JP4544941B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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Description
基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が2層以上から構成される積層構造であることを特徴とする熱転写受像シート。
前記積層構造の断熱層の少なくとも2層が、連続気泡を有する多孔性層であって、かつ複数の該多孔性層間に非多孔性層を有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
前記多孔性層が、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シート。
前記断熱層が、連続気泡を有する多孔性層と独立気泡を有する多孔性層との積層構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記連続気泡を有する多孔性層が無機微粒子を含有し、かつ前記独立気泡を有する多孔性層が中空粒子を含有していることを特徴とする請求項4に記載の熱転写受像シート。
前記積層構造を有する2層以上の断熱層の全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が連続気泡及び独立気泡を含有していることを特徴とする熱転写受像シート。
前記断熱層が無機微粒子及び中空粒子を含有していることを特徴とする請求項7に記載の熱転写受像シート。
はじめに、本発明の熱転写受像シートの詳細について説明する。
本発明の熱転写受像シートで用いる基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2が好ましい
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい
(8)染料受像層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいては、基材上に塗布方式で形成された2層以上の積層構造からなる断熱層を有すること、あるいは、基材上に塗布方式で形成された1層の断熱層を有し、該単層の断熱層内に連続気泡と独立気泡の両方を含有していることを特徴とする。
本発明に係る連続気泡を有する断熱層が、無機微粒子を含有する多孔質層であることが好ましい。
最も好ましく用いられる一次粒子の平均粒子径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジル、キャボット社製のキャボシル、(株)トクヤマ製のレオロシール等が市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、吸引分散することで、比較的容易に一次粒子近くまで分散することができる。
本発明に係る独立気泡を有する断熱層が、中空粒子を含有する多孔質層であることが好ましい。
次に、断熱層を形成する上で使用するバインダーについて説明する。
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層形成時に無機微粒子を用いて連続気泡による多孔性層を形成するが、この際、硬膜剤を含有することが好ましい。硬膜剤は、熱転写受像シート作製の任意の時期に添加することができ、例えば、断熱層形成用の塗布液に添加することができる。
本発明においては、基材上に上述した本発明に係る断熱層の他に、断熱層と受像層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物および離型剤について以下詳しく説明する。
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂としては、バインダー樹脂として公知のものを用いることができ、色素(以下、染料ともいう)が染着しやすいものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等の単体、又は混合物を挙げることができるが、これらの中でもビニル系樹脂が好ましく、最も好ましくはポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂及びポリカーボネートである。
本発明の熱転写受像シートにおいては、印画後の画像保存性を高める観点から、受像層中にキレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも記す)を含有させることが好ましい。メタルソースとしては、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、i及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
〔M(Q1)X(Q2)Y(Q3)Z〕P+(L-)P
上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。Xは1、2または3の整数を表し、Yは1、2または0を表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。Pは1または2を表す。この種のメタルソースの具体例は、米国特許4,987,049号明細書に例示されたもの、または特開平10−67181号公報に例示された化合物1〜51などを挙げることができる。
本発明に係る受像層においては、印画時に熱転写インクシートのインク層との熱融着を防止するために、離型剤を含有することが好ましい。
本発明に係る受像層においては、受像層がシリコーン系界面活性剤を含有することも好ましい態様である。
(基材シート)
本発明において、熱転写インクシートに使用される基材シートとしては、従来より熱転写インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明において、熱転写インクシートを構成するインク層は、少なくとも色素とバインダー樹脂を含有する熱昇華性色材層である。本発明に係るインク層に使用される色素は、1種のみでも2種以上を併用しても良い。
本発明において、インク層は、上記色素と共にバインダー樹脂を含有する。
本発明において、熱転写インクシートは、熱転写性の保護層を備えていることが好ましい。該熱転写性の保護層は、受像シート上に熱転写して形成された画像の表面を覆う保護層となる透明な樹脂層からなる。
熱転写性保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱転写性保護層に含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
熱転写性保護層の少なくとも1層に、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましいが、透明樹脂層に含有させた場合、保護層転写後は透明樹脂層が印画物の最表面に存在するため、長期間の間に環境などの影響を受け経時的にその効果が低下することから、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
本発明の熱転写インクシートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
〔熱転写受像シート1の作製〕
基材シートとして、厚みが150μmの合成紙(王子油化合成紙(株)製のユポFPG−150)の一方の面に、下記の中間層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の中間層を形成した。
アクリル系エマルジョン(日本カーバイド(株)製、ニカゾールA−08)の35%水溶液 5.7質量部
純水 94.0質量部
(受像層塗布液1の調製)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル酢酸/酢酸ビニル=95/5)
10.0質量部
離型剤:エポキシ変成シリコーン(信越化学(株)製 X−22−8300T)
1.0質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40.0質量部
〔熱転写受像シート2の作製:独立気泡型断熱層〕
坪量が101g/m2の上質紙に、殻壁の軟化点温度80〜85℃の熱膨張性の可塑性物質(マツモトマイクロスフェアーF−30、松本油脂社製)の70部及びポリビニルアルコールの30部からなる断熱層塗布液Aを乾燥固形分量が3.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して断熱層を形成した。この熱乾燥により熱膨張性の可塑性物質は体積で30〜70倍に膨張した。この断熱層上にポリビニルアルコールからなる中間層塗布液2を乾燥固形分量で3.5g/m2塗布して中間層を形成し、さらにその上に下記組成からなる受像層塗布液2を乾燥固形分量で4g/m2となるように塗布し、120℃で5分間乾燥して熱転写受像シート2を作製した。
ポリエステル樹脂(Vylon 200、東洋紡社製) 1.0質量部
アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業社製) 0.03質量部
エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業社製) 0.03質量部
メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサン(質量比4:4:2)
9.0質量部
〔熱転写受像シート3の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート2の作製において、受像層を塗布した後の乾燥を120℃で6分間に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート3を作製した。
坪量209g/m2のコート紙(日本加工製紙(株)、NKハイコート)上に、下記組成(中空粒子:バインダー樹脂=9:1(固形分比))からなる連続気泡を有する断熱層塗布液Bをグラビアコートで湿潤膜厚40μmで塗布した後、110℃で60秒間乾燥して断熱層を形成した。
アクリル系中空粒子(ロームアンドハース社製、ローペイク HP−1055)
100質量部
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、KH−11、平均重合度1000)の15%溶液 19質量部
水 40質量部
次いで、上記断熱層上に下記組成からなる中間層塗布液3をグラビアコートで乾燥固形分量が4g/m2となるように塗布した後、110℃で60秒乾燥して中間層を得た。
ポリエステル系ウレタン(大日本インキ化学工業(株)製、AP−40) 50質量部
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、GL−05、鹸化度88%)の15%溶液 33質量部
水/イソプロピルアルコール=1/1 30質量部
次いで、中間層上に下記の組成からなる受像層塗布液3をグラビアコーターで、乾燥固形分量が4g/m2となる条件で塗布した後、110℃で60秒乾燥して受像層を形成した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、#1000A)
100質量部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、X22−3050C) 5質量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、X22−3000E) 5質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400質量部
次いで、基材の受像層を形成した面とは反対側の面に、下記の組成からなる裏面層塗布液をグラビアコーターで乾燥固形分量が0.05g/m2となる条件で塗布した後、110℃で60秒間乾燥して、熱転写受像シート4を得た。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA117) 1質量部
水 100質量部
〔熱転写受像シート5の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート4の作製において、受像層を塗布した後の乾燥を110℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート5を作製した。
基材シートを厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/m2として有する)の一方の面に、下記の組成からなる断熱層下層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥させ、乾燥固形分量が25g/m2の断熱層下層を形成した。次いで、下記の組成からなる断熱層上層塗布液1をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の断熱層上層を形成した。
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
94質量部
水 40質量部
(断熱層上層塗布液1の調製)
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
2質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
52.5質量部
水 55質量部
(中間層塗布液4の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
15質量部
アルカリ処理ゼラチン 15質量部
6%硝酸水溶液 6質量部
アナターゼ型酸化チタン 10質量部
水 54質量部
(受像層塗布液4の調製)
ポリエチレンテレフタレート 10質量部
ジメチルシリコーン 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40質量部
〔熱転写受像シート7の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート6の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート7を作製した。
上記熱転写受像シート6の作製において、断熱層下層塗布液1に代えて、下記断熱層下層塗布液2を用い、また断熱層上層塗布液1に代えて、下記断熱層上層塗布液2を用い、更に、断熱層下層及び断熱層上層をスライドホッパーを用いて2層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート8を作製した。
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
100質量部
アルカリ処理ゼラチン 7.5質量部
水 128質量部
(断熱層上層塗布液2の調製)
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
2質量部
アルカリ処理ゼラチン 4.2質量部
水 104.4質量部
〔熱転写受像シート9の作製:独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート8の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート9を作製した。
上記熱転写受像シート6の作製において、断熱層下層塗布液1に代えて下記断熱層下層塗布液3を用い、また断熱層上層塗布液1に代えて下記断熱層上層塗布液3を用い、更に、断熱層下層、断熱層上層及び中間層をスライドホッパーを用いて3層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート10を作製した。なお、上記連続気泡型の断熱層下層の空隙率は60%、断熱層上層の空隙率は6%であった。
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の5%溶液 30質量%
気相法シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、一次粒子径12nm)
20質量%
水 20質量部
(断熱層上層塗布液3の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の5%溶液 100質量%
気相法シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、一次粒子径12nm)
1.5質量%
水 132質量部
〔熱転写受像シート11の作製:連続気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート9の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
上記熱転写受像シート9の作製において、断熱層上層の塗布液を断熱層上層塗布液3に代えて、前記断熱層下層塗布液3(空隙率60%)を用いて、断熱層下層及び上層を同一組成にすると共に、断熱層下層と断熱層上層との間に、下記の組成からなる断熱層中層塗布液を用いて乾燥固形分量が1.0g/m2となるように設け、更に、断熱層下層、断熱層中層、断熱層上層及び中間層をスライドホッパーを用いて4層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート12を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
15質量部
アルカリ処理ゼラチン 15質量部
6%硝酸水溶液 6質量部
水 64質量部
〔熱転写受像シート13の作製:連続気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート12の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート13を作製した。
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層上層塗布液3に代えて、前記断熱層上層塗布液1(独立気泡型、空隙率7%)を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート14を作製した。
上記熱転写受像シート14の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート15を作製した。
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層下層塗布液3及び断熱層上層塗布液3に代えて、下記の組成からなる断熱層塗布液C(連続気泡型+独立気泡型、空隙率50%)を用いて、乾燥固形分量が25g/m2となるに断熱層を設けた以外は同様にして、熱転写受像シート16を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の5%溶液 30質量%
気相法シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、一次粒子径12nm)
20質量%
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
3.3質量部
水 20質量部
〔熱転写受像シート17の作製:連続気泡型+独立気泡型断熱層〕
上記熱転写受像シート16の作製において、各々の構成層を形成する際の乾燥条件を120℃で72秒に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート17を作製した。
抵抗体形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)ラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、上記作製した各熱転写受像シートの受像層部と、コニカミノルタフォトイメージング社製 Pe602用の熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、順次印加エネルギーを増加させ、イエロー、マゼンタ、シアン、ニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)の各ステップパターンパッチを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に各色素を転写させて、画像を形成した。
上記の様にして印画した画像について、下記の方法に従って各評価を行った。
上記作製した各熱転写受像シートを20cm×20cmの正方形に切り出し、23℃、50%RHの環境下で、平板上に受像層が上部となるようにして静置し、5時間放置した後に、4隅の平板からの高さの最大値を計測し、これをカール特性の尺度とした。
上記の画像形成方法において、各熱転写受像シートを用いて、印加エネルギーを変化させながら画像形成を行い、反射濃度1.0を得るに要する印加エネルギーE(mJ/mm2)を測定し、下記の基準に従って感度の評価を行った。
○:4.8mJ/mm2<E≦5.2mJ/mm2
△:5.2mJ/mm2<E≦5.6mJ/mm2
×:E>5.6mJ/mm2
(白抜け故障耐性の評価)
上記印画した各ステップパターンパッチ画像における白抜け部(ベタ画像中の白点故障)の発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って白抜け故障耐性を評価した。
○:画像中に、ほぼ白抜け故障の発生が認められない
△:画像中に、微小サイズの白抜け故障が散発しているが、実用上許容の範囲にある
×:画像中に、強い白抜け故障が発生しており、実用上問題となる品質である
(耐熱性の評価)
上記作製した各熱転写受像シートを、75℃の恒温槽中で3日間保存した後、上記と同様の方法で画像形成した後、上記白抜け故障耐性の評価と同様にして、高温保存後の白抜け故障耐性の評価を行った。
2 プラスチック樹脂
3 断熱層Aの下層
4 断熱層Aの上層
5 中間層
6 受像層
7 断熱層Bの下層
8 断熱層Bの上層
9 非多孔質性の断熱層中層
10 連続気泡及び独立気泡を有する断熱層C
Claims (3)
- 基材上に断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該断熱層が塗布方式で形成され、かつ該断熱層が2層以上から構成される積層構造であり、前記積層構造の断熱層の少なくとも2層が、連続気泡を有する多孔性層であって、かつ複数の該多孔性層間に非多孔性層を有することを特徴とする熱転写受像シート。
- 前記多孔性層が、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記積層構造を有する2層以上の断熱層の全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
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