シートが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、一般的に中空粒子を使う場合は十分な断熱効果を得るために粒子の高充填率を確保せねばならず、バインダー比率が低いことによる表面平滑性の乱れが避けられない。また、この影響で中空粒子含有層の上に塗設する耐有機溶剤性の層の厚みにも不均一性が生じ、厚みの比較的薄い部分から、受像層塗設時に使用する有機溶剤が浸透し中空粒子壁面を溶解させ印画ムラとなる。更にこれを回避すべく耐有機溶剤性の層厚を高めると印画濃度は低下するという二律背反があった。
このような課題に対し、例えば、セルロース紙の基材上に中空粒子を含有する多孔層、中間層、受像層を順次形成した受像シートにおいて、中空粒子の決着樹脂が水溶性樹脂であることを特徴とする熱転写受像シートであって、好ましくは、該多孔層中の中空粒子比率が70〜90質量%であり、該多孔層樹脂が平均重合度1000以上のポリビニルアルコールである熱転写受像シートが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記提案されている方法では、工業化において乾燥工程での多孔層内の中空粒子群の浮上を押さえ込むことができず、乾燥の微妙な変動により多孔層表面の凹凸レベルが変わり、結果として受像層平滑性に影響して印画ムラが生じてしまうという欠点がある。また、受像シート作製直後の印画均一性にたまたま問題が出なかった場合でも、高温下での保存後において印画ムラが顕在化するという傾向も強かった。
従って、塗布方式の利点を活かしながら、高濃度の印画特性を維持し、塗布後の乾燥工程の微妙な変動や作製後の高温保存に依らず、印画均一性を安定して保てるような熱転写受像シートあるいはその製造方法が強く望まれていた。
特開平11−321128号公報 特開2002−192842号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、塗布後の乾燥工程の変動に起因するカール特性、故障耐性が改良され、かつ高濃度の印画特性を有し、耐熱性に優れた熱転写受像シートを提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が2層以上から構成される積層構造であることを特徴とする熱転写受像シート。
(請求項2)
前記積層構造の断熱層の少なくとも2層が、連続気泡を有する多孔性層であって、かつ複数の該多孔性層間に非多孔性層を有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
(請求項3)
前記多孔性層が、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シート。
(請求項4)
前記断熱層が、連続気泡を有する多孔性層と独立気泡を有する多孔性層との積層構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項5)
前記連続気泡を有する多孔性層が無機微粒子を含有し、かつ前記独立気泡を有する多孔性層が中空粒子を含有していることを特徴とする請求項4に記載の熱転写受像シート。
(請求項6)
前記積層構造を有する2層以上の断熱層の全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項7)
基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が連続気泡及び独立気泡を含有していることを特徴とする熱転写受像シート。
(請求項8)
前記断熱層が無機微粒子及び中空粒子を含有していることを特徴とする請求項7に記載の熱転写受像シート。
本発明によれば、塗布後の乾燥工程の変動に起因するカール特性、故障耐性が改良され、かつ高濃度の印画特性を有し、耐熱性に優れた熱転写受像シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、1)該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が2層以上から構成される積層構造である熱転写受像シート、あるいは該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が連続気泡及び独立気泡を含有している熱転写受像シートにより、塗布方式の高い生産効率等の利点を活かしながら、高濃度の印画特性を維持し、塗布後の乾燥工程の微妙な変動に起因するカール特性や故障耐性が改良され、かつ形成した画像の到達濃度が高く、かつ高温環境下に長期間保存された際の画像安定性に優れた熱転写受像シートを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、第1の発明では、断熱層を塗布方式で形成し、かつ該断熱層を2層以上の積層構造とすることにより、製造条件(乾燥条件等)の微妙な変動に対しても性能を損なうことなく安定した層形成が可能となり、また外部環境(温度等)に対する安定性を得ることができるものである。
更に、第1の発明で規定する構成に加えて、1)積層構造からなる断熱層の構成として、連続気泡を有する2層以上の多孔性層とし、かつ該複数の多孔性層の間に非多孔性層を設けること、2)積層構造からなる断熱層の構成として、連続気泡を有する多孔性層と独立気泡を有する多孔性層とからなる積層構造とすること、あるいは3)積層構造からなる断熱層の全ての層を、全層同時重層塗布によって形成することにより、より一層、製造条件(乾燥条件等)の微妙な変動に対しても性能を損なうことなく安定した層形成が可能となり、また外部環境(温度等)に対する安定性を得ることができるものである。
また、第2の発明においては、断熱層を塗布方式で形成し、かつ該断熱層が連続気泡及び独立気泡の双方を含有させることにより、製造条件(乾燥条件等)の微妙な変動に対しても性能を損なうことなく安定した層形成が可能となり、また外部環境(温度等)に対する安定性を得ることができるものである。
以下、本発明の詳細について説明する。
《熱転写受像シート》
はじめに、本発明の熱転写受像シートの詳細について説明する。
本発明の熱転写受像シートは、基材上に少なくとも断熱層及び受像層を有する。
〔基材〕
本発明の熱転写受像シートで用いる基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。
また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。これらの支持体の厚みは任意でよく、通常10〜300μm程度である。
より高い印画感度を有すると共に、濃度ムラや白抜けのない高画質を得るためには、基材中に微細空隙を有する層を存在させることが好ましい。微細空隙を有する層としては、内部に微細空隙を有するプラスチックフィルムや合成紙を用いることができる。微細空隙を有するプラスチックフィルム又は合成紙を使用する場合は、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを主体として、それに無機顔料及び/又はポリプロピレンと非相溶なポリマーをブレンドし、これらをボイド(空隙)形成開始剤として用い、これらの混合物を延伸、成膜したプラスチックフィルム又は合成紙が好ましい。これらがポリエステル等を主体としたものの場合には、その粘弾性的あるいは熱的性質から、クッション性、及び断熱性が、ポリプロピレンを主体としたものに比較して劣るため、印字感度に劣り、濃度ムラなども生じやすい。
これらの点を考慮すると、プラスチックフィルム及び合成紙の20℃における弾性率は5×108Pa〜1×1010Paが好ましい。また、これらのプラスチックフィルムや合成紙は、通常、2軸延伸により成膜されたものであるが故に、これらは加熱により収縮する。これらを110℃下で60秒放置した場合の収縮率は0.5〜2.5%である。
上述のプラスチックフィルムや合成紙は、それ自体が、微細空隙を含む層の単層であっても良いし、複数の層構成であっても良い。複数の層構成の場合には、その構成する全ての層に微細空隙を含有しても良いし、微細空隙が存在しない層が含有しても良い。このプラスチックフィルムや合成紙には、必要に応じて隠蔽剤として、白色顔料を混入させてもよい。又、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤を含有させても良い。微細空隙を有する層は、30〜80μmの厚みが好ましい。
また、必要に応じて、基材の受像層を設ける側とは反対側の面に、カール防止の目的として、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト等の樹脂や合成紙の層を設けることができる。貼り合わせ方法としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーション法等の公知の積層方法が使用できるが、好ましい方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネーション法である。ノンソルベントラミネーション法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケネート720L等が挙げられ、ドライラミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケラックA969/タケネートA−5(3/1)、昭和高分子(株)製の、ポリゾール PSA SE−1400、ビニロール PSA AV−6200シリーズ等が挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分で約1〜8g/m2、好ましくは2〜6g/m2の範囲である。
上述したような、プラスチックフィルムと合成紙、或いはそれら同士、或いは各種紙とプラスチックフィルムや合成紙、等を積層する場合、接着層により貼り合わせることができる。
上記基材と断熱層もしくは染料受像層との接着強度を大きくする等の目的で、基材の表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
上記説明した各基材の中でも、本発明で好ましく用いられる基材は、紙の両面あるいは片面をプラスチック樹脂で被覆した厚み50〜300μmの樹脂コート紙であり、さらに好ましいのは紙の両面あるいは片面をポリオレフィン樹脂で被覆した厚み50〜300μmの樹脂コート紙である。
以下、本発明で特に好ましい支持体である紙の両面あるいは片面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂コート紙について説明する。
本発明に係る樹脂コート紙で用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
紙の坪量は50〜300gが好ましく、特に、70〜250gが好ましい。紙の厚さは50〜300μmが好ましい。
紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
次に、この紙の両面あるいは片面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。紙表面及び/または裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
ポリオレフィン層中には、白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
着色顔料としては、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
紙の両面を被覆する場合、表裏のポリエチレンの使用量は、染料受像層側の全層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さは染料受像層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率は染料受像層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下の(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
(1)引っ張り強さ:JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196Nであることが好ましい
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2が好ましい
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい
(8)染料受像層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいて、断熱層や中間層、受像層など必要に応じて適宜設けられる各種の層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
(断熱層)
本発明の熱転写受像シートにおいては、基材上に塗布方式で形成された2層以上の積層構造からなる断熱層を有すること、あるいは、基材上に塗布方式で形成された1層の断熱層を有し、該単層の断熱層内に連続気泡と独立気泡の両方を含有していることを特徴とする。
ここで、断熱層が積層構造であるとは、互いに隣接する2層以上の断熱層が、それぞれの構成やその組成が、互いに異なっていることを意味する。通常、断熱効果を高めるために用いられる方法として、層内部に何らかの手段で気泡を封入することはよく知られており、その気泡の構造的特徴より、気泡同士が繋がって空間を構成している連続気泡、あるいは気泡同士が仕切られて連続していない独立気泡なる分類が一般的になされている。積層構造の形成方法としては、例えば、基本的には連続気泡により構成されるが、各層の気泡含有率(空隙率)を変えた構造のもの、あるいは基本的には独立気泡により構成されるが、各層の気泡含有率を変えた構造のもの、あるいは連続気泡の多孔性層と独立気泡の多孔性層による積層構造のもの、あるいは同一層内に連続気泡と独立気泡が混在し、この比率が異なるものにより積層構造をとるものなど、様々なものが考えられ、特定の構造に限定されるものではない。
但し、断熱層の上部に位置する層との接着性や界面平滑性の観点から、好ましい態様としては、連続気泡、独立気泡の如何に依らず、断熱層を構成する最上層の気泡含有率が他の断熱層のそれよりも低い構造のものが好ましい。この際、断熱層を構成する最上層の空隙率は1〜40%が好ましく、1〜30%が更に好ましい。また、該最上層の断熱層の膜厚は、断熱機能を低下させない観点より、0.1〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることが更に好ましい。
本発明に係る積層構造の断熱層が、連続気泡を有する2層以上の多孔性層からなる場合、断熱機能向上の観点から、複数の連続気泡含有多孔性層間に、空隙率が1%以下の実質的に非多孔性層を設けた構造をとることが好ましい。この非多孔性層の膜厚としては、特に制限はないが、断熱機能を低下させない観点より、0.1〜5μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることが更に好ましい。
塗布方式による連続気泡形成の方法としては、揮発成分を含んだ塗布液を機械的攪拌により発泡させ、塗布後の加熱固化の段階で気泡壁に存在する揮発成分の気化により微細孔を生じさせる方法などがあるが、製造安定性の観点からは、後述するような無機微粒子を用いた形成方法が好ましい。
積層構造の断熱層が、連続気泡を有する多孔性層と独立気泡を有する多孔性層の積層構造をとることも、断熱機能、クッション機能、機械強度の優れたバランスを達成させる上で好ましく用いられる。この場合、特に、断熱層の構成に制約はないが、優れた印画濃度、印画均一性を得る観点で、連続気泡を有する多孔性層の上に独立気泡を有する多孔性層を設ける構造が好ましい。
塗布方式による独立気泡形成の方法としては、塗布液を機械的攪拌により発泡させ、塗布後の乾燥工程で気泡を固定化させる方法などがあるが、製造安定性の観点で後述するような中空樹脂粒子を用いた形成方法が好ましい。
本発明に係る積層構造の断熱層は、塗布方式によって形成されるが、より平滑性を高め、各層の空隙率を減じることのないよう積層化する観点から、断熱層を構成する全ての層を、同時に重層塗布することが好ましい。このような2層以上の塗布液を同時重層塗布する場合においては、最下層を形成する塗布液粘度をη1とし、該最下層を除く構成層の塗布液粘度をη2とした時に、η2>η1の関係を満足する条件で塗布することが、均質な塗膜形成の点で好ましい。また、同時重層塗布で、相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的及び動的表面張力は、相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的及び動的表面張力に対し同じかそれ以上であることが、均一な塗布性を得る観点で好ましい。
更には、塗布工程が終了した後、乾燥工程前に、形成した塗膜を冷却セットさせる工程(以下、冷却セット工程、あるいはセット工程と称す)を経ることが、更なる均質な塗膜形成の点で好ましい。ここでいうセット工程とは、例えば、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間及び各層内の物質流動性を鈍化させるゲル化促進工程のことを意味する。塗布液のセット性を高める手段としては、塗布液でのバインダー質量比率を高める以外に、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ジェランガム等の各種公知のゲル化剤を添加する方法が好ましく用いられる。これらの同時重層の好ましい態様は、断熱層形成時だけでなく、中間層や受像層などとの同時重層塗布においてもそのまま適用することができる。
また、本発明の熱転写受像シートにおいては、基材上に塗布方式で形成された1層からなる断熱層内に、連続気泡と独立気泡の両方を含有することを特徴とする。
ここで、断熱層内に存在する空隙全体に対する連続気泡/独立気泡の体積比率(空隙比率)は、特に制限はないが、断熱機能、クッション機能、機械強度の優れたバランスを達成させる上で、連続気泡/独立気泡が10/90〜90/10の範囲が好ましい。また、断熱層の厚みとしては10μm以上、50μm以下が好ましい。10μm未満では、断熱効果が弱く、十分な印画濃度が得られず、また、50μmより厚くしても印画濃度は変わらずコストが高くなるだけである。単層構成の断熱層の空隙率としては、20%以上、70%以下が好ましい。20%未満では十分な断熱効果が得られず、また70%より高めると平滑性の乱れや機械的に脆くなり易い等の問題が出てくるためである。単層構成の断熱層に導入される連続気泡や独立気泡は、先述の通りいくつかの方法があるが、いずれも製造安定性の観点から、連続気泡については後述の無機微粒子を用いる方法、独立気泡については後述の中空粒子を用いる方法が好ましい。
また、空隙率は、選択する無機微粒子、中空粒子、バインダーの種類によって、またはその他の添加剤の量によって適宜調節することができる。
〈無機微粒子〉
本発明に係る連続気泡を有する断熱層が、無機微粒子を含有する多孔質層であることが好ましい。
本発明に係る多孔性層の形成に用いられる無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニア(二酸化チタン)、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
上記無機微粒子は、一次粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用いられることも、また、二次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で添加されても良いが、高い断熱性、クッション性を達成するという観点からは後者がより好ましい。
上記無機微粒子の形状は、本発明では特に制約を受けず、球状、棒状、針状、平板状、数珠状、中空状のいずれであっても良いし、これらの組み合わせでも構わない。
本発明に係る無機微粒子としては、上記で挙げた各無機微粒子の中でも、コストパフォーマンスの観点から、シリカ、アルミナまたはチタニア、あるいはこれらの組み合わせであることが好ましい。また、一次粒子の平均粒径としては、断熱機能の高い多孔質構造を形成し易いという観点から、3〜100nmであることが好ましい。
無機微粒子としては、特に、シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカは、気相法で合成された微粒子シリカであり、気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、バインダー中に添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。
また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
本発明では、無機微粒子が、後述のバインダーと混合する前の微粒子分散液が、一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
無機微粒子の一次粒子径は、上述の様に100nm以下であることが好ましいが、例えば、気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒子径(塗設前の分散液状態での粒子径)では、3〜20nmであることが好ましく、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる一次粒子の平均粒子径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジル、キャボット社製のキャボシル、(株)トクヤマ製のレオロシール等が市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、吸引分散することで、比較的容易に一次粒子近くまで分散することができる。
〈中空粒子〉
本発明に係る独立気泡を有する断熱層が、中空粒子を含有する多孔質層であることが好ましい。
本発明に係る多孔質層の形成に用いられる中空粒子としては、例えば、粒子内部の液体が加熱により揮発して中空になるタイプ、あるいは加熱する前から既に中空になっているタイプ、粒子内部の液体が気化膨張して中空になるタイプなどが知られており、いずれのタイプも用いることはできるが、優れた平滑性を持たせる観点からは、気化膨張によって中空になるタイプ以外のものを用いることが好ましい。本発明に用いる中空粒子の平均粒径は、断熱機能、平滑性の観点から0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.3〜3.0μmであることが更に好ましい。本発明の断熱層に使用する中空粒子の中空体積比率は30%以上が好ましい。中空体積比率が30%未満のものでは、断熱機能が不十分であり、高い印画濃度が得られない。また、中空粒子を含有する多孔性層を形成するバインダー樹脂100質量部当たり、1〜460質量部の範囲で配合して使用することが好ましい。中空粒子を含有する多孔性層内には、隠蔽性や白色性を付与するために、また、熱転写受像シートの質感を調整するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、その他公知の無機顔料や蛍光増白剤を含有させてもよい。
〈バインダー〉
次に、断熱層を形成する上で使用するバインダーについて説明する。
本発明に係る断熱層で用いることのできるバインダーは、親水性であっても疎水性であってもよいし、これらの併用であっても構わないが、水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂または親水性バインダーであることが好ましい。
疎水性バインダーである水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂において、高分子分散剤としては、ポリビニルアルコールであることが特に好ましい。エマルジョン樹脂の最低製膜温度(Tg)は20℃以下であることが室温で製膜する観点から好ましいが、5℃以下であることがより好ましい。エマルジョン樹脂の平均粒径は、0.01〜2μmが好ましく、0.05〜1.5μmが特に好ましい。このようなエマルジョン樹脂で市販されているものとしては、例えば、大同化学工業社製のビニゾール480やビニゾール2023等の酢酸ビニル系エマルジョン、日信化学工業社製のビニブラン1108W、ビニブラン1084W等の酢酸ビニル系エマルジョンや、ビニブラン2597、ビニブラン2561等のアクリル系エマルジョン、住友化学工業社製のスミカフレックスS−400、スミカフレックスS−405等の酢酸ビニル−エチレン系エマルジョンなどが挙げられる。
本発明に係る断熱層に用いられる親水性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等が単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。本発明で好ましく用いられる親水性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
上記ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を置換したシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
併用するポリビニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好ましく、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられ、ケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものが特に好ましい。
他の親水性バインダーまたは疎水性バインダー組み合わせて使用する場合、バインダー中に含まれる水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂の割合は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上が特に好ましい。
また、本発明に係る断熱層においてはカチオン性ポリマーを用いることができる。カチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有するポリマーである。
本発明に使用されるカチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。
また、本発明で用いることのできるカチオン性ポリマーとして、膨潤しにくいカチオン性ポリマーが好ましく、特に、アクリル酸類などを共重合したカチオン性ポリマーが好ましい。アクリル酸類としては、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類が挙げられ、更には、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメチルアクリレートが好ましい。
または、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
本発明で用いることのできるカチオン性ポリマーの質量平均分子量としては2000〜50万の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、3000〜10万の範囲である。
本発明で用いることのできるカチオン性ポリマーは、塗布液に添加してから塗布乾燥してもよいし、断熱層を塗布乾燥後の被膜にその水溶液を含浸させて添加してもよい。また、断熱層を塗布した後、乾燥前に添加する方法も挙げられる。断熱層を塗布した後、乾燥前に添加する方法としては、カーテン塗布、スプレー塗布、その他の方法が考えられる。
また、本発明で用いることのできるカチオン性ポリマーを塗布液にあらかじめ添加する場合、均一に塗布液に添加するのみならず、無機微粒子とともに複合粒子を形成する形で添加してもよい。無機微粒子とカチオン性ポリマーによって複合粒子を作製する方法としては、無機微粒子にカチオン性ポリマーを混合し吸着被覆させる方法、その被覆粒子を凝集させてより高次の複合粒子を得る方法、さらには混合して得られる粗大粒子を分散機によってより均一な複合粒子にする方法などが挙げられる。
本発明で用いることのできるカチオン性ポリマーは、概ね水溶性基を有するために水溶性を示すが、例えば共重合成分の組成によって水に溶解しないことがある。製造の容易性から水溶性であることが好ましいが、水に難溶であっても水混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも可能である。
ここで水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
カチオン性ポリマーは熱転写受像シート1m2当たり通常0.1〜10gが好ましく、より好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
先に記載の無機微粒子の添加量は、一般的に、熱転写受像シート1m2あたり通常3〜30gが好ましく、より好ましくは5〜25gである。また、無機微粒子とバインダーの比率としては、質量比で1:10〜20:1の範囲が好ましく、特に1:8〜12:1であることが好ましい。
〈硬膜剤〉
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層形成時に無機微粒子を用いて連続気泡による多孔性層を形成するが、この際、硬膜剤を含有することが好ましい。硬膜剤は、熱転写受像シート作製の任意の時期に添加することができ、例えば、断熱層形成用の塗布液に添加することができる。
本発明で用いることのできる硬膜剤としては、バインダーと硬膜反応を起こすものであれば、特に制限はないが、ホウ酸及びその塩、エポキシ系硬膜剤が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、イソシアネート系化合物、硫酸ジルコニル、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬膜剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の有機溶媒溶液でも、水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることができ、塗布液を濃縮化する事ができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。上記硬膜剤の総使用量は、上記バインダー1g当たり1〜1000mgが好ましい。
(中間層)
本発明においては、基材上に上述した本発明に係る断熱層の他に、断熱層と受像層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に係る中間層の機能としては、耐溶剤性能、バリア性能、接着性能、白色付与能、隠蔽性能、帯電防止機能等が挙げられるが、これらに限定されることなく、従来公知の中間層全てが適用できる。
中間層に耐溶剤性能、バリア性能を付与させるためには、水溶性樹脂を用いることが好ましい。水溶性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、でんぷん等の多糖類系樹脂、カゼイン等の蛋白質、ゼラチン、寒天、また、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体(例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製ベオパ)、酢酸ビニル(メタ)アクリル共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂、また、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。ここで言う水溶性樹脂とは、水を主体とする溶媒に、完全溶解(粒径0.01μm以下)、またはコロイダルディスパージョン(粒径0.01〜0.1μm)、またはエマルジョン(粒径0.1〜1μm)、またはスラリー(粒径1μm以上)の状態になる樹脂のことである。これらの水溶性樹脂のなかで、特に好ましいのは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン等の汎用溶剤により、溶解はもとより、膨潤さえしない樹脂である。この意味で、水を主体とする溶媒に完全に溶解する樹脂が最も好ましい。特に、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂が挙げられる。
中間層に接着性能をもたせるためには、基材シートの種類やその表面処理により異なるが、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が一般的である。また、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物のような硬化剤を併用すると良好な接着性が得られる。中間層に白色付与能をもたせるためには、蛍光増白剤を用いることができる。使用する蛍光増白剤は、従来公知のいずれの化合物でも使用でき、スチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、スチリル−オキサゾール系、ピレン−オキサゾール系、クマリン系、アミノクマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系、ジスチリル−ビフェニル系の蛍光増白剤等が挙げられる。白色度は、これら蛍光増白剤の種類と添加量で調整することができる。蛍光増白剤の添加方法としては、あらゆる方法を用いることができる。すなわち、水に溶解させて添加する方法、ボールミル、コロイドミルによって粉砕分散して添加する方法、高沸点溶媒に溶解して親水性コロイド溶液と混合し、水中油滴型分散物として添加する方法、高分子ラテックス中に含浸させて添加する方法等がある。
更に、基材シートのギラつき感や、ムラを隠蔽するために、中間層に酸化チタンを添加してもよい。更に、酸化チタンを用いることで基材シートの選択の自由度が広がる点で好ましい。酸化チタンには、ルチル型酸化チタンと、アナターゼ型酸化チタンの2種類があるが、白色度及び蛍光増白剤の効果を考慮すると、ルチル型よりも紫外部の吸収がより短波長側であるアナターゼ型酸化チタンが好ましい。中間層のバインダー樹脂が水系で、酸化チタンが分散しにくい場合には、表面に親水性処理を施した酸化チタンを用いるか、もしくは、界面活性剤、エチレングリコール等の既知の分散剤により分散することができる。酸化チタンの添加量は、樹脂固形分100質量部に対して酸化チタン固形分として10〜400質量部が好ましい。
中間層に帯電防止機能をもたせるためには、導電性無機フィラーや、ポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等、従来公知の導電材料を中間層バインダー樹脂に合わせて適宜選択して使用することができる。このような中間層の厚みは、0.1〜10μm程度の範囲で設定することが好ましい。
(受像層)
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物および離型剤について以下詳しく説明する。
〈バインダー樹脂〉
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂としては、バインダー樹脂として公知のものを用いることができ、色素(以下、染料ともいう)が染着しやすいものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等の単体、又は混合物を挙げることができるが、これらの中でもビニル系樹脂が好ましく、最も好ましくはポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂及びポリカーボネートである。
また、その他のバインダー樹脂としては、前述の断熱層の説明で記載した疎水性バインダー及び下記に説明する親水性バインダー、及びこれらの併用いずれであってもよい。
併用することのできる親水性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、寒天、プルラン、デキストリン、アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アルギン酸等が挙げられ、2種以上を併用することもできる。これらの中で好ましい親水性バインダーはポリビニルアルコールである。
上記ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、アセタール化したポリビニルアセタール樹脂、シリル基を置換したシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
併用するポリビニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好ましく、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられ、ケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものが特に好ましい。
他の親水性バインダーまたは疎水性バインダーを組み合わせて使用する場合、バインダー中に含まれる水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂の割合は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上が特に好ましい。
本発明に係るカチオン性ポリマーについては、前述の断熱層で用いることのできるカチオン性ポリマーと同様のものを挙げることができる。
本発明に係るカチオン性ポリマーは、概ね水溶性基を有するために水溶性を示すが、例えば、共重合成分の組成によって水に溶解しないことがある。製造の容易性からは、水溶性であることが好ましいが、水に難溶であっても水混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも可能である。
ここで水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
カチオン性ポリマーは、熱転写受像シート1m2当たり通常0.1〜10gが好ましく、より好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
〈キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物〉
本発明の熱転写受像シートにおいては、印画後の画像保存性を高める観点から、受像層中にキレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも記す)を含有させることが好ましい。メタルソースとしては、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、i及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
メタルソースの具体例としては、Ni2+、Cu2+、Cr2+、Co2+及びZn2+との無機、酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、又は安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。
本発明においては、下記一般式(I)で表される錯体が、受像層中に安定かつ添加でき、かつ実質的に無色であるので特に好ましく用いられる。
一般式(I)
〔M(Q1X(Q2Y(Q3ZP+(L-P
上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。Xは1、2または3の整数を表し、Yは1、2または0を表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。Pは1または2を表す。この種のメタルソースの具体例は、米国特許4,987,049号明細書に例示されたもの、または特開平10−67181号公報に例示された化合物1〜51などを挙げることができる。
メタルソースの添加量は、通常、受像層バインダーに対して5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。また、本発明に用いられるメタルソース化合物の添加量は、通常、0.5〜20g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好ましい。
〈離型剤〉
本発明に係る受像層においては、印画時に熱転写インクシートのインク層との熱融着を防止するために、離型剤を含有することが好ましい。
離型剤としては、燐酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)等を使用することができるが、この中でもシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンを始め各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を用い、これらをブレンドしたり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は、受像層形成用樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写インクシートと受像シートの受像層との融着もしくは印画感度低下などの問題が生じる場合がある。尚、これらの離型剤は受像層に添加せず、受像層上に別途離型層として設けても良い。
また、本発明においては、シリコーン系のエマルジョン型の離型剤を用いることも好ましい態様である。シリコーン系のエマルジョン型の離型剤とは、シリコーンオイルを各種乳化剤で乳化したエマルジョン型のシリコーン離型剤のことをいう。好ましくはオイルエマルジョン(O/W型)のエマルジョン型のシリコーン離型剤で、具体的には、信越化学工業(株)製KM786、KM785、KM860A等が挙げられる。エマルジョン型シリコーン離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用される。また、シリコーンオイル型等の他の離型剤と併用しても構わない。なお、これらの離型剤は受像層に添加せず、受像層上に別途離型層として設けても良い。
〈界面活性剤〉
本発明に係る受像層においては、受像層がシリコーン系界面活性剤を含有することも好ましい態様である。
本発明で用いることのできるシリコーン系界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第6章」で紹介されているものを好ましく用いることができる。具体的には、日本エマルジョン株式会社製EMALEX SS−5050K、EMALEX SS−5602等が挙げられる。
また、本発明に係る受像層においては、受像層がフッ素系界面活性剤を含有することも好ましい態様である。
本発明で用いることのできるフッ素系界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第5章」で紹介されているものを好ましく用いることができる。具体的には、株式会社ネオス社製フタージェントシリーズ、住友スリーエム株式会社製FC−4430等が挙げられる。
以上説明した本発明の熱転写受像シートの代表的構成例を以下に図を用いて説明する。
図1は、本発明の熱転写受像シートの構成例の一例を示す概略断面図である。なお、図1のa)〜d)では断熱層が2層または3層の構成例を、また図1のe)では断熱層が1層の構成例を用いて説明するが、本発明はこれら例示する構成に限定されるものではない。
図1のa)に、2層の連続気泡を有する多孔性層(以下、断熱層Aと称す)からなる熱転写受像シートの構成例を示す。熱転写受像シートは、紙基材1の両面をプラスチック樹脂2で被覆した樹脂コート紙上に、塗布方式を用いて断熱層Aの下層3と断熱層Aの上層4とを積層し、更にその上に中間層5及び受像層6が設けられた構成である。この時、断熱層Aの下層3と断熱層Aの上層4との空隙率としては、断熱層Aの上層4がより低い空隙率とすることが好ましい。
図1のb)には、2層の独立気泡を有する多孔性層(以下、断熱層Bと称す)からなる熱転写受像シートの構成例を示す。図1のa)と同様な構成であるが、断熱層が連続気泡を有する断熱層Aの下層3と断熱層Aの上層4に代わり、独立気泡を有する断熱層Bの下層7と断熱層Bの上層8とを塗布方式で形成した形態であり、同様に断熱層Bの下層7と断熱層Bの上層8との空隙率としては、断熱層Bの上層8がより低い空隙率とすることが好ましい。
図1のc)は、前述の図1のa)の構成に対し、断熱層Aの下層3と断熱層Aの上層4との間に、非多孔質性の断熱層中層9を設けた形態である。また、図1のd)には、断熱層下層として連続気泡を有する断熱層Aの下層3とし、断熱層上層として独立気泡を有する断熱層Bの上層8とから構成した例を示す。この時、連続気泡を有する断熱層と独立気泡を有する断熱層との配列に特に制限はないが、本発明の目的効果をより一層発揮できる観点からは、図1のd)で示した配列が好ましい。
また、図1のe)には、10として塗布方式で形成された連続気泡及び独立気泡を単一層に有する断熱層Cを設けた態様を示す。
次いで、画像形成の際に、本発明の熱転写受像シートと共に用いられる熱転写インクシートについて説明する。
《熱転写インクシート》
(基材シート)
本発明において、熱転写インクシートに使用される基材シートとしては、従来より熱転写インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
また、基材シートの表面に形成するインク層との密着が乏しい場合には、その表面にプライマー処理や、コロナ処理を施すことが好ましい。
(インク層、色素)
本発明において、熱転写インクシートを構成するインク層は、少なくとも色素とバインダー樹脂を含有する熱昇華性色材層である。本発明に係るインク層に使用される色素は、1種のみでも2種以上を併用しても良い。
以下に、本発明で用いることのできる色素について説明する。
本発明において、熱転写インクシートで用いる色素含有領域は、色相において異なる2以上の色素含有領域とすることができ、例えば、色素含有領域がイエロー色素を含有する領域、マゼンタ色素を含有する領域、及びシアン色素を含有する領域からなり、これらの色素含有領域の次に色素不含有領域が形成された態様、色素含有領域が黒色色素を含有するインク層からなり、該領域の次に色素不含有領域が形成された態様、及び色素含有領域がイエロー色素を含有する領域、マゼンタ色素を含有する領域、シアン色素を含有する領域及び黒色色素を含有する領域からなり、これらの色素含有領域の次に色素不含有領域が形成された態様等が挙げられる。
熱昇華性色剤層に用いられる色素は、従来公知の感熱昇華転写方式の熱転写インクシートに使用される、アゾ系、アゾメチン系、メチン系、アントラキノン系、キノフタロン系、ナフトキノン系等のあらゆる色素を挙げることができ、特に制限はされない。具体的には、黄色色素として、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、赤色色素としてMSレッドG、マクロレックスレッドバイオレットR、セレスレッド7B、サマロンレッドHBSL、SKルビンSEGL等が挙げられ、さらに、青色色素として、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100、ダイトーブルーNo.1等が挙げられる。
また、キレート形成可能な熱拡散性色素としては、熱転写が可能であれば特に制限はなく、公知の各種の化合物を適宜に選定して使用することができ、例えば、特開昭59−78893号公報、同59−109349号公報、特開平4−94974号公報、同4−97894号公報、特許第2856225号明細書に記載されているシアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素などを使用することができる。
例えば、キレートシアン色素としては、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004544941
上記一般式(1)において、R11及びR12は各々置換または無置換の脂肪族基を表し、R11及びR12は同じでも異なっていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基などを挙げることができ、これらのアルキル基を置換しうる基としては、直鎖あるいは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、及び1−ヘキシルノニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、及びアダマンチル基等)、及びアルケニル基(例えば、2−プロピレン基、オレイル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、オルト−トリル基、オルト−アニシル基、1−ナフチル基、9−アントラニル基等)、複素環基(例えば、2−テトラヒドロフリル基、2−チオフェニル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボニル基(例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、及び2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フェニルピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素環オキシカルボニル基等)、カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、1−ナフチルカルバモイル基等のアリールカルバモイル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、2−エトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ基等)、複素環オキシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基、2−ヘキサヒドロピラニルオキシ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等のアリールオキシ基等)、ウレタン基(例えば、N,N−ジメチルウレタン基等のアルキルウレタン基、N−フェニルウレタン基、N−(p−シアノフェニル)ウレタン基等のアリールウレタン基等)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、n−ドデカンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基等)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等のアルキルアミノ基、アニリノ基、p−t−オクチルアニリノ基等のアリールアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホニルアミノ基、n−ヘキサデシルスルホニルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基等のアルキルスルファモイルアミノ基、N−フェニルスルファモイルアミノ基等のアリールスルファモイルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、N,N−ジメチルアミノウレイド基等のアルキルウレイド基、N−フェニルウレイド基、N−(p−シアノフェニル)ウレイド基等のアリールウレイド基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等)、スルファモイル基(例えば、ジメチルスルファモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニル基等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等のアリールスルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、t−オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−チオ基、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−チオ基等)等が挙げられる。
シクロアルキル基、アルケニル基の例としては、上記置換基と同様である。また、アルキニル基の例としては、1−プロピン、2−ブチン、1−ヘキシン等が挙げられる。
11、R12として、非芳香族性の環状構造(例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環等)を形成する基も好ましい。
13は上記置換基の中でもアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基が好ましい。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、複数のR13は同じでも異なっていてもよい。
14はアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、及び1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。R14は好ましくは2級または3級アルキル基であり、好ましい2級または3級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R14として最も好ましい置換基はイソプロピル基、tert−ブチル基である。R14のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており。その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
15はアルキル基であり、その例としては、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。R15は好ましくは2級または3級アルキル基であり、好ましい2級または3級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R15として最も好ましい置換基はイソプロピル基、tert−ブチル基である。R15のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており。その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
16はアルキル基を表し、その例としてはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R16として特に好ましい置換基は、炭素数3以上の直鎖のアルキル基であり、その例としてはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基であり、最も好ましくはn−プロピル基、n−ブチル基である。なお、R16のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており、その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
また、キレートイエロー色素としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004544941
上記一般式(2)において、R1及びR2で表される各々の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜12のアルキル基で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはカルボニル基で連結する置換基が置換するか、またはアリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基もしくはハロゲン原子が置換していてもよい。例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシメチル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホンアミドエチル、シクロヘキシル等の各基)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、3−ニトロフェニル、3−アシルアミノフェニル、2−メトキシフェニル等の各基)、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホニル基、アシル基等が挙げられる。
3で表されるアルキル基及びアリール基としては、R1及びR2で表されるアルキル基、アリール基と同じものを挙げることができる。
1で表される2個の炭素原子と共に構成される5〜6員の芳香族環としては、具体的には、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾールなどの環を挙げることができ、これらの環は更に他の芳香族環と縮合環を形成してもよい。これらの環上には置換基を有していてもよく、該置換基としてはR1及びR2で表される置換基と同じものを挙げることができる。
また、キレートマゼンタ色素としては、下記一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004544941
上記一般式(3)において、Xは少なくとも2座のキレート形成可能な基または原子の集まりを表し、Yは5員もしくは6員の芳香族炭化水素環または複素環を形成する原子の集まりを表し、R1、R2は各々水素原子、ハロゲン原子または1価の置換基を表す。nは0、1、2を表す。
Xとして特に好ましくは、下記一般式(4)で表される基である。
Figure 0004544941
上記一般式(4)において、Z2は少くとも一つのキレート化可能な窒素原子を含む基で置換された芳香族性含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表す。該環の具体例としてはピリジン、ピリミジン、チアゾール、イミダゾール等の各環が挙げられる。これらの環は、更に他の炭素環(ベンゼン環等)や複素環(ピリジン環等)と縮合環を形成しても良い。
上記一般式(3)において、Yは5員もしくは6員の芳香族炭化水素環または複素環を形成する原子の集まりを表し、該環上には更に置換基を有していても良く、縮合環を有していても良い。該環の具体例としては、3H−ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、3H−ピロリジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、3H−インドール環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、ピリジン環等が挙げられる。これらの環は更に他の炭素環(例えば、ベンゼン環)や複素環(例えば、ピリジン環)と縮合環を形成してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等であり、それらの基は更に置換されていても良い。
1、R2は各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)または1価の置換基を表すが、1価の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アシル基、アシルアミノ基等が挙げられる。
Xは少なくとも2座のキレート形成可能な基または原子の集まりを表し、一般式(3)として色素を形成できるものなら何でもよく、例えば、5−ピラゾロン、イミダゾール、ピラゾロピロール、ピラゾロピラゾール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、またはピラゾロピリドンが好ましい。
(バインダー樹脂)
本発明において、インク層は、上記色素と共にバインダー樹脂を含有する。
インク層に使用するバインダー樹脂としては、従来公知の感熱昇華転写方式の熱転写インクシートに使用されるバインダー樹脂を使用することができ、例えば、セルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系等の水溶性ポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、ニトロセルロース等の有機溶媒に可溶のポリマーがを挙げることができる。これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールあるいはセルロース系樹脂が好ましい。
インク層における色素及びバインダー樹脂の含有量は、特に限定されるものではなく、性能上の観点から適宜設定されることが好ましい。
本発明に係るインク層には、上記説明した色素とバインダー樹脂の他に、必要に応じて公知の種々の添加剤を含有することができる。インク層は、例えば、適当な溶剤中に上記の色素、バインダー樹脂、その他の添加剤を溶解または分散させて調製したインク塗布液を、グラビアコート法等の公知の手段により基材シート上に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。本発明に係るインク層の厚みは、0.1〜3.0μm程度、好ましくは0.3〜1.5μm程度とすることができる。
(保護層)
本発明において、熱転写インクシートは、熱転写性の保護層を備えていることが好ましい。該熱転写性の保護層は、受像シート上に熱転写して形成された画像の表面を覆う保護層となる透明な樹脂層からなる。
保護層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、これらの各樹脂のエポキシ変性樹脂、これらの樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。好ましい樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ変性樹脂、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ジオール成分および酸成分が一種類以上の脂環族化合物を有する脂環族ポリエステル樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく、特開平11−151867号に記載された芳香族ポリカーボネート樹脂が特に好ましい。
本発明に使用されるエポキシ変性樹脂としては、エポキシ変性ウレタン、エポキシ変性ポリエチレン、エポキシ変性ポリエチレンテレフタレート、エポキシ変性ポリフェニルサルファイト、エポキシ変性セルロース、エポキシ変性ポリプロピレン、エポキシ変性ポリ塩化ビニル、エポキシ変性ポリカーボネート、エポキシ変性アクリル、エポキシ変性ポリスチレン、エポキシ変性ポリメチルメタクリレート、エポキシ変性シリコーン、エポキシ変性ポリスチレンとエポキシ変性ポリメチルメタクリレートの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性ポリスチレンの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性シリコーンの共重合体が挙げられ、好ましくはエポキシ変性アクリル、エポキシ変性ポリスチレン、エポキシ変性ポリメチルメタクリレート、エポキシ変性シリコーンであり、更に好ましくはエポキシ変性ポリスチレンとエポキシ変性ポリメチルメタクリレートの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性ポリスチレンの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性シリコーンの共重合体である。
〈電離放射線硬化性樹脂〉
熱転写性保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱転写性保護層に含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
〈紫外線遮断性樹脂〉
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
上記のごとき単層構造の熱転写性保護層または多層構造の熱転写性保護層中に設けられた主保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さに形成する。
本発明の熱転写性の保護層は、基材シート上に非転写性の離型層を介して設けることが好ましい。
非転写性離型層は、基材シートと非転写性離型層との間の接着力を、非転写性離型層と熱転写性保護層との間に接着力よりも常に充分高くし、且つ、熱を印加する前の非転写性離型層と熱転写性保護層との間の接着力が、熱印加後のそれに対し高くなるようにする目的で、(1)樹脂バインダーと共に、平均粒子径が40nm以下の無機微粒子を30〜80質量%含有しているか、(2)アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物を合計20質量%以上の割合で含有しているか、或いは(3)アイオノマーを20質量%以上の割合で含有している、ことが好ましい。非転写性離型層には、必要に応じて他の添加物が含有されていてもよい。
無機微粒子としては、例えば、無水シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子や、酸化錫、酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物を使用することが出来る。無機微粒子の粒子径は、40nm以下とすることが好ましい。40nmを越えると、離型層表面の凹凸に起因して熱転写性保護層の表面の凹凸も大きくなり、その結果保護層の透明性が低下してしまい好ましくない。
無機微粒子と混合する樹脂バインダーは特に制限されず、混合可能なあらゆる樹脂を用いることが出来る。例えば、各種ケン化度のポリビニルアルコール樹脂(PVA);ポリビニルアセタール樹脂;ポリビニルブチラール樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;酢酸セルロース、アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。
無機微粒子と樹脂バインダーを主体とする他の配合成分との配合比(無機微粒子/他の配合成分)は、質量比で30/70以上、80/20以下の範囲とすることが好ましい。配合比が30/70未満になると、無機微粒子の効果が不十分となり、一方80/20を越えると離型層が完全な膜とならず、基材シートと保護層が直接触れる部分が生じてしまう。
アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導体としては、例えば、アルキルビニルエーテル部分のアルキル基がメチル基或いはエチル基であるもの、無水マレイン酸部分が部分的にまたは完全にアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等)とのハーフエステルとなったものを用いることができる。
離型層は、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物だけで形成しても良いが、離型層と保護層の間の剥離力を調整する目的で、他の樹脂または微粒子をさらに加えても良い。その場合、離型層には、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物が20質量%以上含有されているのが望ましい。含有量が20質量%未満になると、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導体の効果が十分に得られなくなる。
アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導体に配合される樹脂または微粒子としては、混合可能で、被膜形成時に高い膜透明性が得られるもので有れば特に限定されず、あらゆる材料を用いることが出来る。例えば、前述の無機微粒子及び無機微粒子と混合可能な樹脂バインダーは好ましく用いられる。
アイオノマーとしては、例えば、サーリンA(デュポン社製)や、ケミパールSシリーズ(三井石油化学社製)等を使用することができる。また、アイオノマーには、例えば、前述の無機微粒子、無機微粒子と混合可能な樹脂バインダー、或いはその他の樹脂や微粒子をさらに加えることが出来る。
非転写性離型層を形成するには、上記(1)〜(3)のいずれかの成分を所定の配合割合で含有する塗布液を調製し、かかる塗布液を、グラビアコート法、グラビアリバースコート法のような公知の技術で基材シート上に塗布し、塗布層を乾燥させる。非転写性離型層の厚みは、通常、乾燥後の厚みで0.1〜2μm程度とする。
非転写性離型層を介して、あるいは介さずに基材シート上に積層される熱転写性保護層は、多層構造をとっていてもよいし、単層構造をとっていてもよい。多層構造をとる場合には、画像に各種の耐久性を付与するための主体となる主保護層の他、熱転写性保護層と印画物の受像面との接着性を高めるために、熱転写性保護層の最表面に配置される接着層や、補助的な保護層や、保護層本来の機能以外の機能を付加するための層(例えば偽造防止層、ホログラム層等)が設けられてもよい。主保護層とその他の層の順序は任意であるが、通常は、転写後に主保護層が受像面の最表面となるように、接着層と主保護層との間に他の層を配置する。
熱転写性保護層の最表面には接着層が形成されていても良い。接着層は、例えばアクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂のような加熱時接着性の良好な樹脂で形成することができる。また、上記樹脂に加え、上述した電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂などを必要に応じて混合してもよい。接着層の厚さは、通常0.1〜5μmとする。
非転写性離型層上あるいは基材シート上に熱転写性保護層を形成するには、例えば、保護層形成用樹脂を含有する保護層用塗布液、熱接着性樹脂を含有する接着層用塗布液、その他必要に応じて付加される層を形成するための塗布液をあらかじめ調製し、それらを所定の順序で非転写性離型層上あるいは基材シート上に塗布し、乾燥させる。各塗布液は従来公知の方法で塗布すればよい。また、各層の間には適切なプライマー層を設けても良い。
〈紫外線吸収剤〉
熱転写性保護層の少なくとも1層に、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましいが、透明樹脂層に含有させた場合、保護層転写後は透明樹脂層が印画物の最表面に存在するため、長期間の間に環境などの影響を受け経時的にその効果が低下することから、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤があげられ、例えば具体的にはTinuvin P、Tinuvin 234、Tinuvin 320、Tinuvin 326、Tinuvin 327、Tinuvin 328、Tinuvin 312、Tinuvin 315(以上、チバガイギー社製)、Sumisorb−110、Sumisorb−130、Sumisorb−140、Sumisorb−200、Sumisorb−250、Sumisorb−300、Sumisorb−320、Sumisorb−340、Sumisorb−350、Sumisorb−400(以上、住友化学工業(株)製)、Mark LA−32、Mark LA−36、Mark 1413(以上、アデカアーガス化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、いずれも本発明で使用することが出来る。
また、反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとがランダム共重合したTg60℃以上、好ましくは80℃以上のランダム共重合体を用いることも出来る。
上記の反応性紫外線吸収剤は、従来公知のサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、或いは、アルコール系水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したものを使用することができる。具体的には、UVA635L、UVA633L(以上、BASFジャパン(株)製)、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、何れも本発明で使用することが出来る。
以上のような反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体における反応性紫外線吸収剤の量は10〜90質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲である。また、このようなランダム共重合体の分子量は5000〜250000程度、好ましくは9000〜30000程度とすることが出来る。上述した紫外線吸収剤、及び、反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体は、各々単独で含有させても良いし、両方を含有させても良い。反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体の添加量は、含有させる層に対し5〜50質量%の範囲で含有させることが好ましい。
もちろん紫外線吸収剤以外にも他の耐光化剤を含有させても良い。ここで耐光化剤とは、光エネルギー、熱エネルギー、酸化作用など、色素を変質あるいは分解する作用を吸収または遮断して色素の変質や分解を防止する薬剤であり、具体的には上述した紫外線防止剤の他、従来合成樹脂の添加剤などとして知られている光安定剤等が挙げられる。その場合も、熱転写性保護層の少なくとも1層、即ち前記剥離層、透明樹脂層、感熱接着層のうち少なくとも1層に含有させてよいが、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
上記の紫外線吸収剤を含む、耐光化剤の使用量は特に限定されないが、好ましくは含有させる層を形成する樹脂100質量部当たり0.05〜10質量部、好ましくは3〜10質量部の割合で使用する。使用量が少なすぎると耐光化剤としての効果が得難く、一方多すぎては不経済である。
また、上記の耐光化剤の他にも、例えば、蛍光増白剤、充填剤等の各種の添加剤も同時に接着剤層に適当な量で添加することができる。
保護層転写シートの透明樹脂層は、基材シート上に単独で設けても良いし、熱転写インクシートのインク層と面順次に設けても良い。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写インクシートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
耐熱滑性層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シートとの熱融着を防止し、走行を滑らかに行うとともに、サーマルヘッドの付着物を除去する目的で設けられる。
この耐熱滑性層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物が用いられる。耐熱滑性層の耐熱性をより高めるために、上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
更に、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、耐熱滑性層に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤または滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属石鹸、有機カルボン酸及びその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。耐熱滑性層に含有される滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。このような耐熱滑性層の厚みは0.1〜10μm程度、好ましくは0.3〜5μm程度とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《熱転写受像シートの作製》
〔熱転写受像シート1の作製〕
基材シートとして、厚みが150μmの合成紙(王子油化合成紙(株)製のユポFPG−150)の一方の面に、下記の中間層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の中間層を形成した。
次いで、上記中間層上に、下記の組成からなる受像層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて、乾燥固形分量が4g/m2になるように塗布した後、110℃にて30秒間乾燥して、熱転写受像シート1を得た。
(中間層塗布液1の調製)
アクリル系エマルジョン(日本カーバイド(株)製、ニカゾールA−08)の35%水溶液 5.7質量部
純水 94.0質量部
(受像層塗布液1の調製)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル酢酸/酢酸ビニル=95/5)
10.0質量部
離型剤:エポキシ変成シリコーン(信越化学(株)製 X−22−8300T)
1.0質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40.0質量部
〔熱転写受像シート2の作製:独立気泡型断熱層〕
坪量が101g/m2の上質紙に、殻壁の軟化点温度80〜85℃の熱膨張性の可塑性物質(マツモトマイクロスフェアーF−30、松本油脂社製)の70部及びポリビニルアルコールの30部からなる断熱層塗布液Aを乾燥固形分量が3.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して断熱層を形成した。この熱乾燥により熱膨張性の可塑性物質は体積で30〜70倍に膨張した。この断熱層上にポリビニルアルコールからなる中間層塗布液2を乾燥固形分量で3.5g/m2塗布して中間層を形成し、さらにその上に下記組成からなる受像層塗布液2を乾燥固形分量で4g/m2となるように塗布し、120℃で5分間乾燥して熱転写受像シート2を作製した。
(受像層塗布液2の調製)
ポリエステル樹脂(Vylon 200、東洋紡社製) 1.0質量部
アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業社製) 0.03質量部
エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業社製) 0.03質量部
メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサン(質量比4:4:2)
9.0質量部
〔熱転写受像シート3の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート2の作製において、受像層を塗布した後の乾燥を120℃で6分間に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート3を作製した。
〔熱転写受像シート4の作製:独立気泡型断熱層〕
坪量209g/m2のコート紙(日本加工製紙(株)、NKハイコート)上に、下記組成(中空粒子:バインダー樹脂=9:1(固形分比))からなる連続気泡を有する断熱層塗布液Bをグラビアコートで湿潤膜厚40μmで塗布した後、110℃で60秒間乾燥して断熱層を形成した。
(断熱層塗布液Bの調製)
アクリル系中空粒子(ロームアンドハース社製、ローペイク HP−1055)
100質量部
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、KH−11、平均重合度1000)の15%溶液 19質量部
水 40質量部
次いで、上記断熱層上に下記組成からなる中間層塗布液3をグラビアコートで乾燥固形分量が4g/m2となるように塗布した後、110℃で60秒乾燥して中間層を得た。
(中間層塗布液3の調製)
ポリエステル系ウレタン(大日本インキ化学工業(株)製、AP−40) 50質量部
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、GL−05、鹸化度88%)の15%溶液 33質量部
水/イソプロピルアルコール=1/1 30質量部
次いで、中間層上に下記の組成からなる受像層塗布液3をグラビアコーターで、乾燥固形分量が4g/m2となる条件で塗布した後、110℃で60秒乾燥して受像層を形成した。
(受像層塗布液3の調製)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、#1000A)
100質量部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、X22−3050C) 5質量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、X22−3000E) 5質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400質量部
次いで、基材の受像層を形成した面とは反対側の面に、下記の組成からなる裏面層塗布液をグラビアコーターで乾燥固形分量が0.05g/m2となる条件で塗布した後、110℃で60秒間乾燥して、熱転写受像シート4を得た。
(裏面層塗布液の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA117) 1質量部
水 100質量部
〔熱転写受像シート5の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート4の作製において、受像層を塗布した後の乾燥を110℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート5を作製した。
〔熱転写受像シート6の作製:独立気泡型断熱層〕
基材シートを厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/m2として有する)の一方の面に、下記の組成からなる断熱層下層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥させ、乾燥固形分量が25g/m2の断熱層下層を形成した。次いで、下記の組成からなる断熱層上層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の断熱層上層を形成した。
次いで、下記の組成からなる中間層塗布液4をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥させ、乾燥固形分量が1.0g/m2の中間層を形成した。
次いで、下記の組成からなる受像層塗布液4をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥させ、乾燥固形分量が4.0g/m2の受像層を形成して、独立気泡を含む断熱層を有する熱転写受像シート6を作製した。なお、上記断熱層下層の空隙率は44%、断熱層上層の空隙率は7%であった。
(断熱層下層塗布液1の調製)
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
94質量部
水 40質量部
(断熱層上層塗布液1の調製)
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
2質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
52.5質量部
水 55質量部
(中間層塗布液4の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
15質量部
アルカリ処理ゼラチン 15質量部
6%硝酸水溶液 6質量部
アナターゼ型酸化チタン 10質量部
水 54質量部
(受像層塗布液4の調製)
ポリエチレンテレフタレート 10質量部
ジメチルシリコーン 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40質量部
〔熱転写受像シート7の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート6の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート7を作製した。
〔熱転写受像シート8の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート6の作製において、断熱層下層塗布液1に代えて、下記断熱層下層塗布液2を用い、また断熱層上層塗布液1に代えて、下記断熱層上層塗布液2を用い、更に、断熱層下層及び断熱層上層をスライドホッパーを用いて2層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート8を作製した。
(断熱層下層塗布液2の調製)
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
100質量部
アルカリ処理ゼラチン 7.5質量部
水 128質量部
(断熱層上層塗布液2の調製)
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
2質量部
アルカリ処理ゼラチン 4.2質量部
水 104.4質量部
〔熱転写受像シート9の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート8の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート9を作製した。
〔熱転写受像シート10の作製:連続気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート6の作製において、断熱層下層塗布液1に代えて下記断熱層下層塗布液3を用い、また断熱層上層塗布液1に代えて下記断熱層上層塗布液3を用い、更に、断熱層下層、断熱層上層及び中間層をスライドホッパーを用いて3層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート10を作製した。なお、上記連続気泡型の断熱層下層の空隙率は60%、断熱層上層の空隙率は6%であった。
(断熱層下層塗布液3の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の5%溶液 30質量%
気相法シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、一次粒子径12nm)
20質量%
水 20質量部
(断熱層上層塗布液3の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の5%溶液 100質量%
気相法シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、一次粒子径12nm)
1.5質量%
水 132質量部
〔熱転写受像シート11の作製:連続気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート9の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
〔熱転写受像シート12の作製:連続気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート9の作製において、断熱層上層の塗布液を断熱層上層塗布液3に代えて、前記断熱層下層塗布液3(空隙率60%)を用いて、断熱層下層及び上層を同一組成にすると共に、断熱層下層と断熱層上層との間に、下記の組成からなる断熱層中層塗布液を用いて乾燥固形分量が1.0g/m2となるように設け、更に、断熱層下層、断熱層中層、断熱層上層及び中間層をスライドホッパーを用いて4層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート12を作製した。
(断熱層中層塗布液の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
15質量部
アルカリ処理ゼラチン 15質量部
6%硝酸水溶液 6質量部
水 64質量部
〔熱転写受像シート13の作製:連続気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート12の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート13を作製した。
〔熱転写受像シート14の作製:連続気泡型/独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層上層塗布液3に代えて、前記断熱層上層塗布液1(独立気泡型、空隙率7%)を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート14を作製した。
〔熱転写受像シート15の作製:連続気泡型/独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート14の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート15を作製した。
〔熱転写受像シート16の作製:連続気泡型+独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層下層塗布液3及び断熱層上層塗布液3に代えて、下記の組成からなる断熱層塗布液C(連続気泡型+独立気泡型、空隙率50%)を用いて、乾燥固形分量が25g/m2となるに断熱層を設けた以外は同様にして、熱転写受像シート16を作製した。
(断熱層塗布液Cの調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の5%溶液 30質量%
気相法シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、一次粒子径12nm)
20質量%
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
3.3質量部
水 20質量部
〔熱転写受像シート17の作製:連続気泡型+独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート16の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート17を作製した。
《画像形成》
抵抗体形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)ラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、上記作製した各熱転写受像シートの受像層部と、コニカミノルタフォトイメージング社製 Pe602用の熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、順次印加エネルギーを増加させ、イエロー、マゼンタ、シアン、ニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)の各ステップパターンパッチを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に各色素を転写させて、画像を形成した。
《形成画像の評価》
上記の様にして印画した画像について、下記の方法に従って各評価を行った。
(カール特性の評価)
上記作製した各熱転写受像シートを20cm×20cmの正方形に切り出し、23℃、50%RHの環境下で、平板上に受像層が上部となるようにして静置し、5時間放置した後に、4隅の平板からの高さの最大値を計測し、これをカール特性の尺度とした。
(感度の評価)
上記の画像形成方法において、各熱転写受像シートを用いて、印加エネルギーを変化させながら画像形成を行い、反射濃度1.0を得るに要する印加エネルギーE(mJ/mm2)を測定し、下記の基準に従って感度の評価を行った。
◎:E≦4.8mJ/mm2
○:4.8mJ/mm2<E≦5.2mJ/mm2
△:5.2mJ/mm2<E≦5.6mJ/mm2
×:E>5.6mJ/mm2
(白抜け故障耐性の評価)
上記印画した各ステップパターンパッチ画像における白抜け部(ベタ画像中の白点故障)の発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って白抜け故障耐性を評価した。
◎:画像中に、白抜け故障の発生が全く認められない
○:画像中に、ほぼ白抜け故障の発生が認められない
△:画像中に、微小サイズの白抜け故障が散発しているが、実用上許容の範囲にある
×:画像中に、強い白抜け故障が発生しており、実用上問題となる品質である
(耐熱性の評価)
上記作製した各熱転写受像シートを、75℃の恒温槽中で3日間保存した後、上記と同様の方法で画像形成した後、上記白抜け故障耐性の評価と同様にして、高温保存後の白抜け故障耐性の評価を行った。
以上により得られた各結果を、表1に示す。
Figure 0004544941
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の構成からなる熱転写受像シートは、比較例に対し、作製時の乾燥条件が変動しても、カール特性、白抜け故障耐性及び耐熱性に優れ、かつ高い感度が維持されていることが分かる。更に、上記効果は、各断熱層を同時重層塗布で形成すること、断熱層間に非多孔性の断熱層を設けること、連続気泡型の断熱層と独立気泡型の断熱層を組み合わせた構成とすること、あるいは連続気泡型と独立気泡型の1層からなる断熱層とすることにより、上記本発明の効果がより一層発揮されていることが分かる。
本発明の熱転写受像シートの構成例の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 紙基材
2 プラスチック樹脂
3 断熱層Aの下層
4 断熱層Aの上層
5 中間層
6 受像層
7 断熱層Bの下層
8 断熱層Bの上層
9 非多孔質性の断熱層中層
10 連続気泡及び独立気泡を有する断熱層C

Claims (3)

  1. 基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が2層以上から構成される積層構造であり、前記積層構造の断熱層の少なくとも2層が、連続気泡を有する多孔性層であって、かつ複数の該多孔性層間に非多孔性層を有することを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記多孔性層が、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記積層構造を有する2層以上の断熱層の全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
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