JP5549916B2 - 熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
基材と、前記基材上に、少なくとも2層からなる中空層と、プライマー層と、受容層とを有する熱転写受像シートであって、
前記中空層が、前記基材に接する中空層Aと、前記プライマー層に接する中空層Bとを有し、前記中空層Aが、中空粒子、メチルメタクリレート・ブタジエン系樹脂、および親水性バインダーを含み、前記中空層Bが、中空粒子、ポリエステル・ウレタン系樹脂、および親水性バインダーを含む、熱転写受像シートを提供するものである。
上記の熱転写受像シートの製造方法であって、
前記中空層Aから前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成される、熱転写受像シートの製造方法を提供するものである。
本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に、少なくとも2層からなる中空層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有するものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは中間層や離型層等のその他の層をさらに有してもよい。
本発明における基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性やクッション性を有するものである。また、中空層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、その他の添加剤をさらに含んでもよい。なお、中空層は、少なくとも2層以上からなるものであり、基材に接する中空層Aと、プライマー層に接する中空層Bとを有するものである。このように中空層を2層以上設けることで、印画品質に影響する断熱性およびクッション性と、基材への密着性とを分離することができ、例えば、中空層Aで基材への密着性とクッション性を、中空層Bで画像濃度を向上させるための断熱性とクッション性を得ることができる。
本発明において中空層Aは、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものである。樹脂としては、メチルメタクリレート・ブタジエン系樹脂(以下、「MBR系樹脂」ということがある)、スチレン・ブタジエン系樹脂(SBR系樹脂)、二トリルブタジエンゴム(NBR系樹脂)、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびアクリル系樹脂を用いることができ、MBR系樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂を含むことで、中空粒子のバインド力、基材および中空層Bへの密着性、印画時のクッション性を向上することができる。本発明においては、市販のMBR系樹脂を用いることもでき、例えば、DIC(株)製、商品名:ラックスターDM820等が好ましい。
本発明において中空層Bは、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものである。樹脂としては、ポリエステル・ウレタン系樹脂、スチレン・ブタジエン系樹脂、ニトリルブタジエンゴム、メチルメタクリレート・ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびアクリル系樹脂を用いることができ、ポリエステル・ウレタン系樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂を含むことで、中空粒子のバインド力、プライマー層および中空層Aとの密着性を向上することができる。本発明においては、市販のポリエステル・ウレタン系樹脂を用いることもでき、例えば、DIC(株)製、商品名:ハイドランAP−40等が好ましい。
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP84J、およびローペイクSE(ロームアンドハース社製)、ならびに、MH−8101、MH−8055、MH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
本発明におけるプライマー層は、受容層と中空層との密着性、印画物の保存性、耐エンボス性などを向上させるものである。好ましい態様では、プライマー層は、架橋中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としてはアクリル系樹脂を含むものが好ましい。必要に応じてアニオン性、ノニオン性、またはカチオン性の帯電防止剤や金属酸化物系の帯電防止剤を添加してもよい。また、白色度を調整するために酸化チタン、炭酸カルシウムなどの白色顔料や蛍光増白剤を添加してもよい。
本発明において、架橋中空粒子は、耐熱温度200℃以上、好ましくは300℃以上の高耐熱性粒子であることが好ましい。なお、粒子の耐熱温度は粒子が熱により破壊あるいは潰れることなく耐え得る最大の温度であり、本発明においては熱応力歪み測定装置(TMA)(セイコー電子工業(株)製)により測定した値で表して、上記耐熱温度以上を有していればよい。このような架橋中空粒子の平均粒子径は、0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。また、平均中空率は、好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜40%であり、中空層に用いられる中空粒子よりも平均中空率の低い粒子であってもよい。このような架橋粒子を用いることで、印画物の濃度向上と耐エンボスの改善を同時に実現することができる。
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。好ましい態様では、受容層は2層以上からなるものであり、プライマー層に接する受容層(以下、「受容層A」ということがある)は、層間接着性を向上させるために、親水性バインダーを含むことが好ましく、基材から最も離れた位置にある受容層(以下、「受容層B」ということがある)は、離型剤を含むことが好ましい。受容層の形成には、塩化ビニルの重合体もしくはその誘導体、および塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を樹脂として用いることができ、塩ビ・アクリル樹脂を用いることが好ましい。なお、2種以上の塩ビ・アクリル樹脂を混合して用いてもよい。本発明においては、受容層Aによってプライマー層との層間接着性、印画物の耐湿熱保存性を改善し、受容層Bによって印画時の離型性、発色濃度を改善することができる。
本発明の好ましい態様によれば、中空層、プライマー層、および受容層に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、受容層と接する層との層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗工液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
本発明における受容層に含まれる離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、およびポリエーテル変性シリコーン等を用い、これらを混合したり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
本発明においては、中空層とプライマーの間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、スライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、中空層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布および同時重層塗布方式により形成することが特に好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。また、本発明においては、高速印刷により塗布を行うことが好ましく、塗布速度は、毎分200〜300mが好ましい。このような高速印刷を行うことで、コストをより改善することができる。なお、高速印刷(例えば、毎分200〜300m)による塗布の場合には、塗布ムラが問題となることがあるが、本発明の熱転写受像シートを用いることで、塗布ムラを抑制することができ、画像欠陥を改善できる。
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材上に熱拡散性色素を含むインク層を有するものである。このようなものであれば、公知の熱転写インクシートでよく、特に限定されるものではない。
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
熱転写受像シート1の作製
基材シートとしてRCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)を用い、下記組成の中空層A形成用塗工液1、中空層B形成用塗工液1、プライマー層形成用塗工液1の組成、受容層A形成用塗工液1、受容層B形成用塗工液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、WET時の厚みがそれぞれ10μm、25μm、15μm、5μm、8μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/中空層A/中空層B/プライマー層/受容層A/受容層B)を得た。なお、塗布速度は、毎分250mであった。
・ローペイクHP−91(中空粒子、平均粒子径1μm、平均中空率50%、ロームアンドハース社製) 60重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 20重量部
・ラックスターDM820(MBR系樹脂、DIC(株)製) 20重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.15重量部
水400部を加えて希釈した。
・ローペイクHP−91(中空粒子、平均粒子径1μm、平均中空率50%、ロームアンドハース社製) 70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・ハイドランAP−40(ポリエステル・ウレタン系樹脂、DIC(株)製) 5重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.2重量部
水500部を加えて希釈した。
・SX−866(架橋中空粒子、平均粒子径0.3μm、平均中空率30%、JSR(株)社製) 70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・NKJ300(アクリル系樹脂、新中村化学工業(株)製) 5重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.2重量部
水500部を加えて希釈した。
・ビニブラン900(塩ビ・アクリル樹脂、日信化学工業(株)製) 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
水250部を加えて希釈した。
・ビニブラン900(塩ビ・アクリル樹脂、日信化学工業(株)製) 90重量部
・KF−615A(シリコーン系離型剤、日信化学工業(株)製) 10重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.5重量部
水150部を加えて希釈した。
熱転写受像シート2の作製
中空層A形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に各塗工液を調製して、熱転写受像シート2を作製した。
中空層A形成用塗工液2の組成
・ローペイクHP−91(中空粒子、平均粒子径1μm、平均中空率50%、ロームアンドハース社製) 10重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 45重量部
・ラックスターDM820(MBR系樹脂、DIC(株)製) 45重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.15重量部
水400部を加えて希釈した。
熱転写受像シート3の作製
中空層B形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に各塗工液を調製して、熱転写受像シート3を作製した。
中空層B形成用塗工液2の組成
・ローペイクHP−91(中空粒子、平均粒子径1μm、平均中空率50%、ロームアンドハース社製) 80重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 15重量部
・ハイドランAP−40(ポリエステル・ウレタン系樹脂、DIC(株)製) 5重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.2重量部
水500部を加えて希釈した。
熱転写受像シート4の作製
中空層B形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に各塗工液を調製して、熱転写受像シート4を作製した。
中空層B形成用塗工液3の組成
・ローペイクHP−91(中空粒子、平均粒子径1μm、平均中空率50%、ロームアンドハース社製) 50重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・ハイドランAP−40(ポリエステル・ウレタン系樹脂、DIC(株)製)25重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.2重量部
水500部を加えて希釈した。
熱転写受像シート5の作製
中空層A形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に各塗工液を調製して、熱転写受像シート5を作製した。
中空層A形成用塗工液3の組成
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 20重量部
・ラックスターDM820(MBR系樹脂、DIC(株)製) 20重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.15重量部
水400部を加えて希釈した。
熱転写受像シート6の作製
中空層B形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に各塗工液を調製して、熱転写受像シート6を作製した。
中空層B形成用塗工液4の組成
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・ハイドランAP−40(ポリエステル・ウレタン系樹脂、DIC(株)製) 5重量部
・サーフィノール440(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.2重量部
水500部を加えて希釈した。
熱転写受像シート7の作製
中空層Aを設けなかった以外は、実施例1と同様に各塗工液を調製して、熱転写受像シート7(層構成:基材/中空層B/プライマー層/受容層A/受容層B)を作製した。
上記の実施例および比較例で作製した熱転写受像シートについて、(1)離型性評価、(2)画像濃度評価、(3)層間接着性評価、および(4)面質評価を行った。
あらかじめヘッド温度が35℃となるまで暖めた昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに黒ベタ画像を印画し、その際に剥離音が聞こえるかどうかを官能評価した。
・評価基準
○:剥離音が聞こえなかった、あるいは機械音にまぎれる程度であった。
△:剥離音が聞こえた。
×:印画できず、リボンと受像紙の貼りつきが発生した。
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)による光学反射濃度が最大となる値を測定した。
・評価基準
○:1.90以上
△:1.80〜1.90
×:1.80以下
熱転写受像シート(寸法;縦×横の寸法が5(cm)×5(cm))に対して、その側端縁よりも内側の領域に、粘着材(メンディングテープ(3M社製;Scotch Brand Tape MP−12))を貼り付けた。熱転写受像シートに粘着材を貼り付けた後、熱転写受像シートの面と粘着材の面の位置関係が熱転写受像シートの面に対して粘着材の面が45度の角をなす位置関係となるように、粘着剤を熱転写受像シートから剥離した。このとき、基材シートと中空層の「層間接着性」は、粘着剤と熱転写受像シートとの接触界面で粘着剤の剥離が生じたか、熱転写受像シートを構成する層の一部に粘着剤に追従する部分を生じつつ粘着剤の剥離が生じたかについての観察を行うことで、次のように評価した。
○:熱転写受像シートを構成する層の一部に粘着剤に追従する部分を生じておらず、粘着剤と熱転写受像シートとの界面で剥離が綺麗に生じた。
△:熱転写受像シートを構成する多孔質層の一部に粘着剤に追従してはがれを生じた部分の面積が、粘着剤剥離前の粘着剤と熱転写受像シートの接触面積の5%以下に留まっていた。
×:はがれを生じて且つそのはがれを生じた部分の面積が、粘着剤剥離前の粘着剤と熱転写受像シートの接触面積の5%を超えていた。
印画物の面質を印画試験によって測定した。印画試験は、得られた熱転写受像シートに昇華型熱転写法による所定画像の印画を行うことで実施した。このとき、印画される所定画像には、ブラックの18ステップに分割された画像を用い、昇華型熱転写法による印画を行う装置として、昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS社製;MEGAPIXELIII)を用い、熱転写シートとしては昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS社製;MEGAPIXELIII)に使用可能な専用インクリボンを用いた。そして、ブラックの18ステップに分割された画像が熱転写受像シートに形成された後、転写画像のざらつき感を目視観察することにより、次のように判定した。
○:印画ムラが全く認められなかった。
△:一見すると印画ムラが認められないが、転写画像に近接してみるとややムラが認められた。
×:一見して印画ムラが認められた。
Claims (9)
- 基材と、前記基材上に、少なくとも2層からなる中空層と、プライマー層と、受容層とを有する熱転写受像シートであって、
前記中空層が、前記基材に接する中空層Aと、前記プライマー層に接する中空層Bとを有し、前記中空層Aが、中空粒子、メチルメタクリレート・ブタジエン系樹脂、および親水性バインダーを含み、前記中空層Bが、中空粒子、ポリエステル・ウレタン系樹脂、および親水性バインダーを含む、熱転写受像シート。 - 前記中空層Aにおける中空粒子の含有量が、前記中空層Bにおける中空粒子の含有量よりも少ない、請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記中空層Aにおいて、前記中空粒子と、前記樹脂および前記親水性バインダーの総固形分との質量比が、5:95〜70:30であり、前記中空層Bにおいて、前記中空粒子と、前記樹脂および前記親水性バインダーの総固形分との質量比が、50:50〜90:10である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 前記プライマー層が、架橋中空粒子、アクリル系樹脂、および親水性バインダーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記プライマー層に含まれる架橋中空粒子が、耐熱温度200℃以上の高耐熱性粒子である、請求項4に記載の熱転写受像シート。
- 前記受容層が、少なくとも2層からなり、前記プライマー層に接する受容層Aと、前記基材から最も離れた位置にある受容層Bとを有し、前記受容層Aが、塩化ビニル系樹脂および親水性バインダーを含み、前記受容層Bが塩化ビニル系樹脂および離型剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受容層Bにおいて、前記離型剤と、前記樹脂の総固形分との質量比が、1:99〜15:85である、請求項6に記載の熱転写受像シート。
- 前記中空層Aから前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法であって、
前記中空層Aから前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成される、熱転写受像シートの製造方法。
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