JP2007055254A - 感熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に少なくとも1層の中間層および受容層を順次設けた感熱転写受像シートであって、前記の中間層および受容層を支持体上に同時重層塗布することで形成された感熱転写受像シート。
【選択図】なし
Description
上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に少なくとも1層の中間層および受容層を順次設けた感熱転写受像シートであって、前記の中間層および受容層を支持体上に同時重層塗布することで形成されたことを特徴とする感熱転写受像シート。
(2)前記中間層に粒子径0.1〜20μmの中空ポリマーを含有することを特徴とする(1)項に記載の感熱転写受像シート。
(3)支持体上に少なくとも1層の中間層および受容層を同時重層塗布することを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法。
本発明の感熱転写受像シートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成されている。受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。本発明では、支持体と受容層との間にある各層を単に「中間層」といい、上述の下地層や断熱層が含まれる。本発明の感熱転写受像シートは、少なくとも1層の受容層及び少なくとも1層の中間層を含有する。支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。そのため受容層には染着しやすい樹脂(染着性受容ポリマー)が用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、及びその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリサルフォン、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、スチレンアクリル共重合体、アイオノマー、セルロース樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の単体又は混合物を用いることができるが本発明はこれらに限定されない。本発明では塩化ビニル骨格を有するポリマーが特に好ましい。受容層に用いられる受容ポリマーはラテックス化されていてもよい。
本発明に用いるポリマーラテックスについて説明する。本発明の感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64-538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
(a)共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(e) 不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f) スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g) ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h) ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i) α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j) その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤が添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーのラテックスと混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
また、受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用いられるが、中でもビニル変成シリコーンオイルとハイドロジェン変成シリコーンオイルとの反応物が良い。離型剤の添加量は、受容ポリマーに対して0.2〜30質量部が好ましい。
受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号明細書、特許第2925244号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
断熱層(発泡層)は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ過熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
中空ポリマーを含む中間層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
支持体には、コート紙やWP紙(両面ラミネート紙)等を用いることができる。
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明の感熱転写受像シートは、少なくとも1層の中間層および受容層を支持体上に同時重層塗布することで形成することができる。支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開平2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。
一方写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば特開米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができることを見出したものである。
本発明では米国特許2,761,791号明細書に記載の方法で支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させる事が好ましい。一例として樹脂により固化する多層構成の場合、支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を上げることが好ましい。またゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げることが好ましい場合もある。
本発明においては多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
(インクシートの作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエロー組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン組成物
シアン染料(ソルベントブルー63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
(受層シートの作製)
(1−1)試料101(比較例)の作製
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。さらに下記組成の中間層Aをバーコーターにより塗布し乾燥した後、引き続いて下記組成の受容層Aをバーコーターにより塗布し乾燥させた。バーコーター塗布は40℃で行い、乾燥は各層50℃で16時間行った。それぞれの乾燥時の塗布量が中間層A:1.0g/m2、受容層A:8.0g/m2となるように塗布を行った。
中間層A
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 48質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ポリマーラテックス 15質量部
(ULS1700、商品名、一方社油脂工業(株)製)
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
中間層Aを塗布する前に、下記組成の中間層Bをバーコーターにより乾燥時の塗布量15g/m2で塗布し乾燥させたこと以外は試料101と同様にして、試料102を作製した。
中間層B
中空ポリマーラテックス 563質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 120質量部
ここで、中空ポリマーラテックスは外径0.5μm中空構造ポリマーの水分散体である。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、前記組成の中間層B、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃16時間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層B:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層Aを下記組成の受容層Bに代えたこと以外は試料103の作製と同様にして重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃16時間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層B:15g/m2、受容層B:8.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層B
塩化ビニル系ラテックス 48質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ポリマーラテックス 15質量部
(ULS1700、商品名、一方社油脂工業(株)製)
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
ゼラチン 5質量部
参考例のインクシートおよび前記試料101〜104の受容シートを、日本電産コパル社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで最高濃度を得られる設定で黒色ベタの画像を出力した。
上記の条件で得られた黒画像のVisual濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定した。
(画像欠陥評価)
上記の条件で得られた黒画像上に目視で検知できる白抜け画像欠陥の個数を測定した。直径0.5mm以上の白抜け画像欠陥の個数を数えて、12cm×10cmサイズの画像1枚あたりの個数に基づいて画像欠陥を評価した。
◎: 12cm×10cmに1個以下
○: 12cm×10cmに2個以上10個未満
△: 12cm×10cmに10個以上100個未満
×: 12cm×10cmに100個以上
得られた結果を、表1に示す。
これに対し、同時重層塗布した本発明例の試料103及び104はいずれもDmax濃度が高く高感度であった。これは、同時重層塗布することで面状欠陥が減少したことに起因する。さらに、同時重層塗布することにより、バーコーターを用いて1層毎に逐次塗布するよりも短時間で効率的に低コストで受像シートを作製することができた。
塩化ビニル系ラテックスをビニブラン609の代わりにビニブラン601(商品名、日信化学工業(株)製)に代えたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製した。なお、使用量はポリマーラテックスの固形分で同じ質量部数になるよう使用した。実施例1と同様にして評価したところ本実施例においても良好な結果が得られることがわかった。
塩化ビニル系ラテックスをビニブラン609の代わりにビニブラン270(商品名、日信化学工業(株)製)に代えたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製した。なお、使用量はポリマーラテックスの固形分で同じ質量部数になるよう使用した。実施例1と同様にして評価したところ本実施例においても良好な結果が得られることがわかった。
塩化ビニル系ラテックスをビニブラン609の代わりにビニブラン380(商品名、日信化学工業(株)製)に代えたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製した。なお、使用量はポリマーラテックスの固形分で同じ質量部数になるよう使用した。実施例1と同様にして評価したところ本実施例においても良好な結果が得られることがわかった。
紫外線吸収剤ポリマーラテックスをULS1700の代わりにULS1635MH(商品名、一方社油脂工業(株)製)に代えたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製した。なお、使用量はポリマーラテックスの固形分で同じ質量部数になるよう使用した。実施例1と同様にして評価したところ本実施例においても良好な結果が得られることがわかった。
Claims (3)
- 支持体上に少なくとも1層の中間層および受容層を順次設けた感熱転写受像シートであって、前記の中間層および受容層を支持体上に同時重層塗布することで形成されたことを特徴とする感熱転写受像シート。
- 前記中間層に粒子径0.1〜20μmの中空ポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の感熱転写受像シート。
- 支持体上に少なくとも1層の中間層および受容層を同時重層塗布することを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法。
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