JPH082117A - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

熱転写受像シートの製造方法

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JPH082117A
JPH082117A JP6133184A JP13318494A JPH082117A JP H082117 A JPH082117 A JP H082117A JP 6133184 A JP6133184 A JP 6133184A JP 13318494 A JP13318494 A JP 13318494A JP H082117 A JPH082117 A JP H082117A
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Koichi Asahi
晃一 旭
Hiroshi Takahashi
拓 高橋
Kiyoshi Oguchi
清 小口
Hitoshi Saito
仁 斉藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写画像の受像特性に優れた受容シートを
得る。 【構成】 基材上に、受容層を形成した熱転写受像シー
トであって、受容層を構成する複数の組成物層を重層塗
布によって同時に積層して形成した。、特性の異なる複
数の層を積層することができ、所望の特性の層を容易に
形成することができる。しかも相互に反応する物質ある
いは混合することが困難な物質を含有した受容層を形成
する場合にも、組成物の調整工程では、組成物中におい
て反応することがなく、また混合困難な物質であっても
容易に受容層に含有させることができる。 【効果】 離型性と画像受容性がともに優れた熱転写受
像シートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写受像シートに関
し、さらに詳しくは熱転写受像シートの高精度、高能率
な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基材上にインキ層から画像、文字等を熱
的に転写する種々の熱転写方法が知られているが、とく
に昇華性染料を記録剤とし、これをポリエステルフィル
ム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、昇華
性染料で染着可能な熱転写受像シート、例えば紙やプラ
スチックフィルム等に染料受容層を形成した受像シート
上に転写して各種カラー画像を形成する方法が提案され
ている。従来、熱転写受像シートの製造はグラビアコー
トやロールコート等で基材に受容層を形成する樹脂組成
物を被覆して乾燥する方法が一般的である。
【0003】熱転写受像シートに染料を転写させる手段
としてプリンターのサーマルヘッドが使用され、極めて
短時間の加熱によって3色又は4色の多数の画素を受像
シートに転写させ、受像シート上にカラー画像を形成す
るものである。熱的に染料を転写する際には、受容層に
もかなりの熱量が加わるため、熱転写シートとの間で熱
融着が発生し、正常な画像の形成ができないという問題
がある。そこで熱転写受像シートの受容層中にシリコー
ン化合物、フッ素化合物、ワックス類、高級脂肪酸、高
級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ア
ミド、または高級アルコール等の離型性付与化合物を混
合し離型性を保持することが行われている。
【0004】離型性付与化合物を受容層中に添加する場
合には、受容層中での離型性付与化合物の存在量が過剰
になると、受容層の印字濃度、耐光性、耐指紋性、耐可
塑剤性等の特性に好ましくない影響を与える。一方、存
在量が少ない場合には、充分な離型性能を得られないと
いう問題があった。また、離型性付与物質として反応性
を有する複数の化合物を混合した塗布液を使用する場合
には、塗布前に塗布液が反応して硬化等をおこし、特性
の優れた受容シートを安定して製造することができない
という問題点があった。例えば、カルビノール変性シリ
コーン化合物とイソシアネートを用いた場合には、塗布
液中でこれらの架橋反応が進行するために塗布前にも反
応が進行し、安定生産が困難である。さらに、受容層に
含まれている各種の樹脂成分によって、離型性付与物質
の特性の発現が充分に行われないという問題があった。
【0005】また、多数回の塗布によって所定の層を形
成することも考えられるが、重ね塗りで膜厚の薄い層を
形成することは困難であるとともに、膜厚の精度が低下
するという問題があり、それぞれの層間の界面での接着
力が弱く剥離しやすいという問題があった。さらに、既
に形成した塗布面と塗れ性が良くない塗布液を使用した
場合には、塗布が困難であるという問題があり、とくに
シリコーン樹脂を含有する場合には多数回の塗布は困難
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱転写受像
シートにおいて、受像特性が優れたシートを製造する方
法を提供することを課題とし、とくに画像の受容層の印
字濃度、耐光性、耐指紋性、耐可塑剤性等の特性を低下
させることがなく、充分に離型性を有する熱転写受像シ
ートを得ることを課題とするものであり、また反応性を
有する複数の化合物を混合して離型性を付与する場合に
も、品質の優れた熱転写受像シートを安定して製造する
方法を提供することを課題とするものである。さらに、
熱転写受像シートを構成する受像層と離型層のそれぞれ
の性質の優れた熱転写受像シートを得ることを課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に熱転
写受容層組成物を積層し、熱転写受容層を形成する熱転
写受像シートの製造方法において、複数の組成物層を同
時に重層塗布する熱転写受像シートの製造方法である。
また、組成物層の少なくとも一層は離型性を付与する組
成物層である熱転写受像シートの製造方法である。ま
た、離型性を付与するために、ケイ素系化合物、フッ素
系化合物、ワックス類、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属
塩、高級アルコール、高級アミドおよび高級脂肪族基酸
エステルから選ばれる離型性付与化合物を混合する熱転
写受像シートの製造方法である。また、基材上の最も上
面の層中の離型性付与化合物の含有率が他の層よりも多
い熱転写受像シートの製造方法である。
【0008】本発明の熱転写受像シートの各構成材料と
製造方法について説明する。熱転写受像シートの製造方
法に使用することができる基材には、ポリオレフィン系
あるいはポリスチレン系の合成紙、上質紙、アート紙、
コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹
脂または合成樹脂エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテッ
クス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維
紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポ
リカーボネート等の各種のプラスチックスのフイルムま
たはシート等が使用でき、これらの合成樹脂に白色顔料
や充填剤を加えて成膜した白色不透明フイルムあるいは
発泡させた発泡シート等も使用することができる。
【0009】また、上記した基材シートの任意の組み合
わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例と
しては、セルロース繊維紙と合成紙あるいはセルロース
繊維紙とプラスチックスフイルムまたはシートとの合成
紙が挙げられる。これらの基材シートとの厚みは任意の
厚みで良く、例えば10〜300μm程度の厚みが用い
られる。以上のような、基材シートは、その表面に形成
する受容層との密着性を高めるために、その表面にプラ
イマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0010】基材上に形成する組成物層は、少なくとも
受容層としての特性の優れた組成物層である下層ととも
に、離型性の好ましい組成物層である上層の2層からな
ることが好ましい。受容層を形成する組成物は、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸
ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと
他のビニルモノマーとの共重合体樹脂、アイオノマー、
セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂が挙げられ、とくに好ましいものは、ビ
ニル系樹脂およびポリエステル樹脂である。これらの樹
脂を単独もしくは複数を併用することができる。
【0011】これらの組成物は、有機溶媒、もしくは有
機溶媒と水とのエマルジョンを溶媒とすることが好まし
い。とくに、メタノール、エタノール、プロパノール等
のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
等のセロソルブ類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン等の芳香族溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン等の
塩素系溶剤やジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン等の有機溶剤を挙げることができる。
【0012】また、受容層に離型性を付与する物質に
は、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、ワックス
類、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エス
テル、高級脂肪酸アミド、または高級アルコール等があ
げられる。シリコーン系化合物としては反応架橋型シリ
コーン油が好ましく、例えばアミノ変性シリコーン油と
エポキシ変性シリコーン油の2種のシリコーン油の組み
合わせを挙げることができ、アミノ変性シリコーン油と
しては、KF−393、KF−857、KF−858、
X−22−3680、X−22−3801C(いずれも
信越化学工業製)等が用いられ、エポキシ変性シリコー
ン油としては、KF−100T、KF−101、X−6
0−164、KF−103等が用いられる。また触媒硬
化型シリコーン油としてはKS−770A、KS−77
4、KS−778、KS−705F、X−62−121
2(いずれも信越化学工業製)を挙げることができる。
また、放射線硬化型シリコーン油としては、X−22−
5002、X−22−174D(いずれも信越化学工業
製)等があげられる。組成物の塗布液の溶媒が水性溶媒
の場合には非反応性シリコーン油である水分散性あるい
は水溶性シリコーン油を用いこともできる。具体的には
信越化学工業製のKF−353、KF−354、KF−
355、KM−766、KM−768、KM−764
E、KM−797、シルキャストE等が挙げられる。ま
た、離型性付与物質は受容層を形成する複数の層の上層
にのみに存在させれることによって受容シートとしての
優れた特性を得ることができる。
【0013】これらの組成物の塗布液には、界面活性剤
等を添加することができる。界面活性剤は、表面張力、
とくに動的表面張力を設定するのに必要な場合が多く、
表面張力とともに、起泡性、消泡性、樹脂との相溶性等
を考慮して選定する必要がある。具体的には、アニオン
系、ノニオン系、フッ素系の界面活性剤が用いられるこ
とが多く、エマルゲンシリーズ、ペレックスシリーズ
(花王製)等が挙げられる。また、本発明の受容層の重
層塗布は、複数個の塗布液の吐出口を有する重層塗布用
のスライドコーター、スロットコーター、カーテンコー
ター等を用いて行うことができる。
【0014】基材上に形成する受容層の厚みは、1〜1
0μmとすることが好ましく、受容層を二層の積層体で
形成する場合には、上層を離型性付与物質含有層とし、
上層の厚みを0.05〜2μmとすることが好ましく、
上層の厚みが0.05μmよりも薄い場合には、必要な
離型性を有さず、2μmよりも厚い場合には、受容層へ
の染料の転写特性、耐候性、耐指紋特性とうが劣化す
る。
【0015】また、カルビノール変性シリコーン油とイ
ソシアネートのように反応硬化性の2成分からなる離型
性付与物質を使用する場合、あるいは一方が他方から影
響を受ける化合物を使用する場合には、それぞれの物質
を異なる層を形成する組成物中に混合して同時に塗布す
ることによって、基材上への組成物の塗布前に硬化反応
等を起こすことがないので、高品質の受容層を得ること
ができる。
【0016】
【作用】本発明の熱転写受像シートは、複数の組成物層
の積層によって形成した受容層を重層塗布によって同時
に積層したので、特性の異なる複数の層を積層すること
ができるので、所望の特性の層を容易に形成することが
できる。しかも相互に反応する物質あるいは混合するこ
とが困難な物質を含有した受容層を形成する場合にも、
組成物の調整工程では、組成物中において反応すること
がなく、また混合困難な物質であっても容易に受容層に
含有させることができる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明する。 実施例1 上層塗布液および下層塗布液として下記の組成物を調整
した。 上層塗布液 水溶性シリコーン(信越化学工業製 KF−353) 10重量部 水 90重量部 下層塗布液 水分散性ポリエステル(東洋紡製 MD−1200 固形分34%) 60重量部 水 35重量部 コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックス 固形分20重量%) 5重量部 上層塗布液と下層塗布液を、厚さ150μmの合成紙
(王子油化合成紙製 ユポ)を基材とし、スライドコー
ターを用いて同時に重層塗布した。基材の速度は、40
m/分とし、塗布幅は150mmとし、コーターのスリ
ットから上層塗布液を10ml/分、下層塗布液を13
3ml/分の吐出量で塗布し、乾燥後の上層と下層の合
計の膜厚が4.5μmである受容層を有する熱転写受像
シートを作製し、以下の評価方法によって評価し、その
結果を表1に示す。
【0018】〔評価方法〕 感度 組成物の構成材料が同一の実施例もしくは比較例のうち
最も感度の高いものを1.00とした場合の相対評価。 耐光性 印字物をキセノン耐光試験機(アトラス社製 Ci−3
5A)によって420nmの光を100kJ/m2 の強
度で照射し、照射の前後における光学濃度の変化を光学
濃度計(マクベス社製 RD−918)により測定し、
照射後の光学濃度の、照射前の光学濃度に対する比を百
分率で表して残存率とし、以下の記号で示した。 ○:残存率が85%以上のもの △:残存率が80%以上、85%未満のもの ×:残存率が80%未満のもの 耐指紋性 印字物の表面に指紋を押しつけ、室温に5日間放置した
後、指紋を押しつけた部分の変色および濃度変化を目視
によって評価した。 A:指紋を押しつけた部分と押しつけなかった部分の差
がほとんど認められなかったもの。 B:変色もしくは濃度変化が認められたもの。 C:指紋を押しつけた部分が白抜けし、指紋形状が明瞭
に認められたもの。 D:指紋を押しつけた部分を中心として、白抜けが発生
し、同時に染料の凝集が認められたもの。 耐可塑剤性 それぞれの試験片の同じ部分の印字物表面を市販のプラ
スチックス消しゴムで5回軽く擦り、濃度の変化の度合
いを目視にて判定し、以下の記号で示した。
【0019】○:濃度変化がほとんど認められなかった
もの。 △:濃度変化が認められたもの。 ×:濃度が大きく変化し、低濃度部から中濃度部にかけ
ては白抜けとなったもの。 離型性 プリンタ(日立製作所製 VY−P1型)によって、印
字を行った場合の印字可能回数を測定し、以下の記号で
示した。 ×:0回 △:1回 ○:2〜4回 ◎:5回以上
【0020】実施例2 上層の塗布液の吐出量を20ml/分、下層塗布液の吐
出量を128ml/分とした点を除いて実施例1と同様
にして、実施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写シ
ートを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示す。
【0021】実施例3 上層の塗布液の吐出量を40ml/分、下層塗布液の吐
出量を118ml/分とした点を除いて実施例1と同様
にして、実施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写シ
ートを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示す。
【0022】実施例4 上層の塗布液の吐出量を80ml/分、下層塗布液の吐
出量を98ml/分とした点を除いて実施例1と同様に
して、実施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写シー
トを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表1
に示す。
【0023】比較例1ないし4 上層用の塗布液と下層用塗布液を、実施例1ないし4で
得られる受像層中の合計の組成と同一となるように混合
し、グラビア塗布装置によって乾燥後の膜厚が4.5μ
mの受容層を有する熱転写シートを作製し、実施例1と
同様に評価し、その結果を比較例1〜4として表1に示
す。以上の結果から熱硬化不要の水溶性シリコーンであ
るKF−355を用いた場合には、二層の被覆を行う場
合には小量のシリコーンの添加量で離型性が良好とな
り、受像層の感度に影響を与えないことを示している。
【0024】実施例5 上層塗布液および下層塗布液として下記の組成物を調整
した。 上層塗布液 ポリエステル樹脂(バイロン600 東洋紡製) 20重量部 触媒硬化型シリコーン(X−62−1212 信越化学工業製) 2重量部 白金系触媒(PL−50T 信越化学工業製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 38.9重量部 トルエン 38.9重量部 下層塗布液 ポリエステル樹脂(バイロン600 東洋紡製) 10重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(#1000A 電気化学工業製) 10重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 次いで、実施例1と同様にして、上層塗布液の吐出量を
25ml/分、下層塗布液の吐出量を125ml/分と
し、120℃において1分間熱処理をして硬化し、乾燥
後の二層の合計の膜厚が4.5μmの受容層を有する熱
転写シートを作製し、実施例1と同様に評価をし、その
結果を表1に示す。
【0025】実施例6 上層の塗布液の吐出量を50ml/分、下層塗布液の吐
出量を100ml/分とし、実施例5と同様にして、実
施例5と同じ厚さの受容層を有する熱転写シートを作製
し、その結果を実施例5と同様に評価し、その結果を表
1に示す。
【0026】実施例7 上層の塗布液の吐出量を75ml/分、下層塗布液の吐
出量を75ml/分とし、実施例5と同様にして、実施
例5と同じ厚さの受容層を有する熱転写シートを作製
し、実施例5と同様に評価し、その結果を表1に示す。
【0027】実施例8 上層の塗布液の吐出量を100ml/分、下層塗布液の
吐出量を50ml/分とし、実施例5と同様にして、実
施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写シートを作製
し、実施例5と同様に評価し、その結果を表1に示す。
【0028】比較例5 塗布液として下記の組成物を調整した。
【0029】 ポリエステル樹脂(バイロン600 東洋紡製) 15重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(#1000 電気化学工業製) 5重量部 触媒硬化型シリコーン(X−62−1212 信越化学工業製) 1重量部 白金系触媒(PL−50T 信越化学工業製) 0.1重量部 メチルエチルケトン 39.4重量部 トルエン 39.5重量部 ついで、塗布液をグラビアコーターによって乾燥後の膜
厚が4.5μmになるように塗布し、120℃におい
て、1分間熱処理して硬化した。
【0030】比較例6〜8 比較例5と同様に上層用の塗布液と下層用塗布液を、実
施例6ないし8で得られる受像層中の合計の組成と同一
となるように混合し、グラビア塗布装置によって熱転写
シートを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を
比較例6〜8として表1に示す。以上から、シリコーン
エマルジョンを用いた場合には、重層塗布の方がシリコ
ーンが表面に偏在しているので硬化時間が短く離型性が
向上することがわかる。
【0031】実施例9 下記の組成の下層塗布液、中間層塗布液、および上層塗
布液を調整した。 下層塗布液 水分散性ポリエステル(東洋紡製 MD−1200 固形分34%) 60重量部 水 33.7重量部 t−ブチルセロソルブ 6.3重量部 中間層塗布液 カルビノール変性シリコーン(X−22−4015 信越化学工業製) 100重量部 上層塗布液 イソシアネート(タケネートXA−14 武田薬品工業製) 20重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 次いで、吐出口を3個有する同時スライドコーターを用
いて、下層塗布液の吐出量を100ml/分、中間層塗
布液の吐出量を25ml/分、上層塗布液の吐出量を2
5ml/分とし、20m/分の速度で、300mmの幅
に塗布乾燥し、合成紙(厚さ150μm ユポ)に4μ
mの膜厚を有する熱転写受容層を有する熱転写シートを
作製した。相互に反応して硬化するイソシアネートとポ
リオールを別個の塗布液として調整し、同時重層塗布し
たので、塗布液の硬化反応による変質等は生じなかっ
た。得られた熱転写受像シートを実施例1と同様に評価
をし、その結果を表1に示す。この方法のように、カル
ビトール変性シリコーンとイソシアネートを用いた場合
にも、塗布装置上において溶液が接触するために、両者
が事前に反応するおそれはない。これに対して、これら
の化合物を混合した場合には、30分間でゲル化を開始
するので、品質の安定した製品を得ることが困難とな
る。
【0032】実施例10 下記の上層塗布液および下層塗布液を調整した。 上層塗布液 シリコーンエマルジョン(X−52−175 信越化学工業製) 3重量部 触媒 (CAT−PM−8A 信越化学工業製) 0.12重量部 触媒 (CAT−PM−8B 信越化学工業製) 0.12重量部 水 69.7重量部 下層塗布液 水分散性ポリエステル(東洋紡製 MD−1200 固形分34%) 60重量部 水 33.7重量部 t−ブチルセロソルブ 6.3重量部 ついで、実施例1と同様に、上層塗布液と下層塗布液を
スライドコーターを用いて塗布速度20ml/分、塗布
幅300mmで上層塗布液を5ml/分、下層塗布液を
135ml/分の吐出量で重層塗布し、乾燥後120℃
において10分間硬化処理し、硬化後の上層と下層の合
計の膜厚が4μmの熱転写受像シートを作製し、実施例
1と同様に評価をし、その結果を表1に示す。
【0033】実施例11 上層の塗布液の吐出量を10ml/分、下層塗布液の吐
出量を133ml/分とした点を除いて実施例1と同様
にして、実施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写シ
ートを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示す。
【0034】実施例12 上層の塗布液の吐出量を50ml/分、下層塗布液の吐
出量を130ml/分とした点を除いて実施例1と同様
にして、実施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写シ
ートを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示す。
【0035】実施例13 上層の塗布液の吐出量を100ml/分、下層塗布液の
吐出量を130ml/分とした点を除いて実施例1と同
様にして、実施例1と同じ厚さの受容層を有する熱転写
シートを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を
表1に示す。
【0036】比較例10〜13 上層塗布液と下層塗布液を実施例10〜13の層全体の
組成比と同一となるように上層塗布液と下層塗布液を混
合して、実施例10と同一の厚みの受像層が形成される
ようにグラビアコーターによって、単層被覆と硬化を行
い熱転写受像シートを作製し、得られた熱転写受像シー
トを実施例1と同様に評価しその結果を比較例10〜1
3として表1に示す。
【0037】以上のように、有機溶剤に対して安定性を
示さないシリコーンエマルジョンを水/溶剤系ポリエス
テルエマルジョンと併用し重層塗布をした場合には、吐
出の後にシリコーンエマルジョンがポリエステルエマル
ジョンと接触するのに対し、混合して単層被覆をする場
合には、混合直後にシリコーンエマルジョンが溶剤中に
溶け始め離型性が得にくくなる。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は、熱転写受像シートを基材上に
組成物の複数の層を同時に重層塗布して、熱転写受像シ
ートを形成したので、感度、耐光性、対指紋性等の熱転
写画像の受容特性に影響を及ぼす受容特性の優れた層
と、インキ層との離型性に優れた層を形成することがで
きる。さらに、しかも複数の層を形成する組成物に相互
に反応をする物質であっても任意に使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 仁 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に熱転写受容層組成物を積層し、
    熱転写受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法に
    おいて、複数の組成物層を同時に重層塗布することを特
    徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 組成物層の少なくとも一層は離型性を付
    与する組成物層であることを特徴とする請求項1記載の
    熱転写受像シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 離型性を付与するために、ケイ素系化合
    物、フッ素系化合物、ワックス類、高級脂肪酸、高級脂
    肪酸の金属塩、高級アルコール、高級アミドおよび高級
    脂肪族基酸エステルから選ばれる離型性付与化合物を混
    合することを特徴とする請求項2記載の熱転写受像シー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 基材上の最も上面の層中の離型性付与化
    合物の含有率が他の層よりも多いことを特徴とする請求
    項2もしくは3記載の熱転写受像シートの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007055254A (ja) * 2005-07-27 2007-03-08 Fujifilm Corp 感熱転写受像シート及びその製造方法
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