JP4789792B2 - 感熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents
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上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に、少なくとも1層のポリマーラテックスを含む受容層と、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートの製造方法であって、該支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有し、該受容層に加えられる前記ポリマーラテックスが、ガラス転移点が−30〜100℃の範囲の塩化ビニル共重合体であり、該中間層に該塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスのガラス転移点よりも20〜100℃低いSBRポリマーラテックスを加えることを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法。
(2)前記受容層に含まれるポリマーラテックスが、塩化ビニルとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であることを特徴とする(1)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(3)前記中間層が、さらに水溶性ポリマーを含むことを特徴とする(1)または(2)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(4)前記中間層に含有する水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする(3)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(5)前記断熱層が、さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(6)前記断熱層に含まれるバインダー樹脂がゼラチンであることを特徴とする(5)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(7)前記中空ポリマーのガラス転移点が70℃以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(8)前記断熱層が、該断熱層に含まれるバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、該断熱層に、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(9)前記中間層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(10)前記断熱層が、該断熱層を構成するバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有し、かつ、前記中間層に加える前記ポリマーラテックスのガラス転移点が60℃以下であって、該中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、該断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(11)前記中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の150%以上であることを特徴とする(10)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(12)前記中間層の乾燥時の塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の170%以上であることを特徴とする(10)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(13)前記受容層と前記断熱層との間に、さらに中間層を有し、該中間層に水溶性ポリマーを含有するか、または該中間層に前記受容層に加えられる前記塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスより低いガラス転移点のポリマーラテックスを加えることを特徴とする特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(14)前記支持体が、紙の両面を熱可塑性の樹脂でラミネートしたものであることを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(15)前記支持体が、紙の両面をポリエチレンでラミネートしたものであることを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(16)前記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、前記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量が、該断熱層の乾燥時における塗布量の120%以上であることを特徴とする(14)又は(15)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(17)前記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、前記受容層の乾燥時における塗布量および前記中間層の乾燥時における塗布量と、前記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量の合計が、該断熱層の乾燥時における塗布量の150%以上であることを特徴とする(14)〜(16)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(18)前記支持体上に、少なくとも1層の前記受容層、中間層および断熱層を同時重層塗布することを特徴とする(1)〜(17)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
本発明の感熱転写受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(受容層)および少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。また、前記の支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有する。さらに前記の受容層と断熱層との間にも中間層を有することが好ましい。ここで本発明では、支持体と受容層との間にある各層(ただし断熱層は除く)を単に「中間層」といい、例えば、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの下地層が含まれる。受容層、中間層および断熱層は同時重層塗布により形成されることが好ましい。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。本発明の受像シートにおいて、受容層はポリマーラテックスを含有する。
本発明に用いられるポリマーラテックスについて説明する。本発明の感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64-538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。
分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
本発明では、ガラス転移点が−30〜100℃の範囲の塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを使用する。
本発明では、塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを使用する。
(a)共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b)オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(e)不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f)スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g)ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h)ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸、ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i)α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j)その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
ただし、本発明においては、受容層に少なくとも1種の塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを含有する。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤を添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーのラテックスと混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合する。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系離型剤、フッ素系化合物、及び各種ワックス分散物を用いることができる。特にシリコーンオイル、ワックス、フッ素系化合物が好ましく用いられる。
離型剤の添加量は、後述するインクシートと受像シートの転写後剥離時の離型性と、搬送性に影響するインクシートと受像シートとの摩擦の関係、更に離型剤がその他の性能に及ぼす影響を勘案して決定される。一般的には、受容ポリマーの塗布量に対して0.2質量%〜50質量%で用いられ、好ましくは0.5質量%〜30質量%で用いられる。
これらの離型剤は、受容層の塗布溶媒に応じて、溶解、もしくは分散して用いられる。
これらの離型剤は単独で用いても良いし併用して用いても良いが、一般に併用して用いた方が、離型性とその他の性能を調節する観点において有利に働くことが多い。
本発明の好ましい態様の一つとして水系塗布で受容層を形成する場合、シリコーンオイルは、常法により乳化分散して用いることが好ましい。
このワックスは融点が25℃〜120℃のものから選ばれ、好ましくは40℃〜100℃、更に好ましくは60℃〜90℃のものから選ばれる。
本発明の好ましい態様の一つとして水系塗布で受容層を形成する場合、ワックスは水分散物が好ましく、更に微粒子化したものがより好ましい。水分散の方法、および微粒子化させる方法は、「改定 ワックスの性質と応用」(幸書房、1989年)に記載の方法で達成される。
ワックスの添加量は、離型剤の添加量は前述の通り、他の性能と合わせて調整されるべきものであるが、好ましい範囲は、受容層全固形量の0.5質量%〜30質量%であり、1質量%〜20質量%がより好ましく、1.5質量%〜15質量%が更に好ましい。
断熱層(多孔質層)は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、1)ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
本発明においては、上記1)のポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーを使用する。
中空ポリマーの隔壁を構成するポリマーのガラス転移温度は特に制限はなく、求められる性能によって、ガラス転移温度を設定することができる。例えば、広い温度範囲で断熱性を持たせるためには、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが更に好ましい。同様に中空ポリマーの耐熱性を持たせるために、ポリマー構造内に架橋を持たせることもできる。
また、断熱層自体にクッション性を持たせるためには、中空ポリマーのガラス転移温度を低めに設定することが有効であり、この様な効果をもたせるには、ガラス転移温度は120℃以下が好ましく、105℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。
本発明の感熱転写受像シートは、前記の支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層(下地層)を有する。下地層としては、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が含まれる。これらの層については、例えば特許第3585599号公報、特許第2925244号公報などに記載されたものと同様の構成とすることができる。
中間層には、ポリマーラテックスについては上記で説明したもののうち、受容層に含まれるポリマーラテックスよりガラス転移点の低いものが用いられる。受容層に含まれるポリマーラテックスのガラス転移温度と中間層に含まれるポリマーラテックスのガラス転移温度との差は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましく、本発明においてはこのガラス点移転の差は20〜100℃である。また、ポリマーラテックスのガラス転移温度が60℃以下である場合が好ましい。下限に関しては上記関係を満たせば、特に制限されるものではないが、−100℃以上が好ましい。
当該中間層(下地層)に用いられるポリマーラテックスとしては、前記の受容層に関して説明したポリマーラテックスを用いることができ、本発明においては、支持体と断熱層との間の中間層には、SBRポリマーラテックスを使用する。
支持体と断熱層との間に設けられる中間層におけるポリマーラテックスの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
また、受容層と断熱層との間に設けられる中間層におけるポリマーラテックスの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。なお、本発明における水溶性ポリマーには、前記ポリマーラテックスは含まれない。また、水溶性ポリマーは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解するものが好ましく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上溶解するものである。
本発明において、水溶性ポリマーは、ゼラチンまたはポリビニルアルコールが好ましい。
また、受容層と断熱層との間に設けられる中間層における水溶性ポリマーの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
また、中間層の乾燥時の塗布量もしくは、該中間層の乾燥時の塗布量および受容層の乾燥時における塗布量の合計が、断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることが好ましく、150%以上であることがより好ましく、170%以上であることがさらに好ましい。なお、200%以上、300%以上である場合はよりさらに好ましい。ここで、上限は1000%以下が好ましく、500%以下がさらに好ましい。このとき、中間層にガラス転移温度が60℃以下のポリマーラッテックスを含有することが特に好ましい。なお、乾燥時とは、乾燥により、揮発成分が揮発乾燥した後のことであり、いわゆる乾燥後のことを意味する。
本発明では、支持体として耐水性支持体を用いることが好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。特に、本発明では、紙の両面をポリエチレンでラミネートした支持体を用いることが好ましい。
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラミネートの方法は、特に制限はなく、製膜したフィルムを原紙等のシートに接着剤を介して貼りあわせても良いし、原紙等のシートに直接樹脂を押し出して形成してもよい。製造コストの点から、原紙等のシートに直接樹脂を押し出して形成する方法が好ましい。
ラミネートされる樹脂層の塗布量は、特に制限はないが、断熱層の乾燥時における塗布量の120%以上になることが好ましく、150%以上になることがより好ましい。上限は500%以下が好ましく、300%以下がさらに好ましい。
また、ラミネートされる樹脂層の塗布量は、画像が形成される側の断熱層以外の層の乾燥時における総塗布量(好ましくは受容層のみの乾燥時における塗布量)と合わせて、断熱層の乾燥時における塗布量の150%以上になることが好ましく、200%以上になることがより好ましく、300%以上になることが更に好ましい。上限は1000%以下が好ましく、500%以下がさらに好ましい。
特に画像の転写される側のラミネートされる樹脂層の塗布量が、上記の2種の少なくともいずれかの関係になっていることが好ましい。
しかも、断熱層が、ガラス転移温度70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有する場合が特に好ましい。
ここで、ラミネートされる樹脂層の単位面積あたりの質量を本発明では、「塗布量」として取り扱う。ラミネート層を原紙等のシートに貼りあわせて使用する場合も、このラミネート層の単位面積あたりの質量を簡単のため、「塗布量」と表現する。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明の感熱転写受像シートは、少なくとも1層の受容層、中間層および断熱層を支持体上に同時重層塗布することで形成することができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより、生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができる。
本発明では米国特許2,761,791号明細書に記載の方法で支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させる事が好ましい。一例として樹脂により固化する多層構成の場合、支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を上げることが好ましい。またゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げることが好ましい場合もある。
本発明においては多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
することによって所期の目的を十分に達成することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
(インクシートの作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエロー組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン組成物
シアン染料(ソルベントブルー63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
アカシアからなる広葉樹クラフトパルプ(LBKP)50質量部及びアスペンからなる広葉樹クラフトパルプ(LBKP)50質量部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製、商品名、CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製、商品名、DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製、商品名、サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製、商品名、アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
(受像シートの作製)
(1−1)試料101(比較例)の作製
上記で作製した支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、下記組成の断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
ここで、受容層Aに用いた、塩化ビニル系ラテックスのガラス転移温度は73℃であり、断熱層Aに用いた中空ポリマーラテックスは、ガラス転移温度105℃、外径0.5μm中空構造ポリマーの水分散体である。
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層A、断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層A:5g/m2、断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層A
SBRポリマーラテックス 127質量部
(SN307、商品名、日本エイアンドエル(株)製)
ポリビニルアルコール 7質量部
(PVA102、商品名、クラレポバール(株)製)
水 63質量部
ここで、使用したSBRポリマーラテックスのガラス転移温度は5℃である。
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層B、断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層B:0.4g/m2、断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層B
ゼラチン 25質量部
水 99質量部
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層B、中間層A、断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層B:0.4g/m2、中間層A:5g/m2、断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層A
SBRポリマーラテックス 127質量部
(SN307、商品名、日本エイアンドエル(株)製)
ポリビニルアルコール 7質量部
(PVA102、商品名、クラレポバール(株)製)
水 63質量部
中間層B
ゼラチン 25質量部
水 99質量部
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層A、断熱層A、中間層B、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層A:5g/m2、断熱層A:15g/m2、中間層B:0.4g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
中間層B
ゼラチン 25質量部
水 99質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層A
SBRポリマーラテックス 127質量部
(SN307、商品名、日本エイアンドエル(株)製)
ポリビニルアルコール 7質量部
(PVA102、商品名、クラレポバール(株)製)
水 63質量部
参考例のインクシートおよび前記試料101〜105の受像シートを、日本電産コパル株式会社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで、濃度1.0のグレーベタ画像を得られる設定で画像を出力した。
上記の条件で得られたグレーベタ画像を目視評価したところ、比較用試料101には、直径150μm程度の白く抜けたスポット状の故障がわずかに認められたが、本発明の試料102、104、105および参考例の試料103には認められなかった。
(画像の保存)
上で評価した受像シート101〜105のグレーベタ画像を70℃70%RHの条件下で4週間保存後にグレーベタ画像を観察したところ、比較用試料101では濃度1.0が0.65に低下したが、本発明の試料102、104、105および参考例の試料103では濃度低下が認められなかった。
試料201〜206(本発明)の作製
試料102において、支持体の表面(画像転写側)の樹脂層、及び、中間層A、断熱層A、受容層Aの乾燥時の塗布量を表1になるように塗布を行った以外は、同様にして試料201〜206を作成した。
富士フイルム株式会社製 昇華型プリンターASK2000(商品名)に、試料201〜206を装填可能なように加工し、ASK2000用のインクリボンと合わせて装填し、高速プリントモードで、濃度0.4のグレーベタ画像を得られる設定で画像を出力した。
最高濃度の黒ベタ画像を出力し、V濃度をXrite310(Xrite社製、商品名)で測定した。
上記の条件で得られたグレーベタ画像を目視評価し、均一なグレー画像が得られたものを5点、白く抜けたところはないが、均質性におとる画像が得られたものを4点、わずかに白く抜けた個所が観察されたものを3点、白く抜けた個所が多く観測されたものを2点、一面に白く抜けた個所が観察されたものを1点とした。結果を表2に示す。
Claims (18)
- 支持体上に、少なくとも1層のポリマーラテックスを含む受容層と、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートの製造方法であって、該支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有し、該受容層に加えられる前記ポリマーラテックスが、ガラス転移点が−30〜100℃の範囲の塩化ビニル共重合体であり、該中間層に該塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスのガラス転移点よりも20〜100℃低いSBRポリマーラテックスを加えることを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記受容層に含まれるポリマーラテックスが、塩化ビニルとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中間層が、さらに水溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中間層に含有する水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項3に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層が、さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層に含まれるバインダー樹脂がゼラチンであることを特徴とする請求項5に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中空ポリマーのガラス転移点が70℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層が、該断熱層に含まれるバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中間層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層が、該断熱層を構成するバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有し、かつ、前記中間層に加える前記ポリマーラテックスのガラス転移点が60℃以下であって、該中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、該断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の150%以上であることを特徴とする請求項10に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中間層の乾燥時の塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の170%以上であることを特徴とする請求項10に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記受容層と前記断熱層との間に、さらに中間層を有し、該中間層に水溶性ポリマーを含有するか、または該中間層に前記受容層に加えられる前記塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスより低いガラス転移点のポリマーラテックスを加えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記支持体が、紙の両面を熱可塑性の樹脂でラミネートしたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記支持体が、紙の両面をポリエチレンでラミネートしたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、前記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量が、該断熱層の乾燥時における塗布量の120%以上であることを特徴とする請求項14または15に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、前記受容層の乾燥時における塗布量および前記中間層の乾燥時における塗布量と、前記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量の合計が、該断熱層の乾燥時における塗布量の150%以上であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
- 前記支持体上に、少なくとも1層の前記受容層、中間層および断熱層を同時重層塗布することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
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