JP5057255B2 - 熱転写受像シートとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写インクシートと重ね合わせて用いられる新規の熱転写受像シート及びその製造方法に関する。
従来、カラーまたはモノクロの画像の形成技術として、加熱により拡散移行する性質を有する熱拡散性色素を含有するインクシートを、熱転写受像シートの受像層と対向させて、サーマルヘッドやレーザー等の加熱印字手段を用いて、該受像層に該熱拡散性色素を画像様に転写して画像を形成(いわゆる色素熱転写方式)する技術が知られている。このような熱転写方式は、デジタルデータを用いての画像形成を可能とし、現像液等の処理液を使わず、しかも銀塩写真に匹敵する高画質を形成できる方法として定評がある。
この様な色素熱転写方式の記録方法において良好な印画特性を得るためには、熱転写受像シートに断熱機能およびクッション機能をいかに持たせるかが重要であることが、従来より認識されていた。
この命題に対し、例えば、基材上に断熱、クッションの両機能を併せ持つ発泡性フィルムを貼合させ、その上に受像層を設ける方法が知られているが、この方法では、受像層塗布時の熱で発泡性フィルムが収縮し、最終製品としてカールが発生してしまう等の課題が生じていた。このような欠点に対し、断熱及びクッション機能を有する機能層を新たに考案する検討や、製造工程の熱履歴に起因するカールをなくすために、発泡性フィルム等々の貼合工程を持たない熱転写受像シート及び製造方法、例えば、塗布方式等の種々の検討がなされてきた。
例えば、中空粒子を含有する水性中間層とそれに隣接している離型剤を含有した水性受像層とをウェットオンウェット方式で塗布することにより、製造時の乾燥エネルギー効率、及び受像層と中間層との接着性、更にはインクドナーシートとのブロッキング耐性に優れた熱転写受像シートを供給する製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。
)。
しかしながら、本発明者らが特許文献1に記載の方法を追試した結果、以下のような課題が生じてしまうことが判明した。まず第一に、昨今の印画スピード高速化において、特許文献1で提案されている技術では感度が不十分である。これは、通常、熱転写インクシートから転写される染料が油溶性の傾向が強く、親水性のバインダーで形成された受像層には染着しにくいことが原因と推定している。このため、水系塗布方式で受像層を形成する場合、受像層表面の平滑性が非常に重要となり、高い塗設精度が必要と思われるが、特許文献1で提案されている技術では平滑性が悪く白抜け等の故障も生じやすい。中空粒子のような比較的低比重の構造体を塗布する場合、上記提案されているような方法のように中間層を塗布した後に、湿潤状態のまま受像層を塗布するとしても、受像層塗布前に中間層表面に中空粒子が浮き出しやすい状態になっており、表面の平滑性が乱れる傾向が強い。中間層と受像層が隣接している構成では、中間層の平滑性は直接受像層の平滑性に影響を及ぼし、結果として印画時の白抜け等の問題が生じると思われる。第二に、特許文献1での効果として謳っている中間層と受像層の層間接着性自身のロバストネスの問題がある。高速印画機では、短時間で染着並びにその後の速やかな離型が達成されなければならないが、これに対応できるレベルまで離型性を調整しようとすると、受像層の離型剤添加量を増やさざるを得ず、中間層と受像層の層間接着性に対し影響を与えるという欠点がある。第三に、画像保存の劣化の問題がある。高感度化の方向を踏まえ、使用される染料の低分子化も進み、印画後の高温あるいは高湿等の環境下での色素移動を抑制することが重要となってきているが、上記提案されている方法ではその役割を明確に意図した対策が記されておらず、印画後の高温あるいは高湿環境下での濃度低下や滲みが生じてしまうという欠点がある。第四に、ウェットオンウェット塗布方式では、乾燥エネルギーの効率化は確かに図れるものの、塗布回数自体は変わっておらず、生産性の観点でも中途半端と言わざるを得ないものである。
特開平6−171240号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高速印画プリンターで使用しても、層間接着性に優れ、感度を損なわずに白抜け故障のない均質な画像が得られかつ画像保存性にも優れた熱転写受像シート及びその製造方法を提供することであり、更には、製造工程時の熱履歴でカール特性が劣化することなく、生産効率性に優れた熱転写受像シートの製造方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートにおいて、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成されることを特徴とする熱転写受像シート。
(請求項2)
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、水系塗布方式で形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
(請求項3)
互いに隣接する2層の少なくとも1組が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
(請求項4)
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、同時重層塗布によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項5)
前記受像層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項6)
前記受像層が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項7)
前記受像層が2層以上から構成されて、前記基材から最も遠い位置にある該受像層が離型剤を含有し、かつそれ以外の受像層のいずれか1層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項8)
前記基材が、厚さ50〜250μmの樹脂コート紙であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
(請求項9)
基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートの製造方法において、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により形成することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
(請求項10)
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、水系塗布方式で形成することを特徴とする請求項9に記載の熱転写受像シートの製造方法。
(請求項11)
互いに隣接する2層の少なくとも1組を、同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項9または10に記載の熱転写受像シートの製造方法。
(請求項12)
前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
(請求項13)
塗布工程と乾燥工程との間に、塗布膜冷却セット工程を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
(請求項14)
乾燥工程が終了した後、エージング処理を施すことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
(請求項15)
少なくとも2層を同時重層塗布する際、最下層を形成する塗布液粘度をη、該最下層を除く構成層の塗布液粘度をηとした時、η>ηの条件を満たすことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
(請求項16)
少なくとも2層を同時重層塗布する際、下式(1)及び(2)で規定する条件を同時に満たすことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
式(1)
Ts(L)≧Ts(U)
式(2)
Td(L)≧Td(U)
式中、
Ts(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力 Ts(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力 Td(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力 Td(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力を表す。
本発明によれば、高速印画プリンターで使用しても、層間接着性に優れ、感度を損なわずに白抜け故障のない均質な画像が得られ、かつ画像保存性にも優れた熱転写受像シート及びその製造方法を提供することであり、更には、製造工程時の熱履歴でカール特性が劣化することなく、生産効率性に優れた熱転写受像シートの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートにおいて、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層を水系塗布方式により形成した熱転写受像シートにより、高速印画プリンターで使用しても、層間接着性に優れ、感度を損なわずに白抜け故障のない均質な画像が得られ、かつ画像保存性にも優れ、加えて製造工程時の熱履歴でカール特性が劣化することなく、生産効率性に優れた熱転写受像シートを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《熱転写受像シート》
はじめに、本発明の熱転写受像シートの詳細について説明する。
本発明の熱転写受像シートは、基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有し、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層を水系塗布方式により形成することを特徴とする。
〔基材〕
本発明の熱転写受像シートで用いる基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。
また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。
本発明においては、基材の厚みとしては、50〜250μmであることが好ましい。
より高い印画感度を有すると共に、濃度ムラや白抜けのない高画質を得るためには、基材中に微細空隙を有する層を存在させることが好ましい。微細空隙を有する層としては、内部に微細空隙を有するプラスチックフィルムや合成紙を用いることが出来る。微細空隙を有するプラスチックフィルム又は合成紙を使用する場合は、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを主体として、それに無機顔料及び/又はポリプロピレンと非相溶なポリマーをブレンドし、これらをボイド(空隙)形成開始剤として用い、これらの混合物を延伸、成膜したプラスチックフィルム又は合成紙が好ましい。これらがポリエステル等を主体としたものの場合には、その粘弾性的あるいは熱的性質から、クッション性、及び断熱性が、ポリプロピレンを主体としたものに比較して劣るため、印字感度に劣り、濃度ムラなども生じやすい。
これらの点を考慮すると、プラスチックフィルム及び合成紙の20℃における弾性率は5×10Pa〜1×1010Paが好ましい。また、これらのプラスチックフィルムや合成紙は、通常、2軸延伸により成膜されたものであるが故に、これらは加熱により収縮する。これらを110℃下で60秒放置した場合の収縮率は0.5〜2.5%である。
上述のプラスチックフィルムや合成紙は、それ自体が、微細空隙を含む層の単層であっても良いし、複数の層構成であっても良い。複数の層構成の場合には、その構成する全ての層に微細空隙を含有しても良いし、微細空隙が存在しない層が含有しても良い。このプラスチックフィルムや合成紙には、必要に応じて隠蔽剤として、白色顔料を混入させてもよい。又、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤を含有させても良い。微細空隙を有する層は、30〜80μmの厚みが好ましい。
また、必要に応じて、基材の受像層を設ける側とは反対側の面に、カール防止の目的として、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト等の樹脂や合成紙の層を設けることが出来る。貼り合わせ方法としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーション法等の公知の積層方法が使用できるが、好ましい方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネーション法である。ノンソルベントラミネーション法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケネート720L等が挙げられ、ドライラミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケラックA969/タケネートA−5(3/1)、昭和高分子(株)製の、ポリゾール PSA SE−1400、ビニロールPSA AV−6200シリーズ等が挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分で約1〜8g/m、好ましくは2〜6g/mの範囲である。
上述したような、プラスチックフィルムと合成紙、或いはそれら同士、或いは各種紙とプラスチックフィルムや合成紙、等を積層する場合、接着層により貼り合わせることが出来る。
上記基材と中間層もしくは染料受像層との接着強度を大きくする等の目的で、基材の表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
上記説明した各基材の中でも、本発明で好ましく用いられる基材は、紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した厚み50〜250μmの樹脂コート紙であり、さらに好ましいのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した厚み50〜250μmの樹脂コート紙である。
以下、本発明で特に好ましい支持体である紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂コート紙について説明する。
本発明に係る樹脂コート紙で用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜250μmが好ましい。
紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/cm(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
ポリオレフィン層中には、白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
着色顔料としては、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
紙の表裏のポリエチレンの使用量は、染料受像層側の全層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さは染料受像層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率は染料受像層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下の(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
(1)引っ張り強さ:JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196Nであることが好ましい
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cmが好ましい
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL、a、bが、L=80〜96、a=−3〜+5、b=−7〜+2であることが好ましい
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm/100である支持体が好ましい
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい
(8)染料受像層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいて、多孔質層及び下引き層など必要に応じて適宜設けられる各種の層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。
この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
〔断熱層〕
本発明に係る断熱機能を有する断熱層は、種々の方法によってその機能を付与させることができる。例えば、無機微粒子を添加する方法がある。
無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニア(二酸化チタン)、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
上記無機微粒子は、一次粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用いられることも、また、二次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で添加されても良いが、高い断熱性、クッション性を達成するという観点からは後者がより好ましい。
上記無機微粒子の形状は、本発明では特に制約を受けず、球状、棒状、針状、平板状、数珠状、中空状のいずれであっても良いし、これらの組み合わせでも構わない。
本発明に係る無機微粒子としては、上記で挙げた各無機微粒子の中でも、コストパフォーマンスの観点から、シリカ、アルミナまたはチタニア、あるいはこれらの組み合わせであることが好ましい。また、一次粒子の平均粒径としては、断熱機能の高い多孔質構造を形成し易いという観点から、3〜100nmであることが好ましい。
無機微粒子としては、特に、シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカは、気相法で合成された微粒子シリカであり、気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、バインダー中に添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。
また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子、中空粒子など任意の形状のものを使用することができる。
本発明では、無機微粒子が、後述のバインダーと混合する前の微粒子分散液が、一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
無機微粒子の一次粒子径は、上述の様に100nm以下であることが好ましいが、例えば、気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒子径(塗設前の分散液状態での粒子径)では、3〜20nmであることが好ましく、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる一次粒子の平均粒子径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジル、キャボット社製のキャボシル、(株)トクヤマ製のレオロシール等が市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、吸引分散することで、比較的容易に一次粒子近くまで分散することができる。
無機微粒子の添加量は、一般的に、受像シート1mあたり通常3〜30g、好ましくは5〜25gである。また、無機微粒子と先に記載のバインダーの比率としては、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に5:1〜12:1であることが好ましい。
また、この手段を用いての断熱層形成の際は、断熱層の空隙率は40%以上に調整することが好ましく、更には40〜95%の範囲に調整することが好ましい。空隙率が40%未満では断熱/クッションの機能が十分発現されず、また、95%を越えても断熱効果は高まらず、機械的強度の劣化が顕在してくる。ここでいう空隙率とは、断熱層の体積における空隙の総体積の比率であり、その層の構成物の総体積と層の厚みから計算することができる。空隙率は、選択する無機微粒子、バインダーの種類によって、またはその他の添加剤の量によって適宜調節することができる。
断熱機能を持たせる別の方法としては、中空粒子を含有する方法も好ましく用いられる。本発明で用いられる中空粒子の粒径は、0.1〜60μmであることが好ましい。中空粒子の粒径が0.1μm未満であると十分な断熱機能及びクッション機能が得られず、また、60μmを超えると含有層の平滑性に支障をきたし、画質が低下する。特に好ましくは0.3μm〜20μmの範囲である。また、中空粒子の体積中空率は、40%以上が好ましく、これ未満では十分な断熱、クッション効果は得られない。特に50%以上の中空率が好ましい。塗布液中での安定性を高める観点から、中空粒子の表面を無機顔料等で被覆して比重を高めることも好ましく行われる方法である。該無機顔料としては、前記無機微粒子で挙げたもの全てが用いられ、熱融着等の手段で中空粒子を被覆することが可能である。中空粒子としては、例えば、ブタン、ペンタン等の低沸点液体をポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、メタクリル酸メチル等の樹脂または共重合体でマイクロカプセル化したものである。本発明においては、あらかじめ発泡させた粒子を添加する方法と、未発泡状態の粒子を添加する方法があるが、後者の場合、熱転写受像シート作製時あるいは印画時の熱で発泡させると均一な発泡が困難で画質劣化するため、あらかじめ発泡した粒子を添加する方法が好ましい。中空粒子の含有量は、10〜90質量%であることが好ましい。10質量%未満では十分な断熱、クッション効果は得られず、90質量%を超してもこれらの機能向上には効果がない。特に20〜85質量%であることが好ましい。
断熱機能を持たせる更に別の方法としては、例えば、特開平11−301124号公報に開示されているような塗布液を機械的撹拌等の物理的手段によって発泡させる方法が用いられる。
上記のいずれの方法を用いても構わないが、断熱層の機能として最も重要なことは、良好な感度を得るための断熱性及び熱転写インクシートとの転写時の密着性を有することであり、その観点で熱転写受像シート全体の熱伝導率は0.35W/mK以下、クッション変形率は5〜60%にすることが肝要となる。ここでいう熱伝導率とは、厚み1mの板の 両端に1℃の温度差があるとき、その板の1mを通して、1秒間に流れる熱量をいい、また、ここでいうクッション変形率とは、23℃55%RH下で調湿された受像シートに、100g荷重を加えたときの厚みと全く加えないときとの厚みの差が、全く加えないときの厚みに対しどれだけ変化しているかを示す値である。
本発明に係る断熱層において使用されるバインダーは、後述の親水性バインダーであることが好ましい。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層と受像層の間に少なくとも1層の中間層を設けることが、特に画像保存性を高める観点で重要な構成となる。
本発明に係る中間層の機能としては、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、帯電防止等が挙げられるが、これらに限定されることなく、従来公知の中間層の構成手段を適用できる。
本発明に係る中間層に使用されるバインダーは、後述の親水性バインダーであることが好ましい。
本発明に係る中間層には、白色付与のために蛍光増白剤を用いることができる。用いることのできる蛍光増白剤はとして、例えば、スチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、スチリル−オキサゾール系、ピレン−オキサゾール系、クマリン系、アミノクマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系、ジスチリル−ビフェニル系等の従来公知の蛍光増白剤が挙げられる。なお、白色度は、これら蛍光増白剤の種類と添加量で調整することができる。
蛍光増白剤の添加方法としては、あらゆる方法を用いることができる。即ち、水に溶解させて添加する方法、ボールミル、コロイドミルによって粉砕分散して添加する方法、高沸点溶媒に溶解して親水性コロイド溶液と混合し、水中油滴型分散物として添加する方法、高分子ラテックス中に含浸させて添加する方法等がある。
更に、基材シートのギラつき感や、ムラを隠蔽するために、酸化チタンを添加してもよい。更に、酸化チタンを用いることで基材シートの選択の自由度が広がる点で好ましい。
酸化チタンには、ルチル型酸化チタンと、アナターゼ型酸化チタンの2種類があるが、白色度及び蛍光増白剤の効果を考慮すると、ルチル型よりも紫外部の吸収がより短波長側であるアナターゼ型酸化チタンが好ましい。酸化チタンが分散しにくい場合には、表面に親水性処理を施した酸化チタンを用いるか、もしくは、界面活性剤、エチレングリコール等の既知の分散剤により分散することができる。酸化チタンの添加量は、樹脂固形分100質量部に対して酸化チタン固形分として10〜400質量部が好ましい。
本発明に係る中間層においては、帯電防止機能を持たせるため、導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等、従来公知の導電材料を中間層バインダー樹脂に合わせて適宜選択して使用することができる。本発明に係る中間層の厚みとしては、0.1〜10μm程度の範囲で設定することが好ましい。
更には、上記断熱層が、無機微粒子を添加したり、塗布液を機械的に攪拌することにより、多孔質性の断熱層を形成する方法をとる場合、断熱層の空隙部分を隠蔽して耐湿性を高め、より高い印画感度を得る観点から、中間層に中空樹脂粒子等の微粒子を添加することができる。中空樹脂微粒子は単独で使用しても良いし、先述酸化チタンなどと併用して も良い。
〔受像層〕
本発明に係る受像層には、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物または離型剤が含まれていることが、画像保存性あるいはインク供与シートからの染料熱転写後の離型性の点で好ましい。
以下、本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物および離型剤について以下詳しく説明する。
〈バインダー樹脂〉
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層、中間層、受像層は水系塗布方式で形成することが特徴であり、該層に用いるバインダーは、親水性バインダーであることが好ましいが、水系溶媒に分散可能な疎水性ポリマーなども好ましく用いることができる。また、上記の層を除いた層に関しては、バインダーは、親水性であっても疎水性であってもこれらの混合であっても構わない。
疎水性バインダーとしては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられ、好ましくはビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂である。これらの樹脂を単独あるいは複数を併用することができる。
本発明に係る断熱層、中間層、受像層に用いる親水性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等が単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。本発明で好ましく用いられる親水性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
上記ゼラチンとしては、石灰処理あるいは酸処理等、各種の製造方法により得られる全てのものを用いることができるが、その中でも酸処理ゼラチンを用いることが、層間接着性がより向上する観点から好ましい。
上記ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を置換したシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
併用するポリビニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好ましく、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられ、ケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものが特に好ましい。
他の親水性バインダーまたは疎水性バインダー組み合わせて使用する場合、バインダー中に含まれる水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂の割合は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上が特に好ましい。
次に、本発明で用いることのできる上述のカチオン性ポリマーについて説明する。
本発明で用いることのできるカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有するポリマーである。
本発明に使用されるカチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。
また、本発明に係るカチオン性ポリマーとして、膨潤しにくいカチオン性ポリマーが好ましく、特に、アクリル酸類などを共重合したカチオン性ポリマーが好ましい。アクリル酸類としては、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類が挙げられ、更には、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメチルアクリレートが好ましい。
または、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
本発明に係るカチオン性ポリマーの重量平均分子量としては2000〜50万の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、3000〜10万の範囲である。
本発明に係るカチオン性ポリマーは、塗布液に添加してから塗布乾燥してもよいし、受像層を塗布、乾燥した後の皮膜に水溶液として含浸させて添加してもよい。
また、本発明に係るカチオン性ポリマーを塗布液にあらかじめ添加する場合、均一に塗布液に添加するのみならず、無機微粒子とともに複合粒子を形成する形で添加してもよい。無機微粒子とカチオン性ポリマーによって複合粒子を作製する方法としては、無機微粒子にカチオン性ポリマーを混合し吸着被覆させる方法、その被覆粒子を凝集させてより高次の複合粒子を得る方法、さらには混合して得られる粗大粒子を分散機によってより均一な複合粒子にする方法などが挙げられる。
本発明に係るカチオン性ポリマーは概ね水溶性基を有するために水溶性を示すが、例えば共重合成分の組成によって水に溶解しないことがある。製造の容易性から水溶性であることが好ましいが、水に難溶であっても水混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも可能である。
ここで水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
カチオン性ポリマーは熱転写受像シート1m当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
〈キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物〉
本発明の熱転写受像シートにおいては、受像層中に含有されるキレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも記す)は、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも無機塩であることが好ましい。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、i及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
メタルソースの具体例としては、Ni2+、Cu2+、Cr2+、Co2+及びZn2+との無機、酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、又は安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。
本発明においては、下記一般式(I)で表される錯体が受像層中に安定かつ添加でき、かつ実質的に無色であるので特に好ましく用いられる。
下記一般式(I)で表される錯体が、染料受像層中に安定かつ添加でき、かつ実質的に無色であるので、特に好ましく用いられる。
一般式(I)
〔M(Q(Q(QP+(L
上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q、Q、Qは各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。Lは有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。Xは1、2または3の整数を表し、Yは1、2または0を表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ、Q、Qの配位子の数によって決定される。Pは1または2を表す。この種のメタルソースの具体例は、米国特許4,987,049号明細書に例示されたもの、または特開平10−67181号公報に例示された化合物1〜51などを挙げることができる。
メタルソースの添加量は、通常、受像層バインダーに対して5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。また、本発明に用いられるメタルソース化合物の添加量は、通常、0.5〜20g/mが好ましく、1〜15g/mがより好ましい。
〈離型剤〉
本発明に係る受像層においては、印画時に熱転写インクシートのインク層との熱融着を防止するために、離型剤を含有することが1つの特徴であり、離型剤が、シリコーン系のエマルジョン型または水溶性型の離型剤であることが好ましい。
離型剤としては、燐酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)等を使用することができるが、この中でもシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンを始め各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を用い、これらをブレンドしたり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は、受像層形成用樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写インクシートと受像シートの受像層との融着もしくは印画感度低下などの問題が生じる場合がある。尚、これらの離型剤は受像層に添加せず、受像層上に別途離型層として設けても良い。
また、本発明においては、シリコーン系のエマルジョン型の離型剤を用いることが好ましく、シリコーン系のエマルジョン型の離型剤とは、シリコーンオイルを各種乳化剤で乳化したエマルジョン型のシリコーン離型剤のことをいう。好ましくはオイルエマルジョン(O/W型)のエマルジョン型のシリコーン離型剤で、具体的には、信越化学工業(株)製KM786、KM785、KM860A等が挙げられる。エマルジョン型シリコーン離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用される。またシリコーンオイル型等の他の離型剤と併用しても良い。
尚、これらの離型剤は受像層に添加せず、受像層上に別途離型層として設けても良い。
〈シリコーン系界面活性剤〉
本発明に係る受像層においては、受像層がシリコーン系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるシリコーン系界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第6章」で紹介されているものを好ましく用いることができる。具体的には、日本エマルジョン株式会社製EMALEX SS−5050K、EMALEX SS−5602等が挙げられる。
〈フッ素系界面活性剤〉
本発明に係る受像層においては、受像層がフッ素系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるフッ素系界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第5章」で紹介されているものを好ましく用いることができる。具体的には、株式会社ネオス社製フタージェントシリーズ、住友スリーエム株式会社製FC−4430等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートにおいては、受像層が2層以上から構成されて、前記基材から最も遠い位置にある該受像層が離型剤を含有し、かつそれ以外の受像層のいずれか1層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することが、画像保存性、離型性の機能最適構成として好ましい。
〈硬膜剤〉
本発明の熱転写受像シートにおいては、水系塗布方式によって形成された層のうちの少なくとも1層が、硬膜剤を含有することが好ましい。硬膜剤は、熱転写受像シート作製の塗液調製工程、塗布工程いずれの工程においても添加することができる。
本発明で用いることのできる硬膜剤としては、バインダーと硬膜反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩、エポキシ系硬膜剤が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、イソシアネート系化合物、硫酸ジルコニル、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬膜剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の有機溶媒溶液でも、水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることができ、塗布液を濃縮化する事ができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
上記硬膜剤の総使用量は、上記バインダー1g当たり1〜1000mgが好ましい。また、バインダーに対する供給量としては、上記バインダー1g当たり100〜1000mgが好ましい。
〈受像層塗布液pH〉
本発明に係る受像層を形成する受像層塗布液のpHは、8.0以下であることが、本発明の目的効果をよりいっそう発揮させる観点から好ましく、より好ましくは5.0〜8.0である。
〔塗布方法〕
本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層を、水系塗布方式により形成することを特徴とするが、必要に応じて適宜設けられるその他の構成層は、公知の塗布方法から適宜選択して形成することができる。
また、本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、基材の受像層を有する面側を構成する全ての層を、水系塗布方式で形成することが好ましい。
また、互いに隣接する2層の少なくとも1組を、同時重層塗布により形成することが好ましく、更には基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、同時重層塗布により形成することが好ましい。
上記で規定する塗布形態を採ることにより、均一性が高く、平滑性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明において用いることのできる塗布方式としては、特に制限はないが、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、少なくとも2層を同時重層塗布する際、最下層を形成する塗布液粘度をη、該最下層を除く構成層の塗布液粘度をηとした時、η>ηの関係を満足する条件で塗布を行うことが、均一、均質な塗膜形成の点で好ましい。
上記で規定する条件において、ηとηの粘度差としては、塗布液温度が40℃の時に、少なくとも2mPa・s以上であり、好ましくは5mPa・s以上である。塗布液粘度の絶対値としては、最下層では100mPa・s以下、その他の層では15mPa・s以上、500mPa・s以下であることが好ましい。塗布液温度としては、25℃〜90℃であることが好ましく、30℃〜80℃であることが更に好ましい。
本発明において、上記で規定する粘度条件を達成する方法としては、例えば、各塗布液の粘度を、従来公知の増粘剤、例えば、スチレンとマレイン酸ナトリウム塩コポリマーを主成分とする水溶性増粘剤、あるいは他性能に影響のない範囲での無機塩類の添加等により、容易に調整できる。
また、本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、少なくとも2層を同時重層塗布する際、下式(1)及び(2)で規定する関係を同時に満足する条件で塗布を行うことが、均一、均質な塗膜形成の点で好ましい。
式(1)
Ts(L)≧Ts(U)
式(2)
Td(L)≧Td(U)
式中、
Ts(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力 Ts(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力 Td(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力 Td(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力を表す。
Ts(L)の値はTs(U)の値と同じかそれより大きいことが好ましく、塗布液の温度が40℃のときに両者の差が2mN/m以上であることが更に好ましい。また、Td(L)の値はTd(U)の値と同じかそれより大きいことが好ましく、塗布液温度40℃のときに両者の差は10mN/m以上であることが更に好ましい。
本発明において、塗布液の表面張力は、各種界面活性剤、例えば、フッ素系界面活性剤等の添加により、調整することができる。
塗布液の表面張力は、一般に、新たな面が形成されてから平行に達するまでには一定の時間を要する。塗布においては、塗布液に基材上に塗布される際、例えば、比表面積が拡張される際には、塗布面において、塗布液中に含まれる界面活性剤の配向速度、界面活性剤の種類の違いによる表面配向強度や溶剤の蒸発等により時間経過により表面張力は変化しており、この様な非平衡状態を動的表面張力と定義している。
本発明でいう動的表面張力の測定方法としては、公知の方法により測定することができ、例えば、メニスカス法、滴下法、γ/A曲線法、振動ジェット法、最大泡圧法、カーテンコーター法(ジャーナル・オブ・フルーイッド・メカニズム J.Fluid Mech.(1981),vol.112.p443〜458)等があり、それらの方法を適宜選択して求めることができるが、例えば、重力を利用して塗布液の流下膜を作り、その膜の表裏2つの自由界面が接しないように膜内に静かに棒などを挿入したときに形成されるSinous modeとVaricose modeの定常波のうち、前者の特定の点における接線の鉛直方向に対する確度αを実測することにより算出できる。
また、静的表面張力の測定方法については、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、垂直板法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、塗布工程終了後、乾燥開始前に、塗膜を冷却セットさせる塗布膜冷却セット工程(以下、冷却セット工程、あるいはセット工程ともいう)を経ることが均一、均質な塗膜形成の点で好ましい。ここで冷却セット工程とは、例えば、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間及び各層内の物質流動性を鈍化させるゲル化促進の工程をいう。冷風を用いる場合の温度条件としては、25℃以下が好ましく、10℃以下であることが更に好ましい。また、塗布膜が冷風に晒される時間は、塗布搬送速度にも依るが、10秒以上120秒以下であることが好ましい。塗布液のセット性を高める手段としては、塗布液でのバインダー質量比率を高める以外に、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ジェランガム等の各種ゲル化剤を添加する方法が好ましく用いられる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、層間接着性をより高める観点で、塗布/セット/乾燥工程終了後に、一定時間をかけて加熱するエージング工程を経ることが好ましい。ここでいうエージング工程とは、例えば、架橋反応等の塗膜内化学反応の均一化を図るため、乾燥後の熱転写受像シートを、一定温度/一定湿度条件下で一定時間処理することを指す。ここで、乾燥終了後からエージング開始までの期間としては、2週間内であることが好ましく、1週間以内であることがより好ましい。また、エージング処理条件としては、温度30℃〜80℃、相対湿度20%〜80%、時間は温度/湿度に依存するが1h〜240hの範囲で行うことが好ましい。
次いで、画像形成の際に、本発明の熱転写受像シートと共に用いられる熱転写インクシートについて説明する。
《熱転写インクシート》
(基材シート)
本発明において、熱転写インクシートに使用される基材シートとしては、従来より熱転写インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
また、基材シートの表面に形成するインク層との密着が乏しい場合には、その表面にプライマー処理や、コロナ処理を施すことが好ましい。
(インク層、色素)
本発明において、熱転写インクシートを構成するインク層は、少なくとも色素とバインダー樹脂を含有する熱昇華性色材層である。本発明に係るインク層に使用される色素は、1種のみでも2種以上を併用しても良い。
以下に、本発明で用いることのできる色素について説明する。
本発明の熱転写インクシートで用いる色素含有領域は、色相において異なる2以上の色素含有領域とすることができ、例えば、色素含有領域がイエロー色素を含有する領域、マゼンタ色素を含有する領域、及びシアン色素を含有する領域からなり、これらの色素含有領域の次に色素不含有領域が形成された態様、色素含有領域が黒色色素を含有するインク層からなり、該領域の次に色素不含有領域が形成された態様、及び色素含有領域がイエロー色素を含有する領域、マゼンタ色素を含有する領域、シアン色素を含有する領域及び黒色色素を含有する領域からなり、これらの色素含有領域の次に色素不含有領域が形成された態様等が挙げられる。
熱昇華性色剤層に用いられる色素は、従来公知の感熱昇華転写方式の熱転写インクシートに使用される、アゾ系、アゾメチン系、メチン系、アントラキノン系、キノフタロン系、ナフトキノン系等のあらゆる色素を挙げることができ、特に制限はされない。具体的には、黄色色素として、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、赤色色素としてMSレッドG、マクロレックスレッドバイオレットR、セレスレッド7B、サマロンレッドHBSL、SKルビンSEGL等が挙げられ、さらに、青色色素として、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100、ダイトーブルーNo.1等が挙げられる。
また、キレート形成可能な熱拡散性色素としては、熱転写が可能であれば特に制限はなく、公知の各種の化合物を適宜に選定して使用することができ、例えば、特開昭59−78893号公報、同59−109349号公報、特開平4−94974号公報、同4−97894号公報、特許第2856225号明細書に記載されているシアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素などを使用することができる。
例えば、キレートシアン色素としては、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005057255
上記一般式(1)において、R11及びR12は各々置換または無置換の脂肪族基を表し、R11及びR12は同じでも異なっていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基などを挙げることができ、これらのアルキル基を置換しうる基としては、直鎖あるいは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、及び1−ヘキシルノニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、及びアダマンチル基等)、及びアルケニル基(例えば、2−プロピレン基、オレイル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、オルト−トリル基、オルト−アニシル基、1−ナフチル基、9−アントラニル基等)、複素環基(例えば、2−テトラヒドロフリル基、2−チオフェニル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボニル基(例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、及び2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フェニルピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素環オキシカルボニル基等)、カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、1ナフチルカルバモイル基等のアリールカルバモイル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、2−エトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ基等)、複素環オキシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基、2−ヘキサヒドロピラニルオキシ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等のアリールオキシ基等)、ウレタン基(例えば、N,N−ジメチルウレタン基等のアルキルウレタン基、N−フェニルウレタン基、N−(pシアノフェニル)ウレタン基等のアリールウレタン基等)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、n−ドデカンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、pトルエンスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基等)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等のアルキルアミノ基、アニリノ基、p−t−オクチルアニリノ基等のアリールアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホニルアミノ基、n−ヘキサデシルスルホニルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基等のアルキルスルファモイルアミノ基、N−フェニルスルファモイルアミノ基等のアリールスルファモイルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、N,N−ジメチルアミノウレイド基等のアルキルウレイド基、N−フェニルウレイド基、N−(p−シアノフェニル)ウレイド基等のアリールウレイド基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等)、スルファモイル基(例えば、ジメチルスルファモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニル基等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等のアリールスルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、t−オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−チオ基、5−メチル1,3,4−オキサジアゾール−2−チオ基等)等が挙げられる。
シクロアルキル基、アルケニル基の例としては、上記置換基と同様である。また、アルキニル基の例としては、1−プロピン、2−ブチン、1−ヘキシン等が挙げられる。
11、R12として、非芳香族性の環状構造(例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環等)を形成する基も好ましい。
13は上記置換基の中でもアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基が好ましい。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、複数のR13は同じでも異なっていてもよい。
14はアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、及び1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。R14は好ましくは2級または3級アルキル基であり、好ましい2級または3級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R14として最も好ましい置換基はイソプロピル基、tert−ブチル基である。R14のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており。その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
15はアルキル基であり、その例としては、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。R15は好ましくは2級または3級アルキル基であり、好ましい2級または3級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R15として最も好ましい置換基はイソプロピル基、tert−ブチル基である。R15のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており。その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
16はアルキル基を表し、その例としてはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R16として特に好ましい置換基は、炭素数3以上の直鎖のアルキル基であり、その例としてはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基であり、最も好ましくはn−プロピル基、n−ブチル基である。なお、R16のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており、その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
また、キレートイエロー色素としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005057255
上記一般式(2)において、R及びRで表される各々の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜12のアルキル基で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはカルボニル基で連結する置換基が置換するか、またはアリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基もしくはハロゲン原子が置換していてもよい。例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシメチル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホンアミドエチル、シクロヘキシル等の各基)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、3−ニトロフェニル、3−アシルアミノフェニル、2−メトキシフェニル等の各基)、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホニル基、アシル基等が挙げられる。
で表されるアルキル基及びアリール基としては、R及びRで表されるアルキル基、アリール基と同じものを挙げることができる。
で表される2個の炭素原子と共に構成される5〜6員の芳香族環としては、具体的には、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾールなどの環を挙げることができ、これらの環は更に他の芳香族環と縮合環を形成してもよい。これらの環上には置換基を有していてもよく、該置換基としてはR及びRで表される置換基と同じものを挙げることができる。
また、キレートマゼンタ色素としては、下記一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005057255
上記一般式(3)において、Xは少なくとも2座のキレート形成可能な基または原子の集まりを表し、Yは5員もしくは6員の芳香族炭化水素環または複素環を形成する原子の集まりを表し、R、Rは各々水素原子、ハロゲン原子または1価の置換基を表す。nは0、1、2を表す。
Xとして特に好ましくは、下記一般式(4)で表される基である。
Figure 0005057255
上記一般式(4)において、Zは少くとも一つのキレート化可能な窒素原子を含む基で置換された芳香族性含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表す。該環の具体例としてはピリジン、ピリミジン、チアゾール、イミダゾール等の各環が挙げられる。これらの環は、更に他の炭素環(ベンゼン環等)や複素環(ピリジン環等)と縮合環を形成しても良い。
上記一般式(3)において、Yは5員もしくは6員の芳香族炭化水素環または複素環を形成する原子の集まりを表し、該環上には更に置換基を有していても良く、縮合環を有していても良い。該環の具体例としては、3H−ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、3H−ピロリジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、3H−インドール環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、ピリジン環等が挙げられる。これらの環は更に他の炭素環(例えば、ベンゼン環)や複素環(例えば、ピリジン環)と縮合環を形成してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等であり、それらの基は更に置換されていても良い。
、Rは各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)または1価の置換基を表すが、1価の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アシル基、アシルアミノ基等が挙げられる。
Xは少なくとも2座のキレート形成可能な基または原子の集まりを表し、一般式(3)として色素を形成できるものなら何でもよく、例えば、5−ピラゾロン、イミダゾール、ピラゾロピロール、ピラゾロピラゾール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、またはピラゾロピリドンが好ましい。
(バインダー樹脂)
本発明に係るインク層は、上記色素と共にバインダー樹脂を含有する。
インク層に使用するバインダー樹脂としては、従来公知の感熱昇華転写方式の熱転写インクシートに使用されるバインダー樹脂を使用することができ、例えば、セルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系等の水溶性ポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、ニトロセルロース等の有機溶媒に可溶のポリマーを挙げることができる。これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールあるいはセルロース系樹脂が好ましい。
インク層における色素及びバインダー樹脂の含有量は、特に限定されるものではなく、性能上の観点から適宜設定されることが好ましい。
本発明に係るインク層には、上記説明した色素とバインダー樹脂の他に、必要に応じて公知の種々の添加剤を含有することができる。インク層は、例えば、適当な溶剤中に上記の色素、バインダー樹脂、その他の添加剤を溶解または分散させて調製したインク塗布液を、グラビアコート法等の公知の手段により基材シート上に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。本発明に係るインク層の厚みは、0.1〜3.0μm程度、好ましくは0.3〜1.5μm程度とすることができる。
(保護層)
本発明に係る熱転写インクシートにおいては、熱転写性の保護層を備えていることが好ましい。該熱転写性の保護層は、受像シート上に熱転写して形成された画像の表面を覆う保護層となる透明な樹脂層からなる。
保護層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、これらの各樹脂のエポキシ変性樹脂、これらの樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。好ましい樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ変性樹脂、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ジオール成分および酸成分が一種類以上の脂環族化合物を有する脂環族ポリエステル樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく、特開平11−151867号に記載された芳香族ポリカーボネート樹脂が特に好ましい。
本発明に使用されるエポキシ変性樹脂としては、エポキシ変性ウレタン、エポキシ変性ポリエチレン、エポキシ変性ポリエチレンテレフタレート、エポキシ変性ポリフェニルサルファイト、エポキシ変性セルロース、エポキシ変性ポリプロピレン、エポキシ変性ポリ塩化ビニル、エポキシ変性ポリカーボネート、エポキシ変性アクリル、エポキシ変性ポリスチレン、エポキシ変性ポリメチルメタクリレート、エポキシ変性シリコーン、エポキシ変性ポリスチレンとエポキシ変性ポリメチルメタクリレートの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性ポリスチレンの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性シ リコーンの共重合体が挙げられ、好ましくはエポキシ変性アクリル、エポキシ変性ポリスチレン、エポキシ変性ポリメチルメタクリレート、エポキシ変性シリコーンであり、更に好ましくはエポキシ変性ポリスチレンとエポキシ変性ポリメチルメタクリレートの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性ポリスチレンの共重合体、エポキシ変性アクリルとエポキシ変性シリコーンの共重合体である。
〈電離放射線硬化性樹脂〉
熱転写性保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱転写性保護層に含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
〈紫外線遮断性樹脂〉
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
上記のごとき単層構造の熱転写性保護層または多層構造の熱転写性保護層中に設けられた主保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さに形成する。
本発明の熱転写性の保護層は、基材シート上に非転写性の離型層を介して設けることが好ましい。
非転写性離型層は、基材シートと非転写性離型層との間の接着力を、非転写性離型層と熱転写性保護層との間に接着力よりも常に充分高くし、且つ、熱を印加する前の非転写性離型層と熱転写性保護層との間の接着力が、熱印加後のそれに対し高くなるようにする目的で、(1)樹脂バインダーと共に、平均粒子径が40nm以下の無機微粒子を30〜80質量%含有しているか、(2)アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物を合計20質量%以上の割合で含有しているか、或いは(3)アイオノマーを20質量%以上の割合で含有している、ことが好ましい。非転写性離型層には、必要に応じて他の添加物が含有されていてもよい。
無機微粒子としては、例えば、無水シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子や、酸化錫、酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物を使用することが出来る。無機微粒子の粒子径は、40nm以下とすることが好ましい。40nmを越えると、離型層表面の凹凸に起因して熱転写性保護層の表面の凹凸も大きくなり、その結果保護層の透明性が低下してしまい好ましくない。
無機微粒子と混合する樹脂バインダーは特に制限されず、混合可能なあらゆる樹脂を用いることが出来る。例えば、各種ケン化度のポリビニルアルコール樹脂(PVA);ポリビニルアセタール樹脂;ポリビニルブチラール樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;酢酸セルロース、アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。
無機微粒子と樹脂バインダーを主体とする他の配合成分との配合比(無機微粒子/他の配合成分)は、質量比で30/70以上、80/20以下の範囲とすることが好ましい。
配合比が30/70未満になると、無機微粒子の効果が不十分となり、一方80/20を越えると離型層が完全な膜とならず、基材シートと保護層が直接触れる部分が生じてしまう。
アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導体としては、例えば、アルキルビニルエーテル部分のアルキル基がメチル基或いはエチル基であるもの、無水マレイン酸部分が部分的にまたは完全にアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等)とのハーフエステルとなったものを用いることができる。
離型層は、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物だけで形成しても良いが、離型層と保護層の間の剥離力を調整する目的で、他の樹脂または微粒子をさらに加えても良い。その場合、離型層には、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物が20質量%以上含有されているのが望ましい。含有量が20質量%未満になると、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導体の効果が十分に得られなくなる。
アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導体に配合される樹脂または微粒子としては、混合可能で、被膜形成時に高い膜透明性が得られるもので有れば特に限定されず、あらゆる材料を用いることが出来る。例えば、前述の無機微粒子及び無機微粒子と混合可能な樹脂バインダーは好ましく用いられる。
アイオノマーとしては、例えば、サーリンA(デュポン社製)や、ケミパールSシリーズ(三井石油化学社製)等を使用することができる。また、アイオノマーには、例えば、前述の無機微粒子、無機微粒子と混合可能な樹脂バインダー、或いはその他の樹脂や微粒子をさらに加えることが出来る。
非転写性離型層を形成するには、上記(1)〜(3)のいずれかの成分を所定の配合割合で含有する塗布液を調製し、かかる塗布液を、グラビアコート法、グラビアリバースコート法のような公知の技術で基材シート上に塗布し、塗布層を乾燥させる。非転写性離型層の厚みは、通常、乾燥後の厚みで0.1〜2μm程度とする。
非転写性離型層を介して、あるいは介さずに基材シート上に積層される熱転写性保護層は、多層構造をとっていてもよいし、単層構造をとっていてもよい。多層構造をとる場合には、画像に各種の耐久性を付与するための主体となる主保護層の他、熱転写性保護層と印画物の受像面との接着性を高めるために、熱転写性保護層の最表面に配置される接着層や、補助的な保護層や、保護層本来の機能以外の機能を付加するための層(例えば偽造防止層、ホログラム層等)が設けられてもよい。主保護層とその他の層の順序は任意であるが、通常は、転写後に主保護層が受像面の最表面となるように、接着層と主保護層との間に他の層を配置する。
熱転写性保護層の最表面には接着層が形成されていても良い。接着層は、例えばアクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂のような加熱時接着性の良好な樹脂で形成することができる。また、上記樹脂に加え、上述した電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂などを必要に応じて混合してもよい。接着層の厚さは、通常0.1〜5μmとする。
非転写性離型層上あるいは基材シート上に熱転写性保護層を形成するには、例えば、保護層形成用樹脂を含有する保護層用塗布液、熱接着性樹脂を含有する接着層用塗布液、その他必要に応じて付加される層を形成するための塗布液をあらかじめ調製し、それらを所定の順序で非転写性離型層上あるいは基材シート上に塗布し、乾燥させる。各塗布液は従来公知の方法で塗布すればよい。また、各層の間には適切なプライマー層を設けても良い。
〈紫外線吸収剤〉
熱転写性保護層の少なくとも1層に、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましいが、透明樹脂層に含有させた場合、保護層転写後は透明樹脂層が印画物の最表面に存在するため、長期間の間に環境などの影響を受け経時的にその効果が低下することから、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤があげられ、例えば具体的にはTinuvin P、Tinuvin 234、Tinuvin 320、Tinuvin 326、Tinuvin 327、Tinuvin 328、Tinuvin 312、Tinuvin 315(以上、チバガイギー社製)、Sumisorb−110、Sumisorb130、Sumisorb−140、Sumisorb−200、Sumisorb−250、Sumisorb−300、Sumisorb−320、Sumisorb−340、Sumisorb−350、Sumisorb−400(以上、住友化学工業(株)製)、Mark LA−32、Mark LA−36、Mark 1413(以上、アデカアーガス化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、いずれも本発明で使用することが出来る。
また、反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとがランダム共重合したTg60℃以上、好ましくは80℃以上のランダム共重合体を用いることも出来る。
上記の反応性紫外線吸収剤は、従来公知のサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、或いは、アルコール系水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したものを使用することができる。具体的には、UVA635L、UVA633L(以上、BASFジャパン(株)製)、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、何れも本発明で使用することが出来る。
以上のような反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体における反応性紫外線吸収剤の量は10〜90質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲である。また、このようなランダム共重合体の分子量は5000〜250000程度、好ましくは9000〜30000程度とすることが出来る。上述した紫外線吸収剤、及び、反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体は、各々単独で含有させても良いし、両方を含有させても良い。反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体の添加量は、含有させる層に対し5〜50質量%の範囲で含有させることが好ましい。
もちろん紫外線吸収剤以外にも他の耐光化剤を含有させても良い。ここで耐光化剤とは、光エネルギー、熱エネルギー、酸化作用など、色素を変質あるいは分解する作用を吸収または遮断して色素の変質や分解を防止する薬剤であり、具体的には上述した紫外線防止剤の他、従来合成樹脂の添加剤などとして知られている光安定剤等が挙げられる。その場 合も、熱転写性保護層の少なくとも1層、即ち前記剥離層、透明樹脂層、感熱接着層のうち少なくとも1層に含有させてよいが、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
上記の紫外線吸収剤を含む、耐光化剤の使用量は特に限定されないが、好ましくは含有させる層を形成する樹脂100質量部当たり0.05〜10質量部、好ましくは3〜10質量部の割合で使用する。使用量が少なすぎると耐光化剤としての効果が得難く、一方多すぎては不経済である。
また、上記の耐光化剤の他にも、例えば、蛍光増白剤、充填剤等の各種の添加剤も同時に接着剤層に適当な量で添加することができる。
保護層転写シートの透明樹脂層は、基材シート上に単独で設けても良いし、熱転写インクシートのインク層と面順次に設けても良い。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写インクシートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
耐熱滑性層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シートとの熱融着を防止し、走行を滑らかに行うとともに、サーマルヘッドの付着物を除去する目的で設けられる。
この耐熱滑性層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物が用いられる。耐熱滑性層の耐熱性をより高めるために、上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
更に、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、耐熱滑性層に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤または滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属石鹸、有機カルボン酸及びその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。耐熱滑性層に含有される滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。このような耐熱滑性層の厚みは0.1〜10μm程度、好ましくは0.3〜5μm程度とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《熱転写受像シートの作製》
〔熱転写受像シート1の作製:比較例〕
発泡フィルム(東洋紡績社製、パイレンフィルムP4256 厚み60μm)の一方の面に、下記の組成からなる中間層用塗布液1と受像層用塗布液1とを、それぞれ、固形分量として0.2g/m、5.0g/m(乾燥後)になるように、グラビア印刷機により塗布した。
(中間層用塗布液1)
ウレタン樹脂(DPウレタン:昭和インク工業所社製) 60質量部
硬化剤(コロネート2030:日本ポリウレタン工業社製) 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 20質量部
(受像層用塗布液1)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(デンカビニル#1000A:電気化学工業社製)
60質量部
ポリエステル(バイロン600:東洋紡績社製) 40質量部
アミノ変性シリコーン(X−22−3050C:信越化学工業社製) 2質量部
エポキシ変性シリコーン(X−22−3000E:信越化学工業社製) 2質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 50質量部
次に、コート紙(新王子製紙製、ニュートップ 157g/m)の一方の面に、下記組成からなる裏面層用塗布液1を、乾燥後の固形分量が5.0g/mになるように、グラビア印刷機により塗布して、裏面層を形成した。
(裏面層用塗布液1)
アクリル樹脂(BR−85:三菱レイヨン社製) 10質量部
テフロン(登録商標)フィラー(ルブロンL−5:ダイキン工業社製)0.1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 89.5質量部
次に、上記コート紙の他方の面に、下記組成の接着剤層塗布液1を固形分量として5.0g/m(乾燥後)になるように、グラビア印刷機により塗布、乾燥して接着層を形成した。
(接着剤層用塗布液1)
ポリエステル系粘着剤(SKダイン5273:綜研化学社製) 80質量部
メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル=1/1/1 20質量部
ポリエチレンフィラー(平均粒径5μm) 80質量部
上記のコート紙の接着剤塗布面と、発泡フィルムの受像層を形成していない側を合わせて重ね、ドライラミネーションにて貼着させた。ラミネーションの条件は、加熱温度が60℃、加圧時間は20secであった。このようにして熱転写受像シート1を作製した。
〔熱転写受像シート2の作製:比較例〕
ポリオレフィンラミネート紙(表1にはRC紙と記載)上に、下記の組成からなる水性の断熱層塗布液1をワイヤーバーで塗布、乾燥し、次いでワイヤーバーで下記の組成からなる水性の受像層塗布液2を塗布、乾燥して熱転写受像シート2を作製した。なお断熱層は乾燥固形分で25g/m、受像層は4.0g/mになるように各塗布量を調節して塗布した。
(断熱層塗布液1)
中空粒子ミクロスフィアMB927(ホーネン社製 平均粒径7μm) 50質量部
ウレタンエマルジョン 45質量部
メチルセルロース 5質量部
(受像層塗布液2)
ポリエステル樹脂エマルジョン(バイロナールMD−1200:東洋紡績社製)
65質量部
シリカ微粒子(アエロジル200:日本アエロジル社製) 25質量部
長鎖アルキル基型離型性樹脂PR−18W(日本触媒社製) 5質量部
会合性増粘剤(BORCHIGEL−L75:ヘキストジャパン社製) 5質量部
〔熱転写受像シート3の作製:比較例〕
下記の発泡粒子を含む断熱層用塗布液2を、ワイヤーバーを用いて厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(表1にPETと略記、商品名:ルミラーS10;東レ社製)上に塗布し、ドライヤーで乾燥後、厚さ10μmの断熱層を形成した。
(断熱層塗布液2)
発泡粒子(マツモトマイクロスフェアーF−80GSE、粒子径約20〜30μm、松本油脂社製) 10質量部
クラレポバールPVA203(ポリビニルアルコール、重合度300、クラレ社製)
10質量部
水 80質量部
次いで、上記形成した断熱層上に、下記の組成からなる受像層塗布液3を、ワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥温度80℃で1分間乾燥して受像層を形成した後、下記組成からなる離型層塗布液1をワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥温度80℃で1分問乾燥して離型層を形成した後、60℃、12時間エ一ジングをして熱転写受像シート3を作製した。
(受像層塗布液3)
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製:KS−1) 4.7質量部
トルエン 21.4質量部
メチルエチルケトン 64.3質量部
(離型層塗布液1)
シリコン樹脂(東レシリコーン社製:SR2411) 16.65質量部
アクリルシリコンブロック共重合体(ナトコ社製:LDL500) 0.37質量部
2−プロパノール 85.5質量部
〔熱転写受像シート4の作製:比較例
基材シートとして、厚さ170g/mの原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(表1にはRC紙と記載、多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/mのゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/mとして有する)を用い、その一方の面に、下記の構成からなる断熱層塗布液3をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が3.5g/mの断熱層を形成した。次いで、下記の組成からなる中間層塗布液2をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/mの中間層を形成した。次いで、下記受像層塗布液4をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が4.0g/mの受像層を形成して、熱転写受像シート4を作製した。
(断熱層塗布液3)
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
30質量部
気相法シリカ(AEROSIL200、日本アエロジル社製、一次粒子径12nm)
20質量部
純水 20質量部
この断熱層塗布液3の粘度は、40℃で40mPa・sであった。
(中間層塗布液2)
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の8%水溶液
15質量部
酸処理ゼラチン 15質量部
6%硝酸水溶液 6質量部
アナターゼ型酸化チタン 10質量部
純水 54質量部
この中間層塗布液2の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
(受像層塗布液4)
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製 FC−4430) 1.2質量部
純水 31.2質量部
この受像層塗布液4の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
〔熱転写受像シート5の作製:比較例
上記熱転写受像シート4の作製において、断熱層塗布液3に代えて、下記の組成からなる断熱層塗布液4を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート5を作製した。
(断熱層塗布液4)
中空粒子(日本ゼオン社製:Nipol MH5055、平均粒径0.5μm、中空率55%) 31.2質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の8%水溶液
31.2質量部
酸処理ゼラチン 6.4質量部
純水 31.2質量部
この断熱層塗布液4の粘度は、40℃で40mPa・sであった。
〔熱転写受像シート6の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート4の作製において、断熱層塗布液3、中間層塗布液3及び受像層塗布液4を、スライドホッパー方式の多層塗布装置を用いて、3層同時重層塗布を行った後、直ちに温風による乾燥を行った以外は同様にして、熱転写受像シート6を作製した。
〔熱転写受像シート7の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート6の作製において、3層同時重層塗布を行った後、5℃の冷風で1分間のセット工程で処理し、次いで温風による乾燥を行った以外は同様にして、熱転写受像シート7を作製した。
〔熱転写受像シート8の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート7の作製において、乾燥1日後に45℃で24時間のエージング処理を行った以外は同様にして、熱転写受像シート8を作製した。
〔熱転写受像シート9の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート8の作製において、受像層塗布液4にメタルソースとしてNiClを3.5質量部添加した受像層塗布液5を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート9を作製した。
〔熱転写受像シート10の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート9の作製において、受像層塗布液4を下記組成からなる受像層塗 布液6に変更し、更に受像層上に下記の組成からなる剥離層塗布液2を用いて固形分量が0.5g/mとなるようにして離型層を設け、離型層塗布液2を含めた4層を同時塗布した以外は同様にして、熱転写受像シート10を作製した。
(受像層塗布液6)
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
NiCl 3.5質量部
純水 40.8質量部
この受像層塗布液6の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
(離型層塗布液2)
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製 FC−4430) 1.2質量部
純水 40.8質量部
この離型層塗布液2の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
〔熱転写受像シート11の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート10の作製において、基材シートをポリエチレンコート紙に代えて、特開2003−72229号公報の実施例1に記載の下引層を設けた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(表1には、PETと略記)に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
〔熱転写受像シート12の作製:参考例
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層塗布液3に代えて、熱転写受像シート5の作製に用いた断熱層塗布液4を使用した以外は同様にして、熱転写受像シート12を作製した。
〔熱転写受像シート13の作製:参考例
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層塗布液3と中間層塗布液2とを用いて、スライドホッパー方式の多層塗布装置を用いて、2層同時重層塗布を行った後、セット工程において5℃の冷風で1分間処理し、次いで温風による乾燥を行った。次いで、受像層塗布液6と離型層塗布液2とを用いて、スライドホッパー方式の多層塗布装置を用いて、2層同時重層塗布を行った後、セット工程において5℃の冷風で1分間処理し、次いで温風による乾燥を行った。次いで、乾燥1日後に45℃で24時間のエージング処理を行って熱転写受像シート13を作製した。
〔熱転写受像シート14の作製:本発明〕
上記熱転写受像シート10の作製において、断熱層塗布液3の純水量を減量し、40℃における粘度を40mPa・sから70mPa・sに変更した断熱層塗布液5を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
〔熱転写受像シート15の作製:参考例
上記熱転写受像シート13の作製において、断熱層塗布液3と受像層塗布液6に下記の記載の条件で界面活性剤を添加した断熱層塗布液6と受像層塗布液7を用い、更に、離型層塗布液2に代えて下記の組成からなる離型層塗布液3を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート15を作製した。
(界面活性剤の添加)
断熱層塗布液5には、断熱層塗布液3にフッ素系界面活性剤を0.3質量部添加した。
また、受像層塗布液7は、受像層塗布液6にフッ素系界面活性剤を0.85質量部添加した。
(離型層塗布液3)
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
酸処理ゼラチン 8質量部
シリコーンエマルジョン(信越化学工業社製 X−52−175) 1.2質量部
純水 40.8質量部
この離型層塗布液3の粘度は、40℃で60mPa・sであった。
(各塗布液間の表面張力バランス)
上記の各塗布液間の静的表面張力差及び動的表面張力差を、市販の測定機を用いて測定した結果、以下の通りであった。
〈静的表面張力バランス〉
中間層塗布液2−断熱層塗布液6=3mN/m
受像層塗布液7−離型層塗布液3=2mN/m
〈動的表面張力バランス〉
中間層塗布液2−断熱層塗布液6=9mN/m
受像層塗布液7−離型層塗布液3=6mN/m
〔熱転写受像シート16の作製:本発明〕
上記作製した熱転写受像シート9上に、下記の組成からなる離型層塗布液4を固形分量が0.5g/mとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布、乾燥して熱転写受像シート16を作製した。
(離型層塗布液4)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル酢酸/酢酸ビニル=95/5)
10質量部
エポキシ変成シリコーン(信越化学工業社製 X−22−8300T) 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40質量部
以上のようにして作製した熱転写受像シート1〜熱転写受像シート16の代表的な構成及び製造方法の特徴を、まとめて表1に示す。
《画像形成》
抵抗体形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)ラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、上記作製した各熱転写受像シートの受像層部と、下記の熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、順次印加エネルギーを増加させ、イエロー、マゼンタ、シアン、ニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)の各ステップパターンパッチを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に各色素を転写させて、画像1〜16を形成した。
熱転写シートA:オリンパス社製 CAMEDIA P−400用の熱転写インクシートで、熱転写受像シート1〜8との組み合わせで用いた
熱転写シートB:コニカミノルタフォトイメージング社製 Pe602用の熱転写インクシートで、熱転写受像シート9〜16との組み合わせで用いた
《形成画像の評価》
上記の様にして印画した画像について、下記の方法に従って各評価を行った。
(カール特性の評価)
上記作製した各熱転写受像シートを20cm×20cmの正方形に切り出し、23℃、50%RHの環境下で、平板上に受像層が上部となるようにして静置し、5時間放置した後に、4隅の平板からの高さの最大値を計測し、これをカール特性の尺度とした。
(感度の評価)
上記の画像形成方法において、各熱転写転写シートを用いて、印加エネルギーを変化させながら画像形成を行い、反射濃度1.0を得るに要する印加エネルギーE(mJ/mm)を測定し、下記の基準に従って感度の評価を行った。
◎:E≦4.8mJ/mm
○:4.8mJ/mm<E≦5.2mJ/mm
△:5.2mJ/mm<E≦5.6mJ/mm
×:E>5.6mJ/mm
(白抜け故障耐性の評価)
上記印画した各ステップパターンパッチ画像における白抜け部(ベタ画像中の白点故障)の発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って白抜け故障耐性を評価した。
◎:画像中に、白抜け故障の発生が全く認められない
○:画像中に、ほぼ白抜け故障の発生が認められない
△:画像中に、微小サイズの白抜け故障が散発しているが、実用上許容の範囲にある
×:画像中に、強い白抜け故障が発生しており、実用上問題となる品質である
(層間接着性の評価)
各熱転写受像シートについて、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。各熱転写受像シート表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90度の切り込みを1mm間隔で縦横に11本ずつ入れ、1mm角の碁盤目を100個作成した。この上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手でもって垂直にはがし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する熱転写受像シート構成層の剥がされた面積の割合を以下のランクで評価した。
◎:熱転写受像シート構成層の剥離が全く認められなかった
○:剥離された熱転写受像シート構成層の面積割合が、5%未満であった
△:剥離された熱転写受像シート構成層の面積割合が、5%以上、10%未満であった ×:剥離された熱転写受像シート構成層の面積割合が、10%以上、20%未満であった
××:剥離された機能膜の面積割合が20%以上であった
(画像保存性の評価)
上記作成したニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)画像の最大濃度Dmax1を測定した後、この画像を50℃、80%RHの環境下で170時間保存した後、同様にニュートラル画像の最大濃度Dmax2を測定し、下式に従って画像残存率を求め、下記の基準に従って画像保存性(耐湿性)の評価を行った。
画像残存率(%)=(Dmax2/Dmax1)×100
◎:画像残存率が97%以上
○:画像残存率が90%以上、97%未満
△:画像残存率が80%以上、90%未満
×:画像残存率が80%未満
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 0005057255
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の構成からなる熱転写受像シートは、比較例に対し、カール特性、白抜け故障耐性に優れ、かつ高い感度が維持されると共に、層間接着性及び画像保存性(耐湿性)に優れていることが分かる。

Claims (14)

  1. 基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートにおいて、
    前記断熱層が、少なくとも、親水性バインダーおよび/または水系溶媒に分散可能な疎水性ポリマーと、無機子とを含み、
    前記受像層が、少なくとも、親水性バインダーおよび/または水系溶媒に分散可能な疎水性ポリマーを含み、
    前記基材の前記受像層を有する面側において、前記基材から最も遠い位置にある層が、少なくとも離型剤を含み、
    少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成されることを特徴とする熱拡散性色素熱転写受像シート。
  2. 前記無機微粒子の一次粒子の平均粒子径が、3〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記無機微粒子が、シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式で形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シート。
  5. 前記受像層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シート。
  6. 前記受像層が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シート。
  7. 前記受像層上に、離型層が設けられてなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シート。
  8. 前記受像層が2層以上から構成されて、前記基材から最も遠い位置にある該受像層が離型剤を含有し、かつそれ以外の受像層のいずれか1層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱拡散性色素熱転写受像シート。
  9. 前記基材が、厚さ50〜250μmの樹脂コート紙であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シート。
  10. 基材上に、断熱層及び受像層を有し、該断熱層と該受像層の間に中間層を有する熱転写受像シートの製造方法において、
    前記断熱層が、少なくとも、親水性バインダーおよび/または水系溶媒に分散可能な疎水性ポリマーと、無機子とを含み、
    前記受像層が、少なくとも、親水性バインダーおよび/または水系溶媒に分散可能な疎水性ポリマーを含み、
    前記基材の前記受像層を有する面側において、前記基材から最も遠い位置にある層が、少なくとも離型剤を含み、
    少なくとも断熱層から受像層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成することを特徴とする熱拡散性色素熱転写受像シートの製造方法。
  11. 前記基材の前記受像層を有する面側を構成する全ての層を、水系塗布かつ同時重層塗布方式で形成することを特徴とする請求項10に記載の熱拡散性色素熱転写受像シートの製造方法。
  12. 塗布工程と乾燥工程との間に、塗布膜冷却セット工程を有することを特徴とする請求項10または11に記載の熱拡散性色素熱転写受像シートの製造方法。
  13. 乾燥工程が終了した後、エージング処理を施すことを特徴とする請求項1012のいずれか1項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シートの製造方法。
  14. 少なくとも2層を同時重層塗布する際、下式(1)及び(2)で規定する条件を同時に満たすことを特徴とする請求項1013のいずれか1項に記載の熱拡散性色素熱転写受像シートの製造方法。
    式(1)
    Ts(L)≧Ts(U)
    式(2)
    Td(L)≧Td(U)
    式中、
    Ts(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
    Ts(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の静的表面張力
    Td(L):同時塗布での相対的に下部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
    Td(U):同時塗布での相対的に上部に位置する層を構成する塗布液の動的表面張力
    を表す。
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