JP4789792B2 - 感熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、感熱転写受像シートの製造方法に関し、詳しくは画像内の故障がない感熱転写受像シートの製造方法に関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
この方式の受像シートの支持体には通常の紙を用いることができ、低コストで製造することができる。このような紙を支持体に用いた受像シートは、支持体のクッション性を補うために、通常、支持体と受容層との間にクッション性の高い層、例えば樹脂と発泡剤からなる発泡層を形成してクッション性を付与し、受像シートと転写シートとの密着性を高めている。また、この発泡層と受容層との間にさらに中間層を設けて、印字時の加熱により発泡層が潰れるのを防いでいる。しかし、従来の受像シートでは、この中間層を有機溶剤系の樹脂塗工液にて形成していたため、該塗工液が発泡層の気泡・空隙を潰してしまい、所望のクッション性が得られず画像形成の際に白抜けや濃度ムラが発生してしまったり、発泡層の断熱性が低下して染料の転写に必要な熱量が受像シートの裏面方向に拡散して印字時の感度の低下を招いたりするという問題があった。
これに対して、例えば特許文献1には、発泡層と受容層との間の中間層を水系の塗工液により形成し発泡層の微妙な凹凸をそのまま受容層の表面形状にすることが開示されているが、この方法では、支持体上に発泡層を塗布しこれを加熱乾燥させた後に受容層を塗布するため、受容層表面に凹凸が形成されるために画像欠陥が多く発生するだけでなく、感度も不十分でしかもコストが高いという問題があった。また、例えば特許文献2には中空の粒子と耐有機溶剤性の高分子を主成分とした中間層を支持体と受容層との間に形成することが開示され、例えば特許文献3には染料受容層を含む樹脂層に中空カプセルを含有させることが開示されているが、これらの方法も同様に、中間層や樹脂層を塗布しこれを加熱乾燥させた後に受容層を塗布するため、受容層表面に凹凸が形成されるために画像欠陥が多く発生するだけでなく、感度も不十分でしかもコストが高いという問題があった。
特開平8−25813号公報 特開平11−321128号公報 特開平5−147364号公報 「情報記録(ハードコピー)とその材料の新展開」,(株)東レリサーチセンター発行,1993年,p.241−285 「プリンター材料の開発」,(株)シーエムシー発行,1995年,p.180
本発明は、高感度で画像欠陥のない感熱転写受像シートを低コストで提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、支持体上に少なくとも1層のポリマーラテックスを含む受容層と少なくとも1層の中空ポリマーを含有する断熱層を有する感熱転写受像シートにおいて、前記の支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有し、該中間層が、1)前記受容層に含まれるポリマーラテックスよりガラス転移点の低いポリマーラテックスを含むことで、受容層表面に凹凸を形成することなく感熱転写受像シートを形成することができ、これにより高感度で画像欠陥のない受像シートを低コストで形成できることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に少なくとも1層のポリマーラテックスを含む受容層と、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートの製造方法であって、支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有し、該受容層に加えられる前記ポリマーラテックスが、ガラス転移点が−30〜100℃の範囲の塩化ビニル共重合体であり、該中間層に該塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスのガラス転移点よりも20〜100℃低いSBRポリマーラテックスを加えることを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法
(2)前記受容層に含まれるポリマーラテックスが、塩化ビニルとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であることを特徴とする(1)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(3)記中間層が、さらに水溶性ポリマーを含むことを特徴とする)または(2)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(4)前記中間層に含有する水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする(3)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(5)前記断熱層が、さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(6)前記断熱層に含まれるバインダー樹脂がゼラチンであることを特徴とする(5)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(7)記中空ポリマーのガラス転移点が70℃以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(8)前記断熱層が、該断熱層に含まれるバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、断熱層に、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(9)記中間層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(10)記断熱層が、断熱層を構成するバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有し、かつ、記中間層に加える前記ポリマーラテックスのガラス転移点が60℃以下であって、該中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(11)記中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の150%以上であることを特徴とする(10)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(12)記中間層の乾燥時の塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の170%以上であることを特徴とする(10)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(13)前記受容層と前記断熱層との間に、さらに中間層を有し、該中間層に水溶性ポリマーを含有するか、または該中間層に前記受容層に加えられる前記塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスより低いガラス転移点のポリマーラテックスを加えることを特徴とする特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(14)記支持体が、紙の両面を熱可塑性の樹脂でラミネートしたものであることを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(15)記支持体が、紙の両面をポリエチレンでラミネートしたものであることを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(16)記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量が、該断熱層の乾燥時における塗布量の120%以上であることを特徴とする(14)又は(15)項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(17)記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、記受容層の乾燥時における塗布量および前記中間層の乾燥時における塗布量と、前記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量の合計が、該断熱層の乾燥時における塗布量の150%以上であることを特徴とする(14)〜(16)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
(18)前記支持体上に、少なくとも1層の前記受容層、中間層および断熱層を同時重層塗布することを特徴とする(1)〜(17)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
本発明の感熱転写受像シートは高感度で画像欠陥がなくしかも低コストで製造できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(受容層)および少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。また、前記の支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有する。さらに前記の受容層と断熱層との間にも中間層を有することが好ましい。ここで本発明では、支持体と受容層との間にある各層(ただし断熱層は除く)を単に「中間層」といい、例えば、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの下地層が含まれる。受容層、中間層および断熱層は同時重層塗布により形成されることが好ましい。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
(受容層)
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。本発明の受像シートにおいて、受容層はポリマーラテックスを含有する。
<ポリマーラテックス>
本発明に用いられるポリマーラテックスについて説明する。本発明の感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64-538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。
分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
ポリマーラテックスとしては通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明のポリマーラテックスのガラス転移点(ガラス転移温度、Tg)は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、10℃〜70℃がさらに好ましく、15℃〜60℃が特に好ましい。
本発明では、ガラス転移点が−30〜100℃の範囲の塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを使用する。
リマーラテックスの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリオレフィン類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜500000がよい。分子量が小さすぎるものはラテックスを含有する層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラテックスも好ましく使用される。
本発明では、塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを使用する。
本発明に使用するポリマーラテックスの合成に用いるモノマーとしては、特に制限はなく、通常のラジカル重合又はイオン重合法で重合可能なものでは、下記に示すモノマー群(a)〜(j)を好適に用いることができる。これらモノマーを独立かつ自由に組み合わせて選択し、ポリマーラテックスを合成することができる。
−モノマー群(a)〜(j)−
(a)共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b)オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(c)α,β−不飽和カルボン酸エステル類:アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等)、置換アルキルアクリレート(例えば、2−クロロエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート等)、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加モル数=2ないし100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、クロロ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)。
(d)α,β−不飽和カルボン酸のアミド類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等。
(e)不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f)スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g)ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h)ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸、ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i)α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j)その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
本発明で使用できるポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、ダイセル化学工業(株)製セビアンA-4635,4718,4601、日本ゼオン(株)製Nipol Lx811、814、821、820、855(P-17:Tg36℃)、857x2(P-18:Tg43℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat R3370(P-19:Tg25℃)、4280(P-20:Tg15℃)、日本純薬(株)製ジュリマーET-410(P-21:Tg44℃)、JSR(株)製AE116(P-22:Tg50℃)、AE119(P-23:Tg55℃)、AE121(P-24:Tg58℃)、AE125(P-25:Tg60℃)、AE134(P-26:Tg48℃)、AE137(P-27:Tg48℃)、AE140(P-28:Tg53℃)、AE173(P-29:Tg60℃)、東亞合成(株)製アロンA-104(P-30:Tg45℃)、高松油脂(株)製NS-600X、NS-620X、日信化学工業(株)製ビニブラン2580、2583、2641、2770、2770H、2635、2886、5202C、2706などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリエステル類の例としては、大日本インキ化学(株)製FINETEX ES650、611、675、850、イーストマンケミカル製WD-size、WMS、高松油脂(株)製A-110、A-115GE、A-120、A-121、A-124GP、A-124S、A-160P、A-210、A-215GE、A-510、A-513E、A-515GE、A-520、A-610、A-613、A-615GE、A-620、WAC-10、WAC-15、WAC-17XC、WAC-20、S-110、S-110EA、S-111SL、S-120、S-140、S-140A、S-250、S-252G、S-250S、S-320、S-680、DNS-63P、NS-122L、NS-122LX、NS-244LX、NS-140L、NS-141LX、NS-282LX、東亞合成(株)製アロンメルトPES-1000シリーズ、PES-2000シリーズ、東洋紡(株)製バイロナールMD-1100、MD-1200、MD-1220、MD-1245、MD-1250、MD-1335、MD-1400、MD-1480、MD-1500、MD-1930、MD-1985、住友精化(株)製セポルジョンESなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリウレタン類の例としては、大日本インキ化学(株)製HYDRAN AP10、AP20、AP30、AP40、101H、Vondic 1320NS、1610NS、大日精化(株)製D-1000、D-2000、D-6000、D-4000、D-9000、高松油脂(株)製NS-155X、NS-310A、NS-310X、NS-311X、第一工業製薬(株)製エラストロンなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、LX410、LX430、LX435、LX110、LX415A、LX438C、2507H、LX303A、LX407BPシリーズ、V1004、MH5055(以上日本ゼオン(株)製)などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ塩化ビニル類の例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950などが挙げられる(いずれも商品名)。ポリ塩化ビニリデン類の例としては、旭化成工業(株)製L502、L513、大日本インキ化学(株)製D-5071など挙げられる(いずれも商品名)。ポリオレフィン類の例としては、三井石油化学(株)製ケミパールS120、SA100、V300(P-40:Tg80℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat 2830、2210、2960、住友精化(株)製ザイクセン、セポルジョンG、共重合ナイロン類の例としては、住友精化(株)製セポルジョンPA、などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ酢酸ビニル類の例としては、日信化学工業(株)製ビニブラン1080、1082、1085W、1108W、1108S、1563M、1566、1570、1588C、A22J7-F2、1128C、1137、1138、A20J2、A23J1、A23J1、A23K1、A23P2E、A68J1N、1086A、1086、1086D、1108S、1187、1241LT、1580N、1083、1571、1572、1581、4465、4466、4468W、4468S、4470、4485LL、4495LL、1023、1042、1060、1060S、1080M、1084W、1084S、1096、1570K、1050、1050S、3290、1017AD、1002、1006、1008、1107L、1225、1245L、GV-6170、GV-6181、4468W、4468Sなどが挙げられる(いずれも商品名)。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
ただし、本発明においては、受容層に少なくとも1種の塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを含有する。
本発明では受容層を水系の塗布液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は−30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は一時可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)に記載されている。好ましい造膜助剤は以下の化合物であるが、本発明で用い得る化合物は以下の具体例に限定されるものではない。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
本発明に用いられるポリマーラテックスの好ましい例としては、ポリ乳酸エステル類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアセタール類、SBR類、ポリ塩化ビニル類を挙げることができ、この中でも、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル類を含むことが最も好ましく、本発明においては塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスを使用する
本発明に用いられるポリマーラテックスは、ポリマーラテックスとともにいかなるポリマーも併用しても良い。併用することのできるポリマーとしては、透明又は半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜70℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜50℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜40℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
このガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
本発明に用いられるバインダーに用いられるポリマーは、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、アニオン重合法、カチオン重合等により容易に得ることができるが、ラテックスとして得られる乳化重合法が最も好ましい。また、ポリマーを溶液中で調製し、中和するか乳化剤を添加後に水を加え、強制的に撹拌により水分散体を調製する方法も好ましい。乳化重合法は、例えば、水、或いは、水と水に混和し得る有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5〜150質量%のモノマー混合物と、モノマー総量に対して乳化剤と重合開始剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜24時間、攪拌下重合させることにより行われる。分散媒、モノマー濃度、開始剤量、乳化剤量、分散剤量、反応温度、モノマー添加方法等の諸条件は、使用するモノマーの種類を考慮し、適宜設定される。また、必要に応じて分散剤を用いることが好ましい。
乳化重合法は、一般的には次に示す文献に従って行うことができる。奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)。本発明に用いられるポリマーラテックスを合成する乳化重合法において、一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法、シード重合法などを選択することができ、ラテックスの生産性の観点から一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法が好ましい。
前記重合開始剤としてはラジカル発生能があればよく、過硫酸塩や過酸化水素などの無機過酸化物、日本油脂(株)「有機過酸化物カタログ」などに記載の過酸化物および和光純薬工業(株)「アゾ重合開始剤カタログ」などに記載のアゾ化合物を用いることができる。その中でも、過硫酸塩などの水溶性過酸化物および和光純薬工業(株)「アゾ重合開始剤カタログ」などに記載の水溶性アゾ化合物が好ましく、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩、アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、アゾビスシアノ吉草酸がより好ましく、特に、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過酸化物が画像保存性、溶解性、コストの観点から好ましい。
前記重合開始剤の添加量としては、重合開始剤がモノマー総量に対して0.3質量%〜2.0質量%であることが好ましく、0.4質量%〜1.75質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜1.5質量%であることが特に好ましい。
前記重合乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができるが、アニオン性界面活性剤が分散性と画像保存性の観点から好ましく、少量で重合安定性が確保でき、加水分解耐性もあることからスルホン酸型アニオン界面活性剤がより好ましく、ペレックスSS−H(商品名、花王(株))に代表される長鎖アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩がさらに好ましく、パイオニンA−43−S(商品名、竹本油脂(株))のような低電解質タイプが特に好ましい。
前記重合乳化剤として、スルホン酸型アニオン界面活性剤がモノマー総量に対して0.1質量%〜10.0質量%使用されていることが好ましく、0.2質量%〜7.5質量%使用されていることがより好ましく、0.3質量%〜5.0質量%使用されていることが特に好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスの合成には、キレート剤を使用するのが好ましい。キレート剤は、鉄イオンなど金属イオンやカルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンなどの多価イオンを配位(キレート)できる化合物であり、特公平6-8956号、米国特許5053322号、特開平4-73645号、特開平4-127145号、特開平4-247073号、特開平4-305572号、特開平6−11805号、特開平5−173312号、特開平5−66527号、特開平5−158195号、特開平6−118580号、特開平6−110168号、特開平6−161054号、特開平6−175299号、特開平6−214352号、特開平7−114161号、特開平7−114154号、特開平7−120894号、特開平7−199433号、特開平7−306504号、特開平9−43792号、特開平8−314090号、特開平10−182571号、特開平10−182570号、特開平11−190892号に記載の化合物を用いることができる。
前記キレート剤としては、無機キレート化合物(トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム等)、アミノポリカルボン酸系キレート化合物(ニトリロトリ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等)、有機ホスホン酸系キレート化合物(Research Disclosure18170号、特開昭52−102726号、同53−42730号、同56−97347号、同54−121127号、同55−4024号、同55−4025号、同55−29883号、同55−126241号、同55−65955号、同55−65956号、同57−179843号、同54−61125号、及び西独特許1045373号などに記載の化合物)、ポリフェノール系キレート剤、ポリアミン系キレート化合物など好ましく、アミノポリカルボン酸誘導体が特に好ましい。
前記アミノポリカルボン酸誘導体の好ましい例としては、「EDTA(−コンプレキサンの化学−)」(南江堂、1977年)の付表の化合物があげられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されてもよい。特に好ましいアミノカルボン酸誘導体としては、イミノ二酢酸、N−メチルイミノ二酢酸、N−(2−アミノエチル)イミノ二酢酸、N−(カルバモイルメチル)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン−N,N'−二酢酸、エチレンジアミン−N,N'−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N'−ジ−β−プロピオン酸、N,N'−エチレン−ビス(α−o−ヒドロキシフェニル)グリシン、N,N'−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N'−二酢酸、エチレンジアミン−N,N'−二酢酸−N,N'−ジアセトヒドロキサム酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N',N'−三酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、1,2−プロピレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、d,l−2,3−ジアミノブタン−N,N,N',N'−四酢酸、meso−2,3−ジアミノブタン−N,N,N',N'−四酢酸、1−フェニルエチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、d,l−1,2−ジフェニルエチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、1,4−ジアミノブタン−N,N,N',N'−四酢酸、trans−シクロブタン−1,2−ジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、trans−シクロペンタン−1,2−ジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、trans−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、cis−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、シクロヘキサン−1,4−ジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、o−フェニレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、cis−1,4−ジアミノブテン−N,N,N',N'−四酢酸、trans−1,4−ジアミノブテン−N,N,N',N'−四酢酸、α,α'−ジアミノ−o−キシレン−N,N,N',N'−四酢酸、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、2,2'−オキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、2,2'−エチレンジオキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、エチレンジアミン−N,N'−二酢酸−N,N'−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N'−二酢酸−N,N'−ジ−β−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N,N',N'−テトラプロピオン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N',N'',N''−五酢酸、トリエチレンテトラミン−N,N,N',N'',N''',N'''−六酢酸、1,2,3−トリアミノプロパン−N,N,N',N'',N''',N'''−六酢酸が挙げられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されたものもあげることができる。
前記キレート剤の添加量は、モノマー総量に対して0.01質量%〜0.4質量%であることが好ましく、0.02質量%〜0.3質量%であることがより好ましく、0.03質量%〜0.15質量%であることが特に好ましい。キレート剤量が0.01質量%未満であると、ポリマーラテックスの製造工程で混入する金属イオンの捕捉が不十分となり、ラテックスの凝集に対する安定性が低下し、塗布性を悪化させる。また、0.4%を超えると、ラテックスの粘度が上昇し塗布性を低下させる。
本発明に用いられるポリマーラテックスの合成には、連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤としては、「Polymer Handbook,第3版」(Wiley-Interscience,1989)に記載されているものが好ましい。硫黄化合物は連鎖移動能が高く、少量で用いることで済むことからより好ましい。tert−ドデシルメルカプタンやn−ドデシルメルカプタン等疎水的なメルカプタン系の連鎖移動剤が特に好ましい。
前記連鎖移動剤量は、モノマー総量に対して0.2質量%〜2.0質量%が好ましく、0.3質量%〜1.8質量%がより好ましく、0.4質量%〜1.6質量%が特に好ましい。
乳化重合では、上記化合物以外に、電解質、安定化剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、加硫剤、凍結防止剤、ゲル化剤、加硫促進剤など合成ゴムハンドブック等に記載の添加剤を使用してもよい。
本発明に用いられるポリマーラテックスは、その塗布液における溶媒として、水系溶媒を用いることができるが、水混和性の有機溶媒を併用してもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド等を挙げることができる。これら有機溶媒の添加量は、溶媒の50%以下、より好ましくは30%以下であることが好ましい。
また、本発明に用いられるポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10〜70質量%であることが好ましく、さらに20〜60質量%、特に30〜55質量%であることが好ましい。
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
<紫外線吸収剤>
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤を添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤は、紫外域に吸収をもち、可視領域に吸収端がかからないことが好ましい。具体的には、受容層に添加して感熱転写受像シートを形成したとき、370nmの反射濃度がAbs0.5以上になることが好ましく、380nmの反射濃度がAbs0.5以上になることが更に好ましい。また、400nmの反射濃度がAbs0.1以下であることが好ましい。なお、400nmを超える範囲での反射濃度が高いと画像が黄ばむため好ましくない。
本発明では、紫外線吸収剤は高分子量化され、質量平均分子量10000以上が好ましく、質量平均分子量100000以上が更に好ましい。高分子量化する手段としては、紫外線吸収剤をポリマーにグラフトすることが好ましい。主鎖となるポリマーとしては、併用する受容ポリマーより色素の染着性が劣るポリマー骨格を有することが好ましい。また、製膜した際に十分な皮膜強度を有することが好ましい。ポリマー主鎖に対する紫外線吸収剤のグラフト率は、5〜20質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。
また、紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーはラテックス化することが更に好ましい。ラテックス化することにより水分散系の塗布液を塗布製膜することにより受容層を形成することができ、製造コストを軽減することが可能である。ラテックス化する方法は例えば特許第3450339号公報などに記載された方法を用いることができる。ラテックス化された紫外線吸収剤としては、例えば一方社油脂工業株式会社製ULS−700、ULS−1700、ULS−1383MA、ULS−1635MH、XL−7016、ULS−933LP、ULS−935LH、新中村化学製New Coat UVA−1025W、New Coat UVA−204W、New Coat UVA−4512M(いずれも商品名)など市販の紫外線吸収剤を使用することもできる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーのラテックスと混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマー又はそのラテックスの添加量は、受容層を形成する染着性受容ポリマーラテックスに対して5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
<離型剤>
受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合する。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系離型剤、フッ素系化合物、及び各種ワックス分散物を用いることができる。特にシリコーンオイル、ワックス、フッ素系化合物が好ましく用いられる。
離型剤の添加量は、後述するインクシートと受像シートの転写後剥離時の離型性と、搬送性に影響するインクシートと受像シートとの摩擦の関係、更に離型剤がその他の性能に及ぼす影響を勘案して決定される。一般的には、受容ポリマーの塗布量に対して0.2質量%〜50質量%で用いられ、好ましくは0.5質量%〜30質量%で用いられる。
これらの離型剤は、受容層の塗布溶媒に応じて、溶解、もしくは分散して用いられる。
これらの離型剤は単独で用いても良いし併用して用いても良いが、一般に併用して用いた方が、離型性とその他の性能を調節する観点において有利に働くことが多い。
シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用いられるが、中でもビニル変性シリコーンオイルとハイドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物が良い。
本発明の好ましい態様の一つとして水系塗布で受容層を形成する場合、シリコーンオイルは、常法により乳化分散して用いることが好ましい。
ワックスとしては、公知の物を使用することができる。本発明では、「ワックスとは、常温で固体または半固体のアルキル鎖を持つ有機物」として扱う(「改定 ワックスの性質と応用」(幸書房、1989年)の定義に従う)。好ましい化合物の例としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、モンタンワックス、オゾケライト、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素、その他配合ワックスなどがあげられる。このなかで、カルナウバワックス、モンタンワックス及びその誘導体、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、ポリエチレンワックス、ステアリン酸アミドが好ましく、カウナウバワックス、モンダンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸アミドがより好ましく、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックスが更に好ましい。
このワックスは融点が25℃〜120℃のものから選ばれ、好ましくは40℃〜100℃、更に好ましくは60℃〜90℃のものから選ばれる。
本発明の好ましい態様の一つとして水系塗布で受容層を形成する場合、ワックスは水分散物が好ましく、更に微粒子化したものがより好ましい。水分散の方法、および微粒子化させる方法は、「改定 ワックスの性質と応用」(幸書房、1989年)に記載の方法で達成される。
ワックスの添加量は、離型剤の添加量は前述の通り、他の性能と合わせて調整されるべきものであるが、好ましい範囲は、受容層全固形量の0.5質量%〜30質量%であり、1質量%〜20質量%がより好ましく、1.5質量%〜15質量%が更に好ましい。
フッ素系離型剤としては、公知の離型性を示す化合物を使用することができる。フッ化アルキル末端を有する界面活性剤が広く離型剤として知られている。フッ化アルキル末端を有する界面活性剤は、塗布助剤としても利用されることが知られている。
受容層の乾燥時における塗布量の合計は、1g/m2以上20g/m2以下が好ましく、1.5g/m2以上10g/m2以下がより好ましく、1.5g/m2以上6g/m2が更に好ましい。また、後述する中間層の乾燥時における塗布量と合計して、断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることが好ましく、200%以上になることがより好ましい。上限は2000%以下が好ましく、1000%以下がさらに好ましい。
(断熱層)
断熱層(多孔質層)は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。
本発明の受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーを含有する。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、1)ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
本発明においては、上記1)のポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーを使用する。
これらの中空ポリマーは、中空率が20〜70%程度のものが好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。前記1)の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記2)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記3)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。断熱層に用いられる中空ポリマーはラテックス化されていてもよい。
中空ポリマーの隔壁を構成するポリマーのガラス転移温度は特に制限はなく、求められる性能によって、ガラス転移温度を設定することができる。例えば、広い温度範囲で断熱性を持たせるためには、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが更に好ましい。同様に中空ポリマーの耐熱性を持たせるために、ポリマー構造内に架橋を持たせることもできる。
また、断熱層自体にクッション性を持たせるためには、中空ポリマーのガラス転移温度を低めに設定することが有効であり、この様な効果をもたせるには、ガラス転移温度は120℃以下が好ましく、105℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層中にはバインダー樹脂として水分散型樹脂または水溶解型樹脂をバインダーとして含有することが好ましい。本発明で使用されるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セルロース誘導体、カゼイン、デンプン、ゼラチンなどの公知の樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂は単独又は混合して用いることができる。
断熱層における中空ポリマーの固形分含有量は、バインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき5〜2000質量部の間であることが好ましく、40〜1500質量部であることがより好ましく、50質量部以上(好ましくは50〜1500質量部)がさらに好ましく、60質量部以上(好ましくは60〜1500質量部)であることが特に好ましい。また、中空ポリマーの固形分の塗工液に対して占める質量比は、1〜70質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。中空ポリマーの比率が少なすぎると十分な断熱性をえることができず、中空ポリマーの比率が多すぎると中空ポリマー同士の結着力が低下し、処理中に粉落ち、または膜はがれなどの問題を生じる。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
断熱層には、ゼラチンを含むことが好ましい。断熱層のゼラチンの塗工液に占める量は0.5〜14質量%が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。また、断熱層における前記中空ポリマーの塗布量は1〜100g/m2が好ましく、5〜20g/m2がより好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。
(中間層)
本発明の感熱転写受像シートは、前記の支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層(下地層)を有する。下地層としては、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が含まれる。これらの層については、例えば特許第3585599号公報、特許第2925244号公報などに記載されたものと同様の構成とすることができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、前記の受容層と断熱層との間にも中間層を有することが好ましい。これにより断熱層の表面状態に影響されずに受容層の平面性を担保することができる。中間層が複数ある場合、中間層の構成はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
中間層は、受容層に含まれるポリマーラテックスよりガラス転移点の低いポリマーラテックスを含有し、さらに水溶性ポリマーを含有することが好ましい
<ポリマーラテックス>
中間層には、ポリマーラテックスについては上記で説明したもののうち、受容層に含まれるポリマーラテックスよりガラス転移点の低いものが用いられる。受容層に含まれるポリマーラテックスのガラス転移温度と中間層に含まれるポリマーラテックスのガラス転移温度との差は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましく、本発明においてはこのガラス点移転の差は20〜100℃である。また、ポリマーラテックスのガラス転移温度が60℃以下である場合が好ましい。下限に関しては上記関係を満たせば、特に制限されるものではないが、−100℃以上が好ましい。
当該中間層(下地層)に用いられるポリマーラテックスとしては、前記の受容層に関して説明したポリマーラテックスを用いることができ、本発明においては、支持体と断熱層との間の中間層には、SBRポリマーラテックスを使用する
支持体と断熱層との間に設けられる中間層におけるポリマーラテックスの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
また、受容層と断熱層との間に設けられる中間層におけるポリマーラテックスの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
<水溶性ポリマー>
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。なお、本発明における水溶性ポリマーには、前記ポリマーラテックスは含まれない。また、水溶性ポリマーは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解するものが好ましく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上溶解するものである。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーのうち、天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、アラビアガム、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、グアガム(Squalon製Supercolなど)、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガント、トウモロコシデンプン(National Starch & Chemical Co.製Purity-21など)、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical Co.製National 78-1898など)など、微生物系多糖類としては、キサンタンガム(Kelco製Keltrol Tなど)、デキストリン(National Starch & Chemical Co.製Nadex360など)など、動物系天然高分子としては、ゼラチン(Croda製Crodyne B419など)、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム(Croda製Cromoist CSなど)などがあげられる。セルロース系としては、エチルセルロース(I.C.I.製Cellofas WLDなど)、カルボキシメチルセルロース(ダイセル製CMCなど)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル製HECなど)、ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon製Klucelなど)、メチルセルロース(Henkel製Viscontranなど)、ニトロセルロース(Hercules製Isopropyl Wetなど)、カチオン化セルロース(Croda製Crodacel QMなど)などが挙げられる(いずれも商品名)。デンプン系としては、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical製National 78-1898など)、アルギン酸系としては、アルギン酸ナトリウム(Kelco製Keltoneなど)、アルギン酸プロピレングリコールなど、その他の分類として、カチオン化グアガム(Alcolac製Hi-care1000など)、ヒアルロン酸ナトリウム(Lifecare Biomedial製Hyalureなど)が挙げられる(いずれも商品名)。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーのうち、合成高分子について詳しく説明する。アクリル系としてはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド共重合体、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩またはその共重合体など、ビニル系としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルアルコールなど、その他としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホン酸又はその共重合体、ナフタレンスルホン酸縮合物塩、ポリビニルスルホン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又はその共重合体、アクリル酸又はその共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体、など)、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドまたはその共重合体、ポリアミジンまたはその共重合体、ポリイミダゾリン、ジシアンシアミド系縮合物、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン縮合物、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、水溶性ポリエステル(互応化学(株)製:プラスコートZ-221、Z-446、Z-561、Z-450、Z-565、Z-850、Z-3308、RZ-105、RZ-570、Z-730、RZ-142(いずれも商品名))などである。
また、米国特許第4,960,681号明細書、特開昭62−245260号公報等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H(商品名))も使用することができる。
本発明に用いることのできる水溶性合成高分子のうち、ポリビニルアルコールについてさらに詳しく説明する。完全けん化物としては、PVA−105[ポリビニルアルコール(PVA)含有率94.0質量%以上、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%以下、揮発分5.0質量%以下、粘度(4質量%、20℃)5.6±0.4CPS]、PVA−110[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)11.0±0.8CPS]、PVA−117[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)28.0±3.0CPS]、
PVA−117H[PVA含有率93.5質量%、けん化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)29.0±3.0CPS]、PVA−120[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)39.5±4.5CPS]、PVA−124[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)60.0±6.0CPS]、
PVA−124H[PVA含有率93.5質量%、けん化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)61.0±6.0CPS]、PVA−CS[PVA含有率94.0質量%、けん化度97.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)27.5±3.0CPS]、PVA−CST[PVA含有率94.0質量%、けん化度96.0±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)27.0±3.0CPS]、PVA−HC[PVA含有率90.0質量%、けん化度99.85モル%以上、酢酸ナトリウム含有率2.5質量%、揮発分8.5質量%、粘度(4質量%、20℃)25.0±3.5CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)など、
部分けん化物としては、PVA−203[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.4±0.2CPS]、PVA−204[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.9±0.3CPS]、PVA−205[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)5.0±0.4CPS]、
PVA−210[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)9.0±1.0CPS]、PVA−217[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)22.5±2.0CPS]、PVA−220[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)30.0±3.0CPS]、
PVA−224[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)44.0±4.0CPS]、PVA−228[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)65.0±5.0CPS]、PVA−235[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)95.0±15.0CPS]、
PVA−217EE[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)23.0±3.0CPS]、PVA−217E[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)23.0±3.0CPS]、PVA−220E[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)31.0±4.0CPS]、
PVA−224E[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)45.0±5.0CPS]、PVA−403[PVA含有率94.0質量%、けん化度80.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.1±0.3CPS]、PVA−405[PVA含有率94.0質量%、けん化度81.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)4.8±0.4CPS]、
PVA−420[PVA含有率94.0質量%、けん化度79.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%]、PVA−613[PVA含有率94.0質量%、けん化度93.5±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)16.5±2.0CPS]、L−8[PVA含有率96.0質量%、けん化度71.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%(灰分)、揮発分3.0質量%、粘度(4質量%、20℃)5.4±0.4CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)などがある。
なお、上記の測定値はJIS K−6726−1977に準じて求めたものである。
変性ポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著,「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。カチオン、アニオン、−SH化合物、アルキルチオ化合物、シラノールによる変性がある。
このような変性ポリビニルアルコール(変性PVA)としては、CポリマーとしてC−118、C−318、C−318−2A、C−506(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、HLポリマーとしてHL−12E、HL−1203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、HMポリマーとしてHM−03、HM−N−03(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、KポリマーとしてKL−118、KL−318、KL−506、KM−118T、KM−618(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、MポリマーとしてM−115(クラレ(株)製の商品名)、MPポリマーとしてMP−102、MP−202、MP−203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、MPKポリマーとして、MPK−1、MPK−2、MPK−3、MPK−4、MPK−5、MPK−6(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、RポリマーとしてR−1130、R−2105、R−2130(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、VポリマーとしてV−2250(クラレ(株)製の商品名)などがある。
ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献、長野浩一ら共著,「ポバール」,高分子刊行会発行,144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%であることが好ましい。
好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゴム類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、セルロースエステル類、ポリアミド類であって水溶性のものである。
本発明において、水溶性ポリマーは、ゼラチンまたはポリビニルアルコールが好ましい。
支持体と断熱層との間に設けられる中間層における水溶性ポリマーの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
また、受容層と断熱層との間に設けられる中間層における水溶性ポリマーの添加量は、0.03〜30g/m2であることが好ましく、0.1〜10g/m2であることがより好ましい。
また、中間層の乾燥時の塗布量もしくは、該中間層の乾燥時の塗布量および受容層の乾燥時における塗布量の合計が、断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることが好ましく、150%以上であることがより好ましく、170%以上であることがさらに好ましい。なお、200%以上、300%以上である場合はよりさらに好ましい。ここで、上限は1000%以下が好ましく、500%以下がさらに好ましい。このとき、中間層にガラス転移温度が60℃以下のポリマーラッテックスを含有することが特に好ましい。なお、乾燥時とは、乾燥により、揮発成分が揮発乾燥した後のことであり、いわゆる乾燥後のことを意味する。
(支持体)
本発明では、支持体として耐水性支持体を用いることが好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。特に、本発明では、紙の両面をポリエチレンでラミネートした支持体を用いることが好ましい。
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
前記原紙等の表面に塗工する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが適当である。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記熱可塑性樹脂には、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラミネートの方法は、特に制限はなく、製膜したフィルムを原紙等のシートに接着剤を介して貼りあわせても良いし、原紙等のシートに直接樹脂を押し出して形成してもよい。製造コストの点から、原紙等のシートに直接樹脂を押し出して形成する方法が好ましい。
前記ポリオレフィンは、ポリエチレンが好ましく、さらには低密度ポリエチレンを用いて形成することがさらに好ましく、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
ラミネートされる樹脂層の塗布量は、特に制限はないが、断熱層の乾燥時における塗布量の120%以上になることが好ましく、150%以上になることがより好ましい。上限は500%以下が好ましく、300%以下がさらに好ましい。
また、ラミネートされる樹脂層の塗布量は、画像が形成される側の断熱層以外の層の乾燥時における総塗布量(好ましくは受容層のみの乾燥時における塗布量)と合わせて、断熱層の乾燥時における塗布量の150%以上になることが好ましく、200%以上になることがより好ましく、300%以上になることが更に好ましい。上限は1000%以下が好ましく、500%以下がさらに好ましい。
特に画像の転写される側のラミネートされる樹脂層の塗布量が、上記の2種の少なくともいずれかの関係になっていることが好ましい。
しかも、断熱層が、ガラス転移温度70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有する場合が特に好ましい。
ここで、ラミネートされる樹脂層の単位面積あたりの質量を本発明では、「塗布量」として取り扱う。ラミネート層を原紙等のシートに貼りあわせて使用する場合も、このラミネート層の単位面積あたりの質量を簡単のため、「塗布量」と表現する。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。該支持体の剛度としては、種々のものがその目的に応じて使用することが可能であり、写真画質の電子写真用受像シート用の支持体としては、カラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。
(カール調整層)
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
(筆記層・帯電調整層)
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
以下、本発明の感熱転写受像シートの製造方法について説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、少なくとも1層の受容層、中間層および断熱層を支持体上に同時重層塗布することで形成することができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより、生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができる。
本発明においては複数の層は樹脂を主成分として構成される。各層を形成するための塗布液は水分散ラテックスであることが好ましい。各層の塗布液に占めるラテックス状態の樹脂の固形分重量は5〜80%の範囲が好ましく20〜60%の範囲が特に好ましい。上記水分散ラテックスに含まれる樹脂の平均粒子サイズは5μm以下であり1μm以下が特に好ましい。上記水分散ラテックスは必要に応じて界面活性剤、分散剤、バインダー樹脂など公知の添加剤を含むことができる。
本発明では米国特許2,761,791号明細書に記載の方法で支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させる事が好ましい。一例として樹脂により固化する多層構成の場合、支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を上げることが好ましい。またゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げることが好ましい場合もある。
本発明においては多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
熱転写画像形成の際に、上述した本発明の感熱転写受像シートと併せて使用される感熱転写シート(インクシート)は支持体上に拡散転写染料を含む色素層を設けたものであり、任意のインクシートを使用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与
することによって所期の目的を十分に達成することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例
(インクシートの作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエロー組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン組成物
シアン染料(ソルベントブルー63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
(支持体の作製)
アカシアからなる広葉樹クラフトパルプ(LBKP)50質量部及びアスペンからなる広葉樹クラフトパルプ(LBKP)50質量部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製、商品名、CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製、商品名、DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製、商品名、サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製、商品名、アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名、KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は166g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側に、コロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いてMFR(メルトフローレート;以下同様)16.0g/10分、密度0.96g/cm3の高密度ポリエチレン(ハイドロタルサイト(DHT−4A、商品名、協和化学工業(株)製)250ppmと、二次酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、商品名:イルガフォス168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、200ppmを含有)と、MFR4.0g/10分、密度0.93g/cm3の低密度ポリエチレンと、を75/25(質量比)の割合で配合した樹脂組成物を、厚さ25g/m2となるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製、商品名、アルミナジル100)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製、商品名、スノーテックスO)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有するMFR4.0g/10分、密度0.93g/m2の低密度ポリエチレンを24g/m2になるように溶融押出機を用いてコーティングし、鏡面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。表面に使用した低密度ポリエチレンのガラス転移温度は−120℃である。
実施例1
(受像シートの作製)
(1−1)試料101(比較例)の作製
上記で作製した支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、下記組成の断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
ここで、受容層Aに用いた、塩化ビニル系ラテックスのガラス転移温度は73℃であり、断熱層Aに用いた中空ポリマーラテックスは、ガラス転移温度105℃、外径0.5μm中空構造ポリマーの水分散体である。
(1−2)試料102(本発明)の作製
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層A、断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層A:5g/m2、断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層A
SBRポリマーラテックス 127質量部
(SN307、商品名、日本エイアンドエル(株)製)
ポリビニルアルコール 7質量部
(PVA102、商品名、クラレポバール(株)製)
水 63質量部
ここで、使用したSBRポリマーラテックスのガラス転移温度は5℃である。
(1−3)試料103(参考例)の作製
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層B、断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層B:0.4g/m2、断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層B
ゼラチン 25質量部
水 99質量部
(1−4)試料104(本発明)の作製
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層B、中間層A、断熱層A、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層B:0.4g/m2、中間層A:5g/m2、断熱層A:15g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層A
SBRポリマーラテックス 127質量部
(SN307、商品名、日本エイアンドエル(株)製)
ポリビニルアルコール 7質量部
(PVA102、商品名、クラレポバール(株)製)
水 63質量部
中間層B
ゼラチン 25質量部
水 99質量部
(1−5)試料105(本発明)の作製
試料101において、同様の方法により、下記組成の中間層A、断熱層A、中間層B、受容層Aを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに30℃で20分間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は中間層A:5g/m2、断熱層A:15g/m2、中間層B:0.4g/m2、受容層A:4.0g/m2となるように塗布を行った。
受容層A
塩化ビニル系ラテックス 78質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
水 15質量部
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
中間層B
ゼラチン 25質量部
水 99質量部
断熱層A
中空ポリマーラテックス 334質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 26質量部
水 50質量部
中間層A
SBRポリマーラテックス 127質量部
(SN307、商品名、日本エイアンドエル(株)製)
ポリビニルアルコール 7質量部
(PVA102、商品名、クラレポバール(株)製)
水 63質量部
(画像形成)
参考例のインクシートおよび前記試料101〜105の受像シートを、日本電産コパル株式会社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで、濃度1.0のグレーベタ画像を得られる設定で画像を出力した。
(画像評価)
上記の条件で得られたグレーベタ画像を目視評価したところ、比較用試料101には、直径150μm程度の白く抜けたスポット状の故障がわずかに認められたが、本発明の試料102、104、105および参考例の試料103には認められなかった。
(画像の保存)
上で評価した受像シート101〜105のグレーベタ画像を70℃70%RHの条件下で4週間保存後にグレーベタ画像を観察したところ、比較用試料101では濃度1.0が0.65に低下したが、本発明の試料102、104、105および参考例の試料103では濃度低下が認められなかった。
結果から明らかなように、本発明の試料102、104、105および参考例の試料103は、グレー画像中に白く抜けたスポット状の故障の発生がなく、受像シート上の画像の、保存後の濃度変化がなかった。
実施例2
試料201〜206(本発明)の作製
試料102において、支持体の表面(画像転写側)の樹脂層、及び、中間層A、断熱層A、受容層Aの乾燥時の塗布量を表1になるように塗布を行った以外は、同様にして試料201〜206を作成した。
Figure 0004789792
(画像形成)
富士フイルム株式会社製 昇華型プリンターASK2000(商品名)に、試料201〜206を装填可能なように加工し、ASK2000用のインクリボンと合わせて装填し、高速プリントモードで、濃度0.4のグレーベタ画像を得られる設定で画像を出力した。
最高濃度の黒ベタ画像を出力し、V濃度をXrite310(Xrite社製、商品名)で測定した。
(画像評価)
上記の条件で得られたグレーベタ画像を目視評価し、均一なグレー画像が得られたものを5点、白く抜けたところはないが、均質性におとる画像が得られたものを4点、わずかに白く抜けた個所が観察されたものを3点、白く抜けた個所が多く観測されたものを2点、一面に白く抜けた個所が観察されたものを1点とした。結果を表2に示す。
Figure 0004789792
表2の結果から明らかなように、本発明の試料203〜206は、低濃度部での転写不良による画像の白抜け等の故障も少なく、高濃度の発色にもすぐれた高品位の画像が得られることがわかった。また、本発明の試料203〜206の中でも、試料205及び206は白抜けが全く観察されず更に高感度であり、特に試料206は均一なグレー画像が得られることがわかった。

Claims (18)

  1. 支持体上に少なくとも1層のポリマーラテックスを含む受容層と、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂により形成された非発泡型の中空ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートの製造方法であって、支持体と断熱層との間に少なくとも1層の中間層を有し、該受容層に加えられる前記ポリマーラテックスが、ガラス転移点が−30〜100℃の範囲の塩化ビニル共重合体であり、該中間層に該塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスのガラス転移点よりも20〜100℃低いSBRポリマーラテックスを加えることを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法
  2. 前記受容層に含まれるポリマーラテックスが、塩化ビニルとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  3. 記中間層が、さらに水溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  4. 前記中間層に含有する水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項3に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  5. 前記断熱層が、さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  6. 前記断熱層に含まれるバインダー樹脂がゼラチンであることを特徴とする請求項5に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  7. 記中空ポリマーのガラス転移点が70℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  8. 記断熱層が、断熱層に含まれるバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  9. 記中間層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  10. 記断熱層が、断熱層を構成するバインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを固形分含有量として50質量部以上含有し、かつ、記中間層に加える前記ポリマーラテックスのガラス転移点が60℃以下であって、該中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、断熱層の乾燥時における塗布量の合計の120%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  11. 記中間層の乾燥時における塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の150%以上であることを特徴とする請求項10に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  12. 記中間層の乾燥時の塗布量、もしくは該中間層および前記受容層の乾燥時における塗布量の合計が、前記断熱層の乾燥時における塗布量の合計の170%以上であることを特徴とする請求項10に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  13. 前記受容層と前記断熱層との間に、さらに中間層を有し、該中間層に水溶性ポリマーを含有するか、または該中間層に前記受容層に加えられる前記塩化ビニル共重合体のポリマーラテックスより低いガラス転移点のポリマーラテックスを加えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  14. 記支持体が、紙の両面を熱可塑性の樹脂でラミネートしたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  15. 記支持体が、紙の両面をポリエチレンでラミネートしたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  16. 記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量が、該断熱層の乾燥時における塗布量の120%以上であることを特徴とする請求項14または15に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  17. 記断熱層が、ガラス転移点が70℃以上の中空ポリマーを50質量%以上含有し、かつ、記受容層の乾燥時における塗布量および前記中間層の乾燥時における塗布量と、前記支持体をラミネートする熱可塑性樹脂の画像が転写される側の塗布量の合計が、該断熱層の乾燥時における塗布量の150%以上であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法
  18. 前記支持体上に、少なくとも1層の前記受容層、中間層および断熱層を同時重層塗布することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
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